JP2009060875A - 糖質と糖質以外の食品成分を混合して大気中で高温処理して機能性素材を製造する方法及びその素材 - Google Patents

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Yuji Kobayashi
祐二 小林
Katsuhiko Mikuni
克彦 三國
Kenji Shiraishi
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Abstract

【課題】簡単な方法で、難消化性やその他の機能が改変されていて、広汎に利用できる粉末状の機能性食品素材の製造方法と、該製造方法によって得られた加工製品の粉末状の機能性食品素材を提供する。
【解決手段】原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造する方法であって、1)原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理することにより、粉末状の難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した機能性食品素材を製造する工程からなり、2)上記原料の粉末状の食品素材が、小麦粉、米粉又は糖質素材粉末である、ことを特徴とする加工製品の粉末状の機能性食品素材の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉末状の機能性食品素材とその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理して、その特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品であって、難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した粉末状の機能性食品素材及びその製造方法に関するものである。
従来より、例えば、粉末状の食品素材である澱粉を加熱処理することによって、デキストリンとしたり、該澱粉を温水中で処理をして一部難消化性として利用したり、或いは該澱粉に加圧−減圧処理を施して難消化性澱粉としたりする事例がみられるように、粉末状の食品素材の特性を人為的に変換してその加工製品を製造する方法が知られている。
また、例えば、先行技術文献には、澱粉のα化処理の方法に関して、電磁照射工程の前に、高温蒸気の短時間吹き付けによる洗い処理を施すことで澱粉の流出を防止し、かつ所要の含水とこの時の加熱に伴う一次α化とを一挙に行わせる方法が記載されている(特許文献1)。
また、他の先行技術文献には、マイクロ波照射によって再加熱することのできる食品に関して、前処理粉組成物で粉ふりかけ前処理された食品に、澱粉及びそれ自体水分の存在下での加熱によりゲル化するセルロース・ガムからなるバッターを適用し、バッター付けした食品をフライし、次いで、フライした製品を冷却することを特徴とする被覆食品の製造法が記載されている(特許文献2)。
また、他の先行技術文献には、食品素材の調理方法に関して、低圧高温過熱蒸気装置の中で、過熱蒸気を直接噴射し、油のリサイクルを促進して省油を図り、かつ、食品での過剰油の酸化を防止するばかりか、製品表面のギタギタ感を無くし、サクサク感を長期維持できることを可能にした食品素材の調理を連続的に行う方法が記載されている(特許文献3)。
更に、他の先行技術文献には、食物繊維高含有澱粉素材を得る方法に関して、アミロース含有量が30重量%以上の澱粉を減圧ラインと加圧蒸気ラインの両方を付設した耐圧性容器に入れて、減圧した後、好ましくは100〜140℃で10〜180分間の条件下で、蒸気を導入して加圧加熱する操作を、好ましくは複数回繰り返して行う方法が記載されている(特許文献4)。
このように、従来、粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した機能性食品素材を製造する事例は種々提案されている。しかしながら、これらの方法は、工程が複雑であったり、目的とする難消化性、乳化性、又は抗酸化性などの機能性を付加できない場合があり、いずれもその方法や、得られる製品は、原料に比較して十分な優位性がないのが実情である。このような製品には、上記の従来技術にみられるように、複雑な工程を経なければならないし、かつ製造できるものも限られていたという問題点があった。
そこで、本発明者らは、過熱水蒸気処理による機能性食品素材の製造法を開発し、「粉末状の食品素材とその処理方法」を開発した(特許文献5)。この方法は、粉末状の食品素材を過熱蒸気で処理することを特徴とする、粉末状の食品素材の処理方法であり、粉末状の食品素材を、分離状態を保持しながら過熱蒸気で処理するものである。該方法では、難消化性、乳化性、抗酸化性など多機能食品素材を製造することができるが、しかし、この方法には、過熱水蒸気発生装置が必要で、加工コストが高くなり、処理操作もやや煩雑であるという問題があった。
特開平8−112067号公報 特表平6−510186号公報 特開2005−229982号公報 特開平10−195105号公報 特願2006−062606号
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、簡便な方法で原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させた加工製品の粉末状の機能性食品素材を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、粉末素材の場合、主要な要件として、1)ある程度の水分があること、2)加熱処理したものであること、3)粉末粒同士が付着しないように保持することができること、の要件を満たすことができれば、大気中の加熱処理であっても、その特性を人為的に変換させた機能性食品素材を製造できるとの新規知見を得て、更に研究を積み重ねて、本発明に到達した。
