JP2009065316A - 信号処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】データに応じてキャリアを変調することにより得られた信号から、より確実に元のデータを得ることができるようにする。
【解決手段】ロジックレベル判定部24は、データ受信部23により受信された受信信号を、そのキャリアの周期よりも短い時間間隔でサンプリングすることにより、サンプリングデータを生成する。軟判定データ生成部25は、サンプリングデータを基に、その値の正負の符号が元のデータの値を示し、絶対値がその元のデータの値の確からしさを示す軟判定データを生成する。硬判定データ生成部26は、軟判定データの正負の符号に基づいて、元のデータである硬判定データを生成する。本発明は、変調信号を受信する通信機器に適用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は信号処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、データに応じてキャリアを変調することにより得られた信号から、より確実に元のデータを得ることができるようにした信号処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
例えば、データに応じてキャリアを変調して得られる変調信号として、PSK(Phase Shift Keying)信号などが知られている。このような変調信号から元のデータを得る方法として、変調信号のキャリアの周期よりも短い時間間隔で変調信号をロジックレベル判定し、その結果得られたロジック値の多数決によりデータ判定する方法がある(例えば、特許文献1乃至5参照)。
すなわち、そのような方法においては、受信された変調信号が、キャリアの周期よりも短い時間間隔でサンプリングされ、サンプリングにより得られたロジック値の正負の符号のいずれが多いかによって、多数決により元のデータが検出される。
特開昭60−198945号公報 特開昭62−183247号公報 特開平2−117247号公報 特開平6−85860号公報 特開平8−317005号公報
ところで、機器間の通信において、送受信される情報の確度を高めるためには、すなわち受信側において、受信した信号からより確実に正しい元のデータを得るには、変調信号のための帯域をできるだけ広くすることが望ましい。しかしながらデータの多重化を行うには、変調信号の帯域はできるだけ狭くする必要がある。したがって、実際には、変調信号のために用いることのできる帯域ができる限り有効に使われることになる。
このように、変調信号の帯域ができる限り利用されてデータが重畳されると、変調信号の応答特性はインパルス応答ではなくなり、符号間干渉が生じる。その結果、元のデータのビット値の系列におけるビット値の切り替わりの付近では、そのビット値が前後のビット値の影響を受けるため変調信号の波形に歪みが生じ、受信した変調信号から元のデータを得ることができない場合があった。
そこで、このように歪んだ変調信号の波形の応答特性をインパルス応答に近づけるために、波形等化器が用いられることがある。この波形等化器は、通常、変調信号の波形に通信路の周波数特性の逆特性の波形を付加するものである。
ここで、波形等化器は、変調信号から歪み成分を直接除去するものであるとみなすことができる。ところが、変調信号をサンプリングして得られたロジック値の系列から歪み成分を除去しようとすると、変調信号をサンプリングする場合に充分なサンプリングの精度が必要とされる。すなわち、変調信号のサンプリングにより得られる値は、複数ビットの値である必要がある。しかしながら、変調信号をサンプリングしてロジックレベル判定する場合、サンプリングの精度は1ビットであるため、波形等化を行うには充分ではなかった。
以上のように、変調信号をロジックレベル判定して元のデータを得ようとする場合、受信した変調信号から元のデータを確実に得ることは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、データに応じてキャリアを変調することにより得られた信号から、より確実に元のデータを得ることができるようにするものである。
本発明の一側面の信号処理装置は、データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理装置であって、前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成する第1のサンプリングデータ生成手段と、第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成する軟判定ベースバンド信号生成手段と、前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成する第2のサンプリングデータ生成手段と、第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する軟判定データ生成手段とを備える。
信号処理装置には、前記軟判定データの値の正負の符号に基づいて、前記データを生成するデータ生成手段をさらに設けることができる。
信号処理装置には、送信されてきた前記信号を受信する受信手段と、前記軟判定データを用いて、前記信号の通信路の通信品質を評価するための指標である統計指標を算出する統計指標算出手段とをさらに設けることができる。
前記統計指標算出手段には、前記統計指標を算出するときの前記軟判定データの数、前記軟判定データの絶対値の和、および前記軟判定データの二乗値の和に基づいて前記統計指標を算出させることができる。
前記統計指標算出手段には、前記統計指標を算出するときの前記軟判定データの数、前記軟判定データの絶対値の和、および前記軟判定データの絶対値の最大値に基づいて前記統計指標を算出させることができる。
信号処理装置には、前記軟判定ベースバンド信号を波形等化する波形等化手段をさらに設け、前記第2のサンプリングデータ生成手段には、波形等化された前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングさせることにより、前記第2のサンプリングデータを生成させることができる。
信号処理装置には、前記軟判定データを波形等化する波形等化手段をさらに設けることができる。
本発明の一側面の信号処理方法またはプログラムは、データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理方法またはプログラムであって、前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成し、第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成し、前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成し、第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成するステップを含む。
本発明の一側面においては、データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理装置において、前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックが用いられて前記信号がサンプリングされることにより、複数の第1のサンプリングデータが生成され、第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータが加算されることにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号が生成され、前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックが用いられて前記軟判定ベースバンド信号がサンプリングされることにより、複数の第2のサンプリングデータが生成され、第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータが加算されることにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データが生成される。
本発明の一側面によれば、データに応じてキャリアを変調することにより得られた信号から、より確実に元のデータを得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の信号処理装置は、データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理装置(例えば、図1の通信機器12)であって、前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成する第1のサンプリングデータ生成手段(例えば、図4のサンプリング部91)と、第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成する軟判定ベースバンド信号生成手段(例えば、図4の軟判定ベースバンド信号生成部92)と、前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成する第2のサンプリングデータ生成手段(例えば、図7のフリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8)と、第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する軟判定データ生成手段(例えば、図7の加算器184)とを備える。
信号処理装置には、前記軟判定データの値の正負の符号に基づいて、前記データを生成するデータ生成手段(例えば、図1の硬判定データ生成部26)をさらに設けることができる。
信号処理装置には、送信されてきた前記信号を受信する受信手段(例えば、図1のデータ受信部23)と、前記軟判定データを用いて、前記信号の通信路の通信品質を評価するための指標である統計指標を算出する統計指標算出手段(例えば、図1の統計処理部27)とをさらに設けることができる。
信号処理装置には、前記軟判定ベースバンド信号を波形等化する波形等化手段(例えば、図6の波形等化器131)をさらに設け、前記第2のサンプリングデータ生成手段には、波形等化された前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングさせることにより、前記第2のサンプリングデータを生成させることができる。
信号処理装置には、前記軟判定データを波形等化する波形等化手段(例えば、図9の波形等化器211)をさらに設けることができる。
本発明の一側面の信号処理方法またはプログラムは、データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理方法またはプログラムであって、前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成し(例えば、図19のステップS42)、第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成し(例えば、図19のステップS44)、前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成し(例えば、図20のステップS72)、第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する(例えば、図20のステップS74)ステップを含む。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
この通信システムは、通信機器11および通信機器12から構成され、通信機器11と通信機器12とは互いにデータの送受信を行う。
通信機器11は、データ送信部21およびデータ受信部22を備えており、データ送信部21は、所定のデータを通信機器12に送信する。
ここで、より詳細には、通信機器11から通信機器12には、データに応じてキャリアを変調して得られる変調信号、例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)信号やOSK(Overlap Shift Keying)信号などが送信される。具体的には、例えば、元のデータをマンチェスタ符号化して得られたマンチェスタ符号の系列に応じて、キャリアをBPSK変調することで得られた変調信号が、通信機器11から通信機器12に送信される。
なお、通信機器11から送信されるデータには、特に通信品質を評価するための特別な誤り訂正符号やデータ系列などは付加される必要はない。但し、データの誤り訂正を行うことができるように、データには誤り訂正符号が付加されていることが望ましい。
また、通信機器11のデータ受信部22は、通信機器12から送信されてきたデータを受信し、通信機器11は、受信したデータに応じた処理を行う。
これに対して、通信機器12は、データ受信部23、ロジックレベル判定部24、軟判定データ生成部25、硬判定データ生成部26、統計処理部27、誤り訂正強度変更部28、およびデータ送信部29を備えている。
通信機器12のデータ受信部23は、通信機器11から送信されてきたデータ、より詳細には変調信号を受信する。そして、データ受信部23は、受信した変調信号に必要に応じて所定の処理を施してロジックレベル判定部24に供給する。
なお、以下の説明において、データ受信部23からロジックレベル判定部24に供給される変調信号に対して、必要に応じて所定の処理を施して得られる信号を受信信号と称する。この受信信号は、変調信号に限らず、変調信号に所定の処理を施して得られるベースバンド信号、中間周波数帯の信号など、どのような信号であってもよい。また、受信信号はアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
ロジックレベル判定部24は、データ受信部23から供給された受信信号をロジックレベル判定して、その結果得られたビット系列を軟判定データ生成部25に供給する。軟判定データ生成部25は、ロジックレベル判定部24から供給されたビット系列に所定の重み付けを行って加算処理を行うことで、変調信号の元のデータと、そのデータの確からしさとを示す軟判定データの系列を生成する。ここで、軟判定データは、その値の正負の符号が元のデータのビット値を示し、軟判定データの絶対値が元のデータの確からしさを示すデータとされる。軟判定データ生成部25は、生成した軟判定データの系列を硬判定データ生成部26および統計処理部27に供給する。
硬判定データ生成部26は、軟判定データ生成部25から供給された軟判定データの系列から、元のデータ、より詳細には元のデータと推定されるデータである硬判定データの系列を生成する。より具体的には、硬判定データ生成部26は、軟判定データの値の符号が正であれば、元のデータのビット値が“1”であるとし、軟判定データの値の符号が負であれば、元のデータのビット値が“0”であるとして元のデータを生成する。そして、通信機器12は、このようにして生成されたデータに応じた処理を行う。
