JP2009058189A - 冷凍ケーシングおよびこれを用いたオーガ式製氷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】製氷面に対して一体的に形成される冷却部材に冷却パイプを埋設して、製氷能力と、その安定性の双方を向上し得る冷凍ケーシングおよびこれを用いたオーガ式製氷機を提供する。
【解決手段】螺旋状に形成されて冷媒が流通する冷却パイプ22と、前記冷却パイプ22を鋳ぐるむように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材20とを備える。そして、冷却部材20の内周面が製氷面19とされている。また、前記円筒形状の冷却部材20を、シリンダの外周面に密接するように鋳造してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】螺旋状に形成されて冷媒が流通する冷却パイプ22と、前記冷却パイプ22を鋳ぐるむように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材20とを備える。そして、冷却部材20の内周面が製氷面19とされている。また、前記円筒形状の冷却部材20を、シリンダの外周面に密接するように鋳造してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、オーガ式製氷機等の製氷機構部を構成する冷凍ケーシングおよびこれを用いたオーガ式製氷機に関するものである。
水等の被冷却物を貯留するシリンダと、このシリンダの外周に巻回されて冷却媒体(冷媒)が流通する冷却パイプとを備え、冷却パイプを流通する冷媒により、該シリンダに貯留された製氷水から氷を生成する冷凍ケーシングが知られている。このような冷凍ケーシング40としては、図8に示す如く、シリンダ42の外周面に冷却パイプ44を接触状態で密に巻回し、ハンダ等のろう材46によって接合したものが知られている(例えば、特許文献1)。この冷凍ケーシング40では、シリンダ42内に貯留された製氷水が、該シリンダ42、ろう材46および冷却パイプ44を介して、該冷却パイプ44内を流通する冷媒と熱交換することで氷がシリンダ42の内周面に生成される。
特開平11−309535号公報
前述した構造の冷凍ケーシング40の製氷能力は、製氷水と冷媒との間の熱交換の能力で決定される。そして、この能力は、シリンダ42および冷却パイプ44の伝熱をなし得る接触(接合)部分の面積(以下、接触面積と云う)に依存している。すなわち、冷凍ケーシング40の製氷能力は、ろう材46によるシリンダ42および冷却パイプ44の接合状態(ろう材46の付着状態)に大きく左右されるものであった。しかし、シリンダ42および冷却パイプ44を接合するろう材46の施工(付着)状態は加工される製品毎に差異が発生する場合があり、従って、個々の製品毎に製氷能力が一定しない問題を内在していた。
また、このような冷凍ケーシング40が好適に採用されるオーガ式製氷機では、該冷凍ケーシング40内に同心的に設けられるオーガスクリュー48の回転によって、前記シリンダ42の内周面に生成される氷が掻き取られて剥離されると共に、上方へ搬送される構造となっている。このような構造のオーガ式製氷機では、オーガスクリュー48の作動による氷の剥離等に起因するスラスト荷重、トルクおよびラジアル荷重といった物理的負荷によってシリンダ42が変形しないように、該シリンダ42の肉厚が大きくされていた。しかし、冷凍ケーシング40の製氷能力は、前記シリンダ42の肉厚に依存しており、該シリンダ42の肉厚が大きくなると、その能力が低下する問題が指摘される。
一方、冷媒と製氷水との熱交換の能力向上を優先してシリンダ42の肉厚を小さく設定すると、前述した物理的負荷によって該シリンダ42が変形し、この変形に起因して該シリンダ42と冷却パイプ44とを接合しているろう材46に割れ等が発生する虞がある。すなわち、シリンダ42および冷却パイプ44の接触面積が減少してしまい、やはり冷媒と製氷水との熱交換の能力が低下する。
