JP2009060009A - 結晶質半導体膜の製造方法およびアクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

結晶質半導体膜の製造方法およびアクティブマトリクス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のLPS膜よりも平均結晶粒径が大きく、且つ、従来の固相結晶化膜(例えば、CGSシリコン膜)よりも平均結晶粒径が小さい結晶質半導体膜の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の結晶質半導体膜の製造方法は、第1および第2主面を有する透明な基板を用意する工程と、基板の第1主面上に所定のパターンの遮光層を形成する工程と、遮光層の少なくとも一部を覆う半導体膜であって、遮光層と重ならない第1領域と、遮光層と重なる第2領域とを有する非晶質状態の半導体膜を形成する工程と、第2主面側から半導体膜に光を照射し第1領域の半導体膜だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域を形成する工程と、その後に、第2領域の半導体膜を固相結晶化することによって第2結晶領域を形成する工程とを包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶質半導体膜の製造方法およびアクティブマトリクス基板の製造方法に関し、特に、表示装置用のアクティブマトリクス基板の製造プロセスにおいて好適に用いられる結晶質半導体膜の製造方法に関する。
携帯電話などの携帯電子機器に用いられる表示装置は、小型化、低消費電力化、または低電圧駆動化のために、機能回路を表示パネルに一体に作り込む技術(「システムオンパネル」と呼ばれることがある。)が開発され、実用化されるに至っている。機能回路としては、駆動回路だけでなく、メモリ回路やクロック発生回路等のロジック回路の一体化(モノリシック化)が進められている。
これらの機能回路に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)は、画素に設けられるTFTよりも高速動作が必要であり、非晶質半導体よりも高い電界効果移動度が得られる結晶質半導体が用いられている。
ガラス基板などの透明絶縁基板上に結晶質半導体膜を形成する方法の1つとして、非晶質半導体膜に結晶化を促進する作用を有する金属元素(触媒元素)を添加した後、加熱処理を施すことにより、従来よりも低温で且つ短時間の加熱処理で、結晶質半導体膜を得る固相結晶化(Solid Phase Crystalization:SPC)法が開発されている(例えば特許文献1)。この方法で得られた結晶質シリコン膜は、結晶粒の配向方向が揃っており、連続粒界結晶シリコン(Continuous Grain Silicon:CGシリコン)膜と呼ばれており、本出願人によって実用化されている。CGシリコン膜の結晶粒の大きさは製造プロセスに依存するが、平均結晶粒径が約2μm以上約8μm以下であり、通常のレーザ結晶化によって作製された多結晶シリコン(Low Temperature Poly−Silicon:LPS)膜の平均結晶粒径(典型的には約200nm)よりも大きく、且つ、結晶粒の配向性が高いことから、優れた電気特性(例えば高い移動度)を有している。
特開平6−244103公報
しかしながら、従来のCGS膜を用いてチャネル長及びチャネル幅が小さい(例えば2μm未満の)TFTを有するアクティブマトリクス基板(「TFT基板」ということがある。)を作製すると、TFT間の特性(例えば、TFTのオン電流値)のばらつきが大きくなるという問題があった。これは、CGシリコン膜の結晶粒が比較的大きいために起こる問題である。すなわち、CGシリコン膜の結晶粒の平均粒径(約2〜8μm)はTFTのチャネル領域の大きさと同程度またはそれ以上であるので、基板上に形成された多数のTFTの中には、チャネル領域を流れる電流の経路を横切る粒界が存在しているものと、そのような粒界が存在しないものとが混在することになる。結晶粒径がチャネル領域に比べて十分に小さいと、全てのTFTにおいて上述の粒界がチャネル領域に複数存在するので、その結果として、TFT特性のばらつきが抑制されるのに対し、結晶粒がチャネル領域と同程度の大きさを有しているがために、上述の問題が生じるのである。ここでは、CGシリコン膜を例に従来の問題点を説明したが、触媒を利用しない固相結晶化法で作製された結晶質シリコン膜(「SPCシリコン膜」ということがある。)を用いる場合にも同様の問題が発生する。なお、通常の固相結晶化法は、600℃以上の温度で10時間以上、N2雰囲気でアニールする必要があるのに対し、触媒を利用することによって、固相結晶化温度を50℃〜100℃程度低くできるという利点がある。
本発明は従来の固相結晶化を用いるTFTの製造方法における上記の問題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、従来のLPS膜よりも平均結晶粒径が大きく、且つ、従来のSPC膜(例えばCGSシリコン膜)よりも平均結晶粒径が小さい結晶質半導体膜の製造方法を提供することにある。また本発明の他の目的は、TFT間の特性のばらつきが抑制されたアクティブマトリクス基板を製造する方法を提供することにある。
