JP2009056649A - 記録装置、及びその記録制御方法 - Google Patents

記録装置、及びその記録制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009056649A
JP2009056649A JP2007224610A JP2007224610A JP2009056649A JP 2009056649 A JP2009056649 A JP 2009056649A JP 2007224610 A JP2007224610 A JP 2007224610A JP 2007224610 A JP2007224610 A JP 2007224610A JP 2009056649 A JP2009056649 A JP 2009056649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
ink
raster
head
pulse signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2007224610A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Kanemura
正司 兼村
Noriyuki Kayano
紀幸 茅野
Hiroyasu Nomura
宏康 野村
Makoto Yomo
誠 四方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007224610A priority Critical patent/JP2009056649A/ja
Publication of JP2009056649A publication Critical patent/JP2009056649A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】特別な機構をもたない記録ヘッドでも記録動作中に短パルスを印加して記録ヘッドの温度調整をできるようにすることである。
【解決手段】記録ヘッドの記録周波数を通常の記録より高くし、ラスタ記録の間にインク吐出を生じさせない程度の短パルスをヒータに投入して、記録ヘッドの温度を調整する。短パルスの投入はヘッドユニットに設けられた温度センサからの温度情報に基づいて、ゲートアレイがその頻度やパルス幅や振幅を調整する。
【選択図】 図13

Description

本発明は記録装置、及びその記録制御方法に関する。本発明は、特に、例えば、電気熱変換体から発生される熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置、及びその記録制御方法に関するものである。
従来より、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方式、例えば、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な形態として提案されている。
これらの方式のなかで、インクジェット方式はインクを吐出して記録媒体に直接付着させる低騒音なノンインパクト方式の一つである。この記録方式は、インク滴の形成方法および噴射エネルギの発生方法により、コンティニアス方式(電荷粒子制御方式およびスプレー方式を含む)とオンデマンド方式(ピエゾ方式、スパーク方式、及びバブルジェット(登録商標)方式を含む)とに大きく分類される。
コンティニアス方式は、インクを連続的に吐出し、記録必要な液滴だけ電荷を与える。帯電した液滴が記録媒体に付着し、残りは無駄になる。これに対して、オンデマンド方式は、記録に必要な時だけインクを吐出するために、インクの無駄がなく装置内部が汚れない。また、オンデマンド方式はインクの吐出を開始したり停止したりするため、コンティニアス方式に比べて応答周波数は低い。このため、ノズル数を増やすことで記録の高速化を実現する。
現在市販されている記録装置の多くはオンデマンド方式のものであり、このようなインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能である。従って、この記録装置は、情報処理システムの出力手段、例えば、複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタとして用いられている。加えて、パーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとしても利用され、かつ商品化されている。この場合、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
一般にインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)とインクタンクと搭載するキャリッジと、記録媒体を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを備える。
このようにインクジェット記録方式は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として広く用いられている。また、インクを吐出する多数のノズルが直線上に配置された記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
