JP2008247301A - ガス発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ型ガス発生器において、ガスを効率的に外部に放出するとともに、放出されたガス中にスラグが含まれないようにする。
【解決手段】シリンダ型ガス発生器1Aは、円筒状部材10の内部において仕切り板15によって区画されることによって形成された燃焼室17およびフィルタ室18を含んでいる。フィルタ53は、中空開口部53aを有する円筒状の部材からなり、その軸方向の一端面は閉塞部材20に当接している。円筒状部材10のフィルタ室18を規定する周壁部は、ガス噴出口11が設けられていないガス噴出口非形成領域S1と、ガス噴出口11が軸方向においてずれた位置に複数設けられてなるガス噴出口形成領域S2とを含んでいる。円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置102は、フィルタ53の軸方向における中心位置100よりも燃焼室17側に位置している。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で車両等に装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張・展開させることにより、展開されたエアバッグで乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時に瞬時にガスを発生させてエアバッグを膨張・展開させる機器である。
上記ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、「シリンダ型」と呼ばれる構造のガス発生器が存在する。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。シリンダ型ガス発生器においては、軸方向の一端部に点火器および伝火薬が配置され、軸方向の略中央部にガス発生剤が配置され、軸方向の他端部にフィルタおよびガス噴出口が配置される。
このシリンダ型ガス発生器においては、点火器が作動することによって生じた火炎が伝火薬の燃焼を介してガス発生剤に伝達され、これによりガス発生剤が燃焼して高温高圧のガスが発生する。発生した高温高圧のガスは、フィルタを経由してガス噴出口よりハウジング外部に噴出され、エアバッグの膨張・展開に利用される。
また、シリンダ型ガス発生器に近似の構成のものとして、「T字型」と呼ばれる構造のガス発生器が知られている。T字型ガス発生器は、上述のシリンダ型ガス発生器と同様にその外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。T字型ガス発生器においては、軸方向の略中央部に単一の点火器および伝火薬が配置され、その軸方向の両側にガス発生剤が配置され、さらにその軸方向の外側に一対のフィルタおよびガス噴出口が配置される。
このT字型ガス発生器においても、点火器が作動することによって生じた火炎が伝火薬の燃焼を介して伝火薬の両側に位置するガス発生剤に伝達され、これによりガス発生剤が燃焼して高温高圧のガスが発生する。発生した高温高圧のガスは、ハウジングの軸方向の両端に位置するフィルタを経由してガス噴出口よりハウジング外部に噴出され、エアバッグの膨張・展開にそれぞれ利用される。なお、このT字型ガス発生器は、単一の点火器を利用して異なるガス出力をハウジングの軸方向の両端部から得ることができる点において上述のシリンダ型ガス発生器と区別されるものである。
これらシリンダ型ガス発生器およびT字型ガス発生器においては、フィルタ室を規定する部分のハウジングの周壁部にフィルタの外周面に対面するように複数のガス噴出口が設けられる。このようなガス噴出口を備えたシリンダ型ガス発生器が開示された文献として、たとえば特開平10−329635号公報(特許文献1)や、特開2005−246160号公報(特許文献2)、特開2005−313812号公報(特許文献3)等が知られている。なお、通常はエアバッグの展開に高いガス出力が要求されるため、ガス噴出口はハウジングの軸方向においてずれた位置に複数列にわたって設けられる。これを一列に設けた場合には、ハウジングの内部において発生したガスを効率的にハウジングの外部に噴出することができず、ガス噴出口の開口面積を十分に確保することが困難となってしまう問題が生ずる。
特開平10−329635号公報 特開2005−246160号公報 特開2005−313812号公報
上記特許文献1ないし3に開示のシリンダ型ガス発生器においては、フィルタ室に収容されるフィルタとしてハウジングの軸方向と同方向に延びる中空開口部を有する円筒状の部材が利用されている。フィルタとしてこのような中空開口部を有する部材を利用すれば、発生したガスに対する流動抵抗が低く抑えられることになり、効率的なガスの流動が実現できるようになる。
上記特許文献1には、フィルタの軸方向における中心位置に対応する部分のハウジングの周壁部に、複数のガス噴出口がハウジングの周方向に沿って一列に配置されてなるシリンダ型ガス発生器(上記特許文献1の図1および図4参照)が開示されている。また、上記特許文献1ないし3には、フィルタの軸方向における中心位置からの距離が同じとなる部分のハウジングの周壁部に、複数のガス噴出口がハウジングの周方向に沿って一列に配置されてなるガス噴出口列がそれぞれ設けられてなるシリンダ型ガス発生器(上記特許文献1の図6、図7および図9、上記特許文献2の図2、上記特許文献3の図3参照)が開示されている。
これらシリンダ型ガス発生器は、いずれもフィルタの軸方向における中心位置にハウジングの軸方向におけるガス噴出口形成領域の中心位置を合致させたものである。ここで、ガス噴出口形成領域とは、ハウジングの軸方向において最もハウジングの閉塞端側に位置するガス噴出口の当該閉塞端側の端部と、ハウジングの軸方向において最も燃焼室側に位置するガス噴出口の当該燃焼室側の端部との間に位置する部分のハウジングの周壁部の領域を指す。すなわち、これらシリンダ型ガス発生器においては、フィルタ室の軸方向のいずれか一端部寄りにガス噴出口を偏在させることを避け、それぞれのガス噴出口から噴出されるガス圧がより均等になるように考慮されて設計されている。なお、フィルタの軸方向における中心位置に対応する部分のハウジングの周壁部に、複数のガス噴出口がハウジングの周方向に沿って一列に配置されてなるシリンダ型ガス発生器においては、上述したようなガス噴出口の開口面積の不足が生じることが懸念され、実仕様を考慮すると現実的には採用し難い構成である。
また、上記特許文献2および3には、図示される断面において、フィルタの軸方向における中心位置から燃焼室側にずれた位置に対応する部分のハウジングの周壁部に、複数のガス噴出口がハウジングの周方向に沿って一列に配置されてなるシリンダ型ガス発生器(上記特許文献2の図1、上記特許文献3の図2参照)が開示されている。
ここで、当該特許文献2および3の明細書中には、「ガス噴出口が軸方向に1列設けられているのみならず軸方向に複数列に設けられていてもよく、その場合にジグザグ状に設けられていてもよい」との記載(上記特許文献2の明細書の段落0035の記載、上記特許文献3の明細書の段落0065の記載参照)があり、そのことを考慮すれば、これらシリンダ型ガス発生器においては、フィルタの軸方向における中心位置からの距離が上記図面に示されるガス噴出口のそれと同じとなるハウジングの閉塞端側の周壁部に、当該図示されるガス噴出口とハウジングの周方向に沿ってずれた位置に設けられたガス噴出口が存在していると想定される。すなわち、図示された断面においては、フィルタの軸方向における中心位置から燃焼室側にずれた位置に対応する部分のハウジングの周壁部に設けられたガス噴出口のみが現れているものと想定される。その場合には、これらシリンダ型ガス発生器においても、上述のシリンダ型ガス発生器と同様に、ハウジングの軸方向におけるガス噴出口形成領域の中心位置がフィルタの軸方向における中心位置と合致するように構成されていることになる。
