JP2009067620A - 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009067620A JP2009067620A JP2007236096A JP2007236096A JP2009067620A JP 2009067620 A JP2009067620 A JP 2009067620A JP 2007236096 A JP2007236096 A JP 2007236096A JP 2007236096 A JP2007236096 A JP 2007236096A JP 2009067620 A JP2009067620 A JP 2009067620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crucible
- crystal
- single crystal
- compound semiconductor
- semiconductor single
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
【課題】結晶側面から液体封止剤への放熱を抑制し、結晶側面付近の凹面化を抑制し、外形制御を容易にする。
【解決手段】不活性ガスを充填した耐圧容器(高温炉1)内に収容したるつぼ3に、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶8とるつぼを相対的に移動させて単結晶15を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造方法において、前記るつぼ3以外の場所で加熱により軟化させた液体封止剤13を、結晶成長中に前記るつぼ3に追加充填する。
【選択図】図1
【解決手段】不活性ガスを充填した耐圧容器(高温炉1)内に収容したるつぼ3に、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶8とるつぼを相対的に移動させて単結晶15を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造方法において、前記るつぼ3以外の場所で加熱により軟化させた液体封止剤13を、結晶成長中に前記るつぼ3に追加充填する。
【選択図】図1
Description
本発明は化合物単結晶の製造方法及びその製造装置に関するものであり、特に、転位等の結晶欠陥の少ない良質な化合物半導体単結晶を得ることが可能な化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置に関するものである。
従来、化合物単結晶の製造方法として、垂直温度勾配凝固法(VGF)法、垂直ブリッジマン法(VB法)やチョコラルスキー法(以下、LEC法という。)が知られている。
図3に従来のLEC法による化合物半導体装置及び化合物半導体の成長の様子を示す。
化合物半導体装置の耐圧容器100には、下方側から下軸101が挿入され、下軸101の上端にるつぼ102が支持される。るつぼ102には、III族及びV族原料と液体封
止剤とが収容される。つるぼ102の外側には、ヒータ103が設けられ、その外側に断熱材104が設けられる。断熱材104は、耐圧容器100の内周面と底面とを覆うように設けられる。また、耐圧容器100には、上方側より下軸101と同心に上軸105が挿入され、上軸105の先端に種結晶が取り付けられる。
化合物半導体装置の耐圧容器100には、下方側から下軸101が挿入され、下軸101の上端にるつぼ102が支持される。るつぼ102には、III族及びV族原料と液体封
止剤とが収容される。つるぼ102の外側には、ヒータ103が設けられ、その外側に断熱材104が設けられる。断熱材104は、耐圧容器100の内周面と底面とを覆うように設けられる。また、耐圧容器100には、上方側より下軸101と同心に上軸105が挿入され、上軸105の先端に種結晶が取り付けられる。
化合物半導体の成長の際は、耐圧容器100内は不活性ガス雰囲気とされ、ヒータ103の加熱によりつるぼ102が加熱される。
るつぼ102に収容されているIII−V族原料と液体封止剤107とが溶融されると、
原料融液106の表面が液体封止剤107によって覆われ、液体封止剤107によって原料融液106からのV族原料の揮発が防止される。
この状態で、下軸101と上軸105とを相対的に回転させ、種結晶を原料融液106に接触させながら上軸105と下軸101の相対移動によって種結晶と、るつぼ103とを相対的に移動させると、III族−V族の単結晶108に成長する。
