JP2009059591A - 除電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電電極の汚れ付着や損傷等を抑制しつつ、除電能力の向上を図ることが可能な除電装置を提供する。
【解決手段】除電装置10は、誘電体11と、放電電極12及び対向電極13と、放電電極12に対して、第1電圧及び第2電圧を交互に印加して、正極性イオン及び負極性イオンを発生させる印加手段14と、を備え、第1電圧は、正の第1上限値V1、及び、当該正の第1上限値V1よりも絶対値が小さい負の第1下限値V3との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧であり、第2電圧は、負の第2下限値V4、及び、当該負の第2下限値V4よりも絶対値が小さい正の第2上限値V2との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧である。
【選択図】図2

Description

本発明は、誘電体バリア放電を利用した除電装置に関する。
従来から誘電体バリア放電を利用した除電装置がある。これは誘電体を介して対向する放電電極及び対向電極を備える。そして、放電電極及び対向電極の間に交流電圧を印加することで放電プラズマを生じさせて、空気中の酸素や水素を電離して正極性及び負極性のイオンを発生させて、除電対象物を除電する、換言すれば除電対象物の電荷を中和するものである。
ところが、この誘電体バリア放電を利用する除電装置は、コロナ放電を利用するものに比べて除電能力(例えば所定電位の帯電体を除電するまでに要する時間)が低いという欠点がある。このため、従来から、放電電極に対して、対向電極を基準とする正の範囲のみで単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧と、負の範囲のみで単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧とを交互に印加するイオン発生装置がある(特許文献1参照)。このように、印加電圧の単位時間当たりの変化量を大きくすれば、放電電極の近傍に強い電場が発生しイオン発生量を増加させることができ、除電能力の向上を図ることができる。
特開2005−328904公報
しかしながら、上記従来の除電装置は、上述したように、放電電極に対して、正の範囲のみで単位波形を繰り返す電圧と、負の範囲のみで単位波形を繰り返す電圧とを交互に印加する構成である。このため、更に除電能力を向上させるには、単位波形の振幅値を正の範囲のみ、或いは、負の範囲のみで大きくすることが考えられるが、そうすると、放電電極への印加電圧の絶対値(最大値)が大きくなり、放電電極の汚れ付着や損傷等を早めるという問題が生じる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、放電電極の汚れ付着や損傷等を抑制しつつ、除電能力の向上を図ることが可能な除電装置を提供するところにある。
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る除電装置は、誘電体と、前記誘電体を介して対向する放電電極及び対向電極と、前記放電電極に対して、第1電圧及び第2電圧を交互に印加して、正極性イオン及び負極性イオンを発生させる印加手段と、を備え、前記第1電圧は、前記対向電極を基準として正の第1上限値、及び、当該正の第1上限値よりも絶対値が小さい負の第1下限値との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧であり、前記第2電圧は、負の第2下限値、及び、当該負の第2下限値よりも絶対値が小さい正の第2上限値との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧である。
本発明によれば、放電電極に交互に印加する第1電圧及び第2電圧は、その単位波形が、正の範囲或いは負の範囲、及び、当該範囲とは逆極性の範囲に亘って振幅する。これにより、放電電極への印加電圧の最大値(絶対値)をなるべく低く抑えつつ、単位波形の振幅を大きくすることで、放電電極の汚れ付着や損傷等を抑制しつつ、除電能力の向上を図ることができる。
