JP2009059028A - 接触解析装置、接触解析プログラム及び接触解析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

接触解析装置、接触解析プログラム及び接触解析プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】大すべりなど大幅な変形が発生する解析モデルでも互いに接触する可能性がある面の対の定義を正確かつ効率的に行う接触解析装置を提供する。
【解決手段】解析対象の物体が接触する可能性のある領域の大きさを表す接触判定領域長を取得し、解析対象の物体の任意の要素面を第1の要素面として抽出し、第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択し、第2の要素面から連続して隣接した要素面までの経路長が接触判定領域長以下であるときには、これらの第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定し、第1の要素面と接触領域とから接触条件を作成し、形状データ、該接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、物体と物体とが正しい状態に接触するまで構造シミュレーションを実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、接触解析装置、接触解析プログラム及び接触解析プログラムを記録した記録媒体に関し、離れている2つの物体が熱や荷重などの負荷により接触することによって発生する応力や変形を有限差分法、有限体積法、有限要素法など、分割された数値解析を用いて解析するための接触解析システムに関する。
近年、製品の設計段階などにおいて、複数の設計案に対して数値解析シミュレーションを実行し、それらのシミュレーション結果を参照して、設計案の優劣を比較検討する手法がとられている。このようなコンピュータを用いて物理現象を数値的に模擬する技術は、CAE(Computer Aided Engineering)とも称され、代表的に有限差分法や有限体積法、有限要素法などが知られている。このような数値解析シミュレーションは、解析対象の構造体を複数の領域に分割した解析モデルを用いて行われる。
例えば、数値解析シミュレーションの代表例である有限要素法(FEM:Finite Element Method)は、解析対象の構造体の実モデルを複数の要素に分割し、各要素について有限な値を持つ関数を用いて区分的に解を近似した解析モデルを生成し、この解析モデルを用いて全体の解を求める方法である。
この有限要素法は、解析対象の実モデルを任意の大きさの要素に分割できるために、複雑な形状を有する構造体を解析する場合に有利である。
そのため、有限要素法は、構造解析の分野において広く利用されており、部材単位の構造解析だけでなく、複数の部材が熱や荷重などの負荷により接触して発生する応力や変形を数値計算によって求める接触解析にも適用されている(例えば、特許文献1)。
接触解析を行う場合、接触する可能性がある領域を設定する必要がある。即ち、接触する可能性がある物体同士に対して、互いに接触する可能性のある面の対を定義する必要がある。
従来、この設定方法としては、特許文献2では、現在の接触している面、もしくは接触する可能性がある面として指定した面の法線方向を計算し、その面とその法線方向に一定距離にある領域を想定し、その領域に含まれる面は、その指定した面との間で接触する可能性があると判断し、接触設定を行っている。
また、特許文献3では、物体の形状および位置の情報とから物体間の干渉の有無を判断し、干渉が有った部分に接触が発生すると判断し、その箇所に接触設定を行っている。
特開2001−306634号公報 特開2006−48583号公報 特開2002−56037号公報
しかしながら、特許文献2のように、現在の接触した面ならびに指定した面と法線方向に一定距離のある領域の中に含まれる面に接触設定を行う方法では、現在接触している状態に依存するため、物体間で大すべりなど、大幅な変形が発生した場合、物体間で設定した接触領域が実際にははずれてしまい、接触計算が適切に行われず、物体が物体にめり込む貫通という現象が発生して、計算が異常終了する、といった問題がある。
また、特許文献2のように、物体間の干渉の有無を判断して、物体間の接触設定を行う方法では、各状態において物体間の干渉の有無を判断する必要があり、そのための計算リソースを多大に必要とし、接触設定に非常に時間がかかるという問題がある。
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、大すべりなど大幅な変形が発生する解析モデルでも互いに接触する可能性がある面の定義を正確かつ効率的に行う接触解析装置、接触解析プログラム及び接触解析プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の接触解析装置は、次のような構成とする。