仮に、これらシリンダ型ガス発生器が、フィルタの軸方向における中心位置から燃焼室側にずれた位置に対応する部分のハウジングの周壁部にのみ、ガス噴出口が設けられてなるシリンダ型ガス発生器であると想定した場合には、ガス噴出口がシリンダ型ガス発生器のハウジングの軸方向において局所的に設けられていることになり、上述したようなガス噴出口の開口面積の不足が懸念され、実仕様を考慮すると現実的には採用し難い構成であることになる。
このように、上記特許文献1ないし3においては、シリンダ型ガス発生器を設計するにあたって、効率的なガスの噴出が行なえるようにハウジングの軸方向においてずれた位置に複数のガス噴出口を配置する場合に、この複数のガス噴出口が設けられるガス噴出口形成領域をフィルタの軸方向において偏在させることは行なわず、当該ガス噴出口形成領域の軸方向における中心位置がフィルタの軸方向における中心位置と合致するように配置する技術思想のみが開示されていると言える。すなわち、従来のシリンダ型ガス発生器においては、特にガス噴出口の形成位置が考慮されることはなく、フィルタの中心位置を基準とした対称位置に複数のガス噴出口が設けられているに過ぎない。
ところで、ガス発生器においては、作動時においてガス発生器から噴出されるガスの出力特性を制御することが重要である。特に制御すべき出力特性としては、ガスの噴出量と噴出されるガスの温度とが挙げられる。上述したように、ガス発生器の内部において生成されるガスは非常に高温高圧であり、これをそのまま噴出したのではエアバッグに損傷を与えかねない。そこで、ガス発生器においては、上述したフィルタの内部をガスが通過するように構成することにより、フィルタによって冷却された後のガスがエアバッグ内へと噴出されるように構成されている。
しかしながら、上記技術思想に基づいて設計がなされたシリンダ型ガス発生器においては、ガス発生器の作動時においてフィルタ室に収容されたフィルタの全域にわたってガスが必ずしも均等に通過するわけではない。すなわち、特許文献1ないし3に開示のガス発生器においては、軸方向に中空開口部を有するフィルタの一方の開口端からガスがフィルタの中空開口部へと進入する構成であるため、フィルタの部位ごとに通過するガスの量が異なることとなってしまい、ガスの冷却に実質的に寄与していない部位がフィルタ中に存在してしまうことになる。そのため、冷却に寄与するフィルタの実効体積が減少し、ガスの冷却効率が低下してしまう問題があった。そのため、フィルタの実効体積を高く確保し、ガスの冷却効率を上昇させる何らかの対策をとることが必要である。
また、上記技術思想に基づいて設計がなされたシリンダ型ガス発生器においては、ガス発生剤の燃焼に伴って生じるスラグ(残渣)がフィルタを一部通過してガス噴出口からエアバッグ内へと放出される不具合が生じることがある。このスラグは非常に高温であり、そのため場合によってはエアバッグに損傷を与えてしまうおそれがあり、最悪の場合にはエアバッグに穴が生じてしまうことにもなりかねない。したがって、上記構成のシリンダ型ガス発生器を設計するに際しては、ガス噴出口からの放出されるスラグの量を抑制するための何らかの対策をとることも必要である。
本発明は、このような状況に鑑み、上述の問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、シリンダ型ガス発生器およびT字型ガス発生器において、ガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却するとともに、ガス噴出口から放出されるスラグの量を低減することにある。
本発明者らは、シリンダ型ガス発生器およびT字型ガス発生器において、ハウジングの周壁部に設けられるガス噴出口の形成位置を種々変更した場合に、ガスの冷却効率に変化が生じ、また、ガス噴出口から放出されるスラグの量に変化が生じることに着目し、本発明を完成させるに至った。
本発明に基づくガス発生器は、長尺円筒状のハウジングと、仕切り部材と、点火器とを備えている。上記ハウジングは、ガス発生剤が収容された燃焼室およびフィルタが収容されたフィルタ室を内部に含んでいる。また、上記ハウジングは、上記フィルタ室側に位置する軸方向端部が閉塞部によって閉塞されている。上記仕切り部材は、上記ハウジングの内部に位置し、上記ハウジングの内部の空間を軸方向に上記燃焼室と上記フィルタ室とに区画している。また、上記仕切り部材には、上記燃焼室と上記フィルタ室とを連通する連通孔が設けられている。点火器は、上記仕切り部材から見て上記燃焼室側に位置している。上記フィルタは、上記ハウジングの軸方向と同方向に延びる中空開口部を有する円筒状の部材からなり、その軸方向の一端面は、上記閉塞部に当接している。上記ハウジングの上記フィルタ室を規定する周壁部は、当該ハウジングの軸方向においてずれた位置にガスを噴出するためのガス噴出口が複数設けられてなるガス噴出口形成領域と、ガスを噴出するためのガス噴出口が設けられていないガス噴出口非形成領域とを含んでいる。上記ガス噴出口非形成領域は、上記一端面を含む上記フィルタの一端部寄りの部分に対応する位置の上記周壁部に設けられており、上記ガス噴出口形成領域は、上記ガス噴出口非形成領域よりも上記燃焼室側に位置する上記周壁部に設けられている。上記ハウジングの軸方向における上記ガス噴出口形成領域の中心位置は、上記フィルタの軸方向における中心位置よりも上記燃焼室側に位置している。
このように構成することにより、ハウジングの周壁部に設けられる複数のガス噴出口が、フィルタとの相対的な位置関係において燃焼室側に偏在して配置されることになる。このように、ガス噴出口が設けられるガス噴出口形成領域がフィルタとの相対的な位置関係において燃焼室側に偏在して配置されることにより、従来のように、複数のガス噴出口をフィルタとの相対的な位置関係において偏在させることなくフィルタの軸方向の中心位置を基準に均等に配置した構成を採用したガス発生器に比べ、ガス発生器の作動時においてガスの冷却効率が向上するとともにガス噴出口から放出されるスラグの量が減少する効果が得られることが見出された。また、上記の構成においては、ハウジングの軸方向においてずれた位置の周壁部に複数のガス噴出口が設けられているため、ガス噴出口の開口面積を十分に確保することもでき、ハウジングの内部において発生したガスを効率的にハウジングの外部に噴出することもできる。したがって、上述の如くの構成を採用することにより、ガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができ、またガス噴出口から放出されるスラグの量を低減可能なガス発生器とすることができる。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ガス噴出口非形成領域の軸方向長さDが、D>13mmの条件を充足していることが好ましい。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記フィルタの軸方向長さLおよび上記ガス噴出口非形成領域の軸方向長さDが、D/L>1/3の条件を充足していることが好ましい。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ガス噴出口形成領域が、上記ハウジングの周方向に沿って複数のガス噴出口が設けられてなるガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に複数有していることが好ましい。
