JP2007229577A - 液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶 - Google Patents

液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】塩素濃度が低い未処理液でも塩素含有物質を効率良く製造でき、バラスト水タンク内のバラスト水中における生存微生物の処理を可能とするとともに塩素濃度を常時規定値以下に保持し、電解処理時に発生する水素の処理を確実に行ない得、電解処理後の海水と未処理海水とを均一に混合してバラスト水タンクに供給し得る海水等の液体の無害化処理手段を提供する。
【解決手段】未処理の液体中の微生物を除去する液体の無害化処理手段において、液体から塩素含有物質を生成する液体電解装置の貯留タンク内あるいは電解槽内あるいは貯留タンクと電解槽との間の液体流路のいずれかまたは複数部位に該液体中の塩素濃度を上昇させる電解促進剤を注入することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として、未処理の海水中の微生物を除去して清浄な処理海水にしてバラスト水タンクに収容する時、又はバラスト水タンクに収容した未処理の海水を航海中に清浄な処理海水にする時、又はバラスト水タンクより未処理の海水を清浄な処理海水にして排水する時に行うバラスト水処理等に適用され、未処理の海水を含む液体に電解処理及びフィルター処理等の機械的な微生物分離処理を施して、該海水中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換する海水等の液体の無害化処理方法及びその装置に関する。
タンカー等の船舶において、オイルを搭載しない状態での航行時に、バラスト水タンクに収容する海水即ちバラスト水は、海洋汚染や公害の発生を回避するため、未処理の海水中の微生物を除去して清浄な処理海水にするための無害化処理が施こされている。
かかる海水の無害化処理方法として、特許文献1(特許第2794537号公報)、特許文献2(特開2002−192161号公報)、特許文献3(特開2003−200156号公報)の技術が提供されている。
特許文献1の技術においては、バラスト水タンクを空または底部に水が残った状態にした後、該バラスト水タンク内に残存する沈澱物を昇温させ、有害プランクトンや細菌の死滅温度以上の温度に加熱し、所定時間保持している。
特許文献2の技術においては、バラスト水タンク内のバラスト水中に高電圧パルスを印加し、有害微生物に直接高電圧パルスを印加してその内部で放電を起して、該有害微生物を殺滅又は殺菌し、あるいは電極間のアーク放電による衝撃波で間接的に該有害微生物を殺滅又は殺菌している。
特許文献3の技術においては、パイプ内流路の途中に、複数の細長いスリットを有するスリット板を横断面方向に取り付け、未処理海水を該スリットを通過させることにより、前記未処理海水の微生物に損傷を与え殺滅又は殺菌するようにしている。
特許第2794537号公報 特開2002−192161号公報 特開2003−200156号公報
特許文献1の技術にあっては、バラスト水タンクを空または底部に水が残った状態とするため、局部的な応力集中により船体に損傷を与える危険性がある。また、バラスト水タンク底部全体に溜まった沈澱物を昇温させるように広範囲にバラスト水タンクを加熱するので、加熱作業に時間と手間が掛かり処理コストが高くなる。
また、特許文献2の技術にあっては、大掛かりな高電圧パルス印加設備を必要とするため、設備コスト及び運転コストが高くなる。
さらに、特許文献3の技術にあっては、未処理海水をスリットを通過させることにより、サイズの大きな微生物は殺滅又は殺菌可能であるが、サイズの小さな細菌類を殺滅又は殺菌するのは困難である。
そこで、発明者らは、特願2004−135389号にて、かかる問題を解決する発明を提案した。
しかしながら、かかる発明においては、未処理の海水を含む液体中の微生物を、電解処理及びフィルター処理等の機械的な微生物分離処理を施し該微生物を除去してバラスト水タンク等の処理液タンクに収容する際に発生する、次のような解決すべき課題については言及していない。
(1)液体の全部または一部を貯留タンクに導入し、この液体を貯留タンクと該液体を電気分解して塩素含有物質を生成する電解槽との間の循環路を循環させることにより該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を未処理の液体中に注入して微生物を殺滅又は殺菌する電解処理にて、該液体の無害化処理を行なう場合、汽水や淡水を無害化処理する場合には、未処理液中の塩素濃度が低いため、電解による塩素含有物質を効率良く製造できず、電解設備の処理能率が低下する。
(2)バラスト水タンク中のバラスト水に、生存した微生物が規制対象濃度以上存在している場合には、特に船舶の航行中においてかかる生存微生物の処理が不可能となる場合がある。