本発明の接触解析装置は、物体の表面を要素面の集合として定義した形状データにより表現し、複数の物体からなる解析モデルを用いて、該物体の移動または変形にともなう当該物体間の接触をシミュレーションする接触解析装置であって、前記解析対象の物体が接触する可能性のある領域の大きさを表す接触判定領域長を取得する接触判定領域長取得部と、前記形状データに基づいて、前記解析対象の物体の任意の要素面を第1の要素面として抽出する第1要素面抽出部と、前記形状データに基づいて、前記第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する対向要素面選択部と、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面までの経路長が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定する接触領域指定部と、前記解析対象の物体上の第1の要素面と前記接触領域指定部が設定した接触領域とから接触条件を作成し、前記形状データ、該接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、物体と物体とが正しい状態に接触するまで構造シミュレーションを実行する構造解析部と、を備えるものである。
上記接触領域指定部は、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面までの経路長と、前記第1の要素面と前記第2の要素面の経路長との和が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定するものであってもよい。
また、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面のいずれかと、前記第1の要素面あるいは前記第2の要素面との距離が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定するものであっても構わない。
また、前記接触判定領域長は、前記接触解析対象の物体の辺の長さに応じて定めるものであっても、また、前記接触解析対象の物体の外接円の半径に応じて定めるものであっても構わない。この選択は、予め設定された、ユーザによって指定された方法であっても、物体の形状の特徴から自動的になされたものであっても構わない。
また、前記隣接する要素面の距離は、該隣接する要素面の重心間の距離として算出するものとする。
さらに、接触領域制限部を備えており、この接触領域制限部は、前記第1の要素面、前記第2の要素面および接触面候補の要素面の位置関係に応じて、前記接触領域から接触面候補の要素面を除外するものである。
上記位置関係としては、前記第1の要素面または前記第2の要素面から接触面候補の要素面を見たときに、該接触面候補の要素面の裏面が見える場合、該接触面候補の要素面を前記接触領域から除外するものや、要素面の法線ベクトルと、該要素面に隣接する要素面の法線ベクトルがなす角度を累積し、該累積角度が予め設定された閾値と比較して大きくなった場合、該要素面に隣接する要素面を前記接触領域から除外するものであっても構わない。
また、上述した構成の接触解析装置の各部として、コンピュータを機能させるためのプログラムを作成しておき、または、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、このプログラムをコンピュータで実行することによっても上記課題を解決することができる。
本発明によれば、大すべりのように相対する面を外れるような大幅な変形が発生する状態でも、複数の物体間における互いに接触する可能性がある面の定義を正確かつ効率的に行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
(接触解析モデル)
まず、先行技術による解析モデルにおける接触領域の設定処理について説明する。
図1は、先行技術による接触解析モデルを示す概略図である。図1(A)には、解析対象の構造体の一例として、第1構造部材210および第2構造部材220と第3構造部材230とからなる構造体を示す。第1構造部材210の底面全体240に対して拘束を定義し、第2構造部材220の上面に点荷重245を与える。
このような構造体に対して、先行技術を用いて接触領域を定義する場合、第3構造部材230の部品に注目すると、図1(B)に示すように、第3構造部材230の4つの表面から法線方向に法線ベクトル250を考える。
図1(C)に示すように、その法線ベクトル250と略反対方向の法線ベクトル260を持つ他の部材の外表面のうち、法線ベクトル250の領域に最も近い領域を選択し、第3構造部材(部品)230に対応した接触領域を設定する。
具体的には、図1(D)に示すように、第3構造部材230の各面において法線を計算し、その法線と略反対方向の法線を持つ第1構造部材210、第2構造部材220の接触領域271,272,273,274を設定する、
このような先行技術による解析モデルによれば、図1(A)のように点荷重245が与えられた結果、図1(E)のように第3構造部材(部品)230の位置が、280の位置に移動するようなモデルでは、図1(D)に示す接触領域の設定では、第3構造部材(部品)230の移動した先に接触設定が存在しない。その場合、物体と物体の接触が適切に計算することができず、物体が物体にめり込む貫通という現象が発生し、適切な計算が行えないという問題があった。
次に、本実施の形態に係る接触解析装置について説明する。
図2は、本実施の形態に係る接触解析装置で計算が行われる解析モデルを示す概略図である。図2を参照すると、本実施の形態に係る接触解析装置によって得られる第3構造部材230に対する接触領域272,273,274は、第3構造部材230から接触判定領域長を求め、第3構造部材230が接触可能な第1構造部材210上の領域、あるいは、第3構造部材230が接触可能な第2構造部材220上の領域、が接触判定領域長の範囲内の領域を第3構造部材230との接触領域として設定する。
即ち、本実施の形態に係る接触解析装置は、接触解析の対象として予め指定された第3構造部材に対し、その部材に対する接触判定領域長を基準として、接触が起こりうる可能性のある領域を、第1構造部材および第2構造部材の外表面の距離に応じて設定することで、接触解析時間に影響を及ぼす接触判定に関する規模の増大を抑制しつつ生成できる。
