JP2009065198A - 積層コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量を確保できることは勿論、広い周波数帯域に用いるのに必要とされる250pH以下の等価直列インダクタンスを実現できる積層コンデンサを得る。
【解決手段】誘電体層と静電容量を形成するための内部電極11,21…とが積層されており、内部電極11,21が実装面2と直交する方向に位置し、該内部電極11,21から引き出された引出電極12,22が外部電極31,32と電気的に接続されている積層コンデンサ。互いに対向する内部電極11,21のそれぞれの引出電極12,22の距離aと、内部電極11,21から実装面2までの距離b,bとの関係が、1.64a+(b+b)≦0.85(但し、a,b,bの単位はmm)を満足している。積層コンデンサは長さが1.0mm、幅が0.5mmのサイズを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層コンデンサ、特に、光通信モジュール等の高周波回路に用いられ、広帯域での通過特性を有する積層コンデンサに関する。
近年、高速通信の拡大に伴って、光ファイバ通信などに代表される高速光通信が急速に進展している。このような高速光通信用の電子部品については、10kHz〜40GHzという広い周波数帯域における通過特性が必要とされている。
光通信で高速伝送を行うデバイスには、電気信号と光信号とを変換するE/Oモジュールと、広帯域で高周波信号を増幅する増幅器が必要である。このようなデバイスを用いた回路に使用されるコンデンサは広帯域でのカップリング能力が要求されている。
従来、この種の高周波回路には、単板のマイクロチップコンデンサが用いられていた。しかし、単板のマイクロチップコンデンサはその構造からインダクタンスを低く設定できるが、静電容量を大きくとることができないという問題点を有していた。しかも、基板上の配線との接続にはワイヤや金属板を必要とするため、結果的にインダクタンスが大きくなっていた。
一方、誘電体層と静電容量を形成するための内部電極とを積層した積層コンデンサが種々提供されており、一般的な積層コンデンサでは大きな静電容量を確保できるが、インダクタンスをあまり低くすることができないという問題点を有している。入出力端子を多端子構造にすることでインダクタンスを低くする対策が考えられているが、基板の配線が複雑になり、基板の配線におけるインダクタンスが大きくなるという新たな問題点が発生している。それゆえ、二端子の単純な構造で、高容量、低インダクタンスの積層コンデンサが要望されている。
ところで、特許文献1には、基板への実装面に外部接続用の電極を設けた積層コンデンサが提案されている。この積層コンデンサの場合、積層体の両端面に外部電極が形成されている従来の一般的な積層コンデンサと比べて、外部電極が実装面に位置することによって、インダクタンスを低減できる効果を奏する。
一方、コンデンサの通過特性は、コンデンサの共振周波数より低い帯域では静電容量が影響し、高い帯域ではインダクタンスが影響する。そして、10kHz〜40GHzの広い周波数帯域に用いるコンデンサにあっては、例えば、静電容量が0.1μFで、インダクタンス(等価直列インダクタンス、以下単にESLと称する)が250pHの特性が必要とされる。
前記特許文献1に記載の積層コンデンサでは、他の一般的な積層コンデンサに比べてESLを低くすることが可能ではあるが、それでもESL250pH以下を実現することはできないのが現状である。
特開平11−288839号公報(図1、図2、図3)
そこで、本発明の目的は、高容量を確保できることは勿論、広い周波数帯域に用いるのに必要とされる250pH以下のESLを実現できる積層コンデンサを提供することにあ
る。
以上の目的を達成するため、本発明は、誘電体層と静電容量を形成するための内部電極とが積層されており、該内部電極が実装面と直交する方向に位置し、該内部電極から引き出された引出電極が積層体の表面に設けた外部電極と電気的に接続されている積層コンデンサにおいて、
積層コンデンサは長さが1.0mm、幅が0.5mmのサイズを有し、
前記内部電極は互いに対向する第1及び第2の内部電極を有し、
前記引出電極は前記実装面に露出するように引き出されており、
