JP2009066018A - 入賞装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】賞球確認の作業性を向上すると共に、遊技球の不正獲得を抑制し得る入賞装置を提供する。
【解決手段】入賞装置112は、閉鎖位置から開放位置まで姿勢変位可能な開閉部材と、該開閉部材の駆動源であるソレノイド44と、このソレノイド44により往復作動されるリンク部114と、該リンク部114と開閉部材とに連繋された揺動部材118とを備える。ソレノイド44の非励磁状態時において、開閉部材が閉鎖位置から開放位置の間にあって少なくとも遊技球1球分の通過を許容する賞球確認位置に到来させると、揺動部材118に設けられた規制部126がリンク部114の先端に設けられた当接部114aに当接して、開閉部材と共に姿勢変位する揺動部材118のそれ以上の開放方向への強制姿勢変位が阻止される。
【選択図】図3

Description

この発明は、遊技盤に設置され、開閉部材が開閉することで遊技球の入賞を制御する入賞装置に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ式遊技機は、機内にセットされる遊技盤の遊技領域に、各種図柄を変動および停止表示することで図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置が配設され、該図柄表示装置の下方位置に、図柄表示装置での図柄変動ゲームを開始させる契機となる始動入賞装置(入賞装置)が配設されている。そして、前記遊技領域を流下する遊技球(パチンコ球)が、前記始動入賞装置に1箇所あるいは上下の位置関係で2箇所に設けた入賞口に入賞することで、図柄表示装置での図柄変動ゲームを開始させると共に、少数の遊技球を賞球として払出すよう構成されている。
前記入賞装置は、羽根とよばれる一対の開閉部材を開閉自在に備え、該開閉部材が開閉作動することで、遊技球の入賞口への入賞を制御するものが一般的である。この種の入賞装置は、常には、開閉部材が閉状態となって遊技球の入賞が阻止されると共に、所定条件のもとで駆動装置が開閉部材を開放作動して、遊技球の入賞口への入賞を許容するようになっている。
ところで、このような入賞装置に対し、遊技機の隙間から遊技領域内へ侵入させた針金等で前記開閉部材を強制的に開放し、遊技球を入賞させる不正行為(所謂、ゴト行為)が近年多発しており問題となっている。そこで、この不正行為に対処するものとして、例えば、特許文献1に示す入賞装置が提案されている。特許文献1の入賞装置は、開閉部材の閉鎖時に、該開閉部材の駆動源であるソレノイド以外の外力が開閉部材に加えられた場合には、該開閉部材に設けられた操作子がソレノイドのプランジャに当接規制されて、開閉部材の強制変位を阻止するようになっている。
特開2003−340020号公報
このように、特許文献1に示す入賞装置は、ソレノイドのプランジャに前記操作子が当接規制されることで、ソレノイドの非作動時における開閉部材の開放を完全に不能とし得る。ところが、遊技機の検査工程で実施される入賞装置の賞球確認作業においては、ソレノイドの非作動時に開閉部材を開放させて遊技球を入賞させる必要がある。しかるに、特許文献1の如く開閉部材の強制変位を全く不能にしてしまうと、賞球確認をするには、開閉部材の上部に設けた貫通孔を介して遊技球を入賞させる他なく、作業が非常に非効率となってしまう。また、遊技機の機種によっては、前記貫通孔が遊技釘等で塞がれて、開閉部材の開放時にのみ入賞を許容する構成が採用されており、この場合、特許文献1の入賞装置では賞球確認ができなくなる畏れがある。
そこで本発明は、従来の入賞装置に内在する前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、開閉部材の強制変位による遊技球の不正な入賞を抑制し得ると共に、賞球確認作業も効率的に行ない得る入賞装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に係る入賞装置は、