本発明は、基本的には、食品素材それ自体の1種類以上(水も食品素材の1つとする)を組み合わせて、開放系で高温処理するものであり、この技術を、本発明者らは、boil and/or bake science(ニル・ヤク科学)と呼称している。また、反応の場が粒表面上であることも本技術の特徴である。その原理の一つは、例えば、澱粉の場合であれば、澱粉のアニーリングであり、結晶構造を崩壊させた後に、個々の澱粉粒で再結晶させて粉末状態を保持することである。粉末状態を保持することにより、糊状にならず、処理が全体に進行し、製品の取り扱いも容易となる。食品成分の混合の場合であれば、該成分を部分的に局在させ、拡散を防止しながら、粒個々に機能性を付加するものである。
尚、従来法では、澱粉粒が崩壊しない程度の温度で温水中で処理した後、放冷して、一部の結晶が崩壊した澱粉粒表面が再結晶化をしたものを製造していた。また、瞬間水蒸気処理は、減圧下で瞬間に蒸気を吹き込んで澱粉粒を分散させるものであった。
本発明者らは、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子を分離状態を保持して、大気中で加熱処理することによっても、その特性を人為的に変換させた加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。本発明では、例えば、澱粉の場合、粉末状態を保持して個々の澱粉粒の一部を崩壊−再結晶化させるものであり、それにより、その特性を人為的に変換させた新規食品素材を製造することを目的とするものである。また、本発明は、簡単な方法で、難消化性、乳化性乃至抗酸化性、(溶解性、テクスチャー、味、その他の機能性)を変換させた加工製品の粉末状の機能性食品素材と、その製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造する方法であって、1)原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理することにより、粉末状の難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した機能性食品素材を製造する工程からなり、2)上記原料の粉末状の食品素材が、小麦粉、米粉又は糖質素材粉末である、ことを特徴とする加工製品の粉末状の機能性食品素材の製造方法。
(2)上記糖質素材粉末が、澱粉、澱粉水解物、セルロース、キチン、ショ糖、又は乳糖である、前記(1)に記載の方法。
(3)原料の粉末状の食品素材を、振盪、超音波振動処理、又は粉末を上方から分散させながら落下させる処理か、粉末の分散性をより高めるために回転板に衝突させる処理により、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理する、前記(1)に記載の方法。
(4)大気中での加熱処理の温度が、50〜300℃である、前記(1)に記載の方法。
(5)原料の粉末状の食品素材を、液を噴霧しながら加熱処理する、前記(1)に記載の方法。
(6)粉末状の食品素材に噴霧する液が、水、有機酸、及び/又は油脂である、前記(5)に記載の方法。
(7)原料の粉末状の食品素材が、澱粉であり、該澱粉を香味液に浸漬して香味成分を含ませた澱粉を、(該澱粉粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、)大気中で加熱処理することにより、香味含有澱粉を製造する、前記(1)記載の方法。
(8)原料の粉末状の食品素材を、担体粉末を混合して、該粉末を構成する粒子の分散状態を保持しながら、大気中で加熱処理する、前記(1)に記載の方法。
(9)原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材であって、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理を施して、難消化性、乳化性又は抗酸化性を付加したことを特徴とする加工製品の粉末状の機能性食品素材。
(10)上記担体粉末が、粉末セルロース、又は粉末キチンである、前記(8)に記載の方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造する方法であって、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理することにより、粉末状の難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した機能性食品素材を製造する工程からなり、上記原料の粉末状の食品素材が、小麦粉、米粉又は糖質素材粉末であること、を特徴とするものである。
また、本発明は、原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材であって、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理を施して、難消化性、乳化性又は抗酸化性を付加したことを特徴とするものである。
本発明は、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理して、該粉末状の食品素材の特性を変換して、改良、改質した加工製品の粉末状の機能性食品素材と、該粉末状の機能性食品素材を製造する方法、である。原料の粉末状の食品素材を大気中で加熱処理する際の反応の場は、高温酸化的雰囲気であり、酸化すると同時に、素材の加水分解、複合体形成の反応も促進され、各種素材として有用な加工製品の粉末状の機能性食品を製造することができる。
本発明は、原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材に関し、原料の粉末状の食品素材を大気中で高温処理することにより、粉末状の難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した機能性食品素材の点に特徴を有するものであり、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら大気中で加熱処理することに特徴を有するものである。
ここで、粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら大気中で加熱処理するとは、例えば、澱粉粉末の場合、該澱粉粉末を構成する澱粉の粒子を分離させた状態に保持しながら大気中で加熱処理することを意味し、一般的には、原料の粉末状の食品素材を構成する結晶粒子レベルまで分離させた状態に保持しながら大気中で加熱処理することを意味する。本発明の対象とされる原料は、粉末状の食品素材であればよく、その種類は特に制限されない。
