JPH08175312A - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器

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Publication number
JPH08175312A
JPH08175312A JP6336408A JP33640894A JPH08175312A JP H08175312 A JPH08175312 A JP H08175312A JP 6336408 A JP6336408 A JP 6336408A JP 33640894 A JP33640894 A JP 33640894A JP H08175312 A JPH08175312 A JP H08175312A
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JP
Japan
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gas
combustion chamber
chamber
pressure
generating agent
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JP6336408A
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English (en)
Inventor
Yuichi Itabashi
雄一 板橋
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Sensor Technology Co Ltd Japan
Original Assignee
Sensor Technology Co Ltd Japan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼室の内圧安定化が不要なガス発生器を提
供する。 【構成】 エアバッグ用ガス発生器において、ガス発生
剤(34)を収納し、該ガス発生剤(34)を燃焼させ
る燃焼室(30)と、この燃焼室(30)内で発生する
燃焼ガスを減圧してエアバッグに放出する減圧室(4
1、57)と、前記燃焼室(30)と減圧室(41、5
7)とを連通するガス孔(29)とを有し、前記ガス孔
(29)の開口面積が、前記ガス発生剤の(34)の大
部分の燃焼中は前記燃焼室内の内圧を上昇させるに十分
な程小さいものであり、且つ前記燃焼室(30)は、内
圧の上昇に耐え得る程度の耐圧容器(21、52)で構
成されているものであり、さらに好ましくは、前記燃焼
室(30)を、その内部のガス発生剤(34)の全てが
燃焼した際に発生するガスを該燃焼室(30)に閉じ込
めたと仮定した場合に生じる圧力上昇に耐え得る程度の
耐圧容器(21、52)で構成してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエアバッグ装
置に使用されるガス発生器に係わり、特に圧力依存性の
高いガス発生剤を使用する小容量のガス発生器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のエアバッグ用ガス発生器
の概要を助手席用のガス発生器を例に取り、図4及び図
5に基づき説明する。図4は助手席用ガス発生器の断面
図、図5は燃焼室の内圧の変化を示すグラフ図である。
図4において、ガス発生器1は、2重円筒状の容器2を
備えている。そして、容器2の内筒3内を点火室52と
燃焼室51に区画してガス孔7で連通し、点火室52に
点火部材6を燃焼室51にガス発生剤8を収納するとと
もに、燃焼室51の壁にガス孔4を設け、内筒3と外筒
4との間に空間に環状のガスフィルタを配置し、外筒4
にガス放出孔5を設けている。ガス発生剤8はペレット
形状であり、通常アジ化ソーダに代表されるアジ化系の
薬剤が使用される。このような構成のガス発生器1は、
車両の衝突が検知されると、点火部材6が発火し、その
