JP2009262851A - ガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【課題】実仕様条件下においてもスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能が十分に確保されたフィルタレス構造のガス発生器を提供する。
【解決手段】ガス発生器1Aは、外側円筒状部材10と、外側円筒状部材10の一端および他端を閉塞するベース部材30および閉塞部材15と、外側円筒状部材10の内部に同軸上に配置された内側円筒状部材20と、点火器40とを備える。内側円筒状部材20は、外側円筒状部材10の内部の空間を径方向に燃焼室17と冷却通路18とに区画する。内側円筒状部材20の閉塞部材15寄りの位置には連通孔21が設けられており、外側円筒状部材10のベース部材30寄りの位置にはガス放出口11が設けられている。ここで、複数の連通孔21の開口面積の総和をS1、冷却通路18の断面積をS2、ガス放出口11の開口面積の総和をS3とした場合に、これらS1、S2およびS3が、S2>S3≧S1の関係を充たしている。
【選択図】図3
【解決手段】ガス発生器1Aは、外側円筒状部材10と、外側円筒状部材10の一端および他端を閉塞するベース部材30および閉塞部材15と、外側円筒状部材10の内部に同軸上に配置された内側円筒状部材20と、点火器40とを備える。内側円筒状部材20は、外側円筒状部材10の内部の空間を径方向に燃焼室17と冷却通路18とに区画する。内側円筒状部材20の閉塞部材15寄りの位置には連通孔21が設けられており、外側円筒状部材10のベース部材30寄りの位置にはガス放出口11が設けられている。ここで、複数の連通孔21の開口面積の総和をS1、冷却通路18の断面積をS2、ガス放出口11の開口面積の総和をS3とした場合に、これらS1、S2およびS3が、S2>S3≧S1の関係を充たしている。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で車両等に装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張・展開させることにより、展開されたエアバッグで乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時に瞬時にガスを発生させてエアバッグを膨張・展開させる機器である。
上記ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、「シリンダ型」と呼ばれる構造のガス発生器が存在する。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。一般に、シリンダ型ガス発生器においては、軸方向の一端部に点火器および伝火薬が配置され、軸方向の略中央部にガス発生剤が配置され、軸方向の他端部にフィルタおよびガス放出口が配置される。
このシリンダ型ガス発生器においては、点火器が作動することによって生じた火炎が伝火薬の燃焼を介してガス発生剤に伝達され、これによりガス発生剤が燃焼して高温高圧の燃焼ガスが発生する。発生した高温高圧の燃焼ガスは、フィルタを経由してガス放出口よりハウジング外部に放出され、エアバッグの膨張・展開に利用される。
この長尺円柱状の外形を有するシリンダ型ガス発生器においては、車両等への搭載性の改善の要求が強く、その小型軽量化(特に、短尺軽量化)が重要な課題となっている。また、製造コストを削減する観点からも、機器構成の簡略化に加えて小型軽量化が不可欠である。
シリンダ型ガス発生器を軽量化する際に障害となるのがフィルタの存在である。フィルタは、燃焼ガスに含まれるスラグ(残渣)を捕集するための部材であり、当該フィルタを経由して燃焼ガスがガス発生器の外部へと放出されるように構成することにより、高温のスラグがエアバッグ内へと放出されてエアバッグが破損してしまうことを防止している。また、フィルタは、高温の燃焼ガスを冷却する機能も有しており、当該フィルタを経由して燃焼ガスがガス発生器の外部へと放出されるように構成することにより、高温の燃焼ガスが冷却されることなくエアバッグへと放出されてエアバッグが破損してしまうことを防止している。
このフィルタとしては、一般に、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回して構成したものやプレス加工することによって押し固めて構成したもの等が利用されている。したがって、非常に重量の重いものとなっており、シリンダ型ガス発生器の重量増の主たる原因となっていた。
そこで、シリンダ型ガス発生器の軽量化を図ることを目的として、フィルタの使用を廃止したいわゆるフィルタレス構造のシリンダ型ガス発生器が考案されている。たとえば、特表2007−514610号公報(特許文献1)には、ハウジングの内部の空間を径方向に2室に区画する円筒状の内筒をハウジングの内部に設置し、当該内筒の点火器が位置する側の端部とは反対側の端部近傍にこれら2室を連通する連通孔を設け、ハウジングに設けられるガス放出口を点火器が位置する側の端部寄りに設け、内筒によって区画された2室のうちの内側の室にガス発生剤を充填して燃焼室とし、外側の室を冷却通路とした構成のシリンダ型ガス発生器が開示されている。この特許文献1に開示されるシリンダ型ガス発生器は、上述した如くの構成を採用することにより、冷却通路を長く確保することによってこの冷却通路にスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能をもたせ、これによりフィルタの使用を廃止しようとするものである。