以下、このような解析モデルの生成処理およびそれを実現するための構成について詳細に説明する。尚、数値解析シミュレーションは、多くの場合において3次元空間として取扱われるが、以下では説明をより容易にするために、主に2次元空間としてその処理動作を説明する。しかし、3次元空間であっても、2次元空間と同様に適用することが可能である。
(接触解析装置の機能構成)
図3は、本発明の実施の形態に係る接触解析装置の機能構成を示すブロック図である。
図3において、本実施の形態に係る接触解析装置は、制御部20、データ入力部21、接触判定領域長取得部22、第1要素面抽出部23、対抗要素面選択部24、接触領域指定部25、構造シミュレーション部26、データ格納部28を含んで構成される。
制御部20、データ入力部21、接触判定領域長取得部22、第1要素面抽出部23、対抗要素面選択部24、接触領域指定部25、構造シミュレーション部26は、それぞれの機能の一部または全部が専用のハードウェアによって構成されてもよいし、ソフトウェアとして構成されてもよい。
制御部20は、詳細は後述するが、データ入力部21、接触判定領域長取得部22、第1要素面抽出部23、対抗要素面選択部24、接触領域指定部25、構造シミュレーション部26を用いて、接触解析装置全体を制御する。
データ入力部21は、ユーザや外部の装置(図示しない)などから、接触解析に必要なデータの読み込みを行って、データ格納部28に記憶させる。ここで入力されるデータは、既に格納されているものとしてもよい。必要な情報には、物体を要素面で表現した形状データ、要素データ、境界条件データ、材料物性データが含まれる。
図4(A)は、本実施形態の説明で取上げる解析モデルが部品210,220,230から構成されていることを示し、図4(B)は、当該モデルの要素分割図であり、3つの部品がそれぞれ分割要素310,320,330等からなっていることを示している。
また、図4(C)は、当該モデルの外表面の要素面340を示している。
ここで、当該モデルは、物体表面を要素面の集合として定義しているものとする。
データ格納部28は、大容量の記憶媒体の例えばHDD(Hard Disk Drive)などで構成され、要素面データで表現された形状データ、要素データ、境界条件データ、材料物性データ、接触設定データ等を格納する。境界条件データ、材料物性データは、構造シミュレーション部26にて使用される。
次に、データ格納部28に格納されるデータのデータ構造について説明する。
解析モデルテーブルは、図5(A)に例示するように、モデル名称と、このモデルに含まれる部品番号で構成される。
部品テーブルは、図5(B)に例示するように、このモデルに含まれるすべての部品ごとに、部品番号、部品名、この部品の材料物性データ、この部品を構成する要素番号のリストで構成される。
また、要素面テーブルは、このモデルに含まれるすべての要素面ごとに、どの要素に含まれ、且つ、どの表面に含まれるかを示し、図5(C)に例示するように、要素面番号、要素番号、面番号で構成される。
そして、要素テーブルは、このモデルに含まれるすべての要素ごとに、図5(D)に例示するように、要素番号、要素タイプ、節点番号のリストから構成される。ここで、要素タイプは、例えば、2次元のときには、三角形(Quad3)、四角形(Quad4)などの種類があり、3次元のときには、四面体(Tetra)、五面体(Penta)、六面体(Hex)などの種類がある。この要素タイプにより節点の個数が決定される。
節点テーブルは、このモデルに含まれるすべての節点ごとに、図5(E)に例示するように、節点番号、節点の座標データを有する。座標データは、2次元のときは、(x座標、y座標)で構成され、3次元のときには、(x座標、y座標、z座標)から構成される。
要素のデータ構造に関して、節点番号の順番を決定しておくことにより、その面や辺の番号を定義することができる。ここでは、要素は2次元空間では、反時計回りに定義するものとすると、要素の節点の入力により、要素面の面番号との対応が自動的に可能となる(図6(A))。
また、3次元空間の場合も同様であり、各要素の節点リストに対する順番を定義することにより、要素面の面番号との対応が自動的に可能となる(図6(B))。
図7の簡単な解析モデル例を用いて、上記のデータ構造についてさらに説明する。
図7(A)は、解析モデルが2つの部品Part1、2からなり、部品Part1は、3つの要素E1,E2,E3で、部品Part2は、1つの要素E4で構成されている。また、各要素の節点が定義されている。
また、図7(B)は、それぞれの部品の外表面の要素面がそれぞれ定義されている。
図8(A)は、解析モデルの定義、モデル名「Siml」と、2つの部品番号P1,P2が記憶されている。
図8(B)は、部品テーブルの例であり、例えば、部品Part1については、部品番号が「P1」、部品名が「Part1」、材料物性データが「樹脂」であり、要素番号のリスト「E1」、「E2」、「E3」により、この部品が3つの要素からなっていることが記憶されている。
図8(C)は、要素面テーブルの例であり、例えば、要素面番号が「EF9」の要素面は、要素番号「E4」の要素に含まれ、且つ、面番号「1」の面に含まれていることを示している。
図8(D)は、要素テーブルの例であり、例えば、要素番号が「E4」の要素は、要素タイプが「四角形(QUAD4)」であり、節点を4つ「N9」、「N10」、「N11」、「N12]の順に持つことを示している。
図8(E)は、節点テーブルの例であり、例えば、節点番号が「N6」の節点は、座標(3,1)の点である。
