JP2009062213A - クロロシラン類の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類から上記不純物の同時除去を可能としてクロロシラン類の高純度化を図ること。
【解決手段】硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類を、芳香族アルデヒドの存在下で酸素(O)を導入して処理して上記不純物を同時に高沸点化合物に転化させ、当該処理後のクロロシラン類を蒸留等して硼素及び燐の高沸点化合物とクロロシラン類とを分離することとした。上記処理で生成する高沸点化合物は、生成後に受ける熱によって低沸点化合物に分解することがないため、蒸留等の処理によって容易にクロロシラン類と分離することが可能である。このため、単一のプロセスによる硼素不純物と燐不純物の除去が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロロシラン類の精製方法に関する。より詳細には、硼素不純物と燐不純物を含有するクロロシラン類からこれらの不純物を除去して高純度のクロロシラン類を得るための方法に関する。
一般的に、半導体などの製造原料となる多結晶シリコンには高い純度が求められる。そのため、多結晶シリコンを製造するための原料とされるクロロシラン類は、極めて高純度であることが要求される。例えば、クロロシラン類に硼素や燐が不純物として含有されている場合、その量がたとえ微量であっても、多結晶シリコンの電気的特性(抵抗率)に著しい影響を与える結果となる。このため、クロロシラン類に含有されている硼素不純物や燐不純物を効率的に除去する技術を提供することは、実用的に大きな意義をもつこととなる。
一般に、クロロシラン類は、不純物を比較的多量に含む冶金級シリコン(いわゆる金属グレードシリコンであり、以下では、「金属シリコン」と呼ぶ)から、公知の方法によって得られた粗クロロシラン類を、さらに蒸留などにより高純度に精製することによって得られる。しかし、一般的に、金属シリコン中には元素換算で硼素及び燐が数百ppb〜数百ppmのオーダで含まれているため、粗クロロシラン類の精製過程でこれらの不純物が充分には除去されず、最終的に得られたクロロシラン類中に硼素及び燐が不純物として残留してしまい、この残留不純物が問題となる場合がある。
一般に、粗クロロシラン類を得るためには、触媒の存在下で金属シリコンと塩化水素とを接触させて塩素化を行い、その生成物を蒸留する方法が良く知られている(例えば、特開平2005−67979号公報(特許文献1)参照)。粗クロロシラン類とはこの蒸留における留分であり、一般的には、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランより選ばれる一種または二種以上のクロロシランの混合物である。
金属シリコンに含まれている硼素不純物及び燐不純物は、粗クロロシラン類を製造する際に同時に塩素化され、粗クロロシラン類中に種々の構造の化合物となって混入する。このような粗クロロシラン類を精製してクロロシラン類とするのであるが、最終的に得られるべきクロロシラン類と沸点が近接している化合物は、蒸留工程で分離・除去することは困難である。このため、蒸留留分中には硼素化合物及び燐化合物が不純物として混入(残存)する場合があり、かかるクロロシラン類を用いて多結晶シリコンを製造すると、多結晶シリコン中に硼素および燐が取り込まれてしまい所望の特性のものを得ることができない結果となる。
粗クロロシラン類に含有される不純物としての硼素及び燐を一般的な蒸留方法で除去することが困難な主な理由は、これらの不純物が低沸点の化合物の形態で存在していることにある。すなわち、粗クロロシラン類中の硼素及び燐は各種の水素化物や塩化物の形態を取り得るが、通常は低沸点の三塩化硼素(BCl)及び三塩化燐(PCl)の形態で存在しているが、このような低沸点化合物は、一般的な蒸留方法によってはクロロシラン類から容易には除去できないのである。
このような事情から、粗クロロシラン類やクロロシラン類中の硼素不純物や燐不純物の含有量を低減させる方法(クロロシラン類の精製方法)として、種々の方法が提案されてきた。例えば、D.R.ディーらによる特表昭58−500895号公報(特許文献2)では、高温条件でクロロシラン類に少量の酸素を導入して反応させることによって錯体を形成させ、この錯体と硼素不純物及び燐不純物との反応により新たな錯体を生成させ、これをクロロシラン類の蒸留工程で分離することにより、不純物濃度の低いクロロシラン類を得る方法が提案されている。