熱によりガス発生剤8が燃焼してガスを発生する。そし
て、発生したガスは矢印で示すようにガス孔4、ガスフ
ィルタ9、ガス放出孔5を順次通過して冷却、清浄化さ
れて外部に放出される。
【0003】ところで、ガス発生器からのガス放出速度
は、エアバッグ装置に合わせて所定値に設定されてお
り、上述の従来のガス発生器1は、外部へのガス放出速
度をガス発生剤8の燃焼速度によってコントロールして
いる。この燃焼速度は、dz/dt=A・φ(z)・
(p/p0 n の式で表される。ここで、zは燃焼の割
合、tは時間、Aはガス発生剤の物性により決まる定
数、φ(z)はガス発生剤の形状関数、Pは燃焼室の内
圧、P0 は燃焼室の初期の内圧(通常は大気圧)、nは
ガス発生剤の種類により異なり、圧力依存性を表す指数
である。従って、ガス発生剤8の燃焼速度はその形状と
燃焼室51の内圧Pによって決まる。一方、この燃焼室
51の内圧Pは、該ガス発生剤8の燃焼速度とガス孔4
からのガス放出速度に依存する。すなわち、内圧Pは、
ガス発生剤8の燃焼によるガスの生成速度とガス孔4か
らのガス放出速度の差分により燃焼室内に蓄積されるガ
ス量に応じたものとなる。この関係を図5により説明す
る。図5において、ガス発生剤は燃焼室の内圧Pが図示
するような山形のカーブ10(以下燃焼カーブという)
を描いて推移するように所定の燃焼速度で燃焼し、この
内圧Pに応じた所定の放出速度でガスが外部に供給され
る。そして、図4のガス孔4はガス発生剤8に対し、こ
のような燃焼カーブ10を与えるような所定の開口面積
に設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述の従
来のエアバッグ用ガス発生器では、外部へのガス放出速
度をガス発生剤8の燃焼速度によってコントロールして
いるため、このガス発生剤8の燃焼速度をコントロール
すべく、ガス発生剤の形状の精度を上げる等の工夫がな
されている。また、ガス発生剤8として、上述のアジ化
系薬剤に代えてスラグの発生が少ないトリアミノグラニ
ジンナイトレート(TAGN)、5−アミノテトラゾー
ル(5−ATZ)、アゾジカルボンアミド(ADCA)
等のC,H,O,N等のガス化元素のみからなるものや
ニトロセルロース等の非アジ化系薬剤に酸化剤を加えた
ものを使用する場合は、その圧力依存性が高く、爆発的
燃焼の可能性がある。このため、例えばガス孔4の開口
面積を変化させ、図5に点線で示すように燃焼カーブに
平坦部60与えるように燃焼室の内圧Pを制御してその
燃焼の安定化を図る方式の提案されている。このよう
に、上述の従来のガス発生器では、燃焼室の内圧安定化
が必要であるという問題点があった。
【0005】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、燃焼室の内圧安定化が不要なエアバッグ用ガス
発生器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明におけるエアバッグ用ガス発生器は、ガス発
生剤を収納し、該ガス発生剤を燃焼させる燃焼室と、こ
の燃焼室内で発生する燃焼ガスを減圧してエアバッグに
放出する減圧室と、前記燃焼室と減圧室とを連通するガ
ス孔とを有し、前記ガス孔の開口面積が、前記ガス発生
剤のの大部分の燃焼中は前記燃焼室内の内圧を上昇させ
るに十分な程小さいものであり、且つ前記燃焼室は、内
圧の上昇に耐え得る程度の耐圧容器で構成されているも
のとすることができる。
【0007】また、前記燃焼室を、その内部のガス発生
剤の全てが燃焼した際に発生するガスを該燃焼室に閉じ
込めたと仮定した場合に生じる圧力上昇に耐え得る程度
の耐圧容器で構成してなるものとすることができる。
【0008】また、前記エアバッグ用ガス発生器は、両
端が閉鎖された円筒状であって、前記耐圧容器を構成す
る両端が閉鎖された第1の円筒部材に、内部が前記減圧
室を構成する一端が閉鎖された第2の円筒部材が直列に
接続されてなり、前記第1の円筒部材は、内部が仕切り
部材によって直列に2室に分割され、前記減圧室に隣接
