JP2009064672A - 扁平形アルカリ一次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で電池電圧が高く、長時間の使用に耐える信頼性の高い扁平形アルカリ一次電池を提供する。
【解決手段】扁平形のアルカリ一次電池1は、正極缶2の円形の開口部2aに、負極缶3を、ガスケット4を装着した開口部3a側から嵌合させ、該正極缶2の開口部2aを該ガスケット4に向かってかしめて封口することによって、ガスケット4を介して正極缶2と負極缶3の間には、密閉空間が形成されている。密閉空間には、正極合剤5、セパレータ6、負極合剤7が収容され、セパレータ6を挟んで、正極缶2側に正極合剤5、負極缶3側に負極合剤7が収容配置されている。この密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。また、セパレータ6は少なくともコロナ放電処理した耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aからなる。
【選択図】図1
【解決手段】扁平形のアルカリ一次電池1は、正極缶2の円形の開口部2aに、負極缶3を、ガスケット4を装着した開口部3a側から嵌合させ、該正極缶2の開口部2aを該ガスケット4に向かってかしめて封口することによって、ガスケット4を介して正極缶2と負極缶3の間には、密閉空間が形成されている。密閉空間には、正極合剤5、セパレータ6、負極合剤7が収容され、セパレータ6を挟んで、正極缶2側に正極合剤5、負極缶3側に負極合剤7が収容配置されている。この密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。また、セパレータ6は少なくともコロナ放電処理した耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aからなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、扁平形アルカリ一次電池に関する。
電子腕時計、携帯用電子計算機等の小型電子機器に使用されるコイン形或いはボタン形等の扁平形アルカリ一次電池は、正極缶内に二酸化マンガンを正極活物質とする正極合剤が収容されて、負極缶内には、亜鉛又は亜鉛合金粉末を負極活物質とする負極合剤が配置されている。
正極合剤と負極合剤は、セパレータを介して対向しており、電池の内部にはアルカリ電解液が注入されている。正極合剤は、二酸化マンガンに導電剤としてのグラファイト粉末、正極合剤の結着性が低い場合は結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂粉末若しくはエマルジョンを混合した後、ペレット状に打錠して正極とする。
また、扁平形アルカリ一次電池の正極活物質として酸化銀を用いたいわゆる酸化銀電池も、広く一般市場に出回っている。酸化銀は、二酸化マンガンと比較し、体積エネルギー密度が高く、かつ、負極活物質を亜鉛とした電池電圧が、1.56ボルト付近で平坦なため、主に、終止電圧が1.2ボルト以上の電子腕時計、携帯用電子計算機等の小型電子計算機の電源として用いられている。
しかしながら、酸化銀は、性能的に良好であるものの貴金属である銀が主成分であるため高価であり、銀相場により価格が変動し、製造原価の低減や安定を図る上で使用し難い物質であった。そこで、酸化銀に対し体積エネルギー密度が低く放電に伴う電圧降下が大きいものの、質量当たりの価格が200分の1程度と圧倒的に安価な二酸化マンガンを正極活物質としたいわゆるアルカリマンガン電池が酸化銀電池同様、一般市場に数多く出回っている。
このため、二酸化マンガン等の安価な活物質に種々の添加剤を加えることが検討されている(例えば、特許文献1、2、3)。
特開2003−234107号 公報(第2頁〜第3頁、第1図)
特開2004−6092号 公報(第2頁〜第3頁、第1図)
特開2005−19349号 公報(第2頁〜第4頁、第1図)
ところで、二酸化マンガン等の材料を正極活物質として用いた扁平形アルカリ一次電池では、放電に伴い電圧が大幅に降下する問題点を有していた。電子腕時計など終止電圧が酸化銀電池の電池電圧に合わせて高めに設定されている機器においては、二酸化マンガンの放電に伴う電圧降下から、機器の使用時間が極端に短くなってしまうという課題があった。電圧降下の防止について、種々の検討が行われているが、十分なものではなかった。
その解決策として、正極活物質のオキシ水酸化ニッケルを用いる電池が考案されている。この電池の場合、セパレータの材質として、従来からアルカリ電池に用いられてきたビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、および、マーセル化パルプのよいなセルロース系セパレータを用いるとセルロースが正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルにより分解し、内部ショートが発生するという問題があった。また、その内部ショート対策として、セパレータ構成を微多孔膜と不織布の材質を耐アルカリ性に優れるポリオレフィンする
ことが考案されるが、ポリオレフィン系不織布は、セルロース系不織布と比較すると電解液保液性が劣り、閉路電圧特性が著しく低下するこという問題があった。
ことが考案されるが、ポリオレフィン系不織布は、セルロース系不織布と比較すると電解液保液性が劣り、閉路電圧特性が著しく低下するこという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は安価で電池電圧が高く、長時間の使用に耐える信頼性の高い扁平形アルカリ一次電池を提供するにある。