本発明によれば、シリンダ型ガス発生器およびT字型ガス発生器において、ガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができるとともに、ガス噴出口から放出されるスラグの量を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、サイドエアバッグ装置等に組み込まれるいわゆるシリンダ型ガス発生器およびT字型ガス発生器のそれぞれについて、これらを具体的に例示して説明を行なう。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は右側面図である。また、図2は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図1(A)および図1(B)に示すII−II線に沿った断面図である。まず、これら図1(A)、図1(B)および図2を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造および内部構造について説明する。
図1(A)、図1(B)および図2に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺略円柱状の外形を有しており、ハウジングとしての円筒状部材10および閉塞部材20と、ベース部材30とを含んでいる。円筒状部材10は、軸方向の両端に開口を有する長尺の部材からなる。閉塞部材20は、所定の厚みを有する円盤状の部材からなり、その周面に後述するかしめ固定のための溝21を有している。このかしめ固定のための溝21は、閉塞部材20の周面に周方向に向かって延びるように形成されている。ベース部材30は、円筒状部材10の軸方向と同方向に延びる中空部32を有する筒状の部材からなり、その外周面の所定位置に後述するかしめ固定のための溝31を有している。このかしめ固定のための溝31は、ベース部材30の外周面に周方向に向かって延びるように形成されている。
閉塞部材20は、円筒状部材10の一方の開口端を閉塞するように円筒状部材10に取付けられており、円筒状部材10に対する固定後においてハウジングの閉塞部を構成している。一方、ベース部材30は、円筒状部材10の他方の開口端に取付けられている。また、円筒状部材10の軸方向の所定位置には、仕切り部材としての円盤状の仕切り板15が配置されている。この仕切り板15は、円筒状部材10の内部の空間を軸方向に区画するものである。
これら円筒状部材10、仕切り板15、閉塞部材20およびベース部材30は、いずれもステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材からなり、かしめ固定によってそれぞれが連結・固定されている。具体的には、円筒状部材10の一方の開口端に閉塞部材20の一部が内挿された状態で、閉塞部材20の周面に設けられた溝21に対応する部分の円筒状部材10の周壁を径方向内側に縮径させて当該溝21に係合させることにより、円筒状部材10に対する閉塞部材20のかしめ固定が行なわれ、円筒状部材10の他方の開口端にベース部材30の一部が内挿された状態で、ベース部材30の外周面に設けられた溝31に対応する部分の円筒状部材10の周壁を径方向内側に縮径させて当該溝31に係合させることにより、円筒状部材10に対するベース部材30のかしめ固定が行なわれる。また、円筒状部材10の所定位置に内挿された仕切り板15は、当該仕切り板15が位置する部分に対応する部分の円筒状部材10の両側部分の周壁を径方向内側に向けて縮径させることによって形成された一対のかしめ部によってその周縁が円筒状部材10の軸方向において挟み込まれることにより、円筒状部材10に対してかしめ固定される。これらかしめ固定は、いずれも円筒状部材10の周壁を径方向内側に向かって均等に縮径させる八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。上記八方かしめを利用すれば、かしめ固定する2つの部材間に特にシール部材を介装させずとも気密性を十分に確保することができる。
図1(A)および図2に示すように、円筒状部材10の閉塞部材20が取付けられた側の端部近傍の周壁部には、ガス噴出口11が設けられている。このガス噴出口11は、シリンダ型ガス発生器1Aの内部において発生したガスを外部に噴出するための穴であり、円筒状部材10の軸方向においてずれた位置に複数設けられている。なお、このガス噴出口11の詳細については、後述することとする。
図2に示すように、円筒状部材10、閉塞部材20およびベース部材30によって規定されるシリンダ型ガス発生器1Aの内部の空間には、点火室16、燃焼室17およびフィルタ室18が設けられている。上述の仕切り板15は、このうちの燃焼室17とフィルタ室18とを区画している。一方、点火室16と燃焼室17とは、後述するクッション材51によって区画されている。
点火室16は、円筒状部材10、ベース部材30およびクッション材51によって主として規定され、円筒状部材10の他方端寄りの部分(図中の右側の部分)に設けられている。ベース部材30の中空部32内には、点火器(スクイブ)40が配置されており、ベース部材30と点火器40との間には、樹脂成形部34が位置している。ベース部材30の燃焼室17側の端部には、有底筒状のカップ状部材35が取付けられており、この有底筒状のカップ状部材35の内部の空間である伝火室36には、伝火薬(エンハンサ)37が収容されている。
ベース部材30の外周面(すなわち円筒状部材10の内周面と対向する面)には、凹部33が周方向に延びるように設けられており、この凹部33には、シール部材38が収容されている。シール部材38は、円筒状部材10とベース部材30との間に生じる隙間を気密に封止するためのものであり、これによってシリンダ型ガス発生器1Aの外部と点火室16との間の気密性が確保されることになる。また、ベース部材30の内周面と点火器40との間は、上述のように樹脂成形部34によって封止されており、これによってシリンダ型ガス発生器1Aの外部と点火室16との間の気密性が確保されている。
なお、上述のシール部材38としては、十分な耐熱性および耐久性を有する部材が用いられることが好ましく、たとえばエチレンプロピレンゴムの一種であるEPDM樹脂製のOリング等が好適に利用可能である。当該シール部材38は、円筒状部材10とベース部材30とのかしめ固定の際に、これら部材間に挿入されて取付けられる。なお、シール部材38が介装される部分に別途液状のシール剤を塗布して硬化させておけば、さらに高い気密性を得ることができる。
また、上述の樹脂成形部34は、たとえばインサート成形によって形成され、その原材料としては、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂等が利用可能である。
点火器40は、火炎を発生させるための点火装置であり、点火部41と端子ピン42とを含んでいる。点火部41は、その内部に作動時において着火する点火薬と、この点火薬を燃焼させるための抵抗体とを含んでいる。端子ピン42は、点火薬を着火させるために点火部41に接続されている。より具体的には、点火器40は、一対の端子ピン42を挿通・保持する基部と、基部上に取付けられたスクイブカップとを備えており、スクイブカップ内に挿入された端子ピン42の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するようにスクイブカップ内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には2ミリ秒以下である。
伝火薬37は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬37としては、後述するガス発生剤52を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物などが用いられる。伝火薬37は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成型されたもの等が利用される。バインダによって成型された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
