JP2009056617A - 凹版印刷機の着肉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 凹版印刷機の着肉装置として、先行技術以上にインキ転移を向上させ、印刷物品質を良好にし、併せてインキの過剰供給を防止するとともに、インキが有する機能成分を検出することでインキ特性を保証し、更には凹版版面との適正な見当合わせが実現できる凹版印刷機の着肉装置を提供する。
【解決手段】 凹版印刷機において、凹版胴に装着された凹版版面の画線部に、凹版版面に接触するよう設けられた着肉ローラによって凹版インキを供給する着肉装置であって、着肉ローラが少なくとも二つ以上設けられている態様である凹版印刷機の着肉装置とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、凹版印刷機の着肉装置に関し、特に適正なインキの転移を実現する技術に関するものである。
一般的な凹版印刷機の概略構成図を図12に示す。凹版胴(6)の周面には、非画線部としての平面と画線部としての凹部とで形成された凹版版面(7)が装着されており、当該凹版版面(7)には、余剰インキを拭き取るワイピングローラ(8)が対設されている。他方、凹版版面(7)には、円周方向にわたり所定の間隔にて、複数の着肉ローラ(1)が配設されている。
これら着肉ローラ(1)には、インキ壺(4)及び壺ローラ(2)がそれぞれ対設しており、インキ壺(4)には、それぞれ異なった機能及び色彩を有するインキ(3)が貯えられている。凹版印刷作業は、各インキ壺(4)のインキ(3)を壺ローラ(2)からローラ群を経て、均一皮膜になった状態として、着肉ローラ(1)を介して凹版胴上の凹版版面(7)に転移供給させ、この転移したインキのうち、画線部分以外の箇所に付着したインキを凹版版面(7)に圧接して回転するワイピングローラ(8)にて拭き取った後、凹版胴(6)と圧胴(5)との間を通過するシートに残った画線部分のインキを転写させて印刷を施すものである。
一般に凹版印刷機の着肉ローラ(1)は、一つのインキに対して一つ配置されており、凹版版面(7)の絵柄画線を覆う形態の表層を有しているものである。まれに着肉ローラ(1)における表層の彫刻精度が悪い場合があり、この場合、頻繁に着肉ローラ(1)の位置調整を実施しなければならないことから、一般には若干大きめの表層形態とした着肉ローラが汎用されている。
一般に使用する凹版印刷に用いる着肉ローラ(1)は、凹版版面(7)の画線にインキを供給できれば良く、画線を大きく被覆した領域の表層を有していれば良かった。極端にいえば、表層を表面に凹凸のない平滑な円筒体である“ベタ仕様”とした着肉ローラでも良かった。しかし、昨今、各種機能成分を盛り込んだインキが主流となっているため、インキの混色が懸念されていた。また、機能成分を盛り込んだ凹版インキのコストが高価であることから、余剰インキの削減が求められていた。さらに、過剰なインキ供給は、余剰インキの拭き取りを困難にすることから、生産性を悪くするばかりでなく、凹版印刷製品の品質を阻害するものであった。
近年、証券印刷に用いる凹版印刷製品には、精巧な品質が求められており、インキの過剰供給は、印刷品質のアバレにつながることから敬遠されている。また、インキ消費の増大によるコスト負荷や着肉ローラの耐久性を阻害する要因となっていたことから、インキの適正供給が強く求められている。
このような背景から証券類(例えば、銀行券)を対象とした凹版印刷に用いる着肉ローラは、精密な彫刻を施したものが使用されている。しかし、着肉ローラの母材がゴム素材(例えば、NBR:ニトリルゴム)又は樹脂素材(例えば、PVC:塩化ビニル)であることから、使用に伴い母材特性や印刷環境の影響により摩滅損耗することから、精密な表層形態を維持し続けることが困難となり、時に着肉ローラに対向する凹版版面との見当合わせが十分でなくなる場合がある。この見当合わせについては、ローラ全体の見当調整を行わなくてはならず、場合によっては着肉ローラに再加工を施すことやローラそのものを交換せざるを得ない場合があった。特に、証券印刷製品などのように1枚のシートにおいて同一模様が多面設計されている場合、見当合わせが十分でないときは、1枚のシート内において印刷製品の品質アバレが発生し、所望する印刷品質を必ずしも満足することができない。