(3)塩素処理後にバラスト水タンクに収容されたバラスト水中の残留塩素濃度が許容値よりも高濃度になった場合に、バラスト水タンク内の塩素濃度を低下することができず、バラスト水とともに規定値以上の塩素を排出する可能性がある。
(4)海水の電解処理時に、塩素含有物質側の電極と対をなす電極側から水素が発生するが、この水素が電解槽内あるいはバラスト水タンク内に溜まると、爆発発生の懸念がある。
(5)電解処理後の海水と未処理海水とが、十分に混合されずに不均一な状態でバラスト水タンク内に供給されることがある。
従って、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、塩素濃度が低い未処理液でも塩素含有物質を効率良く製造でき、バラスト水タンク内のバラスト水中における生存微生物の処理を可能とし、バラスト水タンク内の塩素濃度を常時規定値以下に保持し、電解処理時に発生する水素の処理を確実に行ない得、さらには電解処理後の海水と未処理海水とを均一に混合してバラスト水タンクに供給し得る海水等の液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するため、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換する液体の無害化処理方法であって、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理を行い、前記電解装置に該液体中の塩素濃度を上昇させる電解促進剤を注入することを特徴とする(請求項1)。
かかる発明において、具体的には次のように構成するのが好ましい。
(1)前記電解促進剤として、塩化ナトリウムを用いる(請求項2)。
(2)前記電解促進剤として、塩分濃度が一定量以上の海水を用いる(請求項3)。
また、前記無害化処理方法を実施する装置の発明は、
未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換する液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置と、前記電解装置に該液体中の塩素濃度を上昇させる電解促進剤を注入する電解促進剤供給手段とを備えたことを特徴とする(請求項4)。
かかる発明によれば、汽水や淡水等の塩素濃度が低い液体について、該液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理を行なう場合においても、好ましくは塩化ナトリウム(請求項2)あるいは塩分濃度が一定量以上の海水(請求項3)等の電解促進剤を、前記電解装置を構成する電解槽内あるいは貯留タンクと電解槽との間の液体流路のいずれかまたは複数部位に注入することによって、処理対象液体の電解処理時における塩分濃度を上昇せしめることが可能となる。
かかる処理対象液体の塩分濃度上昇によって、汽水や淡水の電解処理時においても、電解槽内における電流効率を高く保持して電解処理を行なうことができて、電解設備の処理能率を高く保持できる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理手段と、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置とをそなえて、前記微生物分離処理手段及び電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンク内の液体を前記微生物分離処理手段の上流側または前記電解装置の上流側のいずれか一方に循環させる液体還流路と、前記バラスト水タンク内の液体を該液体還流路に循環させるポンプとを設けたことを特徴とする(請求項5)。
かかる発明によれば、フィルター処理装置等の微生物分離処理手段及び電解装置での無害化処理後にバラスト水タンク内に収容された液体に、生存した微生物が規制対象濃度以上存在している場合には、該液体を前記海水還流路を通して前記微生物分離処理手段の上流側または前記電解装置の上流側のいずれか一方に循環させ、該電解装置あるいは電解装置と微生物分離処理手段とによって前記生存微生物の除去処理を行うことができるので、船舶の航行中であっても、随時バラスト水タンク内における生存微生物の除去処理を行なって、液体を無害化することができる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理と、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理とのいずれか一方または双方の処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内の処理液体中、あるいは該バラスト水タンクから排出した処理液体中に塩素を失活させる塩素失活物質を添加することを特徴とする(請求項6)。