特表2007−514610号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の如くのシリンダ型ガス発生器とした場合にも、スラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能を十分に確保することは容易ではない。一般に、冷却通路の長さを長くすれば長くするほどそのスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能は向上することになるが、上述の構造においては、冷却通路の長さを内筒の軸方向長さを超えて確保することができず、実仕様条件を考慮した場合には、単に上述の構成を採用しただけではスラグの捕集機能および燃焼ガスの冷却機能が著しく不十分となるおそれが高い。
そのため、上記特許文献1においては、内筒とハウジングの間にさらに中筒を追加して配置し、当該中筒の点火器が位置する側の端部寄りに連通孔を設け、ハウジングに設けられるガス放出口を点火器が位置する側の端部とは反対側の端部近傍に設けることにより、冷却通路の長さを内筒の軸方向長さを超えて確保し、十分なスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能を得ることが検討されている。
しかしながら、このような構成を採用した場合には、内筒に加えて中筒が必要になるため、これら内筒と中筒との総重量が重くなり、フィルタを使用した場合に比べて軽量化の観点から優位なものとならない結果を招来したり、シリンダ型ガス発生器の径方向の外形が大型化してしまうといった新たな問題をも招来してしまう。また、組付け構造が複雑化することにもなるため、生産性が低下してしまう問題も生じる。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、実仕様条件下においてもスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能が十分に確保されたフィルタレス構造のガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ガス発生剤が収容された燃焼室、上記燃焼室にて発生した燃焼ガスを通過させることにより当該燃焼ガスを冷却する冷却通路および上記冷却通路を通過後の燃焼ガスを外部に放出するガス放出口を含むハウジングと、上記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備えるものである。上記ハウジングは、長尺円筒状の第1筒状部と、上記第1筒状部の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部と、上記第1筒状部の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部と、上記第1筒状部の内部でかつ上記第1筒状部と同軸上に位置し、上記第1筒状部の内部の空間を径方向に上記燃焼室と上記冷却通路とに区画する長尺円筒状の第2筒状部とを含んでいる。上記点火器は、その点火部が上記燃焼室に面するように上記第1閉塞部に組付けられる。上記第2筒状部は、その周壁の上記第2閉塞部寄りの位置に上記燃焼室と上記冷却通路とを連通する連通孔が複数設けられてなる連通孔形成領域を有しており、上記第1筒状部は、その周壁の上記第1閉塞部寄りの位置に上記ガス放出口が複数設けられてなるガス放出口形成領域を有している。ここで、上記複数の連通孔の開口面積の総和をS1、上記第1筒状部の軸方向と直交する上記冷却通路の最小断面積をS2、上記ガス放出口の開口面積の総和をS3とした場合に、これらS1、S2およびS3が、S2>S3≧S1の関係を充たしている。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記連通孔形成領域に設けられた上記連通孔のうちの最も上記第1閉塞部側に位置する連通孔の上記第1閉塞部側の端部から、上記ガス放出口形成領域に設けられた上記ガス放出口のうちの最も上記第2閉塞部側に位置するガス放出口の上記第2閉塞部側の端部にまで至る部分の上記冷却通路の上記第1筒状部の軸方向に沿った長さL1が、少なくとも20mm以上であることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、(S2/S1)/(S3/S1)≧0.06×L1の条件を充たしていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記連通孔形成領域に設けられた上記連通孔の開口径をφd1とした場合に、上記連通孔形成領域に設けられた上記連通孔のうちの最も上記第2閉塞部側に位置する連通孔の上記第2閉塞部側の端部から上記第2閉塞部側に向けて延びる部分の上記冷却通路の上記第1筒状部の軸方向に沿った長さL2が、少なくともL2≧1.0×φd1の条件を充たしていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ガス放出口形成領域に設けられた上記ガス放出口の開口径をφd2とした場合に、上記ガス放出口形成領域に設けられた上記ガス放出口のうちの最も上記第1閉塞部側に位置するガス放出口の上記第1閉塞部側の端部から上記第1閉塞部側に向けて延びる部分の上記冷却通路の上記