JP2009062132A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降用ロープに作用する張力を容易に均一化することができるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステムは、昇降路を上下移動するかご室と、昇降路の上方側に配置される滑車設置用架台90と、近接配置される複数のロープ31〜33により構成されてかご室を上下移動させる昇降用ロープ4と、ロープ31〜33が架けられる張力調整用定滑車51、52、53とを有する。さらに、この滑車設置用架台90の上面側に配置される複数の張力調整用定滑車と、滑車設置用架台90の下面側に配置されて複数のロープが一対となって接続される複数の張力調整用動滑車とを配置して、張力調整用ロープを張力調整用定滑車と張力調整用動滑車に交互に架け渡してもよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、昇降用ロープによりかご室等を昇降させるエレベータシステムに関する。
エレベータは、例えば昇降路上方の機械室内に巻上機が設置されて、巻上機に昇降用ロープが架け渡され、昇降用ロープが機械室床のロープ案内口を通って昇降路内に吊り下げられている。この昇降用ロープには、かご室および、釣り合い重りが吊り下げられている。
かご室および釣り合い重りを吊り下げる昇降用ロープは、一般には互いに近接配置された複数のロープにより構成されて巻上機に架け渡されている。これらの複数のロープの端部は、昇降路の上方に設置されるロープ固定部などに固定されて、エレベータシステムの組み立て時などに、それぞれの張力が均等になるように調整されている。
しかし、複数のロープの張力が均等に調整されていない場合には、大きい張力が作用するロープに負荷が集中し、破損する場合がある。昇降用ロープの破損は、大事故につながる可能性もある。したがって、昇降用ロープのそれぞれに対して張力が均等に作用するように調整することが重要となる。
昇降用ロープの張力を均一に調整する場合、従来では、作業者が個々のロープの張り具合を感覚によって比較し、全てのロープの張力が均一になるように調整を行っていた。しかし、このような作業者の感覚に基づく調整方法では、個人差によってロープの張力にばらつきが生じてしまうため、常に正確な調整を行うことは困難であった。
昇降用ロープの張力の調整方法は、例えば特許文献1に開示されるように、昇降用ロープの端部を固定する際に、油圧ジャッキ等を用いて、ロープの長さまたは固定位置等を調整することにより、張力の調整を行う方法などが知られている。
特開2006−124064号公報
ところが、従来における昇降用ロープの張力調整方法では、個々のロープに作用する張力を均等にするためには、調整するための作業に長時間を必要とするため作業性が悪い等の問題があった。また、最近のエレベータシステムは機械室を設けず、巻上機等を昇降路内に収納する型式(いわゆるマシンルームレス方式)なども多く、ロープの張力調整作業はそれ程容易とは言えない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エレベータシステムの昇降用ロープに作用する張力を容易に均一化することである。
上記目的を達成するため本発明に係るエレベータシステムは、昇降路を上下移動するかご室と、近接配置される複数のロープにより構成されて前記かご室を上下移動させる昇降用ロープと、前記昇降路の上方側に配置される滑車設置用架台と、この滑車設置用架台上に回転軸が固定されて少なくとも1本の前記ロープが架けられる張力調整用定滑車と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るエレベータシステムは、昇降路を上下移動するかご室と、近接配置される複数のロープにより構成されて前記かご室を上下移動させる昇降用ロープと、前記昇降路の上方側に配置される滑車設置用架台と、この滑車設置用架台の上面側に回転軸が固定される複数の張力調整用定滑車と、前記滑車設置用架台の下面側に配置されて前記昇降用ロープを構成する複数の前記ロープが一対となって接続される複数の張力調整用動滑車と、前記張力調整用定滑車と前記張力調整用動滑車を交互に架け渡されて前記張力調整用動滑車を支持する第1の張力調整用ロープと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、エレベータシステムの昇降用ロープに作用する張力を容易に均一化することが可能である。