請求項1の発明は、正極缶の開口部に負極缶の開口部を嵌合し、正極缶と負極缶とをガスケットを介して密封して形成された密封空間に、不織布と微多孔膜からなるセパレータを配置するとともに、前記セパレータを挟んで、正極側にはオキシ水酸化ニッケルを主成分とした正極合剤を配置し、負極側には亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末を主成分とした負極合剤を配置し、さらに、その密封空間にアルカリ電解液を充填した扁平形アルカリ一次電池であって、前記セパレータの不織布として、親液性に表面改質したポリオレフィン系不織布を用いる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の扁平形アルカリ一次電池であって、前記セパレータの不織布として、少なくともコロナ放電処理して親液性に表面改質したポリオレフィン系不織布を用いる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の厚さが、50μm以上、150μm以下である。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の秤量が、30g/m2以上、70g/m2以下である。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の秤量が、30g/m2以上、70g/m2以下である。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の通気度が、1cc/cm2/s以上、20cc/cm2/s以下である。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の引張強度が、100N/50mm以上、200N/50mm以下である。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、前記不織布の保液率が、150%以上、300%以下である。
請求項1の発明によれば、セパレータの不織布を、耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系とすることにより、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができる。しかも、そのポリオレフィン系不織布を親液性に表面改質したことにより、不織布の電解液保液性を高めることができる。
その結果、正極活物質に高価である酸化銀を使用することなく電子腕時計など終止電圧が酸化銀一次電池の電池電圧にあわせて高く設定されている機器に適した良好な扁平形アルカリ一次電池を得ることができる。しかも、酸化銀一次電池のように高価な材料を使用しないため、安価に製造できる。
請求項2の発明によれば、亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末を負極活物質とし、オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とする扁平形アルカリ一次電池において、セパレータ構成を微多孔
膜と不織布の材質をセルロース系に対し圧倒的に耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系とすることにより、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができる。また、そのポリオレフィン系不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の電解液保液性を高めることができる。
膜と不織布の材質をセルロース系に対し圧倒的に耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系とすることにより、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができる。また、そのポリオレフィン系不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の電解液保液性を高めることができる。
その結果、正極活物質に高価である酸化銀を使用することなく電子腕時計など終止電圧が酸化銀一次電池の電池電圧にあわせて高く設定されている機器に適した良好な扁平形アルカリ一次電池を得ることができる。しかも、酸化銀一次電池のように高価な材料を使用しないため、安価に製造できる。
請求項3の発明によれば、不織布の厚さを、50μm以上にしたので、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができる。また、不織布の厚さを、150μm以下にしたので、不織布の厚さ分、電池内部に充電すべき活物質量を確保できるため、放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
請求項4の発明によれば、不織布の秤量を、30g/m2以上にしたので、これもセパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができる。また、不織布の秤量を、70g/m2以下にしたので、電池組立直後の不織布の電解液吸収による膨潤で、電池総高が規格を上回ってしまう不具合を防止することができる。
請求項5の発明によれば、不織布の通気度を、1cc/cm2/s以上にしたので、電池の内部抵抗の上昇を抑制し、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができる。また、不織布の通気度を、20cc/cm2/s以下としたので、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができる。
請求項6の発明によれば、不織布の引張強度を、100N/50mm以上にしたので、ハンドリング上に必要な強度を確保できるため、電池組立時のセパレータの裂けなど強度不足が起因で発生する不具合を防止することができる。また、不織布の引張強度を、100N/50mm以上、200N/50mm以下としたのは、これ以上引張強度を上げるには、保液率がトレードオフの関係にあるためである。