遊技盤(10)に取付けられた装置本体(32)に開閉可能に配設され、開放時に遊技球(S)の入賞口(40)への入賞が許容されると共に閉鎖時に遊技球(S)の入賞口(40)への入賞が阻止される開閉部材(102,105)と、
前記装置本体(32)に配設された駆動装置(44)と、
前記駆動装置(44)により往復作動される第1作動部材(114)と、
前記第1作動部材(114)と開閉部材(102,105)とに連繋されて、第1作動部材(114)の往復作動に連動して姿勢変位して開閉部材(102,105)を開閉作動させると共に、常には、開閉部材(102,105)を開放位置から閉鎖位置へ向かう閉鎖方向へ姿勢変位するよう付勢された第2作動部材(118)とを備えた入賞装置において、
前記第1作動部材(114)に設けられた当接部(114a)と、前記第2作動部材(118)に設けられた規制部(126)とを備え、
前記駆動装置(44)の非作動時において、前記第2作動部材(118)は、開閉部材(102,105)を閉鎖位置とする姿勢に付勢された状態にあって前記第1作動部材(114)に対して開閉部材(102,105)を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開放方向への強制姿勢変位が許容され、
前記当接部(114a)および規制部(126)は、前記駆動装置(44)の作動時に非当接状態となって前記第2作動部材(118)の姿勢変位を許容し、
前記駆動装置(44)の非作動時において、前記開閉部材(102,105)が閉鎖位置から開放位置の間にあって少なくとも遊技球(S)1球分の通過を許容する賞球確認位置に到来した際には、前記規制部(126)が前記当接部(114a)に当接して、該開閉部材(102,105)と共に姿勢変位する第2作動部材(118)のそれ以上の開放方向への強制姿勢変位が阻止されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、駆動装置の非作動時にあって、開閉部材を強制変位させたとしても規制部が当接部に当接することで第2作動部材の姿勢変位を規制するので、開閉部材を閉鎖位置から開放位置の間の賞球確認位置までしか強制変位させることができない。従って、不正な目的で開閉部材が開放されたとしても、遊技球が入賞口に入賞するのを抑制することができる。また、第2作動部材は、駆動装置の非作動時においても開放方向への強制変位は許容されているので、賞球確認の際には、開閉部材を賞球確認位置まで容易に変位させることができ作業の効率性を向上し得る。
請求項2に係る入賞装置では、前記第1作動部材(114)は、前後方向に延在する本体に連繋孔(116)が開設された板状部材であって、一端が前記駆動装置としてのソレノイド(44)に連結すると共に、他端側に前記当接部(114a)が設けられ、該ソレノイド(44)により前後にスライドするよう構成され、
前記第2作動部材(118)は、前記第1作動部材(114)の延在方向に直交する軸部(118a)により前記装置本体(32)に対し自重で閉鎖方向へ変位するよう揺動自在に軸支され、前記ソレノイド(44)の非作動時にあって第2作動部材(118)に設けた連繋部(122)が前記連繋孔(116)の前端縁(116a)に係止することで該第2作動部材(118)の閉鎖方向への揺動が規制されて開閉部材(102,105)が閉鎖位置に保持されると共に、前記ソレノイド(44)の作動時にあって、前記連繋孔(116)に係合する連繋部(122)が第1作動部材(114)と共に移動して第2作動部材(118)が開放方向へ揺動され、
前記当接部(114a)は、前記ソレノイド(44)の非作動時にあって、前記第2作動部材(118)が揺動変位した際の前記規制部(126)の移動軌跡(C)上の該規制部(126)が当接する規制位置に臨むと共に、前記ソレノイド(44)の作動時にあって、当接部(114a)は移動軌跡(C)に干渉しない非規制位置に退避し、
前記連繋孔(116)は、前記開閉部材(102,105)を閉鎖位置から賞球確認位置まで強制変位した際に、前記第2作動部材(118)の揺動変位に伴って後方に移動する前記連繋部(122)に該連繋孔(116)の後端縁(116b)が干渉しない長さで第1作動部材(114)の前後方向に延在していることを要旨とする。