[第1の実施形態]
本発明に係るエレベータシステムの第1の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態のエレベータシステムの概略正面図ある。図2は、図1のエレベータシステムにおいてかご室用滑車11が2つ配置される例である。図3は、図2において、昇降用ロープ4に張力が作用している状態を示す概略正面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のエレベータシステムは、昇降路15を上下移動してかご室用滑車11等を具備するかご室1、釣り合い重り用滑車12を具備する釣り合い重り2、巻上機3、この巻上機3に架け渡されてかご室1および釣り合い重り2等を上下移動させる昇降用ロープ4、この昇降用ロープ4の両端部に配置される張力調整機構5などで構成されている。さらに、このエレベータシステムは、巻上機3および張力調整機構5等が設置される滑車設置用架台90が昇降路15の上方に配置されている。また、このエレベータシステムの動作を制御する制御装置(図示せず)なども有している。
図3に示すように昇降用ロープ4には、かご室1側の張力TAおよび釣り合い重り2側の張力TBが作用している。かご室1側の張力TAは、巻上機3におけるかご室1側に作用する張力、かご室1側のそらせ車(図示せず)に作用する張力、およびかご室1側の張力調整機構5に作用する張力において等しい。釣り合い重り2側の張力TBは、巻上機3の釣り合い重り2側に作用する張力、釣り合い重り2側のそらせ車(図示せず)に作用する張力、および釣り合い重り2側の張力調整機構5に作用する張力において等しい。
図1のエレベータシステムに設置される張力調整機構5について図4、図5、および図6を用いて説明する。図4は、図1のエレベータシステムに搭載される本実施形態の張力調整機構5の拡大側面図で、図5は、その正面図である。図6は、図4および図5の変形例を示す概略図であって、図6(a)は正面図、図6(b)は側面図である。
図4に示すように、張力調整機構5は、昇降用ロープ4が架け渡された第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用定滑車52、および第3張力調整用定滑車53などにより構成されている。これらの張力調整用定滑車は、定滑車用回転軸19を具備しロープが架け渡される円盤状の定滑車本体20およびこの定滑車本体20を支持する支持部材27などにより構成されている。この支持部材27は、滑車設置用架台90の上面側に設置されている。なお、第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用定滑車52、および第3張力調整用定滑車53の定滑車本体20は、ほぼ同じ直径である。
これらの張力調整用定滑車は、滑車設置用架台90の上面側に配置され、これらの定滑車用回転軸19が水平で互いに平行になるように配置されている。さらに、これらの張力調整用定滑車の定滑車本体20の円盤面は、ほぼ同じ平面上に配置されている。
また、昇降用ロープ4は3本のロープ、すなわち第1ロープ31、第2ロープ32、および第3ロープ33により構成されている。第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20には、第1ロープ31が架け渡されている。同様に、第2ロープ32は第2張力調整用定滑車52の定滑車本体20に架け渡されて、第3ロープ33は、第3張力調整用定滑車53の定滑車本体20に架け渡される。
このとき、第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20に作用する張力をt1と定義する。同様に、第2張力調整用定滑車52および第3張力調整用定滑車53それぞれの定滑車本体20に作用する張力をt2、t3と定義する。また、定滑車本体20に架けられる第1ロープ31に作用する張力は、定滑車本体20を中心として一方をF1、他方をF2と定義する。同様に、第2ロープ32については、定滑車本体20を中心として一方をF3、他方をF4とし、第3ロープ33については、一方をF5、他方をF6と定義する。このとき、式(1)が成り立つ。