請求項7の発明によれば、不織布の保液率を、150%以上にしたので、正負極間の反応に必要な電解液を効果的に不織布内に確保できるため、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができる。また、不織布の保液率を、300%以下にしたのは、コロナ放電処理をしても前述した材質、厚さ、秤量、通気度、および、引張強度で、保液率が300%を超えるように製造することは現在の技術では困難なことによる。
以下、本発明を具体化した実施形態を、図1に従って説明する。
図1は、ボタン形(扁平形)のアルカリ一次電池の概略断面図を示す。図1において、アルカリ一次電池1は、ボタン形の一次電池であって、有底円筒上の正極缶2及び有蓋円筒状の負極缶3を有している。正極缶2は。鋼板にニッケルメッキを施した構成であって、正極端子を兼ねている。一方、負極缶3は、ニッケルよりなる外表面層と、ステンレススチール(SUS)よりなる金属層と、銅よりなる集電体層との3層クラッド材がカップ状にプレス加工されて構成されている。また、負極缶3は、その円形の開口部3aが折り返し形成され、その折り返し形成された開口部3aには、例えば、ナイロン製のリング状
のガスケット4が装着されている。
図1は、ボタン形(扁平形)のアルカリ一次電池の概略断面図を示す。図1において、アルカリ一次電池1は、ボタン形の一次電池であって、有底円筒上の正極缶2及び有蓋円筒状の負極缶3を有している。正極缶2は。鋼板にニッケルメッキを施した構成であって、正極端子を兼ねている。一方、負極缶3は、ニッケルよりなる外表面層と、ステンレススチール(SUS)よりなる金属層と、銅よりなる集電体層との3層クラッド材がカップ状にプレス加工されて構成されている。また、負極缶3は、その円形の開口部3aが折り返し形成され、その折り返し形成された開口部3aには、例えば、ナイロン製のリング状
のガスケット4が装着されている。
そして、正極缶2の円形の開口部2aに、負極缶3を、ガスケット4を装着した開口部3a側から嵌合させ、該正極缶2の開口部2aを該ガスケット4に向かってかしめて封口することによって、正極缶2と負極缶3は、互いに連結固定されている。正極缶2と負極缶3を連結固定することによって、ガスケット4を介して正極缶2と負極缶3との間には、密閉空間が形成される。
この密閉空間には、正極合剤5、セパレータ6、負極合剤7が収容され、セパレータ6を挟んで正極缶2に正極合剤5、負極缶3側に負極合剤7が収容配置されている。この密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。
詳述すると、セパレータ6は、少なくともコロナ放電処理したポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aを用いることが好ましい。これは、セパレータ構成を微多孔膜と不織布の材質をセルロース系に対し圧倒的に耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系とすることにより、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができるためである。
また、そのポリオレフィン系不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の電解液保液性を高めることができ、電解液不足による閉路電圧特性の劣化防止することができるためである。
次に、不織布6bに厚さは、50μm以上、150μm以下とすることが好ましい。
これは、50μm以上にすることにより、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。また、不織布の厚さを、150μm以下とすることにより、不織布の厚さ分、電池内部に充電すべき活物質量を確保できるため、放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、50μm以上にすることにより、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。また、不織布の厚さを、150μm以下とすることにより、不織布の厚さ分、電池内部に充電すべき活物質量を確保できるため、放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
次に、不織布6bの秤量は、30g/m2以上、70g/m2以下とすることが好ましい。
これは、不織布6bの秤量を、30g/m2以上にすることにより、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。また、不織布6bの秤量は、70g/m2以下にすることが好ましい。これは、電池組立直後の不織布6bの電解液吸収による膨潤で、電池総高が規格を上回ってしまう不具合を防止することができるためである。
これは、不織布6bの秤量を、30g/m2以上にすることにより、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。また、不織布6bの秤量は、70g/m2以下にすることが好ましい。これは、電池組立直後の不織布6bの電解液吸収による膨潤で、電池総高が規格を上回ってしまう不具合を防止することができるためである。
次に、不織布6bの通気度は、1cc/cm2/s以上、20cc/cm2/s以下とすることが好ましい。
これは、不織布6bの通気度を、1cc/cm2/s以上とすることにより、電池の内部抵抗の上昇を抑制し、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができるためである。また、不織布6bの通気度を、20cc/cm2/s以下とすることが好ましい。これは、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。
これは、不織布6bの通気度を、1cc/cm2/s以上とすることにより、電池の内部抵抗の上昇を抑制し、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができるためである。また、不織布6bの通気度を、20cc/cm2/s以下とすることが好ましい。これは、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためである。