統計処理部27は、軟判定データ生成部25から供給された軟判定データの系列に基づいて、受信信号(変調信号)の通信路の通信品質を評価する指標、つまり受信信号から元のデータを生成するときのデータの誤り率がどの程度であるかを表す統計指標を求め、誤り訂正強度変更部28に供給する。ここで通信品質とは、変調信号が送信されてから軟判定データが生成されるまでの通信路の特性をいい、通信品質が高いほど受信信号からより正確に元のデータを得ることができる。
誤り訂正強度変更部28は、統計処理部27から供給された統計指標に基づいて、誤り訂正符号の強度を変更する。すなわち、誤り訂正強度変更部28は、通信機器11に送信するデータに付加される誤り訂正符号の訂正の大きさ(パリティビット数)を変更する。
また、通信機器12は、硬判定データ生成部26により生成された硬判定データに応じて、所定のデータを通信機器11に送信する。すなわち、誤り訂正強度変更部28は、通信機器11に送信するデータに、必要に応じて誤り訂正符号を付加してデータ送信部29に供給する。換言すれば、誤り訂正強度変更部28は、送信するデータを誤り訂正符号化してデータ送信部29に供給する。データ送信部29は、誤り訂正強度変更部28から供給されたデータを、通信機器11に送信する。より詳細には、送信されるデータに応じてキャリアを変調することにより得られた変調信号が通信機器11に送信される。
このように、通信機器12においては、受信した受信信号に基づいて通信品質の指標となる統計指標を求め、その統計指標に基づいて通信機器11に送信するデータに付加する誤り訂正符号の強度を変更する。より詳細には、統計指標を求めることで、求めた統計指標に基づいて、通信路の信号雑音比(Signal to Noise ratio)などを簡単かつリアルタイムで評価することができる。したがって、その評価の結果に応じて適宜、誤り訂正符号の強度を変更することで、通信路の状態によらず、より迅速かつ確実に通信を行うことができる。
なお、図1の通信システムの構成は、特に、通信機器12から通信機器11に送信されるデータの通信路の特性が、受信信号の通信路の特性と同じとみなすことができる場合に有効である。また、図1の通信システムにおいては、通信機器12が統計指標を求める機能を有しているが、通信機器11だけが統計指標を求める機能を有する構成とされてもよいし、通信機器11および通信機器12の両方がそのような機能を有する構成とされてもよい。
次に、通信機器12の各部の詳細について説明する。ロジックレベル判定部24には、受信信号をサンプリングするときに用いられるサンプリングクロックを生成するサンプリングクロック生成部と、受信信号をサンプリングしてロジックレベル判定するサンプリング部とを備えている。
サンプリングクロック生成部は、例えば図2に示すように、遅延部とインバータとから構成され、供給された駆動クロックを基に、受信信号のキャリアと周期が同じである複数のサンプリングクロックを生成する。
サンプリングクロック生成部51は、遅延部61乃至遅延部63、およびインバータ64乃至インバータ67から構成される。
遅延部61乃至遅延部63は、例えばプログラマブル遅延素子から構成され、インバータ64乃至インバータ67は、駆動クロックの周期と比べて高速で動作するインバータとされる。ここで、駆動クロックは、通信機器12に設けられた回路を駆動するためのクロック信号であり、その周期は受信信号のキャリアの周期と同じとされる。
サンプリングクロック生成部51では、供給された駆動クロックから、駆動クロックの8分の1周期の整数倍だけ位相がずれた8つのサンプリングクロックが生成される。
すなわち、供給された駆動クロックは、サンプリングクロックClk[0]としてそのまま出力されるとともに、遅延部61乃至遅延部63およびインバータ64に供給される。ここで、サンプリングクロックClk[0]は、駆動クロックそのものであるので、駆動クロックと同じ位相のサンプリングクロックである。
また、インバータ64は、供給された駆動クロックを反転させ、反転された駆動クロックをサンプリングクロックClk[4]として出力する。このサンプリングクロックClk[4]は、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の4周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
遅延部61は、遅延部61を制御する図示せぬセレクタから供給された信号に基づいて、供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の1周期だけ遅延させ、遅延された駆動クロックをサンプリングクロックClk[1]として出力するとともに、遅延された駆動クロックをインバータ65に供給する。このサンプリングクロックClk[1]は、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の1周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
インバータ65は、遅延部61から供給された駆動クロックを反転させ、反転された駆動クロックをサンプリングクロックClk[5]として出力する。このサンプリングクロックClk[5]は、8分の1周期だけ遅延された駆動クロックが反転されたものであるので、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の5周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
遅延部62は、遅延部62を制御する図示せぬセレクタから供給された信号に基づいて、供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の2周期だけ遅延させ、遅延された駆動クロックをサンプリングクロックClk[2]として出力するとともに、遅延された駆動クロックをインバータ66に供給する。このサンプリングクロックClk[2]は、駆動クロックが8分の2周期だけ遅延されたものであるので、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の2周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
インバータ66は、遅延部62から供給された駆動クロックを反転させ、反転された駆動クロックをサンプリングクロックClk[6]として出力する。このサンプリングクロックClk[6]は、8分の2周期だけ遅延された駆動クロックが反転されたものであるので、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の6周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
遅延部63は、遅延部63を制御する図示せぬセレクタから供給された信号に基づいて、供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の3周期だけ遅延させ、遅延された駆動クロックをサンプリングクロックClk[3]として出力するとともに、遅延された駆動クロックをインバータ67に供給する。このサンプリングクロックClk[3]は、駆動クロックが8分の3周期だけ遅延されたものであるので、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の3周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
インバータ67は、遅延部63から供給された駆動クロックを反転させ、反転された駆動クロックをサンプリングクロックClk[7]として出力する。このサンプリングクロックClk[7]は、8分の3周期だけ遅延された駆動クロックが反転されたものであるので、サンプリングクロックClk[0]に対して、サンプリングクロックの8分の7周期だけ遅延したサンプリングクロックとなる。
このようにしてサンプリングクロック生成部51において生成されたサンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]は、ロジックレベル判定部24に設けられたサンプリング部に供給される。
例えば図3に示すように、サンプリングクロック生成部51において生成されたサンプリングクロックは、互いに位相の異なる周期波とされる。なお、図中、横方向は時間を示しており、図中に示される曲線は、上側から順番に、受信信号のキャリア、駆動クロック、およびサンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]を表している。
図3では、キャリアと駆動クロックの周期は同じとされ、またキャリアと駆動クロックは同期している。さらに、サンプリングクロックClk[0]は、駆動クロックと周期が同じであり、また駆動クロックに同期している。
これに対して、サンプリングクロックClk[1]乃至サンプリングクロックClk[7]のそれぞれは、サンプリングクロックClk[0]と同じ周期であるが、サンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[6]のそれぞれに対して8分の1周期だけ遅延している。つまり、サンプリングクロックは、互いに等間隔で遅延している。
このように、駆動クロックを遅延させたり、反転させたりすることで、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを簡単に生成することができる。また、これらのサンプリングクロック群を用いて、受信信号をサンプリングすることで、受信信号をサンプリングクロックの8分の1周期の時間間隔でサンプリングすることができる。すなわち、受信信号をキャリアの1周期に3ビットの精度でサンプリングすることができる。
また、サンプリングクロック生成部51で生成されたサンプリングクロックは、図4に示すように、ロジックレベル判定部24に設けられたサンプリング部91に供給される。さらに、サンプリング部91には、軟判定データ生成部25に設けられた軟判定ベースバンド信号生成部92が接続されている。
サンプリング部91は、フリップフロップ101−1乃至フリップフロップ101−8から構成され、軟判定ベースバンド信号生成部92は、フリップフロップ102−1乃至フリップフロップ102−8、乗算器103−1乃至乗算器103−8、および加算器104から構成される。
フリップフロップ101−1乃至フリップフロップ101−8のそれぞれには、データ受信部23から受信信号が供給されるとともに、サンプリングクロック生成部51からサンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]のそれぞれが供給される。
フリップフロップ101−i(但し、1≦i≦8)は、供給されたサンプリングクロックClk[i-1](但し、1≦i≦8)が立ち上がるタイミングで受信信号をロジックレベル判定する。すなわち、フリップフロップ101−iは、サンプリングクロックClk[i-1]に同期して受信信号を1ビットの精度でサンプリングする。そして、フリップフロップ101−iは、サンプリングにより得られたサンプリングデータを、サンプリングクロックClk[i-1]が次に立ち上がるまで、つまりサンプリングクロックの1周期の時間だけ保持する。
このように、フリップフロップ101−iでは、サンプリングデータがサンプリングクロックの周期と同じ周期で更新される。このサンプリングデータは、受信信号をロジックレベル判定して得られるロジック値である。なお、以下、フリップフロップ101−1乃至フリップフロップ101−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ101と称する。
フリップフロップ102−1乃至フリップフロップ102−8のそれぞれは、フリップフロップ101−1乃至フリップフロップ101−8のそれぞれが保持しているサンプリングデータを、駆動クロック、すなわち受信信号のキャリアに同期させる。
より具体的には、フリップフロップ102−i(但し、1≦i≦8)は、供給されたサンプリングクロックClk[0]が立ち上がるタイミングで、フリップフロップ101−i(但し、1≦i≦8)に保持されているサンプリングデータを取得し、取得したサンプリングデータをサンプリングクロックの1周期の時間だけ保持する。
これにより、フリップフロップ102−iにおいて、サンプリングクロックClk[i-1]に同期していたサンプリングデータが、サンプリングクロックClk[0]に同期するようになされる。なお、以下、フリップフロップ102−1乃至フリップフロップ102−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ102と称する。
ここで、各サンプリングデータをサンプリングクロックClk[0]に同期させるためには、フリップフロップ102がサンプリングデータを取得する時点で、フリップフロップ101において、そのサンプリングデータのセトリングがなされている必要がある。
ところが、配線遅延などの理由により、サンプリングデータのセトリング時間が長くなる場合には、フリップフロップ102がサンプリングデータを取得する時点において、サンプリングデータがセトリングされていないことがある。
そのような場合、フリップフロップ101とフリップフロップ102との間に、適宜、必要な個数のフリップフロップを設けて、サンプリングデータが同期されるタイミングを遅延させることで、各サンプリングデータをサンプリングクロックClk[0]に同期させることができる。つまり、フリップフロップ101とフリップフロップ102との間に設けられるフリップフロップは、前段のフリップフロップ(例えばフリップフロップ101)におけるサンプリングデータのセトリング後からサンプリングクロックClk[0]が次に立ち上がるまでの間の所定のタイミングで、前段のフリップフロップからサンプリングデータを取得する。
このように、フリップフロップ101とフリップフロップ102との間に、いくつかのフリップフロップを設けて、サンプリングデータが更新されるタイミングを徐々にサンプリングクロックClk[0]が立ち上がるタイミングに近づけていくことにより、最終的にフリップフロップ102において、サンプリングデータをサンプリングクロックClk[0]に同期させることができる。
また、サンプリングクロックの8分の1周期の時間間隔で受信信号をサンプリングして得られたサンプリングデータは、フリップフロップ102から乗算器103−1乃至乗算器103−8に供給される。
乗算器103−1乃至乗算器103−8のそれぞれは、フリップフロップ102−1乃至フリップフロップ102−8のそれぞれからサンプリングデータを取得し、取得したサンプリングデータに、保持している係数K0乃至係数K7のそれぞれを乗算する。
ここで、サンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]のうちの、どのサンプリングクロックが受信信号のキャリアの位相に最も近い位相を持つかが分かっていれば、係数K0乃至係数K7のそれぞれを適切に定めることができる。