るつぼ102に収容されているIII−V族原料と液体封止剤107とが溶融されると、
原料融液106の表面が液体封止剤107によって覆われ、液体封止剤107によって原料融液106からのV族原料の揮発が防止される。
この状態で、下軸101と上軸105とを相対的に回転させ、種結晶を原料融液106に接触させながら上軸105と下軸101の相対移動によって種結晶と、るつぼ103とを相対的に移動させると、III族−V族の単結晶108に成長する。
単結晶108を収率よく成長させるには、原料融液106と成長中の成長結晶との界面、すなわち、固液界面109の形状制御が重要になる。固液界面109の形状は、液体封止剤107側から原料融液106側に向かって凸の形状で且つ固液界面109の結晶側面110付近に部分的な凹部が形成されることがないように制御するのが好ましいとされる。
しかし、固液界面109の形状を結晶直径方向全周に及んで凸型とすることは困難で、固液界面109の成長結晶の結晶側面付近が部分的に凹型となってしまう傾向があり、特に、成長する結晶径が大きくなるほど固液界面109の形状の制御が困難となる傾向がある。
固液界面109の成長結晶の結晶側面付近に凹面が発生すると、結晶の転移が結晶の成長とともに成長結晶の凹面部111に集積し、多結晶化に繋がってしまう。
しかし、固液界面109の形状を結晶直径方向全周に及んで凸型とすることは困難で、固液界面109の成長結晶の結晶側面付近が部分的に凹型となってしまう傾向があり、特に、成長する結晶径が大きくなるほど固液界面109の形状の制御が困難となる傾向がある。
固液界面109の成長結晶の結晶側面付近に凹面が発生すると、結晶の転移が結晶の成長とともに成長結晶の凹面部111に集積し、多結晶化に繋がってしまう。
固液界面109の成長結晶の結晶側面付近の部分的な凹型化は、LEC法による結晶成長において顕著であり、その原因としては、図中、矢印112で示すように、結晶成長中に、原料融液106から成長結晶内に取り込まれた熱が、液体封止剤107中で成長している成長結晶の側面から液体封止剤107中に放熱されることが考えられる。実際、B2O3等の液体封止剤107の熱伝導率が低いため(断熱性が高い)、液体封止剤107中の温度勾配は100℃/cmと急峻になり、結晶側面から液体封止剤107中に放熱しやすいといえる。
液体封止剤107中の急峻な温度勾配は、成長中の結晶内に大きな熱応力を発生させ、結晶欠陥を増加させるため、結晶側面から液体封止剤107への放熱を抑制する必要があ
る。
液体封止剤107中の急峻な温度勾配は、成長中の結晶内に大きな熱応力を発生させ、結晶欠陥を増加させるため、結晶側面から液体封止剤107への放熱を抑制する必要があ
る。
結晶側面から液体封止剤107への放熱を抑制するには、液体封止剤107の温度勾配を緩やかにすることが効果的である。
このため、前記ヒータ103を、ゾーン別加熱ヒータで構成し、液体封止剤107中の結晶側面と対峙するヒータゾーンの出力を効率よく上げることで、液体封止剤107の温度勾配を緩和する方法や前記耐圧容器100内の不活性ガス温度を上げることで、実質的に、液体封止剤107の温度勾配を緩やかにする方法が試みられている。
しかし、B2O3等の液体封止剤107の熱伝導率が小さいために、前者の方法では、液体封止剤107中の結晶側面に効率よく熱を伝達することが困難であり、後者の方法では、高温となった不活性ガス雰囲気中に引き上げられた成長結晶の温度が高くなり、成長結晶の側面からV族原料が解離してしまうという問題がある。
このため、前記ヒータ103を、ゾーン別加熱ヒータで構成し、液体封止剤107中の結晶側面と対峙するヒータゾーンの出力を効率よく上げることで、液体封止剤107の温度勾配を緩和する方法や前記耐圧容器100内の不活性ガス温度を上げることで、実質的に、液体封止剤107の温度勾配を緩やかにする方法が試みられている。
しかし、B2O3等の液体封止剤107の熱伝導率が小さいために、前者の方法では、液体封止剤107中の結晶側面に効率よく熱を伝達することが困難であり、後者の方法では、高温となった不活性ガス雰囲気中に引き上げられた成長結晶の温度が高くなり、成長結晶の側面からV族原料が解離してしまうという問題がある。
また、他の方法として、るつぼへの原料の充填時に、液体封止剤107の充填量を増量し、液体封止剤107の厚みを増加させる方法もあるが、液体封止剤107の量が増加すると、種付けの際に、種付けの様子を確認し難くなるという問題や、成長開始時の種結晶と原料融液106との間の温度勾配が極めて小さく熱の逃げ場が無くなってしまい安定的に結晶を成長させることが困難になるという問題がある。