第2の発明は、第1の発明の除電装置であって、前記負の第1下限値の絶対値は前記正の第1上限値の絶対値の5割以下であり、前記正の第2上限値の絶対値は前記負の第2下限値の絶対値の5割以下である。
本発明のように構成すれば、極性反転による発生イオンの消滅量以上にイオン発生量を確実に増加させることができる。なお、第3の発明のように、負の第1下限値の絶対値が正の第1上限値の絶対値の2〜4割、正の第2上限値の絶対値は負の第2下限値の絶対値の2〜4割に設定することが、より好ましい。
第4の発明は、第1から第3のいずれか1つの発明の除電装置であって、前記負の第1下限値及び前記正の第2上限値の少なくともいずれか一方を調整する第1調整手段を備える。
本発明によれば、正の第1上限値及び負の第2下限値(放電電極に印加される最大電圧値及び最小電圧値)を変えることなく、正極性イオン及び負極性イオンの少なくともいずれか一方の発生量を調整できる。
第5の発明は、第4の発明の除電装置であって、除電対象物の電位測定手段を備え、前記第1調整手段は、前記電位測定手段の測定結果に基づき調整動作を行う構成である。
本発明によれば、除電対象物の電位に応じて負の第1下限値及び正の第2上限値の少なくともいずれか一方の値を自動で調整できる。
第6の発明は、第1から第5のいずれか一つの発明の除電装置であって、前記負の第1下限値の絶対値は、前記正の第2上限値の絶対値よりも大きい。
正極性イオンを発生させるための第1電圧は、負極性イオンを発生させるための第2電圧に比べて単位電圧値当たりのイオン発生量が少ない。そこで、本発明のように、負の第1下限値の絶対値を正の第2上限値の絶対値よりも大きくして、正極性イオン発生時における単位波形の振幅を、負極性イオン発生時よりも大きくすることが好ましい。
第7の発明は、第1から第6のいずれか一つの発明の除電装置であって、前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方の単位波形の周波数を調整する第2調整手段を備える。
本発明によれば、印加電圧の最大値を変えずに印加電圧の時間変化速度を調整することができる。
第8の発明は、第7の発明の除電装置であって、除電対象物の電位測定手段を備え、前記第2調整手段は、前記電位測定手段の測定結果に基づき前記単位波形の周波数を調整する構成である。
本発明によれば、除電対象物の電位に応じて単位波形の周波数を自動で調整できる。
第9の発明は、第1から第8のいずれか一つの発明の除電装置であって、前記印加手段は、前記正の第1上限値の定電圧と前記正の第2上限値の定電圧とを、前記第1電圧及び前記第2電圧の各印加タイミングに対応して交互に出力する正電圧回路と、前記負の第1下限値の定電圧と前記負の第2下限値の定電圧とを、前記各印加タイミングに対応して交互に出力する負電圧回路と、前記放電電極に対して、前記正電圧回路の出力電圧と前記負電圧回路の出力電圧とを交互に与えて前記単位波形の電圧を生成する切替手段と、を備えて構成されている。
比較的に簡単な切替動作で第1電圧及び第2電圧を生成することができる。
本発明によれば、放電電極の汚れ付着や損傷等を抑制しつつ、除電能力の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る除電装置10は、誘電体バリア放電を利用して正極性イオン及び負極性イオンを発生させる。具体的には、除電装置10は、誘電体11と、当該誘電体11を介して対向配置される放電電極12及び対向電極13と、印加回路14とを備える。そして、放電電極12と対向電極13との間に交流電圧を印加することで放電プラズマを生じさせて、空気中の酸素や水素を電離して正極性イオン及び負極性イオンを発生させ、除電対象物(回路基板など)Wを除電(除電対象物Wの電荷を中和)する。
なお、本実施形態では対向電極13はグランドに接続されている。
(印加回路の電気的構成)
印加回路14(印加手段の一例)は、正電圧回路15、負電圧回路16、切替回路17(切替手段の一例)、及び、制御部18を備える。
(1)正電圧回路