する側には燃焼室が、他の側には点火室がそれぞれ形成
され、前記燃焼室と減圧室との間の側面には前記ガス孔
が設けられ、前記点火室内には点火手段が配置され、該
点火室と燃焼室との間の仕切り部材には、点火室から燃
焼室に火炎を導入する伝火孔が形成され、前記第2の円
筒部材は、周壁にガス放出孔を有してなるものとするこ
とができる。
【0009】また、前記減圧室は、内部に燃焼室を有す
る耐圧容器囲繞するように形成されており、該耐圧容器
の一端には、点火室が形成されているものとすることが
できる。
【0010】また、前記エアバッグが、側突用又は後突
用の小型エアバッグであるものとすることができる。
【0011】また、ガス発生剤が、C,H,N,O等の
ガス化元素のみからなる薬剤を主成分とするものである
とすることができる。
【0012】
【作用】上記構成によれば、ガス孔の開口面積を、ガス
発生剤の大部分の燃焼中はガス圧を上昇させる程度に小
さくするので、ガス発生剤は激しく燃焼して、相対的に
高い圧力上昇を生じる。この際、燃焼室は、この圧力上
昇に耐える程度の耐圧容器で構成されているので、ガス
発生剤の圧力依存性と無関係な燃焼室となり、且つ燃焼
室で発生した高圧ガスを減圧室で減圧してエアバッグに
放出するので、従来のような燃焼室の内圧安定化が不要
となる。
【0013】また、燃焼室を、その内部のガス発生剤の
全てが燃焼した際に発生するガスを該燃焼室に閉じ込め
たと仮定した場合に生じる圧力上昇に耐え得る程度の耐
圧容器で構成してなるものとすると、実際の安全率をさ
らに向上させることができる。
【0014】また、ガス発生器は、両端が閉鎖された円
筒状であって、耐圧容器を構成する両端が閉鎖された第
1の円筒部材に、内部が減圧室を構成する一端が閉鎖さ
れた第2の円筒部材が直列に接続されてなり、前記第1
の円筒部材は、内部が仕切り部材によって直列に2室に
分割され、前記減圧室に隣接する側には燃焼室が、他の
側には点火室がそれぞれ形成され、前記燃焼室と減圧室
との間の側面には前記ガス孔が設けられ、前記点火室内
には点火手段が配置され、該点火室と燃焼室との間の仕
切り部材には、点火室から燃焼室に火炎を導入する伝火
孔が形成され、前記第2の円筒部材は、周壁にガス放出
孔を有してなるものとすると、耐圧容器が円筒形状であ
るため強度上最適なものとなり、また、ガス発生器全体
が長尺の円筒形状となってコンパクトになり、取付スペ
ースの狭い側突用のサイドエアバッグ又は後突用のヘッ
ドレストに内に装着されるエアバッグ等に使用されるガ
ス発生器に適したものとなる。
【0015】また、減圧室は、内部に燃焼室を有する耐
圧容器囲繞するように形成されており、該耐圧容器の一
端には、点火室が形成されているものとすると、ガス発
生器全体が短円筒状となり、運転席エアバッグ用に適し
たものとなる。
【0016】また、エアバッグが、側突用又は後突用の
小型エアバッグであるものとすると、耐圧容器は強度上
小容量である程無理なく作成可能であることから、最適
な側突用又は後突用のエアバッグ用ガス発生器となる。
【0017】また、ガス発生剤が、C,H,N,O等の
ガス化元素のみからなる薬剤を主成分とするものである
とすると、これらの圧力依存性の高いガス発生剤を用い
ても燃焼室の内圧安定化手段を必要とすることなくガス
フィルタを不要とすることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。まず、本発明の側突用又は後突用ガス発
生器への適用例である第1実施例を図1及び図2により
説明する。図1は本発明のガス発生器の断面図、図2は
燃焼室及び減圧室の内圧変化を示すグラフ図である。
【0019】まず、図1により構成を説明する。図1に
おいて、ガス発生器20は、円筒容器状の第1ハウジン
グ21(耐圧容器)とこの第1ハウジング21の側面に
設けられた有底円筒状の第2ハウジング35とからな
る。有底円筒22の開口側内面に段部22aが設けら
れ、該段部22aからやや離れた位置から先端にかけて
ネジが設けられている。そして、前記段部22aに当接