そこで、図4に示すように、種付け時と成長中の液体封止剤の厚みを変える方法(特許文献1)が提案されている。これは、単結晶114より大きな内径の管状容器113の下端を液体封止剤107中に挿入し、管状容器113内外のガス圧力を制御することよって、管状容器113内の液体封止剤107の厚みを、結晶生長時には薄く、結晶成長中には厚くするというものである。
特開平9−278582号公報
しかし、液体封止剤の厚みを制御するには管状容器と結晶側面との間のクリアランスを5〜20mmに保持する必要があるので、結晶の外形制御が通常のLEC法と比べて困難になるという問題がある。
また、耐圧容器の覗き窓から種付けを確認するために前記管状容器に石英管を用いる必要があるが、Siが石英管から原料融液に混入してしまうという問題がある。
また、耐圧容器の覗き窓から種付けを確認するために前記管状容器に石英管を用いる必要があるが、Siが石英管から原料融液に混入してしまうという問題がある。
そこで、本発明の目的は結晶側面から液体封止剤への放熱を抑制し、結晶側面付近の凹面化を抑制し、外形制御を容易にすることにある。
請求項1記載の発明は、不活性ガスを充填した耐圧容器内に収容したるつぼに、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶とるつぼを相対的に移動させて単結晶を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造方法において、
前記るつぼ以外の場所で加熱により軟化させた液体封止剤を、結晶成長中に前記るつぼに追加充填する化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
前記るつぼ以外の場所で加熱により軟化させた液体封止剤を、結晶成長中に前記るつぼに追加充填する化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記るつぼの上部空間に配された液体封止剤専用の容器中で軟化させた液体封止剤を、該容器下部から前記るつぼ内に配管を通して導入する際に、該配管の途中に設けられた流量調節手段により充填量を調節する化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、種結晶の種付け時は、前記るつぼ内に導入した液体封止剤のみで行い、種付け後の増径部成長時に液体封止剤を追加充填する化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記液体封止剤を、種付け後の増径部成長時の該増径部直径の増加にともなって徐々に前記るつぼに追加充填する化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
請求項5記載の発明は、不活性ガスを充填した耐圧容器内に収容したるつぼに、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶とるつぼとを相対的に移動させて単結晶を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造装置において、前記るつぼ以外の場所で加熱して軟化された液体封止剤を、結晶成長中に前記るつぼに追加充填する液体封止剤の充填設備を設けた化合物半導体単結晶の製造装置を提供する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記充填設備が、少なくとも、前記るつぼの上部空間に配され液体充填剤を収容する容器と、前記容器内の液体封止剤を軟化させるための軟化設備と、前記容器中で軟化させた液体封止剤を前記容器下部から前記るつぼ内に導入させるための配管と、前記管路に設けられ、前記容器から前記るつぼへの液体封止剤の充填量を調節する充填量調節装置とを備えた化合物半導体製造装置を提供する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記配管及び前記容器がPBN又はグラファイトから構成された化合物半導体単結晶の製造装置を提供する。
本発明によれば、結晶側面から液体封止剤の放熱を抑制し、固液界面の成長結晶の結晶側面付近に凹面化を抑制することができ、通常のLEC法と同等に結晶の外形制御を行うことができる。また、種付けも容易に観察することができる。
以下、本発明に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の一実施の形態に係る化合物半導体製造装置(化合物半導体単結晶成長装置ともいう)を示し、図1はLEC法によるIII−V族化合物半導体単結晶装の