第1筒状部の軸方向に沿った長さL3が、少なくともL3≧1.5×φd2の条件を充たしていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ガス発生剤の燃焼によって生じる燃焼ガスの総モル数をMとした場合に、S1/Mが、70mm2/mol以上300mm2/mol以下であることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記連通孔形成領域に上記第2筒状部の周方向に沿って複数の連通孔を設けてなる連通孔列が設けられていてもよく、上記連通孔列が設けられた部分における上記第1筒状部の軸方向と直交する面を基準とした場合に、当該面内に位置する連通孔の個数n、当該連通孔の直径φd1および上記第2筒状部の内径Dsが、Ds×π/2≧n×φd1の関係を充たしていることが好ましい。
本発明によれば、実仕様条件下においてもスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能が十分に確保されたフィルタレス構造のガス発生器とすることができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、サイドエアバッグ装置等に組み込まれるいわゆるシリンダ型ガス発生器を例示して説明を行なう。
図1は、本発明の実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は右側面図である。また、図2は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図1(A)および図1(B)に示すII−II線に沿った断面図である。まず、これら図1(A)、図1(B)および図2を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造および内部構造について説明する。
図1(A)、図1(B)および図2に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺略円柱状の外形を有しており、第1筒状部としての外側円筒状部材10と、第2筒状部としての内側円筒状部材20と、第1閉塞部としてのベース部材30と、第2閉塞部としての閉塞部材15とを含んでいる。
外側円筒状部材10および内側円筒状部材20は、軸方向の両端に開口を有する長尺の部材からなる。外側円筒状部材10は、内側円筒状部材20よりも大径でかつその軸方向長さも大きく形成されている。ベース部材30は、外側円筒状部材10の軸方向と同方向に延びる中空部32を有する筒状の部材からなり、その周面に環状溝31を有している。閉塞部材15は、所定の厚みを有する円盤状の部材からなり、その軸方向端面に突出部15aを有するとともに、その周面に環状溝16を有している。これら外側円筒状部材10、内側円筒状部材20、ベース部材30および閉塞部材15は、いずれもステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材からなり、かしめ固定や圧入固定によってそれぞれが連結・固定されている。
具体的には、閉塞部材15は、外側円筒状部材10の一方の開口端を閉塞するように外側円筒状部材10に取付けられており、内側円筒状部材20は、外側円筒状部材10に内装されるとともにその一方の開口端が閉塞部材15によって閉塞されるように閉塞部材15に取付けられている。また、ベース部材30は、外側円筒状部材10の他方の開口端を閉塞するように外側円筒状部材10に取付けられている。
より詳細には、外側円筒状部材10の一方の開口端に閉塞部材15の一部が内挿された状態で、閉塞部材15の周面に設けられた環状溝16に対応する部分の外側円筒状部材10の周壁を径方向内側に縮径させて当該環状溝16に係合させることにより、外側円筒状部材10に対する閉塞部材15のかしめ固定が行なわれ、閉塞部材15の突出部15aに内側円筒状部材20の一方の開口端を外挿することにより、内側円筒状部材20に対する閉塞部材15の圧入固定が行なわれる。内側円筒状部材20の上記閉塞部材15に固定された側の端部とは反対側に位置する端部には、径方向外側に向かって延びるフランジ部20aが設けられており、当該フランジ部20aの先端は、外側円筒状部材10の内周面に当接している。これにより、外側円筒状部材10と内側円筒状部材20とが同軸上に位置決めして固定されることになる。一方、外側円筒状部材10の他方の開口端にベース部材30の一部が内挿された状態で、ベース部材30の外周面に設けられた環状溝31に対応する部分の外側円筒状部材10の周壁を径方向内側に縮径させて当該環状溝31に係合させることにより、外側円筒状部材10に対するベース部材30のかしめ固定が行なわれる。
上述のかしめ固定は、いずれも外側円筒状部材10の周壁を径方向内側に向かって均等に縮径させる八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを利用すれば、かしめ固定する2つの部材間に特にシール部材を介装させずとも気密性を十分に確保することができる。
以上のハウジング構造を採用することにより、シリンダ型ガス発生器1Aの内部の空間が内側円筒状部材20によって径方向に2室に区画されることになる。このうちの内側の室が燃焼室17となり、外側の室が冷却通路18となる。これら燃焼室17および冷却通路18の詳細については後述する。