するように、底部に伝火孔28を有する有底円筒状の仕
切り部材19が嵌挿され、該仕切り部材19を保持する
ように円筒状のスクイブケース25が螺合され、さらに
該スクイブケース25が、中央に貫通孔26を有する円
板状のスクイブ押さえ23により螺止されている。この
有底円筒22、スクイブケース25及びスクイブ押さえ
23が第1ハウジング21を構成する。そして、仕切り
部材19と底部(側面)22bとの間に形成された空間
が燃焼室30を構成し、該燃焼室30にガス発生剤34
が収納され、前記底部22bに小径のガス孔29が開口
している。また、仕切り部材19の内部31に伝火薬3
3が配置収納され、スクイブケース25中にスクイブ3
2が炎道27で前記伝火薬33に連通するように、且つ
埋め込むようにして収納され、該スクイブ32のリード
線60がスクイブ押さえ23の貫通孔26から外部に導
出されている。前記スクイブ32と伝火薬33とが点火
手段を構成する。このように耐圧容器である第1ハウジ
ング21内にこれらの点火手段32、33を収納するこ
とにより第1ハウジング21の構造が簡単なものとなっ
ている。また、スクイブ32をスクイブケース25中に
埋め込むようにして収納したのは第1ハウジング全体の
耐圧性を考慮したものである。そして、ガス発生剤34
には、例えば前述したTAGN,ADCA,5−ATZ
等のC,H,O,N等のガス化元素で構成される非アジ
化系の薬剤が使用される。
【0020】そして、第2ハウジング35は、円筒36
の一端に円板状の蓋部材37が螺合されてなる有底円筒
状であって、この第2ハウジング35の先端が前記第1
ハウジング21の側面22bに溶接等により接続されて
いる。第2ハウジング35の内部は減圧室41を構成す
るとともに、該減圧室41の底面に沿ってガス温度調整
用の第1冷却材39が、内周に沿って主にガス圧力調整
用の第2冷却材40が配置され、さらに周面にはガス放
出孔38が開口している。そして、ガス放出孔38の総
開口面積は、後述する小径のガス孔29の総開口面積よ
りはるかに大きなものとなっている。これは、燃焼室3
0の内圧が実質的に小径のガス孔29で拘束されるよう
にするためである。また、ガス放出孔38の開口面積及
び第2冷却部材40の流体抵抗は、減圧室41の内圧P
2により所定の速度でガスが外部へ放出されるように設
定されている。図2において、62は減圧室の内圧P2
の変化の、そして63はガス放出孔38から放出される
ガスを例えば60リットルタンクへ供給した場合の該タ
ンクの内圧Ptの変化の測定例をそれぞれ示す。すなわ
ち、ガス放出孔38の開口面積及び第2冷却部材40の
流体抵抗は、カーブ62で表される減圧室の内圧P2に
対し、タンク内圧Ptが図示するようなカーブ63を描
くようなガス放出速度となるように設定される。また、
第1冷却材39、第2冷却材40にはステンス等の耐熱
性材料からなる金網等が使用される。
【0021】ここで、ガス孔29の開口面積は、以下の
ように設定される。すなわち、燃焼室30の容積及びガ
ス発生剤34の形状、圧力依存性(指数n)が一定であ
れば、燃焼室30の内圧P1及びこの内圧P1に依存す
るガス発生剤34の燃焼速度は該ガス孔29の開口面積
により一義的に定まる。すなわち、ガス孔29の開口面
積が大きい程ガス発生剤34の燃焼速度は小さくなり、
開口面積が小さい程その燃焼速度は大きくなる。そし
て、極限の場合として、開口面積をゼロとした場合は、
爆発的燃焼を生じる。そこで、ガス孔29の開口面積
は、ガス発生剤34が爆発的燃焼をしない程度で図2に
示すように激しく燃焼するような所定の小さな値に設定
される。図2において、61は燃焼室の内圧P1の変化
の測定例を示す。すなわち、本実施例の燃焼カーブ61
は、従来のガス発生器の燃焼カーブ10より大きな立ち
上がり61aと、高いピーク61bを有している。これ
は、従来のガス発生器では、ガス孔29の開口面積が相
対的に大きいため、ガス発生剤の大部分が燃焼し終わる
までに該ガス孔29から放出されるガス量が相対的に多
く、逆に燃焼室に蓄積されるガスが少ないため、内圧上
昇が緩やかになり、そのピークも低くなる。これに対