種付け時の様子を、図2はLEC法によるIII−V族化合物半導体単結晶の引き上げ途中
の様子を示している。
種付け時の様子を、図2はLEC法によるIII−V族化合物半導体単結晶の引き上げ途中
の様子を示している。
図1に示すように、耐圧容器としての結晶成長用の高温炉1内には、高温炉1の下方から下軸2が挿入され、下軸2の先端部にるつぼ3が支持される。
るつぼ3には、例えば、PBN(Pyrolitic Boron Nitride:熱分解窒化ホウ素)又はグラファイト製のるつぼが用いられる。つるぼ3の周囲にはヒータ4が設けられ、るつぼ3を周囲から加熱できるようになっている。
るつぼ3には、例えば、PBN(Pyrolitic Boron Nitride:熱分解窒化ホウ素)又はグラファイト製のるつぼが用いられる。つるぼ3の周囲にはヒータ4が設けられ、るつぼ3を周囲から加熱できるようになっている。
るつぼ3の外側には、高温炉1の内周面と底面とを覆うように断熱材5が設けられる。下軸2は回転機構(図示せず)に接続されており、一定の回転速度で回転駆動されるようになっている。また、高温炉1の上方側からは下軸2と同軸的に上軸6が挿入され、その下端に接続された結晶ホルダ7に所望の方位を持った種結晶8が取り付けられる。
上軸6は、図示しない回転・昇降機構によってるつぼ3とは逆向きに軸回転されると共
に、昇降されるようになっている。
に、昇降されるようになっている。
高温炉1内上部には、るつぼ3以外の場所で加熱して軟化された液体封止剤を、結晶成長中にるつぼ3に追加充填するための液体封止剤の充填設備として、液体封止剤の原料を貯溜する貯溜容器9が設けられる。貯溜容器9はPBNで構成される。貯溜容器9は、ヒータ4の上方、より好ましくはヒータ4上の方で且つ断熱材5に寄りに設けられる。また、貯溜容器9の下部には、液体封止剤13をるつぼ3内に供給するための配管11が設けられる。配管11は、るつぼ3の上方側に延び、供給口11aがるつぼ3内に臨ませられる。配管11の途中には、液体封止剤13の充填量調節のため流量制御弁12が設けられ、貯溜容器9内で軟化した液体封止剤13を加圧力によって押し出すための加圧ポンプ(図示せず)が設けられる。配管11は、熱伝導率の高い材料、例えば、グラファイトにて構成される。
液体封止剤13の軟化点は、GaAsの融点よりは低い場合が多いため、貯溜容器9を、ヒータ4の付近で且つ上方に配置すると、高温炉1内の対流、熱伝導、ヒータ4からの輻射熱によって内部の液体封止剤13を軟化させることができる。
貯溜容器9及び配管11をヒータ4により加熱する場合は、貯溜容器9の設置箇所は、特に、限定されることはなく、高温炉1内又は高温炉1の外部に設置されていてもよい。また、高温炉1の上部側には、外部から観察できるようにするため覗き窓14が設けられる。
液体封止剤13の軟化点は、GaAsの融点よりは低い場合が多いため、貯溜容器9を、ヒータ4の付近で且つ上方に配置すると、高温炉1内の対流、熱伝導、ヒータ4からの輻射熱によって内部の液体封止剤13を軟化させることができる。
貯溜容器9及び配管11をヒータ4により加熱する場合は、貯溜容器9の設置箇所は、特に、限定されることはなく、高温炉1内又は高温炉1の外部に設置されていてもよい。また、高温炉1の上部側には、外部から観察できるようにするため覗き窓14が設けられる。
結晶成長の際は、先ず、るつぼ3と、貯溜容器9とが収容される。この場合、るつぼ3には、Ga,As等のIII族原料、V族原料と、液体封止剤13の原料とが収容され、貯
溜容器9にも液体封止剤13が収容される。液体封止剤13には、例えば、B2O3が用いられる。
次に、高温炉1内を真空排気し、その後、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中でヒータ4に通電し、るつぼ3を昇温させる。
500℃前後で液体封止剤(B2O3)13が軟化、融解して、Ga,Asを覆う。引き続き、昇温させ、るつぼ3内部の温度を1238℃以上とし、GaAsを合成する。
次に、上軸6の下降により、種結晶8を降下させ、覗き窓14から種結晶8を観察しながら種結晶8の先端を原料融液10に接触させて種付けを行う。
種付け時は、貯溜容器9からの液体封止剤13の供給は禁止され、るつぼ3内の液体封止剤13の厚みが従来と同じ厚みに保持される。
溜容器9にも液体封止剤13が収容される。液体封止剤13には、例えば、B2O3が用いられる。