かかる発明において、好ましくは前記塩素失活物質としてチオ硫酸ナトリウムを用いる(請求項7)。
かかる発明によれば、塩素処理(海水電解処理)塩素処理後にバラスト水タンクに収容された液体中の残留塩素濃度が許容値よりも高濃度になった場合であっても、好ましくはチオ硫酸ナトリウム(請求項7)からなる塩素失活物質をバラスト水タンク内の処理液体中に添加して、該塩素失活物質によって塩素を還元することにより、バラスト水タンク内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持すること、もしくは残留塩素濃度をゼロにできる。これにより、液体とともに規定値以上の塩素を排出することによる海域の汚染を回避できる。
また、前記バラスト水タンクから排出した処理液体中に塩素失活物質を添加するようにすれば、塩素はバラスト水タンク内で減少するので、塩素失活物質の添加量を最小限にできるとともに、液体配管を通る過程で塩素失活物質を添加すれば、バラスト水タンク内で添加する場合に比べて液体との混合が促進できる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理と、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理とのいずれか一方または双方の処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内に不活性ガスを注入して該不活性ガスによりバラスト水タンク中の塩素を脱気することを特徴とする(請求項8)。
かかる発明において、好ましくは、前記不活性ガスに、該不活性ガス中の微生物を除去する微生物除去処理を施してから前記バラスト水タンク内に注入する(請求項11)。
また、前記無害化処理方法を実施する装置の発明は、
未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理手段と、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置とをそなえて、前記微生物分離処理手段及び海水電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンクに該バラスト水タンク中に塩素を脱気するための不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段と、前記バラスト水タンクへの供給前の不活性ガス中の微生物を除去する微生物除去手段とを設けたことを特徴とする(請求項9)。
かかる発明によれば、塩素処理(海水電解処理)後にバラスト水タンクに収容された液体中の残留塩素濃度が許容値よりも高濃度になった場合であっても、不活性ガス注入手段によってバラスト水タンク内に、空気、窒素等の不活性ガスを注入して該不活性ガスによってバラスト水タンク中の塩素を脱気することにより、バラスト水タンク内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持することができる。これにより、バラスト水タンク内の液体とともに規定値以上の塩素を排出することによる海域の汚染を回避できる。
また、前記不活性ガスを微生物除去手段を通すことにより微生物を殺滅した後に、バラスト水タンク内に注入するので、清浄化された不活性ガスをバラスト水タンクに供給できる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内のガス部分のガスを排出するとともに該ガス部分の容積内に不活性ガスを注入して、該ガス部分のガスを不活性ガスで置換することを特徴とする(請求項10)。
かかる発明によれば、塩素処理(電解処理)後にバラスト水タンクに収容された液体の上方空間容積内に塩素処理(電解処理)で発生した水素が溜まるが、該容積内に空気、窒素等の不活性ガスを注入して、前記上方空間容積内に溜まった水素を不活性ガスで置換することにより、該上方空間容積内への水素の滞留及びこれに伴う爆発発生の懸念を解消できる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置をそなえて、前記電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記電解装置で発生した水素を燃焼あるいは希釈する水素処理装置を設けたことを特徴とする(請求項12)。
かかる発明によれば、塩素処理(電解処理)時に発生する水素を水素処理装置に導き、該水素処理装置において燃焼あるいは希釈することにより、該水素による爆発発生の懸念を解消できる。
また本発明は、未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置をそなえて、前記電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンクに接続される液体通路の、前記電解装置出口通路との合流部と前記バラスト水タンクとの間に、前記液体通路中の液体と前記電解装置出口通路からの塩素含有物質との混合を促進する混合促進手段を設けたことを特徴とする(請求項13)。