しかし、この方法では、錯体を形成させるために170℃以上の高温条件での運転操作が必要とされ、簡便かつ穏やかな条件で操作することができないという問題がある。
F.A.Pohlらの米国特許第3,126,248号明細書(特許文献3)では、ベンズアルデヒドやバレロラクトンなどの孤立電子対を保有する元素を含む有機物と硼素不純物との付加物を生成させ、ついで蒸留することで不純物除去する方法が提案されている。
また、同じ発明者らによる米国特許第3,252,752号明細書(特許文献4)では、活性炭やシリカゲル等の吸着剤に固定化したベンズアルデヒドやプロピオニトリルなどによって硼素不純物を捕捉して除去する方法が報告されている。
しかし、これらの方法は、硼素不純物の含有量の低減化のためには有効ではあるものの、当該硼素不純物の除去と同時に燐不純物をも除去して全不純物含有量を低減化することはできないという問題があった。
これら以外にも、以下のような方法が提案されている。例えば、クロロシラン類を液体または蒸気の状態で活性アルミナと接触させて不純物除去する方法(ドイツ国特許第1,289,834号明細書(特許文献5))、クロロシラン類に塩化アルミニウムを添加してPCl・AlCl錯体を形成してから蒸留精製する方法(米国特許第2,821,460号明細書(特許文献6))、クロロシラン類に三級アミンを添加して蒸留精製する方法(特開昭46−74199号公報(特許文献7))などがある。
また、水和したシリカゲルやアルミナゲル等の金属酸化物と接触除去する方法(Langらの米国特許第4,112,057号(特許文献8))、TiCl4あるいはFeCl3等の無機塩水溶液と接触除去する方法(松原らの特開平04−300206号公報(特許文献9))、アルカリまたはアルカリ土類フッ化物塩と接触除去する方法(宮尾らの特開平2001−002407号公報(特許文献10))、エーテル類を添加して蒸留精製する方法(小柳らの特開平2005−67979号公報(特許文献1))なども提案されている。
しかし、これらの何れの方法も、取り扱いが容易でない化合物を使用する必要があったり、充分に満足されるべき除去効率が得られなかったり、廃棄物処理が煩雑であったり、副生物が配管などを閉塞させてしまったり、過酸化物が発生する可能性のある化合物を使用するものであったり、硼素不純物と燐不純物の同時除去ができないなどの、種々の問題を抱えている。
特開平2005−67979号公報 特表昭58−500895号公報 米国特許第3,126,248号明細書 米国特許第3,252,752号明細書 ドイツ国特許第1,289,834号明細書 米国特許第2,821,460号明細書 特開昭46−74199号公報 米国特許第4,112,057号明細書 特開平04−300206号公報 特開平2001−002407号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類から、簡易・簡便でしかも穏やかな条件で、上記不純物の同時除去を可能としてクロロシラン類の高純度化を可能とする手法を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明のクロロシラン類の精製方法は、硼素不純物と燐不純物を含有するクロロシラン類を芳香族アルデヒドの存在下で酸素と反応させて前記硼素不純物及び燐不純物を高沸点化合物に転化させる工程Aと、前記硼素及び燐の高沸点化合物とクロロシラン類とを分離する工程Bとを備えている。
好ましくは、前記工程Aにおける反応は0℃以上150℃以下の温度とされ、また、前記工程Aにおける酸素の供給源として空気を用いることができる。
前記工程Aにおける酸素の供給は、酸素含有ガスを不活性ガスで希釈した混合ガスにより実行することとしてもよい。
前記混合ガス中の酸素濃度は、例えば、0.1体積%以上4体積%以下である。また、前記工程Aにおける酸素の供給量([O])は、前記クロロシラン類中に含有される燐不純物量([P])に対し、モル比で1以上([O]/[P]≧1)であることが好ましい。
前記芳香族アルデヒドは、例えば、ベンズアルデヒド誘導体であり、具体的には、ベンズアルデヒドなどである。
本発明においては、前記工程Bで分離して得られたクロロシラン類を前記工程Aに循環させる工程を更に備えることができる。
また、前記工程Bで分離して得られたクロロシラン類からトリクロロシランを分離する工程Cを更に備えるようにしてもよい。
さらに、前記工程Cで分離して得られたトリクロロシランを前記工程Aに循環させる工程を更に備えるようにすることもできる。