次に、高温炉1内を真空排気し、その後、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中でヒータ4に通電し、るつぼ3を昇温させる。
500℃前後で液体封止剤(B2O3)13が軟化、融解して、Ga,Asを覆う。引き続き、昇温させ、るつぼ3内部の温度を1238℃以上とし、GaAsを合成する。
次に、上軸6の下降により、種結晶8を降下させ、覗き窓14から種結晶8を観察しながら種結晶8の先端を原料融液10に接触させて種付けを行う。
種付け時は、貯溜容器9からの液体封止剤13の供給は禁止され、るつぼ3内の液体封止剤13の厚みが従来と同じ厚みに保持される。
種付け後は、ヒータ4の温度を下げ上軸6と下軸2を相対的に回転させながら上軸6を所定の引き上げ速度で引き上げてGaAsの単結晶15を成長させる。
種付け後以降、特に、種付け後からGaAsの単結晶15の増径部16の成長が終了するまでの間は、増径部16の直径が増加するにともなって流量制御弁12の流量を制御しながら徐々に液体封止剤13をるつぼ3に供給し、るつぼ3内の液体封止剤13の厚みを徐々に増加させる。
種付け後以降、特に、種付け後からGaAsの単結晶15の増径部16の成長が終了するまでの間は、増径部16の直径が増加するにともなって流量制御弁12の流量を制御しながら徐々に液体封止剤13をるつぼ3に供給し、るつぼ3内の液体封止剤13の厚みを徐々に増加させる。
これにより、種付け以降、特に、種結晶8の増径部16の成長が終了するまでの間、増径部16の増径方向の各点における液体封止剤13中の温度勾配が緩和され、液体封止剤13中の結晶側面15aからの放熱量が減少する。このため、固液界面18の形状は液体封止剤13側から原料融液10側に向かって緩やかに凸面化され、凹面化に起因した多結晶化が抑制される。また、成長結晶内の熱応力も緩和されるため、熱応力に起因する結晶欠陥の発生が防止され、さらには、液体封止剤13の厚みの増加により、結晶界面付近の結晶側面15aの温度の上昇が抑制されるので、結晶側面15aからのV族原料の解離も防止される。
原料融液10から結晶内に取り込まれた熱は、種結晶8や単結晶15の結晶肩部から不
活性ガスに放熱される。また、結晶の外形制御も特許文献1の外形制御と比べて容易になる。また、高温炉1の覗き窓14から種付けを確認するために石英製の前記管状容器を用いる必要もないので、Siが石英管から原料融液10に混入してしまうこともない。
活性ガスに放熱される。また、結晶の外形制御も特許文献1の外形制御と比べて容易になる。また、高温炉1の覗き窓14から種付けを確認するために石英製の前記管状容器を用いる必要もないので、Siが石英管から原料融液10に混入してしまうこともない。
次に、本発明に係る実施例と、比較例について説明する。
直径300mmのPBN製のるつぼ3に、GaAs多結晶原料30kgと、B2O310kgを収容し、るつぼ3を前記半導体単結晶製造装置の高温炉(耐圧容器)1の前記下軸2上に設置した。
前記ヒータ4の上方には、グラファイトからなる配管11を下部に備えるPBN製の貯溜容器9を配置し、これに液体封止剤13を2kg収容した。
次に、前記上軸6の回転数を10rpm、下軸2の回転数を20rpmとし、ヒータ4の加熱によりるつぼ3内を1238℃まで昇温し、種結晶8をゆっくりと降下させて種付けを行った。このときのB2O3の厚みは、約20mmであった。
種付け後、上軸6の引き上げ速度を2〜8mm/hrとし、単結晶15の増径部16の成長を行った。このとき、増径部16の直径の増加にともなって貯溜容器9の追加充填用の液体封止剤(B2O3)13をるつぼ3に徐々に充填した。
流量制御弁12としてエアーバルブを用い、充填量の調節は、流量制御弁12の開閉制御により行った。
充填後のるつぼ3の液体封止剤(B2O3)13の厚みは、45mmであった。
その後、成長結晶の直胴部15bにおける引き上げ速度を8mm/hrに保持し、結晶成長を継続した。
種付け後及び成長途中の模式断面はそれぞれ図2及び図3に示す。
成長後、得られたGaAsの単結晶15は、長さが200mmで平均直径が158mmの単結晶であった。
この単結晶15の固液界面18を調べるため、単結晶15を成長方向に対して水平に沿って切断し、その切断面にラッピング及びポリッシング加工を施してストリエーション、すなわち、固液界面18を露出させた。
固液界面18は、図2に示すように、結晶直径方向全面に渡り原料融液10側に凸型となり、且つ凸型が結晶成長方向に沿って連続していた。
これにより、結晶側面15a付近の凹面化を抑止できたことが分かる。
また、転位密度(FEP)を調査したところ、平均20000個/cm2以下とあることを確認した。