かかる発明によれば、バラスト水タンクに接続される液体通路の、電解装置出口の液体循環通路との合流部とバラスト水タンクとの間に設けたラインミキサ等の混合促進手段によって、液体通路中の液体と液体循環通路からの塩素含有物質との混合を促進して、素早く均一濃度の処理液体を生成してバラスト水タンクに収容できる。
以上の発明において、前記未処理の液体は海水成分を含む液体であるのが好ましい。また、以上のように構成された無害化処理方法及び無害化処理装置を適用する船舶も、本発明の範囲である。
本発明によれば、処理対象液体の塩分濃度を上昇させることによって、汽水や淡水の電解処理時においても電解装置の電解槽内における電流効率を高く保持して電解処理を行なうことができて、電解設備の処理能率を高く保持できる。
また本発明によれば、船舶の航行中であっても、随時バラスト水タンク内における生存微生物の除去処理を行なって、バラスト水タンク内の液体を無害化することができる。
また本発明によれば、塩素失活物質によって塩素を還元することにより、バラスト水タンク内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持することができ、また不活性ガスによりバラスト水タンク中の塩素を脱気することによりバラスト水タンク内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持することができ、これらにより、バラスト水タンク内の液体とともに規定値以上の塩素を排出することによる海域の汚染を回避できる。
また本発明によれば、塩素処理(電解処理)で発生した水素が、バラスト水タンク内の液体の上方空間容積内に不活性ガスを注入して、塩素処理(電解処理)で発生し前記上方空間容積内に溜まった水素を不活性ガスで置換することにより、また前記水素を水素処理装置に導き該水素処理装置において燃焼あるいは希釈することにより、水素の滞留及びこれに伴う爆発発生の懸念を解消できる。
また本発明によれば、液体通路中の未処理液体と液体循環通路からの電解処理後の液体との混合を促進して、素早く均一濃度の処理水を生成してバラスト水タンクに収容できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図である。
図1において、1は未処理海水を濾過してごみ等の異物を捕獲するスクリーン、2は海水を処理ライン6に搬送するポンプ、5は処理海水が収容されるバラスト水タンクである。20は前記処理ライン6に設置されたフィルター処理装置、21は該フィルター処理装置20の逆洗ライン、22は該逆洗ライン21を開閉する開閉弁である。
かかる第1実施例において、前記スクリーン1でごみ等の異物が捕獲された後の未処理海水は前記フィルター20に導入され、該フィルター処理装置20を通すことにより海水中の比較的大きな微生物を除去する。
この第1実施例では、前記未処理海水に代えて、汽水や淡水等の塩素濃度が低い液体を用いている。
即ち04は海水電解装置と同様な構成をそなえた液体電解装置で、次のように構成されている。
43は貯留タンク、44はポンプ、41は電解槽、42は該電解槽41用の電源装置であり、塩素処理用の液体を抽出ライン7を介して前記貯留タンク43内に導入している。
そして、前記貯留タンク43からポンプ44、電解槽41を通って貯留タンク43に戻る循環路47を形成し、貯留タンク43内の液体をポンプ44により該循環路47を循環させ、電解槽41において該液体から塩素含有物質である次亜塩素酸を生成し、該循環路47の途中で、該次亜塩素酸を注入ライン8を介して前記処理ライン6(図1参照)に注入し、この処理液体を前記バラスト水タンク5に収容している。尚、45、46は開閉弁である。
60は塩分貯留タンクで、該塩分貯留タンク60内には、塩素濃度を上昇させる電解促進剤としての塩化ナトリウムが収容されている。61aは該塩分貯留タンク60内と前記貯留タンク43とを接続する電解促進剤供給管、61は該電解促進剤供給管61aに設けられたポンプである。
前記塩分貯留タンク60内の塩化ナトリウムは、前記ポンプ61により電解促進剤供給管61aを通して前記貯留タンク43内に注入され、該貯留タンク43内の液体に添加されて該液体の塩素濃度を上昇させる。
この場合、前記塩分貯留タンク60内の塩化ナトリウムは、図の破線のように電解槽41内に供給してもよく、あるいは貯留タンク43と電解槽41との間の液体流路、あるいは前記貯留タンク43内、電解槽41内、液体流路内の複数箇所に供給してもよい。
また、前記電解促進剤として、前記塩化ナトリウムに代えて塩分濃度が一定量以上の高濃度の海水を用いることもできる。