前記外部電極は、前記第1の内部電極の引出電極と電気的に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極の引出電極と電気的に接続される第2の外部電極と、を有し、
前記実装面に設けた前記第1の外部電極は一つであり、
前記実装面に設けた前記第2の外部電極は一つであり、
互いに対向する第1及び第2の内部電極のそれぞれの引出電極の距離aと、第1の内部電極から実装面までの距離bと、第2の内部電極から実装面までの距離bとの関係が以下の式を満足すること、
1.64a+(b+b)≦0.85
但し、a,b,bの単位はmm
を特徴とする。
本発明者は、積層コンデンサに関して種々の実験を行って検討した結果、互いに対向する第1及び第2の内部電極の一方の引出電極と他方の引出電極との距離aと、第1及び第2の内部電極から実装面までの距離b,bがインダクタンスに大きな影響を与えていることを見い出した。
即ち、ESLの値を固定して、距離a,b,bの関係を検討した結果、特に、距離aの影響が大きく、かつ、ESLの値に拘わりなく1.64の係数が存在することを見い出した。そこで、前記式を満足することにより、広い周波数帯域でESLが250pH以下の特性を実現することができた。
本発明によれば、誘電体層と静電容量を形成するための内部電極を、該内部電極が実装面と直交する方向に位置するように積層した積層コンデンサにおいて、内部電極及びその引出電極を前記式を満足するように設定したため、高容量であることは勿論、広い周波数帯域に用いるのに必要とされる250pH以下のESLを実現することができる。
以下、本発明に係る積層コンデンサの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態、図1〜図3参照)
本発明の第1実施形態である積層コンデンサは、図1に示すように、長さLが1.0mm、幅Wが0.5mmのサイズを有している。この積層コンデンサは、複数の誘電体層と静電容量を形成するための複数の内部電極11,21…とを積層したもので、内部電極11,21…は必要とされるスペックに応じて所定の枚数が内蔵される。また、この積層コンデンサでは、内部電極11,21…は積層体1の実装面2と直交する方向に位置している。
よく知られているように、誘電体層はセラミックグリーンシートとして形成され、該シート上に所定形状の内部電極11,21…と引出電極12,22を厚膜技術ないし薄膜技術で形成して積層/圧着され、焼成された後、所定の寸法に切り出される。切り出された積層体1の表面には、外部電極31,32が導電ペーストの塗布、焼き付け等によって形成される。
内部電極は互いに対向する一対の間に静電容量を形成し、ここでは一対の内部電極11,21に関して説明するが、他の内部電極に関しても同様である。内部電極11,21は同じ面積で積層体1の同じ位置に設けられており(従って、図1(B)では内部電極11
,21は重なって図示されている)、第1の内部電極11の引出電極12は外部電極31と電気的に接続され、第2の内部電極21の引出電極22は外部電極32と電気的に接続されている。
本発明者らは、前記サイズの積層体1内に、内部電極11,21の容量有効寸法Cを0.3mmとして、引出電極12,22の距離a、内部電極11,21から実装面2までの垂直距離b(但し、b=b+b、b=b)を種々の値に変更したものを作製し、ESLを求めた。なお、高さTは垂直距離b,bに応じて変化する。
その結果を以下の表1に示す。表1からは、ESLが200pH、250pH、300pHになる引出電極間距離aと垂直距離bの組合せを読み取ることができる。
Figure 2009065198
表1の結果を得た実験は、引出電極間距離aを0.05mm間隔で0.10〜0.50mmに設定し、それぞれの距離aにおいて垂直距離bを振り分け、ネットワークアナライザを用いて周波数特性を測定した。表1の垂直距離bは、ESLが200pH、250pH、300pHになったときの値を示している。
図2は、表1の結果をグラフして示したもので、上段の直線はESLが300pH、中段の直線は250pH、下段の直線は200pHに関するそれぞれの数値関係を示している。図2から明らかなように、距離a,bの関係は直線を示し、以下の式(1)で近似で
きる。
1.64a+b=K …(1)
a:引出電極間距離(mm)
b:垂直距離(mm)、b+bであり、かつ、b=b