本発明では、硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類を、芳香族アルデヒドの存在下で酸素(O)を導入して処理して上記不純物を同時に高沸点化合物に転化させ、当該処理後のクロロシラン類を蒸留等して硼素及び燐の高沸点化合物とクロロシラン類とを分離することとしたので、単一のプロセスによる硼素不純物と燐不純物の除去が可能となる。
また、上記処理は、簡便かつ穏やかな条件で実行可能なものであることに加え、用いる芳香族アルデヒドは取り扱いが容易で安価な添加物であるから、実用性も高いものである。
以下、図面を参照して、本発明のクロロシラン類の精製方法について説明する。
本発明者らは、トリクロロシランをはじめとするクロロシラン類を精製する方法について鋭意研究を重ねた結果、硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類を、芳香族アルデヒドの存在下で酸素(O)を導入して処理すると、硼素不純物及び燐不純物が同時に高沸点化合物に転化され、後の蒸留で分離が容易になるということを見出し、本発明をなすに至った。つまり、硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類を、芳香族アルデヒドの存在下で酸素(O)を導入して処理して上記不純物を高沸点化合物に転化させ、当該処理後のクロロシラン類を蒸留等して硼素及び燐の高沸点化合物とクロロシラン類とを分離するのである。
硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類を、芳香族アルデヒドの存在下で酸素(O)を導入して処理することで生成する高沸点化合物は、生成後に受ける熱によって低沸点化合物に分解することがないため、蒸留等の処理によって容易にクロロシラン類と分離することが可能である。
以下では、精製の対象とするクロロシラン類を主としてトリクロロシランとして説明するが、ジクロロシランやテトラクロロシラン等の他のクロロシラン類も精製の対象足り得ることは明らかである。
また、本発明で精製対象とされるクロロシラン類は、例えば、金属シリコンとHClとの反応により副生された粗クロロシラン類(このようなクロロシラン類は、一般に、トリクロロシランの他にジクロロシランもしくはテトラクロロシランを含んでいる)、当該粗クロロシラン類を蒸留して高沸成分が除去されたクロロシラン類、あるいは低沸成分が除去されたクロロシラン類、更にはかなり高純度化されたトリクロロシラン分画など広範なものであり、これら何れのクロロシラン類も本発明の対象となる。
図1は、本発明のクロロシラン類の精製方法の第1の工程例を説明するための図で、反応器101には、硼素不純物と燐不純物を含有するクロロシラン類と酸素が供給され、芳香族アルデヒドの存在下で酸素と反応させて硼素不純物及び燐不純物を高沸点化合物に転化させる。当該反応器101で処理された後のクロロシラン類(および硼素および燐の高沸点化物)は蒸留器102へと排出され、クロロシラン類と硼素及び燐の高沸点化合物が分離されて、クロロシラン類の精製が行なわれる。
上述の反応器101内での処理温度は、例えば、0℃以上150℃以下とされ酸素の供給源としては空気を用いることができる。なお、酸素含有ガスを不活性ガスで希釈した混合ガスにより酸素の供給を行うようにしてもよい。このような場合、酸素含有混合ガス中の酸素濃度は、例えば、0.1体積%以上4体積%以下とされる。
また、反応器101に供給される酸素の量([O])を、クロロシラン類中に含有される燐不純物量([P])に対してモル比で1以上([O]/[P]≧1)とすると、これら不純物を効率よく高沸点化させることができる。
反応器101内での反応は芳香族アルデヒドの存在下で行なわれるが、当該芳香族アルデヒドとして、ベンズアルデヒドなどのベンズアルデヒド誘導体を用いることができる。
反応器101に供給されるクロロシラン類に含有される硼素不純物は、代表的には、三塩化硼素(BCl)のような3価の硼素化合物であり、燐不純物は、代表的には、三塩化燐(PCl)のような3価の燐化合物であることが知られている。
従来より、ベンズアルデヒドは、硼素不純物と反応して硼素の高沸点化合物に転化できることは公知であったが、燐不純物をも同時に高沸点化処理することはできなかった。また、従来においても、少量の酸素を導入して170℃以上の高温条件で処理することで、硼素不純物及び燐不純物を高沸点化合物に転化させることができることは知られていた。しかし、低温の処理で、しかも硼素不純物と燐不純物を同時に高沸点化処理する手法は、これまで知られていなかった。