この問題点を解消する方策として、少なくとも一つのベースプレート及び載置材料を有するインキプレートに関し、載置材料の表面は、エンボス領域にカットできる設計であり、その領域の形状は、インキを塗布する表面の形状に対応する。載置材料は、ベースプレート表面の主要部上に堆積分布される少なくとも一つのPVC配合物層から成る回転印刷機用インキプレートがある(例えば、特許文献1参照)。
また、ローラ表面に着肉部分を持つ資材を貼り付けて構成したことを特徴とする凹版印刷用着肉ローラ、ローラ表面の着肉部分以外に、溌水又は溌油性樹脂材を塗布して構成することを特徴とする凹版印刷用着肉ローラがある(例えば、特許文献2参照)。
特表2003−514698号公報 特開2001−191495号公報
上述した先行技術である特許文献1を用いた場合、回転印刷機用インキプレートは、製造コストが廉価であり、かつ、フォトポリマープレートよりも寿命が長い。さらに、この発明によるインキプレートは、インキプレートが印刷機に設置されるときにレリーフ領域が変形しないように、シリンダ上に取り付けられるプレート上にレリーフ領域が形成されるので、製造が一層簡単である。
しかしながら、特許文献1の技術は、従来の着肉ローラと同様に時間経過とともに摩滅損耗することに変わりなく、着肉ローラの表層を凹版版面の図柄に対応して精巧に設計すると、場合によっては、凹版版面の凹部にインキを充填できない場合があり、所望する高品質な凹版印刷製品を得ることができない。これらの対策として、凹版版面と着肉ローラ間における見当調整を頻繁に実施しなければならず、特許文献1の技術は、長期的で、連続性の高い印刷製品(例えば、銀行券や諸証券)には適さず、少量多種の凹版印刷にのみ用いられるものである。
また、特許文献2を用いた場合、従来の凹版印刷における凹版胴のインキの多量消費や、それを避けるために行われる着肉ローラの加工上の問題を解決し、印刷パターンの変更により着肉ローラの変更が余儀なくされ、それに多大の費用、労力及び時間を要したことを解決して、そのような取替作業を不要とし、着肉ローラを据付けのまま、再三の使用が可能となり、有用である。
しかしながら、特許文献2の技術は、近年、凹版印刷の高速化、凹版版面の深凹版や細画線の採用等、取り巻く環境が大きく変化し、従前以上に効果的なインキの転移が求められ、凹版胴と着肉ローラとの間の接触を強圧とせざるを得ず、本手段のようにローラ表面に感光性樹脂版を着け、ローラ体の表面に貼り付けて構成した方法では、着肉ローラの堅牢性を満足することができなくなり、少しの使用においても極度に劣化する場合があった。また、着肉ローラ表面に一度感光性樹脂版を貼り付けた後は、対向する凹版版面の図柄との見当合わせに自由度がないことから、必要の都度、感光性樹脂版の貼り直しを行わなければならず、有用な技術であるとはいえない。さらに、上述した先行技術にある着肉装置は、こと見当合わせに関する対策が施されておらず、少なからず改善の余地があった。
このような背景において、先行技術以上にインキ転移を向上させ、印刷物品質を良好にし、併せてインキの過剰供給を防止するとともに、凹版版面との適正な見当合わせが実現できる凹版印刷機の着肉装置が求められていた。また、インキに含まれる機能成分を容易に検知し、印刷物に求められる機能成分をリアルタイムに保証できる凹版印刷機の着肉装置が求められていた。
上記のような課題を解決するため、本発明の凹版印刷機の着肉装置は、凹版印刷機において、凹版胴に装着された凹版版面の画線部に、凹版版面に接触するよう設けられた着肉ローラによって凹版インキを供給する着肉装置であって、着肉ローラが少なくとも二つ以上設けられている態様としたものである。
また、少なくとも二つ以上設けられた着肉ローラが、同一軸上に並列して設けられている態様としたものである。
また、凹版版面の特定部位に対応した特定パターンを形成する着肉ローラにおける表層の一部が着肉プレートとして取付け及び/又は取外しをすることが可能である態様としたものである。
また、着肉ローラは、着肉プレートの軸方向への位置調整機構と回転方向への位置調整機構とから構成される見当位置調整機構を有している態様としたものである。
また、着肉装置は、外径の異なる着肉ローラを少なくとも一つ以上含んでいる態様としたものである。