接触解析の対象は、解析モデルに含まれるすべての物体(部品)であるが、以下の説明では、この解析モデル中の1つの物体(以下、解析対象の物体という)について説明する。
したがって、それぞれの物体(部品)について接触判定を行い、それらを重ね合わせることによって、解析モデル全体の接触条件が成立することになる。
接触判定領域長取得部22は、接触解析を行う前に予め設定されていた方法によって、接触解析対象の物体がどの程度すべりながら移動するかという領域の大きさを接触判定領域長として設定する。
予め、ユーザは、(1)最長辺で求める方法、(2)外接円で求める方法、(3)ユーザが設定する方法、(4)自動による方法のいずれかを選択して設定しておく。
(1)最長辺で求める方法が選択されていた場合、解析対象の物体の辺の長さの最長辺に所定の係数を掛けて、接触判定領域長を求める。
物体の最も長い辺(面)を基準値として採用し、この基準値に所定の係数を掛けた値を接触判定領域長とする。
ここで、所定の係数は、物体から飛び出さない程度に設定する必要があるため、解析モデルにある最大の面の大きさを超えないように設定する。
例えば、図1において、部品210や部品220の最大辺がこのモデルの最大辺であるから、部品230の最大辺を基準に所定の係数を掛けた値がこのモデルの最大辺を越えないように、所定の係数を設定する。
(2)外接円で求める方法が選択されていた場合、解析対象の物体の外接円の半径に所定の係数を掛けて、接触判定領域長を求める。
形状が複雑なモデルである場合、辺(面)の大きさが小さいことがある。この場合、物体の外接円を用い、その半径(直径)を基準値とし、この基準値に所定の係数を掛けた値を設定領域判定長として設定する。この外接円の半径を求める方法は、物体の重心を求め、この重心から各節点までの距離で最も長いものを半径とする。
また、所定の係数については、モデル全体を外接する距離より大きくないことから、その距離を越えることはなく、一般的には1〜3程度の値とする。
(3)ユーザ設定の方法が選択されていた場合、ユーザに接触判定領域長を入力させる。
(4)自動による方法が選択されていた場合、解析対象の物体の特徴によって、最長辺による方法、あるいは、外接円による方法かを判断して、上記の(1)または(2)により接触判定領域長を求める。
これは、物体の体積と最長辺、最短辺(非常に短い辺ばかりからなっている)、物体の長辺と短辺の比率を示すアスペクト比を基にして、最長辺または外接円のいずれかを選択する。
第1要素面抽出部23は、物体表面を要素面の集合として定義した要素面テーブルから任意の要素面を1つ、第1の要素面として抽出する。要素面テーブル(図8(C))を順にインクリメントすることにより実現することができる。
対抗要素面選択部24は、抽出を行った第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する。
対抗要素面選択部24の処理手順について、図9のフローチャートを用いて説明する。簡単のため、図7において、第1の要素面をNF9(節点N9とN10から形成される要素面)であるとし、これに対する第2の要素面を求めるものとして説明する。
第1の要素面の法線を計算する(ステップS10)。法線は、物体から外向きとし、法線の基点は面の中心や、面の端点をすべて採用して処理を繰り返してもよい。
計算した法線ベクトルと基点に基づき、その法線ベクトル上に存在する要素面を抽出する(ステップS11)。
例えば、第1の要素面の法線ベクトルと、対抗要素面の候補となるすべての要素面に対し、ひとつずつ要素面を取り出し、その要素面の各頂点を用いて作成される辺ベクトルと第1の要素面の法線ベクトルとの交点を求める。この交点が現在処理対象となっている要素面の中に含まれているかを判定し、含まれているときに、この処理対象となっている要素面を抽出する。
図7の例においては、NF1、NF2、NF6、NF7が対抗要素面の候補として抽出される。現在検討しているNF9に対して、NF1とNF2は要素の裏面であるため、接触することはない。そのため、要素の裏面について候補から削除してもよい。但し、要素の表面であるか裏面であるかは、距離の遠近で決定できるため、特別な判断を加えなくともよい。
次に、抽出された対抗要素面の候補となる要素面に対して、第1の要素面との距離を計算し(ステップS12)、最も距離の短かった要素面を抽出し、それを対抗要素面として決定する(ステップS13)。
本例では、NF6,NF7が等間隔であり、対抗要素面として2つ選択されてしまうが、要素面番号の若いものなど不作為な方法で一つに決定する。ここでは、対抗要素面の中から、第2の要素面として要素面番号の若いNF6を選択するものとする。
次に、対抗要素面に連続して接続している要素面の中から、第1の要素面に接触可能な要素面を指定する接触領域指定部25の処理について説明する。
まず、接触領域指定部25で生成される接触領域テーブルは、図5(F)に例示するように、最終的に求められた接触領域指定を、接触面番号と第2要素面番号のリストとして記憶する。ここで、接触面番号は、第1の要素面番号と同等であり、また、第2要素面番号のリストは、第2要素面番号に連続して隣接している要素面番号のリストである。
最初に、接触領域指定部25は、接触領域テーブルに、接触面番号として第1の要素面番号を、第2の要素面番号として、対抗要素面選択部24で選択された対抗要素面を記憶する。
そして、接触領域指定部25は、第2の要素面からそれに連続して隣接する要素面までの距離が接触判定領域長以下である、第2の要素面と連続して隣接するすべての要素面を、第1の接触面の接触領域として設定して、接触領域テーブルに記憶する。