燃焼室17は、円筒状部材10、仕切り板15およびクッション材51によって規定され、円筒状部材10の略中央部に設けられている。燃焼室17には、ガス発生剤52が主として収容されている。
ガス発生剤52は、点火器40によって点火された伝火薬37が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させるものである。ガス発生剤52は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤52の成型体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものがある。また、成型体内部に孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成型体も利用される。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤52の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤52の形状の他にもガス発生剤52の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成型体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
点火室16と燃焼室17とを区画するクッション材51は、燃焼室17内に収容されたガス発生剤52に接触するように配置されている。このクッション材51は、成型体からなるガス発生剤52が振動等によって粉砕されることを防止する目的で設けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成型体や発泡シリコン等が利用される。このクッション材51は、作動時において伝火薬37の燃焼によって開口または分断し、場合によっては焼失する。
燃焼室17とフィルタ室18とを区画する仕切り板15の中央部には、作動時において燃焼室17とフィルタ室18とを連通する連通孔15aが設けられている。仕切り板15の燃焼室17側に位置する主面には、上記連通孔15aを閉塞するようにシール部材15bが貼付されている。このシール部材15bとしては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、非作動時における燃焼室17とフィルタ室18との気密性が確保され、燃焼室17内への水分等の混入が防止されることになる。
また、燃焼室17の仕切り板15側に位置する端部には、複数の連通孔19aが設けられた多孔板19が配置されている。多孔板19は、作動時において燃焼室17から噴出されるガスの流れを整流するとともに、燃焼室17に収容されたガス発生剤52が未燃焼の状態においてフィルタ室18に移動することを防止するためのものである。そのため、多孔板19に設けられた連通孔19aは、いずれもガス発生剤52の外形よりも小さく形成されるとともに、仕切り板15に設けられた連通孔15aよりも小さく形成されている。
フィルタ室18は、円筒状部材10、閉塞部材20および仕切り板15によって規定され、円筒状部材10の一方端寄りの部分(図中の左側の部分)に設けられている。フィルタ室18には、フィルタ53が収容されている。フィルタ室18は、上述の円筒状部材10の周壁部に設けられたガス噴出口11を介して外部と通じている。
フィルタ53は、円筒状部材10の軸方向と同方向に延びる中空開口部53aを有する円筒状の部材からなる。このように円筒状の部材からなるフィルタ53を利用すれば、作動時においてフィルタ室18を流動する作動ガスの流動抵抗が低く抑えられ、効率的なガスの流動が実現可能となる。フィルタ53は、軸方向の一端面が閉塞部材20に当接しており、軸方向の他端面が仕切り板15に当接している。
フィルタ53は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回したものやプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。フィルタ53は、燃焼室17にて発生したガスがこのフィルタ53中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれる残渣(スラグ)等を除去する除去手段としても機能する。
なお、シリンダ型ガス発生器1Aのベース部材30が配置された側の端部には、雌型コネクタ(不図示)が取付けられる。この雌型コネクタは、シリンダ型ガス発生器1Aとは別途設けられる衝突検知センサからの信号を伝達するハーネスの雄型コネクタが接続される部位である。雌型コネクタには、必要に応じてショーティングクリップ(不図示)が取付けられる。このショーティングクリップは、シリンダ型ガス発生器1Aの搬送時等において静電放電等によってシリンダ型ガス発生器1Aが誤動作することを防止するために取付けられるものであり、エアバッグ装置への組付け段階においてハーネスの雄型コネクタが雌型コネクタに挿し込まれることによってその端子ピン42への接触が解除されるものである。
次に、以上において説明したシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器40が作動する。点火器40が作動すると、点火薬の燃焼によって点火部41内の圧力が上昇し、これによって点火部41が破裂し、火炎が点火部41の外部へと流出する。点火室16に収容された伝火薬37は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬37の燃焼により、伝火室36内の圧力が上昇し、これによってカップ状部材35が破裂し、上述の熱粒子がクッション材51へと至る。クッション材51へと達した熱粒子は、クッション材51を燃焼させてこれを開口または分断し、これによって熱粒子が燃焼室17に流入してガス発生剤52へと至る。
流れ込んだ熱粒子により、ガス発生剤52が着火されて燃焼し、多量のガスが発生する。このガス発生剤52の燃焼により、燃焼室17内の圧力が上昇し、これによってシール部材15bの封止が破られ、発生したガスがフィルタ室18へと流れ込む。そして、流れ込んだガスは、フィルタ53の中空開口部53aを流動し、その後フィルタ53を経由して所定の温度にまで冷却され、ガス噴出口11からシリンダ型ガス発生器1Aの外部へと噴出される。ガス噴出口11から噴出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
図3は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の形状を示す図であり、図3(A)は拡大正面図であり、図3(B)は、拡大断面図である。次に、これら図3(A)および図3(B)を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器のガス噴出口の構成について詳説する。
図3(A)および図3(B)に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、フィルタ室18に収容されたフィルタ53の外周面に対面する位置の円筒状部材10の周壁部(すなわち、フィルタ室18を規定する円筒状部材10の周壁部)に複数のガス噴出口11が設けられている。このフィルタ室18を規定する円筒状部材10の周壁部には、ガス噴出口11が設けられていないガス噴出口非形成領域S1と、ガス噴出口11が設けられているガス噴出口形成領域S2とが含まれている。ガス噴出口形成領域S2は、円筒状部材10の周方向に沿って90°毎に設けられた複数のガス噴出口11を含むガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に等間隔に4列有している。