また、着肉プレートは、NBR、FKM、PVC又はPEFEの材質のうち、少なくとも一つの材質を含んでいる態様としたものである。
また、着肉プレートは、白色、透明色又は半透明色の中から選択される表面色を有している態様としたものである。
また、着肉プレートは、内面に各種機能成分を検出することが可能である検出装置を取設している態様としたものである。
さらに、着肉装置は、回転駆動を制御する駆動装置を取設している態様としたものである。
本発明の凹版印刷機の着肉装置は、凹版版面の図柄との見当合わせが正確であり、着肉ローラの表層領域を過剰に大きく設定する必要がないことから、余剰なインキの転移が解消される。同時に他部位からの特性の異なるインキ混入を抑制できるとともに、検出装置により監視することもできることから、均質な製品を長期間にわたり連続的かつ安定的に得ることが可能となるといった充実した品質管理が実現できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機の着肉装置は、必要最小限のインキの供給で済むことから、インキ消費の削減が図れるとともに、インキ転移不良及びインキ混色による損紙の発生が抑制できることから、これらに伴うコストが削減でき、凹版印刷にかかるコストの低廉化が実現できるという効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機の着肉装置は、ローラが極端に摩滅損耗した場合、その箇所の着肉プレートのみを取り替えれば良く、一箇所の摩滅損耗にて着肉ローラを取り替える必要がなくなることから、従前まで実施していたオペレータによる頻繁な見当調整や摩滅損耗による着肉ローラの交換頻度が少なくて済み、印刷機械の不稼働時間が低減できるといった効果を奏する。
また、本発明の凹版印刷機の着肉装置は、着肉ローラの円周径を基準径からわずかに大きく設計した着肉ローラを用いている箇所もあり、凹版版面に対するスリップ現象を高進させることで、凹版版面の凹部を深く設計した箇所へのインキを充填でき、品質の良い凹版印刷製品を得ることができるという効果を奏する。
さらに、本発明の凹版印刷機の着肉装置を用いることで、従前までオペレータにより行われていたシートのサンプル抽出による各種機能成分の観察及び確認することが減少するとともに、サンプル抽出回数がごくわずかで済むことから、作業性の大幅な効率化が図れるという効果を奏する。
図1及至図12に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1は本発明における凹版印刷機の着肉装置の概略図であり、図2、図5及び図6は別形態の着肉装置の概略図である。また、図4及び図3は着肉プレートの取付状態、着肉プレートの見当位置調整機構の概略図である。また、図7は着肉ローラの駆動装置の概略図、図10は着肉プレートの内面に埋め込んだ検出装置の概略図である。また、図8は着肉プレートの材質を変更した場合の着肉装置の一例を、図9は着肉プレートの表面色を変更した場合の着肉装置の一例をそれぞれ示す断面模式図である。さらに、図12は一般的な凹版印刷機の概略図、図11は一般的な着肉装置(着肉ローラ)の概略図である。
図12に示す一般的な凹版印刷機は、インキ壺(4)のインキ(3)を壺ローラ(2)を介して凹版胴(6)に装着された凹版版面(7)に転移させる着肉ローラ(1)とから構成され、凹版胴(6)に対向する位置に、一方は印刷圧力を付与する圧胴(5)を、他方は凹版版面(7)の余剰インキを除去するためのワイピングローラ(8)が存する形態である。
また、図11に示す一般的な凹版印刷機の着肉ローラ(1)は、軸芯(9)にPVC、NBR、エボナイトといった樹脂及び/又はゴムを少なくとも一層以上巻き付けており、その最上層である表層は、凹版版面(7)の図柄に見合った形状に加工が施されている形態である。
