JP2009059233A - 遅延注文補償判定処理システムおよびその方法、並びにプログラム - Google Patents

遅延注文補償判定処理システムおよびその方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 遅延注文についての補償判定を迅速かつ適切に行うことができる遅延注文補償判定処理システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】 注文受付処理手段21によりネットワーク1を介して顧客端末装置40から受信した顧客の注文データと、時価情報データ取得処理手段24により市場システム50から取得した市場時間データおよび単価データを含む時価情報データとを用いて、補償判定処理手段25により、遅延が無かった場合に各注文が本来約定すべき状態を示す仮出来データを作成し、作成した仮出来データと、この仮出来データの作成に用いられた注文データに基づく発注に対して市場システム50から送信されてきた約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、市場システムへの発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行するコンピュータからなる遅延注文補償判定処理システムおよびその方法、並びにプログラムに係り、ネットワークを介して顧客の注文を受け付けるオンライントレードの処理でシステムに障害が発生した場合における顧客への補償の要否判定に利用できる。
近年、盛んに行われているオンライントレードでは、インターネット等で受け付けた顧客の注文データは、取引所に届くまでの間に、通常、証券会社またはその関連会社において、幾つかのシステムに受け渡されて発注されている。従って、これらのシステムの中で、1つでも障害が発生した場合には、インターネット等で受け付けた顧客の注文について取引所への発注が遅延し、約定機会を逃してしまう場合がある。このような場合、約定機会を逃した注文に関しては、その注文内容と、市場の値段(市場で発生した単価)やその発生時間とを比較し、注文一件一件について、約定の補正を行うか否かの判定を、証券会社の担当者が手作業で行ってきた。そして、証券会社の担当者が、顧客に連絡して約定を訂正するか、追加するか、取り消すか等の連絡を行っていた。
一方、発注遅延が生じた場合に対応することができる売買注文執行保証システムが知られている(特許文献1参照)。この売買注文執行保証システムでは、証券会社における売買注文の受付時間と、その売買注文の発注先である取引所から証券会社に送信されてきた注文確認の受付時間とを対比し、所定の条件(例えば5分以内)よりも注文確認の受付時間が遅延した売買注文および注文確認を受け付けていない売買注文を遅延注文として検出し、遅延注文として検出した売買注文について、売買注文の注文条件と、取引所における価格の変動情報とを照合し、売買注文が遅延なく発注されれば約定したかを判定する。
特開2006−11731号公報(請求項1,2、段落[0011],[0014])
しかしながら、システム障害が発生した場合、近年のインターネットの普及により、少ない時間の処理の中断においても、その間の注文件数は膨大となるため、前述したように、証券会社の担当者が、手作業で注文内容と市場の値段等との比較作業を行う方法では、障害当日に顧客と連絡を取って補償の対象範囲を確定するのは困難である。
また、前述した特許文献1に記載された売買注文執行保証システムでは、先ず、時間を見て、取引所から送信されてきた注文確認の受付時間が、所定の条件(例えば5分以内)よりも遅延したか否かで遅延注文を検出することにより、遅延補償の対象範囲を絞り込んでいる。従って、遅延した時間が、所定の条件(例えば5分以内)に収まっていれば、遅延補償の対象とはならないのに対し、所定の条件(例えば5分以内)よりも遅延していた場合には、遅延補償の対象となるので、僅かな時間の差で遅延補償の有無が分かれる結果となってしまい、顧客間の不平等を招きかねない。さらに、遅延補償することになった場合でも、いつの時点から補償するのかが難しく、例えば、所定の条件を5分以内とした場合に、6分遅延したときには、5分以内の遅延であるために遅延補償の対象にならなかった注文との公平を図るために、5分経過した時点から補償するのか、あるいは最初(0分の時点)から補償するのかの調整が難しい。そして、例えば、複数の証券会社が共同利用する遅延注文補償判定処理システムとする場合には、各証券会社による補償方法が異なることも考えられるので、いずれの証券会社の補償方法にも対応できるような処理を行うことが必要となるが、上記のように所定の条件(例えば5分以内)よりも遅延しているか否かで遅延補償の対象とするか否かを決めてしまうと、各証券会社による様々な補償方法に対応することができなくなる可能性があることから、前述した特許文献1に記載された売買注文執行保証システムは、複数の証券会社が共同利用するシステムとするのには適さない。
さらに、前述した特許文献1に記載された売買注文執行保証システムでは、遅延注文の検出において、証券会社における売買注文の受付時間と、その売買注文の発注先である取引所から証券会社に送信されてきた注文確認の受付時間とを対比するので、取引所システムで生じた障害に起因する遅延までも含まれてしまうことになり、証券会社またはその関連会社のシステムで生じた障害による遅延補償を超えたものとなってしまう。
本発明の目的は、遅延注文についての補償判定を迅速かつ適切に行うことができる遅延注文補償判定処理システムおよびその方法、並びにプログラムを提供するところにある。
本発明は、市場システムへの発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行するコンピュータからなる遅延注文補償判定処理システムであって、市場システムから市場時間データおよび単価データを取得する処理を実行する時価情報データ取得処理手段と、この時価情報データ取得処理手段により取得した市場時間データおよび単価データを、銘柄識別情報と関連付けて記憶する時価情報データ記憶手段と、ネットワークを介して顧客端末装置から送信されてくる銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ、および顧客識別情報を含む顧客の注文データを受信する処理を実行する注文受付処理手段と、この注文受付処理手段により受信した銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ、および顧客識別情報、並びにこれらを受信した受注時間データを、注文識別情報と関連付けて前記顧客の注文データとして記憶する注文データ記憶手段と、この注文データ記憶手段に記憶された注文データを用いて、銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ、顧客識別情報、および注文識別情報を含む発注データを作成し、作成した発注データを通信回線を介して市場システムへ送信するとともに、市場システムから通信回線を介して送信されてくる銘柄識別情報、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、売買区分データ、顧客識別情報、および注文識別情報を含む約定データを受信する処理を実行する発注処理手段と、この発注処理手段により受信した約定データを記憶する約定データ記憶手段と、注文データ記憶手段に記憶された注文データと、注文データに含まれる銘柄識別情報と同一の銘柄識別情報に関連付けられて時価情報データ記憶手段に記憶された時価情報データとを用いて、遅延が無かった場合に注文データの注文が本来約定すべき状態を示す銘柄識別情報、仮約定時間データ、仮約定株数データ、および仮約定単価データを含む仮出来データを作成し、作成した仮出来データと、仮出来データの作成に用いられた注文データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて約定データ記憶手段に記憶された約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を実行する補償判定処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような遅延注文補償判定処理システムにおいては、各注文データと、市場システムから取得した時価情報データとを用いて、発注遅延が無かった場合に各注文が本来約定すべき状態を示す仮出来データを作成し、この仮出来データと、実際の約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行うので、従来のように、証券会社の担当者が、手作業で注文内容と市場の値段等との比較作業を行う場合に比べ、遅延注文の補償判定処理を迅速に行うことが可能となる。
また、各注文について仮出来データを作成し、実際の約定データと比較することにより、遅延注文の補償判定処理を行うので、前述した特許文献1に記載した売買注文執行保証システムのように、先ず、時間を見て、取引所から送信されてきた注文確認の受付時間が、所定の条件(例えば5分以内)よりも遅延したか否かで遅延注文を検出し、遅延注文として検出した売買注文についてのみ補償判定処理を行う場合に比べ、遅延注文の検出のための時間的な閾値の設定次第で、顧客への遅延補償の有無が分かれるようなことはないため、顧客間に不公平を発生させることのない補償判定処理を実現することが可能となるとともに、いつの時点から補償するのかといった問題も生じることなく、適切な補償判定処理を行うことが可能となり、さらに、各証券会社による様々な補償方法に対応可能な処理を行うので複数の証券会社が共同利用するシステムを実現することも可能であり、これらにより前記目的が達成される。
また、前述した遅延注文補償判定処理システムにおいて、注文データ記憶手段に記憶された注文データおよび約定データ記憶手段に記憶された約定データについて、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む注文データおよび約定データを集合させることにより、注文データおよび約定データを顧客毎で、かつ、注文毎に並べるとともに、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む注文データおよび約定データの集合内で、注文データおよび約定データを、受注時間データおよび約定時間データの時間順に並べて注文約定データを作成する処理を実行する注文約定データ作成処理手段を備え、補償判定処理手段は、注文約定データ作成処理手段により作成された注文約定データの中の同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む注文データおよび約定データの集合毎に、各集合内の注文データと時価情報データ記憶手段に記憶された時価情報データとを用いて、各集合内の仮出来データを作成し、作成した各集合内の仮出来データと各集合内の約定データとを用いて、各集合内で遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように注文約定データを作成して遅延注文の補償判定処理を行う構成とした場合には、補償判定処理が円滑になるとともに、注文約定データを参照すれば、注文データおよび約定データが顧客毎で、かつ、注文毎にまとめられて時間順に並べられているので、各顧客の注文、約定の状況を容易に把握することができるため、作成した注文約定データを画面表示または印刷することで、証券会社の担当者や顧客に、有用な参照資料や判断資料を提供することが可能となる。