正電圧回路15は、高電圧出力回路20及び低電圧出力回路21を備える。高電圧出力回路20は、トランス22を介して交流電源23に接続され、対向電極13の電位(本実施形態ではゼロ[v])を基準として正の第1上限値V1の直流高電圧を出力する。低電圧出力回路21は、トランス24を介して交流電源23に接続され、上記正の第1上限値V1よりも低い正の第2上限値V2の直流高電圧を出力する。
高電圧出力回路20及び低電圧出力回路21は、いわゆるコッククロフト・ウォルトン型の倍電圧整流回路である。両回路20,21は、それぞれが備える整流ダイオード及びコンデンサの数の相違により出力電圧値が異なるが、基本的構成は共通する。従って、低電圧出力回路21を例に挙げて回路構成を詳説する。
低電圧出力回路21は、入力端子25、コンデンサ27,28、整流用のダイオード29,30を備えて回路構成されている。トランス24の2次電圧が入力端子25A,25Bに印加されると、2次電圧の2倍の電圧が図示する極性でもって、出力側端子31の一方側の端子31Aに現れる。
具体的に説明すると、低電圧出力回路21の入力端子25Bが正極性となるような交流電圧(2次電圧)が印加されると、整流ダイオード29が通電状態となるので、コンデンサ27が2次電圧の電圧値まで充電される。
その後、2次電圧の極性が切り替わって、今度は、入力端子25Aが正極性となる電圧が印加されると、このときには、トランス24の2次側とコンデンサ27とが直列状態となるとともに、ダイオード30が通電状態となるため、コンデンサ28が充電されてゆき、やがて2次電圧の2倍の電圧値(正の第2上限値V2)になる。これにより、2次電圧の2倍の電圧が、図示する極性でもって、出力側端子31の一方側の端子31Aに現れる。尚、低電圧出力回路21のもう一方の出力端子31Bはアースに接続されている。
高電圧出力回路20は、整流ダイオード及びコンデンサを上記低電圧出力回路21よりも多く備える。これにより、入力端子32に印加されたトランス22の2次電圧の整数倍(本実施形態では4倍〜8倍)の電圧値(正の第1上限値V1)が出力端子33Aに現れる。
また、正電圧回路15は、更に半導体スイッチ35,36を備える。半導体スイッチ35は制御部18から第1パルス信号S1(周波数は約1〜100[Hz])を受ける一方で、半導体スイッチ36は反転回路37によって上記第1パルス信号S1をレベル反転した信号を受ける。これにより、正電圧回路15は、正の第1上限値V1の電圧と正の第2上限値V2とを接続端子38に交互に出力する(図2上段のV5参照)。
(2)負電圧回路
負電圧回路16は、高電圧出力回路40及び低電圧出力回路41を備える。高電圧出力回路40は、トランス42を介して交流電源23に接続され、対向電極13の電位(本実施形態ではゼロ[v])を基準として負の第1下限値V3の直流高電圧を出力する。低電圧出力回路41は、トランス43を介して交流電源23に接続され、上記負の第1下限値V3よりも絶対値が大きい負の第2下限値V4の直流高電圧を出力する。
高電圧出力回路40及び低電圧出力回路41は、いわゆるコッククロフト・ウォルトン型の倍電圧整流回路であり、上記高電圧出力回路20及び低電圧出力回路21と基本的構成は同じである。例えば低電圧出力回路41は、入力端子49、コンデンサ44,45、整流用のダイオード46,47を備えて回路構成されており、トランス43の2次電圧の2倍の電圧(負の第1下限値V3)が図示する極性でもって、出力側端子48の一方側の端子48Aに現れる。尚、もう一方の出力端子48Bはアースに接続されている。
高電圧出力回路40は、整流ダイオード及びコンデンサを上記低電圧出力回路41よりも多く備える。これにより、入力端子50に印加されたトランス42の2次電圧の整数倍(本実施形態では4倍〜8倍)の電圧値(負の第2下限値V4)が出力端子51Aに現れる。
また、負電圧回路16は、更に半導体スイッチ52,53を備える。半導体スイッチ52は制御部18から第1パルス信号S1を受ける一方で、半導体スイッチ53は反転回路37によって上記第1パルス信号S1をレベル反転した信号を受ける。これにより、負電圧回路16は、負の第1下限値V3と負の第2下限値V4とを接続端子54に交互に出力する(図2上段のV6参照)。
(3)切替回路