これに対して、本発明では、酸素に加えて芳香族アルデヒドを共存させると、従来法のような高温を要することなく、硼素及び燐不純物の高沸点化合物への同時転化が可能となることを見出し、当該知見に基づいて、上述のような構成としてクロロシラン類の精製を図ることとしている。
即ち、上記の高沸点化合物への転化反応においては、硼素不純物として知られるBCl3(沸点12.5℃)が高沸点化合物に転化するだけではなく、同時に、燐不純物として知られるPCl3(沸点76℃)も、POCl3(沸点107℃)もしくはそれ以上の高沸点化合物に転化することとなる。このため、何れの高沸点化合物の沸点も、クロロシラン類の沸点(例えば、トリクロロシランの沸点31.8℃)よりも大きく異なることになり、しかも、生成する高沸点化合物はその後に受ける熱によって低沸点化合物に分解することがないため、蒸留等の操作によってこれら硼素及び燐不純物とクロロシラン類とを分離することが極めて容易になるのである。このような方法には、硼素及び燐不純物を、簡便かつ穏やかな条件で、取り扱い安く安価な添加物を使用して、同時に高沸点化処理できるという大きな利点がある。
硼素及び燐不純物を高沸点化合物に転化せしめるために導入する酸素は、酸素分子のモル数が燐不純物の当モル以上となるように導入されることが好ましい。つまり、反応器101に供給される酸素の量([O])を、クロロシラン類中に含有される燐不純物量([P])に対してモル比で1以上([O]/[P]≧1)とすることが好ましい。しかし、転化効率を向上させるには、回分処理の場合でも、燐不純物の全量が高沸点化合物に転化するまでは、充分過剰な量を定期的に追加もしくは連続的に供給することが、より好ましい。
反応器101への酸素の導入は、気体によることが簡便である。具体的には、空気、あるいは、空気を不活性ガスで希釈した気体、若しくは、酸素ガスを不活性ガスで希釈した気体等を反応器101に導入するなどする。なお、経済的な観点からは空気を酸素供給源とすることが好ましいことは明らかであるが、本反応は高活性な水素化されたクロロシラン類と酸素を混合する反応であるため、急激な反応により事故が生じることを防ぐとの安全性確保の観点から、供給ガス中の酸素濃度を制御することが望ましい。
このためには、不活性ガスにより希釈された空気あるいは不活性ガスで希釈された酸素ガスを用いることが好ましい。希釈するために使用する不活性ガスは、具体的には窒素、ヘリウム、アルゴンが例としてあげられるが、経済的な理由からは窒素が特に好ましい。
上記目的の不活性ガスで希釈された酸素を含む気体の酸素濃度は、事故の因子となるものが多数存在することから一律に決めることはできない。しかし、低酸素濃度の窒素とクロロシラン類(例えばトリクロロシラン)の接触温度によって爆発範囲が決定されると仮定すれば、混合ガス中の酸素濃度の上限値として4体積%とすることが好ましい。また、混合ガス中の酸素濃度の下限値は0.1体積%とすることが好ましい。
混合ガス中の酸素濃度の上限値についてより具体的に触れておくと、トリクロロシランの沸点以上の温度が高い条件から、0℃以下の低い条件に渡る酸素−窒素−トリクロロシランの三成分系の爆発範囲での酸素下限濃度は2.5〜4vol%であり、倍の安全率を加味すれば1.2〜2vol%とすることが好ましい。また、実用的な温度範囲では3.2〜3.8vol%であるので、倍の安全率を加味すれば1.9vol%以下、より安全には1.6vol%以下とすることが好ましい。
また、反応器101に導入される酸素含有気体は、水分を実質的に含まない方が好ましい。このため、予め乾燥された気体を使用するか、導入前にシリカゲル、モレキュラーシーブスや生石灰に代表されるような乾燥剤による乾燥処理が施されることが好ましい。水分が多い場合、気体を系内に導入するための配管などに、クロロシラン類と水分の反応物であるシロキサンゲルが徐々に蓄積して、閉塞等の問題を引き起こす場合がある。また、発生する塩化水素により、配管の腐食等の問題を引き起こす場合がある。
本発明で使用される芳香族アルデヒドは、低分子のものでも固定化されたものでも良いが、好ましくは、下記の化学式のベンズアルデヒド誘導体を挙げることができる。