図2に示すように、ベース部材30の中空部32内には、点火器(スクイブ)40が配置されており、ベース部材30と点火器40との間には、樹脂成形部34が位置している。ベース部材30の燃焼室17側の端部には、有底筒状のカップ状部材35が取付けられており、この有底筒状のカップ状部材35の内部の空間である伝火室36には、伝火薬(エンハンサ)37が収容されている。カップ状部材35のベース部材30に対する固定には、たとえばかしめ固定が利用される。
ベース部材30の外周面(すなわち外側円筒状部材10の内周面と対向する面)には、凹部33が周方向に延びるように設けられており、この凹部33には、シール部材38が収容されている。シール部材38は、外側円筒状部材10とベース部材30との間に生じる隙間を気密に封止するためのものであり、これによってシリンダ型ガス発生器1Aの外部と燃焼室17との間の気密性が確保されることになる。また、ベース部材30の内周面と点火器40との間は、上述のように樹脂成形部34によって封止されており、これによってシリンダ型ガス発生器1Aの外部と伝火室36および燃焼室17との間の気密性が確保されている。
なお、上述のシール部材38としては、十分な耐熱性および耐久性を有する部材が用いられることが好ましく、たとえばエチレンプロピレンゴムの一種であるEPDM樹脂製のOリング等が好適に利用可能である。当該シール部材38は、外側円筒状部材10とベース部材30とのかしめ固定の際に、これら部材間に挿入されて取付けられる。なお、シール部材38が介装される部分に別途液状のシール剤を塗布して硬化させておけば、さらに高い気密性を得ることができる。
また、上述の樹脂成形部34は、たとえばインサート成形によって形成され、その原材料としては、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂等が利用可能である。
点火器40は、火炎を発生させるための点火装置であり、点火部41と端子ピン42とを含んでいる。点火部41は、その内部に作動時において着火する点火薬と、この点火薬を燃焼させるための抵抗体とを含んでいる。端子ピン42は、点火薬を着火させるために点火部41に接続されている。より具体的には、点火器40は、一対の端子ピン42を挿通・保持する基部と、基部上に取付けられたスクイブカップとを備えており、スクイブカップ内に挿入された端子ピン42の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するようにスクイブカップ内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合にはたとえば2ミリ秒以下である。
伝火薬37は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬37としては、後述するガス発生剤52を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物などが用いられる。伝火薬37は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成型されたもの等が利用される。バインダによって成型された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
燃焼室17は、内側円筒状部材20、閉塞部材15およびベース部材30によって主として規定されており、その内部にガス発生剤52が主として収容されている。ガス発生剤52は、点火器40によって点火された伝火薬37が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによって燃焼ガスを発生させるものである。
ガス発生剤52は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤52の成型体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものがある。また、成型体内部に孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成型体も利用される。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤52の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤52の形状の他にもガス発生剤52の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成型体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
燃焼室17のベース部材30側の端部には、クッション材51が燃焼室17内に収容されたガス発生剤52に接触するように配置されている。このクッション材51は、成型体からなるガス発生剤52が振動等によって粉砕されることを防止する目的で設けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成型体や発泡シリコン等が利用される。このクッション材51は、作動時において伝火薬37の燃焼によって開口または分断し、場合によっては焼失する。