切替回路17は、第1半導体スイッチ60及び第2半導体スイッチ61を備える。第1半導体スイッチ60は制御部18から第2パルス信号S2(周波数は約100[Hz]〜10[KHz])を受けて、上記正電圧回路15の接続端子38と放電電極12とを接続するオン動作と、開放するオフ動作とを交互に繰り返す(図2中段参照)。一方、第2半導体スイッチ61は制御部18から第2パルス信号S2を反転回路62によってレベル反転した信号を受けて、上記負電圧回路16の接続端子54と放電電極12とを接続するオン動作と、開放するオフ動作とを交互に繰り返す(図2中段参照)。
なお、上記半導体スイッチ35,36,52,53,60,61はいずれもパワーMOSFET(以下、単にFETとする)より形成しているが、FETを構成する半導体に、炭化ケイ素半導体(SiC)または窒化ガリウム(GaN)を使用している。半導体成分に炭化ケイ素を含む半導体は、物性としてバンドギャップが広い。そのため、このような半導体でFET等のスイッチング素子を構成すると、PN接合面で電荷の移動が起こり難く、耐電圧(〜10[kv])が高いという特性がある。このような特性のスイッチング素子を高圧側のスイッチとして用いれば、少数のスイッチング素子で高圧の切り替えを高速で行なうことが出来るので、部品点数が少なくて済み、回路の小型化に寄与する。
以上の構成により、図2下段に示すように、印加回路14は、放電電極12に対して第1電圧と第2電圧とを交互に印加する。この第1電圧は、正の第1上限値V1(約5[KV])と負の第1下限値V3との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧である。第2電圧は、負の第2下限値V4(約−5[KV])と正の第2上限値V2との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧である。
なお、特許文献1にも記載されているように、印加電圧が大きいほど誘電体11の分極が大きくなる。しかし、誘電体11の分極が大きくても、誘電体11の分極が増加する速度が小さい場合には、誘電体11と空気の境界面(誘電体11の表面)が帯電して放電電極12近傍の空気中の電場の上昇を防ごうとする働きが優勢であるため、放電電極12近傍の空気中の電場はあまり強くない。放電電極12近傍の空気中に強い電場を発生させるためには、誘電体11と空気の境界面(誘電体11の表面)の帯電が増加する速度に打ち勝つような大きな速度で誘電体11の分極を増加させるか、誘電体11の分極を十分に大きな速度で減少させることによって誘電体11と空気の境界面(誘電体の表面)に取り残された帯電を利用する必要がある。すなわち、誘電体11の分極を時間変化させることが放電電極12近傍の空気中に強い電場を発生させる有効な手段である。
ここで、上記第1電圧の正の第1上限値V1の絶対値に対する、負の第1下限値V3の絶対値の割合(以下、第1電圧の絶対値割合という)がある程度大きいとイオンの発生効率が却って低下するおそれがある。これは、正の電圧の印加によって発生したイオンの大部分は直後の負の電圧の印加によって消滅し、負の電圧の印加によって発生したイオンの大部分は直後の正の電圧の印加によって消滅してしまうからである。
しかし、本願発明者による実験により図3に示す結果を得た。この図3のグラフは、第1電圧の絶対値割合(クロス率)とイオン発生量との関係を示したものである。なお、このグラフは、第1電圧の絶対値割合がゼロ%の場合、即ち、第1電圧が正の範囲のみで振幅する電圧である場合のイオン発生量を100としている。この実験結果によれば、第1電圧の絶対値割合が例えば0%超〜50%以下であれば、ゼロ%の場合に比べて正極性イオンの発生量を増加させることができることが分かる。また、第1電圧の絶対値割合が20〜40%の場合にイオン発生量を大きくすることができ、略30%で最高値にすることができることが分かる。
このことは第2電圧についても同様である。即ち、上記第2電圧の負の第2下限値V4の絶対値に対する、正の第2上限値V2の絶対値の割合(以下、第2電圧の絶対値割合という)が例えば0%超〜50%以下であれば、ゼロ%の場合に比べて負極性イオンの発生量を増加させることができる。また、第2電圧の絶対値割合が20〜40%の場合にイオン発生量を大きくすることができ、略30%で最高値にすることができる。
(イオン発生量の調整について)
(1)第1電圧、第2電圧の振幅変更によるイオン発生量の調整