本発明の結晶質半導体膜の製造方法は、(a)互いに対向する第1および第2主面を有する透明な基板を用意する工程と、(b)前記基板の第1主面上に所定のパターンの遮光層を形成する工程と、(c)前記遮光層の少なくとも一部を覆う半導体膜であって、前記遮光層と重ならない第1領域と、前記遮光層と重なる第2領域とを有する非晶質状態の半導体膜を形成する工程と、(d)前記第2主面側から前記半導体膜に光を照射し前記半導体膜の前記第1領域だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域を形成する工程と、(e)前記工程(d)の後で、前記半導体膜の前記第2領域を固相結晶化することによって第2結晶領域を形成する工程とを包含することを特徴とする。
ある実施形態において、前記工程(d)で形成される前記第1結晶領域は平均粒径が300nm以下の結晶粒を有する。
ある実施形態において、前記工程(d)の後かつ前記工程(e)の前に、前記半導体膜に結晶化を促進する作用を有する触媒元素を付与する工程をさらに包含する。
ある実施形態において、前記工程(e)で形成される前記第2結晶領域は平均結晶粒径が0.5μm超2μm未満の結晶粒を有する。
ある実施形態において、前記工程(e)の後に、前記半導体膜にレーザアニール処理を施す工程(f)をさらに包含する。
ある実施形態において、前記工程(f)は、前記第1主面側から前記半導体膜の前記第1結晶領域および前記第2結晶領域にレーザ光を照射することによって行われる。
ある実施形態において、前記遮光層は金属層であって、前記工程(b)と(c)との間に、前記遮光層を覆う絶縁層を形成する工程をさらに包含する。
本発明によるアクティブマトリクス基板の製造方法は、基板上にTFTを備えるアクティブマトリクス基板の製造方法であって、上記のいずれかの結晶質半導体膜の製造方法によって結晶質半導体膜を製造する工程と、前記結晶質半導体膜の前記第2結晶領域の少なくとも一部を含むチャネル領域が形成されたTFTを作製する工程とを包含することを特徴とする。
本発明の結晶質半導体膜の製造方法によると、従来のLPS膜よりも平均結晶粒径が大きく、且つ、従来のSPC膜よりも平均結晶粒径が小さい結晶質半導体膜の製造方法を提供することができる。その結果、TFTの特性のばらつきが抑制されたアクティブマトリクス基板を製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明による実施形態の結晶質半導体膜の製造方法およびそれを用いたTFTおよびTFT基板の製造方法を説明する。
本発明による実施形態の結晶質半導体膜の製造方法は、互いに対向する第1および第2主面を有する透明な基板を用意する工程(a)と、基板の第1主面上に所定のパターンの遮光層を形成する工程(b)と、遮光層の少なくとも一部を覆う半導体膜であって、遮光層と重ならない第1領域と、遮光層と重なる第2領域とを有する非晶質状態の半導体膜を形成する工程(c)と、第2主面側から半導体膜に光を照射し半導体膜の第1領域だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域を形成する工程(d)と、工程(d)の後で、半導体膜の第2領域を固相結晶化することによって第2結晶領域を形成する工程(e)とを包含することを特徴とする。
透明な基板は、典型的にはガラス基板である。遮光層は、もちろん別途形成してもよいが、例えば、ボトムゲート型TFTのゲート電極、デュアルゲート構造を有するTFTの下層ゲート電極、あるいは、トップゲート型TFTに設けられる遮光膜を用いることができる。
工程(d)によって、第1結晶領域には、光照射、典型的にはレーザ光照射による結晶化によって、微細な結晶粒を有する結晶質半導体膜が形成される。第1領域に照射されるレーザ光のエネルギーは比較的低いエネルギーが好ましく、平均結晶粒径が300nm以下の微細な結晶粒を形成するように調整することが好ましい。非晶質状態の半導体膜は、典型的には、レーザ照射によって溶融し、固化過程で結晶化するが、溶融することは必須ではなく、平均結晶粒径が300nm以下の微細な結晶粒が生成されれば良く、平均結晶粒径は100nm以下であることが好ましい。
レーザとしては、パルスレーザが好適に用いられ、レーザの1パルス当りの出力エネルギーを照射面積で割って求められるエネルギー密度(J/cm2)(以下、「フルーエンス」ということがある。)が大き過ぎないことが好ましく、第2高調波(2ω)を出射する固体レーザ(例えばSHG‐YAGレーザ:波長532nm)を用いることが好ましい。フルーエンスが大きすぎると、非晶質状態の半導体膜がアブレーションされてしまうおそれがある。好適な1パルス当たりのエネルギー密度は、半導体膜の種類および厚さに依存するが、非晶質シリコン(厚さ30〜50nm)の場合には、150〜300mJ/cm2の範囲内にあることが好ましい。上記1パルス当たりのエネルギー密度は、基板を透過して半導体膜に入射する光についての値である。なお、532nmの光の透明基板(典型的にはガラス基板)に対する透過率は容易に90%を超える。なお、レーザとして紫外線レーザを用いることもできるが、1パルス当たりのエネルギー密度が高いので、適切なエネルギー密度に調整することが難しく、第2高調波(2ω)を出射する固体レーザを用いることが好ましい。