ここで、ガス噴出口形成領域S2は、円筒状部材10の軸方向において最も閉塞部材20側に位置するガス噴出口の当該閉塞部材20側の端部と、円筒状部材10の軸方向において最も燃焼室17側に位置するガス噴出口の当該燃焼室17側の端部との間に位置する部分の円筒状部材10の周壁部の領域を指し、ガス噴出口非形成領域S1は、フィルタ室18を規定する円筒状部材10の周壁部のうち、上記ガス噴出口形成領域S2に該当しない領域のうちの閉塞部材20側に位置する部分を指す。そのため、ガス噴出口非形成領域S1は、閉塞部材20に当接する軸方向端面を含むフィルタ53の一端部寄りの部分に対応する位置の円筒状部材10の周壁部に位置していることになり、ガス噴出口形成領域S2は、ガス噴出口非形成領域S1よりも燃焼室17側に位置する部分の円筒状部材10の周壁部に位置していることになる。
本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置(図3(B)中において直線102で示す位置)が、フィルタ53の軸方向における中心位置(図3(B)中において直線100で示す位置)よりも所定の距離Aだけオフセットした状態で燃焼室17側に位置するように構成されている。すなわち、円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタ53の軸方向における中心位置と合致させることなく燃焼室17側にずらして配置している。これにより、円筒状部材10に設けられる複数のガス噴出口11が、フィルタ53との相対的な位置関係において燃焼室17側に偏在して存在することになる。
このように構成することにより、従来のシリンダ型ガス発生器において採用されていた構成(すなわち、円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタ53の軸方向における中心位置と合致させた構成)に比べ、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時においてガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができるとともに、ガス噴出口11から放出されるスラグの量を低減することができる。その仕組みについて以下に詳説する。
図4は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の作動時の初期におけるガスの流動状態を模式的に示した図である。図5は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の作動開始から所定時間が経過した後におけるガスの流動状態を模式的に示した図である。
図4に示すように、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時の初期においては、図中において矢印で示すように、燃焼室17で発生した高圧高温のガスが、多孔板19の連通孔19aおよび仕切り板15の連通孔15aを介してフィルタ53の中空開口部53aに流入し、その大部分がフィルタ53の中空開口部53aの燃焼室17側の端部から閉塞部材20側の端部に向けて直線的に進行する。そして、フィルタ53の中空開口部53aの閉塞部材20側の端部に達したガスは、閉塞部材20の主面に向けて吹き付けられ、その進行方向を変えてフィルタ53の閉塞部材20側の端部領域Bに流入することになる。
ここで、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時の初期に発生するガスには、特に多くのスラグが含まれる傾向にある。そのため、この作動時の初期に生じたスラグの大部分は、上記作動時の初期におけるガスの流れに乗って閉塞部材20の主面に吹き付けられ、当該閉塞部材20の主面において跳ね返りつつ、フィルタ53の閉塞部材20側の端部領域Bにおいて捕集されることになる。したがって、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時の初期において特に多くのスラグがフィルタ53の閉塞部材20側の端部領域Bに蓄積することになる。
その後、シリンダ型ガス発生器1Aの作動開始から所定時間が経過してフィルタ室18内の圧力バランスが安定すると、図5に示すように、燃焼室17からフィルタ室18に流入したガスは、その大部分がフィルタ53の中空開口部53aの閉塞部材20側の端部に達する前にフィルタ53に流入するようになる。このシリンダ型ガス発生器1Aの作動開始から所定時間が経過した後に発生するガスに含まれるスラグの量は、上述の作動時の初期に発生するガスに含まれるスラグの量と比較して大幅に少ない。そのため、作動開始から所定時間が経過してフィルタ室18内の圧力バランスが安定した状態においては、効果的にフィルタ53の全域にわたってスラグが捕集されることになる。
ここで、従来のシリンダ型ガス発生器において採用されていた構成(すなわち、円筒状部材の軸方向におけるガス噴出口形成領域の中心位置をフィルタの軸方向における中心位置と合致させた構成)とした場合には、フィルタの軸方向の中心位置を基準にガス噴出口が円筒状部材の軸方向に均等に配置されているため、シリンダ型ガス発生器の作動開始から所定時間が経過した後の状態においても、上記フィルタの閉塞部材側の端部領域を通過するガスの量が多くなる。そのため、シリンダ型ガス発生器の作動時の初期においてフィルタの上記端部領域において既に捕集されていたスラグが当該ガスの流れによってフィルタの外部へと押し出されるおそれが高くなり、ガス噴出口を経由してハウジングの外部に放出され易くなる。
これに対し、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、上述のように円筒状部材10に設けられる複数のガス噴出口11が、フィルタ53との相対的な位置関係において燃焼室17側に偏在しているため、シリンダ型ガス発生器1Aの作動開始から所定時間が経過した後の状態おいて上記フィルタ53の閉塞部材20側の端部領域Bを通過するガスの量が減少し、上述のようなスラグのフィルタ53の外部への流出を抑制可能となる。したがって、従来のシリンダ型ガス発生器において採用されていた構成に比べ、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時においてガス噴出口11から放出されるスラグの量を低減することができる。
また、シリンダ型ガス発生器1Aの作動開始から所定時間が経過した後においては、上述したように、燃焼室17からフィルタ室18に流入したガスは、その大部分がフィルタ53の中空開口部53aの閉塞部材20側の端部に達する前にフィルタ53に流入するようになる。そのため、フィルタ53の軸方向においてより均等にガスがフィルタ53中を通過することになり、フィルタ53の実効体積が従来のシリンダ型ガス発生器に比べて増加することになる。したがって、フィルタ53による効率的なガスの冷却が実現できることになる。
したがって、本実施の形態の如くのシリンダ型ガス発生器1Aとすることにより、ガス発生器1Aの内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができるとともに、ガス噴出口11から放出されるスラグの量を低減することができる。
なお、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、円筒状部材10の軸方向においてずれた位置に複数のガス噴出口11が設けられているため、ガス噴出口11の開口面積が不足することがない。したがって、ハウジングの内部において発生したガスを効率的にハウジングの外部に噴出することもできる。