更に、前述の如く、冷媒が流通する薄肉の冷却パイプ44と氷が生成されるシリンダ42との接触は、直接またはろう材46を介してシリンダ42側だけでなされているので、主に図8中に「矢印」で記載されるようにしか熱交換が行なわれない。すなわち、冷却パイプ44においてシリンダ42側を指向しない外周面は、冷媒の冷気をシリンダ42に伝達することへの寄与は少なく、該冷却パイプ44を最大限に活かした製氷能力が確保されているとは云えなかった。
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、製氷能力と、該製氷能力の安定性の双方を向上し得る冷凍ケーシングおよびこれを用いたオーガ式製氷機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る冷凍ケーシングは、
螺旋状に形成されて冷媒が流通する冷却パイプと、
前記冷却パイプを鋳ぐるむように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材とを備え、
前記冷却部材の内周面が製氷面とされることを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、冷媒が流通する冷却パイプと製氷面との間の接触面積を大きくできるから、製氷能力を向上させ得る。また、冷凍ケーシングに掛かる物理的負荷等によって、該冷凍ケーシングを構成する各部材間の接触面積が減少することがないから、安定した製氷能力を確保し得る。
螺旋状に形成されて冷媒が流通する冷却パイプと、
前記冷却パイプを鋳ぐるむように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材とを備え、
前記冷却部材の内周面が製氷面とされることを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、冷媒が流通する冷却パイプと製氷面との間の接触面積を大きくできるから、製氷能力を向上させ得る。また、冷凍ケーシングに掛かる物理的負荷等によって、該冷凍ケーシングを構成する各部材間の接触面積が減少することがないから、安定した製氷能力を確保し得る。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項2に記載の発明に係る冷凍ケーシングは、
円筒形状のシリンダと、
前記シリンダの外周側に離間して螺旋状に巻回され、冷媒が流通する冷却パイプと、
前記シリンダの外周面に密接するように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材とを備え、
前記シリンダの内周面が製氷面とされることを特徴とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、冷媒が流通する冷却パイプと製氷面との間の接触面積を大きくできるから、製氷能力を向上させ得る。また、冷凍ケーシングに掛かる物理的負荷等によって、該冷凍ケーシングを構成する各部材間の接触面積が減少することがないから、安定した製氷能力を確保し得る。
円筒形状のシリンダと、
前記シリンダの外周側に離間して螺旋状に巻回され、冷媒が流通する冷却パイプと、
前記シリンダの外周面に密接するように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材とを備え、
前記シリンダの内周面が製氷面とされることを特徴とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、冷媒が流通する冷却パイプと製氷面との間の接触面積を大きくできるから、製氷能力を向上させ得る。また、冷凍ケーシングに掛かる物理的負荷等によって、該冷凍ケーシングを構成する各部材間の接触面積が減少することがないから、安定した製氷能力を確保し得る。
請求項3に記載の発明では、前記シリンダの材質はステンレスであることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、シリンダの耐摩耗性と防錆性とを向上させることができる。