次に、接触領域指定部25の処理手順について図10のフローチャートを用いて説明する。以下では、第2の要素面に連続して接続する要素面を第N(Nは2以上の整数)の要素面と呼ぶことにし、図10の処理は、接触領域テーブル中のある接触面に対応する第Nの要素面に連続して隣接した要素面が接触領域であるか否かを判定して、接触領域テーブルの当該接触面の接触領域を更新するものとして説明する。
まず、第Nの要素面に隣接する要素面を第N+1の要素面の要素面候補として抽出する(ステップS20)。
これは、図5に例示したデータ構造から、第Nの要素面の節点番号を探索し、その節点番号を共有する要素面をすべて探索する。
本例では、現在選択中の要素面NF6に対し、その隣接する要素面を探索して、NF5とNF7が抽出される。
ステップS20で要素面が抽出されなかった場合(ステップS21/NO)、処理を終了する。
一方、ステップS20で要素面が抽出された場合(ステップS21/YES)、抽出した要素面が既に接触領域に含まれているかを調べる(ステップS22)。
ここでは、抽出した要素面が今までに接触領域として選択されている要素面に含まれている可能性がある。接触要素面は、重複設定する必要がないため、接触面テーブル中の当該接触面に対する第2の要素面のリストの中に、ステップS20で抽出した要素面候補があるかを調べる。
ここで、同じ要素面番号であった場合(ステップS22/YES)、この要素面を抽出した要素面の中から削除する(ステップS23)。
本例では、現在選択されている要素面は、第1の要素面がNF9、第2の要素面がNF6であり、現在、接触面テーブル(図5(F))中には、これらしか記憶されていない状態であるから、抽出した要素面NF5とNF7はそのまま候補とされる。
ステップS23によって、抽出した要素面候補がすべて削除されてしまった場合に備えて、要素面候補が残っているか否かを再度チェックし、要素面候補が存在しない場合(ステップS24/NO)、処理を終了する。
次に、第Nの要素面とすべての要素面候補との距離を計算し、一時的に保存する(ステップS25)。
距離の計算方法は、各要素面の重心間の距離とする。要素面候補が複数存在する場合は、それぞれ別個に計算する。
ここで計算された距離は、図5(G)に例示したように、第Nの要素面番号、要素面候補の要素面番号、これらの要素面間の距離という3つ組みで保存する。
本例では、図11(A)の結果となる。
次に、すべての第N+1の要素面候補に対して、ステップS26からS28の処理を行わせる。本例では、2つの第3要素面の候補NF5とNF7に対して、これらの処理を行わせることになる。
既に計算されている第2要素面から要素面候補までの最短の経路長を計算する(ステップS26)。
第2要素面から第Nの要素面までの経路長は、既に計算されており、図5(H)の形式にて記憶されている。図5(H)には、第2要素面の要素面番号、第Nの要素面の要素面番号、第2要素面から第Nの要素面までの経路長が記憶されている。
ここでは、図5(H)の形式で記憶された第2要素面から第Nの要素面までの経路長に、図5(G)の形式で記憶された第Nの要素面から第N+1の要素面候補までの距離を組み合わせて、最短となる経路長を求め、図5(H)の形式のうち、第Nの要素面の要素面番号を第N+1の要素面候補の要素面番号に、第2要素面から第Nの要素面までの経路長を第2要素面から第N+1の要素面までの経路長に置き換えて更新する。
本例では、第3要素面まで計算すると図11(A)と同様に記憶される。第4要素面まで計算すると、図11(B)のようになる。
次に、図5(H)の形式で記憶された経路長と、先に定めた接触判定領域長とを比較し、そこまで達していない場合は(ステップS27/YES)、第N+1の要素面候補を接触領域として、図5(F)の接触面テーブルに追加して(ステップS28)、他の要素面候補に対して処理を継続する。
また、図5(H)の形式で記憶された経路長が接触判定領域長に達している場合(ステップS27/NO)、この第N+1の要素面候補を接触領域として追加せずに、他の要素面候補に対して処理を継続する。
次に、構造解析部26は、一般的な構造解析シミュレーション部で構成され、接触解析対象の物体上の第1の要素面と接触領域指定部25で設定した接触領域を接触条件とし、形状データ、接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、構造シミュレーションを行って物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成する。
この形状データを基に、貫通したり接触が外れているのに接触しているような状態になっていないかの判定を行い、貫通したり接触が外れない状態、即ち、適切な接触位置になるように形状データを調整して、再度構造シミュレーションを繰り返す。
次に、図4に示した解析モデルをもとに本実施形態の動作をまとめて説明する。
簡単のため、図4に示した解析モデルのうち図12のように、部品330の要素面340についてのみ説明する。
まず、要素面340を第1の要素面とすると、第2の要素面として要素面350が抽出される。さらに、要素面350に隣接する、要素面351、352が抽出される。
ここで、要素面352について処理を継続すると、第2要素面から要素面352までの経路長は、接触判定領域長より小さいと判断できるため、さらに処理を継続して、隣接する要素面353を抽出する。この処理を繰り返して、要素面357まで抽出したところで経路長が接触判定領域長を超えたとすると、図4の解析モデルでは、図12のように接触領域が設定される。この説明では、要素面352から右にある要素面について説明しなかったが、上記の経路長を計算するときには、要素面350に対して左右両方に隣接した要素面について考えるようにする。これによると、図2に示したような接触領域が設定できる。