同条件で10本連続してGaAsの単結晶15を成長させたが、いずれも折衝全長に渡り単結晶15が得られ、その転移密度は20000個以下であった。
[比較例]
実施例と同じ半導体単結晶製造装置を用い、貯溜容器9からの液体封止剤13の追加充填を行わない従来の成長条件でGaAsの単結晶15を成長させた。他の成長条件は実施例と同じ条件とした。
成長中の模式断面図は図1の通りである。
成長により、得られた結晶の長さは、200mmで、平均直径が158mmであった。
しかし、結晶肩部の120mm付近から多結晶化した結晶であった。
この結晶のストリエーションを実施例1と同じ条件で観察したところ、固液界面18は、図1に示したように、結晶側面15a側付近で部分的に凹面化しており、特に、95mm付近から転移の集積によると見られる多結晶が確認された。
同一条件で結晶を10本成長したが、結晶全長に渡り単結晶15を得られたのは5本と半数であり、他の4本が多結晶化し、残りの1本が結晶側面15aからAsが解離しGaが垂れた跡があり、これを起点として多結晶化していた。得られた単結晶15の転位密度(FEP)を測定すると、平均30000〜80000個/cm2であった。
従って、実施例と比較例とを比較すると、本発明に係る半導体単結晶製造方法及び半導
体単結晶製造方法を用いると、単結晶15が得られやすくなり、且つ転位密度も従来と比べて格段に低下することが分かった。
直径300mmのPBN製のるつぼ3に、GaAs多結晶原料30kgと、B2O310kgを収容し、るつぼ3を前記半導体単結晶製造装置の高温炉(耐圧容器)1の前記下軸2上に設置した。
前記ヒータ4の上方には、グラファイトからなる配管11を下部に備えるPBN製の貯溜容器9を配置し、これに液体封止剤13を2kg収容した。
次に、前記上軸6の回転数を10rpm、下軸2の回転数を20rpmとし、ヒータ4の加熱によりるつぼ3内を1238℃まで昇温し、種結晶8をゆっくりと降下させて種付けを行った。このときのB2O3の厚みは、約20mmであった。
種付け後、上軸6の引き上げ速度を2〜8mm/hrとし、単結晶15の増径部16の成長を行った。このとき、増径部16の直径の増加にともなって貯溜容器9の追加充填用の液体封止剤(B2O3)13をるつぼ3に徐々に充填した。
流量制御弁12としてエアーバルブを用い、充填量の調節は、流量制御弁12の開閉制御により行った。
充填後のるつぼ3の液体封止剤(B2O3)13の厚みは、45mmであった。
その後、成長結晶の直胴部15bにおける引き上げ速度を8mm/hrに保持し、結晶成長を継続した。
種付け後及び成長途中の模式断面はそれぞれ図2及び図3に示す。
成長後、得られたGaAsの単結晶15は、長さが200mmで平均直径が158mmの単結晶であった。
この単結晶15の固液界面18を調べるため、単結晶15を成長方向に対して水平に沿って切断し、その切断面にラッピング及びポリッシング加工を施してストリエーション、すなわち、固液界面18を露出させた。
固液界面18は、図2に示すように、結晶直径方向全面に渡り原料融液10側に凸型となり、且つ凸型が結晶成長方向に沿って連続していた。
これにより、結晶側面15a付近の凹面化を抑止できたことが分かる。
また、転位密度(FEP)を調査したところ、平均20000個/cm2以下とあることを確認した。
同条件で10本連続してGaAsの単結晶15を成長させたが、いずれも折衝全長に渡り単結晶15が得られ、その転移密度は20000個以下であった。
[比較例]
実施例と同じ半導体単結晶製造装置を用い、貯溜容器9からの液体封止剤13の追加充填を行わない従来の成長条件でGaAsの単結晶15を成長させた。他の成長条件は実施例と同じ条件とした。
成長中の模式断面図は図1の通りである。
成長により、得られた結晶の長さは、200mmで、平均直径が158mmであった。
しかし、結晶肩部の120mm付近から多結晶化した結晶であった。
この結晶のストリエーションを実施例1と同じ条件で観察したところ、固液界面18は、図1に示したように、結晶側面15a側付近で部分的に凹面化しており、特に、95mm付近から転移の集積によると見られる多結晶が確認された。
同一条件で結晶を10本成長したが、結晶全長に渡り単結晶15を得られたのは5本と半数であり、他の4本が多結晶化し、残りの1本が結晶側面15aからAsが解離しGaが垂れた跡があり、これを起点として多結晶化していた。得られた単結晶15の転位密度(FEP)を測定すると、平均30000〜80000個/cm2であった。