なお、上記化学式において、Rは炭素数1〜30の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基であるか、または炭素数1〜30の直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環状のアルキル基で置換されていても良いフェニル基であり、nは0、1、2もしくは3である。好ましくは、Rはメチル基あるいはエチル基であり、nは0、1もしくは2である。
上記に挙げた具体例の中でも、特に好ましくは、nが0のベンズアルデヒドであり、経済性(安価、工業的な入手が可能、比較的低分子量のためモル当たりの使用量が少なくて済む)、取り扱い易さ(常温で液体、高沸点(178℃)、安全性)、反応性(硼素不純物との高い反応性、燐不純物と酸素分子との反応に対する触媒効果)などのいくつかの点において優れている。
芳香族アルデヒドの添加量には特に制限はないが、硼素及び燐不純物のモル数の総和に対して、1倍モル〜1000倍モルであることが好ましく、1倍モル〜100倍モルであることが特に好ましい。1倍モル以下では不純物が残留する場合があり、1000倍モル以上では経済的に不利な場合がある。
酸素を含有する気体及び芳香族アルデヒドの両方をクロロシラン類に導入して、処理する時の温度には特に制限はないが、0〜150℃が好ましい。0℃以下である場合、燐不純物が高沸点化合物となる反応効率が落ちる可能性がある。また、150℃以上である場合には、芳香族アルデヒドが副反応を起こす可能性や安全上の問題があり好ましくない。
反応器101内の処理時の圧力には特に制限はないが、好ましくは大気圧〜1MPaが良い。また、当該処理時の混合物の混合時間には特に制限はないが、回分方式の場合は、好ましくは数分〜24時間が良い。なお、半連続方式もしくは連続方式で反応させる場合には、処理した混合物の反応器における滞留時間を任意に選択することができる。
酸素及び芳香族アルデヒドのそれぞれを反応器101内にどのようにして導入するかについても特に制限がなく、種々の方法を選択することができる。例えば、両者を同時にクロロシラン類と混合する方法、あらかじめ芳香族アルデヒドをクロロシラン類に添加した混合物に酸素を含有する気体を混合する方法、酸素を含有する気体とクロロシラン類とを混合している状態に芳香族アルデヒドを混合する方法などがあり得る。
また、酸素を含有する気体と混合する際のクロロシラン類は液状でもガス状でも良いが、芳香族アルデヒドと混合する際は液状であることが好ましい。なお、液状のクロロシラン類に、酸素を含有する気体もしくは芳香族アルデヒドを導入する際には、液中に供給しても良いし、液面に供給しても良く、特に制限はない。
酸素を含有する気体及び芳香族アルデヒドとクロロシラン類に含有される硼素及び燐不純物との反応効率を向上させるためには、反応器101内での混合時もしくは滞留時に、混合物全体を撹拌もしくは振とうした状態にしておくことが好ましい。なお、上記操作においては、回分方式、半連続方式、連続方式のいずれも選択することができ、操作方式には特に制限はない。
蒸留器102は、公知の蒸留装置であってよい。なお、必要に応じて、蒸留で得られたクロロシラン類を反応器101に循環させて、再度の不純物除去および蒸留を繰り返すようにしてもよい。ここで、図1には、単一の反応器101に循環させる工程例が図示されているが、別途の反応器および蒸留器を設けて精製を繰り返すようにしてもよいことは言うまでもない。
また、図2に例示したように、蒸留器を複数設けることとして、精製後のクロロシラン類から特定のクロロシラン類(トリクロロシラン)を分離する工程を設けるようにしてもよく、さらには、当該分離により得られたトリクロロシランを反応器101に循環させるようにするなどしてもよい。
何れにせよ、蒸留工程は、硼素及び燐不純物の除去を主たる目的とするものでも良く、クロロシラン類の中から特定のクロロシラン類(例えば、トリクロロシラン)を分離する目的を兼ね備えるものであってもよい。ただし、クロロシラン類の回収利用率を上げることを目的とする場合には、全工程中の何れかにクロロシラン類から高沸点化された硼素及び燐不純物を分離除去する蒸留工程が入ることが好ましい。なお、芳香族アルデヒドにおいては、もっとも沸点の低い化合物(ベンズアルデヒド)でさえ、クロロシラン類(ジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシラン)と比較すれば高沸点(178℃)であるため、未反応物が混合液中に過剰に残っても、蒸留時に容易にクロロシラン類と分離して釜に残留し、トリクロロシランの蒸留留分に混入することはない。