例えば、サンプリングクロックClk[0]の位相が、受信信号のキャリアの位相に最も近く、受信信号がBPSK信号である場合には、係数K0乃至係数K7のそれぞれを、1,2,2,1,−1,−2,−2,および−1としたり、1,3,3,1,−1,−3,−3,および−1としたりすることができる。このように、係数K0乃至係数K7が簡単な整数比である場合には、乗算器103による演算は、実質的に加算処理と同じであるので乗算器103を簡単な構成で実現できる。
なお、以下では、サンプリングクロックClk[0]の位相が、受信信号のキャリアの位相に最も近く、係数K0乃至係数K7のそれぞれが、1,2,2,1,−1,−2,−2,および−1であるものとして説明を続ける。
乗算器103−1乃至乗算器103−8のそれぞれは、フリップフロップ102から取得したサンプリングデータに係数K0乃至係数K7のそれぞれを乗算して、加算器104に供給する。なお、以下、乗算器103−1乃至乗算器103−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に乗算器103と称する。
加算器104は、乗算器103−1乃至乗算器103−8のそれぞれから供給されたサンプリングデータを加算して、軟判定ベースバンド信号を生成する。ここで、軟判定ベースバンド信号は、キャリアの(サンプリングクロック)の1周期の期間の間にサンプリングして得られた8つのサンプリングデータに係数が乗算された値の和である。
この軟判定ベースバンド信号の値は、−6から6までの値とされ、軟判定ベースバンド信号の値の正負の符号は受信信号の値、例えば元のデータをマンチェスタ符号化して得られた信号(マンチェスタ符号)のビット値(ロジック値)を示している。すなわち、軟判定ベースバンド信号の値の符号が正である場合は、ビット値“1”を示し、符号が負である場合は、ビット値“0”を示している。また、軟判定ベースバンド信号の値の絶対値は、受信信号のビット値の確からしさを示しており、その絶対値が大きいほど、ビット値はより確からしいと推定される。
なお、元のデータを符号化する方式は、マンチェスタ符号化方式に限らず、どのような方式であってもよい。したがって、軟判定ベースバンド信号により示される受信信号の値は、元のデータが所定の方式で符号化されて得られた信号(符号の系列)の値とされる。
また、サンプリングクロックのうち、どのサンプリングクロックの位相が受信信号のキャリアの位相に最も近いかが分かっていない場合には、サンプリングクロックごとに、係数K0乃至係数K7を定めておき、それらの係数を用いてサンプリングクロックごとの軟判定ベースバンド信号を生成する。そして、生成されたそれらの軟判定ベースバンド信号の値の絶対値を比較することで、どのサンプリングクロックの位相が、受信信号のキャリアの位相に最も近いかを簡単に知ることができる。
例えば、図5に示すように、サンプリングクロックClk[0]、サンプリングクロックClk[1]、サンプリングクロックClk[6]、およびサンプリングクロックClk[7]の位相のそれぞれが、受信信号のキャリアの位相に最も近いものとして軟判定ベースバンド信号のそれぞれが生成されたとする。
なお、図5では図中、上側から順番に、キャリア、受信信号、サンプリングクロックClk[6]、サンプリングクロックClk[7]、サンプリングクロックClk[0]、サンプリングクロックClk[1]、およびデータData[6]、データData[7]、データData[0]、およびデータData[1]が示されている。ここで、データData[6]乃至データData[1]のそれぞれは、キャリアに最も位相の近いサンプリングクロックがサンプリングクロックClk[6]乃至サンプリングクロックClk[1]のそれぞれであるとして生成された軟判定ベースバンド信号の値を示している。
また、図5において、受信信号を表す曲線に沿って並べられている数値“1”および数値“0”は、受信信号のロジック値、つまり乗算器103に供給されるサンプリングデータの値を示している。
ここで、サンプリングクロックClk[6]が最初に立ち上がるタイミングから、各サンプリングクロックを用いたサンプリングにより順番に得られるロジック値は0,0,1,1,1,1,0,0であるので、これらのロジック値に、乗算器103における係数1,2,2,1,−1,−2,−2,−1を乗算して加算すると、データData[6]の値“0”(=0+0+2+1−1−2−0−0)が得られる。
また、サンプリングクロックClk[7]が最初に立ち上がるタイミングから、各サンプリングクロックを用いたサンプリングにより順番に得られるロジック値は0,1,1,1,1,0,0,0であるので、これらのロジック値に、乗算器103における係数1,2,2,1,−1,−2,−2,−1を乗算して加算すると、データData[7]の値“4”(=0+2+2+1−1−0−0−0)が得られる。
同様に、サンプリングクロックClk[0]が最初に立ち上がるタイミングから、各サンプリングクロックを用いたサンプリングにより順番に得られるロジック値は1,1,1,1,0,0,0,0であるので、これらのロジック値に、乗算器103における係数1,2,2,1,−1,−2,−2,−1を乗算して加算すると、データData[0]の値“6”(=1+2+2+1−0−0−0−0)が得られる。
また、サンプリングクロックClk[1]が最初に立ち上がるタイミングから、各サンプリングクロックを用いたサンプリングにより順番に得られるロジック値は1,1,1,0,0,0,0,1であるので、これらのロジック値に、乗算器103における係数1,2,2,1,−1,−2,−2,−1を乗算して加算すると、データData[1]の値“4”(=1+2+2+0−0−0−0−1)が得られる。
しがって、データData[6]乃至データData[1]のうち、最も絶対値が大きいものは、データData[0]の値“6”であるので、サンプリングクロックClk[0]の位相がキャリアの位相に最も近いことになる。そして、このデータData[0]が軟判定ベースバンド信号として加算器104から出力される。このように、サンプリングデータに乗算される係数K0乃至係数K7は、サンプリングクロックの位相とキャリアの位相とが近いほど軟判定ベースバンド信号の絶対値が大きくなり、それらの位相が遠いほど絶対値が小さくなるようになされている。換言すれば、軟判定ベースバンド信号の絶対値が大きいほど、サンプリングクロックのキャリアに対する遅延が少ないことになる。
また、加算器104から出力された軟判定ベースバンド信号は、例えば図6に示す波形等化器131に供給される。図6に示す波形等化器131は、軟判定データ生成部25に設けられており、波形等化器131は、フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7、乗算器142−1乃至乗算器142−7、および加算器143から構成される。
フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7には、受信信号のキャリアと同じ周期であり、キャリアに同期した駆動クロックが供給される。フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7は、駆動クロックが立ち上がるタイミングで3ビットの精度、つまり3ビットのデータを取得して保持するシフトレジスタの機能を実現する。
フリップフロップ141−1は、供給された駆動クロックが立ち上がるタイミングで、加算器104から出力された軟判定ベースバンド信号を取得する。そして、フリップフロップ141−1は、取得した軟判定ベースバンド信号を、駆動クロックの1周期の時間だけ保持した後、フリップフロップ141−2および乗算器142−1に供給する。
フリップフロップ141−(i+1)(但し、1≦i≦5)は、供給された駆動クロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ141−iから出力された軟判定ベースバンド信号を取得する。そして、フリップフロップ141−(i+1)は、取得した軟判定ベースバンド信号を、駆動クロックの1周期の時間だけ保持した後、フリップフロップ141−(i+2)および乗算器142−(i+1)に供給する。
また、フリップフロップ141−7は、供給された駆動クロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ141−6から出力された軟判定ベースバンド信号を取得する。そして、フリップフロップ141−7は、取得した軟判定ベースバンド信号を、駆動クロックの1周期の時間だけ保持した後、乗算器142−7に供給する。
乗算器142−1乃至乗算器142−7のそれぞれは、波形等化フィルタであり、フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7のそれぞれから供給された軟判定ベースバンド信号に保持している係数E0乃至係数E6のそれぞれを乗算する。また、乗算器142−1乃至乗算器142−7のそれぞれは、係数の乗算された軟判定ベースバンド信号を加算器143に供給する。加算器143は、乗算器142−1乃至乗算器142−7から供給された軟判定ベースバンド信号を加算して出力する。したがって、加算器143から出力される軟判定ベースバンド信号の値は、時系列に入力された軟判定ベースバンド信号に係数が乗算された値の和となる。
ここで、軟判定ベースバンド信号は、A/D(Analog/Digital)コンバータでサンプリングして得られる信号とは異なり、受信信号にロジックレベル判定など非線形な処理が施されて得られた信号である。したがって、軟判定ベースバンド信号の伝達特性は線形ではなく、通常の波形等化の処理を施すことに妥当性はない。
しかしながら、このような軟判定ベースバンド信号が生成される前の変調信号(受信信号)の状態において、伝達特性の影響を受けて受信信号の変調の度合いが符号間干渉により歪むことがある。このような符号間干渉によって、受信信号のデータ値の切り替わりの部分、つまりビット値が割り当てられ、受信信号の変調の単位となる区間の切り替わりの部分において、受信信号はデータ系列が短くなる。
受信信号の歪みは、軟判定ベースバンド信号の系列にも影響を与え、軟判定ベースバンド信号の値の切り替わり付近においてはデータ、つまり軟判定ベースバンド信号のビット値の確からしさ(期待値)が小さくなる。このように、軟判定ベースバンド信号においても、変調の度合いが小さくなるという符号干渉に似た現象が起こる。
そこで、波形等化器131において、軟判定ベースバンド信号の波形等化を行い、軟判定ベースバンド信号から歪みを除去する。軟判定ベースバンド信号に乗算される係数E0乃至係数E6は、通信機器11からデータ系列である変調信号が送信されてから、その変調信号(受信信号)から軟判定ベースバンド信号が生成されるまでの通信路の伝達特性により定められる。
この伝達特性は、信号のサンプリングなどにおける通常の伝達特性のみならず、ロジック判定を行う非線形処理での特性を支配する信号雑音比などにも支配される。したがって、係数E0乃至係数E6は、変調信号(受信信号)の通信路の通信品質を評価するための統計指標に応じて変更される。すなわち、統計処理部27は、統計指標に応じて係数E0乃至係数E6を決定する。そして、通信機器12は、波形等化器131の係数E0乃至係数E6を、統計処理部27により決定された新たな係数に変更する。これにより、係数E0乃至係数E6としてより適切な係数を用いることができ、軟判定ベースバンド信号の信号品質を向上させることができる。
なお、これらの係数を用いた波形等化の最終的な目標は、通常の波形等化器と同様に、軟判定ベースバンド信号から符号間干渉による歪みを取り除いて、通信機器11から送信される前のデータに近い特性を再現することである。また、軟判定データ生成部25に波形等化器131が設けられない構成とされてもよい。
以下、フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ141と称する。また、以下、乗算器142−1乃至乗算器142−7のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に乗算器142と称する。
このようにして波形等化された軟判定ベースバンド信号は、例えば加算器143から図7のデータ生成部171に供給される。このデータ生成部171は、軟判定データ生成部25に設けられており、軟判定データ生成部25からデータ生成部171には、データクロック、およびデータサンプリングクロックが供給される。
ここで、データクロックは、受信信号の元のデータの周期と同じ周期であり、駆動クロックと同期した周期波とされる。また、受信信号のデータの周期は、キャリアの周期の8倍であるものとする。つまり、データクロックの周期は、駆動クロックの周期の8倍とされる。このようなデータクロックは、軟判定データ生成25において、駆動クロックが8分周されることで生成される。
また、より詳細には、データの周期とは、元のデータを所定の符号化方式で符号化することにより得られた符号系列における、元のデータの値が割り当てられた区間の周期をいう。なお、受信信号のデータの周期は、受信信号のキャリアの周期の8倍である必要はなく、キャリアの周期の整数倍であればよい。
さらに、軟判定データ生成部25は、データクロックを用いて、データクロックと同じ周期で互いに位相の異なる周期波である複数のデータサンプリングクロックを生成し、データ生成部171に供給する。すなわち、軟判定データ生成部25には、サンプリングクロック生成部51と同様の構成のデータサンプリングクロック生成部が設けられており、そのデータサンプリングクロック生成部において、データクロックからデータサンプリングクロックが生成される。
より詳細には、データサンプリングクロックとして、データクロックと同じ位相のデータサンプリングクロックDClk[0]、およびデータクロックに対して、データクロックの8分の1周期乃至8分の7周期だけ位相が遅れたデータサンプリングクロックDClk[1]乃至データサンプリングクロックDClk[7]が生成される。
図7のデータ生成部171は、フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8、フリップフロップ182−1乃至フリップフロップ182−8、乗算器183−1乃至乗算器183−8、および加算器184から構成される。
フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8のそれぞれには、加算器143から軟判定ベースバンド信号が供給されるとともに、軟判定データ生成部25からデータサンプリングクロックDClk[0]乃至データサンプリングクロックDClk[7]のそれぞれが供給される。
フリップフロップ181−i(但し、1≦i≦8)は、供給されたデータサンプリングクロックDClk[i-1](但し、1≦i≦8)が立ち上がるタイミングで軟判定ベースバンド信号を取得して更新する。すなわち、フリップフロップ181−iは、データサンプリングクロックDClk[i-1]に同期して軟判定ベースバンド信号を3ビットの精度でサンプリングする。そして、フリップフロップ181−iは、サンプリングにより得られたデータ(サンプリングデータ)を、データサンプリングクロックDClk[i-1]が次に立ち上がるまで、つまりデータサンプリングクロックの1周期の時間だけ保持する。
