JP2009061803A - 車両用ガス圧式アクチュエータ - Google Patents

車両用ガス圧式アクチュエータ Download PDF

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Tetsuya Ukon
哲哉 右近
Teruaki Tsuchiya
晃章 土屋
Futoshi Okugawa
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Abstract

【課題】火薬の燃焼後においてシリンダ内の圧力を維持すること。
【解決手段】ガス発生剤としての火薬を燃焼させて発生した高圧ガスをシリンダ(21)のガス室(23)に供給してピストン(22)を伸長させるガス発生器(25)を備えている。ガス発生器(25)は、、ピストン(22)を最上位まで伸長させるための第1火薬と、第1火薬が燃焼開始してから所定時間後に燃焼開始される第2火薬とを有している。これにより、ピストン(22)が最上位まで伸長した後においても、ガス室(23)に高圧ガスが補充される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の衝突時にガス発生剤の反応による高圧ガスによって駆動する車両用ガス圧式アクチュエータに関するものである。
従来より、火薬などのガス発生剤の燃焼による高圧ガスを利用して駆動するガス圧式のアクチュエータが知られている。例えば特許文献1のガス圧式アクチュエータは、自動車に設けられ、歩行者に衝突した際、自動車のエンジンフードを強制的に持ち上げて、歩行者の二次衝突の衝撃を緩和するものである。
具体的に、上記特許文献1のガス圧式アクチュエータは、シリンダと、該シリンダに変位自在に収納されるピストンと、シリンダ内に高圧ガスを供給するガス発生器とを備えている。このガス圧式アクチュエータでは、自動車が歩行者に衝突すると、ガス発生器においてガス発生剤を燃焼させ、これによって生じた高圧ガスがシリンダ内に噴出する。そうすると、ピストンがシリンダに対して最上位まで伸長(上昇)し、その結果、エンジンフードが持ち上げられる。これにより、エンジンとエンジンフードとの間に空間が生じる。したがって、衝突した歩行者がエンジンフードの上に落下しても、エンジンフードが大きく変形し、歩行者に対する二次衝突の衝撃が吸収される。
ところで、上記ガス圧式アクチュエータにおいて、ガス発生剤の燃焼後、高圧ガスの温度は急激に低下し、その圧力も低下する。つまり、シリンダ内の圧力が低下してしまう。そうすると、一旦最上位まで伸長したピストンが収縮(下降)し、歩行者が落下するまでにエンジンフードが降下してしまう恐れがある。そこで、上記特許文献1のガス圧式アクチュエータでは、最上位まで伸長したピストンを保持するためのロック手段が設けられている。このロック手段は、ピストンの外周面に形成された周方向溝と、シリンダ(インナシリンダ)の内周面の周方向に嵌め込まれたCリングとで構成されている。このロック手段では、ピストンが最上位まで伸長すると、シリンダのCリングがピストンの周方向溝に係合することにより、ピストンがロックされる。これにより、エンジンとエンジンフードとの空間が確保され、エンジンフードの変形による衝撃吸収作用(即ち、クッション作用)が得られる。
特許第3916585号公報
しかしながら、上述した従来のガス圧式アクチュエータでは、衝撃吸収量が不十分という問題があった。つまり、ピストンがロック手段によってロックされるため、歩行者の落下時にエンジンフードが全く下降できず、エンジンフードの変形によるクッション作用しか望めないという問題があった。エンジンフードは金属製等の比較的硬いものであるため、いくら変形するといっても歩行者に与える衝撃は大きいという問題があった。また、エンジンフードの変形によるクッション作用を十分得ようとすれば、エンジンフードとエンジンとの距離を稼ぎ、十分な変形代を採る必要がある。そうすると、ピストンのストロークが長くなり、アクチュエータが大型化してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用のガス圧式アクチュエータにおいて、大型化させることなく、十分なクッション作用を得ることである。
第1の発明は、シリンダ(21)と、該シリンダ(21)内に挿入されて上記シリンダ(21)との間でガス室(23)を形成するピストン(22)と、ガス発生剤を反応させて発生した高圧ガスを上記ガス室(23)に供給して上記ピストン(22)を上記シリンダ(21)に対して伸長させるガス発生器(25)とを備え、上記ピストン(22)の伸長動作により車両のエンジンフードを持ち上げる車両用ガス圧式アクチュエータを前提としている。そして、本発明は、上記ピストン(22)を最上位まで伸長させた後において、上記ガス室(23)に圧力を補充する圧力補充手段を備えているものである。