粉末状の食品素材としては、具体的には、例えば、穀類粉末、蛋白質素材粉末、糖質素材粉末などが例示される。また、粉末状であれば、糖質系の粉末に限定せず、本発明の方法を適用することができ、植物の乾燥粉末、例えば、粉末ミルクなどの動物性乾燥粉末でもよい。ここで、粉末の粒径は、特に限定されないが、通常、均等に処理するという理由により、1〜100μm程度のものが好適に用いられる。穀類粉末としては、例えば、小麦粉、米粉などが例示される。また、蛋白質素材としては、酵母、カゼイン、ゼインなどの粉末が例示され、これらの粉末が用いられる。
また、糖質素材としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、アミノ糖類とその重合体などが例示されるが、これらは、通常、微細な粉末であるので、本発明を適用することができる。ここで、単糖、オリゴ糖としては、食品素材として利用されるものであれば何れでもよいが、加熱大気中でガラス転移をしない素材であることが望ましい。これらを担体粉末として利用する場合には、ガラス転移をしない特性を持つことが望ましい。
糖質素材としては、具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、アミノ糖、アセチルアミノ糖などが例示される。更に、これらの重合体、多糖類や、五単糖もこれに準じて用いることができる。これらの糖質素材は、担体粉末として混合して用いられる。マルトースなどのマルトオリゴ糖、セロビオースなどのセロオリゴ糖、アセチルグルコサミン重合体のキチン、グルコサミン重合体のキトサン、寒天、ペクチン、グルコマンナンなどの増粘多糖などのポリマーも利用することができる。
粉末状の食品素材としては、小麦粉、米粉又は糖質素材粉末が、好適なものとして例示される。ここで、糖質素材粉末としては、特に、澱粉、澱粉水解物、セルロース、キチン、ショ糖、乳糖の粉末を用いることが好ましい。
本発明では、上記原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理するが、それにより、高温酸化的な雰囲気の反応場において、粒子状の食品素材を酸化すると同時に、加熱乃至焙焼により粒子の表面部分を熱変性させて表面保護層を形成して、粒子構造を安定に保持し、低粘性、低付着性、難消化性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品に変換することができる。
ここで、加熱処理の程度は、粒子の表面部分が糊化し、大気中での加熱処理の温度は、70〜500℃が好ましく、特に150〜350℃がより好ましい。加熱処理の温度が70℃未満であると、反応が進行せず、一方、加熱処理の温度が500℃を超えると、素材が分解してしまうので、いずれも好ましくない。反応速度は、10℃上昇ごとに2倍となるので、目的の素材の製造条件として、好ましい温度と処理時間を適宜設定することが求められる。
加熱処理の際には、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中での加熱処理を行うことが好ましい。ここで、粒子の分離状態を保持しながら加熱処理を行う方法としては、例えば、粉末状の食品素材を振盪しながら加熱処理を行う方法や超音波で振動しながら加熱処理を行う方法が例示される。振盪しながら加熱処理を行う場合、その振盪方法は、特に限定されない。振盪装置を用いてもよいし、振盪装置が装備されていない場合には、手動によって振盪することもできる。この場合、例えば、原料の粉末状の食品素材をフライパンなどの容器に入れて、これを手で振って振盪処理することも適宜可能である。
また、食品成分を噴霧した粉末の層を薄くすれば、振盪などをしなくても加熱処理することができるが、十分な効果は得られない場合がある。また、粒子の分離状態を保持する方法として、粉末に食品成分を均等に分散させた後に、この粉末に油層を均等に塗布して加熱処理し、有機溶媒で油層を洗浄除去して処理粉末とすることもできる。粉末状の澱粉と担体粉末のセルロース粉末を混合して澱粉の付着を防ぐこともできる。
微粒子粉末表面に食品成分を均等分布させるように液を噴霧し、食品成分を均等に分布した状態にでき、振盪しながらでなく、静置処理でもよい場合もある。例えば、食品成分を均等に分布させた後、油脂を加えて粒表面を被覆すれば、粒同士の結合は抑制される。ただし、この場合、電流が流れないので、電流加熱の方法は利用できない。
更に、澱粉を糊化し、ゲルにしてから乾燥し、粉砕して難消化性素材とし、ゲル化の時、ショ糖などの甘味料、機能性成分、界面活性素材と脂溶性成分を混合して取り込ませ、これらを包埋素材化することも可能ではあるが、粉砕が極めて困難で、製造し難いなど不利な面が多い。澱粉を液中で糊化開始温度近辺の60〜70℃で超音波処理して表面を糊化した後、放冷しても、一部は難消化性素材にすることができるが、溶解も進行するので効率は劣る。
大気中での加熱の方法は、特に限定されないが、通常は、高温空間を通過させるか、直接電熱機で熱するか、あるいは、電磁加熱又はジュール加熱を単独又は併用で均等加熱処理すれば目的を達成することができる場合もある。更に、大気圧の高温室で、粉末を上方から分散させながら落下させてもよいし、粉末の分散性をより高めるために回転板に衝突させる方法も適用できる。
また、加熱処理を行う際には、液を噴霧しながら、粉末状の食品素材を加熱処理することにより、その特性を変換させた加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造することができる。
ここで、噴霧する液、乃至混合する液としては、食品用として用いることのできる液体であれば、特に限定されない。例えば、水、有機酸、油脂を用いることにより、難消化性、乳化性、抗酸化性を付加した食品素材を製造でき、更には、抗菌活性、抗腫瘍性、食欲増進ホルモン様活性をもつ素材もアナンダーマイド様素材として製造できる可能性がある。