一方、図1に示すように本発明の凹版印刷機の着肉装置は、軸芯(9)に樹脂及び/又はゴムが巻き付けられた着肉ローラ(11)が一つの軸に複数存する形態である。それぞれの着肉ローラ(11)の間には、着肉ローラ(11)の振れを防止するため、軸芯(9)に図示しない干渉部材を設ける場合もある。また、本発明の着肉装置は、図2に示すように着肉ローラ(12)の回転方向に面分割した形態とする場合もあり、それぞれが着肉プレート(22)として、取付け及び/又は取外しができる形態である。さらに、図3(a)に示すように着肉ローラ(12)は、着肉プレート(22)の軸方向への位置を調整する位置調整機構(14)及び回転方向への位置を調整する位置調整機構(15)から構成され、それぞれの見当位置を制御調整する見当位置調整機構(23)を有しており、凹版版面に対する天地左右の見当合わせを着肉プレートごとに行うことができる形態である。図3(b)は、着肉プレート近傍を拡大した概略図を示している。着肉プレート(22)の見当合わせは、見当位置調整機構(23)にある図示しない見当調整用ツマミを回転させることで、0.5mm単位の位置調整が可能である。
また、図4に示すように本発明の着肉装置における着肉ローラ(12)は、画線に応じたレリーフ加工を施した着肉プレート(22)を任意に取付け及び/又は取外しができる形態である。ここで、図4(a)には着肉プレート(22)装着前の着肉ローラの外観模式図を、図4(b)には着肉プレート(22)の装着後の外観模式図を示している。着肉プレート(22)は、着肉ローラ(12)にある金属(例えば、アルミニウム)にて作製されたプレートはめ込み用溝(10)に嵌合され、図示しない固定冶具により確実に固定されることになる。
また、図5に示すように本発明の着肉装置は、一つの軸芯(9)に存する着肉ローラのうち、円周径の大きさを領域X変化させた着肉ローラ(13)を含んでいる形態とする場合もある。また、図6に示すように、一つの軸芯(9)に存する着肉ローラのうち、円周径の大きさが二つ以上異なる形態とする場合もある。ここでは、凹版版面(7)における有効版面長と等しい長さの円周径を有する着肉ローラ(11)を基準として、円周径を領域X大きく設定した着肉ローラ(13)と領域Y大きく設定した着肉ローラ(13’)を含む形態である。基準となる着肉ローラ(11)と比較して円周径をわずかに大きく設定することで、着肉ローラ(13)は、凹版版面(7)より圧縮力を受けて変形し、そのニップ部分は、そうでない部分より速く進むことにより発生するスリップ現象により押し込まれるため、その部位におけるインキ(3)の転移を多く設定することができることになる。これらは、高粘度インキ(粘度50Pa・S[30℃])を用いた場合において、凹版版面(7)における画線の凹部深度が深い箇所へのインキ供給に有用である。
また、図7に示すように駆動装置(16)により、着肉ローラ(11、11’、11’’)は、単独で駆動することでき、それぞれの着肉ローラ(11、11’、11’’)の周速をコントロールすることができる。軸芯(9)には、それぞれの着肉ローラ(11、11’、11’’)と嵌合する図示しないギヤが設置されており、駆動装置(16)からの動力が伝播し、ギヤの回転を制御することになる。それぞれの着肉ローラ(11、11’、11’’)の周速をコントロールすることは、インキ転移を任意に調整できる手段の一つであり、着肉ローラの周速を早く設定するとインキの転移が向上することになり、周速を遅く設定するとインキの転移が低下することになる。
また、図10(a)に示すように着肉プレート(22)の内面には、インキ(3)の機能成分を検出するための検出装置(21)を埋設した形態とする場合もある。図10(b)は、検出装置(21)の形態を説明するための一部拡大図である。着肉ローラ(12)に嵌合した着肉プレート(22)の内面に検出装置(21)が埋設されており、着肉プレート(22)の表層に存するインキ(3)の機能成分を検出する形態である。ここで、着肉プレート(19)への検出装置(21)の埋設位置を1mmとした。検出装置(21)の埋設位置を1mmより沈んだ位置に埋設すると対象物への距離が増加することから、検出データが正確なものでなくなり、検出装置(21)の埋設位置を1mm未満の位置にすると対向する凹版版面(7)との接触時の衝撃によりノイズを多々拾うことになり、正確な検出データを得ることが難しくなる。なお、検出装置(21)により検出したデータは、電波により図示しない表示装置に出力することができる。