し、本発明のガス発生器20では、ガス孔29の開口面
積が相対的に小さいため、ガス発生剤の大部分が燃焼し
終わるまでにガス孔29から放出されるガス量は相対的
に少なく、逆に燃焼室に蓄積されるガスが多いため内圧
上昇が急峻になり、そのピークも高くなるものである。
上記ガス孔29の開口面積はこのような燃焼カーブ61
を与えるような所定値に設定され、この所定値は計算に
より又は実験等によ適宜求められる。
【0022】つぎに、第1ハウジング21は、上述のガ
ス発生剤34の激しい燃焼による内圧P1に耐えられる
ような構造とする必要がある。このため、全体を耐圧強
度上有利な円筒状とし、また、同一肉厚とした場合には
内径/外径比が大きい方が耐圧強度上有利なことから外
径をできるだけ小さく従って細長い形状としている。そ
して、第1ハウジング21の肉厚dは、好ましくはガス
発生剤34を燃焼させて生じる全てのガスを燃焼室に閉
じ込めたと仮定した場合に生じる爆発的燃焼による内圧
にも耐えられるような厚みに設定されている。すなわ
ち、ガス発生剤34が全部燃焼した場合の全発生ガス量
と燃焼室30の容量とから最大内圧が定まり、この最大
内圧×安全率に対して第1ハウジングの外径D1と肉厚
dが定まる。本実施例では、第1ハウジングの材質にス
テンレスを使用し、燃焼室容量=約20CC、前記最大
内圧=600kgf/cm2 、安全率2、外径D1=3
0mm、肉厚d=4mmとした。肉厚dは上記のよう
に、発生ガスを全て閉じ込めたと仮定して設定すれば、
実際の安全率より大きくなるが、経済性を考慮して、ガ
ス孔29が開口している実際の状態に基づいて設定して
もよい。この場合は、肉厚dは、ガス孔29のオリフィ
ス効率を考慮に入れて計算により、又は実験等により適
宜求められる。このように、第1ハウジング21の強度
上、本発明は本質的に小容量の用途、例えば側突用のサ
イドエアバッグ又は後突用のヘッドレストに内に装着さ
れるエアバッグ等の小型のエアバッグ用のガス発生器に
適する。特に、上述のように、第1ハウジング21の軸
方向に第2ハウジング35を設けて全体を細長の円筒状
とすることにより、車両の座席シートに内蔵される側突
用ガス発生器、あるいは座席シートのヘッドレストに内
蔵される後突用ガス発生器に適したものとなっている。
なお、この第1ハウジングのみならず第2ハウジング3
5含むガス発生器全体を上記基準による耐圧構造とする
こともできる。
【0023】つぎに作動を説明する。図1において、車
両の衝突が発生するとスクイブ32が発火し、これによ
り伝火薬33が着火し、この着火による熱でガス発生剤
34が燃焼する。すると、ガス発生剤34は、圧力依存
性が高く、またガス孔29の開口面積が相対的に小さい
ため、激しく燃焼して急速にガスを発生し、燃焼室30
の内圧P1は図2の燃焼カーブ61に示すように高いピ
ーク値を生じて推移する。この際に、この内圧P1に対
して燃焼室30の強度は確保される。そして、この発生
ガスは矢印で示すように、ガス孔29から減圧室41に
急激な速度で放出されるが、この減圧室41で膨張して
その速度が緩和され、ガス放出孔38、第2冷却部材4
0による圧損と相まって図2に示すような所定の圧力P
2に減圧される。そして、第1冷却材39、第2冷却材
40で冷却されつつガス放出孔38から前記圧力P2に
応じた所定の速度で外部に放出され、これを60リット
ルタンクに供給すると、該タンクの内圧Ptは、図示す
るような所定のカーブ63を描いて上昇する。
【0024】つぎに本発明の運転席用ガス発生器への適
用例である第2実施例を図3により説明する。図3は運
転席用ガス発生器の断面図である。図3において、主に
以下の点が図1と異なる。すなわち、第1ハウジング5
2は図1と同様の円筒状耐圧容器であって同様の内部構
造を有するが、相対的に長さを短くし外径D2を太くし
てある。ただし、この外径2は耐圧強度上φ40mm以
下とするのが好ましい。そして、第2ハウジング54
は、円板状の底部54aとこの底部54aから下方に延
びる環状円弧部54bとを有し、下面に開口54cが形
