JP2009066535A - ベンチュリ管装置及び該ベンチュリ管装置を用いたバラスト水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のベンチュリ管24を並列に配置した状態で保持する入口フランジ部材22及び出口フランジ部材23と、これら入口フランジ部材22及び出口フランジ部材23に並列配置した状態で保持された複数のベンチュリ管24と、複数のベンチュリ管24ののど部29に形成されて薬剤をのど部に注入するための注入口37と、のど部外周部に設置されて注入口37に薬剤を分配して供給する薬剤分配部材25とを備えてなり、薬剤分配部材25は、複数のベンチュリ管24における入口部材31がそれぞれ挿入される複数の入口部材挿入部38と、入口部材挿入部38の周壁に形成されたリング溝39とを有し、各リング溝39が全ての連通するように形成されている。
【選択図】 図1
Description
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によりバラスト水の注排水が行われると、バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
そこで、船舶のバラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約が採択され、バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
また、特許文献1には、殺菌剤を添加された海水に中和剤を供給して海水中に残存する殺菌剤を中和することにより無害化してから海に排出することが記載されている。
そして、殺菌剤供給装置は、図示しないポンプによって殺菌剤をベンチュリ管51の上流側に設けた薬剤注入部53に供給するというものである。
しかしながら、薬剤注入部53をベンチュリ管51から離れた部位に別個の装置として設けているので、装置が大型となり、設置のための大きな空間が必要となり、機器の設置空間を十分に確保できない船舶に搭載する際に支障が生じる場合があるという問題がある。
また、バラスト水の排出に際して周辺環境への悪影響を防止する技術の提供を目的としている。
また、ベンチュリ管ののど部に直接薬剤を供給する構造であるため、ベンチュリ管の上流において薬剤を供給する構造に比べて、コンパクトな構成となり設置場所を小さくできる。
さらに、薬剤をベンチュリ管ののど部に供給するので、ベンチュリ管のエジェクタ作用により殺菌剤が自吸され、薬剤を供給するための供給ポンプの能力を低減でき、薬剤供給に関わる装置の小型化、省スペース、省エネルギー、コストダウンの効果がある。
また、各ベンチュリ管の注入口には同条件で薬剤が供給されることになるので、各ベンチュリ管に等しい量の薬剤が供給され、効果的な薬剤供給が実現できる。
なお、各構成の主な機能は以下の通りであり、各構成の機能が有機的に作用して海水中の水生生物の死滅効果を高めている。
ろ過装置によって海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、殺菌剤貯槽から殺菌剤供給管を介してベンチュリ管装置に殺菌剤が供給され海水中の細菌類を殺滅する。
また、ベンチュリ管によって殺菌剤が供給されたろ過水にキャビテーションを発生させて、植物性プランクトン等の比較的小型の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させ、さらにキャビテーションによってろ過水中に殺菌剤を急速に拡散させて殺菌剤による細菌類の殺菌作用を促進させる。このようにキャビテーションの拡散作用により殺菌剤の海水中への混合を促進するため、殺菌剤を注入するだけの場合に比べて殺菌剤の供給量を低減でき、また環境への影響を低減でき、さらに殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
また、別に曝気装置を設ける必要が無いので、装置全体をコンパクトにできる。
さらに、殺菌剤を供給する注入機構と空気を供給する注入機構とを兼用させているので、さらにバラスト水処理装置をコンパクトにできる。
また、本発明に係るバラスト水処理装置によれば、大量のバラスト水を効率的に処理でき、設置場所が小さいバラスト水処理装置を提供することができる。
また、バラスト水の排出に際して、溶存酸素量の低下した海水を排出して周辺環境へ悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