次に、不織布6bの引張強度は、100N/50mm以上、200N/50mm以下とすることが好ましい。
これは、不織布6bの引張強度を、100N/50mm以上にすることにより、ハンドリング上に必要な強度を確保できるため、電池組立時のセパレータ6の裂けなど強度不足が起因で発生する不具合を防止することができることによる。また、不織布6bの引張強度を、200N/50mm以下としたのは、これ以上引張強度を上げるには、保液率がトレードオフの関係にあるためである。
これは、不織布6bの引張強度を、100N/50mm以上にすることにより、ハンドリング上に必要な強度を確保できるため、電池組立時のセパレータ6の裂けなど強度不足が起因で発生する不具合を防止することができることによる。また、不織布6bの引張強度を、200N/50mm以下としたのは、これ以上引張強度を上げるには、保液率がトレードオフの関係にあるためである。
最後に、不織布6bの保液率は、150%以上、300%以下とすることが好ましい。
これは、不織布6bの保液率を150%以上とすることにより、正負極間の反応に必要な電解液を効果的に不織布内に確保できるため、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができるためである。また、不織布6bの保液率を300%以下にしたのは、コロナ放電処理をしても前述した材質、厚さ、秤量、通気度、および、引張強度で、保液率が300%を超えるように製造することは現在の技術では困難なことによる。
これは、不織布6bの保液率を150%以上とすることにより、正負極間の反応に必要な電解液を効果的に不織布内に確保できるため、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができるためである。また、不織布6bの保液率を300%以下にしたのは、コロナ放電処理をしても前述した材質、厚さ、秤量、通気度、および、引張強度で、保液率が300%を超えるように製造することは現在の技術では困難なことによる。
このように構成した扁平形アルカリ一次電池1は、セパレータ6の構成として、少なくともコロナ放電処理したポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aを用いることにより、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができる。また、そのポリオレフィン系不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の電解液保液性を高めることができ、電解液不足による閉路電圧特性の劣化防止することができる。
その結果、電子腕時計など終止電圧が扁平形の酸化銀一次電池の電池電圧に合わせて高めに設定されている機器において、このアルカリ一次電池1は、閉路電圧特性に優れ、かつ、長時間の使用に耐えることができる。
ちなみに、セパレータ6の各種条件を変更した実施例を行い検証した。
(実施例1)
図1で示す電池構造で、負極缶3は、ニッケル外表面層と、ステンレススチール(SUS)による金属層と、銅による集電体層の3層による厚さ0.18mmクラッド材をプレス加工によって成型した。正極合剤5は、導電剤としてグラファイト4mass%、オキシ水酸化ニッケル93.8mss%、結着剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2mass%、電解液として濃度30%の水酸化カリウム水溶液2mass%をブレンダーで混合した後、打錠機にてペレット状に成型した。
(実施例1)
図1で示す電池構造で、負極缶3は、ニッケル外表面層と、ステンレススチール(SUS)による金属層と、銅による集電体層の3層による厚さ0.18mmクラッド材をプレス加工によって成型した。正極合剤5は、導電剤としてグラファイト4mass%、オキシ水酸化ニッケル93.8mss%、結着剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2mass%、電解液として濃度30%の水酸化カリウム水溶液2mass%をブレンダーで混合した後、打錠機にてペレット状に成型した。
次に、正極合剤5を正極缶2内に挿入し、水酸化カリウムを含むアルカリ電解液を注入して正極合剤5にアルカリ電解液を吸収させる。この正極合剤5上に、微多孔膜6aと不織布6bの二層構造の円形状に打ち抜いたセパレータ6を装填充填する。
なお、実施例1で使用した不織布6bは、厚さが100μm、秤量が50g/m2、通気度が6cc/cm2/s、引張強度が120N/50mm、保液率が200%であってコロナ放電処理したポリオレフィン系不織布、微多孔膜6aの材質はポリエチレン製である。この装填したセパレータ6に、水酸化ナトリウムを含むアルカリ電解液を滴下し含浸させる。このセパレータ6上に、亜鉛合金粉末、酸化亜鉛、増粘剤、水酸化ナトリウム水溶液、及び、水からなるジェル状の負極合剤7を載置する。
そして、負極缶3と正極缶2とをかしめることで密封されて扁平形アルカリ一次電池1を作製した。このとき、正極缶2と負極缶3の間には、ガスケット4が挟持され密封性を高めている。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから5
0μmにした。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから150μmにした。
(実施例4)
実施例4は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から30g/m2にした。
(実施例5)
実施例5は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から70g/m2にした。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから1cc/cm2/sにした。
(実施例7)