上記の発明では、車両が歩行者に衝突すると、ガス発生器(25)における火薬などのガス発生剤が反応(例えば、燃焼)して、それによって生じた高圧ガスがシリンダ(21)のガス室(23)に供給される。そうすると、高圧ガスがピストン(22)に作用して、該ピストン(22)がシリンダ(21)に対して最上位(即ち、ストロークエンド)まで伸長する。つまり、ピストン(22)がシリンダ(21)から押し出される。これにより、車両のエンジンフードが所定位置まで持ち上げられる。このままでは、ガス室(23)の圧力が低下してしまい、エンジンフードを保持できなくなる。
ところが、本発明では、ピストン(22)が最上位まで伸長した後も、圧力補充手段によってガス室(23)に圧力が補充されるので、ガス室(23)の圧力が所定値に維持され、エンジンフードが所定位置で保持される。これにより、エンジンフードの変形代(変形空間)が確保される。したがって、歩行者がエンジンフードに落下した際、エンジンフードは十分に変形し、その変形によるクッション作用が発揮される。さらに、ガス室(23)が所定の高圧に維持されるので、歩行者がエンジンフードに落下した際、ピストン(22)(即ち、エンジンフード)は急激には降下せずに比較的ゆっくりと降下する。したがって、このエンジンフードの緩やかな降下によるクッション作用が発揮される。このように、本発明では、エンジンフードの変形によるクッション作用だけでなく、エンジンフードの緩やかな降下によるクッション作用が得られる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ガス発生器(25)は、上記圧力補充手段を備えている。そして、上記圧力補充手段は、反応時間が互いに異なり且つ同時に反応開始される第1ガス発生剤および第2ガス発生剤を有し、上記ピストン(22)が最上位まで伸長した後も上記反応時間の長い第1ガス発生剤または第2ガス発生剤が引き続き反応し続けるように構成されているものである。
上記の発明では、車両が歩行者に衝突すると、ガス発生器(25)において第1ガス発生剤および第2ガス発生剤の両方が同時に反応を開始し、それによって生じた高圧ガスがシリンダ(21)のガス室(23)に供給される。そうすると、ピストン(22)がシリンダ(21)に対して最上位(即ち、ストロークエンド)まで伸長し、エンジンフードが所定位置まで持ち上げられる。この状態では、第1ガス発生剤は反応を完了しているが、第2ガス発生剤は引き続き反応している。したがって、ピストン(22)が最上位まで伸長した後も、ガス発生器(25)からガス室(23)に高圧ガスが供給され続ける。つまり、圧力が補充される。これにより、ガス室(23)の圧力低下が防止され、ガス室(23)の圧力が所定値に維持される。その結果、エンジンフードの変形によるクッション作用と、エンジンフードの緩やかな降下によるクッション作用とが得られる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記ガス発生器(25)は、上記圧力補充手段を備えている。そして、上記圧力補充手段は、上記ピストン(52)を最上位まで伸長させるための第1ガス発生剤と、該第1ガス発生剤が反応開始してから所定時間後に反応開始される第2ガス発生剤とを有しているものである。
上記の発明では、車両が歩行者に衝突すると、ガス発生器(25)において先ず第1ガス発生剤が反応し、高圧ガスがガス室(23)に供給される。これにより、ピストン(22)が最上位まで伸長し、エンジンフードが所定位置まで持ち上げられる。そして、第1ガス発生剤が反応開始してから所定時間後に第2ガス発生剤が反応開始する。例えば、ピストン(22)が最上位まで伸長するタイミングで第2ガス発生剤が反応開始する。したがって、ピストン(22)が最上位まで伸長した後も、ガス発生器(25)からガス室(23)に高圧ガスが供給され続ける。つまり、圧力が補充される。これにより、ガス室(23)の圧力低下が防止され、ガス室(23)の圧力が所定値に維持される。その結果、エンジンフードの変形によるクッション作用と、エンジンフードの緩やかな降下によるクッション作用とが得られる。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1の発明において、上記圧力補充手段の圧力補充時に、上記ガス室(23)のガスを排出して該ガス室(23)の圧力を調整する圧力調整弁(26)を備えているものである。
上記の発明では、ピストン(22)が最上位まで伸長した後において、ガス室(23)に圧力が補充されるが、ガス室(23)の圧力が所定値に維持されるように、圧力調整弁(26)によってガス室(23)が排気される。これにより、ガス室(23)の圧力が必要以上に高くなるのを確実に防止できる。