さらに、前述した遅延注文補償判定処理システムにおいて、補償判定処理を行う際に、市場での出来高株数データを考慮しないで仮出来データを作成する処理を行う場合と、市場での出来高株数データを考慮して仮出来データを作成する処理を行う場合とがある。換言すれば、発注遅延が無かったとした場合に、市場において、発注遅延した注文データに含まれる株数データの売買取引が成立し得るだけの出来高株数がそもそも形成されていたのか否かを考慮しない場合と、考慮する場合とがある。
前者のように、市場での出来高株数データを考慮しないで仮出来データを作成する処理を行う場合は、次のような構成とすることができる。すなわち、前述した遅延注文補償判定処理システムにおいて、補償判定処理手段は、注文データが指値注文の場合には、時価情報データ記憶手段に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降の市場時間データに対応する単価データと、注文データに含まれる指値データとを比較し、注文データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以上の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、注文データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以下の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、条件を満たす単価データがあった場合には、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、注文データに含まれる株数データにより、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成し、注文データが成行注文の場合には、時価情報データ記憶手段に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降で受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、注文データに含まれる株数データにより、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成する処理を行う構成とすることができる。
このように補償判定処理手段を、市場での出来高株数データを考慮しないで仮出来データを作成する処理を行う構成とした場合には、補償判定処理が簡略化され、システムの処理負担の軽減、処理の迅速化が図られる。
一方、後者のように、市場での出来高株数データを考慮して仮出来データを作成する処理を行う場合は、次のような構成とすることができる。すなわち、前述した遅延注文補償判定処理システムにおいて、時価情報データ取得処理手段は、市場システムから市場時間データ、単価データ、および出来高株数データを取得する処理を実行する構成とされ、時価情報データ記憶手段には、時価情報データ取得処理手段により取得した市場時間データ、単価データ、および出来高株数データが、銘柄識別情報と関連付けて記憶され、補償判定処理手段は、注文データが指値注文の場合には、時価情報データ記憶手段に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降の市場時間データに対応する単価データと、注文データに含まれる指値データとを比較し、注文データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以上の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、注文データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以下の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、条件を満たす単価データがあった場合には、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、時価情報データ記憶手段に記憶された出来高株数データと、注文データに含まれる株数データとを比較して、株数データが最も早い市場時間データに対応する出来高株数データ以下である場合には、株数データの全てが最も早い市場時間データのときに仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成し、株数データが最も早い市場時間データに対応する出来高株数データを超えている場合には、株数データを分け、株数データのうち出来高株数データを超える分については、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち2番目以降に早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データ、仮約定単価データ、および仮約定株数データを作成し、注文データが成行注文の場合には、時価情報データ記憶手段に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降で受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、時価情報データ記憶手段に記憶された出来高株数データと、注文データに含まれる株数データとを比較して、株数データが最も近い市場時間データに対応する出来高株数データ以下である場合には、株数データの全てが最も近い市場時間データのときに仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成し、株数データが最も近い市場時間データに対応する出来高株数データを超えていた場合には、株数データを分け、株数データのうち出来高株数データを超える分については、時価情報データ記憶手段に記憶された市場時間データのうち2番目以降に近い市場時間データのときに、この2番目以降に近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データ、仮約定単価データ、および仮約定株数データを作成する処理を行う構成とすることができる。
このように補償判定処理手段を、市場での出来高株数データを考慮して仮出来データを作成する処理を行う構成とした場合には、市場で実際に発生した状況に、より一層即した補償判定処理を実現することが可能となる。
そして、以上に述べた遅延注文補償判定処理システムにおいて、補償判定処理手段は、約定データの約定株数データと仮出来データの仮約定株数データとが同じであり、かつ、約定データの約定単価データと仮出来データの仮約定単価データとが異なり、かつ、約定データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときには、仮約定単価データの方が約定単価データよりも高くなっているか、または約定データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときには、仮約定単価データの方が約定単価データよりも低くなっている場合に、単価訂正が必要であるという判定結果を出力し、仮出来データの仮約定株数データは作成されているが、対応する前記約定データが存在しない場合、または約定データの約定株数データの数量が仮出来データの仮約定株数データよりも少ない場合に、約定追加が必要であるという判定結果を出力し、約定データは存在するが、対応する仮出来データの仮約定株数データが作成されていない場合に、約定取消が必要であるという判定結果を出力する構成とされていることが望ましい。
このように補償判定処理手段を、単価訂正、約定追加、または約定取消が必要であるという判定結果を出力する構成とした場合には、証券会社の担当者の作業の手間が、より一層軽減される。
また、以上に述べた本発明の遅延注文補償判定処理システムにより実現される方法として、以下のような本発明の遅延注文補償判定処理方法が挙げられる。
すなわち、本発明は、市場システムへの発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行するコンピュータからなる遅延注文補償判定処理システムで実行される遅延注文補償判定処理方法であって、時価情報データ取得処理手段が、市場システムから市場時間データおよび単価データを取得する処理を実行し、時価情報データ取得処理手段により取得した市場時間データおよび単価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価情報データ記憶手段に記憶させ、注文受付処理手段が、ネットワークを介して顧客端末装置から送信されてくる銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、および指値注文の場合の指値データを含む顧客の注文データを受信する処理を実行し、注文受付処理手段により受信した銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、および指値注文の場合の指値データ、並びにこれらを受信した受注時間データを、顧客識別情報および注文識別情報と関連付けて顧客の注文データとして注文データ記憶手段に記憶させ、発注処理手段が、注文データ記憶手段に記憶された注文データを用いて、銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ、顧客識別情報、および注文識別情報を含む発注データを作成し、作成した発注データを通信回線を介して市場システムへ送信するとともに、市場システムから通信回線を介して送信されてくる銘柄識別情報、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、売買区分データ、顧客識別情報、および注文識別情報を含む約定データを受信する処理を実行し、発注処理手段により受信した約定データを約定データ記憶手段に記憶させ、補償判定処理手段が、注文データ記憶手段に記憶された注文データと、注文データに含まれる銘柄識別情報と同一の銘柄識別情報に関連付けられて時価情報データ記憶手段に記憶された時価情報データとを用いて、遅延が無かった場合に注文データの注文が本来約定すべき状態を示す銘柄識別情報、仮約定時間データ、仮約定株数データ、および仮約定単価データを含む仮出来データを作成し、作成した仮出来データと、仮出来データの作成に用いられた注文データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて約定データ記憶手段に記憶された約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を実行することを特徴とするものである。
このような本発明の遅延注文補償判定処理方法においては、前述した本発明の遅延注文補償判定処理システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