次に、工程(e)で、レーザ光が照射されず非晶質状態を維持している半導体膜の第2領域を熱アニール(典型的には電気炉アニール)またはランプアニール等によって固相結晶化を行う。固相結晶化は比較的長時間を要するので、半導体膜の全体がアニールされることになる。
第1領域は工程(d)でレーザ照射によって結晶化されており、平均結晶粒径が300nm以下の結晶粒からなる第1結晶領域になっている。従って、半導体膜の第1領域は多数の粒界および欠陥を含む多結晶膜であり、固相結晶化はほとんど進行しない。固相結晶化を促進する触媒元素(例えばNi)を用いる場合においても、第1結晶領域内の多数の粒界および欠陥が触媒元素をトラップし、ピニングするので、触媒は不活性化され、固相結晶化はほとんど進行せず、平均結晶粒径もほとんど変化しない。
これに対し、非晶質状態のままの第2領域は、固相結晶化によって第2結晶領域(多結晶膜)となる。固相結晶化によって得られる第2結晶領域(多結晶膜)を構成する結晶粒の平均結晶粒径は、0.5μm超2μm未満となる。後に実験例を示して説明するように、平均結晶粒径を1μm以下とすることもできる。また、固相結晶化を促進する触媒元素(最適にはNi)を用いると、550℃以上600℃以下の温度範囲で30分以上4時間以下の時間にわたってアニール処理を行うことによって、良好な結晶質半導体膜を得ることが可能となり、アニール温度を50℃〜100℃低くできるという利点が得られる。
このように、本発明による実施形態の結晶質半導体膜の製造方法によると、従来のSPC膜(例えばCGSシリコン膜)よりも平均結晶粒径が小さい、すなわち平均結晶粒径が2μm未満のSPC膜を得ることができる。特に、平均結晶粒径が1μm未満のSPC膜は、チャネル長が2μm程度のTFTの特性のばらつきを低減することが出来る。特性のばらつきを抑制できると、設計の自由度(従来は、歩留まり等の要請から、最悪の特性にあわせて設計せざるを得なかった)が増し、TFTの小型化、TFT基板の小型化、表示装置の狭額縁化を進めることができる。これは、携帯電話を初めとする、モバイル用途の表示装置にとって大きな利点となる。
図1〜図3を参照して、本発明による実施形態の結晶質半導体膜の製造方法およびそれを用いたTFTの製造方法ならびにTFT基板の製造方法を説明する。ここでは、結晶質シリコン膜を製造する方法の実施形態を説明するが、本発明の製造方法はシリコン膜に限定されず、ゲルマニウム膜、ゲルマニウムとシリコンとの混成膜(シリコン・ゲルマニウム膜)などについても適用することができる。
図1(a)〜(f)および図2(a)〜(e)は、本発明による第1実施形態のTFTの製造方法を説明するための模式的な工程図である。図2は図1の続きである。図3(a)〜(c)は、本発明による第2実施形態のTFTの製造方法を説明するための模式的な工程図である。
まず、図1(a)に示すように、透明な基板(例えばガラス基板)10の表面(第1主面)上に遮光層12を形成する。遮光層12は例えばMoなどの金属で形成される。
次に、図1(b)に示すように、遮光層12を覆うようにベースコート層を形成する。例えば、SiNx層13およびSiO2層14を含む2層膜を形成する。ベースコート層は単層でもよいし、省略することもできる。ベースコート層13、14の上に、非晶質状態にあるシリコン膜22aを形成する。非晶質シリコン膜22aの一部は遮光層12の少なくとも一部を覆い、遮光層12と重ならない第1領域と、遮光層12と重なる第2領域とを有することになる。
次に、図1(c)に示すように、基板10の裏面(第2主面)から、シリコン膜22aに例えばSHG‐YAGレーザ:波長532nmの光L1を照射することによって、シリコン膜の第1領域だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域22bを形成する。第1結晶領域22bは、平均結晶粒径が300nm以下の微細な結晶粒からなる多結晶シリコン膜である。レーザの照射条件は、例えば、150〜300mJ/cm2である。レーザが照射されなかったシリコン膜の第2領域22aは非晶質状態のままである。なお、結晶質であるか非晶質であるかに拘わらずシリコン膜の全体を参照するときは、参照符号22を用いることにする。
次に、図1(d)に示すように、シリコン膜22の表面に触媒元素を付与する。例えば、シリコン膜22に対して、質量換算で10ppmのNi元素を含む化合物の水溶液(酢酸ニッケル水溶液)をスピンコート法で塗布することによって、触媒元素35としてNi元素を非晶質シリコン膜22に付与する。