さらに、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、記録ヘッドにより吐出される複数色のインク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成する。一般に、カラー記録を行う場合、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の3原色またはこれら3原色にブラック(K)を含めた4色に対応する4種類のノズル群(列)およびインクタンクが必要とされる。昨今ではこのような3〜4種類のインクを吐出する記録ヘッドを搭載し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されている。
記録ヘッドがインクを吐出するために必要なエネルギーを発生するエネルギー発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体によって液体を加熱させるものなどがある。
その中でも熱エネルギーを利用(膜沸騰現象を利用)して液体を吐出させる方式の記録ヘッドは、液体の吐出口を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。
このようにインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野で需要が高まっている。
一方、インクジェット記録装置により記録媒体上に形成される画像は、温度変化に応じて画像濃度が変動しやすいという問題がある。その原因はインクの組成が温度変化に対して敏感である結果、画像形成の際に吐出量が温度条件で変化してしまうためである。すなわち、温度が上昇すると、インクの粘度低下を招き、吐出量が増大する。
特に、電気熱変換体を発熱させ、インクを沸騰させてその圧力でインク吐出を行う方式に従う記録ヘッドを用いる記録装置の場合、インクを急激に昇温させるため、画像の濃度変動が大きいという問題もある。
例えば、記録を開始すると記録ヘッドの温度が急激に上昇し、その記録を続けるうちに、記録開始の直後よりも徐々にインク吐出のための条件が変化してしまうことになり、記録画像の品質に乱れが生じてくる。逆に、しばらく記録をしないでおくと、再び、記録ヘッドの温度が低下し、インク粘度が上昇しインク吐出量が低下してしまうこともある。
このような温度変化に対して、インクの吐出状態を安定させる方法として、特許文献1など等に記載のように、インクを吐出しない範囲のパルス幅または電圧により電気熱変換体を予備的に発熱させておくことにより、記録ヘッドの温度を上昇させる方法がある。このような加熱を記録前に行うことにより、記録直前の記録ヘッドの温度を上昇させておくことができ、記録開始直後の画像濃度が上昇し、記録を続けた場合の温度との差を小さくすることができるため、形成画像にムラを生じさせにくくすることができる。
記録中に制御する方法として記録動作中に記録に係わるヒータ以外のヒータにはインクを吐出しない範囲のパルス幅のヒート信号を印加することにより温度の安定を図ることがなされている(例えば、特許文献2参照)。
さらに別な方法として、記録ヘッド内のインクを凡そ所望動作温度に維持するために、ヘッド基板に少なくとも1つのヒータ(サブヒータ)を取り付け、このサブヒータによりヘッド基板を加温して記録ヘッドの温度調整を行なうことが知られている。これにより、より均一化され且つ改善された記録品質を達成することができる。温度調節のために用いるサブヒータや記録素子(ヒータ)は、記録ヘッドに電源を投入する時、或いは、記録ヘッドの不動作期間中に駆動されるのが典型的である。
少なくとも1つのサブヒータを利用する従来の記録ヘッドは通常、記録素子(ヒータ)を駆動するためのドライバ回路から分離されたサブヒータを駆動するためのドライバ回路を含む。このように分離された別個のドライバ回路を用いると、サブヒータと記録素子とは独立的に且つ選択的に駆動することができる(例えば、特許文献3参照)。
特公平5−30627号公報 特開2001−239655号公報 特開平2−258266号公報
さて、インクジェット記録装置の高速化、また高精細化が進むに連れて、記録ヘッドのノズル数は増大していく傾向がある。従って、記録前に記録ヘッドを単に加温するのみでは、インク吐出を頻繁に行ったノズルとほとんどインク吐出を行わなかったノズルとが混在する場合、各ノズルの間に生じる温度差により各ノズルから吐出されるインク滴の体積に差が生じてしまう。この結果、記録画像にムラが生じることがある。
また、記録中に記録に係わるヒータ以外のヒータにインク吐出が生じない程度のパルス幅のヒート信号(加温パルス信号)を印加する従来の方法では、インク吐出を行うためのパルス信号と加温パルス信号とを同時に入力する回路を設ける必要がある。従って、記録ヘッドの生産コストが上昇し、結果として、これを搭載して制御する記録装置の生産コストを上昇させ、その制御を複雑にするという問題が生じてしまう。