また、本発明のプログラムは、以上に述べた遅延注文補償判定処理システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、各注文データと、市場システムから取得した時価情報データとを用いて、発注遅延が無かった場合に各注文が本来約定すべき状態を示す仮出来データを作成し、この仮出来データと、実際の約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行うので、遅延注文の補償判定処理を迅速かつ適切に行うことができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の遅延注文補償判定処理システム10の全体構成が示されている。図2には、遅延注文補償判定処理システム10による処理の流れがフローチャートで示されている。また、図3には、注文データ記憶手段30の構成が示され、図4には、約定データ記憶手段31の構成が示され、図5には、注文約定データ記憶手段32の構成が示され、図6には、時価情報データ記憶手段33の構成が示され、図7には、仮出来データ34の構成が示され、図8には、帳票データの構成が示されている。
図1において、遅延注文補償判定処理システム10は、市場システム50への発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行する1台または複数台のコンピュータからなるシステムであり、注文受付処理手段21と、発注処理手段22と、注文約定データ作成処理手段23と、時価情報データ取得処理手段24と、補償判定処理手段25とを備えている。また、遅延注文補償判定処理システム10は、注文データ記憶手段30と、約定データ記憶手段31と、注文約定データ記憶手段32と、時価情報データ記憶手段33とを備えている。
遅延注文補償判定処理システム10には、ネットワーク1を介して顧客の操作する顧客端末装置40が接続されている。ネットワーク1は、主としてインターネットであるが、インターネットとLANやイントラネット等との組合せでもよく、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。顧客端末装置40は、コンピュータにより構成されるが、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
また、遅延注文補償判定処理システム10は、通信回線である専用線2を介して証券取引所システム等の市場システム50に接続されている。市場システム50は、具体的には、例えば、東京証券取引所、大阪証券取引所、JASDAQ等のシステムであり、証券売買処理や時価情報提供処理等を行うシステムである。なお、市場システム50は、既存の市場システムのみならず、今後形成される新興市場のシステムであってもよく、また、これらの市場システム50への接続は、現行の専用線2ではなく、ネットワーク1で行われてもよい。
注文受付処理手段21は、ネットワーク1を介して顧客端末装置40から送信されてくる市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合はブランクとなる。)、および顧客識別情報(顧客の口座番号等)を含む顧客の注文データを受信し、受信した注文データに、これらを受信した受注時間データを加え、注文識別情報(注文番号等)と関連付けて注文データ記憶手段30に記憶させる処理を実行するものである。なお、注文識別情報(注文番号等)は、注文受付処理手段21により自動付与されるものである。成行注文については指値データを注文データ記憶手段30に記憶させる際に、ブランクから0円への変換を行っている。
発注処理手段22は、注文データ記憶手段30に記憶された注文データを用いて、銘柄識別情報(銘柄コード等)、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合は0円となる。)、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、および注文識別情報(注文番号等)を含む発注データを作成し、作成した発注データを通信回線である専用線2を介して市場システム50へ送信するとともに、市場システム50から通信回線である専用線2を介して送信されてくる銘柄識別情報(銘柄コード等)、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、売買区分データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、および注文識別情報(注文番号等)を含む約定データを受信し、市場識別情報(市場コード等)とともに約定データ記憶手段31に記憶させる処理を実行するものである。
注文約定データ作成処理手段23は、注文データ記憶手段30に記憶された注文データおよび約定データ記憶手段31に記憶された約定データについて、同一の顧客識別情報(顧客の口座番号等)および同一の注文識別情報(注文番号等)を含む注文データおよび約定データを集合させることにより、注文データおよび約定データを顧客毎で、かつ、注文毎に並べるとともに、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む注文データおよび約定データの集合内で、注文データおよび約定データを、受注時間データおよび約定時間データの時間順に並べて注文約定データを作成し、作成した注文約定データを、注文約定データ記憶手段32に記憶させる処理を実行するものである。
時価情報データ取得処理手段24は、市場システム50から、通信回線である専用線2を介して各銘柄についての市場時間データ、単価データ、および出来高株数データを含む時価情報データを取得し、取得した時価情報データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)と関連付けて時価情報データ記憶手段33に記憶させる処理を実行するものである。この時価情報データ取得処理手段24は、例えば、前場終了時および後場終了時の1日2回のデータ取得処理を行い、一定期間分(例えば、1週間分程度)の時価情報データを、時価情報データ記憶手段33に保存しておく。また、時価情報データ取得処理手段24は、各市場システム50毎に、提供される時価情報データのフォーマットが相違する場合には、それらのフォーマットを合わせた状態で時価情報データ記憶手段33に記憶させる。
補償判定処理手段25は、突合処理手段25Aと、編集処理手段25Bとにより構成されている。
突合処理手段25Aは、注文約定データ記憶手段32に記憶された注文約定データの中の同一の顧客識別情報(顧客の口座番号等)および同一の注文識別情報(注文番号等)を含む注文データおよび約定データの集合毎に、各集合内の注文データと、時価情報データ記憶手段33に記憶された時価情報データとを用いて、各集合内の仮出来データ34(図7参照)を作成し、作成した各集合内の仮出来データ34と、各集合内の約定データ(つまり、仮出来データ34の作成に用いられた注文データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報を含む約定データ)とを比較することにより、各集合内で遅延注文に対する補償の要否を判定する処理を実行するものである。
この突合処理手段25Aにより作成される仮出来データ34は、図7に示すように、注文識別情報(注文番号等)、仮約定時間データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、売買区分データ、仮約定単価データ、および仮約定株数データ等により構成されている。この仮出来データ34は、突合処理手段25Aにより作成されて主メモリ上に一時的に記憶されるものであるが、例えばハードディスク等により構成される不揮発性の仮出来データ記憶手段に記憶するようにしてもよい。
編集処理手段25Bは、突合処理手段25Aによる遅延注文に対する補償の要否の判定結果を出力する処理を実行するものである。具体的には、編集処理手段25Bは、判定結果を示すデータを含む帳票データ60(図8参照)を作成する。この帳票データ60は、具体的には、例えば、マイクロソフト社のエクセルシート等である。そして、作成された帳票データ60は、印刷され、または例えばCD−ROM等の記録媒体に記録されて証券会社の担当者に渡されるか、あるいはネットワーク1を介して証券会社の担当者の操作する端末装置(不図示)に送信される。この際、帳票データ60への判定結果の出力は、例えば、各注文データ及び各約定データ並びに各仮出来データ34にOKやNGを示すデータを付したり、あるいは、NGの場合には、例えば、単価訂正、約定追加、約定取消が必要である旨を示すデータを付すこと等により行われる。また、約定追加が必要である場合には、約定データは存在しないため、注文データまたは仮出来データ34に、NGを示すデータや約定追加が必要である旨を示すデータを付せばよい。なお、本実施形態では、編集処理手段25Bにより帳票データ60を作成する際には、図8に示すように、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された注文データおよび約定データ、並びに突合処理手段25Aにより作成された仮出来データ34(図7参照)をベースにした作成を行っているが、これに限定されず、注文データ記憶手段30(図3参照)に記憶された注文データ、約定データ記憶手段31(図4参照)に記憶された約定データ、並びに突合処理手段25Aにより作成された仮出来データ34(図7参照)をベースにした作成を行ってもよい。
注文データ記憶手段30は、図3に示すように、顧客の注文データとして、注文識別情報(注文番号等)、新規・訂正・取消の別を示すデータ、顧客端末装置40から送信されてきたデータを注文受付処理手段21により受信した時刻を示す受注時間データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、売買の別を示す売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合は0円となる。)、および株数データ等を記憶するものである。
約定データ記憶手段31は、図4に示すように、約定データとして、注文識別情報(注文番号等)、約定時間データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、売買区分データ、約定単価データ、および約定株数データ等を記憶するものである。
注文約定データ記憶手段32は、図5に示すように、注文約定データとして、注文識別情報(注文番号等)、注文・約定の別を示すデータ、新規・訂正・取消の別を示すデータ、顧客端末装置40から送信されてきたデータを注文受付処理手段21により受信した時刻を示す受注時間データまたは約定時間データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、売買の別を示す売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合は0円となる。)または約定単価データ、並びに株数データまたは約定株数データ等を記憶するものである。
時価情報データ記憶手段33は、図6に示すように、各銘柄についての時価情報データとして、市場時間データ、単価データ、および出来高株数データ等を、銘柄識別情報(銘柄コード等)と関連付けて記憶するものである。
以上において、遅延注文補償判定処理システム10に含まれる各処理手段21〜25は、遅延注文補償判定処理システム10を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、遅延注文補償判定処理システム10に含まれる各記憶手段30〜33は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして遅延注文補償判定処理システム10により遅延注文に対する補償判定処理が行われる。
