JP2009059512A - 燃料電池スタックの分解及び組み立て方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの分解時に、電解質膜・電極構造体に変形や損傷等が惹起することを可及的に阻止し、燃料電池を迅速且つ確実に分解及び再組み付けすることを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタックの運転時に発電セルに異常が発生した際、前記燃料電池スタックの運転が停止されるとともに、少なくとも一方の反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行う工程と、前記燃料電池スタックの締め付け荷重が所定荷重以下に至った際、前記不活性ガスによるパージを停止する工程と、前記パージ終了後に前記燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、該燃料電池スタックを分解する工程と、異常が発生した前記発電セルに代えて、新たな発電セルを積層して前記燃料電池スタックを組み立てる工程とを有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備え、前記発電セルが複数積層されるとともに、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが各反応ガス流路に供給される燃料電池スタックの分解及び組み立て方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(固体高分子電解質膜)を採用している。この電解質膜の両側にアノード側電極及びカソード側電極が配設された電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより燃料電池が構成されている。
通常、この燃料電池は、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)だけ積層した燃料電池スタックとして使用されている。この燃料電池スタックは、燃料電池の内部抵抗の増大や反応ガスのシール性の低下等を阻止するために、積層されている各燃料電池同士を確実に加圧保持する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池組立用治具が知られている。この特許文献1では、後部にセル積み上げ位置、前部に組み立てられた燃料電池の搬出位置を有する固定の治具本体と、前記治具本体に取り付けられ燃料電池スタックを押圧する押圧手段と、燃料電池スタックを載置し、前記セル積み上げ位置と搬出位置との間にわたって移動可能とされたロアプレートとから構成されている。
これにより、ロアプレートをセル積み上げ位置から搬出位置に移動して製品を搬出するので、ホイストを使って燃料電池製品を治具から搬出することができ、作業が容易化され、安全性が向上される、としている。
特開2002−216834号公報
ところで、上記のように組み付けられた燃料電池製品(燃料電池スタック)では、実際に発電が行われることによって、所望の電圧が得られない等の異常な発電セルの検出がなされている。従って、異常な発電セルを正常な発電セルと交換するために、例えば、特許文献1の燃料電池組立用治具を使用して燃料電池を分解する必要がある。
その際、燃料電池内では、発電に伴って加湿ガスや生成水により高加湿状態となっている。このため、電解質膜・電極構造体は、高加湿状態にあり、燃料電池の締め付け荷重を開放して前記電解質膜・電極構造体とセパレータとが分離されると、該電解質膜・電極構造体は、高加湿状態のまま前記締め付け荷重から開放される。
しかしながら、電解質膜・電極構造体が作業環境下に放置されると、前記電解質膜・電極構造体の湿度環境が変化する。これにより、固体高分子電解質膜の折れ曲がりによる亀裂又はしわの発生や、カーボンペーパの折れ曲がりによる炭素繊維の前記固体高分子電解質膜への刺さり等が惹起し、該固体高分子電解質膜が損傷するという問題がある。さらに、電解質膜・電極構造体自体に曲がりが生じると、燃料電池を再度組み付ける際に正確に位置決めすることが困難となる。
しかも、燃料電池の分解時に、上記のように新たに異常な発電セルが発生すると、前記燃料電池を再度組み付ける際に前記異常な発電セルが積層されてしまう。このため、燃料電池の分解及び再組み付け作業では、工数が相当に増大するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、燃料電池スタックの分解時に、電解質膜・電極構造体に変形や損傷等が惹起することを可及的に阻止し、燃料電池を迅速且つ確実に分解及び再組み付けすることが可能な燃料電池の分解及び組み立て方法を提供することを目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備え、前記発電セルが複数積層されるとともに、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが各反応ガス流路に供給される燃料電池スタックの分解及び組み立て方法に関するものである。