請求項2の発明によれば、第2作動部材は、自重で閉鎖方向へ揺動するよう構成されているので、開閉部材を強制変位させる際の抵抗は殆どなく、賞球確認作業を効率よく行ない得る。また、連繋孔を前後方向に延在させたので、第2作動部材が揺動変位する際、連繋孔が連繋部に干渉することはなく、第2作動部材はスムーズに揺動変位を行ない得る。
本発明に係る入賞装置によれば、検査工程における賞球確認作業を効率的に行ない得ると共に、遊技球の不正獲得を抑制し得る。
次に、本発明に係る入賞装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技球を使用して遊技を行なう遊技機について説明する。また、以下の説明において前・後および左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機の遊技盤を正面側から見た場合において指称するものとする。
図1は、実施例に係る入賞装置112が実装された遊技盤10を示す正面図である。前記遊技盤10は、略矩形状に形成されて、その前面側に略円形状に湾曲するレール12が取付けられており、該レール12により画成される遊技領域14に、図示しない発射装置によって遊技球Sを打出すようになっている。前記遊技盤10の前側は、遊技機の前面に開閉自在に設けられるガラス枠の保護ガラス(何れも図示せず)により覆われている。遊技領域14の略中央位置には、各種の特別図柄を変動して特別図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の特別図柄表示装置16を備えた装飾部材(センター役物)18が配設されている。なお、遊技盤10に打ち込まれた遊技球Sは、装飾部材18の内部を流下するものと、装飾部材18の左右両外側の遊技領域14を流下するものとに分かれて遊技に供される。
装飾部材18の右側部には、上下に所定間隔離間して複数(4つ)の設置部20が並んで設けられ、夫々の設置部20に入賞装置112の開閉部材102が開閉自在に設けられている。なお、各設置部20に設けられる入賞装置112は、何れも同一構成であるので、以下の説明では、上から2番目の設置部20に設けた入賞装置112について述べることとし、他の入賞装置112についての説明は省略する。
図2に示すように、装飾部材18の最上位に設けられた設置部20は、装飾部材18の右側部から遊技領域14側(右方)へ突出するよう設けられ、該設置部20の下部は、遊技球Sの上から2番目の入賞装置112への入賞を阻止する上方規制部(入球阻止部材)26として機能する。また、前記装飾部材18の右側部であって、前記開閉部材102の左側の領域を前側から覆う部位は、遊技球Sの前側からの入賞を阻止する前側規制部(入球阻止部材)28として機能している。この前側規制部28は、後述する入賞装置112の入賞口40を前側から覆っている。更に、前記遊技領域14における装飾部材18に近接する箇所には、流下する遊技球Sを入賞装置112へ向けて案内する案内経路30が複数の遊技釘Tによって形成されている。
図3〜図5に示すように、入賞装置112は、前記設置部20に臨む単一の開閉部材102と、遊技盤10の裏側に配設されて開閉部材102の作動機構を構成する装置本体32とから構成される。前記開閉部材102は、上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されている。また、開閉部材102の下部前面には、前方に突出するボス部34が設けられ、該ボス部34が、前記前側規制部28の裏側に設けられた図示しない支持部に回転自在に嵌挿されている。一方、開閉部材102の下部裏面には、後方へ向けて突出する突起部36が設けられている。そして、開閉部材102は、その先端部38を上方に指向させた閉鎖位置(図2(a)の2点鎖線参照)から、該先端部38を斜め右上方を指向させた開放位置(図2(a)の実線参照)まで変位可能に構成される。なお、閉鎖位置に臨む開閉部材102は、先端部38が装飾部材18に設けられた突起18aに当接して位置決めされる。