このように、フリップフロップ181−iでは、データ(サンプリングデータ)がデータサンプリングクロックの周期と同じ周期で更新される。なお、以下、フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ181と称する。
フリップフロップ182−1乃至フリップフロップ182−8のそれぞれは、フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8のそれぞれが保持しているデータを、データクロック、すなわち受信信号のデータの周期に同期させる。
より具体的には、フリップフロップ182−i(但し、1≦i≦8)は、軟判定データ生成部25から供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ181−i(但し、1≦i≦8)に保持されているデータを取得し、取得したデータをデータクロックの1周期の時間だけ保持する。
これにより、フリップフロップ182−iにおいて、データサンプリングクロックDClk[i-1]に同期していたデータが、データクロックに同期するようになされる。なお、以下、フリップフロップ182−1乃至フリップフロップ182−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ182と称する。このように、周期が同じで互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いることで、軟判定ベースバンド信号をデータクロックの周期よりも短い時間間隔でサンプリングすることができる。
ここで、フリップフロップ181に保持されているデータをデータクロックに同期させるためには、フリップフロップ182がデータを取得する時点で、フリップフロップ181において、そのデータのセトリングがなされている必要がある。
ところが、配線遅延などの理由により、データのセトリング時間が長くなる場合には、フリップフロップ182がデータを取得する時点において、データがセトリングされていないことがある。
そのような場合、軟判定ベースバンド信号生成部92における場合と同様に、フリップフロップ181とフリップフロップ182との間に、適宜、必要な個数のフリップフロップを設けて、データが同期されるタイミングを遅延させることで、各データをデータクロックに同期させることができる。つまり、フリップフロップ181とフリップフロップ182との間に設けられるフリップフロップは、前段のフリップフロップ(例えばフリップフロップ181)におけるデータのセトリング後からデータクロックが次に立ち上がるまでの間の所定のタイミングで、前段のフリップフロップからデータを取得する。
また、フリップフロップ182によりデータクロックの8分の1周期の時間間隔で軟判定ベースバンド信号をサンプリングして得られたデータは、乗算器183−1乃至乗算器183−8に供給される。
乗算器183−1乃至乗算器183−8のそれぞれは、フリップフロップ182−1乃至フリップフロップ182−8のそれぞれからデータを取得し、取得したデータに、保持している係数Q0乃至係数Q7のそれぞれを乗算する。
ここで、データサンプリングクロックDClk[0]乃至データサンプリングクロックDClk[7]のうちの、どのデータサンプリングクロックが受信信号のデータの周期、つまり受信信号の送信側におけるデータクロックの位相に最も近い位相を持つかが分かっていれば、係数Q0乃至係数Q7のそれぞれを適切に定めることができる。
例えば、データサンプリングクロックDClk[0]の位相が、受信信号の送信側のデータクロックの位相に最も近い場合には、係数Q0乃至係数Q7のそれぞれを、1,1,1,1,−1,−1,−1,−1などとすることができる。このように、係数Q0乃至係数Q7が簡単な整数比である場合には、乗算器183−1乃至乗算器183−8による演算は、実質的に加算処理と同じであるので乗算器183−1乃至乗算器183−8を簡単な構成で実現できる。
なお、以下では、データサンプリングクロックDClk[0]の位相が、受信信号の送信側、つまり通信機器11側のデータクロックの位相に最も近く、係数Q0乃至係数Q7のそれぞれが、1,1,1,1,−1,−1,−1,−1であるものとして説明を続ける。
乗算器183−1乃至乗算器183−8のそれぞれは、フリップフロップ182から取得したデータに係数Q0乃至係数Q7のそれぞれを乗算すると、係数が乗算されたデータを加算器184に供給する。なお、以下、乗算器183−1乃至乗算器183−8のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に乗算器183と称する。
加算器184は、乗算器183−1乃至乗算器183−8のそれぞれから供給されたデータを加算して、軟判定データを生成する。この軟判定データは、データクロックの1周期の期間の間に、軟判定ベースバンド信号をサンプリングして得られた8つのデータ(サンプリングデータ)に係数が乗算された値の和である。例えば、係数Q0乃至係数Q7が1,1,1,1,−1,−1,−1,−1である場合、データの周期の前半の半周期に軟判定ベースバンド信号をサンプリングして得られた値の和と、データの周期の後半の半周期に軟判定ベースバンド信号をサンプリングして得られた値の和との差が軟判定データとされる。
また、軟判定データの値は、−48から48までの値とされる。この軟判定データの値の正負の符号は、受信信号の元のデータのビット値を示している。すなわち、軟判定データの値の符号が正である場合は、ビット値“1”を示し、符号が負である場合は、ビット値“0”を示している。さらに、軟判定データの値の絶対値は、元のデータのビット値の確からしさを示している。すなわち、軟判定データの絶対値が大きいほど、ビット値はより確かであると推定される。
したがって、データサンプリングクロックのうち、どのデータサンプリングクロックの位相が受信信号の送信側のデータクロックの位相に最も近いかが分かっていない場合には、データサンプリングクロックごとに、係数Q0乃至係数Q7を定めておき、それらの係数を用いてデータサンプリングクロックごとの軟判定データを生成する。そして、生成されたそれらの軟判定データの値の絶対値を比較することで、どのデータサンプリングクロックの位相が、データクロックの位相に最も近いかを簡単に知ることができる。
例えば、図8に示すように、データサンプリングクロックDClk[0]、データサンプリングクロックDClk[1]、データサンプリングクロックDClk[2]、およびデータサンプリングクロックDClk[3]の位相のそれぞれが、受信信号の送信側のデータクロックの位相に最も近いものとして軟判定データのそれぞれが生成されたとする。
なお、図8では図中、上側から順番に、送信側のデータクロック、受信信号の元のデータ、データサンプリングクロックDClk[0]乃至データサンプリングクロックDClk[3]、およびデータData[0]乃至データData[3]が示されている。ここで、データData[0]乃至データData[3]のそれぞれは、送信側のデータクロックに最も位相の近いデータサンプリングクロックがデータサンプリングクロックClk[0]乃至データサンプリングクロックClk[3]のそれぞれであるとして生成された軟判定データの値を示している。
また、所定の符号化方式で符号化された元のデータは、軟判定ベースバンド信号の値の系列と等価であり、図8において、元のデータを表す曲線に沿って並べられている数値“6”および数値“−6”は、軟判定データ生成部25に波形等化器131が設けられていない場合における軟判定ベースバンド信号の値を示している。より詳細には、この軟判定ベースバンド信号の値は、変調信号の通信路の状態、つまり通信品質により−6から6までの何れかの値となる。
ここで、図8においてデータサンプリングクロックDClk[0]が最初に立ち上がるタイミングから、データサンプリングクロックDClk[0]が次に立ち上がるまでの間に、軟判定ベースバンド信号のサンプリングにより順番に得られる値(ビット値)は−6,−6,6,6,6,6,−6,−6であるので、これらのビット値に、乗算器183における係数1,1,1,1,−1,−1,−1,−1を乗算して加算すると、データData[0]として値“0”(=−6−6+6+6−6−6+6+6)が得られる。
また、データサンプリングクロックDClk[1]が最初に立ち上がるタイミングから、データサンプリングクロックDClk[1]が次に立ち上がるまでの間に、軟判定ベースバンド信号のサンプリングにより順番に得られる値(ビット値)は−6,6,6,6,6,−6,−6,−6であるので、これらのビット値に、乗算器183における係数1,1,1,1,−1,−1,−1,−1を乗算して加算すると、データData[1]として値“24”(=−6+6+6+6−6+6+6+6)が得られる。
同様に、データサンプリングクロックDClk[2]が最初に立ち上がるタイミングから、データサンプリングクロックDClk[2]が次に立ち上がるまでの間に、軟判定ベースバンド信号のサンプリングにより順番に得られる値(ビット値)は6,6,6,6,−6,−6,−6,−6であるので、これらのビット値に、乗算器183における係数1,1,1,1,−1,−1,−1,−1を乗算して加算すると、データData[2]として値“48”(=6+6+6+6+6+6+6+6)が得られる。
また、データサンプリングクロックDClk[3]が最初に立ち上がるタイミングから、データサンプリングクロックDClk[3]が次に立ち上がるまでの間に、軟判定ベースバンド信号のサンプリングにより順番に得られる値(ビット値)は6,6,6,−6,−6,−6,−6,6であるので、これらのビット値に、乗算器183における係数1,1,1,1,−1,−1,−1,−1を乗算して加算すると、データData[3]として値“24”(=6+6+6−6+6+6+6−6)が得られる。
しがって、データData[0]乃至データData[3]のうち、最も絶対値が大きいものは、データData[2]の値“48”であるので、データサンプリングクロックDClk[2]の位相が送信側のデータクロックの位相に最も近いことになる。そして、このデータData[2]が軟判定データとして加算器184から出力される。このように、軟判定ベースバンド信号に乗算される係数Q0乃至係数Q7は、データサンプリングクロックの位相とデータクロックの位相とが近いほど軟判定データの絶対値が大きくなり、それらの位相が遠いほど絶対値が小さくなるようになされている。換言すれば、軟判定データの絶対値が大きいほど、送信側のデータクロックに対するデータサンプリングクロックの遅延が少ないことになる。
また、加算器184から出力された軟判定データは、例えば図9に示す波形等化器211に供給される。図9に示す波形等化器211は、軟判定データ生成部25に設けられており、波形等化器211は、フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7、乗算器222−1乃至乗算器222−7、および加算器223から構成される。
フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7には、データクロックが供給される。フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7は、データクロックが立ち上がるタイミングで6ビットの精度、つまり6ビットのデータを取得して保持するシフトレジスタの機能を実現する。
フリップフロップ221−1は、供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、加算器184から出力された軟判定データを取得する。そして、フリップフロップ221−1は、取得した軟判定データを、データクロックの1周期の時間だけ保持した後、フリップフロップ221−2および乗算器222−1に供給する。
フリップフロップ221−(i+1)(但し、1≦i≦5)は、供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ221−iから出力された軟判定データを取得する。そして、フリップフロップ221−(i+1)は、取得した軟判定データを、データクロックの1周期の時間だけ保持した後、フリップフロップ221−(i+2)および乗算器222−(i+1)に供給する。
また、フリップフロップ221−7は、供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ221−6から出力された軟判定データを取得する。そして、フリップフロップ221−7は、取得した軟判定データを、データクロックの1周期の時間だけ保持した後、乗算器222−7に供給する。
乗算器222−1乃至乗算器222−7のそれぞれは、波形等化フィルタであり、フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7のそれぞれから供給された軟判定データに保持している係数R0乃至係数R6のそれぞれを乗算する。また、乗算器222−1乃至乗算器222−7のそれぞれは、係数の乗算された軟判定データを加算器223に供給する。加算器223は、乗算器222−1乃至乗算器222−7から供給された軟判定データを加算して出力する。したがって、加算器223から出力される軟判定データの値は、時系列に入力された軟判定データに係数が乗算された値の和となる。
ここで、軟判定データに乗算される係数R0乃至係数R6は、通信機器11からデータ系列である変調信号が送信されてから、その変調受信(受信信号)から軟判定データが生成されるまでの通信路の伝達特性により定められる。
この伝達特性は、信号のサンプリングなどにおける通常の伝達特性のみならず、ロジック判定を行う非線形処理での特性を支配する信号雑音比などにも支配される。したがって、係数R0乃至係数R6は、変調信号(受信信号)の通信路の通信品質を評価するための統計指標に応じて変更される。すなわち、統計処理部27は、統計指標に応じて係数R0乃至係数R6を決定する。そして、通信機器12は、波形等化器211の係数R0乃至係数R6を、統計処理部27により決定された新たな係数に変更する。これにより、係数R0乃至係数R6としてより適切な係数を用いることができ、軟判定データの信号品質を向上させることができる。
このように、統計指標に応じて係数R0乃至係数R6を変更することで、軟判定データから符号間干渉による歪みを取り除くことができる。なお、軟判定データ生成部25に波形等化器211が設けられない構成とされてもよいし、軟判定データ生成部25に波形等化器131または波形等化器211の何れか一方だけが設けられるようにしてもよい。
また、以下、フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単にフリップフロップ221と称する。また、以下、乗算器222−1乃至乗算器222−7のそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に乗算器222と称する。
このようにして、波形等化された軟判定データは、硬判定データ生成部26および統計処理部27に供給される。