混合する液中に含ませる素材に制限はなく、例えば、糖質、糖アルコール、アルコール、アルカリ、有機酸、油脂、アミノ酸などを用いることができる。これらの中から選ばれた1種以上の素材を含む液を均等に混合し、例えば、デキストリンと油脂とクエン酸を混合して、乳化作用をもつ素材を製造することができる。また、セルロース粉末に糖アルコールと酢酸、酪酸、ソルビン酸などの有機酸、油脂を噴霧することにより、同様に、乳化作用をもつ素材を製造することができる。有機酸は、種類により、例えば、クエン酸は、有機溶媒にも可溶であり、処理物の乳化効果の発現をより大きくする。このような両親媒性の有機酸は、本発明の方法には有利である。
また、上記成分の噴霧量、添加量など、噴霧条件、添加条件は、利用法によって適宜選択すればよく、例えば、難消化性澱粉を製造する場合は、噴霧量は多めに数回に分けて行えばよい。水中に澱粉を投入して澱粉ケーキを取り出して粉砕し、篩で粒子を一定にすれば、水分40%程度を含む粉末が得られる。
本発明の方法は、大気中での反応であることから、酸化が起こりやすいので、発火、引火には十分な注意が求められ、発火点、引火点の低い素材、成分を使用する際は、特段の注意が必要である。
噴霧する液としては、水又は可溶性素材を含む溶液が望ましいが、分散液でも粉末状の食品素材と混合することができれば適用可能である。例えば、アミノ酸、炭酸カルシウム+有機酸は、カルシウムの溶解性を高め、その強化用などにできる可能性があり、利用の方法は極めて多い。化粧品、医薬品などの製造をする場合でも、本発明の方法を適用することが可能である。
このようにして、原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を得ることができる。このようにして製造された加工製品の粉末状の機能性食品素材は、難消化性、乳化性乃至抗酸化性の機能を有する、その特性が変換された粉末状の機能性食品素材となる。
後記する、本発明の実施例では、ヤマト科学(株)DX402の恒温乾燥機を用いて、ステンレス製パンに粉末状の食品素材を敷いて、乾燥機の側面の通気口から金具でパンを保持して振盪した。高温では、急激な水分蒸散が起こるので、粉末状の食品素材を乾燥機に入れた直後から激しく振盪した。油層を塗布した粉末では、蒸散が抑えられるので、緩やかに振盪すればよい。このような処理では、酸化あるいは、高温処理による焙焼も起こる。抗酸化性、抗菌性などの機能性が発現する粉末と、その他の素材の組合せ、目的に応じた温度、濃度、成分混合比などの製造条件を適宜設定する。
このようにして製造して得られた加工製品の粉末状の機能性食品素材は、新規素材であるので、本発明者らは、これを多機能糖質Multi Functional Saccharide(MFS マフス)と命名し、難消化性澱粉Hardly Digestive Starchは、ハジス、乳化性素材Lipid soluble stuffは、リピソルブ、と命名した。また、抗酸化性素材は、アノックス(ANOX)素材、抗酸化性糖質は、ANOX糖と命名した。
次に、本発明では、原料の粉末状の食品素材が、澱粉であり、該澱粉を香味液に浸漬して香味成分を含ませた澱粉を、該澱粉粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理することにより、香味含有澱粉を製造する。香味液は、粘性があるものもあり、この場合は、噴霧することができないので、澱粉に浸漬してケーキ状にして処理するか、或いは湿潤状態でも処理することが可能である。
このように、香味液に澱粉を浸漬してケーキ状になったものを、加熱処理することにより香味成分自体又は糖質と複合体を形成して変化し、好ましい味質となり、香味が安定化される。更に、例えば、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニンなどのアミノ酸、不飽和脂肪酸を含む油脂などを適宜混合して、抗酸化性、ホルモン様素材とすることも可能である。また、澱粉粉末を直接、油浴中に分散投入し、150℃−30分〜200℃−5分程度処理して食品素材化することもでき、要すれば、油脂をヘキサンで洗浄除去することもできる。
以上述べたように、本発明は、基本的に、粉末全体を食品素材化するものである。
これに対して、以下に述べる本発明は、粉末を担体(反応の場)とするものである。生成したものを取り出して製品化するか、或いは担体込みで製品化することもできる。
また、本発明は、粉末を担体として、粉末状の食品素材を混合して噴霧し、処理することを特徴とする食品素材の処理方法である。これにより、粉末中で各種食品成分が反応したり粉末自体と結合し、目的に応じた食品素材とすることができる。粉末担体として、粉末セルロース、粉末キチンを用いた場合には、各種食品成分が反応し、目的に応じた食品素材とすることができる。この他、粉末担体として利用できるものとしては、ガラスビーズ、活性炭、樹脂類粉末などが例示される。
本発明は、リパーゼの反応にも適用でき、例えば、粉末担体に基質の脂肪酸と糖アルコールを噴霧混合し、50〜60℃で密閉静置反応すれば、脂肪酸エステルを製造できる。リパーゼの反応での基質の組合せをデキストリンとグルコース、フルクトースなど単糖、糖アルコール、ポリフェノール、ステロイドなどの水酸基をもつ食品成分などに換えて、サイクロデキストリン合成酵素の作用を利用すれば、各種の糖転移物が得られる。また、プラナーゼ、イソアミラーゼによる糖転移反応、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼによる糖転移反応、ペプチダーゼによるアミノ酸転移反応も、水が粒表面に局在するために効率的に進行することが予想され、その利用も可能である。
また、本発明方法を用いる場合は、担体としては、容易に加水分解されない素材が望ましい。この要件を満たした素材としては、各種あり、セルロース、キチンなどは一部加水分解を受けるが、分解し難い条件下で用いればよい。
また、担体として利用する場合、特に噴霧器使用の際、粘性の高い液、例えば、ミリンなどは、水流が広がらず線状に押し出されるので、澱粉にしっとりとした状態で添加することができない。このように、粘性の高い液の場合は、加熱により団子状にならない素材、例えば、セルロース、キチンなどが利用できる。