成され、全体として中空円盤形状となっている。そし
て、この、第2ハウジング54が、該第1ハウジング5
2の長さ方向の大部分を覆うように先端から嵌入され、
前記開口部54cが第1ハウジング52の外周に溶接等
で接続され、該第2ハウジング54と第1ハウジング5
2との間に環状の減圧室57が形成されている。また、
第2ハウジング54の下部にはガス放出孔55が設けら
れている。一方、第1ハウジング52の基部は、ステア
リングへの取付部材であるベース56の取付孔に、下端
部を下方に突出させるようにして嵌挿され、溶接等によ
り固定されている。このような構成とすることにより、
ガス発生器のベース56から上方に突出する高さTが低
くなり、取付スペース上、厚みの薄いガス発生器が要求
されるステアリングのエアバッグ収納部に収納すること
ができ、運転席用ガス発生器として使用することができ
る。
【0025】なお、上述の実施例では、ガス発生剤とし
て非アジ化系の薬剤を使用した場合を説明したが、本発
明はガス発生剤の圧力依存性と無関係な燃焼室を設ける
ことを特徴とするので、従来のアジ化系のガス発生剤を
使用する場合にも、ガスフィルタを追加することにより
本発明を適用することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明のエアバッグ用ガス発生器は上述
のように、収納したガス発生剤を燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室内で発生する燃焼ガスを減圧する減圧室と、燃
焼室と減圧室とを連通するガス孔とを有し、該ガス孔の
開口面積が、前記ガス発生剤のの大部分の燃焼中は前記
燃焼室内の内圧を上昇させるに十分な程小さいものであ
り、且つ前記燃焼室は、内圧の上昇に耐え得る程度の耐
圧容器で構成されているので、ガス発生剤の圧力依存性
と無関係な燃焼室となり、且つ燃焼室で発生した高圧ガ
スを減圧室で減圧してエアバッグに放出するので、従来
のような燃焼室の内圧安定化が不要となる。
【0027】また、燃焼室を、その内部のガス発生剤の
全てが燃焼した際に発生するガスを該燃焼室に閉じ込め
たと仮定した場合に生じる圧力上昇に耐え得る程度の耐
圧容器で構成してなるものとすると、実際の安全率をさ
らに向上させることができる。
【0028】また、ガス発生器は、両端が閉鎖された円
筒状であって、耐圧容器を構成する両端が閉鎖された第
1の円筒部材に、内部が減圧室を構成する一端が閉鎖さ
れた第2の円筒部材が直列に接続されてなり、前記第1
の円筒部材は、内部が仕切り部材によって直列に2室に
分割され、前記減圧室に隣接する側には燃焼室が、他の
側には点火室がそれぞれ形成され、前記燃焼室と減圧室
との間の側面には前記ガス孔が設けられ、前記点火室内
には点火手段が配置され、該点火室と燃焼室との間の仕
切り部材には、点火室から燃焼室に火炎を導入する伝火
孔が形成され、前記第2の円筒部材は、周壁にガス放出
孔を有してなるものとすると、耐圧容器が円筒形状であ
るため強度上最適なものとなり、また、ガス発生器全体
が長尺の円筒形状となってコンパクトになり、取付スペ
ースの狭い側突用のサイドエアバッグ又は後突用のヘッ
ドレストに内に装着されるエアバッグ等に使用されるガ
ス発生器に適したものとなる。
【0029】また、減圧室は、内部に燃焼室を有する耐
圧容器囲繞するように形成されており、該耐圧容器の一
端には、点火室が形成されているものとすると、ガス発
生器全体が短円筒状となり、運転席エアバッグ用に適し
たものとなる。
【0030】また、エアバッグが、側突用又は後突用の
小型エアバッグであるものとすると、耐圧容器は強度上
小容量である程無理なく作成可能であることから、最適
な側突用又は後突用のエアバッグ用ガス発生器となる。
【0031】また、ガス発生剤が、C,H,N,O等の
ガス化元素のみからなる薬剤を主成分とするものである
とすると、これらの圧力依存性の高いガス発生剤を用い
ても燃焼室の内圧安定化手段を必要とすることなくガス