触媒元素35としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)から選ばれた一種または複数種の元素を用いることが望ましい。これらから選ばれた一種または複数種類の元素であれば、微量で結晶化助長の効果がある。それらの中でも、特にNiを用いた場合に最も顕著な効果を得ることができる。
触媒元素35を導入する方法としては、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、イオンドーピング法、CVD法、スピンコート法などが挙げられる。特に、スピンコート法は、触媒元素35を含む化合物の溶液または分散液を非晶質シリコン膜上に塗布して乾燥させる方法であり、溶液または分散液中の触媒元素の濃度を調整することによって、非晶質シリコン膜22に導入する触媒元素35の量を容易に調整することができるので好ましい。
非晶質シリコン膜22中の触媒元素35の濃度は、1×1016atoms/cm3以上1×1018atoms/cm3以下程度が好ましい。触媒元素35の濃度が1×1016atoms/cm3未満であると、結晶成長が不十分となり、非晶質領域が多く残ってしまう。他方、触媒元素35の濃度が1×1018atoms/cm3を超えると、触媒元素がTFTのリーク電流の原因となるおそれがある。シリコン膜22の厚さに応じて、シリコン膜22の表面における触媒濃度が適当な範囲となるように、溶液を塗布、乾燥させる。触媒元素35の表面濃度は、例えば全反射蛍光X線分析(TRXRF)法によって測定することができる。シリコン膜中の触媒元素の体積濃度は、SIMS分析によって求めることができる。
その後、熱アニール(電気炉アニール)またはランプアニールを行い、非晶質状態のシリコン膜の第2領域22aを固相結晶化させることによって、図1(e)に示したように第2結晶領域22cを形成する。ここでは、第2結晶領域はCGシリコン膜で構成されている。
固相結晶化は、例えば、不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)で加熱処理を行うことによって起こる。この加熱処理としては、550℃以上600℃以下の温度範囲で30分以上4時間以下の時間にわたってアニール処理を行うことが好ましい。例えば、窒素雰囲気にて580℃で1時間の加熱処理を行う。この加熱処理において、非晶質シリコン膜22の表面に付与されたニッケル35が非晶質シリコン膜22中に拡散すると共に、シリサイド化が起こり、シリサイドを核として結晶粒が生成され、結晶粒の成長が進行する。このようにして、非晶質シリコン膜22の結晶化が固相で進行する。なお、加熱処理には炉を用いてもよいし、ランプ等を熱源として用いるRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いてもよい。
ここで図4を参照して、シリコン膜の第2領域22aが選択的に固相結晶化されるメカニズムを説明する。なお、以下の説明は、発明者による考察であり、これによって発明が限定されるものではない。以下の説明が適切か否かに拘わらず、シリコン膜の第2領域(非晶質)22aが選択的に固相結晶化されることは実験で確かめられた事実である。
非晶質シリコン膜の第1領域は、工程(d)でレーザ照射によって既に結晶化されており、平均結晶粒径が300nm以下の結晶粒からなる第1結晶領域22bになっている。シリコン膜の第1結晶領域22bは多数の粒界および欠陥を含む多結晶膜であり、固相結晶化はほとんど進行しない。固相結晶化を促進する触媒元素(例えばNi)を用いる場合においても、第1結晶領域22b内の多数の粒界および欠陥が触媒元素をトラップし、ピニングするので、触媒は不活性化され、固相結晶化はほとんど進行せず、平均結晶粒径もほとんど変化しない。
一方、シリコン膜の第2領域(非晶質シリコン膜)22aは固相結晶化する。触媒元素(Ni)35は非晶質シリコン膜22aのシリコン元素と結合してシリサイド化することで結晶成長に作用する。そのときの結晶構造が、非晶質シリコン膜22aの結晶化時に一種の鋳型のように作用し、非晶質シリコン膜22aの結晶化を促す。Ni35は2つのSiとNiSi236を形成する。NiSi236は螢石型の結晶構造を示し、その結晶構造は、単結晶ケイ素のダイヤモンド構造と非常に類似したものである。しかも、NiSi236はその格子定数が5.406Å(0.5406nm)であり、結晶質シリコンのダイヤモンド構造での格子定数5.430Å(0.5430nm)に非常に近い値を持つ。このことから、NiSi236は、非晶質シリコン膜22aを結晶化させるための鋳型としては最適なものであり、本発明における触媒元素35としては、Niが最も好ましいのである。
非晶質シリコン膜22aの固相結晶化過程において、図4に模式的に示したように、Ni35が非晶質シリコン膜22a内に拡散し、NiSi236を形成する。このとき、Ni35は、非晶質シリコン膜22aの端部(第2領域22aと第1結晶領域22bとの境界に近い部分)以外の領域において通常の非晶質シリコン膜の固相結晶化と同じ密度でNiSi236を形成するとともに、非晶質シリコン膜22aの端部においてもNiSi236を形成する。これは、第1結晶領域22bと第2領域22aとの境界付近に付与されたNi35が第1結晶領域22bと第2領域22aとの境界に集まりやすいためである。その結果、非晶質シリコン膜22a内に形成されるNiSi236の密度は、通常の非晶質シリコンの固相結晶化の場合よりも、第1結晶領域との境界付近に形成される分だけ大きくなる。その結果、第2結晶領域22cに形成されるCGシリコン膜の平均結晶粒は、従来のCGシリコン膜の平均結晶粒径よりも小さく、0.5μm超2μm未満となる。