また、図8には、着肉ローラ(12)の断面模式図を示しているが、本発明の着肉装置における着肉プレート(22)の材質をNBRとしたNBR製着肉プレート(17)又はPVCとしたPVC製着肉プレート(18)とする場合もある。使用するインキの特性に合わせて着肉プレート(22)の材質を任意選択することになる。場合によっては、それぞれの材質の特性を活かすために材質を混合して使用する場合もある。例えば、NBRにFKM(フッ素ゴム)を20%添加させ耐油性を改善した材質とする場合や、PVCにPEFE(ポリテトラフルオロエチレン;フッ素樹脂)を10%添加させ、耐磨耗性を改善した材質とする場合がある。また、その他の材質としてVMQ(シリコーンゴム)、ACM(アクリルゴム)、IIR(ブチルゴム)、CSM(ハイパロン)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PI(ポリイミド)を用いる場合もある。
さらに、図9は、着肉プレート(22)の表面色を変化させた場合を示す断面模式図であるが、着肉プレート(22)の表面色を透明色とした透明色着肉プレート(19)又は白色とした白色着肉プレート(20)とする場合もある。着肉プレート(22)の表面色は、透明樹脂を用いることで透明色(19)とすることや、NBR基材に酸化チタンを2〜3%配合させることで白色(20)とすることができる。着肉プレート(22)の表面色を透明色とすることで検出装置をローラ内面に設置した際、インキ特性の検出が容易となり、また、着肉プレート(22)の表面色を白色(20)とすることで、インキ(3)の転移状態を確認することが容易となる。
本発明における実施の例示について説明する。図1に示すように本発明の凹版印刷機の着肉装置は、一つの軸芯にφ260mmの着肉ローラが4本あり、それぞれの着肉ローラは、軸芯にエボナイトを巻き付け、最上層をNBRで被覆したものである。着肉ローラを回転方向又は軸方向へ移動させることで、凹版版面の図柄列ごとに対する見当調整を行うことができる。移動させた着肉ローラ(11)は、適切な位置において図示しない着肉ローラ固定冶具にて確実に固定される。軸芯(9)には目盛りが刻んであり、着肉ローラ(11)の微調整は、0.5mm単位の調整が可能である。また、着肉ローラが摩滅損耗した場合、対象となっている着肉ローラのみを交換することで、再び凹版印刷することが可能である。
また、図5に示すように、凹版印刷機の着肉装置における着肉ローラ(13)の一つの円周径を大きく設定した場合、インキの種類によっては、凹版版面とのスリップが向上することになる。ここで、着肉ローラ(13)の円周径は、凹版版面(7)における有効版面長と等しい長さの円周径を有する着肉ローラ(11)がφ260mmであるのに対して、その直径をおよそ2%大きく設定したφ265mmとした。また、図6に示すように、凹版印刷機の着肉装置における着肉ローラの円周径を二つ以上異なる大きさに設定した場合もある。ここでは、凹版版面(7)における有効版面長と等しい長さの円周径を有する着肉ローラ(11)を基準として、円周径の直径をおよそ2%大きく設定したφ265mmの着肉ローラ(13)と円周径の直径をおよそ3%大きく設定したφ268mmの着肉ローラ(13’)を一つの軸芯(9)に設けている。着肉ローラの円周径をφ260mmよりも小さく設定すると満足するインキの転移が望めなくなり、着肉ローラの円周径をφ268mmよりも大きく設定すると着肉ローラに対する衝撃が増加し、着肉ローラの摩滅損耗を助長することになり有用でない。なお、本実施例では、粘度50Pa・S[30℃]酸化重合タイプの凹版印刷用インキを使用した。
また、図7に示すように、本発明の凹版印刷機の着肉ローラは、駆動装置(16)により、着肉ローラ(11、11’、11’’)の回転速度をコントロールすることができる。着肉ローラの周速を凹版版面(7)の1版あたりの回転速度より早く設定した場合(周速比を1.1倍;39rpm)は、インキ(3)の転移量が増大し、遅く設定した場合(周速比を0.9倍;30rpm)は、インキ(3)の転移量が減少した。
図2及び図3に示すように、本発明の凹版印刷機の着肉装置は、着肉ローラ(12)の表層が着肉プレート(22)として取付け及び/又は取外しをすることができ、見当位置調整機構(23)により、軸方向への位置調整機構(14)及び回転方向への位置調整機構(15)を制御でき、着肉プレートごとの天地左右方向へ図柄ごとの微調整が可能である。移動させた着肉プレート(22)は、適切な位置において図示しない着肉プレート固定冶具にて確実に固定される。着肉ローラ(12)における着肉プレート(22)の取付箇所近傍には目盛りが刻んであり、着肉プレート(22)の微調整は、0.5mm単位の調整が可能である。また、着肉プレート(22)が部分的に摩滅損耗した場合、対象となっている着肉プレート(22)を交換することで、再び凹版印刷することが可能である。