セルロースなどの微粉末に混合付着させてから反応し、反応後、抽出して製品化することもできる。例えば、耐熱ガラス又はステンレス管に、これらの担体を詰めて、混合液を流して付着させ、加熱処理した後、熱水又は温水などで溶出させて製品化することもできる。このようにして製造された素材は、混合物として、また、必要に応じて、分離利用することも可能である。
次に、加工製品(試料)の難消化性、乳化性及び抗酸化性の評価方法について説明する。本発明において、加工製品の難消化性の程度は、5%の試料濃度を基準として、これを沸騰水浴中で15分間溶解処理したときの混濁度を指標として評価される。後記する実施例に示されるように、対照の無処理の試料と比べて混濁度が高い試料・・・++、少し高い・・・+、僅かに高い・・・±、差異はない・・・−、の4段階で評価される。
また、加工製品の乳化性の程度は、試料0.5gを基準として、これを水3mLに溶解し、大気中で加熱処理した試料に、ヘキサン2mLを加え、激しく撹拌振盪したときに形成される乳化層を指標として評価される。後記する実施例に示されるように、対照の無処理の試料と比べて、乳化層の形成に極めて有効な試料・・・++、有効・・・+、僅かに有効・・・±、無効(無処理区と同等)・・・−、の4段階で評価される。
抗酸化性の評価には、一次スクリーニングとして、適当なDPPH(2,2−Diphenyl−1−picryl−hydrazyl、SIGMA製)によるラジカル消去能の測定法を用いた。しかし、本法は、極めて細かい手順が必要とされ、厳密な測定時間、pH管理が求められていた。そこで、可能な限り簡略に測定できるように改良を試みた。
DPPHは、多少薬包紙に付着するので、10mL容バイアルに直接適当にとり(5.6mg)、これに2mMになるように、計算量の99.5%EtOH(3.553mL×2)を加えて手で振り、混合溶解し、よく振り、溶解した。この溶液は、極めて不安定と言われているが、室温放置で1週間は使用可能である。400〜700nmでのラムダマックスは、525nmである(図2を参照)。標準試薬として、通常は、トルロックスを使用するが、本発明者らはビタミンCを用いることにした。
しかし、ビタミンC溶液は、不安定であり、1mM溶液を使用毎に調製して用いた。予め、1mMビタミンC溶液を低減希釈して2倍、4倍希釈の溶液を調製しておき、各100μLを、2.3mLの50%エタノール水溶液、2mM DPPH エタノール溶液100μLと混合して発色させ(10秒間手で振り、呈色は10秒以内で完了する)、この溶液の吸光度を測定する(図3、4を参照)。
比色定量では、この各100μLを50%エタノール水溶液200μL、2mM DPPH エタノール溶液100μLをホールプレートの中で発色させ、この呈色の程度を+++、++、+、−と表した(図3、4を参照)。エタノール濃度が50%以下になるとDPPHの色が薄くなるので、最終濃度は、常に50%を下回らないようにすることが求められる。吸光度は、徐々に低下するが、2時間後でも測定可能である。
メラノイジンの開発研究例としては、きわめて多くの事例が報告されている((1)「色から見た食品のサイエンス」,高宮和彦ら編集,pp298−301,2004年2月13日発刊,株式会社サイエンスフォーラム、(2)「色から見た食品のサイエンス」,高宮和彦ら編集,pp328−335,2004年2月13日発刊,株式会社サイエンスフォーラム、(3)Intact carbohydrate structures as part of the Melanoidin skeleton,
J. Agric. Food Chem., 50, 2083-2087 (2002)、(4)Coriolus versicolor IFO 30340により脱色されたメラノイジンの抗酸化性,山口直彦ら,日本食品工業学会誌,Vol.
37(9), 676-681 (1990))。これらのことからメラノイジンの開発研究は極めて広範に推進され、その成果も多岐にわたるが、微粉末の表面上を反応の場に用いて分散性の優れた褐色物質(メラノイジン)を製造する技術は本発明で初めて開発されたものである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明によれば、原料の粉末状の食品素材を大気中で加熱処理することにより、難消化性、乳化性乃至抗酸化性の機能を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造することができる。
(2)具体的には、例えば、澱粉から難消化性澱粉素材を製造することが可能となり、また、製造方法は、極めて簡便であり、低コストである。
(3)本発明により得られる製品は、難消化性素材として健康志向食品向けに利用できる。小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチの加工製品には、発酵遅延効果があり、(深みのある)醸造食品製造用に利用できる。
(4)コーンスターチ、バレイショ澱粉では、難消化性率の向上、安定化された粒構造が保持され、パリパリ感のある食品製造に利用できる。
(5)コーンスターチでは、ソフト感、低粘性、低付着性となり、高齢者用食材としての利用ができる。
(6)この他、有機酸噴霧処理による架橋澱粉、ガム質澱粉の製造も可能であり、海水処理澱粉、温泉水処理澱粉など、特有の微量成分を含む素材の製造も可能である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
バレイショ澱粉粉末量に対して、25%の水を、噴霧器で室温大気中で、粉末によく撹拌しながら噴霧・混合し、大気中で50〜300℃で加熱処理した。最初の10分間振盪して、残りの時間は静置した。冷蔵庫中で一夜放置後の試料について、5%澱粉濃度にして、沸騰水浴中で15分間溶解処理して、その混濁度を目視で評価した。
本発明での難消化性の糖質生成の評価は、5%澱粉濃度にして沸騰水浴中で15分間溶解処理して、その混濁度を目視で評価するものであり、対照の無処理より明確に濁度が高い試料++、少し高い+、僅かに高い±、差異はない−、と表示することとした。
温度条件は、澱粉が糊化する前後が好ましいが、糊化温度より高温の場合は、処理時間を適宜調節する。その結果を表1に示す。表に示すように、200〜300℃で10〜15分間加熱処理したものが難消化性であることが分かった。