次に、上記効果を確認するために行なった検証試験の試験内容および試験結果について説明する。図6は、本検証試験において検証を行なった試験サンプルの構造を示す模式断面図であり、図7は、図6に示した試験サンプルの構造上の相違点をまとめた表である。また、図8および図9は、図6に示した試験サンプルを用いて検証試験を行なった結果を示すグラフであり、図8はタンクテストの試験結果を、図9は放出されたスラグ量の測定結果をそれぞれ示すものである。
図6に示すように、本検証試験の試験サンプルとして、4つの構造のものを準備した。図6(A)および図6(B)に示す実施例1および2に係るガス発生器は、上述の本実施の形態において説明した構造が適用された試験サンプルであり、図6(C)および図6(D)に示す比較例1および2に係るガス発生器は、上述の実施例1および2に係るガス発生器との比較のために準備した試験サンプルである。これら4つの試験サンプルは、円筒状部材10の周壁部に設けられるガス噴出口非形成領域S1およびガス噴出口形成領域S2の配設位置を当該円筒状部材10の軸方向に沿って種々変更したものであり、その他の構造において全く共通のものである。これら試験サンプルにおけるガス噴出口非形成領域S1およびガス噴出口形成領域S2の詳細な配設位置については、図6中において示す寸法および図7に示す表のとおりである。
図6(A)および図7に示すように、実施例1におけるガス発生器においては、ガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが20mmに設定されており、ガス噴出口形成領域S2の中心位置はフィルタの中心位置よりも燃焼室側に+7mmだけオフセットされている。なお、この場合のD/Lは、20/39(≒0.51)である。
図6(B)および図7に示すように、実施例2におけるガス発生器においては、ガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが15mmに設定されており、ガス噴出口形成領域S2の中心位置はフィルタの中心位置よりも燃焼室側に+2mmだけオフセットされている。なお、この場合のD/Lは、15/39(≒0.38)である。
図6(C)および図7に示すように、比較例1におけるガス発生器においては、ガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが13mmに設定されており、ガス噴出口形成領域S2の中心位置はフィルタの中心位置に合致しており、その燃焼室側に向けてのオフセット量は±0mmである。なお、この場合のD/Lは、1/3(≒0.33)である。
図6(D)および図7に示すように、比較例2におけるガス発生器においては、ガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが5mmに設定されており、ガス噴出口形成領域S2の中心位置はフィルタの中心位置よりも燃焼室側に−8mmだけオフセットされている。なお、この場合のD/Lは、5/39(≒0.13)である。
これら試験サンプルを用い、タンクテストおよび放出されたスラグ量の測定を行なった。タンクテストとは、ガス発生器を所定の内容積のタンクに取付けた後、ガス発生器を作動させ、タンク内にガスを放出させて、タンク内圧力の時間変化を計測する試験である。また、放出されたスラグ量の測定は、上記タンクテストを実施した後に上記タンク内に放出されたスラグを回収してその量を計測することによって行なった。
図8および図9に示すように、これら4つの試験サンプルを作動させた場合、タンク内の圧力変動および放出されるスラグ量に差が生じることが確認された。具体的には、タンク内の圧力の立ち上がりは、比較例2で最も急峻となり、比較例2、比較例1、実施例2、実施例1の順で緩やかになることが確認された。また、タンク内の最高圧力も、比較例2で最も高くなり、比較例2、比較例1、実施例2、実施例1の順で低くなることが確認された。一方、放出されるスラグ量は、比較例2で最も多くなり、比較例2、比較例1、実施例2、実施例1の順で少なくなっていくことが確認された。なお、図8に示すグラフにおいては、縦軸にタンク内の圧力(kPa)を、横軸に時間(ms)をとっている。また、図9に示すグラフにおいては、縦軸に放出されたスラグ量の百分率(%)を、横軸にD/Lをとっている。ここで、放出されたスラグ量の百分率の換算は、比較例2で放出されたスラグ量を基準とした場合のそれぞれの百分率である。
以上の試験結果から、ガス噴出口非形成領域S1およびガス噴出口形成領域S2の配設位置を種々変更することにより、ガス発生器から噴出されるガスの出力特性を調整することが可能になるとともに、放出されるスラグ量に変化が生じることが分かる。特に、ガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタの中心位置よりも燃焼室側に偏在させることにより、作動時初期のガスの出力特性を制御してその立ち上がりや放出されるガスの温度を低く抑制したりすることができ、また放出されるスラグの量を低減することができることが分かる。なお、作動時初期のガス出力の立ち上がりや放出されるガスの温度を低く抑制できることは、上述したフィルタの実効体積が増加したことおよび放出されるスラグの量が減少してスラグによって運ばれる熱量が全体として減少したことを意味していると考えられる。したがって、本発明を適用したガス発生器とすることにより、ガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができるとともに、ガス噴出口から放出されるスラグの量を低減することが確認されたと言える。
なお、上述の試験結果から、上述のガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが、D≧13mmの条件を充足するようにシリンダ型ガス発生器を構成すれば、実仕様の範囲内においてガス噴出口から放出されるスラグの量を確実に低減することができると言えることが分かる。また、上述の試験結果から、フィルタの軸方向長さLおよびガス噴出口非形成領域S1の軸方向長さDが、D/L>1/3の条件をを充足するようにシリンダ型ガス発生器を構成すれば、実仕様の範囲内においてガス噴出口から放出されるスラグの量を確実に低減することができると言えることが分かる。
図10ないし図11は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の第1ないし第3変形例を示す拡大正面図である。以下においては、これらの図を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の変形例について説明する。
図10に示すように、第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Bにあっては、ガス噴出口形成領域S2が、円筒状部材10の周方向に沿って90°毎に設けられた複数のガス噴出口を含むガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に等間隔に3列有するように構成するとともに、当該軸方向の中央に位置するガス噴出口列を両側に位置するガス噴出口列よりも円筒状部材10の周方向において45°ずらして配置することにより、ガス噴出口11をジグザグ状に配置している。このように構成した場合にも、円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタ53の軸方向における中心位置よりも燃焼室17側にずらして配置させているため、上述の実施の形態1におけるシリンダガス発生器1Aとした場合と同様の効果を得ることができる。