かかる第1実施例によれば、汽水や淡水等の塩素濃度が低い液体について、前記液体電解装置04で無害化処理を行なう場合においても、塩化ナトリウムあるいは塩分濃度が一定量以上の高濃度の海水等の電解促進剤を、前記貯留タンク43内、あるいは電解槽41内、あるいは該貯留タンク43と電解槽41との間の液体流路のいずれかまたは複数部位に注入することによって、処理対象液体の電解処理時における塩分濃度を上昇せしめることが可能となる。
かかる処理対象液体の塩分濃度上昇によって、汽水や淡水等の塩素濃度が低い液体の電解処理時においても、電解槽41内における電流効率を高く保持して電解処理を行なうことができて、電解設備の処理能率を高く保持できる。
図2は本発明の第2実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図である。
図2において、1は未処理海水を濾過してごみ等の異物を捕獲するスクリーン、2は海水を処理ライン6に搬送するポンプ、5は処理海水が収容されるバラスト水タンクである。20は前記処理ライン6に設置されたフィルター処理装置である。27は該フィルター処理装置20で捕集された異物を排出する排出管である。
4は海水電解装置で図1に示される液体電解装置04と全く同一の構成をそなえている。
41は前記ポンプ2出口の海水の一部をスクリーン1の入口側に循環させる循環通路である。40は前記フィルター処理装置20及び海水電解装置4で無害化処理を施し、バラスト水タンク5導入される前の処理海水を、前記ポンプ2の吸入側に循環させる循環通路である。
50、51は前記処理ライン6のスクリーン1の入口側及び出口側を開閉する開閉弁、29、30は前記フィルター処理装置20の入口側及び出口側を開閉する開閉弁、55、56は前記循環通路41の入口側及び出口側を開閉する開閉弁、53、57は前記処理ライン6の前記循環通路40の分岐部の上流側及び下流側を開閉する開閉弁、53aは前記循環通路40の入口側を開閉する開閉弁、52は前記処理ライン6の前記循環通路41の分岐部後流に設置された開閉弁である。
63は前記バラスト水タンクと前記循環通路40の入口部位とを接続する循環通路、63aは該循環通路63を開閉する開閉弁である。64は前記循環通路40の途中から分岐されて、前記処理ライン6の前記フィルター処理装置20の出口部位に接続される海水還流路、62は海水還流路64に設置されて循環通路40を通った循環海水を前記処理ライン6に供給するブースタポンプ、該64a、64bは該ブースタポンプ62の吸入側及び吐出側を開閉する開閉弁である。
かかる第2実施例において、前記バラスト水タンク5内に収容されている海水の一部は、前記開閉弁63a、64a、64b、53、57の開弁、開閉弁64aの閉弁により、前記ブースタポンプ62によって、前記循環通路63から循環通路40及び海水還流路64を通って、前記処理ライン6の前記フィルター処理装置20の出口部位に還流された後、前記抽出ライン7を通って前記海水電解装置4に導入される。そして、該海水電解装置4において海水中から塩素含有物質である次亜塩素酸を生成し、該次亜塩素酸を注入ライン8を介して前記処理ライン6に注入する。該次亜塩素酸注入後の海水はバラスト水タンク5に循環される。
尚、図2に破線で示すように、前記循環通路40の途中から分岐された海水還流路62を前記フィルター処理装置20の入口部位に接続して、フィルター処理装置20での微生物の濾過処理及び前記海水電解装置4での塩素処理の双方を行なってからバラスト水タンク5に循環させるようにしてもよい。
かかる第2実施例によれば、フィルター処理装置20及び海水電解装置4での無害化処理後にバラスト水タンク5内に収容されたバラスト水に、生存した微生物が規制対象濃度以上存在している場合には、該バラスト水を前記海水還流路64を通して前記フィルター処理装置20の上流側または前記海水電解装置4の上流側のいずれか一方に循環させ、該海水電解装置4あるいは海水電解装置4及びフィルター処理装置20によって前記生存微生物の除去処理を行うことができるので、船舶の航行中であっても、随時バラスト水タンク5内における生存微生物の除去処理を行なって、バラスト水を無害化することができる。
図3は本発明の第3実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図(図2対応図)である。
この第3実施例においては、海水にフィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解処理4による塩素処理を施した後、処理海水をバラスト水タンク5に収容し、該バラスト水タンク5内の処理海水中に、塩素還元剤注入管65を通して、塩素を失活させる塩素失活物質であるチオ硫酸ナトリウムを添加している。