図2において、先ず、注文受付処理手段21により、顧客端末装置40からの顧客の要求に応じ、オンライントレードの注文画面の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する。顧客は、自己の操作する顧客端末装置40に表示された注文画面で注文データを入力し、ネットワーク1を介して遅延注文補償判定処理システム10へ送信する。遅延注文補償判定処理システム10では、注文受付処理手段21により、ネットワーク1を介して顧客端末装置40から送信されてくる市場識別情報(市場コード等)、銘柄識別情報(銘柄コード等)、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合はブランクとなる。)、および顧客識別情報(顧客の口座番号等)を含む顧客の注文データを受信し、受信した注文データに注文識別情報(注文番号等)を自動付与し、受信した注文データを、注文識別情報(注文番号等)と関連付けて注文データ記憶手段30に保存する(ステップS1)。この際、注文受付処理手段21は、注文データを受信した時刻を示す受注時間データも合わせて保存する。なお、顧客識別情報(顧客の口座番号等)は、他のデータとは別に、より前のステップで受信しておいてもよい。
次に、発注処理手段22により、注文データ記憶手段30に記憶された注文データを用いて、銘柄識別情報(銘柄コード等)、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ(成行注文の場合は0円とする。)、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、および注文識別情報(注文番号等)を含む発注データを作成し、作成した発注データを、通信回線である専用線2を介して、注文データに含まれる市場識別情報(市場コード等)の市場システム50へ送信する(ステップS2)。
続いて、発注処理手段22により、市場システム50から通信回線である専用線2を介して送信されてくる銘柄識別情報(銘柄コード等)、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、売買区分データ、顧客識別情報(顧客の口座番号等)、および注文識別情報(注文番号等)を含む約定データを受信し、受信した約定データを、市場識別情報(市場コード等)とともに約定データ記憶手段31に保存する(ステップS3)。
一方、以上のステップS1〜S3の処理は、顧客の注文(新規、訂正、取消を含む。)が行われる都度に繰り返される処理であるが、これとは別に、例えば、前場終了時および後場終了時の1日2回、時価情報データ取得処理手段24により、各市場システム50から、通信回線である専用線2を介して各銘柄についての市場時間データ、単価データ、および出来高株数データを含む時価情報データを取得し、取得した時価情報データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)と関連付けて時価情報データ記憶手段33に保存する(ステップS4)。
その後、システム障害が発生したときには、注文約定データ作成処理手段23により、注文データ記憶手段30に記憶された注文データおよび約定データ記憶手段31に記憶された約定データについて、同一の顧客識別情報(顧客の口座番号等)および同一の注文識別情報(注文番号等)を含む注文データおよび約定データを集合させることにより、注文データおよび約定データを顧客毎で、かつ、注文毎に並べるとともに、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む注文データおよび約定データの集合内で、注文データおよび約定データを、受注時間データおよび約定時間データの時間順に並べて注文約定データを作成し、作成した注文約定データを、注文約定データ記憶手段32に保存する(ステップS5)。例えば、図5に示すように、口座番号=Aの大和太郎の注文データおよび約定データを集合させ、さらに、大和太郎のデータの中で、注文番号=1の注文データおよび約定データを集合させ、同様に、注文番号=3の注文データおよび約定データを集合させ、注文番号=4の注文データおよび約定データを集合させることにより、注文データおよび約定データを、顧客毎で、かつ、注文毎に並べている。また、例えば、口座番号=Aの大和太郎で、かつ、注文番号=1の注文データおよび約定データについて、9:00、9:02、9:05、9:07という具合に、受注時間データおよび約定時間データの時間順に並べている。
続いて、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された注文約定データの中の同一の顧客識別情報(顧客の口座番号等)および同一の注文識別情報(注文番号等)を含む注文データおよび約定データの集合毎に、各集合内の注文データと、時価情報データ記憶手段33に記憶された時価情報データとを用いて、各集合内の仮出来データ(図7参照)を作成する(ステップS6)。
この際、市場での出来高株数データ(図6参照)を考慮しないで仮出来データを作成する処理を行ってもよく、あるいは市場での出来高株数データを考慮して仮出来データを作成する処理を行ってもよい。換言すれば、発注遅延が無かったとした場合に、市場において、発注遅延した注文データに含まれる株数データの売買取引が成立し得るだけの出来高株数がそもそも形成されていたのか否かを考慮しない場合と、考慮する場合とがある。
前者のように、市場での出来高株数データ(図6参照)を考慮しないで仮出来データを作成する処理を行う場合は、次のようになる。すなわち、注文データが指値注文の場合には、時価情報データ記憶手段33(図6参照)に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降の市場時間データに対応する単価データと、注文データに含まれる指値データとを比較し、注文データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以上の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、注文データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以下の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、条件を満たす単価データがあった場合には、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、注文データに含まれる株数データにより、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成する。
また、注文データが成行注文の場合には、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降で受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、注文データに含まれる株数データにより、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成する。
一方、後者のように、市場での出来高株数データ(図6参照)を考慮して仮出来データを作成する処理を行う場合は、次のようになる。すなわち、注文データが指値注文の場合には、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降の市場時間データに対応する単価データと、注文データに含まれる指値データとを比較し、注文データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以上の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、注文データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときには、単価データの中に指値データ以下の条件を満たす単価データがあるか否かを判断し、条件を満たす単価データがあった場合には、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された出来高株数データと、注文データに含まれる株数データとを比較して、株数データが最も早い市場時間データに対応する出来高株数データ以下である場合には、株数データの全てが最も早い市場時間データのときに仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成し、株数データが最も早い市場時間データに対応する出来高株数データを超えている場合には、株数データを分け、株数データのうち出来高株数データを超える分については、条件を満たす単価データに対応する市場時間データのうち2番目以降に早い市場時間データのときに、条件を満たす単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データ、仮約定単価データ、および仮約定株数データを作成する。
また、注文データが成行注文の場合には、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された市場時間データのうち注文データに含まれる受注時間データ以降で受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データおよび仮約定単価データを作成するとともに、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された出来高株数データと、注文データに含まれる株数データとを比較して、株数データが最も近い市場時間データに対応する出来高株数データ以下である場合には、株数データの全てが最も近い市場時間データのときに仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定株数データを作成し、株数データが最も近い市場時間データに対応する出来高株数データを超えていた場合には、株数データを分け、株数データのうち出来高株数データを超える分については、時価情報データ記憶手段(図6参照)に記憶された市場時間データのうち2番目以降に近い市場時間データのときに、この2番目以降に近い市場時間データに対応する単価データで仮約定したものとして、仮出来データを構成する仮約定時間データ、仮約定単価データ、および仮約定株数データを作成する。
そして、以上のようにして仮出来データを作成した後、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、同一の顧客識別情報(顧客の口座番号等)および同一の注文識別情報(注文番号等)を含む注文データおよび約定データからなる各集合のそれぞれについて、当該集合内の仮出来データと、当該集合内の約定データ(つまり、仮出来データの作成に用いられた注文データに含まれる注文識別情報と同一の注文識別情報を含む約定データ)とを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否を判定する(ステップS6)。