この分解及び組み立て方法は、燃料電池スタックの運転が停止されるとともに、少なくとも一方の反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行う工程と、前記燃料電池スタックの締め付け荷重が所定荷重以下に至った際、前記不活性ガスによるパージを停止する工程と、前記パージ終了後に前記燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、該燃料電池スタックを分解する工程と、発電セルを積層して前記燃料電池スタックを組み立てる工程とを有している。
また、不活性ガスは、分解作業雰囲気よりも高湿度で且つ運転雰囲気よりも低湿度に設定されることが好ましい。
さらに、不活性ガスによるパージは、反応ガス流路の入口に前記不活性ガスを供給する処理と、前記反応ガス流路の出口に前記不活性ガスを供給する処理とを、交互に行うことが好ましい。
さらにまた、分解された燃料電池スタックは、新たな発電セルが積層される前に、所定の荷重が付与された状態で保管されることが好ましい。
また、新たな発電セルは、予め運転が行われた後、締め付け荷重が所定荷重以下に至るまで、反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行うことが好ましい。
さらに、本発明は、燃料電池スタックの運転が停止されるとともに、少なくとも一方の反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行う工程と、前記パージ終了後に前記燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、該燃料電池スタックを分解する工程と、予め運転が行われた後、締め付け荷重が所定荷重以下に至るまで、前記反応ガス流路に前記不活性ガスによるパージを行った新たな発電セルを用意する工程と、前記新たな発電セルを積層して前記燃料電池スタックを組み立てる工程とを有している。
さらにまた、少なくとも分解された燃料電池スタック、又は予め運転された新たな発電セルは、所定の荷重が付与された状態で保管されることが好ましい。
本発明では、燃料電池スタックに荷重が付与された状態で、反応ガス流路に不活性ガスによるパージが行われると、電解質膜・電極構造体の湿度の変化に伴って、前記燃料電池スタックの締め付け荷重が変動する。このため、電解質膜・電極構造体の湿度の低下に伴って燃料電池スタックの締め付け荷重が低下し、前記燃料電池スタックの締め付け荷重が所定荷重以下に至った際、不活性ガスによるパージを停止することにより、前記電解質膜・電極構造体が所望の湿度に調整される。
従って、パージ終了後に燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、前記燃料電池スタックを分解する際、固体高分子電解質膜が所望の水分量を維持するため、前記固体高分子電解質膜の損傷やしわ等の発生を可及的に阻止することができる。しかも、燃料電池スタックを再度組み付ける際には、例えば、異常な発電セルが混在することがなく、前記燃料電池スタックの分解及び再組み付け作業が簡単且つ迅速に遂行される。
さらに、新たな発電セルを積層するとともに、この新たな発電セルは、予め運転が行われた後、締め付け荷重が所定荷重以下に至るまで、反応ガス流路に不活性ガスによるパージが行われている。これにより、新たな発電セルは、固体高分子電解質膜の損傷やしわ等の発生を可及的に阻止することができ、燃料電池スタックに良好な状態で組み込むことが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池スタック10の分解及び組み立て方法を実施するための設備11の概略構成図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の概略断面図である。
燃料電池スタック10は、発電セル12を備え、複数の発電セル12を矢印A方向に積層して積層体14が構成される。積層体14の積層方向両端部には、負極側ターミナルプレート16a及び正極側ターミナルプレート16bと、絶縁プレート18a、18bと、エンドプレート20a、20bとが、順次、設けられる。エンドプレート20a、20bが図示しないタイロッド等によって締め付けられることにより、燃料電池スタック10が組み付けられる。なお、タイロッドに代えて、エンドプレート20a、20bを端板とするケーシング内に積層体14を収容して構成することもできる。
図3に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体22と、この電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2金属セパレータ24、26とを備える。なお、第1及び第2金属セパレータ24、26に代替して、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