図11に示すように、第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Cにあっては、ガス噴出口形成領域S2が、円筒状部材10の周方向に沿って複数のガス噴出口11を含むガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に2列有するように構成するとともに、これら2列のガス噴出口列に含まれるガス噴出口の数を異なるものとしている。このように構成した場合にも円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタ53の軸方向における中心位置よりも燃焼室側にずらして配置させているため、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aとした場合と同様の効果を得ることができる。
図12に示すように、第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Dにあっては、ガス噴出口形成領域S2が、円筒状部材10の周方向に沿って90°毎に設けられた複数のガス噴出口11を含むガス噴出口列が円筒状部材10軸方向において非同一間隔にて配置されるように構成している。より詳細には、燃焼室17側に向かうに連れてこれらガス噴出口列の間隔が徐々に広がるように構成している。このように構成した場合にも円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をフィルタ53の軸方向における中心位置よりも燃焼室17側にずらして配置させているため、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aとした場合と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2におけるT字型ガス発生器の外観構造を示す図であり、図13(A)は正面図、図13(B)は上面図である。また、図14は、本実施の形態におけるT字型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図13(B)に示すXIV−XIV線に沿った断面図である。なお、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図13(A)、図13(B)および図14に示すように、本実施の形態におけるT字型ガス発生器1Eは、長尺略円柱状の外形を有しており、ハウジングとしての一対の円筒状部材10および一対の閉塞部材20と、連結部材60と、ベース部材30とを含んでいる。一対の円筒状部材10のそれぞれは、軸方向の一端に開口を、他端に底板部10aを有する長尺の部材からなる。底板部10aは、たとえば円盤状の板部材が溶接等によって円筒状部材10の他端に接合されることによって形成されている。一対の閉塞部材20のそれぞれは、所定の厚みを有する円盤状の部材からなり、その周面にかしめ固定のための溝21を有している。連結部材60は、T字型の中空管からなり、その3方に開口端を有している。ベース部材30は、中空部を有する筒状の部材からなり、その外周面の所定位置にかしめ固定のための溝31を有している。なお、上記連結部材60は、他の部材と同様にステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材からなる。
連結部材60の対面する位置にある一対の開口端のそれぞれには、上記一対の円筒状部材10の有底側の端部がそれぞれ挿し込まれており、これら連結部材60と一対の円筒状部材10とは溶接によって固定されている。一方、連結部材60の残る一つの開口端には、ベース部材30がかしめ固定されている。また、一対の円筒状部材10の開口端のそれぞれには、当該開口端を閉塞するように閉塞部材20が取り付けられてかしめ固定されており、一対の円筒状部材10のそれぞれには、その軸方向の所定位置に円盤状の仕切り板15がかしめ固定されている。
一対の円筒状部材10の閉塞部材20が取付けられた側の端部近傍の周壁部には、ガス噴出口11が設けられている。このガス噴出口11は、T字型ガス発生器1Eの内部において発生したガスを外部に噴出するための穴であり、円筒状部材10の軸方向においてずれた位置にそれぞれ複数設けられている。ここで、一対のフィルタ室18をそれぞれ規定する一対の円筒状部材10の周壁部には、ガス噴出口11が設けられていないガス噴出口非形成領域S1と、ガス噴出口11が設けられているガス噴出口形成領域S2とがそれぞれ含まれている。ガス噴出口形成領域S2の各々は、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aの場合と同様に、円筒状部材10の周方向に沿って90°毎に設けられた複数のガス噴出口11を含むガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に等間隔に4列有している。
一対の円筒状部材10、一対の閉塞部材20、連結部材60およびベース部材30によって規定されるT字型ガス発生器1Eの内部の空間には、点火室16、一対の燃焼室17および一対のフィルタ室18が設けられている。上述の仕切り板15は、それぞれの円筒状部材10の内部において燃焼室17とフィルタ室18とを区画している。一方、点火室16と一対の燃焼室17のそれぞれとは、一対の円筒状部材10のそれぞれの底板部10aによって区画されている。
点火室16は、連結部材60、一対の円筒状部材10のそれぞれの底板部10aおよびベース部材30によって主として規定され、T字型ガス発生器1Eの中央部に設けられている。上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、点火器40の点火部41を覆うようにカップ状部材35がベース部材30に取り付けられていたが、本実施の形態におけるT字型ガス発生器1Eにおいては、ベース部材30にこのようなカップ状部材は取り付けられていない。ベース部材30の中空部には、点火器40が取り付けられている。また、点火室16には、伝火薬37が収容されている。
一対の円筒状部材10のそれぞれの底板部10aには、作動時において点火室16と燃焼室17とを連通する連通孔10bが設けられている。この一対の底板部10aの点火室16側に位置する主面には、上記連通孔10bを閉塞するようにシール部材10cが貼付されている。このシール部材10cとしては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、非作動時における点火室16と燃焼室17との気密性が確保され、点火室16内および燃焼室17内への水分等の混入がそれぞれ防止されることになる。
一対の燃焼室17は、円筒状部材10の周壁および底板部10aと仕切り板15とによってそれぞれ規定され、上述の点火室16を軸方向に挟み込む位置に設けられている。一対の燃焼室17のそれぞれには、ガス発生剤52が主として収容されている。また、円筒状部材10の底板部10aの燃焼室17側の主面には、クッション材51が配置されている。
一対のフィルタ室18は、円筒状部材10、閉塞部材20および仕切り板15によってそれぞれ規定され、上述した点火室16およびこれを挟み込む位置にある一対の燃焼室17をさらに軸方向に挟み込む位置に設けられている。一対のフィルタ室18のそれぞれには、円筒状部材10の軸方向と同方向に延びる中空開口部53aを有するフィルタ53が収容されている。一対のフィルタ室18のそれぞれは、上述した一対の円筒状部材10の周壁部にそれぞれ設けられたガス噴出口11を介して外部と通じている。