内側円筒状部材20の閉塞部材15側の端部寄りの部分には、連通孔形成領域A1が位置している。この連通孔形成領域A1には、燃焼室17と冷却通路18を連通する連通孔21が複数個設けられている。本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、内側円筒状部材20の周方向に沿って4個の連通孔21を含む連通孔列が内側円筒状部材20の軸方向にずらして3列設けられており、合計12個の連通孔21が形成されている。これら12個の連通孔21は、それぞれ同じ大きさに形成されており、燃焼室17に収容されたガス発生剤52の外形よりも小さい大きさとされている。
冷却通路18は、外側円筒状部材10、内側円筒状部材20および閉塞部材15によって主として規定されており、燃焼室17を取り巻くように形成されている。外側円筒状部材10のベース部材30側の端部寄りの部分には、ガス放出口形成領域A2が位置している。このガス放出口形成領域A2には、燃焼ガスを外部に放出するためのガス放出口11が複数個設けられている。本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、外側円筒状部材10の周方向に沿って4個のガス放出口11を含むガス放出口列が外側円筒状部材10の軸方向にずらして3列設けられており、合計12個のガス放出口11が形成されている。これら12個のガス放出口11は、それぞれ同じ大きさに形成されている。
ガス放出口形成領域A2に対応する部分の外側円筒状部材10の内周面には、上記ガス放出口11を閉塞するようにシール部材19が貼付されている。このシール部材19としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、非作動時における冷却通路18および燃焼室17の外部に対する気密性が確保され、冷却通路18および燃焼室17内への水分等の混入が防止されることになる。
なお、図1(A)、図1(B)および図2においては示していないが、シリンダ型ガス発生器1Aのベース部材30が配置された側の端部には、雌型コネクタ(不図示)が取付けられる。この雌型コネクタは、シリンダ型ガス発生器1Aとは別途設けられる衝突検知センサからの信号を伝達するハーネスの雄型コネクタが接続される部位である。雌型コネクタには、必要に応じてショーティングクリップ(不図示)が取付けられる。このショーティングクリップは、シリンダ型ガス発生器1Aの搬送時等において静電放電等によってシリンダ型ガス発生器1Aが誤動作することを防止するために取付けられるものであり、エアバッグ装置への組付け段階においてハーネスの雄型コネクタが雌型コネクタに挿し込まれることによってその端子ピン42への接触が解除されるものである。
次に、以上において説明したシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器40が作動する。点火器40が作動すると、点火薬の燃焼によって点火部41内の圧力が上昇し、これによって点火部41が破裂し、火炎が点火部41の外部へと流出する。点火室16に収容された伝火薬37は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬37の燃焼により、伝火室36内の圧力が上昇し、これによってカップ状部材35が破裂し、上述の熱粒子が燃焼室17へと至る。
燃焼室17へと達した熱粒子は、クッション材51を燃焼させてこれを開口または分断し、燃焼室17内においてガス発生剤52が着火されて燃焼し、多量の燃焼ガスが発生する。燃焼室17内にて発生した燃焼ガスは、連通孔21を介して冷却通路18へと流れ込む。そして、冷却通路18へと流れ込んだ燃焼ガスは冷却通路18内を軸方向に流動し、その際、燃焼ガス中に含まれるスラグは冷却通路18の流路壁に付着して除去され、それと同時に燃焼ガスの温度は所定温度にまで冷却され、ガス放出口11からシリンダ型ガス発生器1Aの外部へと放出される(図3(A)参照)。ガス放出口11から放出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
図3(A)は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の各部の寸法の関係を説明するための断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示すIIIB−IIIB線に沿った断面図、図3(C)は、図3(A)に示すIIIC−IIIC線に沿った断面図、図3(D)は、図3(A)に示すIIID−IIID線に沿った断面図である。次に、これら図3(A)ないし図3(D)を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の各部の具体的な寸法の関係について説明する。
上述したように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにあっては、内側円筒状部材20に設けられた12個の連通孔21のそれぞれが同一の開口径を有している。図3(A)および図3(B)を参照して、この連通孔21の開口径をφd1とすると、連通孔21の開口面積の総和S1は、S1=12×π×(φd1/2)2で表わされる。
また、上述したように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにあっては、外側円筒状部材10に設けられた12個のガス放出口11のそれぞれが同一の開口径を有している。図3(A)および図3(D)を参照して、このガス放出口11の開口径をφd2とすると、ガス放出口11の開口面積の総和S3は、S3=12×π×(φd2/2)2で表わされる。