ここで、前記閉鎖位置における開閉部材102は、先端部38が前記上方規制部26に近接し、該先端部38および上方規制部26の最近接距離が遊技球Sの直径よりも小さくなるよう設定される。従って、開閉部材102が閉鎖位置に臨む状態では、前記遊技領域14の案内経路30を介して遊技球Sが入賞装置112に入賞するのは完全に阻止される。また、閉鎖位置の開閉部材102、上方規制部26および前側規制部28によって囲まれる領域(以後、閉鎖位置開口42という,図2(a)参照)は、遊技球Sの前側からの入球を阻止する寸法になっている。従って、開閉部材102が閉鎖位置にあっては、遊技機のガラス枠を開放させたとしても、前記閉鎖位置開口42を介して遊技球Sを前側から入賞させる賞球確認は不能とされる。
一方、開放位置での開閉部材102は、前記先端部38が上方規制部26よりも右方へ突出した状態となり、該先端部38は、上方規制部26に対し遊技球Sの直径よりも大きく離間し、前記案内経路30からの遊技球Sの入賞を許容する。なお、開放位置の開閉部材102は、先端部38が前記案内経路30の延長線上に臨み、該案内経路30により誘導された遊技球Sを開閉部材102で受けるようになっている。
図5に示すように、入賞装置112の装置本体32は、矩形箱体状に形成されて1つのユニットを構成している。前記装置本体32には、ソレノイド(駆動装置)44と、該ソレノイド44により前後方向に往復駆動されるプランジャ46と、該プランジャ46に連繋して同じく前後に往復移動するリンク部(第1作動部材)114と、該リンク部114と開閉部材102とに連繋されてリンク部114の往復動作に連動して揺動変位して開閉部材102を開閉作動させる揺動部材(第2作動部材)118とが設けられている。また装置本体32の前面側に入賞口40が画成され、該入賞口40から後方に球通路66が延在している。更に、この球通路66の後端に図示しない球通孔部が開設され、該球通孔部を介して遊技球Sを下方へ流下させて遊技球Sを入賞装置112の外部へ排出するようになっている。
図3に示すように、前記プランジャ46は、前端部に円盤状の係合板46aが設けられると共に、該係合板46aとソレノイド44との間にバネ等の弾性部材52が介装されている。前記ソレノイド44に通電していない非励磁状態(非作動時)においてプランジャ46は、弾性部材52の弾性力により前方へ付勢された状態となる。また、ソレノイド44が通電された励磁状態(作動時)にあって前記プランジャ46は、弾性部材52の弾性力に抗して後方に引き込まれるよう構成される。
前記リンク部114は、前後方向に延在する薄板状の部材であって、その後端が前記プランジャ46の係合板46aに連結されると共に、板状の本体部に前後方向に延在するよう開設した連繋孔116を介して前記揺動部材118と連繋している。そして、ソレノイド44の非励磁状態にあって、リンク部114はプランジャ46と共に前方に位置すると共に、ソレノイド44が励磁されてプランジャ46が後方へ引き込まれると、該リンク部114も後方へスライドして後方に位置するよう構成される。前記連繋孔116は、後述する如く、揺動部材118が開放方向へ強制揺動変位した際に後方へ移動する連繋部122(後述)に該連繋孔116の後端縁116bが干渉しない長さでリンク部114に設けられている。更に、リンク部114の前方端には、当接部114aが設けられている。
前記揺動部材118は、一対のアーム部材58,60と、両アーム部材58,60を後部で連結する連結部材62とから構成される。アーム部材58,60は、その前端が上下の二股状に形成されており、右側のアーム部材58の前端に前記開閉部材102の突起部36の後端が突入係合するよう構成される。また、両アーム部材58,60の相互に離間する側面に、前記リンク部114の延在方向(前後方向)に直交する方向(左右方向)に突出する揺動軸(軸部)118a,118aが設けられており、該揺動軸118a,118aを前記装置本体32の内壁部に設けた支持部32a,32aに挿通することで、揺動部材118は装置本体32に対し揺動自在に配設される。ここで、前記揺動軸118a,118aの配設位置は、揺動部材118を装置本体32に軸支した際に、該揺動部材118が自重で開閉部材102を閉鎖する方向(閉鎖方向,図3では、反時計方向)へ変位する位置に設定されている。従って、揺動部材118は、常には、自重により閉鎖方向へ付勢された状態で装置本体32に取付けられている。なお、以下の説明では、開閉部材102に連結する右側のアーム部材58を第1アーム部材、左側のアーム部材60を第2アーム部材と指称する。