次に、以上において説明したT字型ガス発生器1Eの作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるT字型ガス発生器1Eが組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器40が作動する。点火器40が作動すると、点火薬の燃焼によって点火部41内の圧力が上昇し、これによって点火部41が破裂し、火炎が点火部41の外部へと流出する。点火室16に収容された伝火薬37は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬37の燃焼により、点火室16内の圧力が上昇し、これによってシール部材10cの封止が破られ、上述の熱粒子が連通孔10bを介して点火室16の両側に位置する一対の燃焼室17のそれぞれに流入する。流入した熱粒子はクッション材51へと至り、クッション材51を燃焼させてこれを開口または分断し、それぞれガス発生剤52へと至る。
流れ込んだ熱粒子により、点火室16の両側に位置する一対の燃焼室17のそれぞれにおいてガス発生剤52が着火されて燃焼し、多量のガスが発生する。このガス発生剤52の燃焼により、一対の燃焼室17内の圧力がそれぞれ上昇し、これによってシール部材15bの封止が破られ、発生したガスが一対のフィルタ室18のそれぞれへと流れ込む。そして、流れ込んだガスは、フィルタ53の中空開口部53aを流動し、その後フィルタ53を経由して所定の温度にまで冷却され、ガス噴出口11からT字型ガス発生器1Eの外部へとそれぞれ噴出される。ガス噴出口11から噴出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。このように、本実施の形態におけるT字型ガス発生器1Eにおいては、単一の点火器を利用して異なるガス出力をハウジングの軸方向の両端部から得ることができる。
上述した本実施の形態におけるT字型ガス発生器1Eにおいても、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aで採用した構造と同様に、一対の円筒状部材10の軸方向におけるガス噴出口形成領域S2の中心位置をそれぞれ対応するフィルタ53の軸方向における中心位置よりも燃焼室17側にずらして配置させている。そのため、ガス発生器の内部にて生成されたガスを高い冷却効率で効果的に冷却することができるとともに、ガス噴出口11から放出されるスラグの量を低減することができる。
なお、上述の実施の形態1および2おいては、ガス噴出口形成領域S2が、円筒状部材10の周方向に沿って複数のガス噴出口11が設けられてなるガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に複数有するように構成した場合を例示して説明を行なったが、必ずしもガス噴出口11はこのように整列して配置されている必要はなく、整列されることなく不規則に配置されていてもよい。また、ガス噴出口の数や形状、大きさ等についても仕様に応じて適宜変更可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図1(A)および図1(B)に示すII−II線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の形状を示す図であり、(A)は、拡大正面図、(B)は、拡大断面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の作動時の初期におけるガスの流動状態を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の作動開始から所定時間が経過した後におけるガスの流動状態を模式的に示した図である。 本発明の効果を検証する検証試験において用いた試験サンプルの構造を示す模式断面図である。 図6に示した試験サンプルの構造上の相違点をまとめた表である。 図6に示した試験サンプルを用いてタンクテストを行なった試験結果を示すグラフである。 図6に示した試験サンプルを用いて放出されたスラグ量の測定を行なった試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態1の第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の形状を示す拡大正面図である。 本発明の実施の形態1の第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の形状を示す拡大正面図である。 本発明の実施の形態1の第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の形状を示す拡大正面図である。 本発明の実施の形態2におけるT字型ガス発生器の外観構造を示す図であり、(A)は正面図、(B)は上面図である。 本発明の実施の形態2におけるT字型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図13(B)に示すXIV−XIV線に沿った断面図である。
符号の説明
1A〜1D シリンダ型ガス発生器、1E T字型ガス発生器、10 円筒状部材、10a 底板部、10b 連通孔、10c シール部材、11 ガス噴出口、15 仕切り板、15a 連通孔、15b シール部材、16 点火室、17 燃焼室、18 フィルタ室、19 多孔板、19a 連通孔、20 閉塞部材、21 溝、30 ベース部材、31 溝、32 中空部、33 凹部、34 樹脂成形部、35 カップ状部材、36 伝火室、37 伝火薬、38 シール部材、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、51 クッション材、52 ガス発生剤、53 フィルタ、60 連結部材、S1 ガス噴出口非形成領域、S2 ガス噴出口形成領域。

Claims (4)

  1. ガス発生剤が収容された燃焼室およびフィルタが収容されたフィルタ室を内部に含み、前記フィルタ室側に位置する軸方向端部が閉塞部によって閉塞されてなる長尺円筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの内部に位置し、前記ハウジングの内部の空間を軸方向に前記燃焼室と前記フィルタ室とに区画するとともに、前記燃焼室と前記フィルタ室とを連通する連通孔が設けられてなる仕切り部材と、
    前記仕切り部材から見て前記燃焼室側に位置する点火器とを備え、
    前記フィルタは、前記ハウジングの軸方向と同方向に延びる中空開口部を有する円筒状の部材からなり、
    前記フィルタの軸方向の一端面は、前記閉塞部に当接し、
    前記ハウジングの前記フィルタ室を規定する周壁部は、当該ハウジングの軸方向においてずれた位置にガスを噴出するためのガス噴出口が複数設けられてなるガス噴出口形成領域と、ガスを噴出するためのガス噴出口が設けられていないガス噴出口非形成領域とを含み、
    前記ガス噴出口非形成領域は、前記一端面を含む前記フィルタの一端部寄りの部分に対応する位置の前記周壁部に設けられ、
    前記ガス噴出口形成領域は、前記ガス噴出口非形成領域よりも前記燃焼室側に位置する前記周壁部に設けられ、
    前記ハウジングの軸方向における前記ガス噴出口形成領域の中心位置は、前記フィルタの軸方向における中心位置よりも前記燃焼室側に位置している、ガス発生器。
  2. 前記ガス噴出口非形成領域の軸方向長さDが、D>13mmの条件を充足している、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記フィルタの軸方向長さLおよび前記ガス噴出口非形成領域の軸方向長さDが、D/L>1/3の条件を充足している、請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記ガス噴出口形成領域は、前記ハウジングの周方向に沿って複数のガス噴出口が設けられてなるガス噴出口列を軸方向においてずれた位置に複数有している、請求項1から3のいずれかに記載のガス発生器。
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