さらに、サブヒータを用いる方法も、そのサブヒータに関連する専用のドライバ、及びこれらの相互接続回路を設ける構成が必要となり、記録ヘッドの生産コストが上昇してしまう。その結果、これを搭載して制御する記録装置の生産コストが上昇し、その制御を複雑にするという問題が生じてしまう。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、特別な機構をもつことなく、記録動作中に記録ヘッドを加温し、良好な画像を記録できる記録装置、及び記録制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、インクを吐出する複数のノズルを配列したフルライン記録ヘッドを用い、前記ノズルの配列の方向とは異なる方向に記録媒体を搬送しながら、前記複数のノズルそれぞれに設けられた電気熱変換体にパルス信号を投入することで前記フルライン記録ヘッドからインクを吐出してラスタ記録を行う記録装置であって、前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号と前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせず前記電気熱変換体により加熱を生じさせる程度のパルス信号とを発生する発生手段と、前記フルライン記録ヘッドによるラスタ記録に対しては、前記発生手段により前記インク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号を投入し、前記ラスタ記録とラスタ記録との間には前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
また他の発明によれば、インクを吐出する複数のノズルを配列したフルライン記録ヘッドを用い、前記ノズルの配列の方向とは異なる方向に記録媒体を搬送しながら、前記複数のノズルそれぞれに設けられた電気熱変換体にパルス信号を投入することで前記フルライン記録ヘッドからインクを吐出してラスタ記録を行う際の記録制御方法であって、前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号と前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせず前記電気熱変換体により加熱を生じさせる程度のパルス信号とを発生する発生工程と、前記フルライン記録ヘッドによるラスタ記録に対しては、前記インク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号を投入し、前記ラスタ記録とラスタ記録との間には前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法を備える。
従って本発明によれば、ラスタ記録とラスタ記録との間にインク吐出を伴わない程度の加熱を生じさせるパルス信号をフルライン記録ヘッドに対して投入することで、特別な機構をもたない記録ヘッドであっても記録動作中の温度調整を行なうことが可能となる。
これにより、記録のために使用されるノズルの偏りや、その位置による温度の不均一を低減することができ、記録濃度変化が抑えられ、画像品位を向上させることができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」(「ノズル」という場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)1の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、記録装置1は、ブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)の各インクを吐出する4つのヘッドユニット31〜34を有した記録ヘッド3を備えている。これらのヘッドユニットは後述する制御部により駆動され対応するインクのインク滴を吐出しカラー記録を行う。これらのヘッドユニットは夫々、記録媒体の幅に相当する記録幅を有している。従って、ヘッドユニットを移動させることなく、記録媒体を搬送するだけで高速な記録が可能な構成となっている。
このようなヘッドユニットを備えた記録ヘッドはフルライン記録ヘッドとも呼ばれる。
シート状の記録媒体(以下、シート)STは、給送部(不図示)から給送され、搬送ベルト2に静電吸着されて移動しつつ記録ヘッド3の下を通過する際に記録が行われる。
搬送ベルト2は円環状の帯部材であって駆動ローラ5、支持ローラ6、7によって張架され、回転駆動することによりシートSTを搬送する。また、クリーニング機構部8により搬送ベルト2に付着したインクを除去する。
また、シートSTを挟んで記録ヘッド3と対向する側には導電ブラシ12(後述)が設けられている。
図2は搬送ベルト2の構造を示す図である。
図2において、(a)は搬送ベルト2の上面図、(b)はその断面図である。
搬送ベルト2はベースとなる誘電体フィルム層9の搬送面と反対側の面に、図2(a)に示されているように、静電吸着手段として短冊状の電極を交互に配設したくし歯電極(第一電極群)10とくし歯電極(第二電極群)11とが形成されている。くし歯電極11の各電極はくし歯電極10の各電極間に設置、即ち、シートSTの搬送方向に交互に配置されている。くし歯電極10、11は、例えば、誘電体フィルム層9の表面に厚み35μm、幅8mmの電極を、8mmの間隔をおいて配置している。
搬送ベルト2の両端には給電手段として、図2(b)に示すように、導電ブラシ12が設けられている。導電ブラシ12は基材12aに導電性のブラシ12bを植えて構成されている。
図3は搬送ベルト2をシートの搬送方向と直交する方向から見た正面図である。
図3に示されているように、導電ブラシ12のブラシ12bが搬送ベルト2の誘電体フィルム層9のくし歯電極10、11に接触することで給電を行っている。