前記連結部材62は、幅方向に所定長さで延在するよう形成され、その幅方向中央部に、前記リンク部114の連繋孔116に挿通状態で係合する連繋部122が上方に向けて突出成形されている。この連繋部122は、ソレノイド44が非励磁状態にあって、前記連繋孔116の前端縁116aに係止して、揺動部材118の閉鎖方向への揺動が規制されるようになっている。すなわち、ソレノイド44の非励磁状態にあって、連繋部122は連繋孔116に単に係止した状態にあるので、揺動部材118に対し自重より大きな負荷を与えれば、該揺動部材118は、開閉部材102を開放させる方向(開放方向,図3では時計方向)への強制揺動変位は許容される。一方、ソレノイド44が励磁されてリンク部114が後方へスライドすると、前記連繋部122が連繋孔116の前端縁116aにより引っ張られる。これにより、揺動部材118が前記開放方向へ揺動されて、開閉部材102が開放されるよう構成される。
前記連結部材62は、該連結部材62の上面から一段下がって幅方向に延在する平板部124を備え、該平板部124の幅方向中央部に、上方へ突出する規制部126が形成されている。図3(a)に示すように、この規制部126は、ソレノイド44の非励磁状態にある場合に、該リンク部114の当接部114aから所定間隔離間して下方位置に臨んでいる。すなわち、前記当接部114aは、ソレノイド44の非励磁状態にあって、規制部126の上方に位置する規制位置に臨むよう構成される。一方、ソレノイド44が励磁されてリンク部114が後方へ移動すると、前記当接部114aは非規制位置に退避して、前記揺動部材118の揺動変位と共に上方へ移動した規制部126が当接部114aの前側に臨み、該規制部126は当接部114aに干渉しないよう構成される。
更に、前記規制部126は、ソレノイド44が非励磁状態にあって、開閉部材102を揺動部材118の自重に抗して開放方向へ強制変位させた場合に、前記当接部114aの裏面に当接して、揺動部材118(開閉部材102)のそれ以上の強制揺動変位を規制するようになっている。すなわち、前記ソレノイド44が非励磁状態にあって、揺動部材118が強制揺動変位する間に規制部126が移動する軌跡を移動軌跡Cとすると、前記規制位置にある当接部114aは、図3(c)に示すように、該移動軌跡C上に臨んで規制部126に当接する位置に臨むようになっている。一方、前記ソレノイド44が励磁されて当接部114aが非規制位置に退避すると、図3(b)に示すように、当接部114aは規制部126の移動軌跡C上から離間して、該規制部126に干渉しないようになっている。
図2(b)に示すように、規制部126が当接部114aに当接したときの開閉部材102は、閉鎖位置から開放位置までの間にあって少なくとも遊技球1球分の通過を許容する賞球確認位置に到来するよう設定される。換言すれば、開閉部材102の強制変位量は、規制部126および当接部114aによって賞球確認位置までに制限されている。そして、開閉部材102が賞球確認位置まで姿勢変位したときに、該開閉部材102、前記上方規制部26および前側規制部28によって、遊技球Sの前側からの入賞を許容する賞球確認用開口部72が画成され、該開口部72を介して賞球確認を行ない得るようになっている。なお、図2(b)に示すように、賞球確認位置における開閉部材102の先端部38と上方規制部26との最近接距離は、遊技球Sの直径よりも小さく設定され、遊技球Sの遊技領域14側からの入賞は防止される。
(実施例の作用)