以下、図面を用いて、本発明に係るバラスト水処理装置について、最良の形態の一例を具体的に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るバラスト水処理装置の構成を示す図である。図1に示すバラスト水処理装置は、海水を取水し、取水した海水に生物殺滅処理を施してバラストタンクに送水する機能と、バラストタンクの海水を海に排水する際に無害化処理をする機能の両方の機能を備えている。
以下、各装置をさらに詳細に説明する。
粗ろ過装置2は、ポンプ3によって、船側部に設けられたシーチェスト(海水吸入口)から海水取水ライン1を通して取水される海水中に含まれる大小様々な夾雑物、水生生物のうち10mm程度以上の粗大物を除去するためのものである。
粗ろ過装置2としては10mm程度の孔を設けた筒型ストレーナ(こし器)、水流中の粗大物を比重差により分離するハイドロサイクロン、回転スクリーンにより粗大物を捕捉し掻揚げ回収する装置等を用いることができる。
ろ過装置4は粗ろ過装置2によって粗大物が除去された海水中に存在するプランクトン類を除去するものであり、目開き10〜200μmのものを用いる。
目開きを10〜200μmにしたのは動物性プランクトン、植物性プランクトンの捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、逆流洗浄頻度を少なくして寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。逆に言えば、目開きが200μmより大きいと動物プランクトン、植物プランクトンの捕捉率が著しく低くなるし、目開きが10μmより小さいと逆流洗浄頻度が多くなり寄港地でのバラスト水処理時間が長くなるので好ましくない。特に目開き50μm程度のものを用いるのが、捕捉率と逆流洗浄頻度とを最適に設定できるので、好ましい。
ノッチワイヤフィルタとは、ノッチ(突起)を設けたワイヤを枠体に巻きつけて形成した筒型のエレメントを、ケーシング内に保持し、このケーシングに送水及び逆洗浄のためのバルブ及び配管を設けたものである。筒型のエレメントは、ノッチによってワイヤ同士の間隔を、ろ過通路寸法である10〜200μmに保持している。
このノッチワイヤフィルタの具体例としては、神奈川機器工業製ノッチワイヤフィルタがある。
ウェッジワイヤフィルタとは、断面が三角形のワイヤを枠体に巻きつけて形成した筒型のエレメントを、ケーシング内に保持し、このケーシングに送水と逆洗浄のためのバルブと配管を設けたものである。筒型のエレメントは、ワイヤ同士の間隔をろ過通路寸法である10〜200μmになるように調整している。
このウェッジワイヤフィルタの具体一例としては、東洋スクリーン工業製ウェッジワイヤフィルタがある。
なお、積層ディスク型ろ過器においては、逆洗時にはディスクの圧締を解除して、間隙を大きくしてろ過残渣を除去する。
この積層ディスク型ろ過器の具体例としては、Arkal Filtration Systems製のSpin Klin Filter Systemsがある。
殺菌剤供給装置5は、ろ過装置4によってろ過された海水に細菌類を死滅させる殺菌剤を供給するものである。図2は殺菌剤供給装置5、ベンチュリ管装置6及び空気供給装置8の構成の説明図であり、図2においてベンチュリ管装置6の流路の軸方向断面を示している。図3は図2における矢視A−A図、図4は図2の一部を拡大して示す拡大図である。
殺菌剤供給装置5は、殺菌剤を貯留する殺菌剤貯槽15と、一端側が殺菌剤貯槽15に接続され、他端側が後述する殺菌剤分配部材25に接続されて殺菌剤貯槽15に貯留された殺菌剤を殺菌剤分配部材25に供給する殺菌剤供給管17と、殺菌剤供給管17に設けられて殺菌剤を送り出すための殺菌剤供給ポンプ19と、殺菌剤供給管17に設けられて殺菌剤の供給量を調整する調整弁20と、を備えている。
殺菌剤の供給量は、ベンチュリ管装置6の下流側で海水中の殺菌剤濃度が細菌類を殺滅するのに十分な殺菌剤濃度になるように調整される。殺菌剤の供給量の調整は、ベンチュリ管装置6の下流側で殺菌剤濃度計(図示せず)により海水中の殺菌剤濃度を計測し、計測した殺菌剤濃度と細菌類を殺滅するのに十分な殺菌剤濃度とを比較することによって必要な殺菌剤供給量を演算し、演算された殺菌剤供給量になるように、殺菌剤供給ポンプ19の出力または調整弁20の開度を調整することによって行う。
ベンチュリ管装置6は、ろ過装置4を通過した海水を導入して、ろ過装置4を通過した生物に対して損傷を与え、あるいは殺滅するためのものである。
本実施の形態のベンチュリ管装置6は、図2〜図4に示すように、円筒状の保護外筒21と、この保護外筒21の一端側に設けられた入口フランジ部材22と、保護外筒21の他端側に設けられた出口フランジ部材23と、保護外筒21の筒内に並列に配置された複数のベンチュリ管24と、各ベンチュリ管24に殺菌剤を分配して供給する殺菌剤分配部材25とを備えてなるものである。