実施例7は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから20cc/cm2/sにした。
(実施例8)
実施例8は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから100N/50mmにした。
(実施例9)
実施例9は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから200N/50mmにした。
(実施例10)
実施例10は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から150%にした。
(実施例11)
実施例11は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から300%にした。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布をコロナ放電未実施とした。(比較例2)
比較例2は、実施例1と同様な構成にするものの、セパレータの構成をコロナ放電を実施した不織布のみとした。
(比較例3)
比較例3は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから40μmにした。
(比較例4)
比較例4は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから170μmにした。
(比較例5)
比較例5は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から25g/m2にした。
(比較例6)
比較例6は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から75g/m2にした。
(比較例7)
比較例7は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから0.5cc/cm2/sにした。
(比較例8)
比較例8は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2
/sから25cc/cm2/sにした。
(比較例9)
比較例9は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから50N/50mmにした。
(比較例10)
比較例10は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから250N/50mmにした。
(比較例11)
比較例11は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から130%にした。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから5
0μmにした。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから150μmにした。
(実施例4)
実施例4は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から30g/m2にした。
(実施例5)
実施例5は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から70g/m2にした。
(実施例6)
実施例6は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから1cc/cm2/sにした。
(実施例7)
実施例7は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから20cc/cm2/sにした。
(実施例8)
実施例8は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから100N/50mmにした。
(実施例9)
実施例9は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから200N/50mmにした。
(実施例10)
実施例10は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から150%にした。
(実施例11)
実施例11は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から300%にした。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布をコロナ放電未実施とした。(比較例2)
比較例2は、実施例1と同様な構成にするものの、セパレータの構成をコロナ放電を実施した不織布のみとした。
(比較例3)
比較例3は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから40μmにした。
(比較例4)
比較例4は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の厚さを、100μmから170μmにした。
(比較例5)
比較例5は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から25g/m2にした。
(比較例6)
比較例6は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の秤量を、50g/m2から75g/m2にした。
(比較例7)
比較例7は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2/sから0.5cc/cm2/sにした。
(比較例8)
比較例8は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の通気度を、6cc/cm2
/sから25cc/cm2/sにした。
(比較例9)
比較例9は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから50N/50mmにした。