次に、実施例に係る入賞装置112の作用につき説明する。なお、遊技機の通常の遊技状態において、前記ソレノイド44は非励磁状態とされ、開閉部材102は閉鎖位置に保持されている。
遊技盤10に設けたレール12に沿って遊技領域14に打出された遊技球Sは、遊技釘等に接触して流下方向をランダムに変更しながら遊技領域14や装飾部材18の内部を流下する。遊技球Sの一部は、前記案内経路30によって入賞装置112へ向けて流下するものの、閉鎖位置にある開閉部材102によって、該遊技球Sの入賞は阻止される。所定条件のもと、遊技機が特別遊技状態となると、前記ソレノイド44に通電がなされ、入賞装置112が開放作動する。すなわち、前記ソレノイド44が励磁状態となると、弾性部材52の弾力に抗してプランジャ46が引き込まれ、前記リンク部114が後方へスライドする。すると、前記連繋部122が連繋孔116の前端縁116aによって後方へ押され、リンク部114が後方へスライドして揺動部材118が揺動軸118aを中心に開放方向へ揺動される。このとき、図3(b)に示すように、前記当接部114aは、非規制位置にあるので、前記規制部126は当接部114aの前側に臨み、該規制部126が当接部114aに干渉することはない。
次いで、前記第1,第2アーム部材58,60の先端が上昇して開閉部材102の突起部36が持ち上げられ、該開閉部材102が開放される。これより、図2(a)に示すように、前記開閉部材102が開放位置まで変位して、遊技球Sの入賞装置112への入賞が許容される。入賞口40から入賞装置112内へ遊技球Sが入ると、該遊技球Sは前記球通路66を後方へ転動して球通孔部を介して入賞装置112の下方へ排出されると共に、所定数の賞球が遊技者に払出される。
前記特別遊技状態が終了すると、前記ソレノイド44への通電が停止される。すると、弾性部材52が弾性復帰してプランジャ46が前方へ引き出されると共に、リンク部114が前方へスライドする。すると、揺動部材118は閉鎖方向へ自重で揺動し、開閉部材102は閉鎖位置に復帰する。このとき、前記揺動部材118の連繋部122が連繋孔116の前端縁116aに係止して、揺動部材118の閉鎖方向への揺動は阻止される(図3(a)参照)。図2(a)の2点鎖線で示すように、開閉部材102が閉鎖位置に復帰すると、該開閉部材102の先端部38が上方規制部26に近接して、遊技球Sの遊技領域14側からの入賞が阻止される。このとき、前記リンク部114の当接部114aは、前記規制部126の上方に臨む規制位置に復帰する。
次に、遊技機の検査工程で実施される入賞装置112の賞球確認をする場合について説明する。賞球確認に際しては、前記ソレノイド44を非励磁状態としたもとで、遊技機のガラス枠を開放し、開閉部材102を手指で強制的に変位させて行なわれる。すると、開閉部材102の突起部36によって第1アーム部材58が上方へ押し上げられ、揺動部材118が自重に抗して開放方向へ強制揺動変位する。すると、揺動部材118の揺動変位に伴って、前記規制部126が上方へ移動する。そして、開閉部材102が賞球確認位置に到来すると、図3(c)に示すように、前記規制部126が規制位置にある当接部114aの裏面に当接し、揺動部材118のそれ以上の開放方向への強制揺動変位は規制される。このとき、図2(b)に示すように、前記開閉部材102、上方規制部26および前側規制部28により賞球確認用開口部72が画成される。そして、ガラス枠を開放させた遊技盤10の前側から賞球確認用開口部72を介して遊技球Sを入賞口40に入賞させて、賞球確認が行なわれる。なお、揺動部材118の強制揺動変位に伴って連繋部122は後方へ移動するが、リンク部114の前後に延在するよう設けた連繋孔116の後端縁116bに連繋部122が干渉することはない(図3(c)参照)。