従って、請求項3に係る発明によれば、シリンダの耐摩耗性と防錆性とを向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、前記冷却部材の材質は、前記冷却パイプを構成する物質が形状を保持し得る温度より低い溶融温度を有する金属であることを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、冷却部材の鋳造が容易になる。
従って、請求項4に係る発明によれば、冷却部材の鋳造が容易になる。
請求項5に記載の発明では、前記冷却部材の材質は、アルミニウム或いはアルミニウム合金、錫合金またはマグネシウム合金からなる群から選択されることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、冷却部材の熱伝導率が高くなるので、製氷能力を向上させ得る。
従って、請求項5に係る発明によれば、冷却部材の熱伝導率が高くなるので、製氷能力を向上させ得る。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項6に記載の発明に係るオーガ式製氷機は、請求項1〜5の何れか一項に記載の冷凍ケーシングを備えることを特徴とする。
従って、請求項6に係る発明によれば、製氷能力が高く、かつ安定したオーガ式製氷機を製造し得る。
従って、請求項6に係る発明によれば、製氷能力が高く、かつ安定したオーガ式製氷機を製造し得る。
本発明に係る冷凍ケーシングによれば、製氷能力と、該製氷能力の安定性との双方を向上し得る。また、本発明に係る冷凍ケーシングを用いたオーガ式製氷機によれば、製氷能力と、該製氷能力との安定性の双方を向上させ得る。
次に、本発明に係る冷凍ケーシングおよびこれを用いたオーガ式製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1に示す如く、実施例1に係るオーガ式製氷機10は、基本的な内部構造として製氷機構部12と駆動機構部30を備え、製氷機構部12は、冷凍ケーシング14および該冷凍ケーシング14の内側に同心的に配設されたオーガスクリュー16を有している。そして、駆動機構部30は、オーガスクリュー16を所定の回転速度で駆動させるためのギア等の減速機構(図示せず)および出力軸34を有するギヤードモータ等の駆動手段32を備えている。
前記冷凍ケーシング14は、下部シリンダ23(後述)を介してリザーバタンク13に接続されて製氷水が供給・貯留される円筒形状の冷却部材20と、該冷却部材20の略全外周を被覆する断熱材24とを備えている。また、冷却部材20の上端縁には、該冷却部材20と内周面と面一になる内周面を備え、上方に延在する円筒形の上部シリンダ21が該冷却部材20と同心的に設けられ、下端縁には同じく該冷却部材20の内周面と面一になる内周面を備え、下方に延在する円筒形の下部シリンダ23が該冷却部材20と同心的に設けられている。冷却部材20には、図2に示す如く、周方向へ螺旋状とされる冷却パイプ22(エバポレータ)が該冷却部材20の表面に露出しないように鋳ぐるんだ形で埋設されている。そして、冷却パイプ22は、その両端部(図示せず)が夫々冷却部材20の上下端部から、該冷却部材20の外周面の接線方向に向けて突出するよう配設されており、該両端部は図示しない冷却機構に接続されて冷媒が流通するように構成されている。すなわち、冷却部材20内に螺旋状に埋設されている冷却パイプ22からの冷気により該冷却部材20が冷却され、該冷却部材20の内周面を製氷面19として製氷水を氷結させるように構成されている。
前記オーガスクリュー16は、冷却部材20内に同心的に配置され、外周面に該冷却部材20の内径よりも僅かに小さい外径の削切刃16aが螺旋状に形成されている。すなわち、削切刃16aは、冷却部材20の内周面に対して非接触で臨むよう構成されている。また、オーガスクリュー16の上端には、冷却部材20内を上方へ搬送されてくる氷を所要の大きさとするカッタ−(図示せず)が取り付けられている。そして、オーガスクリュー16は、冷却部材20内に配置された状態で、その下端部が出力軸34に動力伝達可能に連結され、上端部が冷凍ケーシング14の上端部に配設される固定刃(図示せず)に回転可能に支持されている。すなわち、冷却部材20の内周面に生成された薄氷は、駆動手段32により回転されるオーガスクリュー16の削切刃16aによって回転で削り取られて上方に搬送される。なお、オーガスクリュー16は、耐摩耗性および防錆性等に優れた、例えばステンレス等の素材から形成されている。