(比較例10)
比較例10は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の引張強度を、120N/50mmから250N/50mmにした。
(比較例11)
比較例11は、実施例1と同様な構成にするものの、不織布の保液率を、200%から130%にした。
そして、上記した実施例1〜11、比較例1〜11のアルカリ電池を、それぞれ110個作製し、以下の検証を行った。
具体的には、これら100個ずつの電池を30kΩで定抵抗放電させ、1.2Vの終止電圧とした時の放電容量〔mAh〕を表1に示す。
具体的には、これら100個ずつの電池を30kΩで定抵抗放電させ、1.2Vの終止電圧とした時の放電容量〔mAh〕を表1に示す。
また、これら10個ずつの電池を−10℃の環境下、DoD80%(放電深度80%)、負荷抵抗2kΩで7.8m秒後の閉路電圧(放電特性)〔V〕を表1に示す。最後に、前述した放電試験を行った電池の内部ショートの有無、放電容量試験を行う前の電池総高、および、電池作製時のセパレータ裂け等の強度結果を表1に示す。
構成として、コロナ放電処理したポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aを用いることにより、負極活物質である亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止し、信頼性及び閉路電圧特性の優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、セパレータ構成を微多孔膜と不織布の材質をセルロース系に対し圧倒的に耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系とすることで、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、セパレータとして必要な正負極間のバリアー性が確保できるためである。また、そのポリオレフィン系不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の電解液保液性を高めることができ、電解液不足による閉路電圧特性の劣化防止することができるためである。
(2)次に、この表1より、実施例2,3と比較例3,4を比較するに、不織布6bに厚さを、50μm〜150μmとすることで、所定の電池総高内で放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、50μm以上にすることで、内部ショートの発生を防止し、また、不織布の厚さを、150μm以下とすることで、不織布の厚さ分、電池内部に充電すべき活物質量を確保できるためである。
(3)次に、この表1より、実施例4,5と比較例5,6を比較するに、不織布6bの秤量を、30g/m2〜70g/m2とすることで、所定の電池総高内で放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これも、不織布6bの秤量を、30g/m2以上にすることで、内部ショートの発生を防止し、また、不織布6bの秤量は、70g/m2以下にすることで、電池組立直後の不織布6bの電解液吸収による膨潤を抑制できるためと考えられる。
(4)次に、この表1より、実施例6,7と比較例7,8を比較するに、不織布6bの通気度を、1cc/cm2/s〜20cc/cm2/sとすることで、閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、不織布6bの通気度を、1cc/cm2/s以上とすることで、電池の内部抵抗の上昇を抑制し、また、不織布6bの通気度を、20cc/cm2/s以下とすることで、セパレータとしてのバリアー性を確保し、負極活物質である亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末と正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルの内部ショートの発生を防止することができるためと考えられる。
(5)次に、この表1より、実施例8,9と比較例9,10を比較するに、不織布6bの引張強度を、100N/50mm〜200N/50mmとすることで、生産性および閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、不織布6bの引張強度を、100N/50mm以上にすることで、ハンドリング上必要な強度を確保できるためである。また、不織布6bの引張強度を、200N/50mm以下とすることで、引張強度が高くなることによる保液率の低下を防止することができるためである。
(6)最後に、この表1より、実施例10,11と比較例11を比較するに、不織布6bの保液率を、150%〜300%とすることで、所定の電池総高内で閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
これは、不織布6bの保液率を150%以上とすることで、正負極間の反応に必要な電解液を効果的に不織布内に確保できるため、電池として必要な閉路電圧特性を確保することができるためである。また、不織布6bの保液率を300%以下にしたのは、コロナ放電処理をしても前述した材質、厚さ、秤量、通気度、および、引張強度で、保液率が300%を超えるように製造することは現在の技術では困難なことによる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、扁平形アルカリ一次電池1は、負極活物質として亜鉛又は亜鉛合金粉末を使用し、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを使用し、それらのセパレータ6の構成として、少なくともコロナ放電処理した耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aを用いることで、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができるためである。