したがって、本発明によれば、ガス発生剤の反応後においても、ガス室(23)に圧力を補充するようにしたので、ガス室(23)の圧力を所定値に維持することができる。これにより、歩行者がエンジンフードに落下した際、エンジンフードを十分に変形させることができると共に、エンジンフードを緩やかに降下させることができる。その結果、エンジンフードの変形によるクッション作用だけでなく、エンジンフードの緩やかな降下によるクッション作用を得ることができる。よって、歩行者に与える衝撃を一層吸収することができ、歩行者の安全性を向上させることができる。また、エンジンフードをそれ程高く持ち上げなくてもクッション作用を確保できるため、ピストン(22)の伸長距離(即ち、ストローク)が短くてすむ。よって、アクチュエータ(20)の大型化を防止することができる。
また、第2の発明によれば、反応時間が互いに異なる2種類のガス発生剤を備えるようにし、また第3の発明によれば、2つのガス発生剤において反応開始のタイミングをずらすようにした。したがって、何れの発明も、簡易且つコンパクトな構成によってガス室(23)に圧力を補充し、ガス室(23)内を所定の圧力に維持することができる。
また、第4の発明によれば、圧力調整弁(26)を設けるようにしたので、圧力補充手段の圧力補充時にガス室(23)の圧力が必要以上に高くなるのを確実に防止することができる。これにより、一定のクッション作用を得ることができると共に、シリンダ(21)等の破壊を確実に回避することができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の火薬式アクチュエータ(20)(以下、単にアクチュエータ(20)という。)は、自動車(1)の前方側のエンジンルーム(2)内に設けられ、本発明に係るガス圧式アクチュエータを構成している。エンジンルーム(2)は、その内部に図示しないエンジンが搭載され、その上部に開閉自在なエンジンフード(3)が設けられている。アクチュエータ(20)は、エンジンフード(3)の下方に配設され、自動車(1)が歩行者に衝突した際に、エンジンフード(3)を強制的に持ち上げる(リフトアップする)ものである(図3参照)。
具体的に、上記エンジンルーム(2)には、上述したアクチュエータ(20)と、衝突センサ(11)と、コントローラ(12)とが設けられている。そして、これらアクチュエータ(20)、衝突センサ(11)およびコントローラ(12)は、エンジンフード(3)を制動して、歩行者の二次衝突の衝撃を緩和するための安全装置を構成している。
図2に示すように、上記アクチュエータ(20)は、シリンダ(21)と、該シリンダ(21)に挿入されるピストン(22)と、ガス発生器(25)と、レギュレータ(26)とを備えている。
上記シリンダ(21)は、円筒状に形成され、上端部が開口し下端部が閉塞されている。そして、上端部の開口部分にはブッシュ(24)が取り付けられている。このブッシュ(24)は、その長さ方向に貫通するブッシュ孔が形成されている。
上記ピストン(22)は、シリンダ(21)の内径よりも小径の円柱状に形成されたロッド部(2b)と、該ロッド部(2b)の下端(図2の下側)に接続されたピストン本体部(2a)と、ロッド部(2b)の上端(図2の上側)に接続されたヘッド部(2c)とで構成されている。ピストン本体部(2a)は、扁平な円柱状に形成され、その外周面がシリンダ(21)の内周面に摺接するように構成されている。ロッド部(2b)は、ブッシュ孔に挿通され、摺動自在に支持されている。ヘッド部(2c)は、シリンダ(21)の外側に露出している。
上記ピストン(22)は、シリンダ(21)に対して進退(伸縮)するように構成されている。そして、ピストン(22)は、伸長動作すると、ヘッド部(2c)がエンジンフード(3)に当接して持ち上げるように構成されている。また、ピストン本体部(2a)とシリンダ(21)の内周面とで囲まれた空間がガス室(23)になっている。
上記ガス発生器(25)は、シリンダ(21)の下端に設けられている。このガス発生器(25)は、密閉容器内に、何れも図示しないガス発生剤としての火薬と該火薬を燃焼(反応)させるための着火装置とが収納されている。ガス発生器(25)は、火薬を着火燃焼させ、それによって生じた高圧ガスをシリンダ(21)のガス室(23)に噴出するように構成されている。つまり、ガス発生器(25)は、ガス発生剤を反応させて高圧ガスを発生させる。