また、図3(A)および図3(C)を参照して、外側円筒状部材10と内側円筒状部材20との間に形成される冷却通路18の軸方向と直交する断面積S2は、外側円筒状部材10の内径RA1と内側円筒状部材20の外径RBによって、S2=π×(RA 2−RB 2)/4で表わされる。ここで、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、冷却通路18を構成する部分の外側円筒状部材10および内側円筒状部材20がいずれも一定の開口径の直行管にて構成されているため、当該S2が冷却通路18の最小断面積に相当することになる。
本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、上述した連通孔21の開口面積の総和S1、冷却通路18の最小断面積S2およびガス放出口11の開口面積の総和S3が、S2>S3≧S1の関係を充たしている。すなわち、(RA 2−RB 2)/3>φd2 2≧φd1 2の関係を充たしている。このように構成することにより、スラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能を十分に確保できることになる。以下にその理由について詳説する。
一般に、高温のスラグは、流路壁に吹き付けられることによって流路壁に付着する性質を有している。したがって、より確実に多くのスラグを捕集するためには、燃焼ガスを冷却通路18の流路壁に向けてより勢いよく吹き付ければよいことになる。そのためには、連通孔21の開口面積の総和S1を比較的小さく絞り、連通孔21を通過し冷却通路18に進入する燃焼ガスの流速を上げることが必要となる。また、燃焼室17内の圧力は、シリンダ型ガス発生器1Aの動作時において比較的高く(概ね70mm2/mol以上)維持されることが必要であり、そのためには、やはり連通孔21の開口面積の総和S1を比較的小さく絞ることが必要である。なお、シリンダ型ガス発生器1Aの動作時において、上記燃焼室17の内圧の維持を達成するためには、ガス発生剤の燃焼によって生じる燃焼ガスの総モル数をMとした場合に、S1/Mが、70mm2/mol以上300mm2/mol以下であることが必要である。
一方、冷却通路18中を流動する燃焼ガスの温度を冷却通路18の長さを変えずにより低い温度にまで冷却するためには、燃焼ガスと流路壁との接触時間を増加させることが必要である。そのためには、燃焼ガスの流速を下げ、冷却通路18中において燃焼ガスがよどむようにすることが必要である。したがって、冷却通路18の断面積S2を上記連通孔21の開口面積の総和S1よりも大きくし(S2>S1)、燃焼ガスの流速を下げることにより、より効果的に燃焼ガスを冷却することが可能になる。また、このように構成して燃焼ガスと流路壁との接触時間を増加させれば、その分スラグが流路壁に接触して付着する機会も増すことになり、より効果的にスラグを捕集することも可能になる。
また、エアバッグをより迅速に膨張。展開させるためには、シリンダ型ガス発生器1Aの動作時の初期において、より勢いよく燃焼ガスをガス放出口11から放出させることが必要となる。そのためには、ガス放出口11の開口面積の総和S3を上記冷却通路の断面積S2よりも小さく絞り(S2>S3)、ガス放出口11を通過する際の燃焼ガスの流速を再び上げることにより、エアバッグのより迅速な膨張・展開が可能になる。
以上から分かるように、S2>S3≧S1の条件を充たすようにシリンダ型ガス発生器を構成することにより、実仕様条件下においてもスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能が十分に確保されたフィルタレス構造のシリンダ型ガス発生器とすることができる。
ここで、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、連通孔形成領域A1において、内側円筒状部材20の周方向に沿って4個(すなわち、n=4)の連通孔21が内側円筒状部材20の軸方向にずらして3列にわたって形成されている。ここで、内側円筒状部材20の内径Dsを変えることなく連通孔21の直径を大きくすれば、当該部分における内側円筒状部材20の機械的強度が低下することにより、上述した動作時における燃焼室17の内圧の維持が困難となる。これを防止するためには、内側円筒状部材20の厚みにも影響されるものの、連通孔列が設けられた部分における断面において第2筒状部の内径DsがDs×π/2≧4×φd1の関係を充たすように連通孔21の開口径φd1を決定すれば、上述の内圧の維持が可能になる。
また、スラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能をより確実なものとするためには、連通孔形成領域A1に設けられた連通孔21のうちの最もベース部材30側に位置する連通孔のベース部材30側の端部から、ガス放出口形成領域A2に設けられたガス放出口11のうちの最も閉塞部材15側に位置するガス放出口の閉塞部材15側の端部にまで至る部分の冷却通路18の軸方向に沿った長さL1(図3(A)参照)が、少なくとも20mm以上であることが好ましい。このように構成することにより、上記S2>S3≧S1の条件を充たすように構成することと相まって、高いスラグの捕集機能と燃焼ガスの冷却機能を得ることができる。