発電セル12の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持して保持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える(図2及び図3参照)。
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成される。
図3に示すように、第1金属セパレータ24の電解質膜・電極構造体22に向かう面24aには、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。酸化剤ガス流路46は、例えば、矢印B方向に延びて存在する複数の溝部(図示せず)とカソード側電極40との間に形成される。
第2金属セパレータ26の電解質膜・電極構造体22に向かう面26aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、例えば、矢印B方向に延びて存在する複数の溝部とアノード側電極38との間に形成される。
第1金属セパレータ24の面24bと第2金属セパレータ26の面26bとの間には、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、第1金属セパレータ24に設けられる複数の溝部と、第2金属セパレータ26に設けられる複数の溝部とを重ね合わせることにより、矢印B方向に延びて一体的に構成される。
第1金属セパレータ24の面24a、24bには、この第1金属セパレータ24の外周端縁部を周回して第1シール部材52が一体成形される。第1シール部材52は、面24aで酸化剤ガス供給連通孔30a、酸化剤ガス排出連通孔30b及び酸化剤ガス流路46を囲繞してこれらを連通させる。第1シール部材52は、面24bで冷却媒体供給連通孔32a、冷却媒体排出連通孔32b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
第2金属セパレータ26の面26a、26bには、この第2金属セパレータ26の外周端縁部を周回して第2シール部材54が一体成形される。第2シール部材54は、面26aで燃料ガス供給連通孔34a、燃料ガス排出連通孔34b及び燃料ガス流路48を囲繞してこれらを連通させる。第2シール部材54は、面26bで冷却媒体供給連通孔32a、冷却媒体排出連通孔32b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
図1に示すように、設備11は、燃料電池スタック10を構成する燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに燃料ガスに代えて不活性ガス、例えば、窒素ガスを交互に供給するとともに、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに空気に代えて、窒素ガスを交互に供給するための不活性ガス供給部60を備える。
なお、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとには、パージ用空気を交互に供給してもよい。
不活性ガス供給部60は、高圧窒素を貯留する窒素タンク62を備えるとともに、この窒素タンク62は、不活性ガス供給流路64に配設される。この不活性ガス供給流路64には、窒素タンク62から供給される窒素ガスの圧力を減圧するレギュレータ66と、前記窒素ガスを所定の湿度(後述する)に調整する加湿器68と、第1切替弁70とが配設される。加湿器68は、例えば、バブリング、加湿膜、中空糸膜、イジェクタ又は超音波等を用いた周知の構造を採用している。
第1切替弁70の下流には、第1分岐流路72と第2分岐流路74とが接続される。第1分岐流路72には、第2切替弁76が接続される。この第2切替弁76には、燃料ガス供給連通孔34aに連通する第1切替供給路78aと、燃料ガス排出連通孔34bに連通する第2切替供給路78bとが接続される。第2分岐流路74には、第3切替弁80が接続される。この第3切替弁80には、酸化剤ガス供給連通孔30aに連通する第3切替供給路82aと、酸化剤ガス排出連通孔30bに連通する第4切替供給路82bとが接続される。
設備11は、不活性ガス供給部60を駆動制御するための制御部84を備える。この制御部84は、燃料電池スタック10に付与される締め付け荷重を検出する図示しない歪みセンサ等からの検出信号に基づいて、固体高分子電解質膜36の水分量を推定し、不活性ガス供給部60によるパージの制御を行う。なお、歪みセンサは、図示しないタイロッドやケーシング等に装着されている。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、図4に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
図2に示すように、締め付け荷重10kN〜40kNが付与されている燃料電池スタック10内では、複数の発電セル12が積層された積層体14に対して、水素含有ガス等の燃料ガス、空気等の酸素含有ガスである酸化剤ガス、及び純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体が供給される。