以上に示したように、本実施形態では、部品330の物体の接触設定において、図1(D)のように、現在接触している接触領域、もしくは、非常に近接的な接触領域だけではなく、物理的に物体に接触したまま移動することを考慮して接触領域を決定できることから、正確かつ効率的に設定することができる。
上記の実施形態では、接触領域の限界を調べるために、第2の要素面からの経路長を用いていたが、第1の要素面から第2の要素面への距離をあわせて評価することにより、離れている部品との接触領域の評価を適切に行うことができる。
例えば、図1(A)において、第3構造部材230と第2構造部材220は接触していないため、物体(第2構造部材220)が変形してから接触するので、すでに接触している状態と比較して、接触する領域としては若干狭くなると考えられる。
そのため、第1要素面から第2要素面への距離を併せて、接触判定領域長と比較することで、より適切な接触領域を設定することが可能である。
また、解析モデルが非常に単純な場合、第2の要素面からの経路長を計算するのではなく、第1の要素面、もしくは、第2の要素面と第N+1の要素面との距離で評価することで、計算量を更に削減することができる。
また、図4の解析モデルにおいて、部品が包含関係にある場合には、内部部品と外側の部品の外面とは接触することはない。そのため、そのような位置関係にある場合には、接触領域として設定する必要はない。
また、図13(A)に示すように、第2の要素面である要素面351から第N+1の要素面候補である要素面357を見て、要素面の裏面が見える場合は、その要素面候補に関しては、接触の可能性が少ないということで除外するようにしてもよい。
これは、例えば、図5(C)の要素面テーブルと図5(D)の要素テーブルを参照して、要素面を構成する節点において、基点側(1つめ)から終点側(2つめのデータ)へのベクトルを算出し、そのベクトルに対して法線ベクトルがある方が表である。
図13の場合は、要素面351から要素面357の裏面を見ていることから、これらの要素面は接触する可能性がないので、要素面357を除外する。
また、上記の表裏による接触可能性の判断は、第Nの要素面の法線ベクトルと第N+1の要素面の法線ベクトルとの差と、第N+1の要素面の方向ベクトルとの内積によって、第Nの要素面を基準とした第Nの要素面と第N+1の要素面の角度差が計算できるので、この角度差の累積角度をもとに行える。
例えば、図14では、第2の要素面を要素面351とし、その隣接する第3の要素面候補を要素面352とする。そのおのおのの法線ベクトルをV、VN+1、方向ベクトルをT、TN+1とすると、その成す角度は、内積を用いて次の式1から求めることができる。
Figure 2009059028
この角度を利用し、第2の要素面からの累積角度を用いて角度変化を調べる。
例えば、図14の場合、要素面351から要素面352では角度変化は0である。その後要素面355の法線ベクトル605までは、引き続き変化はないので除外しない。
ここで、平行を許容する閾値を予め設定しておき、累積角度がこの閾値以下の場合平行として許容することにする。例えば、この閾値を+10度とする。
法線ベクトル605は、一つ前の要素面の法線ベクトルに対する角度変化は−90度であるから、累積角度は−90度となる。この場合、第2の要素面351と要素面355の面が向き合っているため、除外はしない。
次に、法線ベクトル605と法線ベクトル606の角度変化は、+90度であるから、累積角度変化は0度であり、許容範囲内である。
さらに、法線ベクトル607では、角度変化は+90度であるから、累積角度は+90度となり、累積角度が閾値を超えたため、要素面357は含めないこととなる。
このようにすれば、例えば、部品が段差を超えられない場合に、接触領域を制限することが可能となり、計算効率を更に向上させることができる。
次に、制御部20の処理手順を図15のフローチャートをもとに説明する。
まず、データ入力部21により、接触解析に必要なデータの読み込みを行う(ステップS40)。必要な情報として、物体を要素面で表現した要素面で表現された形状データ、要素データ、境界条件データ、材料物性データが含まれる。
次に、接触判定領域長取得部22により、接触解析の対象となる物体がどの程度すべりながら移動するかの基準を表す接触判定領域長を、予め設定されていた方法によって求める(ステップS41)。
(1)最長辺で求める方法が選択されていた場合、解析対象の物体の辺の長さの最長辺に所定の係数を掛けて、接触判定領域長を求める。
(2)外接円で求める方法が選択されていた場合、解析対象の物体の外接円の半径に所定の係数を掛けて、接触判定領域長を求める。
(3)ユーザ設定の方法が選択されていた場合、ユーザに接触判定領域長を入力させる。
(4)自動による方法が選択されていた場合、解析対象の物体の特徴によって、最長辺による方法、あるいは、外接円による方法かを判断して、上記の(1)または(2)により接触判定領域長を求める。
これは、物体の体積と最長辺、最短辺(非常に短い辺ばかりからなっている)、物体の長辺と短辺の比率を示すアスペクト比を基にして、最長辺または外接円のいずれかを選択する。
次に、形状データを構成するすべての要素面の1つ1つに対して、ステップS42からS44までの処理を繰り返し実行する。
第1要素面抽出部23により、形状データから任意の要素面を第1の要素面として抽出する(ステップS42)。
対抗要素面選択部24により、抽出した第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する(ステップS43)。
接触領域指定部25により、第2の要素面に対して連続して隣接している要素面の中から、第1の要素面に接触可能な要素面を抽出する(ステップS44)。