t1=F1=F2、t2=F3=F4、t3=F5=F6 …(1)
したがって、本実施形態によれば、昇降用ロープ4を構成する複数のロープにおいて、定滑車本体20に架け渡されたロープの両端に作用する張力を均一にすることが可能である。
なお、図6に示すように、支持部材27を安定させるために、支持部材27と滑車設置用架台90との間に緩衝ばね41および倒れ防止部材42等を配置してもよい。図6には第1張力調整用定滑車51のみを示し、第2張力調整用定滑車52および第3張力調整用定滑車53の図示は省略するが、第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用定滑車52、および第3張力調整用定滑車53は、図4と同様に配置される。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係るエレベータシステムの張力調整機構5の第2の実施形態について、図7および図8を用いて説明する。なお、同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。図7は、図1のエレベータシステムに搭載される本実施形態の張力調整機構5を示す拡大側面図である。図8は、図7のVIII−VIII線矢視図で、一部断面の正面図である。
滑車設置用架台90の上面側には、5台の張力調整用定滑車、第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用定滑車52、第3張力調整用定滑車53、第4張力調整用定滑車54、および第5張力調整用定滑車55が配置されている。これらの張力調整用定滑車は、第1の実施形態と同様に、定滑車用回転軸19を有する定滑車本体20と、この定滑車本体20を支持する支持部材27により構成されている。なお、これらの張力調整用定滑車の定滑車本体20は、ほぼ同じ直径である。
また、これらの張力調整用定滑車は、第1の実施形態と同様に、滑車設置用架台90の上面側に配置され、定滑車用回転軸19が水平で互いに平行になるように配置されている。さらに、これらの張力調整用定滑車の定滑車本体20の円盤面は、ほぼ同じ平面上に配置されている。
滑車設置用架台90下面側には、6台の張力調整用動滑車、第1張力調整用動滑車61、第2張力調整用動滑車62、第3張力調整用動滑車63、第4張力調整用動滑車64、第5張力調整用動滑車65、および第6張力調整用動滑車66が配置されている。これらの張力調整用動滑車は、動滑車用回転軸21を有する動滑車本体22と、端部固定部材28などにより構成されている。なお、これらの張力調整用動滑車の動滑車本体22は、ほぼ同じ直径である。
端部固定部材28には、昇降用ロープ4を構成する複数のロープのうち少なくとも1本が接続されている。本実施形態では、第1張力調整用動滑車61の端部固定部材28には、第1ロープ31が接続されている。同様に、第2張力調整用動滑車62、第3張力調整用動滑車63、第4張力調整用動滑車64、第5張力調整用動滑車65、および第6張力調整用動滑車66の端部固定部材28には、それぞれ、第2ロープ32、第3ロープ33、第4ロープ34、第5ロープ35、および第6ロープ36が接続されている。
また、これらの張力調整用動滑車は、滑車設置用架台90の上面側に配置され、動滑車用回転軸21が水平で互いに平行になるように配置されている。さらに、これらの張力調整用滑車の動滑車本体22の円盤面は、ほぼ同じ平面上に配置されている。
これらの張力調整用定滑車および張力調整用動滑車は、交互に配置されている。すなわち、端部側から順に、第1張力調整用動滑車61、第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用動滑車62、第2張力調整用定滑車52、第3張力調整用動滑車63、第3張力調整用定滑車53、第4張力調整用動滑車64、第4張力調整用定滑車54、第5張力調整用動滑車65、第5張力調整用定滑車55、第6張力調整用動滑車66、となるように配置されている。なお、これらの滑車の定滑車本体20および動滑車本体22の円盤面は全て、ほぼ同じ平面上に配置されている。