ところで、軟判定データ生成部25に波形等化器131および波形等化器211が設けられておらず、受信信号が波形等化されない場合、軟判定データは7ビットのデータの系列であり、その値は−48から48までの値をとなる。この場合、受信信号から軟判定データの系列を生成すると、例えば図10に示すように、値が48または−48であるデータの系列が得られる。なお、図10において、縦軸は軟判定データの値を示しており、横軸はデータクロックの周期を単位とした時間を示している。
この軟判定データの値の系列は、ノイズの殆どない通信路、つまり変調信号(受信信号)に殆どノイズが乗らない理想的な通信路を介して受信された受信信号から生成された軟判定データの値の系列を示している。また、受信信号は、元のデータを擬似乱数により生成し、そのデータをマンチェスタ符号化したものを、さらにBPSK変調して得られた信号とされている。
図10の例では、受信信号は、通信路においてノイズの影響を殆ど受けないため、生成された軟判定データの値は、全て48または−48のいずれかとされている。したがって、通信機器12では、受信信号から確実に元のデータを得ることができる。
これに対して、変調信号(受信信号)がノイズの多い通信路、つまり受信信号に多くのノイズが付加される通信路を介して受信された場合、通信機器12において生成された軟判定データの値は、例えば図11に示すように、必ずしも48または−48とはならない。なお、図11において、縦軸は軟判定データの値を示しており、横軸はデータクロックの周期を単位とした時間を示している。
図11の例では、軟判定データの値は、40から−43までの何れかの値となっている。つまり、受信信号が通信路においてノイズの影響を受け、軟判定データの絶対値が時間とともに変化している。
ここで、図11に示す軟判定データの系列の横軸のタイムレンジを拡大すると、例えば、図12に示すように、軟判定データは、その値が25付近を中心として分布するグループと、−25付近を中心として分布するグループとに分けられることが分かる。
なお、図12において、縦軸は軟判定データの値を示しており、横軸はデータクロックの周期を単位とした時間を示している。また、図12は、軟判定データの30000ビット程度の区間、すなわち30000ビット程度の軟判定データの系列がプロットされたものを示す図であり、各軟判定データは点で示されている。
図12では、25付近の値を中心として分布する軟判定データは、元のデータの値が“1”である受信信号から生成された軟判定データであり、−25付近の値を中心として分布する軟判定データは、元のデータの値が“0”である受信信号から生成された軟判定データである。
硬判定データ生成部26が軟判定データから元のデータのビット値を判定する場合、すなわち軟判定データに基づいて元のデータを出力する場合、硬判定データ生成部26は、軟判定データの正負の符号に基づいて、元のデータの値(ビット値)が“1”であるか“0”であるかを判定する。
ここで、例えば25付近の値を中心として分布する軟判定データは、その値が正の値であるものが多いので、それらの軟判定データの殆どについては、元のデータの値が“1”であるとしてもよい。しかしながら、軟判定データの分布の広がりが大きくなると、軟判定データが判定領域を覆うようになる。すなわち、値が0付近の値となる軟判定データの数が多くなる。
0付近の値となる軟判定データは、元のデータの値(ビット値)の確からしさを示す絶対値が小さい軟判定データである。そのような軟判定データについては、元のデータの値の判定に誤りが生じ、受信信号から正しいビット値、つまり元のデータを得ることができなくなる可能性が大きい。
このように、ビット値の確からしさを示す絶対値が小さい軟判定データが多くなると、受信信号からより確実に元のデータを得ることができるように、変調信号(受信信号)の通信路の通信品質に応じて、誤り訂正強度を変更する必要がある。
そこで、軟判定データの分布の中心や広がりを調べることで、軟判定データを用いた元のデータの値の判定の誤り率を推定し、その誤り率に応じて適切な誤り訂正強度を決定することができる。
ここで、図12の軟判定データのプロットをヒストグラム化すると、図13に示す分布が得られる。なお、図13において、縦軸は軟判定データの出現度数を示しており、横軸は軟判定データの値を示している。つまり、図13に示す軟判定データの分布は、横軸の各値となる軟判定データがどの程度出現するかを示している。
図13の例では、軟判定データの値“30“付近を中心とする分布と、値”−30“付近を中心とする分布とが値”0“付近で重なり合っており、これらの分布はほぼ正規分布となっている。また、これらの分布は、値”0“についてほぼ鏡面対称となっており、それぞれの分布の中心の絶対値は、軟判定データの最も大きい値である48よりも10程度小さい値となっている。
ここで、図中、左側の分布は元のデータの値が“0”である軟判定データの分布を示しており、図中、右側の分布は、元のデータの値が“1”である軟判定データの分布を示している。
また、軟判定データの絶対値は、変調信号の通信品質が低下すると小さくなるので、これらの分布の中心の位置は、変調信号(受信信号)の通信路のノイズが大きくなるにつれて、中心付近、つまり値“0”付近に寄ってくる(値“0”に近づいてくる)ことが分かっている。
さらに、これらの軟判定データの分布は、値“0”の部分において重なっている。つまり、これらの分布は、元のデータの値が“1”であるか“0”であるかの判定の閾値となる軟判定データの値“0”をまたぐ分布となっている。
ここで、元のデータの値が“0”である軟判定データの分布、つまり図中、左側の分布のうちの軟判定データの値“0”よりも大きい部分の面積と、元のデータの値が“1”である軟判定データの分布、つまり右側の分布のうちの軟判定データの値“0”よりも小さい部分の面積との和を面積Qとする。このとき、軟判定データの分布の全体の面積に対する面積Qの比率は、受信信号から元のデータをどの程度正しく得られるかを示す誤り率となる。
したがって、受信信号の誤り率は、軟判定データの分布の中心の値と、分布の広がりとによって決まることが分かる。なお、軟判定データの分布の中心の値は、軟判定データの平均値μとみなすことができ、軟判定データの分布の広がりは、軟判定データの分散σ2とみなすことができる。
一般に、受信信号の誤り率を求めるには、受信側、つまり通信機器12において予め元のデータが分かっている必要があり、また、誤り率を高い精度で求めるためには、長い区間のデータ、つまりある程度のデータ量のデータが必要である。
これに対して、軟判定データの平均値μ、および分散σ2は、元のデータが分かっていなくても、短い区間のデータで簡単に求めることができる。したがって、通信機器12の統計処理部27では、受信信号の通信品質の指標として、平均値μ、分散σ2、またはこれらを組み合わせて求められる値を用いる。このように、統計処理部27では、少なくとも平均値μまたは分散σ2の何れかを用いることで、通信品質の指標となる統計指標を簡単かつ迅速に求めることができる。
図14は、統計指標を求める統計処理部27の構成例を示す図である。
統計処理部27は、統計指標を求めるときの軟判定データの数、つまり母集団の数NUMを求めるブロック、軟判定データの絶対値の和である絶対値和AVEを求めるブロック、軟判定データの二乗値の和である二乗値和VARを求めるブロック、および統計指標を求めるブロックからなる。
母集団の数NUMを求めるブロックは、加算器261、論理積演算部262、フリップフロップ263、およびフリップフロップ264から構成され、このブロックはカウンタとして機能する。
統計処理部27は、軟判定データ生成部25から軟判定データが供給されるたびに、加算器261にビット値“1”を供給する。加算器261は、統計処理部27から供給されたビット値と、フリップフロップ263から供給された、一時的な仮の母集団の数NUM-tmpを示す値とを加算し、これにより得られた新たな仮の母集団の数NUM-tmpを示す値を論理積演算部262に供給する。
論理積演算部262には、リセット信号が供給される。論理積演算部262は、リセット信号が供給されなかった場合、加算器261から供給された仮の母集団の数NUM-tmpを示す値を、フリップフロップ263に供給する。また、論理積演算部262は、リセット信号が供給された場合、そのリセット信号を反転して取得するとともに、ビット値“0”を、仮の母集団の数NUM-tmpを示す値としてフリップフロップ263に供給する。すなわち、論理積演算部262は、リセット信号が供給されるタイミングで、仮の母集団の数NUM-tmpを0に戻す。
フリップフロップ263は、統計処理部27から供給されたデータクロックDClkが立ち上がるタイミングで、論理積演算部262から仮の母集団の数NUM-tmpを示す値を取得し、次にデータクロックDClkが立ち上がるまでの間、取得した値を保持する。また、フリップフロップ263は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の母集団の数NUM-tmpを、加算器261およびフリップフロップ264に供給する。すなわち、フリップフロップ263は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の母集団の数NUM-tmpを更新する。
フリップフロップ264は、統計処理部27からリセット信号が供給されると、フリップフロップ263から仮の母集団の数NUM-tmpを示す値を取得し、その取得した値を最終的な母集団の数NUMを示す値として出力する。
また、統計処理部27の絶対値和AVEを求めるブロックは、絶対値算出部265、加算器266、論理積演算部267、フリップフロップ268、およびフリップフロップ269から構成される。
絶対値算出部265は、加算器223から供給された軟判定データの値の絶対値を計算し、その計算結果を示す値を加算器266に供給する。加算器266は、絶対値算出部265から供給された軟判定データの絶対値と、フリップフロップ268から供給された、一時的な仮の絶対値和AVE-tmpとを加算し、これにより得られた新たな仮の絶対値和AVE-tmpを示す値を論理積演算部267に供給する。
論理積演算部267には、リセット信号が供給される。論理積演算部267は、リセット信号が供給されなかった場合、加算器266から供給された仮の絶対値和AVE-tmpを示す値を、フリップフロップ268に供給する。また、論理積演算部267は、リセット信号が供給された場合、そのリセット信号を反転して取得するとともに、ビット値“0”を、仮の絶対値和AVE-tmpを示す値としてフリップフロップ268に供給する。すなわち、論理積演算部267は、リセット信号が供給されるタイミングで、仮の絶対値和AVE-tmpを0に戻す。
フリップフロップ268は、統計処理部27から供給されたデータクロックDClkが立ち上がるタイミングで、論理積演算部267から仮の絶対値和AVE-tmpを示す値を取得し、次にデータクロックDClkが立ち上がるまでの間、取得した値を保持する。また、フリップフロップ268は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の絶対値和AVE-tmpを、加算器266およびフリップフロップ269に供給する。すなわち、フリップフロップ268は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の絶対値和AVE-tmpを更新する。
フリップフロップ269は、統計処理部27からリセット信号が供給されると、フリップフロップ268から仮の絶対値和AVE-tmpを示す値を取得し、その取得した値を最終的な絶対値和AVEを示す値として出力する。
さらに、統計処理部27の二乗値和VARを求めるブロックは、二乗値算出部270、加算器271、論理積演算部272、フリップフロップ273、およびフリップフロップ274から構成される。
二乗値算出部270は、加算器223から供給された軟判定データの値を二乗し、これにより得られた二乗値を加算器271に供給する。加算器271は、二乗値算出部270から供給された軟判定データの二乗値と、フリップフロップ273から供給された、一時的な仮の二乗値和VAR-tmpとを加算し、これにより得られた新たな仮の二乗値和VAR-tmpを示す値を論理積演算部272に供給する。
論理積演算部272には、リセット信号が供給される。論理積演算部272は、リセット信号が供給されなかった場合、加算器271から供給された仮の二乗値和VAR-tmpを示す値を、フリップフロップ273に供給する。また、論理積演算部272は、リセット信号が供給された場合、そのリセット信号を反転して取得するとともに、ビット値“0”を、仮の二乗値和VAR-tmpを示す値としてフリップフロップ273に供給する。すなわち、論理積演算部272は、リセット信号が供給されるタイミングで、仮の二乗値和VAR-tmpを0に戻す。
フリップフロップ273は、統計処理部27から供給されたデータクロックDClkが立ち上がるタイミングで、論理積演算部272から仮の二乗値和VAR-tmpを示す値を取得し、次にデータクロックDClkが立ち上がるまでの間、取得した値を保持する。また、フリップフロップ273は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の二乗値和VAR-tmpを、加算器271およびフリップフロップ274に供給する。すなわち、フリップフロップ273は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、保持している仮の二乗値和VAR-tmpを更新する。
フリップフロップ274は、統計処理部27からリセット信号が供給されると、フリップフロップ273から仮の二乗値和VAR-tmpを示す値を取得し、その取得した値を最終的な二乗値和VARを示す値として出力する。
また、統計処理部27の統計指標を求めるブロックは、統計指標算出部275から構成される。統計指標算出部275は、フリップフロップ264、フリップフロップ269、およびフリップフロップ274から出力された母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARに基づいて統計指標を算出し、算出された統計指標を誤り訂正強度変更部28に供給する。
例えば、統計指標算出部275は、次式(1)を計算することにより、統計指標としてのジッタJTを求める。
Figure 2009065316
なお、式(1)において、NUM、AVE、およびVARのそれぞれは、軟判定データの母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを示している。また、式(1)により求められる統計指標としてのジッタJTは、図13に示した軟判定データの分布の広がりを2つの分布の離れ具合で規格化して得られる値であり、軟判定データの分布の標準偏差に比例する。換言すれば、ジッタJTは、軟判定データの分散σ2を平均値μで規格化した値となる。
ここで、軟判定データの平均値μおよび分散σ2は、それぞれ次式(2)および式(3)により求められる。
Figure 2009065316
Figure 2009065316