次に、接触解析対象の物体上の第1の要素面と接触領域指定部25で設定した接触領域を接触条件とし、構造解析部26により、形状データ、接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、構造シミュレーションを行って物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、この形状データを基に、貫通したり接触が外れているのに接触しているような状態になっていないかの判定を行い、貫通したり接触が外れない状態、即ち、適切な接触位置になるように形状データを調整して、再度構造シミュレーションを繰り返す(ステップS45)。
構造解析部26で得られた、解析結果(変形、応力、接触量等)を記憶装置、表示装置やプリンタに出力する(ステップS46)。
尚、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
上述した実施形態では要素面単位で処理の説明を行ったが、要素面をグループ化して一定の領域単位で処理を行うことで処理を簡単化することも可能である。
また、当該発明を一般の解析モデルと組み合わせた解析モデルを作成することも可能である。
また、上述した実施形態を構成する接触解析装置の各部として、コンピュータを機能させるプログラムを作成し、予め記録媒体に書き込んでおき、この記録媒体に記録されたこれらのプログラムを当該装置に備えられたメモリあるいは記憶装置に格納し、そのプログラムを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
また、上記プログラムは、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
尚、上述した実施形態の機能を実現するプログラムは、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。あるいは、ネットワークを介して記憶装置に格納された上記プログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、上述した実施形態の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、および可搬性や汎用性を向上させることができる。
本発明は、有限差分法、有限体積法、有限要素法等など構造力学を用いた数値解析技術に利用できる。
先行技術による接触解析モデルを示す概略図である。 実施の形態に係る接触解析装置で計算が行われる解析モデルを示す概略図である。 本発明の実施形態に係る接触解析装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態の説明で取上げる解析モデルを示す図である。 データ格納部に格納されるデータのデータ構造を説明する図である。 2次元および3次元の座標系において振られる節点番号の順番を説明する図である。 本実施の形態で用いる簡単な解析モデルの形状データ例である。 図7の解析モデルにおけるデータ構造の例である。 対抗要素面選択部の処理手順を示すフローチャートである。 接触領域指定部の処理手順を示すフローチャートである。 隣接する要素面の距離を記憶するデータ構造例である。 図4に示した解析モデルの動作を説明する図である。 第2の要素面から見て要素面候補の要素面が裏面となった場合を説明する図である。 隣接した要素面の法線ベクトル間の累積角度を使って要素面候補の要素面を除外する方法を説明する図である。 制御部の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
20…制御部、21…データ入力部、22…接触判定領域長取得部、23…第1要素面抽出部、24…対抗要素面選択部、25…接触領域指定部、26…構造シミュレーション部、27…接触判定部、28…データ格納部、210…第1構造部材(部品)、220…第2構造部材(部品)、230…第3構造部材(部品)、240…第1構造部材の底面全体、245…点荷重、250…法線ベクトル、260…法線ベクトル、271,272,273,274…接触領域、310,320,330…分割要素、340…要素面、350,351,352,353,354,355,356,357,358…要素面、601,602,605,606,607…法線ベクトル、E1,E2,E3…部品Part1の要素番号、N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8…部品Part1の節点番号、NF1,NF2,NF3,NF4,NF5,NF6,NF7,NF8…部品Part1の要素面番号、E4…部品Part2の要素番号、N9,N10,N11,N12…部品Part1の節点番号、NF9,NF10,NF11,NF12…部品Part1の要素面番号。

Claims (12)

  1. 物体の表面を要素面の集合として定義した形状データにより表現し、複数の物体からなる解析モデルを用いて、該物体の移動または変形にともなう当該物体間の接触をシミュレーションする接触解析装置であって、前記解析対象の物体が接触する可能性のある領域の大きさを表す接触判定領域長を取得する接触判定領域長取得部と、前記形状データに基づいて、前記解析対象の物体の任意の要素面を第1の要素面として抽出する第1要素面抽出部と、前記形状データに基づいて、前記第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する対向要素面選択部と、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面までの経路長が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定する接触領域指定部と、前記解析対象の物体上の第1の要素面と前記接触領域指定部が設定した接触領域とから接触条件を作成し、前記形状データ、該接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、物体と物体とが正しい状態に接触するまで構造シミュレーションを実行する構造解析部と、を備えることを特徴とする接触解析装置。