バレイショ澱粉粉末量に対して、25%の水を、噴霧器で室温大気中で、粉末をよく攪拌しながら噴霧・混合し、この試料に対して、25%のサラダ油を加えて薬匙でよく混合し、粒の表面を油脂で被覆した後、大気中で100℃、30分間静置して加熱処理した。冷蔵庫中で一夜放置、ヘキサンで洗浄・乾燥して試料とした。その結果、評価は++で、難消化性であることが分かった。
コーンスターチ、小麦粉(薄力粉)、米粉粉末についても、実施例2と同様にして、同様の結果を得た。
コーンスターチに過剰の水を加えて懸濁液とし、傾瀉により水を取り去って、澱粉ケーキを濾紙上に取り出し、余剰水分を除いた後、薬匙で磨砕し、メッシュ篩にかけて細粒を調製し、これをステンレスパンに敷いて、10分間振盪した後、静置し、100℃、30分の加熱処理を施し、冷蔵庫中で一夜放置したものを試料とした。その結果、評価は++で、難消化性であることが分かった。
これらの実施例は、難消化性糖質素材の製造法の例を示したものである。
本実施例では、乳化性素材の製造に関する例を示す(図1参照)。粉末状の食品素材として、デキストリンを使用し、デキストリン3+油脂0.5+クエン酸0.5の混合比で、よく混合して、表2の条件で大気中で加熱処理した。
各条件で静置処理し、得られた試料0.5gを水3mLに溶解したところ、170℃処理区までのものでは油層が形成されたが、200℃処理区では、油層の形成が認められなかった。
この溶液に、ヘキサン2mLを加え、激しく攪拌振盪したところ、150〜170℃の処理区までは完全に2層に分離したが、200℃の処理区では、分離が不完全で、中間に乳化層が形成され、乳化作用が認められた。油脂の量が1以上になると、粒の分散が不十分となる(油脂の中にデキストリンとクエン酸混合物が浮遊している状態になる)が、この範囲以外でも乳化性をもつ素材は生産できる。更に、乳化性の評価をアスタキサンチンのように赤色の油性物質をサラダ油に半量混合し、赤色油として、この混合油を、処理試料0.5gを水3mLに溶解した溶液に3滴落として赤色の拡散を観察したところ、200℃処理区のもので拡散が認められ、この方法でも乳化作用を評価できた。なお、この方法では、水可溶性にしたアスタキサンチン製品は利用できない。
粉末状の食品素材として、ショ糖を使用し、ショ糖3g+油脂0.5g+クエン酸0.5gの混合比で、よく混合して、大気中で180℃、20分で加熱処理した。評価は++で、乳化性を有していた。尚、クエン酸の代わりにレモン果汁を使用しても同様の結果が得られた。
乳糖3g+油脂0.5g+クエン酸0.5gの混合比で、よく混合して、大気中で180℃、20分で加熱処理した。評価は、+で、乳化性は有効であった。
セルロース粉末1gを担体粉末として用い、10%グルコース溶液200μL、10%クエン酸溶液100mL、油脂100mgを塗して、大気中で180℃20分加熱処理した後、沸騰水3mLで抽出した液に2mLのヘキサンを加えて乳化性を調べたところ、評価は+で、乳化性は有効であった。油脂の種類には、大豆、コーン、ナタネなどがあるが、何れでも使用でき、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、DHA、EPA、アラキドン酸などの各種脂肪酸でも使用できるものと予想される。尚、以上の乳化性の評価は、対照(無処理区)と比較して、表3のように表示した。
セルロースを担体粉末として、この1gに10%フルクトース200μLとナタネ油100μLと10%グルタミン酸Na100μL、10%クエン酸100μLを混合付着させ150℃、30分間静置反応した後、3mLの熱水抽出液にヘキサン2mLを加えて乳化性を評価したところ+であった。なお、本抽出液の味は美味であった。
単なる混合物の味は、やや不快であるが、処理物は、アナンダーマイド様となり、飽きない味となった。アミノ酸、脂質を各種に変えれば、変化のある味素材が製造可能である。本実施例は、乳化性とともにその他の機能も付加できることを示したものである。また、グルタミン酸Naの代わりにビタミンCを混合して、同様に処理したところ、抗酸化性をもつ素材の調製も可能であり、本素材は、油溶性であった。
微粉末セルロース(アビセルセルロース)1gを重曹粉末250mgと混合し、密栓バイアル中5mLの水を加えて、2時間煮沸水中に放置、放冷後、遠心分離により5mLの水で3回洗浄して、コロイダルセルロースとし、10%クエン酸250μLを混合して、170℃、1時間静置反応して、水可溶性のセルロースを得た。コロイダルキチンも同様に処理して水可溶性にできた。増粘多糖など他の高分子糖質の溶解性も改良可能である。
メラノイジンに、ラジカル消去能のあることは既に知られている。糖質を高温処理して生成した褐色物質も、メラノイジンと称されているので、本実施例では、糖質とアミノ酸を選択できるようにし、更に有機酸を混合することによる優位性と、粉末表面での反応を行い分散性の素材が生産できること、を明らかにした。
糖質、アミノ酸では種類によってメラノイジンの生成に差異があり、例えば、開放系で150℃30分間、グルコースとともに処理した場合、グリシン、GABA(γ−アミノ酪酸)、L−イソロイシン、L−ロイシンは褐色物質が生成しやすく、β−アラニン、L−メチオニン、L−グルタミン酸Na、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン・H2O、DL−リジン・HCl、L−ヒスチジン・HCl・HO、L−トリプトファン、L−フェニルアラニンは生成し難く、DL−アラニン、L−グルタミン酸、DL−オルニチン・HClは極めて生成し難く、L−チロシン、DL−ピログルタミン酸、タウリンはほとんど生成しない。
難溶性アミノ酸も糖質とクエン酸を混合して高温処理すると溶解性になるものもある。先ず、有機酸を混合処理することにより、生成した褐色物質は、水分散性が格段に優れている。例えば、ショ糖を高温処理して褐色物質を生成させたとき、生成物の粉砕は極めて困難で、水には分散できないほどであるが、クエン酸を添加して同様に処理したものは、容易に粉砕でき、水への分散も容易である。