また、スラグの捕集機能の向上と燃焼ガスのスムーズな流れを実現するためには、S2>S3≧S1の関係において、L1≧20mmの条件を充たすとともに、(S2/S1)/(S3/S1)≧0.06×L1の条件を充たしていることが好ましい。このように構成することにより、燃焼ガスが流動する通路の長さとその断面積が最適化され、上述したスラグの捕集機能の向上と燃焼ガスのスムーズな流れが実現されることになる。
また、連通孔形成領域A1に設けられた連通孔21のうちの最も閉塞部材15側に位置する連通孔の閉塞部材15側の端部から閉塞部材15側に向けて延びる部分の冷却通路18の軸方向に沿った長さL2が、少なくともL2≧1.0×φd1の条件を充たしていることが好ましい。さらには、ガス放出口形成領域A2に設けられたガス放出口11のうちの最もベース部材30側に位置するガス放出口のベース部材30側の端部からベース部材30側に向けて延びる部分の冷却通路18の軸方向に沿った長さL3が、少なくともL3≧1.5×φd2の条件を充たしていることが好ましい。このように構成することにより、スラグの捕集機能の向上を図ることができる。これは、上記条件を充たすことで、冷却通路18の両端に所定の大きさのスラグ捕集のための空間が形成されるためであり、当該構成を採用することにより、燃焼室17から冷却通路18を経由してガス放出口11に至る流路の途中にスラグ捕集のための上記空間が設けられることになり、上述したスラグの捕集機能の向上が図られることになる。なお、L2≦L3の条件を充たすように構成すれば、シリンダ型ガス発生器1Aの閉塞部材15側に形成される上記空間の軸方向長さよりもベース部材30側に形成される上記空間の軸方向長さを大きくすることができる。このように構成することにより、作動時において燃焼ガスの進行方向に位置することとなる上記ベース部材30側に形成される空間の方をより大容量化することができ、当該空間に向かって進行してくる燃焼ガス中に含まれるスラグをより効率的に捕集することができるとともに、捕集したスラグの再飛散をより確実に防止することができるようになる。
なお、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、複数個設けられる連通孔21のそれぞれの大きさを同一の大きさとした場合を例示して説明を行ったが、当該連通孔21の個々の大きさは適宜変更が可能である。また、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、連通孔21の数を12個とした場合を例示したが、この個数も同然に適宜変更が可能である。
また、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、複数個設けられるガス放出口11のそれぞれの大きさを同一の大きさとした場合を例示して説明を行ったが、当該ガス放出口11の個々の大きさは適宜変更が可能である。また、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、ガス放出口11の数を12個とした場合を例示したが、この個数も同然に適宜変更が可能である。
また、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、冷却通路18を構成する部分の外側円筒状部材10および内側円筒状部材20がいずれも一定の開口径の直行管にて構成された場合を例示して説明を行ったが、必ずしもこのように構成する必要はない。その場合、上述した冷却通路18の断面積S2は、連通孔21からガス放出口11に至る部分の冷却通路18の断面積のうちの最小の断面積で規定されることになる。
さらには、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、内側円筒状部材20の閉塞部材15側の端部が閉塞部材15に設けられた突出部15aに圧入されて固定された場合を例示して説明を行ったが、他の構造を採用することも可能である。以下においては、その幾つかの例を図示して例示する。図4ないし図6は、本実施の形態のシリンダ型ガス発生器の第1ないし第3変形例を示す模式断面図である。
図4に示す第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Bは、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいて第2閉塞部として使用していた閉塞部材15を使用せず、外側円筒状部材10を有底円筒状の部材にて構成し、この有底円筒状の外側円筒状部材10の底部12を第2閉塞部として使用したものである。この場合には、内側円筒状部材20の上記底部12側の端部にベース部材30側の端部に設けられたフランジ部20aと同様の構成のフランジ部20bを設ける。これにより、外側円筒状部材10と内側円筒状部材20とを同軸上に配置することが可能になる。
図5に示す第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Cは、外側円筒状部材10を有底円筒状の部材にて構成し、この有底円筒状の外側円筒状部材10の底部12を第2閉塞部として使用した点において、図4に示すシリンダ型ガス発生器1Bと同様である。しかしながら、本変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Cにおいては、内側円筒状部材20についても外側円筒状部材10と同様に有底円筒状の部材にて構成し、これら外側円筒状部材10の底部12と内側円筒状部材20の底部22とを重ねて配置することにより、外側円筒状部材10と内側円筒状部材20とを同軸上に配置している。