滑車設置用架台90の上面側には張力調整用ロープ50の両端部が固定される第1張力調整用ロープ固定部56および第2張力調整用ロープ固定部57が設けられている。張力調整用ロープ50は、この第1張力調整用ロープ固定部56から、第1張力調整用動滑車61の動滑車本体22に架け渡されて、次に第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20に架け渡される。さらにこの張力調整用ロープ50は、第2張力調整用動滑車62の動滑車本体22へ架け渡される。この先は順に、第2張力調整用定滑車52、第3張力調整用動滑車63、第3張力調整用定滑車53、第4張力調整用動滑車64、第4張力調整用定滑車54、第5張力調整用動滑車65、第5張力調整用定滑車55、および第6張力調整用動滑車66に架け渡される。第6張力調整用動滑車66の動滑車本体22に架け渡された張力調整用ロープ50は、第2張力調整用ロープ固定部57へ接続され固定される。
このとき、張力調整用ロープ50に作用する張力を、次のように定義する。まず、第1張力調整用ロープ固定部56に作用する張力をTu1とする。第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20に架けられた張力調整用ロープ50に作用する張力をTu2とする。同様に、第2張力調整用定滑車52、第3張力調整用定滑車53、第4張力調整用定滑車54、および第5張力調整用定滑車55それぞれの定滑車本体20に架けられた張力調整用ロープ50に作用する張力は、それぞれTu3、Tu4、Tu5、およびTu6と定義する。さらに第2張力調整用ロープ固定部57に作用する張力はTu7と定義している。
同様に、第1張力調整用動滑車61、第2張力調整用動滑車62、第3張力調整用動滑車63、第4張力調整用動滑車64、第5張力調整用動滑車65、および第6張力調整用動滑車66それぞれの動滑車本体22に架けられた張力調整用ロープ50に作用する張力は、それぞれTd1、Td2、Td3、Td4、Td5、およびTd6と定義する。
一方、昇降用ロープ4を構成する複数のロープに作用する張力を、以下のように定義する。第1ロープ31に作用する張力は、F1とする。同様に第2ロープ32、第3ロープ33、第4ロープ34、第5ロープ35、および第6ロープ36に作用する張力は、それぞれF2、F3、F4、F5、およびF6と定義する。これらの張力の関係を式(2)および式(3)に示す。
Tu1=Td1=Tu2=Td2=Tu3=Td3
=Tu4=Td4=Tu5=Td5=Tu6=Td6=Tu7 …(2)
2×Td1=F1、2×Td2=F2、2×Td3=F4、
2×Td4=F4、2×Td5=F5、2×Td6=F6 …(3)
式(2)、式(3)より、
F1=F2=F3=F4=F5=F6…(4)
が成り立つ。
したがって、本実施形態によれば、昇降用ロープ4を構成する複数のロープにおいて、これらのロープに作用する全ての張力を均一にすることが可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明に係るエレベータシステムの第3の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。なお、同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。本実施形態は、第2の実施形態の機能により昇降用ロープ4を構成する全てのロープに作用する張力を均一にすることに加え、省スペース化が可能となる例である。
図9は、図1のエレベータシステムに搭載される本実施形態の張力調整機構5を示す拡大側面図である。図10は、図9のX−X線矢視正面図である。
滑車設置用架台90の上面側は、第1張力調整用定滑車51および第2張力調整用定滑車52が配置されている。これらの張力調整用定滑車は、第1および第2の実施形態と同様に、配置されている。
滑車設置用架台90の下面側は、第1張力調整用連結動滑車71、第2張力調整用連結動滑車72、および第3張力調整用連結動滑車73などが配置されている。
第1張力調整用連結動滑車71は、上方動滑車本体24、下方動滑車本体26、およびこれらを連結し一体化させる連結部材29などにより構成されている。上方動滑車本体24および下方動滑車本体26には、それぞれ上方動滑車用回転軸23および下方動滑車用回転軸25を有している。上方動滑車本体24および下方動滑車本体26は、これらの回転軸23、25が水平で互いに平行になるように配置されて、かつ鉛直方向に並んで配置されている。この状態で、第1張力調整用連結動滑車71は、上方動滑車用回転軸23の端部と下方動滑車用回転軸25の端部を連結部材29により連結し一体化されている。