このようにして、統計処理部27において、変調信号(受信信号)の通信品質の指標となる統計指標が求められて、統計指標が誤り訂正強度変更部28に供給される。なお、統計処理部27が論理積演算部262乃至フリップフロップ274にリセット信号を供給するタイミングは、仮の母集団の数NUM-tmpが所定の数となったとき、または軟判定データの検波が終了したときなどとすることができる。
例えば、リセット信号が軟判定データの検波の終了のタイミングで供給される場合、統計処理部27は、受信信号の受信が開始されて軟判定データの検波が開始されると、リセット信号のレベルをLow(値を“0”とする)とし、受信信号の受信が終了して軟判定データの検波が終了すると、リセット信号のレベルをHigh(値を“1”とする)とする。そして、例えばフリップフロップ264は、リセット信号のレベルがHighとなったときに、リセット信号が供給されたとして、母集団の数NUMを出力する。
また、仮の母集団の数NUM-tmpが所定の数となったときにリセット信号が供給される場合、例えば図15に示すように、リセット信号が供給されると、仮の母集団の数NUM-tmpのカウントが新たに0から開始される。なお、図15には、データクロックDClk、軟判定データ、リセット信号、仮の母集団の数NUM-tmp、母集団の数NUM、仮の絶対値和AVE-tmp、絶対値和AVE、仮の二乗値和VAR-tmp、および二乗値和VARが示されている。また、図中、横方向は時間を示している。
統計処理部27がフリップフロップ263、フリップフロップ268、およびフリップフロップ273に供給するデータクロックDClkは、その周期が駆動クロックの周期の8倍である周期波とされる。また、図15中、上側のデータクロックDClkを表す曲線における上向きの矢印は、データクロックDClkが立ち上がるタイミングを表している。
軟判定データ生成部25から統計処理部27には、このデータクロックDClkが立ち上がるタイミングで、値が“−45”、“46”、“−44”、“41”、“−46”、および“45”である軟判定データが順番に供給される。また、統計処理部27は、仮の母集団の数NUM-tmpが“99”となったタイミングで、リセット信号を論理積演算部262乃至フリップフロップ274に供給する。
すなわち、リセット信号の値は、仮の母集団の数NUM-tmpが“99”となったときに“1”とされ、データクロックDClkの次の立ち上がり以降は“0”とされる。したがって、仮の母集団の数NUM-tmpは、リセット信号が供給される直前は“99”とされており、リセット信号が供給された後は、その値が一旦“0”とされる。そして、その後、仮の母集団の数NUM-tmpは、データクロックDClkが立ち上がるタイミングで、その値が順番に“1”、“2”、“3”、および“4”となるように更新されていく。
また、母集団の数NUMは、リセット信号が供給されるまでは“0”とされ、リセット信号が供給されてからは、リセット信号が供給されたときの仮の母集団の数NUM-tmpの値“99”に更新される。そして、母集団の数NUMの値は、次にリセット信号が供給されるまで“99”とされる。
仮の絶対値和AVE-tmpは、リセット信号が供給された時点では“4500”とされている。そして、リセット信号が供給された後、値が“−45”、“46”、“−44”、“41”、“−46”、および“45”である軟判定データが順番に供給されるので、仮の絶対値和AVE-tmpは、順次、それらの軟判定データの絶対値の和である“45”、“91”、“135”、“176”、および“222”に更新されていく。
例えば、リセット信号が供給されたタイミングにおいて、軟判定データの値は“−45”であるので、リセット信号が供給された次のタイミング、つまりリセット信号が供給されてから次にデータクロックDClkが立ち上がるタイミングでは、仮の絶対値和AVE-tmpは、直前の軟判定データの値“−45”の絶対値である“45”とされる。そして、次にデータクロックDClkが立ち上がるタイミングでは、これまでの仮の絶対値和AVE-tmpの値“45”と、直前の軟判定データの値“46”の絶対値との和“91”が仮の絶対値和AVE-tmpの値とされる。
また、絶対値和AVEの値は、リセット信号が供給されるまでは“0”とされる。そして、リセット信号が供給されると、それ以降は、リセット信号が供給されたときの仮の絶対値和AVE-tmpの値“4500”が、絶対値和AVEの値とされる。
仮の二乗値和VAR-tmpは、リセット信号が供給された時点では“202500”とされている。そして、リセット信号が供給された後、値が“−45”、“46”、“−44”、“41”、“−46”、および“45”である軟判定データが順番に供給されるので、仮の二乗値和VAR-tmpは、順次、それらの軟判定データの二乗値の和である“2025”、“4141”、“6077”、“7758”、および“9874”に更新されていく。
例えば、リセット信号が供給されたタイミングにおいて、軟判定データの値は“−45”であるので、リセット信号が供給されてから次にデータクロックDClkが立ち上がるタイミングでは、仮の二乗値和VAR-tmpは、直前の軟判定データの値“−45”の二乗値である“2025”とされる。そして、次にデータクロックDClkが立ち上がるタイミングでは、これまでの仮の二乗値和VAR-tmpの値“2025”と、直前の軟判定データの値“46”の二乗値“2116”との和“4141(=2025+2116)”が仮の二乗値和VAR-tmpの値とされる。
また、二乗値和VARの値は、リセット信号が供給されるまでは“0”とされる。そして、リセット信号が供給されると、それ以降は、リセット信号が供給されたときの仮の二乗値和VAR-tmpの値“202500”が、二乗値和VARの値とされる。
なお、母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARは、仮の母集団の数NUM-tmpに限らず、1パケット分の受信信号から得られる軟判定データが処理されるごとに更新されるようにしてもよい。
このように、統計処理部27では、リセット信号が供給されるたびに母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARが更新され、統計指標算出部275において、更新された母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARに基づいて統計指標が算出される。
ところで、統計指標の例であるジッタJTは、例えば図16に示すように、信号雑音比に対して受信信号の誤り率とほぼ同じように変化するため、ジッタJTを求めることで、受信信号の誤り率を見積もることができる。なお、図16において、横軸は通信路の信号雑音比(SNR)を示しており、図中、左側の縦軸は受信信号の誤り率(ビットエラーレート)を示している。また、図中、右側の縦軸はジッタJTを示している。
図16では、曲線311は、各信号雑音比の通信路を介して受信された受信信号の誤り率、すなわちビットエラーレートを示しており、曲線312は、各信号雑音比の通信路を介して受信された受信信号のジッタJTを示している。ここで、受信信号は、元のデータを擬似乱数により生成し、そのデータをマンチェスタ符号化したものを、さらにBPSK変調して得られた信号とされている。
曲線311および曲線312はほぼ直線状となっており、それらの曲線はほぼ同じ傾きとなっている。つまり、誤り率およびジッタJTは、信号雑音比が大きくなるにつれて小さくなる。換言すれば、信号に対する雑音(ノイズ)の量が多くなるほど、誤り率およびジッタJTは大きくなる。
このように、誤り率は、信号雑音比に対してほぼ比例して変化するので、誤り率または信号雑音比の何れか一方を測定することができれば、その測定結果から他方を見積もることができる。
しかしながら、通信機器12が信号雑音比を測定して誤り率を見積もる場合、通信機器12において信号雑音比の測定が行われている間は、通信機器11は通信機器12にデータを送信することができず、信号雑音比の測定のために通信路が無駄に使用されることになる。このように、信号雑音比を測定して誤り率を見積もる場合には、データの送受信時に信号雑音比の測定をリアルタイムで行うことができない。
また、通信機器12が誤り率を直接測定する場合も、通信機器12は通信機器11から既知のデータを受信する必要がある。したがって、誤り率を測定するためのデータが送受信されている間は、通信機器11は通信機器12に本来送信すべきデータを送信することができないので、信号雑音比を測定する場合と同様に、データの送受信時に誤り率の測定をリアルタイムで行うことができない。
さらに、誤り率を測定する場合、充分な精度で誤り率の測定を行うには、測定のためのデータとして長いパタンが必要とされ、測定に時間がかかるため、実際の通信の際に直接誤り率を測定することは現実的ではない。
また、誤り率ではなく、誤り訂正符号による誤り検出の結果を通信品質の指標として用いることもできる。そのような場合、データの送受信時に誤り検出をリアルタイムで行うことができるため、通信容量に対する効率の劣化、つまり通信効率の劣化はほとんどない。しかしながら、誤り検出の結果を通信品質の指標とする場合、受信信号から得られた元のデータに誤りがある場合にのみ通信品質の評価ができることになるため、誤り検出では充分な精度で通信品質を評価することができない。
これに対して、ジッタJTは誤り率と同様に信号雑音比に対してほぼ比例して変化するので、ジッタJTを求めることができれば、そのジッタJTから誤り率および信号雑音比の両方を見積もることができる。
ここで、ジッタJTはランダムな信号に対して求めることが可能な指標である。すなわち、ジッタJTは、受信信号が既知の信号でなくても、軟判定データの値から求めることができ、誤り検出における場合よりも高い精度で通信品質を評価することのできる指標である。また、ジッタJTは、通信のたびにリアルタイムで求めることができるので、例えばデータを1ビット受信するたびにジッタJTを更新することができる。
このようにジッタJTは、データの送受信時にリアルタイムで簡単に求めることができ、かつ精度よく通信品質を評価できる指標であるので、変調信号(受信信号)の通信路の通信品質を評価する指標として適している。
なお、通信品質の指標である統計指標として、ジッタJTに限らず絶対値和AVEを用いて求められる絶対値平均AVE’などを用いるようにしてもよい。ここで、絶対値平均AVE’は次式(4)により求められる。
Figure 2009065316
なお、式(4)において、DMaxは、軟判定データの絶対値のうちの最大値を示しており、例えば軟判定データが−48から48までの何れかの値である場合には、DMaxの値は48とされる。つまり、DMaxは、受信信号にノイズが乗らない場合における軟判定データの絶対値とされる。また、AVEおよびNUMは、絶対値和AVEおよび母集団の数NUMとされる。
式(4)により求められる絶対値平均AVE’は、例えば図17に示すように、信号雑音比に対して受信信号の誤り率とほぼ同じように変化するため、絶対値平均AVE’を求めることで、受信信号の誤り率を見積もることができる。なお、図17において、横軸は通信路の信号雑音比(SNR)を示しており、図中、左側の縦軸は受信信号の誤り率(ビットエラーレート)を示している。また、図中、右側の縦軸は絶対値平均AVE’を示している。
図17では、曲線341は、各信号雑音比の通信路を介して受信された受信信号の誤り率、すなわちビットエラーレートを示しており、曲線342は、各信号雑音比の通信路を介して受信された受信信号の絶対値平均AVE’を示している。ここで、受信信号は、元のデータを擬似乱数により生成し、そのデータをマンチェスタ符号化したものを、さらにBPSK変調して得られた信号とされている。
曲線341および曲線342はほぼ直線状となっており、それらの曲線はほぼ同じ傾きとなっている。つまり、誤り率および絶対値平均AVE’は、信号雑音比が大きくなるにつれて小さくなる。換言すれば、信号に対する雑音(ノイズ)の量が多くなるほど、誤り率および絶対値平均AVE’は大きくなる。
このように、絶対値平均AVE’は、信号雑音比に対して誤り率とほぼ同じように変化するため、絶対値平均AVE’を求めることで、誤り率を見積もることができる。ジッタJTが標準偏差に比例するのに対して、この絶対値平均AVE’自体は、数学的な意味は持たないが、絶対値平均AVE’は、平方根などの複雑な計算を必要とせずに簡単に求まるので、通信機器11の構成を簡単な構成にすることができる。
次に、図18のフローチャートを参照して、通信機器12による通信処理について説明する。この通信処理は、通信機器11が通信機器12にデータを送信すると開始される。
ステップS11において、通信機器12のデータ受信部23は、通信機器11から送信されてきたデータ、より詳細には変調信号を受信する。そして、データ受信部23は、受信した変調信号を受信信号としてロジックレベル判定部24を構成するフリップフロップ101に供給する。
ステップS12において、通信機器12は、軟判定ベースバンド信号生成処理を行い、受信信号から複数ビットの軟判定ベースバンド信号を生成する。そして、ステップS13において、通信機器12は、軟判定データ生成処理を行い、軟判定ベースバンド信号から複数ビットの軟判定データを生成する。生成された軟判定データは、軟判定データ生成部25の加算器223から硬判定データ生成部26および統計処理部27に供給される。なお、軟判定ベースバンド信号生成処理および軟判定データ生成処理の詳細は後述する。
ステップS14において、硬判定データ生成部26は、軟判定データ生成部25から供給された軟判定データの正負の符号に基づいて、硬判定データ、つまり受信信号の元のデータを生成する。例えば、硬判定データ生成部26は、軟判定データの符号が正である場合、元のデータのビット値が“1”であるとし、軟判定データの符号が負である場合、元のデータのビット値が“0”であるとして、元のデータを生成する。通信機器12は、このようにして生成された元のデータに応じて、所定の処理を行う。
ステップS15において、統計処理部27は、軟判定データ生成部25から供給された軟判定データに基づいて統計処理を行い、変調信号の通信品質の指標である統計指標を求める。そして統計処理部27は、求められた統計指標を誤り訂正強度変更部28に供給する。なお、統計処理の詳細は後述する。
ステップS16において、誤り訂正強度変更部28は、統計処理部27から供給された統計指標に基づいて、通信機器11に送信するデータに付加する誤り訂正符号の誤り訂正強度を変更する。例えば、誤り訂正強度変更部28は、統計指標そのものに応じて誤り訂正強度を変更したり、統計指標から誤り率を見積もり、その誤り率に応じて誤り訂正強度を変更したりする。また、誤り訂正強度変更部28は通信機器11に送信するデータを、適宜誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化されたデータをデータ送信部29に供給する。
ステップS17において、データ送信部29は、誤り訂正強度変更部28から供給されたデータを通信機器11に送信し、通信処理は終了する。
このようにして、通信機器12は、受信信号から複数ビットの軟判定ベースバンド信号を生成し、さらに軟判定ベースバンド信号から複数ビットの軟判定データを生成する。そして、通信機器12は軟判定データから元のデータを生成するとともに、軟判定データを用いて統計指標を求めて通信品質を評価する。