そして、上記ガス発生器(25)は、本発明の特徴として、火薬が第1部(第1火薬、即ち第1ガス発生剤)と第2部(第2火薬、即ち第2ガス発生剤)とに区分されて収納されている。第2部の火薬は、第1部の火薬よりも遅いタイミングで着火されるように構成されている。具体的に、第1部の火薬は、燃焼による高圧ガスがガス室(23)に噴出してピストン(22)を最上位まで伸長させるためのものである。第2部の火薬は、ピストン(22)が最上位まで伸長した状態において、燃焼による高圧ガスがガス室(23)に噴出して該ガス室(23)に圧力を補充するためのものである。つまり、本実施形態のガス発生器(25)は、ガス発生器(25)からガス室(23)への高圧ガスの噴出タイミングが2段階になっている。このように、本実施形態のガス発生器(25)は、2つのガス発生剤を有し、これらの反応開始のタイミングをずらすことによってガス室(23)に圧力を補充する圧力補充手段を備えている。
上記レギュレータ(26)は、シリンダ(21)の下端寄りの側部に設けられている。このレギュレータ(26)は、ガス室(23)のガスを排気するためのもので、その排気量が調整可能に構成されている。つまり、レギュレータ(26)は、圧力調整弁を構成している。
上記衝突センサ(11)は、自動車(1)の前端部に設けられている。この衝突センサ(11)は、歩行者が自動車(1)の前端部に衝突すると、その衝突を感知する衝突感知手段である。そして、衝突センサ(11)は、衝突を感知すると、衝突感知信号を出力する。
上記コントローラ(12)は、衝突センサ(11)の衝突感知信号が入力される。コントローラ(12)は、アクチュエータ(20)のガス発生器(25)およびレギュレータ(26)を制御するものである。具体的に、コントローラ(12)は、衝突感知信号が入力されると、第1部の火薬を着火燃焼させるための着火信号(以下、第1着火信号という。)をガス発生器(25)の着火装置に出力するように構成されている。また、コントローラ(12)は、第1着火信号を出力してから所定時間後に、第2部の火薬を着火燃焼させるための着火信号(以下、第2着火信号という。)を着火装置に出力するように構成されている。さらに、コントローラ(12)は、第2着火信号の出力後において、ガス室(23)の圧力が所定圧力になるように、駆動信号をレギュレータ(26)に出力してレギュレータ(26)の開閉およびその開度を調整する。つまり、レギュレータ(26)の排気量が調整される。
−アクチュエータの動作−
次に、上記アクチュエータ(20)の駆動動作について説明する。
自動車(1)が歩行者に衝突すると、衝突センサ(11)が感知して衝突感知信号がコントローラ(12)に出力される。そして、コントローラ(12)から第1着火信号がアクチュエータ(20)のガス発生器(25)における着火装置に出力される。
図4に示すように、第1着火信号がガス発生器(25)に送られると、着火装置が作動して、先ず、第1部の火薬が燃焼を開始する。第1部の火薬が燃焼すると、ガス発生器(25)の密閉容器に高圧ガスが発生し、その高圧ガスがシリンダ(21)のガス室(23)に噴出する。そうすると、図5に示すように、高圧ガスがピストン本体部(2a)に作用し、ピストン(22)が最上位まで一気に伸長(上昇)する。つまり、ピストン(22)は、ピストン本体部(2a)がシリンダ(21)のブッシュ(24)に当接するまで伸長する。このピストン(22)の伸長に伴って、エンジンフード(3)が所定位置まで一気に持ち上げられる(図3参照)。この時点では、ガス室(23)が所定の高圧になっている。また、レギュレータ(26)は閉じられており、ガス室(23)からガスは排気されない。
次に、第1着火信号がガス発生器(25)に送られてから所定時間後に、コントローラ(12)から第2着火信号がガス発生器(25)に出力される。具体的には、例えば、エンジンフード(3)が上記所定位置の少し手前まで持ち上げられるタイミングで第2着火信号が出力される。第2着火信号がガス発生器(25)に送られると、着火装置が再び作動して、第2部の火薬が燃焼を開始する(図5参照)。そうすると、密閉容器に高圧ガスが再び発生してガス室(23)に噴出し、ガス室(23)に圧力が補充(供給)される。これにより、ガス室(23)において、圧力低下が防止され、所定の高い圧力が維持される。つまり、ピストン(22)が最上位まで伸長した後も、高圧ガスがガス室(23)に噴出するため、ガス室(23)の圧力が維持される。したがって、ピストン(22)が最上位の位置で保持され、エンジンフード(3)の降下が防止される。