図3に示すように、各発電セル12では、燃料ガス供給連通孔34aから第2金属セパレータ26の燃料ガス流路48に燃料ガスが導入され、電解質膜・電極構造体22を構成するアノード側電極38に沿って移動する。一方、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第1金属セパレータ24の酸化剤ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体22を構成するカソード側電極40に沿って移動する。
従って、電解質膜・電極構造体22では、アノード側電極38に供給される燃料ガスと、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる(図4中、ステップS1)。
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
さらに、冷却媒体供給連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1及び第2金属セパレータ24、26間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32bから排出される。
ところで、上記のように燃料電池スタック10が運転(発電)されている際に、例えば、電圧降下等が惹起して異常な発電セル12の存在が確認されると(ステップS2中、YES)、ステップS3に進んで、前記燃料電池スタック10の運転が停止される。そして、燃料電池スタック10は、設備11に接続されて(図1参照)、以下に示すパージ処理が遂行される(ステップS4)。
設備11では、例えば、燃料電池スタック10を構成する燃料ガス供給連通孔34a及び酸化剤ガス供給連通孔30aに、不活性ガス供給部60が連通している。このため、不活性ガス供給部60では、窒素タンク62から不活性ガス供給流路64に窒素ガスが供給され、この窒素ガスは、レギュレータ66を介して所定の圧力に調整された後、加湿器68に送られる。
この加湿器68では、窒素ガスが分解作業雰囲気よりも高湿度で且つ運転雰囲気よりも低湿度に調整されている。具体的には、窒素ガスの湿度は、相対湿度で70%〜100%の範囲に設定されている。さらに、窒素ガスは、40℃〜60℃の温度に調整されるとともに、流量が50L/min〜100L/minに設定されている。固体高分子電解質膜36の過度の乾燥を防止するとともに、残留水分の除去が可能になるからである。
そして、湿度が調整された窒素ガスは、第1分岐流路72から第1切替供給路78aを通って燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔34aに供給される。従って、窒素ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから各発電セル12の燃料ガス流路48を通って燃料ガス排出連通孔34bに排出され、残留する水分をパージするとともに、電解質膜・電極構造体22の湿度を調整する。
次に、第2切替弁76が操作されると、窒素ガスは、第1分岐流路72から第2切替供給路78bを通って燃料電池スタック10の燃料ガス排出連通孔34bに供給される。このため、燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bから各発電セル12の燃料ガス流路48を逆流した後、燃料ガス供給連通孔34aに排出される。
一方、湿度が調整された窒素ガスは、第2分岐流路74から第3切替供給路82aを通って燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔30aに供給される。酸化剤ガス供給連通孔30aに供給された窒素ガスは、この酸化剤ガス供給連通孔30aから各発電セル12の酸化剤ガス流路46を通って酸化剤ガス排出連通孔30bに排出される。これにより、窒素ガスは、残留する水分をパージするとともに、電解質膜・電極構造体22の湿度を調整する。
さらに、第3切替弁80の切替作用下に、窒素ガスは、第2分岐流路74から第4切替供給路82bを通って燃料電池スタック10の酸化剤ガス排出連通孔30bに供給される。酸化剤ガス排出連通孔30bに供給された窒素ガスは、この酸化剤ガス排出連通孔30bから各発電セル12の酸化剤ガス流路46を逆流した後、酸化剤ガス供給連通孔30aに排出される。
ここで、電解質膜・電極構造体22を構成する固体高分子電解質膜36は、図5に示すように、湿度低下に伴って膜強度が上昇するとともに、膜収縮力が急激に上昇する。
従って、膜収縮力が膜強度を超える湿度以下では、固体高分子電解質膜36の破損が惹起する。このため、電解質膜・電極構造体22の相対湿度は、適正湿度範囲MR、すなわち、70%〜100%以下の範囲になるように調整されることにより、特に、固体高分子電解質膜36の破損を防止することができる。