(1)本実施形態によれば、扁平形アルカリ一次電池1は、負極活物質として亜鉛又は亜鉛合金粉末を使用し、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを使用し、それらのセパレータ6の構成として、少なくともコロナ放電処理した耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系不織布6bと微多孔膜6aを用いることで、オキシ水酸化ニッケル共存下例え高温環境に電池を放置してもアルカリ電解液に分解せず、電子腕時計などの機器の使用において、長時間の使用に耐え信頼性を高めることができるためである。
しかも、本実施形態のアルカリ一次電池1は、酸化銀一次電池のように高価な材料(銀)を使用しないため、貴金属市場に左右されず安価に製造できる。
(2)本実施形態によれば、扁平形アルカリ一次電池1は、不織布6bに厚さを、50μm以上、150μm以下にしたので、所定の電池総高内で放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
(2)本実施形態によれば、扁平形アルカリ一次電池1は、不織布6bに厚さを、50μm以上、150μm以下にしたので、所定の電池総高内で放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
(3)本実施形態よれば、不織布6bの秤量を、30g/m2以上、70g/m2以下にしたので、所定の電池総高内で放電容量に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
(4)本実施形態よれば、不織布6bの通気度を、1cc/cm2/s以上、20cc/cm2/s以下にしたので、内部ショートの発生を防止し、閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
(5)本実施形態よれば、不織布6bの引張強度を、100N/50mm以上、200N/50mm以下にしたので、生産性および閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
(6)本実施形態よれば、不織布6bの保液率を、150%以上、300%以下にしたので、所定の電池総高内で閉路電圧特性に優れる扁平形アルカリ一次電池を提供できる。
尚、上記実施形態は、不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の表面改質を行い不織布の電解液保液性(親液性)を高めるようにした。この表面改質は、コロナ放電に限らず、UV(紫外線)を照射して、不織布を表面改質して親液性を高めるようにしてもよい。また、界面活性剤を用いて不織布を表面改質して親液性を高めるようにしてもよい。
尚、上記実施形態は、不織布にコロナ放電処理を施すことにより、不織布の表面改質を行い不織布の電解液保液性(親液性)を高めるようにした。この表面改質は、コロナ放電に限らず、UV(紫外線)を照射して、不織布を表面改質して親液性を高めるようにしてもよい。また、界面活性剤を用いて不織布を表面改質して親液性を高めるようにしてもよい。
1…扁平形アルカリ一次電池、2…正極缶、2a…開口部、3…負極缶、3a…開口部、4…ガスケット、5…正極合剤、6…セパレータ、6a…微多孔膜、6b…不織布、7…負極合剤。
Claims (7)
- 正極缶の開口部に負極缶の開口部を嵌合し、正極缶と負極缶とをガスケットを介して密封して形成された密封空間に、不織布と微多孔膜からなるセパレータを配置するとともに、前記セパレータを挟んで、正極側にはオキシ水酸化ニッケルを主成分とした正極合剤を配置し、負極側には亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末を主成分とした負極合剤を配置し、さらに、その密封空間にアルカリ電解液を充填した扁平形アルカリ一次電池であって、
前記セパレータの不織布として、親液性に表面改質したポリオレフィン系不織布を用いることを特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1に記載の扁平形アルカリ一次電池であって、
前記セパレータの不織布として、少なくともコロナ放電処理して親液性に表面改質したポリオレフィン系不織布を用いることを特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1又は2に記載の扁平形アルカリ一次電池において、
前記不織布の厚さが、50μm以上、150μm以下であることを特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、
前記不織布の秤量が、30g/m2以上、70g/m2以下であることを特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、
前記不織布の通気度が、1cc/cm2/s以上、20cc/cm2/s以下であることを特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、
前記不織布の引張強度が、100N/50mm以上、200N/50mm以下であることを特徴とする特徴とする扁平形アルカリ一次電池。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の扁平形アルカリ一次電池において、
前記不織布の保液率が、150%以上、300%以下であることを特徴とする特徴とする扁平形アルカリ一次電池。
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- 2007-09-06 JP JP2007231681A patent/JP2009064672A/ja not_active Withdrawn
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