なお、ここでは、触媒35を用いた場合について説明したが、触媒を用いない場合においても、固相結晶化に要する時間が長くなる(および/または温度が高くなる)ものの、上記と同様の結果となる。すなわち、固相結晶化の過程において、第2領域22a内では通常の固相結晶化と同様の密度で結晶核が生成するとともに、第2領域22aに接する第1結晶領域22bの結晶粒が結晶核となる。従って、第1結晶領域22bに接する部分に形成される結晶粒の分だけ結晶粒の密度が高くなる結果、第2結晶領域22cに形成される多結晶シリコン膜の平均粒径は小さくなる。
次に、図1(f)に示すように、第1結晶領域22bおよび第2結晶領域22cを含む結晶質シリコン膜22に対してエキシマレーザ光などの光線L2を照射することによって、結晶質シリコン膜22を溶融再結晶化することが好ましい。この工程は省略してもよい。溶融再結晶化することによって、結晶質シリコン膜22中の結晶欠陥を低減・消滅させ、結晶性をさらに向上させることができる。また、結晶質シリコン膜22の表面を平坦化できるという利点もある。レーザ光を用いて溶融再結晶化させることをレーザアニール処理ということがある。例えば、レーザ光としてパルスレーザ光を用い、結晶質半導体膜の任意の一点につき、複数回、連続的に照射する。結晶性を向上させるためには、酸素を含む雰囲気下でレーザ照射を行うことが好ましい。パルスレーザのフルーエンス(1パルス当たりのエネルギー密度)は、シリコン膜22やその下に設けたベースコート層(絶縁膜)13および14の膜質や膜厚などに依存するが、例えば、約300mJ/cm2以上約500mJ/cm2以下の範囲内であることが好ましい。パルスレーザとしては、例えばエキシマレーザ(波長308nm、パルス幅25ns)を好適に用いることができる。
上述したように固相結晶化を促進する触媒元素を用いて、上記のように加熱処理によって固相結晶化された結晶質半導体膜(すなわちCGシリコン膜)に対して溶融再結晶化を行なうことにより、さらに面方位の揃ったより良好な結晶質シリコン膜を得ることができる。さらに、CSシリコン膜をレーザアニール処理するプロセスを採用すると、非晶質シリコン膜を溶融結晶化するLPS法を採用した場合に比べて、電界効果移動度が2倍以上高い、電流駆動能力に優れたTFTが得られる。
次に、図2(a)〜(e)を参照して、上述のようにして得られた第1結晶領域22bおよび第2結晶領域22cを有する結晶質シリコン膜22を用いてTFTを作製する方法を説明する。
まず、図2(a)を参照する。結晶質シリコン膜22をパターニングすることによって、TFTを形成すべき領域(活性領域)に島状の結晶質シリコン膜26を形成する。島状結晶質シリコン膜26は、第1結晶領域26bと第2結晶領域26cとを有している。
結晶質シリコン膜22のパターニングは、通常のプラズマエッチング法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法、RIE(Reactive Ion Etching)法、CDE(Chemical Dry Etching)法などによって行われる。エッチングガスとしては、CF4やSF6等のフロン系ガス、あるいは、これらのフロン系ガスと酸素との混合ガスなどが用いられる。これらのエッチング法のなかでも、特に、ICPエッチング法やRIE法が好ましい。なお、結晶質シリコン膜22にレーザアニールを施す工程(図1(f))と、島状にパターニングする工程とは順序を逆にしてもよい。
次に、島状結晶質シリコン膜26を覆うように、ゲート絶縁膜として、SiO2層(例えば厚さ50nm)15およびSiNx層(例えば厚さ40nm)16を形成する。ゲート絶縁膜はこれに限られず、例えばSiO2層の単層であってもよい。
次に、図2(b)に示すように、ゲート絶縁膜15、16上にゲート電極44を形成する。ゲート電極44は、例えば、窒化チタンとアルミニウムとの2層膜や、タンタル(Ta)あるいはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)などの高融点金属の膜を用いることが好ましい。ゲート電極44の厚さは300nm以上600nm以下が好ましく、例えば450nmである。
次いで、図2(c)に示すように、ゲート電極44をマスクとして、イオンドーピング法によって島状結晶質シリコン膜26に不純物を注入する。この工程によって、島状結晶質シリコン膜26のゲート電極44に覆われていない領域26sおよび26dには高濃度のリンが注入される。ゲート電極44にマスクされリンが注入されない領域26cは、後にTFTのチャネル領域となる。nチャネル型TFTの場合には、ドナーとして代表的にはリンが添加される。また、pチャネル型TFTの場合であればアクセプタとして硼素が添加される。リンを添加する場合にはPH3を、また硼素を添加する場合にはB26を用いる。これらは通常水素で希釈されて供給される。この後、不純物の活性化と触媒元素のゲッタリングを兼ねるアニール(活性化アニール)を行うことによって、ソース領域26sおよびドレイン領域26dが形成される。