この際、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、次のようにして遅延注文に対する補償の要否判定を行う。約定データの約定株数データと、仮出来データの仮約定株数データとが同じであり、かつ、約定データの約定単価データと、仮出来データの仮約定単価データとが異なり、かつ、約定データに含まれる売買区分データが売りを示すデータであるときに、仮約定単価データの方が約定単価データよりも高くなっている(つまり、仮約定単価データの方が顧客に有利になっている)か、または約定データに含まれる売買区分データが買いを示すデータであるときに、仮約定単価データの方が約定単価データよりも低くなっている(つまり、仮約定単価データの方が顧客に有利になっている)場合に、「NG」または「単価訂正」が必要であるという判定を行う。また、仮出来データの仮約定株数データは作成されているが、対応する約定データが存在しない場合、または約定データの約定株数データの数量が仮出来データの仮約定株数データよりも少ない場合に、「NG」または「約定追加」が必要であるという判定を行う。さらに、約定データは存在するが、対応する仮出来データの仮約定株数データが作成されていない場合に、「NG」または「約定取消」が必要であるという判定を行う。
例えば、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したとする。図5において、口座番号=A(大和太郎)で、かつ、注文番号=1のデータは、2つの注文データおよび2つの約定データの合計4つのデータの集合であるが、この集合内における注文データには、9:00に受注した新規注文と、9:05に受注した訂正注文(指値を100円から97円に変更する訂正注文)とがある。
先ず、9:00の注文は、Y社株を指値100円以下で3,000株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:02に100円および2,000株となっているので、この時点で3,000株の買い注文のうち2,000株が約定し、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、「約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数2,000株」という約定データが記憶されている。
次に、9:05の訂正注文は、Y社株を指値97円以下で1,000株の買いとなっているが(図5参照)、これは9:00の3,000株の買い注文のうち9:02に約定しなかった残りの1,000株の買いであり、変更後の指値97円は、顧客である大和太郎により入力されるが、1,000株は、注文データ記憶手段30(図3参照)に記憶された受注時間9:00の新規注文の注文データに含まれる株数データ=3,000株から、約定データ記憶手段31(図4参照)に記憶された約定時間9:02の約定データに含まれる株数データ=2,000株を減じることにより自動算出される。そして、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:10に97円および2,200株となっているので、本来ならば、9:10に残りの1,000株が約定するはずである。しかし、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生しているので、この間、指値を97円に変更した9:05の訂正注文は、市場システム50へ発注されておらず、市場システム50には、指値100円のままの状態の1,000株の買い注文が残っている。そして、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:07に100円および2,300株となっているので、この時点で残りの1,000株の買い注文が約定し、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、「約定時間9:07、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数1,000株」という約定データが記憶されている。
このような状況下で、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、仮出来データを作成すると、先ず、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮しない処理を行う場合には、次のようになる。9:00の注文は、Y社株を指値100円以下で3,000株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:02に100円および2,000株となっているが、出来高株数データが2,000株しかないことは考慮しないので、この時点で3,000株の買い注文の全てが仮約定し、「仮約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価100円、仮約定株数3,000株」という仮出来データ(不図示)が作成される。
従って、「仮約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価100円、仮約定株数3,000株」という仮出来データ(不図示)と、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された「約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数2,000株」および「約定時間9:07、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数1,000株」という実際の約定データとを比較する。そして、仮出来データの仮約定株数3,000株と、実際の約定データの約定株数2,000株(約定時間9:02)および約定株数1,000株(約定時間9:07)の合計株数3,000株とが一致していて、かつ、仮出来データの購入金額30万円(100円×3,000株)と、実際の約定データの購入金額30万円(100円×2,000株+100円×1,000株)とが一致しているので、注文番号=1に係る補償判定結果は、「OK」とする。このケースでは、顧客に不利な状態で約定しているものの、市場の出来高株数を考慮しない処理を行っているため、補償判定結果は、「OK」となる。
なお、9:04〜9:10にかけてのシステム障害が発生せずに、9:05の訂正注文の市場への発注処理が正常に行われたとすれば、実際の約定データは、「約定時間9:07、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数1,000株」ではなく、「約定時間9:10、大和太郎、Y社株、買い、約定単価97円、約定株数1,000株」となるので、この場合には、「仮約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価100円、仮約定株数3,000株」という仮出来データ(不図示)と、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された「約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数2,000株」および「約定時間9:10、大和太郎、Y社株、買い、約定単価97円、約定株数1,000株」という実際の約定データとを比較する。そして、仮出来データの仮約定株数3,000株と、実際の約定データの約定株数2,000株(約定時間9:02)および約定株数1,000株(約定時間9:10)の合計株数3,000株とが一致していて、かつ、実際の約定データの購入金額29万7千円(100円×2,000株+97円×1,000株)が仮出来データの購入金額30万円(100円×3,000株)よりも少ないので(売却金額のときは、多いことが必要。)、つまり、顧客に有利な処理が行われているので、注文番号=1に係る補償判定結果は、「OK」とする。
次に、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮する処理を行う場合には、次のようになる。9:00の注文は、Y社株を指値100円以下で3,000株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:02に100円および2,000株となっているので、出来高株数データが2,000株しかないことを考慮すれば、この時点で2,000株の買い注文が仮約定し、「仮約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価100円、仮約定株数2,000株」という仮出来データ(図7参照)が作成される。つまり、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮し、注文データの3,000株を、出来高株数データと同数の2,000株と、出来高株数データを超える分の1,000株とに分ける。
また、9:05の訂正注文は、Y社株を指値97円以下で1,000株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Y社株の単価データおよび出来高株数データは、9:10に97円および2,200株となっていて、訂正の注文データの株数データの1,000株は、出来高株数データの2,200株を超えていないので、この時点で1,000株の買い注文が仮約定し、「仮約定時間9:10、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価97円、仮約定株数1,000株」という仮出来データ(図7参照)が作成される。
従って、「仮約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価100円、仮約定株数2,000株」という仮出来データ(図7参照)と、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された「約定時間9:02、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数2,000株」という実際の約定データとを比較するとともに(比較1)、「仮約定時間9:10、大和太郎、Y社株、買い、仮約定単価97円、仮約定株数1,000株」という仮出来データ(図7参照)と、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された「約定時間9:07、大和太郎、Y社株、買い、約定単価100円、約定株数1,000株」という実際の約定データとを比較する(比較2)。そして、前者の比較(比較1)では、時間、単価、株数が一致しているので、問題は無いものの、後者の比較(比較2)では、株数が同じであり、かつ、単価が異なり、かつ、買い注文のときに仮出来データの単価の方が低くなっている、つまり仮出来データの方が顧客に有利になっているので、注文番号=1に係る補償判定結果は、全体として、「NG」または「単価訂正」とする(図8参照)。なお、9:10の出来高株数データが2,200株もなく、例えば600株しかなかったとすれば、訂正の注文データの株数データの1,000株は、出来高株数データの600株を超えるので、超える分の400株は、次に指値条件を満たす時刻で仮約定させ、次の時刻でも超える分が生じた場合には、さらに次に指値条件を満たす時刻で仮約定させ、このような処理を、超える分が生じなくなるまで繰り返す。
同様に、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したとする。図5において、口座番号=A(大和太郎)で、かつ、注文番号=3のデータは、2つの注文データおよび1つの約定データの合計3つのデータの集合であるが、この集合内における注文データには、9:02に受注した新規注文と、9:06に受注した取消注文とがある。