図6に示す第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Dは、外側円筒状部材10を有底円筒状の部材にて構成し、この有底円筒状の外側円筒状部材10の底部12を第2閉塞部として使用した点において、図4および図5に示すシリンダ型ガス発生器1B,1Cと同様である。しかしながら、本変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Dにおいては、外側円筒状部材10の底部12に内側に向けて突出する突出部13を形成し、この突出部13に内側円筒状部材20の開口端を外挿することにより、内側円筒状部材20を外側円筒状部材10の突出部13に圧入固定している。これにより、外側円筒状部材10と内側円筒状部材20とを同軸上に配置することが可能になる。
以上において説明した本実施の形態およびその変形例においては、本発明をシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の出力部を有するいわゆるT字型のガス発生器にもその適用が可能である。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1D シリンダ型ガス発生器、10 外側円筒状部材、11 ガス放出口、12 底部、13 突出部、15 閉塞部材、15a 突出部、16 環状溝、17 燃焼室、18 冷却通路、19 シール部材、20 内側円筒状部材、20a,20b フランジ部、21 連通孔、22 底部、30 ベース部材、31 環状溝、32 中空部、33 凹部、34 樹脂成形部、35 カップ状部材、36 伝火室、37 伝火薬、38 シール部材、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、51 クッション材、52 ガス発生剤、A1 連通孔形成領域、A2 ガス噴出口形成領域。
Claims (7)
- ガス発生剤が収容された燃焼室、前記燃焼室にて発生した燃焼ガスを通過させることにより当該燃焼ガスを冷却する冷却通路および前記冷却通路を通過後の燃焼ガスを外部に放出するガス放出口を含むハウジングと、
前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備えたガス発生器であって、
前記ハウジングは、長尺円筒状の第1筒状部と、前記第1筒状部の軸方向の一端を閉塞する第1閉塞部と、前記第1筒状部の軸方向の他端を閉塞する第2閉塞部と、前記第1筒状部の内部でかつ前記第1筒状部と同軸上に位置し、前記第1筒状部の内部の空間を径方向に前記燃焼室と前記冷却通路とに区画する長尺円筒状の第2筒状部とを含み、
前記点火器は、その点火部が前記燃焼室に面するように前記第1閉塞部に組付けられ、
前記第2筒状部は、その周壁の前記第2閉塞部寄りの位置に前記燃焼室と前記冷却通路とを連通する連通孔が複数設けられてなる連通孔形成領域を有し、
前記第1筒状部は、その周壁の前記第1閉塞部寄りの位置に前記ガス放出口が複数設けられてなるガス放出口形成領域を有し、
前記複数の連通孔の開口面積の総和をS1、前記第1筒状部の軸方向と直交する前記冷却通路の最小断面積をS2、前記ガス放出口の開口面積の総和をS3とした場合に、これらS1、S2およびS3が、S2>S3≧S1の関係を充たしている、ガス発生器。 - 前記連通孔形成領域に設けられた前記連通孔のうちの最も前記第1閉塞部側に位置する連通孔の前記第1閉塞部側の端部から、前記ガス放出口形成領域に設けられた前記ガス放出口のうちの最も前記第2閉塞部側に位置するガス放出口の前記第2閉塞部側の端部にまで至る部分の前記冷却通路の前記第1筒状部の軸方向に沿った長さL1が、少なくとも20mm以上である、請求項1に記載のガス発生器。
- (S2/S1)/(S3/S1)≧0.06×L1の条件を充たしている、請求項2に記載のガス発生器。
- 前記連通孔形成領域に設けられた前記連通孔の開口径をφd1とした場合に、前記連通孔形成領域に設けられた前記連通孔のうちの最も前記第2閉塞部側に位置する連通孔の前記第2閉塞部側の端部から前記第2閉塞部側に向けて延びる部分の前記冷却通路の前記第1筒状部の軸方向に沿った長さL2が、少なくともL2≧1.0×φd1の条件を充たしている、請求項1から3のいずれかに記載のガス発生器。
- 前記ガス放出口形成領域に設けられた前記ガス放出口の開口径をφd2とした場合に、前記ガス放出口形成領域に設けられた前記ガス放出口のうちの最も前記第1閉塞部側に位置するガス放出口の前記第1閉塞部側の端部から前記第1閉塞部側に向けて延びる部分の前記冷却通路の前記第1筒状部の軸方向に沿った長さL3が、少なくともL3≧1.5×φd2の条件を充たしている、請求項1から4のいずれかに記載のガス発生器。
- 前記ガス発生剤の燃焼によって生じる燃焼ガスの総モル数をMとした場合に、S1/Mが、70mm2/mol以上300mm2/mol以下である、請求項1から5のいずれかに記載のガス発生器。
- 前記連通孔形成領域には、前記第2筒状部の周方向に沿って複数の連通孔を設けてなる連通孔列が設けられており、
前記連通孔列が設けられた部分における前記第1筒状部の軸方向と直交する面を基準とした場合に、当該面内に位置する連通孔の個数n、当該連通孔の直径φd1および前記第2筒状部の内径Dsが、Ds×π/2≧n×φd1の関係を充たしている、請求項1から6のいずれかに記載のガス発生器。
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