図2(b)と図2(c)とを比較すれば明らかなように、ソース領域26sおよびドレイン領域26dはそれぞれ、第1結晶領域26bに形成されている部分と、第2結晶領域22cに形成されている部分を含んでいる。第1結晶領域26bに形成されたソース領域26s/ドレイン領域26dは、触媒元素のゲッタリング能力が高いという特徴を有している。一般に、チャネル領域26cに触媒元素が含まれていると、TFTのリーク電流が大きいなどの問題点があるので、チャネル領域の触媒元素の濃度を1×1012atoms/cm3以下にすることが好ましい。上記触媒元素は、リンやホウ素が存在している領域に集まりやすいという性質があり、これらの元素(「ゲッタリング元素」ということがある。)が導入された領域を形成し、そこに触媒元素を移動させるという手方が用いられる(「ゲッタリング」ということがある。)。ゲッタリングは公知の種々の方法を用いることができる(例えば、特開平10−303129号公報および特開2004−214507号公報参照)。第1結晶領域26bは、上述したようにLTPSから形成されており、第2結晶領域26cよりも多く粒界や欠陥を含んでおり、ゲッタリング能力が高い。従って、第1結晶領域26bに形成されたソース領域26s/ドレイン領域26dのゲッタリング能力は高く、チャネル領域26cの触媒元素を効果的にゲッタリングする。もちろん、必要に応じて、ソース領域26s/ドレイン領域26dのさらに外側(チャネル領域26cよりも離れた領域)に、別途ゲッタリング領域を設けても良い。
続いて、図2(d)に示すように、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19を形成する。例えば、第1層間絶縁膜18をSiO2膜(例えば厚さ700nm)とし、第2層間絶縁膜19をSiNx膜(例えば厚さ200nm)とする。第2層間絶縁膜19を省略しても良い。必要に応じて、水素化アニールを行う。例えば、水素を含む雰囲気下で300〜500℃で1〜数時間の熱処理を行う。この工程は、半導体層/ゲート絶縁膜の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手(ダングリングボンド)を終端化し不活性化する工程である。
その後、図2(e)に示すように、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19にコンタクトホールを形成して、例えば窒化チタンとアルミニウムとの2層膜を用いてソース電極52sおよびドレイン電極52dならびに配線(不図示)を形成する。
このようにしてTFTまたは複数のTFTを備えたTFT基板が得られる。
なお、上述のようにして製造されるTFTはトップゲート型であるが、遮光層12を第1ゲート電極とすると、ゲート電極44を第2ゲート電極とする、デュアルゲート構造のTFTが得られる。但し、この場合には、SiNx層13およびSiO2層14は、ゲート絶縁膜として機能するように設定される必要がある。
次に、図3(a)〜(c)を参照して、ボトムゲート構造を有する他のTFTの製造方法を説明する。
図1(a)〜(f)を参照して説明したように、第1結晶領域22bおよび第2結晶領域22cを有する結晶質シリコン膜22を形成する。なお、図1(a)における遮光層12をゲート電極12として用い、SiNx層13およびSiO2層14をゲート絶縁膜として用いる。
次に、図3(a)に示すように、結晶質シリコン膜22をパターニングすることによって、TFTを形成すべき領域(活性領域)に島状の結晶質シリコン膜26を形成する。島状結晶質シリコン膜26は、第1結晶領域26bと第2結晶領域26cとを有している。
島状の結晶質シリコン膜26のゲート電極12に対向する位置にレジスト層34aを形成する。レジスト材料としてポジ型のフォトレジスト材料を用いると、基板10の裏面からゲート電極12をフォトマスクとして露光することによって、ゲート電極12に対して自己整合的にレジスト層34aを形成できるという利点が得られる。
その後、レジスト層34aを介して不純物を注入することによって、ソース領域となる領域26sおよびドレイン領域となる領域26dを形成する。
続いて、図3(b)に示すように、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19を形成する。例えば、第1層間絶縁膜18をSiO2(例えば厚さ700nm)とし、第2層間絶縁膜19をSiNx膜(例えば厚さ200nm)とする。必要に応じて、水素化アニールを行う。
その後、図3(c)に示すように、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19にコンタクトホールを形成して、例えば窒化チタンとアルミニウムとの2層膜を用いてソース電極52sおよびドレイン電極52dならびに配線(不図示)を形成する。このようにして、ボトムゲート型のTFTが得られる。