  2. 物体の表面を要素面の集合として定義した形状データにより表現し、複数の物体からなる解析モデルを用いて、該物体の移動または変形にともなう当該物体間の接触をシミュレーションする接触解析装置であって、前記解析対象の物体が接触する可能性のある領域の大きさを表す接触判定領域長を取得する接触判定領域長取得部と、前記形状データに基づいて、前記解析対象の物体の任意の要素面を第1の要素面として抽出する第1要素面抽出部と、前記形状データに基づいて、前記第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する対向要素面選択部と、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面までの経路長と、前記第1の要素面と前記第2の要素面の経路長との和が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定する接触領域指定部と、前記解析対象の物体上の第1の要素面と前記接触領域指定部が設定した接触領域とから接触条件を作成し、前記形状データ、該接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、物体と物体とが正しい状態に接触するまで構造シミュレーションを実行する構造解析部と、を備えることを特徴とする接触解析装置。
  3. 物体の表面を要素面の集合として定義した形状データにより表現し、複数の物体からなる解析モデルを用いて、該物体の移動または変形にともなう当該物体間の接触をシミュレーションする接触解析装置であって、前記解析対象の物体が接触する可能性のある領域の大きさを表す接触判定領域長を取得する接触判定領域長取得部と、前記形状データに基づいて、前記解析対象の物体の任意の要素面を第1の要素面として抽出する第1要素面抽出部と、前記形状データに基づいて、前記第1の要素面の法線方向にある要素面の中で最も近い距離にある要素面を第2の要素面として選択する対向要素面選択部と、前記形状データに基づいて、前記第2の要素面から連続して隣接した要素面のいずれかと、前記第1の要素面あるいは前記第2の要素面との距離が前記接触判定領域長以下であるときには、これらの前記第2の要素面から連続して隣接した要素面を接触領域として設定する接触領域指定部と、前記解析対象の物体上の第1の要素面と前記接触領域指定部が設定した接触領域とから接触条件を作成し、前記形状データ、該接触条件、境界条件、材料物性データに基づいて、物体の移動または変形後の形状を表す形状データを作成し、物体と物体とが正しい状態に接触するまで構造シミュレーションを実行する構造解析部と、を備えることを特徴とする接触解析装置。
  4. 請求項1、2または3に記載の接触解析装置において、前記接触判定領域長は、前記解析対象の物体の辺の長さに応じて定めることを特徴とする接触解析装置。
  5. 請求項1、2または3に記載の接触解析装置において、前記接触判定領域長は、前記解析対象の物体の外接円の半径に応じて定めることを特徴とする接触解析装置。
  6. 請求項1、2または3に記載の接触解析装置において、前記接触判定領域長は、前記解析対象の物体の特徴によって決定された、物体の辺の長さあるいは外接円の半径のいずれかに応じて定めることを特徴とする接触解析装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の接触解析装置において、前記隣接する要素面の距離は、該隣接した要素面の重心間の距離であることを特徴とする接触解析装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の接触解析装置において、さらに、前記第1の要素面、前記第2の要素面および接触面候補の要素面の位置関係に応じて、前記接触領域から接触面候補の要素面を除外する接触領域制限部を備えることを特徴とする接触解析装置。
  9. 請求項8に記載の接触解析装置において、前記接触領域制限部は、前記第1の要素面または前記第2の要素面から接触面候補の要素面を見たときに、該接触面候補の要素面の裏面が見える場合、該接触面候補の要素面を前記接触領域から除外することを特徴とする接触解析装置。
  10. 請求項8に記載の接触解析装置において、前記接触領域制限部は、要素面の法線ベクトルと、該要素面に隣接する要素面の法線ベクトルがなす角度を累積し、該累積角度が予め設定された閾値と比較して大きくなった場合、該要素面に隣接する要素面を前記接触領域から除外することを特徴とする接触解析装置。
  11. コンピュータを、請求項1乃至10のいずれかに記載の接触解析装置の各部として機能させるための接触解析プログラム。
  12. コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項11に記載の接触解析プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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