本実施形態の印加回路14には、交流電源23とトランス24との間に可変抵抗器65が設けられている。制御部18はこの可変抵抗器65の抵抗値を変更してトランス24の2次電圧を変更することで低電圧出力回路21の出力電圧値である正の第2上限値V2を調整することができる。また、交流電源23とトランス43との間には可変抵抗器66が設けられている。制御部18はこの可変抵抗器66の抵抗値を変更してトランス43の2次電圧を変更することで低電圧出力回路41の出力電圧値である負の第1下限値V3を調整することができる。
以上の構成により、正極性イオンの発生量と負極性イオンの発生量とを個別に調整し、イオンバランスを調整することができる。このとき、可変抵抗器65,66及び制御部18は第1調整手段として機能する。
(2)第2パルス信号の周波数変更によるイオン発生量の調整
制御部18は、第2パルス信号S2の周波数を変更することができる。これにより、第1電圧の印加期間(半導体スイッチ35,52がオン時)での単位波形の周波数を変更し、正極性イオンの発生量を調整できる。また、第2電圧の印加期間(半導体スイッチ36,53がオン時)での単位波形の周波数(単位波形の繰り返し頻度)を変更し、負極性イオンの発生量を調整できる。
また、除電装置10には、図1に示すように除電対象物Wの表面電位を測定する電位測定器70が設けられている。電位測定器70は、除電対象物の近傍に配置される導体(誘導プローブ)を備える。この導体の電位は除電対象物Wの電位(電荷)に比例して決まるため、電位測定器70は、この導体の電位を測定することによって除電対象物Wの電位を把握することができ、その把握した測定値に応じた測定信号S3を制御部18に与える。制御部18は、上記測定信号S3に基づき除電対象物Wの帯電電位の極性を知ることができるため、この帯電電位を相殺する極性のイオン量を多くするように、第2パルス信号S2の周波数を変更する。これにより除電対象物Wの除電速度の高速化を図ることができる。
なお、上記測定信号S3に基づき可変抵抗器65,66の抵抗値を調整することでイオン発生量を調整するようにしてもよい。この抵抗値変更による調整は、特に除電対象物Wの帯電電位が大きく一方極性に傾いていてイオン発生量を大きく変更せざるを得ないときの粗調整に適しており、周波数変更による調整は微調整に適している。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、放電電極12に交互に印加する第1電圧及び第2電圧は、その単位波形が、正の範囲或いは負の範囲、及び、当該範囲とは逆極性の範囲に亘って振幅する。これにより、放電電極12への印加電圧の最大値(絶対値)をなるべく低く抑えつつ、単位波形の振幅を大きくすることで、放電電極12の汚れ付着や損傷等を抑制しつつ、除電能力の向上を図ることができる。
可変抵抗器65,66の抵抗値を調整することで、正の第1上限値V1及び負の第2下限値V4(放電電極12に印加される最大電圧値及び最小電圧値)を変えることなく、正極性イオン及び負極性イオンの少なくともいずれか一方の発生量を調整できる。
正極性イオンを発生させるための第1電圧は、負極性イオンを発生させるための第2電圧に比べて単位電圧値当たりのイオン発生量が少ない。そこで、負の第1下限値V3の絶対値を正の第2上限値V2の絶対値よりも大きくして、正極性イオン発生時における単位波形の振幅を、負極性イオン発生時よりも大きくすることが好ましい。
また、電位測定器70からの測定信号S3に基づき除電対象物Wの電位に応じて単位波形の周波数を自動で調整できる。これにより、印加電圧の最大電圧値、最小電圧値を変えずに印加電圧の時間変化速度を調整することができる。
更に正電圧回路15、負電圧回路16及び切替回路17によって複雑なスイッチングを行うことなく、比較的に簡単に第1電圧及び第2電圧を生成することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態に対して、正極性イオンを多く発生するモードと、負極性イオンを多く発生するモードとを設定できるようにしてもよい。予め除電対象物の帯電極性が分かっている場合にはそれに対応したモードを設定することで早期に除電できる。