上記の状態において、衝突後の歩行者がエンジンフード(3)に落下すると、エンジンフード(3)が変形する。この変形により、エンジンフード(3)への落下による衝撃が吸収される。また、歩行者がエンジンフード(3)に落下すると、図6に示すように、ピストン(22)が収縮(下降)する。ここで、ガス室(23)が所定の高圧に維持されているため、ピストン(22)は急激には収縮せずに比較的ゆっくりと収縮する。即ち、エンジンフード(3)がゆっくり降下する。このエンジンフード(3)の緩やかな降下により、エンジンフード(3)への落下による衝撃がさらに吸収される。つまり、本実施形態では、エンジンフード(3)の変形によるクッション作用と、エンジンフード(3)の降下によるクッション作用とが発揮される。したがって、歩行者に与える衝撃が一層緩和される。
また、第2部の火薬が燃焼を開始してから歩行者がエンジンフード(3)に落下するまでの間、ガス室(23)が必要以上の高い圧力にならないように、コントローラ(12)によってレギュレータ(26)が制御される。具体的に、第2部の火薬が燃焼した際には、高圧ガスがガス室(23)に噴出することによって、また歩行者がエンジンフード(3)に落下した際には、ピストン(22)が収縮することによって、何れの際にもガス室(23)の圧力が必要以上に高くなる恐れがある。しかし、本実施形態では、ガス室(23)の圧力が所定値に維持されるように、レギュレータ(26)が開いてガス室(23)からの排気量が調節される。これにより、一定のクッション作用が確保されると共に、シリンダ(21)等の破壊が防止される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、ガス発生器(25)に第1部の火薬と第2部の火薬を備え、先ず該1部の火薬を燃焼させ、その所定時間後に第2部の火薬を燃焼させるようにした。つまり、本実施形態では、第1部の火薬と第2部の火薬の着火タイミングをずらすようにした。したがって、ピストン(22)を最上位まで伸長させた後も、ガス室(23)に高圧ガス(即ち、圧力)を補充することができる。これにより、ガス室(23)の圧力低下を防止して、ガス室(23)の圧力を所定値に維持することができる。よって、エンジンフード(3)の必要な変形代(変形空間)を確保できると共に、ピストン(22)の緩やかな収縮作用を得ることができる。つまり、エンジンフード(3)の変形によるクッション作用と、エンジンフード(3)の緩やかな降下によるクッション作用とを発揮させることができる。その結果、衝撃吸収力を向上させることができ、歩行者に対する二次衝突の安全性を一層図ることができる。
また、上記のように衝撃吸収力が向上するため、エンジンフード(3)をそれ程高くまで持ち上げなくてもよい。したがって、ピストン(22)の伸長距離(即ち、ストローク)が短くてすむ。よって、アクチュエータ(20)の大型化を防止することができる。
また、本実施形態によれば、レギュレータ(26)を設けるようにしたので、第2部の火薬の燃焼時およびエンジンフード(3)の降下時の何れにおいても、ガス室(23)の圧力を所定値に確実に維持することができる。したがって、一定のクッション作用を確実に得ることができると共に、シリンダ(21)等の破壊を確実に防止することができる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態の変形例について説明する。この変形例は、上記実施形態において、圧力補充手段の構成、即ちガス発生器(25)の火薬の構成および着火のタイミングを変更したものである。
本変形例のガス発生器(25)は、密閉容器に、燃焼時間の異なる2種類(第1火薬と第2火薬)の火薬を備えている。具体的に、第2火薬は、第1火薬に比べて、着火してから燃焼が完了するまでに要する時間が長い、即ち反応時間が長い。そして、これら第1火薬および第2火薬は、着火装置によって同時に着火燃焼されるように構成されている。つまり、第1火薬および第2火薬が同時に着火して、第1火薬が燃焼完了するタイミングでピストン(22)が最上位まで伸長し、その後も引き続き第2火薬は燃焼し続けるように構成されている。
本変形例では、衝突センサ(11)からコントローラ(12)に衝突感知信号が入力されると、コントローラ(12)からガス発生器(25)の着火装置に着火信号が出力され、第1火薬および第2火薬が同時に着火される。そうすると、高圧ガスがガス室(23)に噴出し、ピストン(22)が最上位まで一気に伸長する。このタイミングで第1火薬の燃焼が完了するが、第2火薬は引き続き燃焼し続けている。したがって、ガス室(23)には、引き続き高圧ガスが供給される。つまり、ピストン(22)が最上位まで伸長した後において、圧力がガス室(23)に補充される。これにより、ガス室(23)の圧力低下が防止される。よって、ガス室(23)の圧力が所定値に維持されると共に、エンジンフード(3)が所定位置で保持される。その結果、本変形例においても、エンジンフード(3)の変形によるクッション作用と、エンジンフード(3)の緩やかな降下によるクッション作用とを発揮させることができる。その他の構成、作用および効果は、上記実施形態と同様である。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態の変形例では、ガス発生器(25)において、燃焼時間が互いに異なる2種類(第1火薬および第2火薬)を備えるようにしたが、燃焼時間の長い1種類の火薬を用いるようにしてもよい。その場合、ガス発生器(25)においては、火薬は、自動車(1)の衝突時に燃焼を開始し、ピストン(22)が最上位に伸長したその後においても燃焼し続ける。これにより、ガス室(23)に圧力が補充され、ガス室(23)の圧力低下が防止される。