本発明において、上記の蒸留方法については、公知の装置及び方法を特に制限なく選択することができる。例えば、蒸留塔の種類、蒸留段数、本数などを任意に選ぶことができる。また、蒸留塔としては、充填塔や棚段塔のいずれも選択することができる。さらに、蒸留方式としては、回分方式、半連続方式、連続方式のいずれも選択することができる。
回分方式の場合には、蒸留釜で酸素を含有する気体及び芳香族アルデヒドの両方を、硼素及び燐不純物を含有するクロロシラン類に導入して、同時に両不純物を処理した後、そのまま蒸留操作に移行することもできる。また、連続方式の場合には、あらかじめ別の反応器で、酸素を含有する気体及び芳香族アルデヒドの両方を当該クロロシラン類に導入して、同時に両不純物を処理した後に、その混合物を連続的に蒸留釜もしくは蒸留塔へ移送して、蒸留することもできる。
なお、上述の処理によって、クロロシラン類中の硼素及び燐不純物が転化した高沸点化合物は、クロロシラン類と分離して蒸留残渣となって蒸留釜に残留するので、選択した蒸留方式に準じて系外へ排出し、適切に処分すれば良い。また、芳香族アルデヒドの未反応分も該蒸留残渣に含まれるため、同様に処分すれば良い。
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例及び比較例を記すが、本発明はこれらにより限定を受けるものではない。
以下の数例の実施例及び比較例では、クロロシラン類としてのトリクロロシラン中に燐不純物としてのPCl3を添加して、本発明の方法を適用し、PCl3を高沸点化合物に転化せしめる具体例が示される。従って、本発明によって独自になし得た利点のうち、燐不純物に対しての効果について説明するための実施例となる。なお、硼素不純物に対しての効果は、従来の方法に準ずるものである。
(実施例1):20〜30℃の室温条件にて、200mLのサンプルビンの内部を空気で置換し、トリクロロシラン 100g(0.738mol)及びPCl3 0.10g(トリクロロシランに対して1000ppm、7.3×10-4mol)を仕込み、混合液の組成をガスクロマトグラフィーで測定し、PCl3濃度を調べた。ついで、ベンズアルデヒド0.41g(3.9×10-3mol、ベンズアルデヒド/PCl3=モル比5.3)を投入し、密閉後サンプルビンを数秒間振盪した。5分放置後にPCl3濃度を同様に調べた。さらに、1時間放置後にも同様に調べた。なお、ガスクロマトグラフィー測定後は、上層空間を空気で置換して密閉した。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.09GC%であったが、ベンズアルデヒド投入5分後では0.02GC%、1時間後では消失していた。
なお、高沸点化合物に転化した燐不純物のうち、もっとも沸点の低いPOCl3(沸点107℃)は、ベンズアルデヒドの投入前は存在しなかったが、ベンズアルデヒド投入5分後では0.02GC%、1時間後では0.04GC%であった。
(比較例1):空気の代わりに、窒素でサンプルビンの内部を置換し、空気を極力内部に混入させないようにした条件にて操作する以外は、実施例1と同様に操作し、内部組成の測定を行った。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.08GC%であったが、ベンズアルデヒド投入5分後0.07GC%、8時間後0.07GC%、29時間後0.07%であった。
(実施例2):20〜30℃の室温条件にて、200mLのサンプルビンの内部を空気で置換し、トリクロロシラン100g(0.738mol)、及び、PCl3を1.0g(トリクロロシランに対して1%、7.3×10-3mol)仕込み、混合液の組成をガスクロマトグラフィで測定し、PCl3濃度を調べた。ついで、ベンズアルデヒド4.1g(3.9×10-2mol、ベンズアルデヒド/PCl3=モル比5.3)を投入し、サンプルビンを数秒間振盪した。5分放置後に、PCl3濃度を同様に調べた。また、2時間後及び3時間放置後にも同様に調べた。なお、ガスクロマトグラフィ測定後は、上層空間を空気で置換して密閉した。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.91GC%であったが、ベンズアルデヒド投入5分後では0.48GC%、2時間後では0.06GC%、3時間後では消失していた。
(比較例2):空気の代わりに、窒素で内部を置換し、空気を極力内部に混入させないようにした条件にて操作する以外は、実施例2と同様に操作し、内部組成の測定を行った。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.93GC%であったが、ベンズアルデヒド投入5分後では0.79GC%になったものの、その後96時間後でも0.78GC%であった。