このように構成したくし歯電極10、11に電位差が生じると、静電力により吸着力を得ることができる。この実施例ではくし歯電極10、11の一方に接する導電ブラシ12を接地し、他方に接する導電ブラシ12に0.5〜2kV程度の電圧を印加して所定の静電気力を得るように構成している。そして、搬送ベルト2が回転すると、くし歯電極10、11は導電ブラシ12と摺動接触により給電を受けて静電吸着力を発生させ、シートSTが搬送ベルト2に吸着された状態で搬送される。
図4は、図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図4において、図1に示した構成要素と同一のものには、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図4に示す制御部20は、CPU21、プログラムを格納するROM22、制御に必要な作業用の一時的なデータを保存するRAM23、ゲートアレー24を含んでいる。ゲートアレー24は、駆動ローラ5の駆動制御信号、記録ヘッド3への画像信号および制御信号、クリーニング機構部8の駆動制御信号などを出力する。
ゲートアレー24を介して外部から受信した記録データはイメージメモリ25に一時的に記憶される。
なお、この実施例では1つのヘッドユニットに16個のノズルを持つとして説明する。
図5はブラック(K)インクを吐出するヘッドユニット31の詳細な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、16個のノズルは4ノズル毎の4つのノズルブロック311から構成されている。ヘッドユニットへの記録データは4ビットつづ転送されてくる。
記録データはクロック信号(CL)に従ってシリアル信号線(Data)により伝送され、シフトレジスタ313に格納される。4ビットの記録データが転送された後、ラッチ信号(Lt)が入力され、シフトレジスタ313に格納された記録データがラッチ312にラッチされる。ラッチされた4ビットの記録データはそれぞれ、4つのノズルブロック311に送られる。
ノズルブロック311は4ビットの記録データを4ノズルの内のどのノズルに適用するかを選択し、ヒート信号(HE)により記録のためのヒータに電力が供給され記録がなされる。ノズルの選択は選択信号(GS0,GS1)によりなされる。
また、この実施例で用いるヘッドユニットには温度センサ314a、314bが搭載されおり、ヘッドユニットの両端におかれている。温度センサ314aによって得られた温度情報は信号線Di1により、温度センサ314bによって得られた温度情報は信号線Di2により外部に取り出される。
図6はノズルブロック311の詳細な構成を示すブロック図である。
選択信号(GS0,GS1)によりANDゲート3114は4つのノズルのいずれかを選択する選択信号を出力する。ANDゲート3115は記録データ(DT)が存在すれば、ヒート信号(HE)を通過させる。そして、ANDゲート3113により前述選択信号に応じてドライバ3112をONさせて、各ノズルに対応した電気熱変換体(ヒータ)3111に電力が供給される。
以上のように4つのノズルのいずれか一つが選択され、記録データが存在すればヒート信号に応じてヒータが発熱する。
この実施例のヘッドユニットはノズルブロックが4つあり、各ブロックの一つのノズルが発熱するので4ノズル置きに4つのノズルが同時に発熱する。
図7はノズル同時発熱の様子をあらわす模式図である。
図7において、D1〜D16はノズルを示し、前述したようにノズルD1、D5、D9、D13は同時に発熱しグループGR0を構成する。同様に、ノズルD2、D6、D10、D14はグループGR1を、ノズルD3、D7、D11、D15はグループGR2を、ノズルD4、D8、D12、D16はグループGR3を構成する。従って、4回のヒートパルスの投入で、16ノズル全てがヒートされる。
なお、図7において、S1、S2は前述した温度センサである。
図8はインクを吐出して記録を行うために用いるパルスを示した図である。
この実施例ではヒータに対する駆動パルスの供給方法として、分割パルス幅変調駆動法を用いる。
これは従来より行なわれている方法である。まず、パルス幅が可変のプレヒートパルスP1を印加し、その後インターバルタイムP2の経過後、メインヒートパルスP3を印加する。プレヒートパルスP1は主にノズル内のインク温度を制御する為のパルスであり、ヘッドユニットの温度センサを利用した温度検知等によってパルス幅が変化する。インターバルタイムP2は、プレヒートパルスP1とメインヒートパルスP3が相互干渉しないように一定時間の間隔を設けたもので、ノズル内のインクの温度分布を均一化する働きがある。メインヒートパルスP3は、ヒータ上に発泡現象を発生させ、吐出口よりインク液滴を吐出させる役目がある。
図9はノズルのヒータ上に発泡が起こらない程度に加熱を行なうためのヒートパルスを示した図である。このヒートパルスはパルス幅が短いので、短パルスP4と呼ばれ、そのパルス幅は通常、記録に用いるヒート信号のパルス幅より短く制御される。
次に、タイミングチャートを参照しながらこの実施例に従う駆動方法について詳細に説明する。
図10は短パルスを用いない通常の記録の場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。
この図はゲートアレー24がヘッドユニット31に転送する信号を示している。