この後、必要に応じて、1気圧の窒素雰囲気あるいは水素混合雰囲気で350℃、1時間のアニールを行う。さらに、TFTを保護する目的で、TFT上にSiNxなどの保護膜を設けてもよい。
次に、図5および図6を参照して、実験例を説明する。図5は本発明の製造方法によって得られた結晶質シリコン膜を示す図であり、図6は従来の製造方法によって得られた結晶質シリコン膜を示す図である。
図5に示した結晶質シリコン膜は、図1を参照して説明した方法に従って形成した。
まず、図1(a)に示したように、厚さ0.8mmのガラス基板上に、Moを用いて厚さ100nm、幅2μm、長さ20μmの遮光層12を形成した。
次に、図1(b)に示したように、遮光層12を覆うように、厚さ50nmのSiNx層13および厚さ100nmのSiO2層14を形成した。その後、これらを覆うように非晶質シリコン膜(厚さ50nm)22をCVD法を用いて形成した。
次に、図1(c)に示したように、基板10の裏面(第2主面)から、シリコン膜22aに例えばSHG‐YAGレーザ:波長532nm(250mJ/cm2、50ns)の光L1を照射し、シリコン膜の第1領域だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域22bを形成した。
次に、図1(d)に示したように、シリコン膜22の表面に、質量換算で10ppmのNi元素を含む化合物の水溶液(酢酸ニッケル水溶液)をスピンコート法で塗布した。このとき、非晶質シリコン膜22中のNiの濃度が、1×1010atoms/cm3以上1×1018atoms/cm3以下となるように調整した。
その後、電気炉を用いて窒素雰囲気下で580℃で1時間の加熱処理を行うことによって、図1(e)に示したように、第1結晶領域22bおよび第2結晶領域22cを含む結晶質シリコン膜22を得た。
その後、図1(f)に示したように、エキシマレーザ:波長308nm(350mJ/cm2、25ns)の光線L2を照射することによって、結晶質シリコン膜22を溶融再結晶化した。得られた結晶質シリコン膜が図5に示した膜である。
図6に示した結晶質シリコン膜は、上述した製造方法の内、図1(c)を参照して説明した第1結晶領域22bを形成するための光照射工程を行うことなく、その後の工程を行った。
図5(a)および図6(a)は、上述のようにして得られた結晶質シリコン膜のSEM像を示す図であり、図5(b)および図6(b)は、EBSP(Electron Back Scattering Pattern、後方散乱電子回折像)の測定結果で、個々の微小領域に分けてその結晶方位を特定し、それをつなぎ合わせてマッピングしたものである。図5(b)および図6(b)は、隣接する各マッピング点間の面方位の傾角が一定値以下(ここでは5°以下)のものを同色で塗り分け、個々の結晶粒(結晶粒:ほぼ同一の面方位を有する領域)の分布を浮かび上がらせたものである。
図5(b)および図6(b)において、白い点線で包囲した領域はチャネル長Lが2μm、チャネル幅Wが20μmのチャネル領域を示している。第2結晶領域(CGシリコン膜)が上記チャネル領域に対応して形成されている。
まず、図5(a)および(b)を参照する。チャネル領域に対応する第2結晶領域にはCGシリコン膜が結晶されているのに対し、第2結晶領域には微細な結晶からなるLTPS膜が形成されていることが分かる。SEM観察の結果、LTPS膜の平均結晶粒径は約300nmであった。また、CGシリコン膜の平均結晶粒径は約0.8μmであった。なお、CGシリコン膜は、EBSP法によって結晶質半導体表面の結晶方位を測定したとき、方位差がすべて10°未満の結晶からなる結晶粒から構成されている。CGシリコン膜の結晶粒の平均粒径は、画像処理装置を用い、結晶方位が10°未満の結晶領域の面積円相当径(直径)を求め、その平均を平均粒径として算出した。
図6(a)および(b)からわかるように、従来の製造方法によると、全体にわたってCGシリコン膜が形成されている。また、図6(b)と図5(b)とを比較すれば明らかなように、図6(b)のCGシリコン膜の結晶粒径は図5(b)のCGシリコン膜の結晶粒径よりも明らかに大きい。上述した方法によって求めた図6のCGシリコン膜の平均粒径は約2μmであった。従って、ここで例示したように、チャネル幅Wが2μmのチャネル領域では、チャネル幅方向を横切る粒界が存在しないことがあり、TFT間の特性がばらつくという問題が生じるのである。
上述したように、本発明によると、チャネル領域に形成されるCGシリコン膜の平均結晶粒径を従来の製造方法によって得られるCGシリコン膜の平均粒径(2〜8μm)よりも小さくできる。ここでは、従来のCGシリコン膜の平均結晶粒径の2分の1(1μm)以下の0.8μmになっている。従って、ここで例示したように、チャネル幅Wが2μmのチャネル領域においても、チャネル幅方向を横切る少なくとも1つの粒界が存在することになるので、TFT間の特性のばらつきが抑制される。なお、固相結晶化を行う限り、結晶質シリコン膜の平均結晶粒径が0.5μm以下となることはほとんど無い。