本実施例1においては、前述の如く、冷却パイプ22は冷却部材20に鋳ぐるんで埋設されているため、該冷却パイプ22と冷却部材20との接触面積は、該冷却パイプ22において最も大きな面積、すなわち、冷却パイプ22の全外周に係る面積が、該冷却パイプ22内を流通する冷媒の冷気の伝達に使用され、製氷面19に最大限伝えられる構造となっている。
また、前記冷却部材20は、内部に埋設される冷却パイプ22内を流通する冷媒と製氷面19との間の熱交換を好適になし得るべく、熱伝導率が高く、かつ防錆性等に優れたアルミニウムを素材としている。前記冷却パイプ22の材質としては、熱伝導率が高い銅または銅合金が好適である。前記上部シリンダ21および下部シリンダ23については、耐摩耗性および防錆性等に優れた、例えばステンレス等の素材から形成され、その厚さはオーガ式製氷機10の作動に掛かる物理的負荷に耐え得る寸法に設定されている。
前記冷却部材20は、例えば図3に示すように、前記上部シリンダ21および下部シリンダ23を位置決めすると共に、冷却パイプ22を螺旋状に位置決めし得る外型36aおよび内型36bからなる鋳込み型36内に、該各部材21、23および22を位置決め固定した後、鋳込み型36内に溶融状態のアルミニウムを流し込むことで鋳造される。ここで外型36aは、冷却部材20の外部輪郭形状(外周面形状)に合致した内側形状を有し、内型36bは、該冷却部材20の内部輪郭形状(内周面形状)に合致した外側形状を有する。すなわち、溶融状態のアルミニウムを鋳込み型36内に鋳込むことで、上部シリンダ21および下部シリンダ23と強固に一体化した構造体として冷却部材20が形成(鋳造)される。また、螺旋状に位置決めされた冷却パイプ22も、隙間なく冷却部材20内に鋳ぐるんで埋設されることになる。なお、所要の円筒形状とされた冷却部材20の外側には、公知の方法によって断熱材24が配設される。
また、このような製造方法では、溶融したアルミニウムが冷却パイプ22に接触するため、該冷却パイプ22の材質としては、該アルミニウムの溶融温度より高い溶融温度を有する金属が選択される。言い換えれば、冷却パイプ22の材質である銅の溶融温度より低い溶融温度を有するアルミニウムが冷却部材20の材質として選択されている。例えば、冷却パイプ22の材質として銅を採用している場合であれば、その溶融温度はアルミニウムの溶融温度より高いため問題はない。
(実施例1の作用)
次に、前述のように構成された実施例1の冷凍ケーシングの作用について説明する。なお、本実施例1に係る冷凍ケーシング14を組み込んだオーガ式製氷機10は、運転状態にあるとする。
次に、前述のように構成された実施例1の冷凍ケーシングの作用について説明する。なお、本実施例1に係る冷凍ケーシング14を組み込んだオーガ式製氷機10は、運転状態にあるとする。
本実施例1に係る冷凍ケーシング14の理解に資するため、先にオーガ式製氷機10による製氷運転の流れを説明する。前記オーガ式製氷機10は、前記冷却部材20内に供給・貯留された製氷水が所定の水位に保持され、かつ冷媒が前記冷却パイプ22に循環供給されることで該冷却部材20が冷却され、前記製氷面19としての冷却部材20の内周面に製氷水が氷結する。製氷面19に氷結・生成した氷は、前記駆動手段32で回転駆動される前記オーガスクリュー16の削切刃16aによって、該製氷面19から掻き取られて剥離されつつ上方へ搬送されて固定刃内に押込まれる。固定刃に押込まれた氷は、圧縮されつつ通過してオーガスクリュー16の先端に設けられたカッタ−に到達して所定の大きさの氷塊とされて外部へ排出される。
このようなオーガ式製氷機10の製氷能力は、冷却パイプ22内を流通する冷媒と、冷却部材20内に貯留される製氷水との熱交換能力によって略決定される。また、冷却パイプ22内を流通する冷媒からの冷気は、冷却パイプ22および冷却部材20を介して製氷水に伝わっている。従って、前記製氷能力は、冷却パイプ22と冷却部材20との接触面積に依存している。図4に示す如く、本実施例1における冷却パイプ22および冷却部材20の接触面積は、構造的に許容される最大に広い面積を確保している。すなわち、冷却パイプ22からその全外周方向に伝わる冷気は、冷却部材20を介して最大限に製氷面19に伝達され、該製氷面19の冷却に利用される。なお、図4における「矢印」は、冷却パイプ22内を流通する冷媒からの冷気の流れを表している。