先ず、9:02の注文は、Z社株を指値500円以上で2,000株の売りとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、Z社株の単価データおよび出来高株数データは、9:08に500円および6,100株となっているので、この時点までに注文の訂正や取消が無ければ、この時点で2,000株の売り注文の全てが約定することになる。しかし、9:06に当該注文の取消が行われており(図5参照)、この9:06の時点までには9:02の注文の指値条件に合致する単価は、市場で発生していないので、本来は、9:02の注文は、約定しないはずである。ところが、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したので、9:06の取消注文が市場システム50へ発注されておらず、市場システム50には、9:02の注文が残ったままの状態であるため、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、「約定時間9:08、大和太郎、Z社株、売り、約定単価500円、約定株数2,000株」という約定データが記憶されている。
このような状況下で、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、仮出来データを作成すると、次のようになる。なお、口座番号=A(大和太郎)で、かつ、注文番号=3のデータについては、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮しない処理を行う場合と、考慮する処理を行う場合とは同じになる。9:02の注文は、Z社株を指値500円以上で2,000株の売りとなっているが(図5参照)、この9:02の注文は、9:06に取り消されている(図5参照)。そして、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、9:06の取消注文が行われるまでに、指値500円以上という条件を満たす単価は市場で発生していないので、仮出来データは作成されない(図7参照)。これに対し、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、「約定時間9:08、大和太郎、Z社株、売り、約定単価500円、約定株数2,000株」という約定データが記憶されている。従って、注文番号=3に係る補償判定結果は、「NG」または「約定取消」とする(図8参照)。
同様に、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したとする。図5において、口座番号=A(大和太郎)で、かつ、注文番号=4のデータは、9:04に受注した1つの注文データだけである。
この9:04の注文は、X社株を指値200円以上で1,000株の売りとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、X社株の単価データおよび出来高株数データは、9:05に200円および3,500株となっているので、本来であれば、この9:05の時点で1,000株の売り注文の全てが約定することになる。しかし、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したため、9:04の注文データは、市場システム50へ発注されておらず、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、約定データは存在しない。
このような状況下で、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、仮出来データを作成すると、次のようになる。なお、口座番号=A(大和太郎)で、かつ、注文番号=4のデータについては、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮しない処理を行う場合と、考慮する処理を行う場合とは同じになる。9:04の注文は、X社株を指値200円以上で1,000株の売りとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、X社株の単価データおよび出来高株数データは、9:05に200円および3,500株となっているので、この9:05の時点で1,000株の売り注文の全てが仮約定し、「仮約定時間9:05、大和太郎、X社株、売り、仮約定単価200円、仮約定株数1,000株」という仮出来データ(図7参照)が作成される。これに対し、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、約定データは存在しない。従って、注文番号=4に係る補償判定結果は、「NG」または「約定追加」とする(図8参照)。
同様に、9:04〜9:10にかけて遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生したとする。図5において、口座番号=B(大和花子)で、かつ、注文番号=2のデータは、9:01に受注した1つの注文データ、および1つの約定データの合計2つのデータの集合である。
9:01の注文は、X社株を指値198円以下で1,500株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、X社株の単価データおよび出来高株数データは、9:03に198円および5,000株となっているので、この時点で1,500株の買い注文の全てが約定することになる。そして、この9:01の注文は、遅延注文補償判定処理システム10でシステム障害が発生する前に、市場システム50へ発注され、その後、当該注文の訂正や取消も無いので、注文約定データ記憶手段32(図5参照)には、「約定時間9:03、大和花子、X社株、買い、約定単価198円、約定株数1,500株」という約定データが記憶されている。
このような状況下で、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aにより、仮出来データを作成すると、次のようになる。なお、口座番号=B(大和花子)で、かつ、注文番号=2のデータについては、時価情報データ記憶手段(図6参照)の出来高株数データを考慮しない処理を行う場合と、考慮する処理を行う場合とは同じになる。9:01の注文は、X社株を指値198円以下で1,500株の買いとなっており(図5参照)、時価情報データ記憶手段(図6参照)を参照すると、X社株の単価データおよび出来高株数データは、9:03に198円および5,000株となっているので、この時点で1,500株の買い注文の全てが仮約定し、「仮約定時間9:03、大和花子、X社株、買い、仮約定単価198円、仮約定株数1,500株」という仮出来データ(図7参照)が作成される。従って、「仮約定時間9:03、大和花子、X社株、買い、仮約定単価198円、仮約定株数1,500株」という仮出来データ(図7参照)と、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された「約定時間9:03、大和花子、X社株、買い、約定単価198円、約定株数1,500株」という実際の約定データとを比較し、時間、単価、株数が一致しているので、注文番号=2に係る補償判定結果は、「OK」とする(図8参照)。
それから、補償判定処理手段25の編集処理手段25Bにより、突合処理手段25Aによる遅延注文に対する補償の要否の判定結果を示すデータを含む帳票データ60(図8参照)を作成する(ステップS7)。そして、作成された帳票データ60は、印刷され、または例えばCD−ROM等の記録媒体に記録されて証券会社の担当者に渡されるか、あるいはネットワーク1を介して証券会社の担当者の操作する端末装置(不図示)に送信される。証券会社の担当者は、印刷または画面表示された帳票データ60を参照し、顧客と連絡をとって約定訂正等の顧客の意思を確認したり、約定訂正等を行った旨の所轄の官庁への報告を行う。
また、帳票データ60への判定結果の出力は、本実施形態では、図8に示すように、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された注文データおよび約定データ、並びに突合処理手段25Aにより作成された仮出来データ34(図7参照)をベースにして行っている。すなわち、各注文データおよび各約定データ並びに各仮出来データ34に対して「OK」、あるいは「NG」(「単価訂正」、「約定取消」、「約定追加」)を付している。なお、顧客に有利になる遅延注文は、本来の約定すべき状態とは異なるという意味で、「NG」(「単価訂正」等)としてもよいが、本実施形態では、顧客に利益が生じる限りは問題は生じないことから、「OK」としている。また、1つのシステム障害で、1人の顧客につき、当該顧客に有利になる遅延注文と、当該顧客に不利になる遅延注文が発生した場合には、遅延による損益を相殺できる範囲内で、顧客に有利になる遅延注文についても、単価訂正等を行ってもよい。例えば、ある注文についての発注遅延で、顧客に20万円の利益が発生し、別の注文についての発注遅延で、顧客に30万円の損失が発生しているときに、これらの双方を「NG」にすると、顧客の20万円の利益が消えるものの、30万円の損失も消えるので、結局、顧客にとって10万円の利益が出るため、双方を「NG」にする。これに対し、ある注文についての発注遅延で、顧客に40万円の利益が発生し、別の注文についての発注遅延で、顧客に30万円の損失が発生しているときに、これらの双方を「NG」にすると、顧客の30万円の損失が消えるものの、40万円の利益も消えるので、結局、顧客にとって10万円の損失が出るため、顧客に30万円の損失が発生した遅延注文は「NG」にするが、顧客に40万円の利益が発生した遅延注文は「OK」とする。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、遅延注文補償判定処理システム10は、補償判定処理手段25を備えているので、各注文データと、市場システム50から取得した時価情報データとを用いて、発注遅延が無かった場合に各注文が本来約定すべき状態を示す仮出来データを作成し、この仮出来データと、実際の約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行うことができる。このため、従来のように、証券会社の担当者が、手作業で注文内容と市場の値段等との比較作業を行う場合に比べ、遅延注文の補償判定処理を迅速に行うことができる。
また、補償判定処理手段25により各注文について仮出来データを作成し、実際の約定データと比較することにより、遅延注文の補償判定処理を行うので、前述した特許文献1に記載した売買注文執行保証システムのように、先ず、時間を見て、取引所から送信されてきた注文確認の受付時間が、所定の条件(例えば5分以内)よりも遅延したか否かで遅延注文を検出し、遅延注文として検出した売買注文についてのみ補償判定処理を行う場合に比べ、遅延注文の検出のための時間的な閾値の設定次第で、顧客への遅延補償の有無が分かれるようなことはないため、顧客間に不公平を発生させることのない補償判定処理を実現することができるとともに、いつの時点から補償するのかといった問題も生じることなく、適切な補償判定処理を行うことができる。