従って、実施例と比較例とを比較すると、本発明に係る半導体単結晶製造方法及び半導
体単結晶製造方法を用いると、単結晶15が得られやすくなり、且つ転位密度も従来と比べて格段に低下することが分かった。
なお、本発明は、GaAsの単結晶だけでなく、InP、GaP、InAs等、LEC法により結晶成長を行う化合物半導体の製造方法及びその製造装置に適用することが可能である。
1 高温炉(耐圧容器)
2 下軸
4 ヒータ
6 上軸
7 結晶ホルダ
8 種結晶
9 貯溜容器(充填設備)
10 原料融液
11 配管(充填設備)
12 流量制御弁(充填設備)
13 液体封止剤
15 単結晶
15a 結晶側面
16 増径部
18 固液界面
2 下軸
4 ヒータ
6 上軸
7 結晶ホルダ
8 種結晶
9 貯溜容器(充填設備)
10 原料融液
11 配管(充填設備)
12 流量制御弁(充填設備)
13 液体封止剤
15 単結晶
15a 結晶側面
16 増径部
18 固液界面
Claims (7)
- 不活性ガスを充填した耐圧容器内に収容したるつぼに、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶とるつぼを相対的に移動させて単結晶を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造方法において、
前記るつぼ以外の場所で加熱により軟化させた液体封止剤を、結晶成長中に前記るつぼに追加充填することを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。 - 請求項1記載の化合物半導体単結晶の製造方法において、
前記るつぼの上部空間に配された液体封止剤専用の容器中で軟化させた液体封止剤を、該容器下部から前記るつぼ内に配管を通して導入する際に、該配管の途中に設けられた流量調節手段により充填量を調節することを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。 - 請求項1又は2記載の化合物半導体単結晶の製造方法において、
種結晶の種付け時は、前記るつぼ内に導入した液体封止剤のみで行い、種付け後の増径部成長時に液体封止剤を追加充填することを特徴する化合物半導体単結晶の製造方法。 - 請求項3記載の化合物半導体単結晶の製造方法において、
前記液体封止剤を、種付け後の増径部成長時の該増径部直径の増加にともなって徐々に前記るつぼに追加充填することを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。 - 不活性ガスを充填した耐圧容器内に収容したるつぼに、原料、液体封止剤を収容して加熱し、種結晶を原料融液に接触させつつ種結晶とるつぼとを相対的に移動させて単結晶を成長させるLEC法による化合物半導体単結晶の製造装置において、
前記るつぼ以外の場所で加熱して軟化された液体封止剤を、結晶成長中に前記るつぼに追加充填する液体封止剤の充填設備を設けたことを特徴とする化合物半導体単結晶の製造装置。 - 前記充填設備は、少なくとも、前記るつぼの上部空間に配され液体充填剤を収容する容器と、
前記容器内の液体封止剤を軟化させるための軟化設備と、
前記容器中で軟化させた液体封止剤を前記容器下部から前記るつぼ内に導入させるための配管と、
前記管路に設けられ、前記容器から前記るつぼへの液体封止剤の充填量を調節する充填量調節装置と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の化合物半導体製造装置。 - 前記配管及び前記容器がPBN又はグラファイトから構成された請求項6記載の化合物半導体単結晶の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007236096A JP2009067620A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007236096A JP2009067620A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009067620A true JP2009067620A (ja) | 2009-04-02 |
Family