フィルタを不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のガス発生器の断面図であ
る。
【図2】燃焼室及び減圧室の内圧変化を示すグラフ図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例のガス発生器の断面図であ
る。
【図4】従来のガス発生器の断面図である。
【図5】従来のガス発生器の燃焼室の内圧変化を示すグ
ラフ図である。
【符号の説明】
P1 内圧(ガス圧) 19 仕切り部材 20 ガス発生器 21 第1ハウジング(耐圧容器、第1の円筒部材) 22b 側面 28 伝火孔 29 ガス孔 30 燃焼室 32 スクイブ(点火手段) 33 伝火薬(点火手段) 34 ガス発生剤 35 第2ハウジング(第2の円筒部材) 38 ガス放出孔 41 減圧室 52 第1ハウジング(耐圧容器) 57 減圧室 53 ガス孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ用ガス発生器において、ガス
    発生剤(34)を収納し、該ガス発生剤(34)を燃焼
    させる燃焼室(30)と、この燃焼室(30)内で発生
    する燃焼ガスを減圧してエアバッグに放出する減圧室
    (41、57)と、前記燃焼室(30)と減圧室(4
    1、57)とを連通するガス孔(29)とを有し、前記
    ガス孔(29)の開口面積が、前記ガス発生剤の(3
    4)の大部分の燃焼中は前記燃焼室内の内圧を上昇させ
    るに十分な程小さいものであり、且つ前記燃焼室(3
    0)は、内圧の上昇に耐え得る程度の耐圧容器(21、
    52)で構成されていることを特徴とするエアバッグ用
    ガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記燃焼室(30)を、その内部のガス
    発生剤(34)の全てが燃焼した際に発生するガスを該
    燃焼室(30)に閉じ込めたと仮定した場合に生じる圧
    力上昇に耐え得る程度の耐圧容器(21、52)で構成
    してなる請求項1に記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記エアバッグ用ガス発生器は、両端が
    閉鎖された円筒状であって、前記耐圧容器(21)を構
    成する両端が閉鎖された第1の円筒部材に、内部が前記
    減圧室(41)を構成する一端が閉鎖された第2の円筒
    部材(35)が直列に接続されてなり、 前記第1の円筒部材(21)は、内部が仕切り部材(1
    9)によって直列に2室に分割され、前記減圧室(4
    1)に隣接する側には燃焼室(30)が、他の側には点
    火室がそれぞれ形成され、前記燃焼室(30)と減圧室
    (41)との間の側面(22b)には前記ガス孔が設け
    られ、前記点火室内には点火手段が配置され、該点火室
    と燃焼室との間の仕切り部材(19)には、点火室から
    燃焼室に火炎を導入する伝火孔(28)が形成され、 前記第2の円筒部材(35)は、周壁にガス放出孔(3
    8)を有してなる請求項1に記載のエアバッグ用ガス発
    生器。
  4. 【請求項4】前記減圧室(57)は、内部に燃焼室(3
    0)を有する耐圧容器(21)囲繞するように形成され
    ており、該耐圧容器(21)の一端には、点火室が形成
    されている請求項1に記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記エアバッグが、側突用又は後突用の
    小型エアバッグである請求孔3に記載のガス発生器。
  6. 【請求項6】 ガス発生剤が、C,H,N,O等のガス
    化元素のみからなる薬剤を主成分とするものであること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエアバ
    ッグ用ガス発生器。
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