このように、複数ビットの軟判定ベースバンド信号を生成し、さらに軟判定ベースバンド信号から複数ビットの軟判定データを生成することで、軟判定ベースバンド信号または軟判定データを波形等化することができる。したがって、受信信号から符号間干渉等による歪みを除去することができ、その結果、データに応じてキャリアを変調することにより得られた受信信号から、より確実に元のデータを得ることができる。
また、軟判定データを用いて統計指標を求めることで、簡単かつリアルタイムで通信品質を評価することができる。これにより、通信路の状態に応じて最適な誤り訂正強度を設定したり、波形等化時の係数を適切に変更したりして信号品質を向上させることができ、通信機器11および通信機器12において、受信信号からより確実に元のデータを得ることができる。
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のステップS12の処理に対応する軟判定ベースバンド信号生成処理について説明する。
ステップS41において、サンプリングクロック生成部51は、駆動クロックを用いて、駆動クロックと周期が同じであり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを生成する。
すなわち、サンプリングクロック生成部51は、供給された駆動クロックをサンプリングクロックClk[0]としてそのまま出力し、インバータ64は、供給された駆動クロックを反転させ、反転された駆動クロックをサンプリングクロックClk[4]として出力する。また、遅延部61は、供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の1周期だけ遅延させてサンプリングクロックClk[1]として出力する。インバータ65は、遅延部61から供給された駆動クロックを反転させてサンプリングクロックClk[5]として出力する。
さらに、遅延部62は供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の2周期だけ遅延させてサンプリングクロックClk[2]として出力し、インバータ66は、遅延部62から供給された駆動クロックを反転させてサンプリングクロックClk[6]として出力する。さらに、また、遅延部63は、供給された駆動クロックを、駆動クロックの8分の3周期だけ遅延させてサンプリングクロックClk[3]として出力し、インバータ67は、遅延部63から供給された駆動クロックを反転させてサンプリングクロックClk[7]として出力する。
これにより、サンプリングクロック生成部51からサンプリング部91に、サンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]が供給される。
ステップS42において、サンプリング部91は、データ受信部23から供給された受信信号を、サンプリングクロック生成部51から供給されたサンプリングクロックでサンプリングし、サンプリングデータを生成する。
すなわち、サンプリング部91のフリップフロップ101−1乃至フリップフロップ101−8は、データ受信部23から供給された受信信号を、サンプリングクロック生成部51から供給されたサンプリングクロックClk[0]乃至サンプリングクロックClk[7]でサンプリングし、これにより得られたサンプリングデータを保持する。
ステップS43において、フリップフロップ102は、フリップフロップ101に保持されているサンプリングデータをサンプリングクロックClk[0]に同期させる。すなわち、フリップフロップ102は、サンプリングクロック生成部51から供給されたサンプリングクロックClk[0]が立ち上がるタイミングで、フリップフロップ101からサンプリングデータを取得して保持する。
ステップS44において、軟判定ベースバンド信号生成部92は、軟判定ベースバンド信号を生成する。すなわち、乗算器103−1乃至乗算器103−8は、フリップフロップ102−1乃至フリップフロップ102−8からサンプリングデータを取得し、取得したサンプリングデータに、保持している係数K0乃至係数K7を乗算する。そして、加算器104は、乗算器103において係数が乗算されたサンプリングデータを加算して、軟判定ベースバンド信号を生成する。つまり、加算器104は、係数K0乃至係数K7のそれぞれが乗算されたサンプリングデータのそれぞれの和を求める。また、加算器104は、生成した軟判定ベースバンド信号を波形等化器131に供給する。
ステップS45において、波形等化器131は、加算器104から供給された軟判定ベースバンド信号を波形等化し、処理は図18のステップS13に進む。
すなわち、フリップフロップ141は、供給された駆動クロックが立ち上がるタイミングで、加算器104または直前に接続されているフリップフロップ141から軟判定ベースバンド信号を取得し、これまで保持していた軟判定ベースバンド信号を乗算器142に供給する。乗算器142−1乃至乗算器142−7は、フリップフロップ141−1乃至フリップフロップ141−7から供給された軟判定ベースバンド信号に係数E0乃至係数E6を乗算して加算器143に供給する。加算器143は、乗算器142から供給された軟判定ベースバンド信号を加算して出力する。これにより、軟判定ベースバンド信号が波形等化されて、軟判定ベースバンド信号から符号間干渉等による歪みが除去される。
このようにして、通信機器12は複数のサンプリングクロックを生成し、生成したサンプリングクロックを用いて受信信号をサンプリングして軟判定ベースバンド信号を生成する。また、通信機器12は軟判定ベースバンド信号に所定の係数を乗算して加算し、軟判定ベースバンド信号を波形等化する。
このように、複数のサンプリングクロックを用いて受信信号を1ビットの精度でサンプリングし、これにより得られた複数のサンプリングデータに係数を乗算して加算することで、2ビット以上の値を有する軟判定ベースバンド信号を生成することができる。そして、この軟判定ベースバンド信号は、波形等化するのに充分なビット数の値の信号であるので、軟判定ベースバンド信号を波形等化することで、軟判定ベースバンド信号から符号間干渉等による歪みを除去することができる。これにより、軟判定ベースバンド信号の信号品質を向上させることができ、受信信号からより確実に元のデータを得ることができる。
次に、図20のフローチャートを参照して、図18のステップS13の処理に対応する処理である軟判定データ生成処理について説明する。
ステップS71において、軟判定データ生成部25はデータサンプリングクロックを生成する。例えば、軟判定データ生成部25は、駆動クロックを8分周することにより、駆動クロックの周期の8倍の周期のデータクロックを生成する。さらに、軟判定データ生成部25は、データクロックを用いて、データクロックと同じ周期で互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックDClk[0]乃至データサンプリングクロックDClk[7]を生成し、データ生成部171に供給する。
ステップS72において、フリップフロップ181は、加算器143から供給された軟判定ベースバンド信号を、軟判定データ生成部25から供給されたデータサンプリングクロックでサンプリングする。
すなわち、フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8は、軟判定ベースバンド信号を、軟判定データ生成部25から供給されたデータサンプリングクロックDClk[0]乃至データサンプリングクロックDClk[7]が立ち上がるタイミングでサンプリングし、その結果得られたデータを保持する。
ステップS73において、フリップフロップ182は、フリップフロップ181に保持されているデータをデータクロックに同期させる。すなわち、フリップフロップ182−1乃至フリップフロップ182−8は、軟判定データ生成部25から供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、フリップフロップ181−1乃至フリップフロップ181−8が保持しているデータを取得して乗算器183−1乃至乗算器183−8に供給する。
ステップS74において、データ生成部171は、軟判定データを生成する。すなわち、乗算器183−1乃至乗算器183−8は、フリップフロップ182から供給されたデータに係数Q0乃至係数Q7を乗算して加算器184に供給し、加算器184は、乗算器183から供給されたデータを加算して軟判定データを生成する。つまり、加算器184は、係数が乗算されたデータの和を求めることで軟判定データを生成する。加算器184は、生成した軟判定データを波形等化器211に供給する。
ステップS75において、波形等化器211は、加算器184から供給された軟判定データを波形等化し、処理は図18のステップS14に進む。すなわち、フリップフロップ221は、供給されたデータクロックが立ち上がるタイミングで、加算器184または直前に接続されているフリップフロップ221から軟判定データを取得し、これまで保持していた軟判定データを乗算器222に供給する。乗算器222−1乃至乗算器222−7は、フリップフロップ221−1乃至フリップフロップ221−7から供給された軟判定データに係数R0乃至係数R6を乗算して加算器223に供給する。加算器223は、乗算器222から供給された軟判定データを加算して出力する。これにより、軟判定データが波形等化されて、軟判定データから符号間干渉等による歪みが除去される。
このようにして、通信機器12は複数のデータサンプリングクロックを生成し、生成したデータサンプリングクロックを用いて軟判定ベースバンド信号をサンプリングして軟判定データを生成する。また、通信機器12は軟判定データに所定の係数を乗算して加算し、軟判定データを波形等化する。
このように、複数のデータサンプリングクロックを用いて軟判定ベースバンド信号を複数ビットの精度でサンプリングし、これにより得られた複数のデータに係数を乗算して加算することで、2ビット以上の値を有する軟判定データを生成することができる。そして、この軟判定データは、波形等化するのに充分なビット数の値の信号であるので、軟判定データを波形等化することで、軟判定データから符号間干渉等による歪みを除去することができる。これにより、軟判定データの信号品質を向上させることができ、受信信号からより確実に元のデータを得ることができる。
次に、図21のフローチャートを参照して、図18のステップS15の処理に対応する処理である統計処理について説明する。
ステップS101において、統計処理部27は、統計指標の算出の対象となる軟判定データの母集団の数NUMを求める。すなわち、加算器261は、フリップフロップ263から供給された仮の母集団の数NUM-tmpに、統計処理部27から供給されたビット値“1”を加算して出力し、論理積演算部262は、加算器261から出力された仮の母集団の数NUM-tmpをフリップフロップ263に供給する。フリップフロップ263は論理積演算部262からの仮の母集団の数NUM-tmpをデータクロックの立ち上がりのタイミングで出力する。フリップフロップ264は、リセット信号が供給されると、フリップフロップ263から出力された仮の母集団の数NUM-tmpを取得して、これを最終的な母集団の数NUMとして統計指標算出部275に供給する。
ステップS102において、統計処理部27は、軟判定データの絶対値和AVEを求める。すなわち、絶対値算出部265は、加算器223から供給された軟判定データの絶対値を計算し、その計算結果を加算器266に供給する。加算器266は、フリップフロップ268から供給された仮の絶対値和AVE-tmpに、絶対値算出部265から供給された計算結果を加算して出力し、論理積演算部267は、加算器266から出力された仮の絶対値和AVE-tmpをフリップフロップ268に供給する。フリップフロップ268は論理積演算部267からの仮の絶対値和AVE-tmpをデータクロックの立ち上がりのタイミングで出力する。フリップフロップ269は、リセット信号が供給されると、フリップフロップ268から出力された仮の絶対値和AVE-tmpを取得して、これを最終的な絶対値和AVEとして統計指標算出部275に供給する。
ステップS103において、統計処理部27は、二乗値和VARを求める。すなわち、二乗値算出部270は、加算器223から供給された軟判定データの二乗値を計算し、その計算結果を加算器271に供給する。加算器271は、フリップフロップ273から供給された仮の二乗値和VAR-tmpに、二乗値算出部270から供給された計算結果を加算して出力し、論理積演算部272は、加算器271から出力された仮の二乗値和VAR-tmpをフリップフロップ273に供給する。フリップフロップ273は論理積演算部272からの仮の二乗値和VAR-tmpをデータクロックの立ち上がりのタイミングで出力する。フリップフロップ274は、リセット信号が供給されると、フリップフロップ273から出力された仮の二乗値和VAR-tmpを取得して、これを最終的な二乗値和VARとして統計指標算出部275に供給する。
ステップS104において、統計指標算出部275は、フリップフロップ264、フリップフロップ269、およびフリップフロップ274からの母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを用いて統計指標を求める。例えば、統計指標算出部275は、式(1)を計算することで統計指標としてジッタJTを求める。そして、統計指標算出部275は、求めた統計指標を誤り訂正強度変更部28に供給し、処理は図18のステップS16に進む。
このようにして、統計処理部27は、軟判定データから母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを求め、さらのそれらの値から統計指標を求める。
このように、軟判定データから母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを求めることで、軟判定データの統計的な分布を知ることができる。また、母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを用いて統計指標を算出することで、リアルタイムで、かつより精度よく通信路の通信品質を評価することができる。これにより、変調信号(受信信号)の通信路に応じた適切な誤り訂正強度を設定することができ、受信信号の信号品質を向上させることができる。
一般に、情報量の多いデータを高速で送信するためには、受信時のデータの誤りが少なくなるようにし、かつなるべく短い時間でデータを送信する必要がある。しかしながら、受信時のデータの誤りを少なくするには、通信時間を長くする方がよいため、短い時間でデータを送信して情報を伝達することと、受信時のデータの誤りを少なくすることとはトレードオフの関係にある。