第2張力調整用連結動滑車72および第3張力調整用連結動滑車73についても、第1張力調整用連結動滑車71と同様に構成されている。なお、これらの張力調整用連結動滑車は、ほぼ同じ直径の滑車本体で構成されている。
第2の実施形態と同様に、これらの張力調整用定滑車および張力調整用連結動滑車は、交互に配置されている。すなわち、端部側から順に、第1張力調整用連結動滑車71、第1張力調整用定滑車51、第2張力調整用連結動滑車72、第2張力調整用定滑車52、第3張力調整用連結動滑車73、となるように配置されている。なお、これらの滑車の定滑車本体20、上方動滑車本体24、および下方動滑車本体26の円盤面は、ほぼ同じ平面上に配置されている。
定滑車本体20および上方動滑車本体24には、少なくとも1本の張力調整用ロープ50が架け渡されるように配置され、張力調整用連結動滑車を支持している。
また、滑車設置用架台90の上面側には、第2の実施形態と同様に、張力調整用ロープ50の両端部が固定される第1張力調整用ロープ固定部56および第2張力調整用ロープ固定部57が設けられている。この張力調整用ロープ50は、第1張力調整用ロープ固定部56から、第1張力調整用連結動滑車71の上方動滑車本体24に架け渡されて、次に第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20に架け渡される。さらに張力調整用ロープ50は、第2張力調整用連結動滑車72の上方動滑車本体24へ架け渡される。この先は順に、第2張力調整用定滑車52の定滑車本体20、第3張力調整用連結動滑車73の上方動滑車本体24に架け渡される。第3張力調整用連結動滑車73の上方動滑車本体24に架け渡された張力調整用ロープ50は、第2張力調整用ロープ固定部57へ接続されて固定される。
昇降用ロープ4は、第1の実施形態と同様に、3本のロープ、すなわち第1ロープ31、第2ロープ32、および第3ロープ33で構成されている。
第1張力調整用連結動滑車71の下方動滑車本体26には、第1ロープ31が架け渡されている。同様に、第2ロープ32が第2張力調整用連結動滑車72の下方動滑車本体26に架け渡されて、第3ロープ33が第3張力調整用連結動滑車73の下方動滑車本体26に架け渡されている。
第1の実施形態と同様に、下方動滑車本体26に架けられる第1ロープ31の両端に作用する張力F1およびF2は等しい。同様に、第2ロープ32の両端に作用する張力F3
およびF4は等しく、第3ロープ33の両端に作用する張力F5およびF6は等しい。
よって、これらをまとめて、第1張力調整用連結動滑車71の下方動滑車本体26に作用する張力をtα、第2張力調整用連結動滑車72の下方動滑車本体26に作用する張力をtβ、第3張力調整用連結動滑車73の下方動滑車本体26に作用する張力をtγとすると、以下に示す式(5)が成り立つ。
F1=F2=tα、F3=F4=tβ、F5=F6=tγ …(5)
このとき、張力調整用ロープ50に作用する張力を、第2の実施形態と同様に定義する。第1張力調整用ロープ固定部56に作用する張力をTu1、第1張力調整用定滑車51の定滑車本体20に作用する張力をTu2、第2張力調整用定滑車52の定滑車本体20に作用する張力をTu3、第2張力調整用ロープ固定部57に作用する張力をTu4と定義する。同様に、第1張力調整用連結動滑車71、第2張力調整用連結動滑車72、および第3張力調整用連結動滑車73それぞれの上方動滑車本体24に作用する張力は、それぞれTm1、Tm2、およびTm3と定義する。これらの張力の関係を式(6)、および式(7)により示す。
Tu1=Tm1=Tu2=Tm2=Tu3=Tm3=Tu4 …(6)
Tm1=tα、Tm2=tβ、Tm3=tγ …(7)
上記の式(5)、式(6)および式(7)から、
F1=F2=F3=F4=F5=F6 …(8)
が成り立つ。
したがって、本実施形態によれば、昇降用ロープ4を構成する複数のロープにおいて、これらのロープに作用する全ての張力を均一にすることが可能である。さらに、第2の実施形態に比べて省スペース化が可能となる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、昇降用ロープ4は、3本または6本に限らない。
また、本実施形態で用いる張力調整機構5は、エレベータシステム以外にも適用でき、例えば、複数のロープで重量物の支持、または移動させるような懸架、牽引、揚重などの