また、冷却部材20と冷却パイプ22とは、鋳込みによって冷却部材20内に冷却パイプ22が埋設されて強固に一体化しているため、オーガスクリュー16が氷を剥離する程度のオーガ式製氷機10の通常の作動に起因する物理的負荷で隙間等ができることはない。すなわち、前述の物理的負荷によって冷却部材20と冷却パイプ22との接触面積が変化する虞は殆どなく、従って、冷凍ケーシング14の製氷能力が常に安定的に発揮され得る。
なお、冷却部材20および冷却パイプ22間に、前述の物理的負荷に起因して隙間が発生すると、該隙間に水等が入り込んで経時的に製氷能力が低下することがある。しかし、本実施例1に係る冷凍ケーシング14では隙間が発生する虞は少ないので、経時的に製氷能力が悪化する可能性も殆どない。また、前述の物理的負荷に起因する冷却パイプ22等の損傷も防止し得るので、冷凍ケーシング14の耐用年数も向上させ得る。更に、冷却部材20を鋳造する鋳込みには、アルミニウムを鋳込み型36内に流し込むだけであるので、その手順が容易であると共に、製造ロット等による差異が発生することが殆どない。すなわち、冷凍ケーシング14の製造コストを下げると共に、該冷凍ケーシング14の製造工程に係るヒューマンエラー等による製造誤差に起因する製氷能力の変動をなくし得る。
図5は、冷却部材20の内周面にシリンダ18の外周面18aを密接するよう鋳造した構造の冷凍ケーシング15を備えるオーガ式製氷機11を示すものである。このオーガ式製氷機11は、シリンダ18以外の前記オーガ式製氷機10と同様な部分については説明を省略する。前記冷凍ケーシング15は、リザーバタンク13に接続されて製氷水が供給・貯留される円筒形状のシリンダ18と、シリンダ18の外周面18aに密接して該シリンダ18に対して一体的に鋳造される円筒形状の冷却部材20と、該冷却部材20の略全外周を被覆する断熱材24とを備えている。冷却部材20には、周方向へ螺旋状とされる冷却パイプ22(エバポレータ)が該冷却部材20の表面に露出しないように埋設されている。すなわち、シリンダ18の外周面18aの外側に巻回されている冷却パイプ22からの冷気により該シリンダ18が冷却され、該シリンダ18の内周面を製氷面19として製氷水を氷結させるように構成されている。
本実施例2においては、冷却パイプ22は冷却部材20に埋設されているため、該冷却パイプ22と冷却部材20との接触面積は、図6に示す如く、該冷却パイプ22の全外周に係る面積に略等しく、また冷却部材20はシリンダ18に密接するように鋳造、すなわち一体的に形成された状態となっているため、冷却部材20とシリンダ18との接触部位が全て接触面積となる。すなわち、冷却パイプ22の全外周に係る面積が、該冷却パイプ22内を流通する冷媒の冷気の伝達に使用され、かつ冷却部材20に伝わった冷気が最大限シリンダ18に伝えられる構造となっている。また、前記シリンダ18は、オーガスクリュー16による氷の掻き取り剥離に対する耐摩耗性および防錆性等に優れた、例えばステンレスを素材として形成されている。なお、冷却部材20および冷却パイプ22の材質は、実施例1と同様である。
前記冷却部材20は、例えば図7に示すように、外周面18aの外側に離間して冷却パイプ22を螺旋状に位置決めしたシリンダ18を、冷却部材20の外部輪郭形状(外周面形状)に合致した鋳込み型39内に載置し、該鋳込み型39内に溶融状態のアルミニウムを流し込むことで鋳造される。すなわち、溶融状態のアルミニウムを鋳込むことで、シリンダ18の外周面18aの凹凸等に完全に対応した形状の冷却部材20が鋳造されるため、所謂アンカー効果を発現し、該シリンダ18と冷却部材20とが強固に一体化した構造体となる。また、シリンダ18の外周面18aの外側に螺旋状に位置決めされた冷却パイプ22も、隙間なく冷却部材20内に埋設される。なお、溶融したアルミニウムがシリンダ18および冷却パイプ22に接触するため、該シリンダ18および冷却パイプ22の材質としては、該アルミニウムの溶融温度より高い溶融温度を有する金属が選択される。本実施例2では、シリンダ18や冷却パイプ22の材質として、アルミニウムの溶融温度より高い溶融温度を有するステンレスや銅を採用しているので問題はない。