一方、図6には、固体高分子電解質膜36の水分量と、この固体高分子電解質膜36の縦方向(積層方向)膨張力との関係が示されている。これにより、所定の締め付け荷重が付与されている燃料電池スタック10に対して、上記のように、不活性ガスによりパージを行うと、各固体高分子電解質膜36の水分量が減少するのに伴って前記固体高分子電解質膜36の膜厚方向の膨張力が減少し、締め付け荷重が低下する。
従って、制御部84では、例えば、図示しないタイロッドに装着された歪みゲージ等により、燃料電池スタック10に付与されている締め付け荷重の変化を検出する。そして、この検出された締め付け荷重が所定値、例えば、30kN以下であると判断されると(ステップS5中、YES)、ステップS6に進んで、パージが停止される。
次に、燃料電池スタック10に付与されている締め付け荷重が解除されて、この燃料電池スタック10の分解が行われる。そして、異常が発生した発電セル12は、積層体14から取り出される一方、新たな発電セル12がこの積層体14に組み込まれて、燃料電池スタック10の組み立てが行われる(ステップS8)。
なお、異常が発生した発電セル12が取り出された燃料電池スタック10を一旦保管しておき、後に、新たな発電セル12を組み込んで燃料電池スタック10を組み立ててもよい。
その際、電解質膜・電極構造体22が外気に触れる配管類を密閉状態にすることが好ましく、例えば、エンドプレート20aに開放されている酸化剤ガス供給連通孔30a、酸化剤ガス排出連通孔30b、燃料ガス供給連通孔34a及び燃料ガス排出連通孔34bを直接閉塞してもよい。また、燃料電池スタック10を保管する際には、この燃料電池スタック10に対して、例えば、MEAの電極部に0.1Mpa〜0.5Mpaの面圧を付与することが好ましい。
新たな発電セル12には、図7に示すフローチャートに沿って、予め所定の処理が施されている。すなわち、発電セル12に対してならし運転が行われ(ステップS11)、このならし運転が終了した後(ステップS12)、ステップS13に進んで不活性ガスによるパージが行われる。
このパージにより、発電セル12の電解質膜・電極構造体22が適正湿度範囲MRに湿度調整されたか否かは、締め付け荷重を検出することによって判断される(ステップS14)。そして、ステップS15に進んで、パージが停止された後、発電セル12は、所定の荷重が付与された状態で保管される(ステップS16)。
ここで、発電セル12に付与される適正荷重は、図8に示すように、固体高分子電解質膜36にクリープが発生しない範囲に設定されることが好ましい。
この場合、本実施形態では、一旦運転が停止された燃料電池スタック10の燃料ガス流路48及び酸化剤ガス流路46に不活性ガスによるパージが行われると、各電解質膜・電極構造体22の湿度の変動に伴って、すなわち、固体高分子電解質膜36の水分量の変動に伴って、前記燃料電池スタック10の締め付け荷重が変動している。
従って、固体高分子電解質膜36の適正湿度範囲MRに対応する所定値を予め設定し、燃料電池スタック10の締め付け荷重がこの所定値以下となった際に、パージが停止されることにより、前記固体高分子電解質膜36が所望の湿度に調整されることになる。
従って、パージ終了後に、燃料電池スタック10の締め付け荷重を開放し、前記燃料電池スタック10を分解する際、固体高分子電解質膜36の収縮による収縮応力を介して前記固体高分子電解質膜36に破損が惹起したり、前記固体高分子電解質膜36にしわが発生し、再度締め付け荷重を付与する際に前記しわの重なり部分による厚みの増加によって該固体高分子電解質膜36が破損したりすることを、有効に阻止することができる。
しかも、燃料電池スタック10を再度組み付ける際には、分解後に電解質膜・電極構造体22に損傷が惹起している異常な発電セル12が混在することがない。これにより、燃料電池スタック10の分解及び再組み付け作業は、効率的に遂行可能になる。
さらにまた、燃料ガス流路48をパージする際に、第2切替弁76を切り換えることにより、不活性ガスである窒素ガスは、燃料ガス供給連通孔34aへの供給と、燃料ガス排出連通孔34bへの供給とが交互に行われている。このため、燃料ガス流路48の面内における湿度分布が均一になり、面圧分布も均一にすることができる。これにより、燃料電池スタック10の積層方向での撓みの発生や変形、あるいはリークの発生を可及的に阻止することができる。
一方、酸化剤ガス流路46においても同様に、窒素ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに交互に供給されている。従って、酸化剤ガス流路46の面内の湿度分布を均一化することができ、面圧分布の均一化を図ることが可能になる。
さらにまた、燃料電池スタック10に組み込まれる新たな発電セル12は、予め、ならし運転が行われた後、パージ処理がなされて固体高分子電解質膜36の水分量が調整されている。このため、発電セル12は、適正湿度範囲に維持されており、固体高分子電解質膜36の乾燥による伸縮応力によって損傷することを阻止するとともに、前記固体高分子電解質膜36にしわが発生することによる膜破損を防止することが可能になる。
これにより、新たな発電セル12は、良好な状態で保管され、燃料電池スタック10に最適条件で組み込むことが可能になるという効果が得られる。