システムには適用することが可能である。
本発明に係るエレベータシステムの第1の実施形態を示す概略正面図である。 図1の実施形態においてかご室用滑車が2つ配置された例を示す概略正面図である。 図2の昇降用ロープに張力が作用している状態を示す概略正面図である。 第1の実施形態における張力調整機構を図1のエレベータシステムに搭載した例を示す拡大側面図である。 図4の正面図である。 図4の変形例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。 第2の実施形態における張力調整機構を図1のエレベータシステムに搭載した例を示す拡大側面図である。 図7のVIII−VIII線矢視図で一部断面の正面図である。 第3の実施形態における張力調整機構を図1のエレベータシステムに搭載した例を示す拡大側面図である。 図9のX−X線矢視正面図である。
符号の説明
1…かご室、2…釣り合い重り、3…巻上機、4…昇降用ロープ、5…張力調整機構、11…かご室用滑車、12…釣り合い重り用滑車、15…昇降路、19…定滑車用回転軸、20…定滑車本体、21…動滑車用回転軸、22…動滑車本体、23…上方動滑車用回転軸、24…上方動滑車本体、25…下方動滑車用回転軸、26…下方動滑車本体、27…支持部材、28…端部固定部材、29…連結部材、31…第1ロープ、32…第2ロープ、33…第3ロープ、34…第4ロープ、35…第5ロープ、36…第6ロープ、41…緩衝ばね、42…倒れ防止部材、50…張力調整用ロープ、51…第1張力調整用定滑車、52…第2張力調整用定滑車、53…第3張力調整用定滑車、54…第4張力調整用定滑車、55…第5張力調整用定滑車、56…第1張力調整用ロープ固定部、57…第2張力調整用ロープ固定部、61…第1張力調整用動滑車、62…第2張力調整用動滑車、63…第3張力調整用動滑車、64…第4張力調整用動滑車、65…第5張力調整用動滑車、66…第6張力調整用動滑車、71…第1張力調整用連結動滑車、72…第2張力調整用連結動滑車、73…第3張力調整用連結動滑車、90…滑車設置用架台

Claims (4)

  1. 昇降路を上下移動するかご室と、
    近接配置される複数のロープにより構成されて前記かご室を上下移動させる昇降用ロープと、
    前記昇降路の上方側に配置される滑車設置用架台と、
    この滑車設置用架台上に回転軸が固定されて少なくとも1本の前記ロープが架けられる張力調整用定滑車と、
    を有することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 前記昇降用ロープは2本以上を有し、少なくとも1本の前記ロープが架けられる前記張力調整用定滑車が複数台配置されること、を特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 昇降路を上下移動するかご室と、
    近接配置される複数のロープにより構成されて前記かご室を上下移動させる昇降用ロープと、
    前記昇降路の上方側に配置される滑車設置用架台と、
    この滑車設置用架台の上面側に回転軸が固定される複数の張力調整用定滑車と、
    前記滑車設置用架台の下面側に配置されて前記昇降用ロープを構成する複数の前記ロープが一対となって接続される複数の張力調整用動滑車と、
    前記張力調整用定滑車と前記張力調整用動滑車を交互に架け渡されて前記張力調整用動滑車を支持する第1の張力調整用ロープと、
    を有することを特徴とするエレベータシステム。
  4. 前記滑車設置用架台の下面側に配置され、前記回転軸が水平となる上方動滑車と下方動滑車を具備しこれらの滑車が鉛直方向に並んで配置され、前記上方動滑車と前記下方動滑車それぞれの前記回転軸を連結部材により連結するように構成される複数の張力調整用連結動滑車と、
    前記張力調整用定滑車と前記上方動滑車とを交互に架け渡されて前記張力調整用連結動滑車を支持する第2の張力調整用ロープと、
    をさらに有し、
    少なくとも1本の前記ロープが前記下方動滑車に架けられるように構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
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