図3において、前記第2実施例における図2と同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第3実施例によれば、フィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解処理4による塩素処理後にバラスト水タンク5に収容されたバラスト水中の残留塩素濃度が許容値よりも高濃度になった場合であっても、チオ硫酸ナトリウム等の塩素失活物質をバラスト水タンク5内の処理海水中に添加して、該塩素失活物質によって塩素を還元することにより、バラスト水タンク5内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持することができる。これにより、バラスト水とともに規定値以上の塩素を排出することによる海域の汚染を回避できる。
また、前記バラスト水タンク5から排出した処理海水中に前記塩素失活物質であるチオ硫酸ナトリウムを添加するようにすれば、塩素はバラスト水タンク内で減少するので、該チオ硫酸ナトリウムの添加量を最小限にできるとともに、海水配管を通る過程でチオ硫酸ナトリウムを添加すれば、バラスト水タンク内で添加する場合に比べてバラスト水との混合が促進できる。
図4は本発明の第4実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図(図2対応図)である。
この第4実施例においては、海水にフィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解処理4による塩素処理を施した後、処理海水をバラスト水タンク5に収容し、該バラスト水タンク5内の処理海水中に、ブロワ67によって空気、窒素等の不活性ガスを空気供給管66を通して注入する。図4において、67aは前記ブロワ67への空気吸入管、68は該ブロワ67からの不活性ガス中の微生物を除去する活性炭(微生物除去手段)である。
図4において、前記第2実施例における図2と同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第4実施例によれば、フィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解処理4による塩素処理を施した後、処理海水をバラスト水タンク5に収容し、該バラスト水タンク5に収容されたバラスト水中の残留塩素濃度が許容値よりも高濃度になった場合であっても、ブロワ67によってバラスト水タンク5内に、空気、窒素等の不活性ガスを注入して、該不活性ガスによりバラスト水タンク5中の塩素を脱気することにより、バラスト水タンク内の残留塩素濃度を許容濃度以下に保持することができる。これにより、バラスト水とともに規定値以上の塩素を排出することによる海域の汚染を回避できる。
また、前記不活性ガスを、活性炭(微生物除去手段)を通すことにより微生物を殺滅した後に、バラスト水タンク5内に注入するので、清浄化された不活性ガスをバラスト水タンク5に供給できる。
図5は本発明の第5実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置のバラスト水タンク周辺の構成図である。
この第5実施例においては、海水にフィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解処理4による塩素処理を施した後、処理海水をバラスト水タンク5に収容し、該バラスト水タンク5内のガス部分に溜まったガス、具体的には前記海水電解処理4で発生した水素ガスを排出管75から排出するとともに、該ガス部分の容積内にブロワ67によって空気、窒素等の不活性ガスを空気供給管74を通して注入する。図5において、67aは前記ブロワ67への空気吸入管、68は該ブロワ67からの不活性ガス中の微生物を除去する活性炭(微生物除去手段)である。
かかる第5実施例によれば、フィルター処理装置20による微生物分離処理及び海水電解装置4による塩素処理後にバラスト水タンク5に収容されたバラスト水の上方空間容積内に前記海水電解装置4による塩素処理(海水電解処理)で発生した水素が溜まるが、該容積内に空気、窒素等の不活性ガスを注入して、該容積内に溜まった水素ガスを不活性ガスで置換することにより、該バラスト水タンク5の上方空間容積内への水素の滞留及びこれに伴う爆発発生の懸念を解消できる。
図6は本発明の第6実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図(図2対応図)である。
図6において、4は海水電解装置で、主要構成は前記各実施例における海水電解装置と同様で、次のように構成されている。
43は貯留タンク、44はポンプ、41は電解槽、42は該電解槽41用の電源装置であり、塩素処理用の液体を抽出ライン7を介して前記貯留タンク43内に導入している。そして、前記貯留タンク43からポンプ44、電解槽41を通って貯留タンク43に戻る循環路47を形成し、貯留タンク43内の液体をポンプ44により該循環路47を循環させ、電解槽41において該液体から塩素含有物質である次亜塩素酸を生成し、該循環路47の途中で、該次亜塩素酸を注入ライン8を介して前記処理ライン6(図1参照)に注入し、この処理液体を前記バラスト水タンク5に収容している。