(比較例3):ベンズアルデヒドを添加しない以外は、実施例2と同様に操作を行った。
その結果、PCl3濃度は、混合してから4時間後で1.0GC%、24時間後でも1.0%であった。
実施例1と比較例1及び実施例2と比較例2の比較では、クロロシラン類(トリクロロシラン)中の燐不純物(PCl3)は、酸素を含有する気体(空気)及び芳香族アルデヒド(ベンズアルデヒド)の両方が共存する条件では速やかに消失するが、酸素を導入しない条件(窒素置換系)であると、芳香族アルデヒドだけの導入では、芳香族アルデヒドの混合直後に微量減少するだけで、それ以上はほとんど減少しない。すなわち、芳香族アルデヒドだけの導入では、燐不純物を高沸点化合物に転化することはできないことが理解される。
また、比較例3においては、クロロシラン類(トリクロロシラン)中の燐不純物(PCl3)は、芳香族アルデヒドを導入しない条件であると、酸素を含有する気体(空気)だけの導入では、穏やかな条件では、ほとんど減少しない。すなわち、酸素を含有する気体だけの導入では、燐不純物を高沸点化合物に転化することはできない。
(実施例3):シリカゲルで脱湿した空気と窒素を混合して窒素で希釈した空気(O2/N2=体積比16/84)を調整した。20〜30℃の室温条件にて、650mLのサンプルビンの内部を窒素で希釈した空気で置換し、トリクロロシラン100g(0.738mol)及びPCl3 0.10g(トリクロロシランに対して1000ppm、7.3×10-4mol)を仕込み、混合液の組成をガスクロマトグラフィで測定し、PCl3濃度を調べた。ついで、ベンズアルデヒド0.41g(3.9×10-3mol、ベンズアルデヒド/PCl3=モル比5.3)を投入し、密閉後サンプルビンを数秒間振盪した。5分放置後にPCl3濃度を同様に調べた。さらに、1時間放置後及び2時間放置後にも同様に調べた。なお、ガスクロマトグラフィ測定後は、上層空間を窒素で希釈した空気で置換して密閉した。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.10GC%であったが、ベンズアルデヒド投入5分後では0.03GC%、1時間後では0.01GC%、2時間後では消失していた。
(比較例4):ベンズアルデヒドを添加しない以外は、実施例3に準じて実験を行った。
その結果、PCl3は、当初は0.10GC%であり、23時間後でも0.10GC%であった。
(実施例4):シリカゲルで脱湿した空気と窒素を混合して、窒素で希釈した空気(O2/N2=体積比1.6/98.4)を調整した。攪拌機と温度計と蒸気をドライアイスで冷却するコンデンサと窒素で希釈した空気を系内に導入するためのノズル(先端は液面上に配置)及びベンズアルデヒドの添加を行うために開口部をゴム栓で塞いだ側管を具備した200mLの丸底フラスコよりなる装置の内部全体を充分に窒素置換し、トリクロロシラン200g(1.476mol)、及び、三塩化燐(PCl3)0.20g(トリクロロシランに対して1000ppm、1.46×10-3mol)を仕込み、混合液の組成をガスクロマトグラフィで測定し、PCl3濃度を調べた。
ついで、上記の窒素で希釈した空気をトリクロロシランの液面に流し、同時に撹拌を開始した。また、油浴にて、混合液を20〜30℃に温調した。ついで、ベンズアルデヒド0.82g(7.73×10-3mol、ベンズアルデヒド/PCl3=モル比5.3)を、マイクロシリンジによって該混合物に投入し、30分撹拌状態で放置した。ついで、混合液中のPCl3濃度を調べた。
その結果、PCl3は、ベンズアルデヒドの投入前は0.09GC%であったが、ベンズアルデヒド投入30分後では消失していた。
(実施例5):酸素ガスと窒素ガスの混合により、窒素で希釈した酸素(O2/N2=体積比1.6/98.4)を調整し、窒素で希釈した空気の代わりに、使用した以外は、実施例4に準じて実験を行った。
その結果、PCl3は、当初は0.10GC%であったが、ベンズアルデヒド投入30分後では消失していた。
(実施例6):シリカゲルで脱湿した空気と窒素を混合して、窒素で希釈した空気(O2/N2=体積比1.6/98.4)を調整した。攪拌機と温度計とドライアイスで冷却するコンデンサと窒素で希釈した空気を系内に導入するためのノズル(先端は液面上に配置)及びベンズアルデヒドの添加を行うために開口部をゴム栓で塞いだ側管を具備した500mLの丸底フラスコよりなる装置の内部全体を充分に窒素置換し、クロロシラン混合物(ジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシランの混合物)500g(硼素含有量3ppm、燐含有量280ppb)を仕込んだ。