図10によれば、1本のラスタを記録する(1ラスタ記録)間に4回の記録データの転送と4回のヒート信号(HE)の供給がなされる。ヒート信号と記録データの転送を同時に行なうため、前回のヒート信号の供給時に転送がなされた記録データを用いてヒータが駆動される。前述したように、記録データ(Data)はクロック信号(CL)に従ってシフトレジスタ313に入力され、ラッチ信号(Lt)でラッチ312に記憶される。このようにしてグループGR0に対応した記録データはヒータの駆動に先立って既に転送が完了する。
従って、最初にグループGR0の4ノズルのヒータが駆動されると同時にグループGR1に対応する記録データが転送される。ヒータの駆動が終了すると最後にラッチ信号(Lt)が供給されてグループGR0のヒートサイクルが終了する。同様にしてグループGR1〜GR3の駆動がなされる。
図11は短パルスを用いない通常のラスタ記録を模式的に示す図である。
図11に示すような記録データ0,1が入力されたとき、上述のように信号が供給されてラスタ0,1が記録媒体上に記録される。ここで、●はインク吐出がなされたドットを示し、○はインク吐出がなされていないドットを示す。
続いて吐出周波数を2倍にして、通常のラスタ記録の間に短パルスによるヒータ駆動を行う例について説明する。
図12は通常のラスタ記録の間に短パルスによるヒータ駆動を行う場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。図12に示した1ラスタの記録は図10で説明したのと同様であるが吐出周波数だけが倍になっている。
以下は短パルスによるヒータ駆動を行う場合の各種信号の説明である。
ゲートアレー24は記録データを送出後、短パルスによるヒータ加熱を行なうためのデータ(以下、短パルスデータ)を生成する。短パルスデータを生成する簡便な方法としては、記録データを反転したデータを用いることである。ゲートアレー24は前述したラスタ記録のタイミングと同様に記録データを反転したデータを転送する。
そして、ヒート信号(HE)として、図9に示したような短パルスP4の信号を送出する。そのほかの信号はラスタ記録の時と同様に出力される。
このようにしてラスタ記録に続き短パルスによるヒータ加熱が行なわれる。
図13は吐出周波数を2倍にしたラスタ記録と短パルスによるヒータ加熱とを模式的に示す図である。ここで、●はインク吐出がなされたドットを示し、○はインク吐出がなされていないドットを示し、◎はインク吐出はなされず、ヒータが加熱されただけのノズルを示す。
図13において、記録データ0,1は図11と同様である。図13に示されるように、2つの記録データの間に記録データを反転した短パルスデータ0,1が挟み込まれる。従って、結果的には、記録媒体上には図11に示したのと同じ記録がなされる。
しかしながら、ラスタ記録の間に、短パルスよりによるヒータ加熱がなされているのでノズル内のインクが加温され、温度変化による濃度ムラが低減される。
ゲートアレー24は、ヘッドユニットに設けられた温度センサS1、S2からの情報により短パルスP4のパルス幅を適宜制御する。また、温度が高い場合には短パルスを印加しないように、ゲートアレー24は短パルスデータの間引きを行なう。
次に短パルスは、通常の記録に用いるヒート信号のパルス幅より短いことを利用して記録速度を向上させる例について説明する。
図14は通常のラスタ記録の間に短パルスによるヒータ駆動を行いつつ、記録速度の向上を図る場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。
ゲートアレー24の生成する信号に関し、ラスタ記録の部分は図12と同様である。一方、短パルスによるヒータ駆動の時には記録データの転送時間さえ確保しておけばヒートのサイクル時間を短くしてもよい。従って、図14に示すように、ゲートアレー24は短パルスによるヒータ駆動時のヒートサイクルが短くなるように各種信号を出力し、全体のサイクルを短縮している。
なお、短パルスP4による加熱はそのパルス幅T4或は短パルスP4の振幅値の両方あるいはどちらか一方をゲートアレー24により制御することによりなされる。このとき、そのパルスは図9に示すように1つのパルスでも良いし、複数のパルスでも良い。
さらに、短パルスを印加するノズル位置は記録データの存在する位置でも良く、温度センサにより検知された結果に従い、温度が低い部位には通常のパルスに加え短パルスを印加することで迅速に加熱するように制御しても良い。
図15は記録のためパルスと加温のためのパルスを同じ場所に印加している様子を示す図である。
図15の例では、左から3つのノズルに対してラスタ記録の間に短パルスを印加している。
従って以上説明した実施例に従えば、記録周波数を上げラスタ記録の間に短パルスによるヒータ加熱を挟み込み、記録ヘッドの温度を調整することができる。これにより、特別な機構を持たない記録ヘッドであっても、記録動作中に適宜短パルスを印加して、記録ヘッドの温度の不均一を低減し、記録品位の向上に寄与することができる。