以下、ベンチュリ管装置6を構成する各部材を詳細に説明する。
保護外筒21は、複数のベンチュリ管24を収容するケーシングとしての機能を有するものである。保護外筒21における入口フランジ部材22の近傍には、殺菌剤供給管17が挿入できるように開口する殺菌剤供給管挿入部26が設けられている。
保護外筒21は、海水用配管材、例えばSUS316L、亜鉛めっき鋼管によって形成するのが望ましい。
入口フランジ部材22は、複数のベンチュリ管24及び保護外筒21の一端側を保持すると共に、ベンチュリ管装置6をその上流側の配管と接続する機能を有する。
入口フランジ部材22には、図4に示すように、保護外筒21の一端側が挿入される円形の溝22aが設けられている。
また、入口フランジ部材22には、図3に示すように、ベンチュリ管24の一端側を保持するための円形開口部22bが設けられている。ベンチュリ管24は円形開口部22bにその一端側が挿入されて保持される。
本実施形態における入口フランジ部材22には、図2、図3に示すように、流路の中心部に1個の円形開口部22bを設け、その周囲の同心円上に6個の円形開口部22bを設け、さらにこれら6個の円形開口部22bの外側にさらに6個の円形開口部22bを同心円上に設け、またさらにこれら6個の円形開口部22bの外側にさらに6個の円形開口部22bを同心円上に設けており、合計で19個の円形開口部22bを設けている。
入口フランジ部材22は、海水用配管材、例えばSUS316L、亜鉛めっき鋼管によって形成するのが望ましい。
出口フランジ部材23は、複数のベンチュリ管24及び保護外筒21の他端側を保持すると共に、ベンチュリ管24装置6をその下流側の配管と接続する機能を有する。
出口フランジ部材23には、図4に示すように、保護外筒21の他端側が挿入される円形の溝23aが設けられている。
また、出口フランジ部材23には、入口フランジ部材22と同様に、ベンチュリ管24の他端側を保持するための円形開口部23bが設けられており、ベンチュリ管24は円形開口部23bにその他端側が挿入されて保持される。出口フランジ部材23に形成される円形開口部23bの数と配置は、入口フランジ部材22に設けられる円形開口部22bと同様である。
また、出口フランジ部材23の周縁部には、入口フランジ部材22と同様に、下流側の配管に設けられるフランジ部と接合するためのボルト穴23cが複数設けられている。
出口フランジ部材23は、入口フランジ部材22と同様に、海水用配管材、例えばSUS316L、亜鉛めっき鋼管によって形成するのが望ましい。
各ベンチュリ管24は、ベンチュリ管24における絞り部27及びのど部29が形成された円筒状の入口部材31と、ベンチュリ管24におけるディフューザ部33が形成された円筒状の出口部材35を直列に連結して構成されている(図4参照)。
入口部材31の入側端部が入口フランジ部材22の円形開口部22bに挿入され、出口部材35の出側端部が出口フランジ部材23の円形開口部23bに挿入され、さらに入口部材31の出口側端部と出口部材35の入口側端部を突き合わすようにして連結されている。このようにベンチュリ管24は入口フランジ部材22と出口フランジ部材23の間に挟まれるように保持されている。
また、入口部材31には、入口部材31ののど部29に殺菌剤を分配するための殺菌剤分配部材25が設置されている。殺菌剤分配部材25の詳細については後述する。
すなわち、図2、図3に示すように、流路の中心部に1個のベンチュリ管24を配置し、その周囲の同心円上に6個のベンチュリ管24を配置し、さらにこれら6個のベンチュリ管24の外側にこれら6個のベンチュリ管24における隣接するベンチュリ管24の間に同心円上に6個のベンチュリ管24を配置し、またさらにこの6個のベンチュリ管24の外側にこれら6個のベンチュリ管24における隣接するベンチュリ管24の間に同心円上に6個のベンチュリ管24を配置しており、合計で19個のベンチュリ管24を設置している。
また、出口部材35は、ベンチュリ管24におけるディフューザ部33となることからキャビテーション気泡の崩壊によるエロージョンに対して耐久性の高い金属材料(例えばSUS316L、Tiなど)で形成するのが望ましい。
殺菌剤分配部材25は、殺菌剤供給管から殺菌剤の供給を受けて、殺菌剤を複数のベンチュリ管24に均等に分配する機能を有する。
殺菌剤分配部材25は一定の厚みを有する板状の部材からなり、ベンチュリ管24の数と同数の円形に開口する入口部材挿入部38が設けられている。