一方、遊技中において、ゴト行為が行なわれたとしても、実施例に係る入賞装置112においては、遊技球Sの不正獲得は完全に防止し得るようになっている。例えば、遊技機の球皿等に画成される間隙から前記遊技領域14内へ針金等を侵入させ、開閉部材102を強制的に変位させて遊技球Sを不正に入賞させることが考えられる。しかるに、このような開閉部材102の不正な強制変位が行なわれたとしても、開閉部材102が許容される強制変位量は、前記賞球確認位置までに設定されている。そして、前述の如く、賞球確認位置の開閉部材102は、その先端部38が前記上方規制部26に近接するので、遊技球Sの遊技領域14側からの入賞は完全に防止される(図2(b)参照)。なお、このとき前記賞球確認用開口部72が画成されるものの、該開口部72は前側からの入賞のみが許容されるので、ガラス枠により前側が覆われた遊技中にあっては、賞球確認用開口部72を介して遊技球Sを入賞させることは不可能である。
以上に示したように、実施例に係る入賞装置112によれば、ソレノイド44の非励磁状態であっても、開閉部材102を賞球確認位置まで強制変位させることができる。従って、賞球確認用開口部72を介して前側から遊技球Sを入賞させることができ、遊技機の検査工程で実施される入賞装置112の賞球確認を効率的に行なうことができる。しかも、揺動部材118は、自重で閉鎖方向へ揺動するよう構成されているので、開閉部材102を強制変位させる際の抵抗は殆どなく、賞球確認を容易に実施し得る。更に、開閉部材102は賞球確認位置までしか変位し得ないので、遊技領域14側からの遊技球Sの入賞は防止され、遊技球Sの不正獲得は完全に不能とし得る。また、連繋孔116を前後方向に延在させたので、揺動部材118が揺動変位する際、連繋孔116が連繋部122に干渉することはなく、揺動部材118はスムーズに揺動変位を行ない得る。
なお、実施例では、右側の第1アーム部材58に開閉部材102を設けた場合を示したが、左側の第2アーム部材60に開閉部材102を設けてもよい。この場合、開閉部材102は、先端部38を左方へ変位させることで、強制変位が実施される。
実施例では、揺動部材118が自重により閉鎖方向へ付勢される構成とした。しかしながら、例えば、ソレノイド44のプランジャ46によって揺動部材118を閉鎖方向へ付勢する構成としてもよい。すなわち、揺動部材118に対して常に外的な負荷を与えて、揺動部材118を閉鎖方向へ付勢する構成を採用することも可能である。
次に、変更例に係る入賞装置について、以下説明を行なう。変更例においては、実施例と相違する箇所のみ説明することとし、実施例と同一の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
(変更例1)
実施例では、賞球確認位置に到来した開閉部材102の先端部38は、上方規制部26に近接して遊技球Sの遊技領域14側からの入賞は不能とされていた。しかしながら、仮に、賞球確認位置に到来した開閉部材102の先端部38と上方規制部26との離間距離が遊技球Sよりも大きくなったとしても、開閉部材102の強制変位は、賞球確認位置より大きく変位させることが不能とされるので、不正獲得し得る遊技球Sは抑制される。また、図6に示すように、開閉部材102を賞球確認位置に強制変位させた際に、前記賞球確認用開口部72が画成されると共に、開閉部材102の先端部38と前記上方規制部26とにより側方に開口する側方開口部73が画成されるよう構成してもよい。この側方開口部73の開口寸法は、遊技球略1球分に設定されており、しかも側方に向けて開口しているので、仮に開閉部材102が不正に変位されたとしても、入賞し得る遊技球Sの数は僅かにし得る。
(変更例2)
実施例では、単一の開閉部材102を備えた入賞装置112を示したが、第1,第2アーム部材58,60の夫々に開閉部材102,105を設けてもよい。すなわち、図7に示すように、変更例2に係る入賞装置113は、2つの開閉部材102,105を有する所謂チューリップ型の入賞装置を構成する。そして、第1アーム部材58に第1の開閉部材(第1開閉部材)102を、第2アーム部材60に第2の開閉部材(第2開閉部材)105を夫々連繋して構成されている。これにより、第1開閉部材102または第2開閉部材105の何れかを強制変位させることで、他方の開閉部材も同時に強制変位させることが可能となる。
なお、実施例や変更例では、開閉部材102,105を作動する駆動源としてソレノイド44を採用したが、駆動装置としてはソレノイド44に限定されず、モータとラック−ピニオンの組合わせ等、従来公知の各種の手段を採用できる。