メラノイジンは、糖質、アミノ酸の種類、各種の条件で生成され、その生成物の生理機能も異なると予想されるので、少なくとも、用いた成分は示し、グルコース・グリシン−メラノイジン、グルクロン酸・グリシン−メラノイジンのように呼称する。150℃では、生成しない場合は、より高温にすると生成する。
コーンスターチ粉末100gに、グリシン、グルコース、クエン酸を各10%に含有する水溶液40mLを噴霧した後、処理の最初の5分は手動で振盪し、30分間静置で150℃にて処理し、分散性に優れた褐色物質(グルコース・グリシン・クエン酸−メラノイジン)を得た。以下に、各種糖質の高温処理による抗酸化性を調べた。その結果を表4に示す
各糖質の10%濃度での溶解性は、マンノウロン酸ラクトンのみ、やや難溶で、他は、易溶である。なお、グルコン酸の市販品試薬は50%の水溶液を用いた。各糖質10%溶液を調製し、その1mLを150℃30分開放系で高温処理、水を1mL加えて0.2%水溶液として着色程度を観察し、黒褐色+++、茶褐色++、黄褐色+、薄黄色±、無色−、と表した。抗酸化性は、その100μLをとり、ホールプレート法で評価した。
酸性糖質が処理により抗酸化性になる傾向が見出されたことから、酸性物質の添加が更に抗酸化性を強化することが思量されたので、無機酸、有機酸を各種糖質とともに、処理したところ、アセチルグルコサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸の抗酸化性を僅かに強めた。
グルクロン酸Naの10%水溶液50mLをセルロース粉末100gに噴霧して、150℃、30分間静置反応させて、分散性に優れた褐色物質(グルクロン酸−メラノイジン)を得た。抗酸化性は、+++以上であった。
グルコース、マンノース、ガラクトースの各10%水溶液200μLに重曹10%水溶液を20μL加えて1gのセルロース微粉末に混合塗布し150℃30分間開放系で高温処理し、褐色物質(グルコース・アルカリ−メラノイジン、マンノース・アルカリ−メラノイジン、ガラクトース・アルカリ−メラノイジン)を得た後、水を1mL加えて上清を0.2%水溶液として着色程度を観察、黒褐色+++、茶褐色++、黄褐色+、薄黄色±、無色−と表した。抗酸化性は、その100μLをとり、ホールプレート法で評価した。その結果を表5に示す。
有機酸、無機酸の種類と抗酸化性の発現については、市販試薬特級を用い、無機酸は1%、有機酸は10%濃度の水溶液を調製し、この100μLをとり、ホールプレート法で呈色度を抗酸化性(呈色程度)に準じて観察した。その結果を表6に示す。
フマル酸の溶解性は、難溶で10%には溶解しないが、懸濁液を用いた。10%グルコース溶液200μLと各酸水溶液100μLを混合して、150℃、30分間処理した後、1mLの水を加えて溶解し、その100μLをホールプレート法で評価した。
アミノ酸の種類と抗酸化性発現について、以下の表7の市販アミノ酸試薬を用いて調べた。
グルコース10%水溶液200μLと各アミノ酸10%溶液又は懸濁液200μLを混合し、開放系で150℃30分間処理した。150℃30分、開放系で高温処理し、水を1mL加えて0.2%水溶液として着色程度を観察し、黒褐色+++、茶褐色++、黄褐色+、薄黄色±、無色−、と表した。抗酸化性は、その100μLをとり、ホールプレート法で評価した。その結果を表8に示す。
なお、生成したメラノイジンは、グルコース・グリシン−メラノイジン、グルコース・ロイシン−メラノイジン、グルコース・イソロイシン−メラノイジン、グルコース・β−アラニン−メラノイジン、グルコース・GABA−メラノイジンと呼称し、糖質単独のものは(酸、アルカリを含むものも)アセチルグルコサミン−メラノイジン、グルクロン酸−メラノイジン、ガラクツロン酸−メラノイジンと呼称する。
β−アラニン、グルコースを各10%含有する溶液200μLをコーンスターチ粉末1gに混合塗布し、処理の最初は手動で振盪し、150℃30分間静置反応して、分散性に優れた褐色物質(グルコース・β−アラニン−メラノイジン)を得た。抗酸化性は++であった。
β−アラニンをGABAに換えた以外は実施例17と同様にして、抗酸化性+++の褐色物質(グルコース・GABA−メラノイジン)を得た。
本発明で得られるメラノイジンは、黒褐色から褐色、黄色を示し、用途により、着色を抑制することが求められる場合もある。そこで、市販還元剤ハイドロサルファイトの5%水溶液を調製し、その100μLをグルコース・グリシン−メラノイジン水溶液(糖質濃度2%)1mLに加えて、70℃の温浴中で10分間攪拌処理した。抗酸化性は、+++が++のレベルまで下がるが、呈色度は、褐色から薄い黄褐色になった。抗酸化性に関わる成分として、メラノイジンが褐色物質そのものであるとすれば、メラノイジン以外のものがあるものと予想される。また、食品用還元剤として、ハイドロサルファイトは市販されているが、脱色法には、これ以外の接触還元、水素添加還元、オゾンなどによる方法もあるので、適宜選択して利用することができる。
ショ糖・グリシン−メラノイジンはショ糖の10%水溶液、10%クエン酸水溶液、10%グリシン水溶液を調製し各200μL、100μL、100μLを単独または混合して150℃30分間開放系で高温処理して処理物の着色程度、抗酸化性を評価した。その結果を表9に示す。
上の実施例の糖質ando/orアミノ酸ando/or有機酸混合液をコーンスターチ粉末に混合塗布し、処理の最初の5分間を手動で振盪し、150℃30分間静置反応して上の実施例より分散性に優れた褐色物質を得た。抗酸化性は同様であった。
以上詳述したように、本発明は、原料の粉末状の食品素材を大気中で高温処理して加工製品の機能性素材を製造する方法及びその素材に係るものであり、本発明によれば、粉末状の食品素材を大気中で加熱処理することにより、難消化性、乳化性、又は抗酸化性の機能を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造することができる。具体的には、例えば、粉末状の澱粉から難消化性の澱粉素材を製造することが可能となり、また、その製造方法は、極めて簡便であり、低コストである。本発明により得られる製品は、難消化性素材として健康志向食品向けに利用でき、小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチの加工製品には、発酵遅延効果があり、醸造食品製造用に利用できる。コーンスターチ、バレイショ澱粉では、難消化性率の向上、安定化された粒構造が保持され、パリパリ感のある食品製造にも利用できる。コーンスターチでは、ソフト感、低粘性、低付着性となり、高齢者用食材としての利用ができる。本発明の粉末状の機能性食品素材は、その他、有機酸噴霧処理による架橋澱粉、ガム質澱粉の製造も可能であり、海水処理澱粉、温泉水処理澱粉などの製造も可能にするものとして有用である。本発明の方法は、食品製造に限らず、その製品は、がん細胞、神経細胞、アレルギーへの影響もあると予想され、また、消臭剤、植物に対する生育活性剤、栄養吸収助剤としても利用可能であり、化粧品、医薬品の製造にも適用可能であり、その応用分野は極めて広い。