そこで、通常は、受信時のデータの誤りができるだけ少なくなるように、データから誤りを検出し、検出された誤りを訂正する誤り訂正のための時間を充分に確保して通信が行われる。ところが、信号雑音比などの通信路の状態が時間とともに変化する場合、最悪の条件、つまり通信路の状態が悪く、最も誤りが多いときにおいても、データの誤りを充分に訂正できるようにすると、通信路の状態が最もよいとき、つまり殆ど誤りが生じないときに無駄が生じる。すなわち、データに殆ど誤りがない場合には、誤り訂正を行うために確保されている時間が無駄になり、効率よく通信を行うことができない。
そこで、通信路の状態に応じて、誤り訂正符号の誤り訂正強度を変更する方法が知られている。この方法では、一般に誤り訂正符号を用いて通信路の状態、すなわち通信品質を評価している。しかしながら、誤り訂正符号では、データに誤りがある場合にしか通信品質の評価を行うことができないため、充分な精度で通信品質を評価することができない。
これに対して、通信機器12においては、通信品質の指標として統計指標を求めることで、リアルタイムで簡単に通信品質を評価することができる。したがって、変調信号の通信路に応じた適切な誤り訂正強度を設定することができ、受信信号の信号品質を向上させることができる。
なお、通信機器12において行われる各処理のうちの一部の処理をロジック回路に実行させ、残りの処理を、通信機器12の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)に実行させるようにしてもよい。
そのような場合、例えば通信機器12は図22に示すように構成される。図22に示す通信機器12は、受信ロジック回路371、CPU372、および送信ロジック回路373により構成される。
受信ロジック回路371は、図1のデータ受信部23乃至硬判定データ生成26、および統計処理部27の加算器261乃至フリップフロップ274により行われる処理を行う。つまり受信ロジック回路371は、受信信号としてのデータを受信して、軟判定データを生成する。また、受信ロジック回路371は、生成した軟判定データから元のデータを生成してCPU372に供給するとともに、軟判定データから、母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを求めて、それらの値をCPU372の統計処理部381に供給する。
CPU372は、受信ロジック回路371から供給された各種のデータに応じて、図14の統計指標算出部275および図1の誤り訂正強度変更部28により行われる処理を行う。また、CPU372は、図示せぬ記録部からプログラムを読み込んで実行することで、統計処理部381、送信情報取得部382、および誤り訂正符号化部383を実現する。
統計処理部381は、受信ロジック回路371から供給された母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを用いて、ジッタJTなどの統計指標を求める。そして、統計処理部381は、求めた統計指標に基づいて、通信機器11に送信するデータの誤り訂正強度を新たに設定する。つまり統計処理部381は、統計指標に基づいて、送信するデータに付加する誤り訂正符号(パリティビット)の数を定める。そして、誤り訂正強度が設定されると、統計処理部381は、誤り訂正符号化部383に誤り訂正強度の変更を指示する。
送信情報取得部382は、受信ロジック回路371において生成された元のデータに応じて、通信機器11に送信するデータを図示せぬ記録部から取得して誤り訂正符号化部383に供給する。誤り訂正符号化部383は、統計処理部381から指示された誤り訂正強度で、送信情報取得部382から供給されたデータを誤り訂正符号化し、送信ロジック回路373に供給する。
送信ロジック回路373は、誤り訂正符号化部383から供給されたデータを変調して、通信機器11に送信する。例えば、送信ロジック回路373は、誤り訂正符号化部383から供給されたデータをBPSK変調し、これにより得られた変調信号を通信機器11に送信する。
このように、受信信号から統計指標を求めることで、変調信号の通信路の状態をより精度よく評価することができ、その評価に応じて誤り訂正強度を変更することで、より効率よく通信を行うことができる。
また、以上においては、通信機器12において、統計指標に基づいて誤り訂正強度を変更すると説明したが、統計指標が通信機器11に送信されるようにしてもよい。そのような場合、例えば通信システムは、図23に示すように構成される。なお、図23において、図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図23の例では、通信機器12の統計処理部27は、軟判定データ生成部25から供給された軟判定データに基づいて統計指標を求め、求められた統計指標をデータ送信部29に供給する。データ送信部29は、統計処理部27から供給された統計指標を、通信機器11に送信する。
また、通信機器11のデータ受信部22は、通信機器12から送信されてきた統計指標を受信して誤り訂正強度変更部411に供給する。誤り訂正強度変更部411は、データ受信部22から供給された統計指標に基づいて、通信機器12に送信するデータの誤り訂正強度を変更する。そして、誤り訂正強度変更部411は、通信機器12に送信するデータを、変更した誤り訂正強度で誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化されたデータをデータ送信部21に供給する。データ送信部21は、誤り訂正強度変更部411から供給されたデータを、通信機器12に送信する。
このように、通信機器12において求めた統計指標を通信機器11に送信することで、通信機器11において、受信した統計指標を用いて、データの誤り訂正強度を通信路の状態に応じて変更することができる。図23に示した通信システムにおいては、通信機器11から通信機器12への通信路の通信品質を評価する統計指標に基づいて、通信機器11から通信機器12に送信されるデータの誤り訂正強度が変更される。したがって、この通信システムは、特に通信機器11から通信機器12への通信路の通信特性と、通信機器12から通信機器11への通信路の通信特性とが異なる場合に有効である。
なお、図23に示した通信システムにおいても、通信機器12で行われる処理のうちの一部の処理をロジック回路に実行させ、残りの処理を、通信機器12の全体を制御するCPUに実行させるようにしてもよい。
そのような場合、図23の通信機器12は、例えば、図24に示すように構成される。なお、図24において、図22における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図24に示す通信機器12のCPU372は、統計処理部381および送信情報取得部382から構成される。統計処理部381は、受信ロジック回路371から供給された母集団の数NUM、絶対値和AVE、および二乗値和VARを用いて、ジッタJTなどの統計指標を求めて送信情報取得部382に供給する。
送信情報取得部382は、統計処理部381から統計指標を取得して送信ロジック回路373に供給する。なお、送信情報取得部382が統計指標を誤り訂正符号化するようにしてもよい。送信ロジック回路373は、送信情報取得部382から供給された統計指標を、例えばBPSK変調し、これにより得られた変調信号を通信機器11に送信する。
なお、図24に示した通信機器12は、通信時における通信品質を評価する目的のためにも用いることができ、統計指標を通信機器11だけでなく、通信品質の評価を行う他の装置に送信するようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図25は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU501,ROM(Read Only Memory)502,RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部508、ネットワークインターフェースなどよりなる通信部509、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア511を駆動するドライブ510が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア511に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 サンプリングクロック生成部の構成例を示す図である。 サンプリングクロックについて説明する図である。 サンプリング部および軟判定ベースバンド信号生成部の構成例を示す図である。 軟判定ベースバンド信号について説明する図である。 波形等化器の構成例を示す図である。 データ生成部の構成例を示す図である。 軟判定データについて説明する図である。 波形等化器の構成例を示す図である。 軟判定データについて説明する図である。 軟判定データについて説明する図である。 軟判定データについて説明する図である。 軟判定データの分布を示す図である。 統計処理部の構成例を示す図である。 統計指標の算出の対象となる軟判定データの母集団の数、絶対値和、および二乗値和について説明する図である。 ジッタについて説明する図である。 絶対値平均について説明する図である。 通信処理を説明するフローチャートである。 軟判定ベースバンド信号生成処理を説明するフローチャートである。 軟判定データ生成処理を説明するフローチャートである。 統計処理を説明するフローチャートである。 通信機器の他の構成例を示す図である。 通信機器の他の構成例を示す図である。 通信機器の他の構成例を示す図である。 コンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
11 通信機器, 12 通信機器, 23 データ受信部, 24 ロジックレベル判定部, 25 軟判定データ生成部, 26 硬判定データ生成部, 27 統計処理部, 28 誤り訂正強度変更部, 29 データ送信部, 91 サンプリング部, 92 軟判定ベースバンド信号生成部, 101−1乃至101−8,101 フリップフロップ, 103−1乃至103−8,103 乗算器, 104 加算器, 131 波形等化器, 171 データ生成部, 181−1乃至181−8,181 フリップフロップ, 183−1乃至183−8,183 乗算器, 184 加算器, 211 波形等化器, 261 加算器, 264 フリップフロップ, 265 絶対値算出部, 266 加算器, 269 フリップフロップ, 270 二乗値算出部, 271 加算器, 274 フリップフロップ, 275 統計指標算出部, 371 受信ロジック回路, 372 CPU, 381 統計処理部, 382 送信情報取得部, 383 誤り訂正符号化部, 411 誤り訂正強度変更部

Claims (9)

  1. データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理装置であって、
    前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成する第1のサンプリングデータ生成手段と、
    第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成する軟判定ベースバンド信号生成手段と、
    前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成する第2のサンプリングデータ生成手段と、
    第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する軟判定データ生成手段と
    を備える信号処理装置。
  2. 前記軟判定データの値の正負の符号に基づいて、前記データを生成するデータ生成手段をさらに備える
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 送信されてきた前記信号を受信する受信手段と、
    前記軟判定データを用いて、前記信号の通信路の通信品質を評価するための指標である統計指標を算出する統計指標算出手段と
    をさらに備える請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記統計指標算出手段は、前記統計指標を算出するときの前記軟判定データの数、前記軟判定データの絶対値の和、および前記軟判定データの二乗値の和に基づいて前記統計指標を算出する
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記統計指標算出手段は、前記統計指標を算出するときの前記軟判定データの数、前記軟判定データの絶対値の和、および前記軟判定データの絶対値の最大値に基づいて前記統計指標を算出する
    請求項3に記載の信号処理装置。
  6. 前記軟判定ベースバンド信号を波形等化する波形等化手段をさらに備え、
    前記第2のサンプリングデータ生成手段は、波形等化された前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、前記第2のサンプリングデータを生成する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  7. 前記軟判定データを波形等化する波形等化手段をさらに備える
    請求項1に記載の信号処理装置。
  8. データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理方法であって、
    前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成し、
    第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成し、
    前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成し、
    第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する
    ステップを含む信号処理方法。
  9. データに応じてキャリアを変調して得られる信号から元の前記データを生成する信号処理用のプログラムであって、
    前記キャリアの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のサンプリングクロックを用いて前記信号をサンプリングすることにより、複数の第1のサンプリングデータを生成し、
    第1の係数が乗算された前記第1のサンプリングデータを加算することにより、前記信号の値とその値の確からしさとを示す軟判定ベースバンド信号を生成し、
    前記データの周期と同じ周期であり、互いに位相の異なる複数のデータサンプリングクロックを用いて前記軟判定ベースバンド信号をサンプリングすることにより、複数の第2のサンプリングデータを生成し、
    第2の係数が乗算された前記第2のサンプリングデータを加算することにより、前記データの値とその値の確からしさとを示す軟判定データを生成する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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