(実施例2の作用)
次に、実施例2の冷凍ケーシングの作用について説明する。なお、本実施例2に係る冷凍ケーシング15を組み込んだオーガ式製氷機11は、運転状態にあるとする。実施例1で説明した如く、このようなオーガ式製氷機11の製氷能力は、冷却パイプ22内を流通する冷媒と、シリンダ18内に貯留される製氷水との熱交換能力によって略決定される。また、冷却パイプ22内を流通する冷媒からの冷気は、冷却パイプ22、冷却部材20およびシリンダ18を介して製氷水に伝わっている。従って、前記製氷能力は、冷却パイプ22と冷却部材20との接触面積および該冷却部材20とシリンダ18との接触面積の双方に依存している。
次に、実施例2の冷凍ケーシングの作用について説明する。なお、本実施例2に係る冷凍ケーシング15を組み込んだオーガ式製氷機11は、運転状態にあるとする。実施例1で説明した如く、このようなオーガ式製氷機11の製氷能力は、冷却パイプ22内を流通する冷媒と、シリンダ18内に貯留される製氷水との熱交換能力によって略決定される。また、冷却パイプ22内を流通する冷媒からの冷気は、冷却パイプ22、冷却部材20およびシリンダ18を介して製氷水に伝わっている。従って、前記製氷能力は、冷却パイプ22と冷却部材20との接触面積および該冷却部材20とシリンダ18との接触面積の双方に依存している。
本実施例2において、冷却パイプ22および冷却部材20の接触面積と、該冷却部材20およびシリンダ18の接触面積とは、何れも構造的に許容される最大に広い面積を確保している。すなわち、冷却パイプ22からその全外周方向に伝わる冷気は、冷却部材20を介して最大限シリンダ18に伝達されて製氷面19の冷却に利用される。また、冷却部材20と冷却パイプ22とは、鋳込みによって冷却部材20内に冷却パイプ22が埋設されて強固に一体化しており、またシリンダ18に対する冷却部材20の接合も、前述した如く強固に一体化したものであるので、何れもオーガスクリュー16が氷を剥離する程度のオーガ式製氷機10の通常の作動に起因する物理的負荷で隙間等ができることはない。すなわち、前述の物理的負荷によって冷却部材20を介した冷却パイプ22とシリンダ18との接触面積が変化する虞は殆どなく、従って、冷凍ケーシング15の製氷能力が常に安定的に発揮され得る。また、シリンダ18、冷却部材20および冷却パイプ22間に隙間が発生すると、該隙間に水等が入り込んで経時的に製氷能力が低下することがあるが、本実施例2に係る冷凍ケーシング15では隙間が発生する虞は少ないので、経時的に製氷能力が悪化する可能性も殆どない。更に、前述の物理的負荷に起因する冷却パイプ22等の損傷も防止し得るので、冷凍ケーシング15の耐用年数も向上させ得る。
更に、冷却部材20はシリンダ18に対して一体的に鋳造されて強固な構造体となっているため、該シリンダ18の物理的強度は該冷却部材20によって大きく向上している。すなわち、シリンダ18の厚さを薄くすることで、ステンレスの使用による熱伝導率の悪化を最小限に抑制し得る。また、冷却部材20を鋳造する鋳込みには、アルミニウムを鋳込み型39内に流し込むだけであるので、前述の実施例1と同様に冷凍ケーシング15の製造コストの低減すると共に、ヒューマンエラー等による製造誤差を大きく低減し、これに起因する製氷能力の変動をなくし得る。
(変更例)
本発明は、前述の各実施例の構成に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1)前述の各実施例では、冷却パイプ22は、その断面形状が略円形とされているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、楕円形としたり、外周面の面積を増加させるべく、半径方向に突出する細かい突起を多数設けるようにしてもよい。本発明においては、溶融可能な金属を鋳込むことで冷却パイプが冷却部材内に埋設されるので、その外周面が如何なる複雑形状とされても隙間等ができる可能性は少なく、好適な熱交換に供し得る。