さらに、遅延注文補償判定処理システム10は、注文約定データ作成処理手段23を備えているので、注文データおよび約定データが顧客毎で、かつ、注文毎にまとめられて時間順に並べられている注文約定データ(図5参照)を作成することができる。このため、作成した注文約定データを用いて補償判定処理を円滑に行うことができるうえ、作成した注文約定データを用いて遅延注文の補償判定結果を示すデータを含む見易い帳票データ60(図8参照)を作成することができる。また、作成した注文約定データを画面表示または印刷して使用することもでき、画面表示または印刷された注文約定データ(図5参照)を参照すれば、各顧客の注文、約定の状況を容易に把握することができるため、証券会社の担当者や顧客に、有用な参照資料や判断資料を提供することができる。
そして、補償判定処理手段25により市場での出来高株数データを考慮しないで仮出来データを作成する処理を行った場合には、補償判定処理を簡略化することができ、システムの処理負担の軽減、処理の迅速化を図ることができる。一方、補償判定処理手段25により市場での出来高株数データを考慮して仮出来データを作成する処理を行った場合には、市場で実際に発生した状況に、より一層即した補償判定処理を実現することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、補償判定処理手段25の編集処理手段25Bにより作成した帳票データ60(図8参照)を印刷または画面表示し、これを証券会社の担当者が参照して顧客に単価訂正を行うか否か等の確認をとっていたが、発注遅延に対する補償として想定されるケース(対応措置)の種別(例えば、「単価訂正」、「約定追加」、「約定取消」等の別)に応じて顧客から事前に承認をとっておいてもよい。この場合には、例えば、顧客が証券会社とオンライントレードの契約を締結する際、あるいはネットワーク1を介してオンラインによる注文を行う都度に、顧客から事前承認をとり、その事前承認データを、顧客識別情報(顧客の口座番号等)と関連付けて事前承認データ記憶手段に予め記憶しておき、システム障害が発生したときに、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aによる補償の要否の判定結果に応じて、事前承認データ記憶手段に記憶された事前承認データを用いて、事前承認がとれているケース(対応措置)であるか否かを判定し、その事前承認の有無の判定結果を出力する。
具体的には、先ず、顧客からの要求に応じ、遅延注文補償判定処理システム10の事前承認登録処理手段により、事前承認登録画面の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信し、顧客が、この事前承認登録画面を用いて事前承認の登録のための入力を行い、入力した事前承認データを、ネットワーク1を介して遅延注文補償判定処理システム10へ送信する。遅延注文補償判定処理システム10では、事前承認登録処理手段により、顧客端末装置40から送信されてきた事前承認データを受信し、顧客識別情報(顧客の口座番号等)と関連付けて事前承認データ記憶手段に登録保存する。また、事前承認の登録のための入力操作は、証券会社の担当者が、顧客の申請に基づき代行してもよく、要するに、システム障害が発生したときに、事前承認データ記憶手段に各顧客の事前承認データが予め記憶されて登録されている状態になっていればよい。
例えば、事前承認データ記憶手段には、判定結果の識別情報(例えば、「単価訂正」=1、「約定取消」=2、「約定追加」=3等)と、これに対応する事前承認の有無の識別情報(例えば、「事前承認する(対応措置を自動的にとってよい)」=1、「事前承認しない(連絡が欲しい)」=2、「対応措置をとらずに放置してよい」=3等)とを、顧客識別情報(顧客の口座番号等)に関連付けて記憶させておけばよい。
次に、補償判定処理手段25の事前承認判定処理手段により、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aによる補償の要否の判定結果に応じて、判定結果に沿った対応措置をとることに対し、事前承認が得られているか否かを判定し、事前承認が得られているケース(対応措置)である場合には、帳票データ60(図8参照)の中に、補償の要否の判定結果を示すデータに対応させて、事前承認済であることを示すデータを含ませる。また、事前承認が得られていないケース(対応措置)である場合に、補償の要否の判定結果を示すデータに対応させて、事前承認済でないことを示すデータを含ませてもよく、あるいは「OK」を除く判定結果を示すデータ(つまり、何らかの対応措置が必要な「NG」のデータ)の全てに対応させて、事前承認済であることを示すデータまたは事前承認済でないことを示すデータのいずれか一方を含ませるようにしてもよく、要するに、補償の要否の判定結果を示すデータに対応させて、事前承認の有無を示すデータを含ませておけばよい。
例えば、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aによる補償の要否の判定結果が、「単価訂正」が必要であるというケースである場合は、事前承認し、「約定取消」や「約定追加」が必要であるというケースである場合は、事前承認しないという登録がなされているときに、判定結果が「単価訂正」となれば、帳票データ60(図8参照)の中には、「単価訂正」が必要であることを示すデータに対応して、事前承認済であることを示すデータが含まれることになり、判定結果が「約定取消」や「約定追加」となれば、帳票データ60(図8参照)の中には、「約定取消」や「約定追加」が必要であることを示すデータに対応して、事前承認済でないことを示すデータが含まれることになる。従って、証券会社の担当者は、印刷または画面表示された帳票データ60を参照することで、顧客への連絡が必要か否かを容易に判断することができるので、証券会社の担当者の手間を軽減することができる。また、帳票データ60(図8参照)の中には、判定結果を示すデータと対応して、事前承認の有無を示すデータが含まれているので、帳票データ60を、証券会社のシステムで遅延補償に伴う売買処理を行う際の基礎データとして使用することができ、遅延補償に伴う売買処理の自動化率を向上させることができる。
また、前記実施形態では、補償判定処理手段25の突合処理手段25Aは、注文約定データ記憶手段32(図5参照)に記憶された注文約定データを用いて判定処理を行う構成とされていたが、これに限定されず、注文約定データ作成処理手段23による注文約定データの作成処理を行わずに、注文データ記憶手段30(図3参照)に記憶された注文データ、および約定データ記憶手段31(図4参照)に記憶された約定データを用いて判定処理を行う構成としてもよい。
以上のように、本発明の遅延注文補償判定処理システムおよびその方法、並びにプログラムは、ネットワークを介して顧客の注文を受け付けるオンライントレードの処理でシステムに障害が発生した場合における顧客への補償の要否判定に用いるのに適している。
本発明の一実施形態の遅延注文補償判定処理システムの全体構成図。 前記実施形態の遅延注文補償判定処理システムによる処理の流れを示すフローチャートの図。 前記実施形態の注文データ記憶手段の構成図。 前記実施形態の約定データ記憶手段の構成図。 前記実施形態の注文約定データ記憶手段の構成図。 前記実施形態の時価情報データ記憶手段の構成図。 前記実施形態の仮出来データの構成図。 前記実施形態の帳票データの構成図。
符号の説明
1 ネットワーク
2 通信回線である専用線
10 遅延注文補償判定処理システム
21 注文受付処理手段
22 発注処理手段
23 注文約定データ作成処理手段
24 時価情報データ取得処理手段
25 補償判定処理手段
30 注文データ記憶手段
31 約定データ記憶手段
33 時価情報データ記憶手段
34 仮出来データ
40 顧客端末装置
50 市場システム

Claims (7)

  1. 市場システムへの発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行するコンピュータからなる遅延注文補償判定処理システムであって、
    前記市場システムから市場時間データおよび単価データを取得する処理を実行する時価情報データ取得処理手段と、
    この時価情報データ取得処理手段により取得した前記市場時間データおよび前記単価データを、銘柄識別情報と関連付けて記憶する時価情報データ記憶手段と、
    ネットワークを介して顧客端末装置から送信されてくる銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、指値注文の場合の指値データ、および顧客識別情報を含む顧客の注文データを受信する処理を実行する注文受付処理手段と、
    この注文受付処理手段により受信した前記銘柄識別情報、前記株数データ、前記売買区分データ、指値注文の場合の前記指値データ、および前記顧客識別情報、並びにこれらを受信した受注時間データを、注文識別情報と関連付けて前記顧客の注文データとして記憶する注文データ記憶手段と、
    この注文データ記憶手段に記憶された前記注文データを用いて、前記銘柄識別情報、前記株数データ、前記売買区分データ、指値注文の場合の前記指値データ、前記顧客識別情報、および前記注文識別情報を含む発注データを作成し、作成した前記発注データを通信回線を介して前記市場システムへ送信するとともに、前記市場システムから通信回線を介して送信されてくる前記銘柄識別情報、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、前記売買区分データ、前記顧客識別情報、および前記注文識別情報を含む約定データを受信する処理を実行する発注処理手段と、
    この発注処理手段により受信した前記約定データを記憶する約定データ記憶手段と、
    前記注文データ記憶手段に記憶された前記注文データと、前記注文データに含まれる前記銘柄識別情報と同一の銘柄識別情報に関連付けられて前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記時価情報データとを用いて、遅延が無かった場合に前記注文データの注文が本来約定すべき状態を示す前記銘柄識別情報、仮約定時間データ、仮約定株数データ、および仮約定単価データを含む仮出来データを作成し、作成した前記仮出来データと、前記仮出来データの作成に用いられた前記注文データに含まれる前記注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて前記約定データ記憶手段に記憶された前記約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を実行する補償判定処理手段と
    を備えたことを特徴とする遅延注文補償判定処理システム。
  2. 前記注文データ記憶手段に記憶された前記注文データおよび前記約定データ記憶手段に記憶された前記約定データについて、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む前記注文データおよび前記約定データを集合させることにより、前記注文データおよび前記約定データを顧客毎で、かつ、注文毎に並べるとともに、同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む前記注文データおよび前記約定データの集合内で、前記注文データおよび前記約定データを、前記受注時間データおよび前記約定時間データの時間順に並べて注文約定データを作成する処理を実行する注文約定データ作成処理手段を備え、
    前記補償判定処理手段は、