殺菌剤分配部材25は、図4、図5に示すように、入口部材挿入部38における周壁の厚み方向中央部に円形の入口部材挿入部38に沿うようにリング状のリング溝39が形成されている。そして、各リング溝39は、図5に示すように、隣接するリング溝同士が繋がっており、それ故、全てのリング溝39が繋がっている。そして、殺菌剤分配部材25の外周部には最も外周近くに設けられたリング溝39のうちの少なくとも2つのリング溝39のそれぞれに連通する薬剤供給口40が設けられている。そして、薬剤供給口40には薬剤供給管17が連結されている。
全ての入口部材31が殺菌剤分配部材25の開口に挿入されると、殺菌剤分配部材25に形成されたリング溝39の開口側が入口部材31の周面によって塞がれることによりリング溝39は円弧を繋げたような流路となる。この流路は全てのベンチュリ管24における入口部材31の注入口37に連通しており、それ故、薬剤供給口40から殺菌剤を供給しこの流路のいずれかの場所から殺菌剤を供給することで全てのベンチュリ管24に殺菌剤を供給することができる。
以上のように構成されたベンチュリ管装置6の組立方法を説明する。
入口フランジ部材22の各円形開口部22bにそれぞれ入口部材31を挿入し、入口部材31の入口側端部が入口フランジ部材22の端面と面一になるようにする。
次に、入口部材31の出口側端部を殺菌剤分配部材25の入口部材挿入部38に挿入することによって殺菌剤分配部材25を入口部材31に取り付ける。このとき、入口部材31に形成した注入口37と殺菌剤分配部材25のリング溝39の位置を合わせる。
入口フランジ部材22に形成された円形の溝22aに保護外筒21の端部を挿入する。
この状態で入口フランジ部材22と出口フランジ部材23を、図示しないボルトナットによって両者を互いに近づける方向に締結する。
なお、各部材の接合箇所には殺菌剤漏れ防止のためにOリングなどのシールを適宜配置してある。
上記のようにして組立られたベンチュリ管装置6は、入口側フランジ部材のフランジ部を上流側配管のフランジ部とボルト接合し、出口側フランジ部材のフランジ部を下流側配管のフランジ部とボルト接合することによってバラスト水処理装置内に組み込まれる。
殺菌剤供給管17を通じて殺菌剤分配部材25の薬剤供給口40に供給された殺菌剤は、リング溝39によって形成された流路を流れて全てのベンチュリ管24の注入口37に供給される。
注入口37に供給された殺菌剤は、ベンチュリ管24内を海水が流れることによって、エジェクタ効果によって注入口37からのど部29に吸い込まれる。
のど部29に吸い込まれた殺菌剤は、ベンチュリ管24のディフューザ部33におけるキャビテーション気泡の崩壊と乱流の作用により、十分に混合・拡散されて、ベンチュリ管出口では、ほぼ均一な濃度になる。このようにキャビテーションの拡散作用により殺菌剤の海水中への混合を促進できるため、殺菌剤をベンチュリ管装置6の上流側に注入する場合に比べて殺菌剤の供給量を低減でき、このため環境への影響を低減でき、また殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
ベンチュリ管装置6には、上記の殺菌剤の混合・拡散の作用の他、以下に説明する作用による生物死滅作用を有している。
このベンチュリ管24のキャビテーションによれば、特に、比較的固い殻を有する原虫類、動物プランクトンの外殻を破壊し、死滅させることができる。
殺菌剤分解剤供給装置7は、殺菌剤を添加した海水に殺菌剤分解剤を供給して海水中に残存する殺菌剤を分解することで、無害化するものである。
供給する殺菌剤分解剤としては価格や取扱いの容易さなどの視点から、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムを用いることが望ましいが、これらに特に限定するものではない。
空気供給装置8は、殺菌剤分解剤により酸素が消費され溶存酸素濃度が低下した海水中の溶存酸素量を回復させるため、殺菌剤分解剤が供給された海水に空気を供給するための装置である。
空気供給装置8は、切替弁41を介して殺菌剤供給管17に接続された空気供給管43と、空気供給管43に空気を送るブロワ45(または空気ポンプ)と、空気供給管43に設けられて送られる空気量を調整する空気量調整弁47と、を備えて構成される。
<取水時の生物殺滅処理>
まず、海から海水を取水しバラストタンク9に供給する際に行う海水中の生物殺滅処理について説明する。(図1参照)
切替弁41を操作して、ベンチュリ管装置6に殺菌剤供給を行えるようにする。
この状態でポンプ3を稼動する。これによって、海水取水ライン1から海水が船内に取り込まれる。その際、まず粗ろ過装置2によって海水中に存在する大小様々な夾雑物、水生生物のうち10mm程度以上の粗大物が除去される。
粗大物が除去された海水はろ過装置4に供給され、ろ過装置4の目開きに応じた大きさの動物性プランクトン、植物性プランクトン等が除去される。