乳化性素材の調製例を示す。乳化層が形成されている。 デキストリン、油脂、クエン酸を混合して大気中で室温、150℃、170℃、200℃で加熱処理し、その0.5gを水3mLに溶解したところ、170℃処理区までのものでは油層が形成されたが、200℃処理区では、油層の形成が認められなかった(上図)。この溶液に、ヘキサン2mLを加え、激しく攪拌振盪すると170℃の処理区までは完全に2層に分離したが、200℃の処理区では、分離が不完全で、中間に乳化層が形成され、乳化作用が認められた(下図)。 抗酸化性測定用色素の安定性と特性を示す。 図中、Ref:50%エタノール水溶液2.4mLと2mM DPPH エタノール溶液100μLと混合して発色し、スペクトルをとったもの。Aa 1:Refの2.4mLの50%エタノール水溶液を5%酢酸−50%エタノール水溶液2.4mLに換えた以外はRefと同様に発色し、発色直後のスペクトルをとったもの。Aa 2:Aa 1の1時間後のスペクトルをとったもの。Aa 3:Aa 1の2時間後のスペクトルをとったもの。pH5 1:Refの50%エタノール水溶液をpH5.0の0.1M酢酸緩衝液−50%エタノール水溶液に換えた以外はRefと同様に発色し、発色直後のスペクトルをとったもの。pH5 2:pH5 1の1時間後のスペクトルをとったもの。pH5 3:pH5 1の2時間後のスペクトルをとったもの。pH7 1:Refの50%エタノール水溶液を20mMリン酸緩衝液−50%エタノール水溶液に換えた以外はRefと同様に発色し、発色直後のスペクトルをとったもの。pH7 2:pH7 1の1時間後のスペクトルをとったもの。pH7 3:pH7 1の2時間後のスペクトルをとったもの。pH10.5:Refの50%エタノール水溶液を25mM重炭酸ナトリウム緩衝液 (pH 10.5)−50%エタノール水溶液に換えた以外はRefと同様に発色し、発色直後のスペクトルをとったもの。pH10.5 after 3 min:pH10.5の3分後にスペクトルをとったもの。 発色後、2時間以上経過しても測定液のpHは測定前と同じで、色調も安定している。pH10.5以外は紫色で安定であるが、pH10.5は直ぐに紫から薄褐色に変化するので使えない。リン酸緩衝液の高濃度ではエタノールにより沈殿が発生するので低濃度で使用する。 抗酸化能の測定 吸光度測定法とホールプレート法(比色法)を示す。 1mM ビタミンC溶液を1、2,3,4,8倍希釈とし、水の各100μLを2.3mLの50%エタノール水溶液、2mM DPPH エタノール溶液100μLと混合して発色したもの。−〜+++は呈色(−:青紫色、±:稍濃紫青色、+:紫青色、++:薄紫色、+++:薄黄色)の程度を表す。 抗酸化能の測定 吸光度測定法とホールプレート法(比色法)を示す。 1mM ビタミンC溶液を1、2,4倍希釈とし、水の各100μLを200μLの50%エタノール水溶液、2mM DPPH エタノール溶液100μLと混合して発色したもの。−〜+++は呈色(−:青紫色、+:紫青色、++:薄紫色、+++:薄黄色)の程度を表す。

Claims (10)

  1. 原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材を製造する方法であって、1)原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理することにより、粉末状の難消化性、乳化性乃至抗酸化性を付加した機能性食品素材を製造する工程からなり、2)上記原料の粉末状の食品素材が、小麦粉、米粉又は糖質素材粉末である、ことを特徴とする加工製品の粉末状の機能性食品素材の製造方法。
  2. 上記糖質素材粉末が、澱粉、澱粉水解物、セルロース、キチン、ショ糖、又は乳糖である、請求項1に記載の方法。
  3. 原料の粉末状の食品素材を、振盪、超音波振動処理、又は粉末を上方から分散させながら落下させる処理か、粉末の分散性をより高めるために回転板に衝突させる処理により、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理する、請求項1に記載の方法。
  4. 大気中での加熱処理の温度が、50〜300℃である、請求項1に記載の方法。
  5. 原料の粉末状の食品素材を、液を噴霧しながら加熱処理する、請求項1に記載の方法。
  6. 粉末状の食品素材に噴霧する液が、水、有機酸、及び/又は油脂である、請求項5に記載の方法。
  7. 原料の粉末状の食品素材が、澱粉であり、該澱粉を香味液に浸漬して香味成分を含ませた澱粉を、(該澱粉粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、)大気中で加熱処理することにより、香味含有澱粉を製造する、請求項1記載の方法。
  8. 原料の粉末状の食品素材を、担体粉末を混合して、該粉末を構成する粒子の分散状態を保持しながら、大気中で加熱処理する、請求項1に記載の方法。
  9. 原料の粉末状の食品素材の特性を人為的に変換させて特定の機能性を付加した加工製品の粉末状の機能性食品素材であって、原料の粉末状の食品素材を、該粉末を構成する粒子の分離状態を保持しながら、大気中で加熱処理を施して、難消化性、乳化性又は抗酸化性を付加したことを特徴とする加工製品の粉末状の機能性食品素材。
  10. 上記担体粉末が、粉末セルロース、又は粉末キチンである、請求項8に記載の方法。
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