本発明の実施形態に係る燃料電池スタックの分解及び組み立て方法を実施するための設備の概略構成図である。 前記燃料電池スタックの概略断面図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記分解及び組み立て方法を説明するフローチャートである。 適正湿度範囲の説明図である。 膜の水分量と縦方向膨張力との関係図である。 新たな発電セルの処理方法を説明するフローチャートである。 適正荷重範囲の説明図である。
符号の説明
10…燃料電池スタック 12…発電セル
14…積層体 22…電解質膜・電極構造体
24、26…金属セパレータ 30a…酸化剤ガス供給連通孔
30b…酸化剤ガス排出連通孔 32a…冷却媒体供給連通孔
32b…冷却媒体排出連通孔 34a…燃料ガス供給連通孔
34b…燃料ガス排出連通孔 36…固体高分子電解質膜
38…アノード側電極 40…カソード側電極
46…酸化剤ガス流路 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 60…不活性ガス供給部
62…窒素タンク 68…加湿器
70、76、80…切替弁 84…制御部

Claims (7)

  1. 固体高分子電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備え、前記発電セルが複数積層されるとともに、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが各反応ガス流路に供給される燃料電池スタックの分解及び組み立て方法であって、
    前記燃料電池スタックの運転が停止されるとともに、少なくとも一方の前記反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行う工程と、
    前記燃料電池スタックの締め付け荷重が所定荷重以下に至った際、前記不活性ガスによるパージを停止する工程と、
    前記パージ終了後に前記燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、該燃料電池スタックを分解する工程と、
    発電セルを積層して前記燃料電池スタックを組み立てる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  2. 請求項1記載の分解及び組み立て方法において、前記不活性ガスは、分解作業雰囲気よりも高湿度で且つ運転雰囲気よりも低湿度に設定されることを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  3. 請求項1又は2記載の分解及び組み立て方法において、前記不活性ガスによるパージは、前記反応ガス流路の入口に前記不活性ガスを供給する処理と、前記反応ガス流路の出口に前記不活性ガスを供給する処理とを、交互に行うことを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  4. 請求項1記載の分解及び組み立て方法において、分解された前記燃料電池スタックは、新たな発電セルが積層される前に、所定の荷重が付与された状態で保管されることを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  5. 請求項1記載の分解及び組み立て方法において、新たな発電セルは、予め運転が行われた後、締め付け荷重が所定荷重以下に至るまで、前記反応ガス流路に前記不活性ガスによるパージを行うことを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  6. 固体高分子電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備え、前記発電セルが複数積層されるとともに、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが各反応ガス流路に供給される燃料電池スタックの分解及び組み立て方法であって、
    前記燃料電池スタックの運転が停止されるとともに、少なくとも一方の前記反応ガス流路に不活性ガスによるパージを行う工程と、
    前記パージ終了後に前記燃料電池スタックの締め付け荷重を開放し、該燃料電池スタックを分解する工程と、
    予め運転が行われた後、締め付け荷重が所定荷重以下に至るまで、前記反応ガス流路に前記不活性ガスによるパージを行った新たな発電セルを用意する工程と、
    前記新たな発電セルを積層して前記燃料電池スタックを組み立てる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
  7. 請求項6記載の分解及び組み立て方法において、少なくとも分解された前記燃料電池スタック、又は予め運転された前記新たな発電セルは、所定の荷重が付与された状態で保管されることを特徴とする燃料電池スタックの分解及び組み立て方法。
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