粗ろ過装置2及びろ過装置4で捕捉された水生生物等は、粗ろ過装置2及びろ過装置4のフィルタ等を逆洗することにより洗い流されて海に戻される。海に戻しても同一の海域なので生態系に悪影響はない。つまり、この例ではバラスト水を積み込む際に処理をしているので、粗ろ過装置2及びろ過装置4の逆洗水をそのまま放流できるのである。
ベンチュリ管24ののど部29に殺菌剤を供給することによって、ベンチュリ管装置6におけるキャビテーションにより殺菌剤の海水中への拡散が促進され、細菌類の殺滅効果が増進される。さらに、ベンチュリ管装置6において、上述したメカニズムによりベンチュリ管24に導入された海水中にキャビテーション気泡が発生して成長し、さらに成長したキャビテーション気泡が急激に崩壊することにより、海水中の水生生物に衝撃圧、せん断力、高温、酸化力の強いOHラジカルの作用を及ぼし、水生生物に損傷を与えるか破壊して殺滅する。
ベンチュリ管装置6の下流側で海水中の殺菌剤濃度を計測し、細菌類を殺滅するのに十分な殺菌剤濃度になるように、殺菌剤供給ポンプ19の出力または調整弁20の開度を調整して、殺菌剤供給量を調整する。
なお、バラストタンク9に海水を貯留する場合には、殺菌剤t供給装置5から供給される殺菌剤が残存することが好ましい。これは、仮にバラストタンク9内に有害微生物が残存したとしても、残存する殺菌剤の効果によって、これらの微生物を殺滅することができるからである。殺菌剤を残存させる濃度は殺菌剤の種類、濃度、およびバラストタンク9の材質や塗装の種類によって適宜に決定し、この決定に基づいて殺菌剤の供給量を調整する。
次に、バラストタンク9から殺菌剤の残留している海水を海に排出する際に行う殺菌剤分解処理と溶存酸素回復処理について説明する。
この処理を行うときは、殺菌剤の注入と兼用されているベンチュリ管装置6に空気が注入されるように切替弁41を切り替えておく。
バラストタンク9に貯留されている海水を、ポンプ3により第1バラスト水供給ライン11に送水し、殺菌剤分解剤供給装置7によって第1バラスト水供給ライン11におけるポンプ上流側の配管内に殺菌剤分解剤を注入する。これによって、ポンプ3による攪拌作用により殺菌剤分解剤を海水中に十分拡散させて配管内で殺菌剤を分解する。海水中の残留殺菌剤濃度を計測し、殺菌剤を分解するのに必要な当量または当量より多めの量の殺菌剤分解剤を注入する。
なお、空気供給量は、ベンチュリ管装置6の下流側において溶存酸素量を計測し、この溶存酸素量が周辺環境に悪影響を与えない量となるように調整する。
また、ベンチュリ管装置6に殺菌剤を注入するための機構を組み込んだ構成としているので、バラスト水処理装置をコンパクトにでき設置場所を小さくすることができる。さらに、殺菌剤分解剤供給装置7と共にベンチュリ管24ののど部29に空気を供給する空気供給装置8を設けたので、残留する殺菌剤を無害化でき、海水中の溶存酸素量を周辺環境に悪影響を及ぼさないレベルにまで容易にかつ迅速に回復できる。また、殺菌剤注入機構と空気注入機構とをベンチュリ管装置6によって兼用するようにしたので、バラスト水処理装置全体をさらにコンパクトにでき設置場所を小さくすることができる。
Claims (4)
- 複数のベンチュリ管を並列に配置した状態で保持する保持部材と、該保持部材に並列配置した状態で保持された複数のベンチュリ管と、該複数のベンチュリ管ののど部に形成されて薬剤をのど部に注入するための注入口と、前記複数のベンチュリ管ののど部外周部に設置されて前記注入口に薬剤を分配して供給する薬剤分配部材とを備えてなり、
該薬剤分配部材は、複数のベンチュリ管がそれぞれ挿入される複数の開口部と、該開口部の周壁に形成された薬剤の流路とを有し、該流路が全ての開口部に形成された流路と連通するように形成されていることを特徴とするベンチュリ管装置。 - 流路は、開口部の周壁に形成された溝部と、開口部に挿入されたベンチュリ管の周壁とによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベンチュリ管装置。
- 請求項1又は2に記載のベンチュリ管装置を備えたバラスト水処理装置であって、ベンチュリ管装置の上流側に設けられて海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、薬剤分配部材に連結されて該薬剤分配部材に殺菌剤を供給する殺菌剤供給管と、該殺菌剤供給管に供給する殺菌剤を貯留する殺菌剤貯槽とを備えたことを特徴とするバラスト水処理装置。
- 薬剤分配部材の流路に連通して該流路に空気を供給する空気供給管と、該空気供給管に空気を供給する空気供給装置とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のバラスト水処理装置。
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