また、上記実施形態では、ガス発生器(25)が圧力補充手段を備えるようにしたが、本発明はこれに限らず、ピストン(22)が最上位まで伸長した後において、ガス室(23)に高圧ガス(圧力)を補充する補充装置をガス発生器(25)とは別に設けるようにしてもよい。その場合、ガス発生器(25)の火薬が燃焼を開始してから所定時間後に、補充装置から高圧ガスがガス室(23)に供給される。したがって、この場合も、ピストン(22)が最上位まで伸長した後において、ガス室(23)の圧力低下が防止される。
また、上記実施形態では、ガス発生剤として火薬を用いるようにしたが、これに限らず、反応して高圧ガスを発生するガス発生剤であれば如何なるものを用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、レギュレータ(26)を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、自動車(1)のエンジンフード(3)を持ち上げるための火薬式アクチュエータ(20)について説明したが、持ち上げる対象物は他のものであってもよい。
なお、上記実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、車両に設けられ、ガス発生剤の反応によってピストンを駆動する車両用ガス圧式アクチュエータとして有用である。
実施形態に係る火薬式アクチュエータが設けられた自動車の前方部を示す側面図である。 実施形態に係る火薬式アクチュエータを示す縦断面図である。 自動車のエンジンフードが押し上げられた状態を示す側面図である。 実施形態に係る火薬式アクチュエータの動作状態を説明するための縦断面図である。 実施形態に係る火薬式アクチュエータの動作状態を説明するための縦断面図である。 実施形態に係る火薬式アクチュエータの動作状態を説明するための縦断面図である。
符号の説明
1 自動車
2 エンジンルーム
3 エンジンフード
11 衝突センサ(衝突検出手段)
20 火薬式アクチュエータ(ガス圧式アクチュエータ)
21 シリンダ
22 ピストン
23 ガス室
25 ガス発生器
26 レギュレータ(圧力調整弁)

Claims (4)

  1. シリンダ(21)と、該シリンダ(21)内に挿入されて上記シリンダ(21)との間でガス室(23)を形成するピストン(22)と、ガス発生剤を反応させて発生した高圧ガスを上記ガス室(23)に供給して上記ピストン(22)を上記シリンダ(21)に対して伸長させるガス発生器(25)とを備え、上記ピストン(22)の伸長動作により車両のエンジンフードを持ち上げる車両用ガス圧式アクチュエータであって、
    上記ピストン(22)を最上位まで伸長させた後において、上記ガス室(23)に圧力を補充する圧力補充手段を備えている
    ことを特徴とする車両用ガス圧式アクチュエータ。
  2. 請求項1において、
    上記ガス発生器(25)は、上記圧力補充手段を備え、
    上記圧力補充手段は、反応時間が互いに異なり且つ同時に反応開始される第1ガス発生剤および第2ガス発生剤を有し、上記ピストン(22)が最上位まで伸長した後も上記反応時間の長い第1ガス発生剤または第2ガス発生剤が引き続き反応し続けるように構成されている
    ことを特徴とする車両用ガス圧式アクチュエータ。
  3. 請求項1において、
    上記ガス発生器(25)は、上記圧力補充手段を備え、
    上記圧力補充手段は、上記ピストン(52)を最上位まで伸長させるための第1ガス発生剤と、該第1ガス発生剤が反応開始してから所定時間後に反応開始される第2ガス発生剤とを有している
    ことを特徴とする車両用ガス圧式アクチュエータ。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    上記圧力補充手段の圧力補充時に、上記ガス室(23)のガスを排出して該ガス室(23)の圧力を調整する圧力調整弁(26)を備えている
    ことを特徴とする車両用ガス圧式アクチュエータ。
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