(2)前述の各実施例では、シリンダ18の材質はステンレス、冷却パイプ22の材質を銅とし、鋳込んで製造される冷却部材20の材質を、ステンレスおよび銅の溶融温度より低い溶融温度を有するアルミニウムとしているが、本発明はこれに限定されず、ステンレスおよび銅の溶融温度より低い溶融温度を有する、例えばアルミニウム合金、錫合金またはマグネシウム合金からなる群から選択してもよい。この場合、合金化によって更に溶融温度を下げて鋳込み作業に係る負荷や原料に係る製造コストを低減することが可能となり、またマグネシウム合金を採用する場合には、冷却パイプの重量の軽量化が可能となる。
(3)前述の各実施例では、冷凍ケーシングをオーガ式製氷機に組み込んでいるが、本発明はこれに限定されず、円筒形の製氷面を備える、例えばアイスクリーム製造機等の広い機器に対して対応し得る。
本発明は、前述の各実施例の構成に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1)前述の各実施例では、冷却パイプ22は、その断面形状が略円形とされているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、楕円形としたり、外周面の面積を増加させるべく、半径方向に突出する細かい突起を多数設けるようにしてもよい。本発明においては、溶融可能な金属を鋳込むことで冷却パイプが冷却部材内に埋設されるので、その外周面が如何なる複雑形状とされても隙間等ができる可能性は少なく、好適な熱交換に供し得る。
(2)前述の各実施例では、シリンダ18の材質はステンレス、冷却パイプ22の材質を銅とし、鋳込んで製造される冷却部材20の材質を、ステンレスおよび銅の溶融温度より低い溶融温度を有するアルミニウムとしているが、本発明はこれに限定されず、ステンレスおよび銅の溶融温度より低い溶融温度を有する、例えばアルミニウム合金、錫合金またはマグネシウム合金からなる群から選択してもよい。この場合、合金化によって更に溶融温度を下げて鋳込み作業に係る負荷や原料に係る製造コストを低減することが可能となり、またマグネシウム合金を採用する場合には、冷却パイプの重量の軽量化が可能となる。
(3)前述の各実施例では、冷凍ケーシングをオーガ式製氷機に組み込んでいるが、本発明はこれに限定されず、円筒形の製氷面を備える、例えばアイスクリーム製造機等の広い機器に対して対応し得る。
18 シリンダ、18a 外周面、19 製氷面、20 冷却部材
22 冷却パイプ
22 冷却パイプ
Claims (6)
- 螺旋状に形成されて冷媒が流通する冷却パイプ(22)と、
前記冷却パイプ(22)を鋳ぐるむように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材(20)とを備え、
前記冷却部材(20)の内周面が製氷面(19)とされる
ことを特徴とする冷凍ケーシング。 - 円筒形状のシリンダ(18)と、
前記シリンダ(18)の外周側に離間して螺旋状に巻回され、冷媒が流通する冷却パイプ(22)と、
前記シリンダ(18)の外周面(18a)に密接するように鋳造された金属を材質とする円筒形状の冷却部材(20)とを備え、
前記シリンダ(18)の内周面が製氷面(19)とされる
ことを特徴とする冷凍ケーシング。 - 前記シリンダ(18)の材質はステンレスである請求項2記載の冷凍ケーシング。
- 前記冷却部材(20)の材質は、前記冷却パイプ(22)を構成する物質が形状を保持し得る温度より低い溶融温度を有する金属である請求項1〜3の何れか一項に記載の冷凍ケーシング。
- 前記冷却部材(20)の材質は、アルミニウム或いはアルミニウム合金、錫合金またはマグネシウム合金からなる群から選択される請求項1〜4の何れか一項に記載の冷凍ケーシング。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の冷凍ケーシングを備える
ことを特徴とするオーガ式製氷機。
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