また、図5(a)に示したように、チャネル領域以外の領域には、LTPS膜が形成されており、SEM像から求めた平均結晶粒径は300nmであった。LTPS膜の平均結晶粒径は、光照射の条件等に依存して変化するが、概ね20nm〜300nmの範囲内にある。LTPS膜の電気特性はCGシリコン膜よりも劣るが、TFTの特性に与える影響はチャネル領域に比べて小さいので、ソース・ドレイン領域をLTPS膜で形成することによるデメリットよりも、チャネル領域のCGシリコン膜の粒径を制御し、TFT特性のばらつきを抑制することによって得られるメリットの方が大きい。
本発明の結晶質半導体膜の製造方法ならびにそれを用いたTFTおよびTFT基板の製造方法は、従来の製造プロセスに、裏面照射工程(図1(c))を追加するだけで実施できるので、非常に簡単に量産プロセスに導入することができる。
本発明は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置のTFT基板の画素TFTや機能回路のTFTの製造方法として好適に用いられる。
(a)〜(f)は、本発明による実施形態のTFTの製造方法を説明するための模式的な工程図である(図2に続く)。 (a)〜(e)は、本発明による実施形態のTFTの製造方法を説明するための模式的な工程図である(図1の続き)。 (a)〜(c)は、本発明による実施形態のTFTの他の製造方法を説明するための模式的な工程図である。 本発明による実施形態のTFTの製造プロセスにおいて、シリコン膜の第2領域22aが選択的に固相結晶化されるメカニズムを説明するための模式図である。 (a)および(b)は、本発明の製造方法によって得られた結晶質シリコン膜を示す図であり、(a)はSEM像を示す図であり、(b)はEBSPによって求めた面方位分布を示す図である。 (a)および(b)は、従来の製造方法によって得られた結晶質シリコン膜を示す図であり、(a)はSEM像を示す図であり、(b)はEBSPによって求めた面方位分布を示す図である。
符号の説明
10 絶縁性基板(ガラス基板)
12 遮光層
13 SiNx
14 SiO2
15 SiO2
16 SiNx
18 第1層間絶縁膜(SiO2膜)
19 第2層間絶縁膜(SiNx膜)
22 非晶質半導体膜(非晶質シリコン膜)
22a 非晶質シリコン膜
22b 第1結晶領域
22c 第2結晶領域
26 島状結晶質シリコン膜
35 触媒元素(ニッケル)
36 NiSi2
44 ゲート電極
52d ドレイン電極
52s ソース電極

Claims (8)

  1. (a)互いに対向する第1および第2主面を有する透明な基板を用意する工程と、
    (b)前記基板の第1主面上に所定のパターンの遮光層を形成する工程と、
    (c)前記遮光層の少なくとも一部を覆う半導体膜であって、前記遮光層と重ならない第1領域と、前記遮光層と重なる第2領域とを有する非晶質状態の半導体膜を形成する工程と、
    (d)前記第2主面側から前記半導体膜に光を照射し前記半導体膜の前記第1領域だけを選択的に結晶化することによって第1結晶領域を形成する工程と、
    (e)前記工程(d)の後で、前記半導体膜の前記第2領域を固相結晶化することによって第2結晶領域を形成する工程と
    を包含する、結晶質半導体膜の製造方法。
  2. 前記工程(d)で形成される前記第1結晶領域は平均粒径が300nm以下の結晶粒を有する、請求項1に記載の結晶質半導体膜の製造方法。
  3. 前記工程(d)の後かつ前記工程(e)の前に、前記半導体膜に結晶化を促進する作用を有する触媒元素を付与する工程をさらに包含する、請求項1または2に記載に結晶質半導体膜の製造方法。
  4. 前記工程(e)で形成される前記第2結晶領域は平均結晶粒径が0.5μm超2μm未満の結晶粒を有する、請求項1から3のいずれかに記載の結晶質半導体膜の製造方法。
  5. 前記工程(e)の後に、前記半導体膜にレーザアニール処理を施す工程(f)をさらに包含する、請求項1から4のいずれかに記載の結晶質半導体膜の製造方法。
  6. 前記工程(f)は、前記第1主面側から前記半導体膜の前記第1結晶領域および前記第2結晶領域にレーザ光を照射することによって行われる、請求項5に記載の結晶質半導体膜の製造方法。
  7. 前記遮光層は金属層であって、
    前記工程(b)と(c)との間に、前記遮光層を覆う絶縁層を形成する工程をさらに包含する、請求項1から6のいずれかに記載の結晶質半導体膜の製造方法。
  8. 基板上にTFTを備えるアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
    請求項1から7のいずれかに記載の結晶質半導体膜の製造方法によって結晶質半導体膜を製造する工程と、
    前記結晶質半導体膜の前記第2結晶領域の少なくとも一部を含むチャネル領域が形成されたTFTを作製する工程と、
    を包含する、アクティブマトリクス基板の製造方法。
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