実施例に係る入賞装置が実装された遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の要部拡大図であって、(a)は開閉部材が開放位置にある状態を示し、(b)は開閉部材を強制変位させた状態を示す。 入賞装置の要部を示す説明図であって、(a)はソレノイドが非励磁状態にある場合を示し、(b)はソレノイドが励磁状態にある場合を示し、(c)は揺動部材が強制揺動変位した場合を示す。 入賞装置を示す斜視図である。 入賞装置を示す横断平面図である。 変更例1に係る入賞装置が実装された遊技盤を示す要部拡大図である。 変更例2に係る入賞装置を示す斜視図である。
符号の説明
10 遊技盤,14 遊技領域,32 装置本体,40 入賞口
44 ソレノイド(駆動装置),46 プランジャ(作動部材)
102,105 開閉部材,114 リンク部(第1作動部材)
118 揺動部材(第2作動部材),114a 当接部,116 連繋孔
116a 前端縁,116b 後端縁,118a 揺動軸(軸部)
122 連繋部,126 規制部,S 遊技球,C 移動軌跡

Claims (2)

  1. 遊技盤に取付けられた装置本体に開閉可能に配設され、開放時に遊技球の入賞口への入賞が許容されると共に閉鎖時に遊技球の入賞口への入賞が阻止される開閉部材と、
    前記装置本体に配設された駆動装置と、
    前記駆動装置により往復作動される第1作動部材と、
    前記第1作動部材と開閉部材とに連繋されて、第1作動部材の往復作動に連動して姿勢変位して開閉部材を開閉作動させると共に、常には、開閉部材を開放位置から閉鎖位置へ向かう閉鎖方向へ姿勢変位するよう付勢された第2作動部材とを備えた入賞装置において、
    前記第1作動部材に設けられた当接部と、前記第2作動部材に設けられた規制部とを備え、
    前記駆動装置の非作動時において、前記第2作動部材は、開閉部材を閉鎖位置とする姿勢に付勢された状態にあって前記第1作動部材に対して開閉部材を閉鎖位置から開放位置へ変位させる開放方向への強制姿勢変位が許容され、
    前記当接部および規制部は、前記駆動装置の作動時に非当接状態となって前記第2作動部材の姿勢変位を許容し、
    前記駆動装置の非作動時において、前記開閉部材が閉鎖位置から開放位置の間にあって少なくとも遊技球1球分の通過を許容する賞球確認位置に到来した際には、前記規制部が前記当接部に当接して、該開閉部材と共に姿勢変位する第2作動部材のそれ以上の開放方向への強制姿勢変位が阻止される
    ことを特徴とする入賞装置。
  2. 前記第1作動部材は、前後方向に延在する本体に連繋孔が開設された板状部材であって、一端が前記駆動装置としてのソレノイドに連結すると共に、他端側に前記当接部が設けられ、該ソレノイドにより前後にスライドするよう構成され、
    前記第2作動部材は、前記第1作動部材の延在方向に直交する軸部により前記装置本体に対し自重で閉鎖方向へ変位するよう揺動自在に軸支され、前記ソレノイドの非作動時にあって第2作動部材に設けた連繋部が前記連繋孔の前端縁に係止することで該第2作動部材の閉鎖方向への揺動が規制されて開閉部材が閉鎖位置に保持されると共に、前記ソレノイドの作動時にあって、前記連繋孔に係合する連繋部が第1作動部材と共に移動して第2作動部材が開放方向へ揺動され、
    前記当接部は、前記ソレノイドの非作動時にあって、前記第2作動部材が揺動変位した際の前記規制部の移動軌跡上の該規制部が当接する規制位置に臨むと共に、前記ソレノイドの作動時にあって、当接部は移動軌跡に干渉しない非規制位置に退避し、
    前記連繋孔は、前記開閉部材を閉鎖位置から賞球確認位置まで強制変位した際に、前記第2作動部材の揺動変位に伴って後方に移動する前記連繋部に該連繋孔の後端縁が干渉しない作動部材の前後方向に延在している請求項1記載の入賞装置。
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