    前記注文約定データ作成処理手段により作成された前記注文約定データの中の同一の顧客識別情報および同一の注文識別情報を含む前記注文データおよび前記約定データの集合毎に、前記各集合内の前記注文データと前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記時価情報データとを用いて、前記各集合内の前記仮出来データを作成し、作成した前記各集合内の前記仮出来データと前記各集合内の前記約定データとを用いて、前記各集合内で前記遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の遅延注文補償判定処理システム。
  3. 前記補償判定処理手段は、
    前記注文データが指値注文の場合には、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記市場時間データのうち前記注文データに含まれる前記受注時間データ以降の市場時間データに対応する前記単価データと、前記注文データに含まれる前記指値データとを比較し、前記注文データに含まれる前記売買区分データが売りを示すデータであるときには、前記単価データの中に前記指値データ以上の条件を満たす前記単価データがあるか否かを判断し、前記注文データに含まれる前記売買区分データが買いを示すデータであるときには、前記単価データの中に前記指値データ以下の条件を満たす前記単価データがあるか否かを判断し、前記条件を満たす単価データがあった場合には、前記条件を満たす単価データに対応する前記市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、前記条件を満たす単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データおよび前記仮約定単価データを作成するとともに、
    前記注文データに含まれる前記株数データにより、前記仮出来データを構成する前記仮約定株数データを作成し、
    前記注文データが成行注文の場合には、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記市場時間データのうち前記注文データに含まれる前記受注時間データ以降で前記受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する前記単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データおよび前記仮約定単価データを作成するとともに、
    前記注文データに含まれる前記株数データにより、前記仮出来データを構成する前記仮約定株数データを作成する処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遅延注文補償判定処理システム。
  4. 前記時価情報データ取得処理手段は、前記市場システムから前記市場時間データ、前記単価データ、および前記出来高株数データを取得する処理を実行する構成とされ、
    前記時価情報データ記憶手段には、前記時価情報データ取得処理手段により取得した前記市場時間データ、前記単価データ、および前記出来高株数データが、銘柄識別情報と関連付けて記憶され、
    前記補償判定処理手段は、
    前記注文データが指値注文の場合には、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記市場時間データのうち前記注文データに含まれる前記受注時間データ以降の市場時間データに対応する前記単価データと、前記注文データに含まれる前記指値データとを比較し、前記注文データに含まれる前記売買区分データが売りを示すデータであるときには、前記単価データの中に前記指値データ以上の条件を満たす前記単価データがあるか否かを判断し、前記注文データに含まれる前記売買区分データが買いを示すデータであるときには、前記単価データの中に前記指値データ以下の条件を満たす前記単価データがあるか否かを判断し、前記条件を満たす単価データがあった場合には、前記条件を満たす単価データに対応する前記市場時間データのうち最も早い市場時間データのときに、前記条件を満たす単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データおよび前記仮約定単価データを作成するとともに、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記出来高株数データと、前記注文データに含まれる前記株数データとを比較して、前記株数データが前記最も早い市場時間データに対応する前記出来高株数データ以下である場合には、前記株数データの全てが前記最も早い市場時間データのときに仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定株数データを作成し、前記株数データが前記最も早い市場時間データに対応する前記出来高株数データを超えている場合には、前記株数データを分け、前記株数データのうち前記出来高株数データを超える分については、前記条件を満たす単価データに対応する前記市場時間データのうち2番目以降に早い市場時間データのときに、前記条件を満たす単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データ、前記仮約定単価データ、および前記仮約定株数データを作成し、
    前記注文データが成行注文の場合には、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記市場時間データのうち前記注文データに含まれる前記受注時間データ以降で前記受注時間データに最も近い市場時間データのときに、この最も近い市場時間データに対応する前記単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データおよび前記仮約定単価データを作成するとともに、
    前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記出来高株数データと、前記注文データに含まれる前記株数データとを比較して、前記株数データが前記最も近い市場時間データに対応する前記出来高株数データ以下である場合には、前記株数データの全てが前記最も近い市場時間データのときに仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定株数データを作成し、前記株数データが前記最も近い市場時間データに対応する前記出来高株数データを超えていた場合には、前記株数データを分け、前記株数データのうち前記出来高株数データを超える分については、前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記市場時間データのうち2番目以降に近い市場時間データのときに、この2番目以降に近い市場時間データに対応する前記単価データで仮約定したものとして、前記仮出来データを構成する前記仮約定時間データ、前記仮約定単価データ、および前記仮約定株数データを作成する処理を行う構成とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遅延注文補償判定処理システム。
  5. 前記補償判定処理手段は、
    前記約定データの前記約定株数データと前記仮出来データの前記仮約定株数データとが同じであり、かつ、前記約定データの前記約定単価データと前記仮出来データの前記仮約定単価データとが異なり、かつ、前記約定データに含まれる前記売買区分データが売りを示すデータであるときには、前記仮約定単価データの方が前記約定単価データよりも高くなっているか、または前記約定データに含まれる前記売買区分データが買いを示すデータであるときには、前記仮約定単価データの方が前記約定単価データよりも低くなっている場合に、単価訂正が必要であるという判定結果を出力し、
    前記仮出来データの前記仮約定株数データは作成されているが、対応する前記約定データが存在しない場合、または前記約定データの前記約定株数データの数量が前記仮出来データの前記仮約定株数データよりも少ない場合に、約定追加が必要であるという判定結果を出力し、
    前記約定データは存在するが、対応する前記仮出来データの前記仮約定株数データが作成されていない場合に、約定取消が必要であるという判定結果を出力する構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遅延注文補償判定処理システム。
  6. 市場システムへの発注処理が遅延した注文に対する補償判定処理を実行するコンピュータからなる遅延注文補償判定処理システムで実行される遅延注文補償判定処理方法であって、
    時価情報データ取得処理手段が、前記市場システムから市場時間データおよび単価データを取得する処理を実行し、
    前記時価情報データ取得処理手段により取得した前記市場時間データおよび前記単価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価情報データ記憶手段に記憶させ、
    注文受付処理手段が、ネットワークを介して顧客端末装置から送信されてくる銘柄識別情報、株数データ、売買区分データ、および指値注文の場合の指値データを含む顧客の注文データを受信する処理を実行し、
    前記注文受付処理手段により受信した前記銘柄識別情報、前記株数データ、前記売買区分データ、および指値注文の場合の前記指値データ、並びにこれらを受信した受注時間データを、顧客識別情報および注文識別情報と関連付けて前記顧客の注文データとして注文データ記憶手段に記憶させ、
    発注処理手段が、前記注文データ記憶手段に記憶された前記注文データを用いて、前記銘柄識別情報、前記株数データ、前記売買区分データ、指値注文の場合の前記指値データ、前記顧客識別情報、および前記注文識別情報を含む発注データを作成し、作成した前記発注データを通信回線を介して前記市場システムへ送信するとともに、前記市場システムから通信回線を介して送信されてくる前記銘柄識別情報、約定時間データ、約定株数データ、約定単価データ、前記売買区分データ、前記顧客識別情報、および前記注文識別情報を含む約定データを受信する処理を実行し、
    前記発注処理手段により受信した前記約定データを約定データ記憶手段に記憶させ、
    補償判定処理手段が、前記注文データ記憶手段に記憶された前記注文データと、前記注文データに含まれる前記銘柄識別情報と同一の銘柄識別情報に関連付けられて前記時価情報データ記憶手段に記憶された前記時価情報データとを用いて、遅延が無かった場合に前記注文データの注文が本来約定すべき状態を示す前記銘柄識別情報、仮約定時間データ、仮約定株数データ、および仮約定単価データを含む仮出来データを作成し、作成した前記仮出来データと、前記仮出来データの作成に用いられた前記注文データに含まれる前記注文識別情報と同一の注文識別情報に関連付けられて前記約定データ記憶手段に記憶された前記約定データとを比較することにより、遅延注文に対する補償の要否判定を行い、その判定結果を出力する処理を実行する
    ことを特徴とする遅延注文補償判定処理方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の遅延注文補償判定処理システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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