式(1)において、係数KはESLの数値によって変動し、200pHのときは約0.57であり、250pHのときは約0.85であり、300pHのときは約1.12である。
次に、ESLの値と前記係数Kとの関係を図3のグラフに示す。ESLとKは以下の式(2)で求めることができる。
ESL(pH)=180×K+97 …(2)
以上の考察から、以下の式(3)を満足することにより、ESLが250pH以下の積層コンデンサを得ることができる。静電容量に関しては積層コンデンサの一般的な特性として高容量を確保できることは勿論である。
1.64a+(b+b)≦0.85 …(3)
但し、a,b,bの単位はmm
(変形例、図4参照)
前記第1実施形態においては、引出電極12,22の位置や形状及び外部電極31,32の位置や形状に関して、種々の変形例を採用することができる。図4にこのような変形例のいくつかを示す。なお、図4に付した符号は図1に付した符号と同じ部材、部分を示している。
(第2及び第3実施形態、図5、図6参照)
前記第1実施形態及びその変形例は引出電極の形状が矩形のものを示した。引出電極は矩形以外であってもよく、そのような実施形態を以下に示す。
図5に示す第2実施形態である積層コンデンサ及び図6に示す第3実施形態である積層コンデンサは、それぞれ、引出電極12,22に根元に向かって拡がる三角形状部分12’,22’を付加したものである。これらの積層コンデンサにおいても前記式(3)を満足することにより、ESLが250pH以下の積層コンデンサを得ることができた。なお、図5、図6に付した符号は図1に付した符号と同じ部材、部分を示している。
(他の実施形態)
なお、本発明に係る積層コンデンサは前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できる。
特に、内部電極やその引出電極の形状の細部、外部電極の位置、形状等は任意である。また、積層体内にはコンデンサ以外に他の素子が内蔵されており、複合電子部品を構成していてもよい。
本発明に係る積層コンデンサの第1実施形態を模式的に示し、(A)は斜視図、(B)は正面図。 本発明に係る積層コンデンサにおける引出電極間距離aと垂直距離bとの関係を示すグラフ。 本発明に係る積層コンデンサにおける係数KとESLとの関係を示すグラフ。 前記第1実施形態の種々の変形例を示す正面図。 本発明に係る積層コンデンサの第2実施形態を模式的に示す正面図。 本発明に係る積層コンデンサの第3実施形態を模式的に示す正面図。
符号の説明
1…積層体
2…実装面
11…第1の内部電極
12…引出電極
21…第2の内部電極
22…引出電極
31,32…外部電極

Claims (2)

  1. 誘電体層と静電容量を形成するための内部電極とが積層されており、該内部電極が実装面と直交する方向に位置し、該内部電極から引き出された引出電極が積層体の表面に設けた外部電極と電気的に接続されている積層コンデンサにおいて、
    積層コンデンサは長さが1.0mm、幅が0.5mmのサイズを有し、
    前記内部電極は互いに対向する第1及び第2の内部電極を有し、
    前記引出電極は前記実装面に露出するように引き出されており、
    前記外部電極は、前記第1の内部電極の引出電極と電気的に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極の引出電極と電気的に接続される第2の外部電極と、を有し、
    前記実装面に設けた前記第1の外部電極は一つであり、
    前記実装面に設けた前記第2の外部電極は一つであり、
    互いに対向する第1及び第2の内部電極のそれぞれの引出電極の距離aと、第1の内部電極から実装面までの距離bと、第2の内部電極から実装面までの距離bとの関係が以下の式を満足すること、
    1.64a+(b+b)≦0.85
    但し、a,b,bの単位はmm
    を特徴とする積層コンデンサ。
  2. 前記第1及び第2の外部電極は、前記積層体の前記実装面と対向する上面にも設けられ、
    前記上面に設けた前記第1の外部電極は一つであり、
    前記上面に設けた前記第2の外部電極は一つであること、
    を特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
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