ついで、上記の窒素で希釈した空気をクロロシラン混合物の液面に流し、同時に撹拌を開始した。また、油浴にて、混合液を20−30℃に温調した。その後、ベンズアルデヒド0.025g(クロロシラン混合物の重量に対して50ppm)をマイクロシリンジによって該混合物に投入し、30分撹拌状態で放置した。ついで、公知の蒸留手段により、上記操作後の混合液より、トリクロロシランを90%以上含んだ留分450g及び蒸留残渣47gを得た。
蒸留留分をICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析装置で分析したところ、硼素及び燐の濃度は共に元素換算で1ppb以下であった。なお、蒸留残渣の分析をしたところ、硼素濃度32ppm、燐濃度3ppmであった。
ついで、上記の硼素及び燐不純物の含有量が低い留分をさらに精留することにより、硼素及び燐不純物の含有量が低く、かつ高純度に精製されたトリクロロシランを得ることができた。
(比較例5):窒素気流中で操作を実施した以外(窒素で希釈した空気を使用しない以外)は実施例6と同様の操作を行った結果、蒸留留分の硼素濃度1ppb以下、燐濃度15ppbであった。
実施例6と比較例5の比較では、硼素及び燐不純物を含有するトリクロロシランを構成成分とするクロロシラン類に、酸素を含有する気体及び芳香族アルデヒドの両方を導入して処理することにより、硼素及び燐不純物が、同時にこれまでに説明したような高沸点化合物に転化することにより、蒸留によって硼素及び燐不純物の含有量が低いトリクロロシランを得ることができるが、当該処理時に酸素を含有する気体を導入しない場合は、芳香族アルデヒドの導入だけでは、燐不純物が残留して満足する結果を与えないことが理解される。
本発明は、硼素不純物及び燐不純物を含有するクロロシラン類から、簡易・簡便でしかも穏やかな条件で、上記不純物の同時除去を可能としてクロロシラン類の高純度化を可能とする手法を提供する。
本発明のクロロシラン類の精製方法の第1の工程例を説明するための図である。 本発明のクロロシラン類の精製方法の第2の工程例を説明するための図である。
符号の説明
101 反応器
102、102A、102B 蒸留器

Claims (11)

  1. 硼素不純物と燐不純物を含有するクロロシラン類を芳香族アルデヒドの存在下で酸素と反応させて前記硼素不純物及び燐不純物を高沸点化合物に転化させる工程Aと、前記硼素及び燐の高沸点化合物とクロロシラン類とを分離する工程Bとを備えていることを特徴とするクロロシラン類の精製方法。
  2. 前記工程Aにおける反応を0℃以上150℃以下の温度で実行する請求項1に記載のクロロシラン類の精製方法。
  3. 前記工程Aにおける酸素の供給源として空気を用いる請求項1又は2に記載のクロロシラン類の精製方法。
  4. 前記工程Aにおける酸素の供給は、酸素含有ガスを不活性ガスで希釈した混合ガスにより実行される請求項1乃至3の何れか1項に記載のクロロシラン類の精製方法。
  5. 前記混合ガス中の酸素濃度が0.1体積%以上4体積%以下である請求項4に記載のクロロシラン類の精製方法。
  6. 前記工程Aにおける酸素の供給量([O])は、前記クロロシラン類中に含有される燐不純物量([P])に対し、モル比で1以上([O]/[P]≧1)である請求項1乃至5の何れか1項に記載のクロロシラン類の精製方法。
  7. 前記芳香族アルデヒドは、ベンズアルデヒド誘導体である請求項1乃至6の何れか1項に記載のクロロシラン類の精製方法。
  8. 前記ベンズアルデヒド誘導体は、ベンズアルデヒドである請求項7に記載のクロロシラン類の精製方法。
  9. 前記工程Bで分離して得られたクロロシラン類を前記工程Aに循環させる工程を更に備えている請求項1乃至8の何れか1項に記載のクロロシラン類の精製方法。
  10. 前記工程Bで分離して得られたクロロシラン類からトリクロロシランを分離する工程Cを更に備えている請求項1乃至8の何れか1項に記載のクロロシラン類の精製方法。
  11. 前記工程Cで分離して得られたトリクロロシランを前記工程Aに循環させる工程を更に備えている請求項10に記載のクロロシラン類の精製方法。
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