ID=40604287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007236096A Pending JP2009067620A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009067620A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9233449B2 (en) | 2009-03-27 | 2016-01-12 | Osaka University | Polishing method, polishing apparatus and GaN wafer |
-
2007
- 2007-09-12 JP JP2007236096A patent/JP2009067620A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9233449B2 (en) | 2009-03-27 | 2016-01-12 | Osaka University | Polishing method, polishing apparatus and GaN wafer |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9376763B2 (en) | Manufacturing method and manufacturing apparatus of a group III nitride crystal, utilizing a melt containing a group III metal, an alkali metal, and nitrogen | |
KR100758162B1 (ko) | 질소 도핑된 실리콘 단결정의 제조 방법 | |
US8647433B2 (en) | Germanium ingots/wafers having low micro-pit density (MPD) as well as systems and methods for manufacturing same | |
TWI287592B (en) | InP single crystal wafer and InP single crystal manufacturing method | |
JP2010260747A (ja) | 半導体結晶の製造方法 | |
TW200419015A (en) | Process for producing single crystal of compound semiconductor and crystal growing apparatus | |
JP2009067620A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 | |
JP2008222481A (ja) | 化合物半導体の製造方法及び装置 | |
JP4399631B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法、及びその製造装置 | |
JP2010030847A (ja) | 半導体単結晶の製造方法 | |
JP2010030868A (ja) | 半導体単結晶の製造方法 | |
JP2009057237A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2009190914A (ja) | 半導体結晶製造方法 | |
JP4549111B2 (ja) | GaAs多結晶の製造炉 | |
JP3938674B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2733898B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2011026176A (ja) | Iii−v族化合物結晶の製造方法 | |
JPH11130579A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法及びその製造装置 | |
JPH03193689A (ja) | 化合物半導体の結晶製造方法 | |
JP2010163287A (ja) | GaAs単結晶の製造方法 | |
JP2013193942A (ja) | 単結晶製造装置およびそれを用いた単結晶製造方法 | |
JP2009208992A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPH0558772A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPH08104591A (ja) | 単結晶成長装置 | |
JP2004244233A (ja) | 砒化ガリウム単結晶の製造方法 |