本発明の一実施形態に係る除電装置の電気的構成図 各電圧値を示すタイムチャート イオン発生量と絶対値割合との関係を示すグラフ
符号の説明
10…除電装置
11…誘電体
12…放電電極
13…対向電極
14…印加回路(印加手段)
15…正電圧回路
16…負電圧回路
17…切替回路(切替手段の一例)
18…制御部(第1調整手段)
65,66…可変抵抗器(第1調整手段)
V1…正の第1上限値
V2…正の第2上限値
V3…負の第1下限値
V4…負の第2下限値
W…除電対象物

Claims (9)

  1. 誘電体と、
    前記誘電体を介して対向する放電電極及び対向電極と、
    前記放電電極に対して、第1電圧及び第2電圧を交互に印加して、正極性イオン及び負極性イオンを発生させる印加手段と、を備え、
    前記第1電圧は、前記対向電極を基準として正の第1上限値、及び、当該正の第1上限値よりも絶対値が小さい負の第1下限値との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧であり、
    前記第2電圧は、負の第2下限値、及び、当該負の第2下限値よりも絶対値が小さい正の第2上限値との間で振幅する単位波形を繰り返すことにより時間変化する波形を有する電圧である除電装置。
  2. 請求項1記載の除電装置であって、
    前記負の第1下限値の絶対値は前記正の第1上限値の絶対値の5割以下であり、前記正の第2上限値の絶対値は前記負の第2下限値の絶対値の5割以下である。
  3. 請求項2記載の除電装置であって、
    前記負の第1下限値の絶対値は前記正の第1上限値の絶対値の2割から4割であり、前記正の第2上限値の絶対値は前記負の第2下限値の絶対値の2割から4割である。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の除電装置であって、
    前記負の第1下限値及び前記正の第2上限値の少なくともいずれか一方を調整する第1調整手段を備える。
  5. 請求項4に記載の除電装置であって、
    除電対象物の電位測定手段を備え、
    前記第1調整手段は、前記電位測定手段の測定結果に基づき調整動作を行う構成である。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の除電装置であって、
    前記負の第1下限値の絶対値は、前記正の第2上限値の絶対値よりも大きい。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の除電装置であって、
    前記第1電圧及び前記第2電圧の少なくともいずれか一方の単位波形の周波数を調整する第2調整手段を備える。
  8. 請求項7に記載の除電装置であって、
    除電対象物の電位測定手段を備え、
    前記第2調整手段は、前記電位測定手段の測定結果に基づき前記単位波形の周波数を調整する構成である。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の除電装置であって、
    前記印加手段は、
    前記正の第1上限値の定電圧と前記正の第2上限値の定電圧とを、前記第1電圧及び前記第2電圧の各印加タイミングに対応して交互に出力する正電圧回路と、
    前記負の第1下限値の定電圧と前記負の第2下限値の定電圧とを、前記各印加タイミングに対応して交互に出力する負電圧回路と、
    前記放電電極に対して、前記正電圧回路の出力電圧と前記負電圧回路の出力電圧とを交互に与えて前記単位波形の電圧を生成する切替手段と、を備えて構成されている。
JP2007226069A 2007-08-31 2007-08-31 除電装置 Pending JP2009059591A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012186429A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Mitsubishi Electric Corp 基板処理装置と該基板処理装置を用いた基板処理方法

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