かかる第6実施例においては、前記のように構成された海水電解装置4に、該海水電解装置4で発生した水素を燃焼あるいは希釈する水素処理装置70を追設している。即ち、前記水素処理装置70には、前記電解槽41内、あるいは貯留タンク43内に溜まった水素ガスが水素抜出し管69を通して導入され、該水素処理装置70において燃焼あるいは希釈することにより、爆発可能性を除去してから、ポンプ71により外部に排出している。
かかる第6実施例によれば、海水電解装置4での海水電解処理時に発生する水素ガスを水素処理装置70に導き、該水素処理装置70において燃焼あるいは希釈することにより、該水素による爆発発生の懸念を解消できる。
図7は本発明の第7実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図(図2対応図)である。
この第7実施例においては、前記バラスト水タンク6に接続される処理ライン6の、前記海水電解装置4出口側の注入ライン8との合流部と前記バラスト水タンク5との間に、前記処理ライン6の海水と前記海水電解装置4からの塩素含有物質である次亜塩素酸との混合を促進するラインミキサ76を設けている。
かかる第7実施例によれば、バラスト水タンク5に接続される処理ライン6の、海水電解装置4出口の注入ライン8との合流部とバラスト水タンク5との間に設けたラインミキサ76によって、処理ライン6中の海水と海水電解装置4からの次亜塩素酸(塩素含有物質)との混合を促進して、素早く均一濃度の処理海水を生成してバラスト水タンク5に収容できる。
本発明によれば、塩素濃度が低い未処理液でも塩素含有物質を効率良く製造でき、バラスト水タンク内のバラスト水中における生存微生物の処理を可能とし、バラスト水タンク内の塩素濃度を常時規定値以下に保持し、電解処理時に発生する水素の処理を確実に行ない得、さらには電解処理後の海水と未処理海水とを均一に混合してバラスト水タンクに供給し得る海水等の液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶を提供できる。
本発明の第1実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図である。 本発明の第2実施例に係る船舶用バラスト水の無害化処理装置の系統図である。 第3実施例を示す図2対応図である。 第4実施例を示す図2対応図である。 第5実施例を示すバラスト水タンク周辺の構成図である。 第6実施例を示す図2対応図である。 第7実施例を示す図2対応図である。
符号の説明
1 スクリーン
2 ポンプ
4 海水電解装置
5 バラスト水タンク
6 処理ライン
20 フィルター処理装置
40 循環通路
41 電解槽
42 電源装置
43 貯留タンク
60 塩分貯留タンク
61a 電解促進剤供給管
62 ブースタポンプ
63 循環通路
64 海水還流路
65 塩素還元剤注入管
66 空気供給管
67 ブロワ
68 活性炭(微生物除去手段)
69 水素抜出し管
70 水素処理装置
71 ポンプ
74 空気供給管
76 ラインミキサ

Claims (16)

  1. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換する液体の無害化処理方法であって、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理を行い、前記電解装置に該液体中の塩素濃度を上昇させる電解促進剤を注入することを特徴とする液体の無害化処理方法。
  2. 前記電解促進剤として、塩化ナトリウムを用いることを特徴とする請求項1記載の液体の無害化処理方法。
  3. 前記電解促進剤として、塩分濃度が一定量以上の海水を用いることを特徴とする請求項1記載の液体の無害化処理方法。
  4. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換する液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置と、前記電解装置に該液体中の塩素濃度を上昇させる電解促進剤を注入する電解促進剤供給手段とを備えたことを特徴とする液体の無害化処理装置。
  5. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理手段と、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置とをそなえて、前記微生物分離処理手段及び電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンク内の液体を前記微生物分離処理手段の上流側または前記電解装置の上流側のいずれか一方に循環させる液体還流路と、前記バラスト水タンク内の液体を該液体還流路に循環させるポンプとを設けたことを特徴とする液体の無害化処理装置。