また、以上説明した実施例の記録ヘッドはグループ内は同一のヒートパルスが印加されるので記録用のパルスと短パルスは同時に印加できない。以上説明した記録制御方法はこのような特別な機構を持たない記録ヘッドに特に有効であると言える。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。さらには、本発明は各種処理装置と複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の概略構成を示す断面図である。 搬送ベルト2の構造を示す図である。 搬送ベルト2をシートの搬送方向と直交する方向から見た正面図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 ブラック(K)インクを吐出するヘッドユニット31の詳細な構成を示すブロック図である。 ノズルブロック311の詳細な構成を示すブロック図である。 ノズル同時発熱の様子をあらわす模式図である。 インクを吐出して記録を行うために用いるパルスを示した図である。 ノズルのヒータ上に発泡が起こらない程度に加熱を行なうためのヒートパルスを示した図である。 短パルスを用いない通常の記録の場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。 短パルスを用いない通常のラスタ記録を模式的に示す図である。 通常のラスタ記録の間に短パルスによるヒータ駆動を行う場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。 吐出周波数を2倍にしたラスタ記録と短パルスによるヒータ加熱とを模式的に示す図である。 通常のラスタ記録の間に短パルスによるヒータ駆動を行いつつ、記録速度の向上を図る場合に用いられる各種信号のタイミングチャートである。 記録のためパルスと加温のためのパルスを同じ場所に印加している様子を示す図である。
符号の説明
ST シート
1 記録装置
2 搬送ベルト
3 記録ヘッド
5 駆動ローラ
6、7 支持ローラ
8 クリーニング機構部
9 誘電体フィルム層
10、11 くし歯電極
12、13 導電ブラシ
20 制御部
24 ゲートアレー
31 ヘッドユニット

Claims (9)

  1. インクを吐出する複数のノズルを配列したフルライン記録ヘッドを用い、前記ノズルの配列の方向とは異なる方向に記録媒体を搬送しながら、前記複数のノズルそれぞれに設けられた電気熱変換体にパルス信号を投入することで前記フルライン記録ヘッドからインクを吐出してラスタ記録を行う記録装置であって、
    前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号と前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせず前記電気熱変換体により加熱を生じさせる程度のパルス信号とを発生する発生手段と、
    前記フルライン記録ヘッドによるラスタ記録に対しては、前記発生手段により前記インク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号を投入し、前記ラスタ記録とラスタ記録との間には前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録を行うための記録データを入力する入力手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録データの値を反転させることで、前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を生成するためのデータを生成する生成手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記フルライン記録ヘッドは、
    ブラックインクを吐出するヘッドユニットと、
    シアンインクを吐出するヘッドユニットと、
    マゼンタインクを吐出するヘッドユニットと、
    イエロインクを吐出するヘッドユニットとを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記ヘッドユニットには、温度を検知する温度センサが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記温度センサからの温度情報に基づいて、前記ラスタ記録とラスタ記録との間には前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するよう制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段はさらに、前記加熱を生じさせる程度のパルス信号のパルス幅と振幅との内、少なくともいずれかを変化させることで前記電気熱変換体に投入するエネルギーを調整することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記制御手段はさらに、1ラスタ記録に要する時間より、前記ラスタ記録と次のラスタ記録との間に前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するのに要する時間を短くするよう制御することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. インクを吐出する複数のノズルを配列したフルライン記録ヘッドを用い、前記ノズルの配列の方向とは異なる方向に記録媒体を搬送しながら、前記複数のノズルそれぞれに設けられた電気熱変換体にパルス信号を投入することで前記フルライン記録ヘッドからインクを吐出してラスタ記録を行う際の記録制御方法であって、
    前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号と前記フルライン記録ヘッドからインク吐出を生じさせず前記電気熱変換体により加熱を生じさせる程度のパルス信号とを発生する発生工程と、