  6. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理と、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理とのいずれか一方または双方の処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内の処理液体中、あるいは該バラスト水タンクから排出した処理液体中に塩素を失活させる塩素失活物質を添加することを特徴とする液体の無害化処理方法。
  7. 前記塩素失活物質としてチオ硫酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項6記載の液体の無害化処理方法。
  8. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理と、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理とのいずれか一方または双方の処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内に不活性ガスを注入して該不活性ガスによりバラスト水タンク中の塩素を脱気することを特徴とする液体の無害化処理方法。
  9. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体にフィルターを通すろ過法又は遠心分離法により該液体中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理手段と、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置とをそなえて、前記微生物分離処理手段及び海水電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンクに該バラスト水タンク中に塩素を脱気するための不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段と、前記バラスト水タンクへの供給前の不活性ガス中の微生物を除去する微生物除去手段とを設けたことを特徴とする液体の無害化処理装置。
  10. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容する液体の無害化処理方法であって、前記液体の全部または一部を電解装置に導入し、液体を電気分解することにより、該液体から塩素含有物質を生成し、この塩素含有物質を前記未処理の液体中に注入して前記微生物を殺滅又は殺菌する方式による塩素処理を施して、処理液体をバラスト水タンクに収容し、該バラスト水タンク内のガス部分のガスを排出するとともに該ガス部分の容積内に不活性ガスを注入して、該ガス部分のガスを不活性ガスで置換することを特徴とする液体の無害化処理方法。
  11. 前記不活性ガスに、該不活性ガス中の微生物を除去する微生物除去処理を施してから前記バラスト水タンク内に注入することを特徴とする請求項8または10のいずれかの項に記載の液体の無害化処理方法。
  12. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置をそなえて、前記電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記電解装置で発生した水素を燃焼あるいは希釈する水素処理装置を設けたことを特徴とする液体の無害化処理装置。
  13. 未処理の液体中の微生物を除去して清浄な処理液体に転換してバラスト水タンクに収容するように構成された液体の無害化処理装置において、前記液体の全部または一部に電気分解を施すように構成された電解装置をそなえて、前記電解装置での処理後の液体を前記バラスト水タンクに供給するように構成するとともに、前記バラスト水タンクに接続される液体通路の、前記電解装置出口通路との合流部と前記バラスト水タンクとの間に、前記液体通路中の液体と前記電解装置出口通路からの塩素含有物質との混合を促進する混合促進手段を設けたことを特徴とする液体の無害化処理装置。
  14. バラスト水タンクに収容する液体もしくはバラスト水タンク内に収容されている液体に請求項1、2、3、6、7、8、10、11のいずれかに記載の無害化処理を行なう船舶用バラスト水の無害化処理方法。
  15. 請求項4、5、9、12、13のいずれかに記載の無害化処理装置をそなえた船舶。
  16. 前記未処理の液体が海水成分を含む液体であることを特徴とする請求項5、6、8、9、10、12、13のいずれかに記載の無害化処理方法及び無害化処理装置。
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