    前記フルライン記録ヘッドによるラスタ記録に対しては、前記インク吐出を生じさせ記録を行うためのパルス信号を投入し、前記ラスタ記録とラスタ記録との間には前記加熱を生じさせる程度のパルス信号を投入するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする記録制御方法。
JP2007224610A 2007-08-30 2007-08-30 記録装置、及びその記録制御方法 Abandoned JP2009056649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007224610A JP2009056649A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 記録装置、及びその記録制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007224610A JP2009056649A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 記録装置、及びその記録制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009056649A true JP2009056649A (ja) 2009-03-19

Family

ID=40552847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007224610A Abandoned JP2009056649A (ja) 2007-08-30 2007-08-30 記録装置、及びその記録制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009056649A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016159618A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録ヘッド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016159618A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録ヘッド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5003457B2 (ja) 印刷装置
JP4321600B2 (ja) インクジェットプリンタ
EP1060891B1 (en) Recording head and recording apparatus
JP5072573B2 (ja) 記録装置及び記録ヘッドの制御方法
JP2008080740A (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動装置、駆動方法、駆動用データ作成プログラム、及び液滴吐出装置
JP2008143066A (ja) インクジェット記録装置及び駆動制御方法
JP2004168036A (ja) インクジェット記録装置およびその駆動制御方法、並びに制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP4856806B2 (ja) 記録ヘッド、記録ヘッド用基体および記録装置
JP4965906B2 (ja) 画像形成装置およびデータ生成方法
US9242458B2 (en) Ink jet recording apparatus
JP2009056649A (ja) 記録装置、及びその記録制御方法
JP2008200972A (ja) インクジェットプリンタ
JP4799389B2 (ja) ヘッド基板、記録ヘッド、ヘッドカートリッジ、及び記録装置
JP2863242B2 (ja) インクジェット記録装置および方法
JP5451042B2 (ja) 記録ヘッド及び記録装置
JP2009166257A (ja) インクジェット記録ヘッド、ヘッドカートリッジ及び記録装置
JP4532890B2 (ja) 記録ヘッドおよび該記録ヘッドを備えた記録装置
JP2011126172A (ja) インクジェット記録装置
JP2008055870A (ja) 端部温度低下を防ぐヘッド構成
JP2008023921A (ja) ラインプリンタ
JP2007168367A (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及びヘッド駆動方法
JP2005193393A (ja) 画像記録装置
JP2006168152A (ja) インクジェット記録装置及び該装置の不吐出検出制御方法
JP5230093B2 (ja) 素子基板、記録ヘッド、記録装置
JP2006198793A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100827

A762 Written abandonment of application

Effective date: 20101109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762