また、図4に示すように、着肉ローラ(12)への着肉プレート(22)の取付け及び/又は取外しは、着肉プレート(22)がプレートはめ込み用溝(10)を伝い、所定位置まで嵌合され、着肉プレート(22)の一方がプレートはめ込み用溝(10)の端部にある図示しない規制金具まで挿入され、着肉プレート(22)が図示しない固定冶具により確実に固定できる。
また、インキ(3)を直接的に転移させる着肉プレート(22)における表層の材質は、インキ転移に影響を及ぼすことになる。図8に示すように、任意選択される凹版インキを用いて着肉プレート(22)にNBR製着肉プレート(17)を使用した箇所は、枚葉紙10万枚程度の印刷において、インキ(3)の転移量は、除々に減少し、かつ、着肉プレート(22)の表層にインキ堆積が増大する結果となった。一方、PVC製着肉プレート(18)を用いた場合、同様の条件において、インキ(3)の転移量は、あまり変化せず、かつ、着肉プレート(22)の表層にインキの堆積し難い結果となった。
また、図9及び図10に示すように、透明樹脂(アサフレックス;旭化成株式会社)により透明色の着肉プレート(19)作製し、その内面(着肉プレートの表層位置から約1mm沈んだ位置)に検出装置(21)を埋設させ、凹版印刷を実施したところ、インキ(3)に含まれる機能成分の検出が可能であった。また、インキ(3)の色彩を十分に検出することも可能であった。さらに、NBR基材に酸化チタン(テイカ株式会社)を3%配合して作製した表面が白色である着肉プレート(20)を使用したところ、インキ(3)の転移状態を容易に確認することができた。
上述した実施例は、あくまで例示の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている範囲において、あらゆる実施の形態が存在することは言うまでもない。なお、実施例では、着肉ローラ(12)への着肉プレート(22)の取付け及び/又は取外しにプレートはめ込み用溝を用いたが、着肉プレート(22)が確実に固定されれば良く、当然、磁力を用いることで、着肉ローラ(12)へ着肉プレート(22)を固定する場合なども容易に推量できるものである。
本発明における凹版印刷機の着肉装置を示すの概略図である。 本発明における別形態の凹版印刷機の着肉装置を示す概略図である。 本発明における着肉プレートの見当位置調整機構を示す概略図である。 本発明における着肉プレート取付状態を示す概略図である。 本発明における別形態の凹版印刷機の着肉装置を示す概略図である。 本発明における別形態の凹版印刷機の着肉装置を示す概略図である。 本発明における着肉ローラの駆動装置を示す概略図である。 本発明における着肉プレートの材質を変更した場合の一例を示す模式図である。 本発明における着肉プレートの表面色を変更した場合の一例を示す模式図である。 本発明における着肉プレート内面に存する検出装置を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機の着肉装置の一例を示す概略図である。 一般的な凹版印刷機の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 一般的な着肉ローラ
2 壺ローラ
3 インキ
4 インキ壺
5 圧胴
6 凹版胴
7 凹版版面
8 ワイピングローラ
9 軸芯
10 プレートはめ込み用溝
11 着肉ローラ
11’ 着肉ローラ
11’’ 着肉ローラ
12 着肉プレートを有する着肉ローラ
13 円周径を変化させた着肉ローラ
13’ 円周径を変化させた着肉ローラ
14 軸方向への位置調整機構
15 回転方向への位置調整機構
16 駆動装置
17 NBR製着肉プレート
18 PVC製着肉プレート
19 透明色着肉プレート
20 白色着肉プレート
21 検出装置
22 着肉プレート
23 見当位置調整機構
X 着肉ローラの円周径の差異
Y 着肉ローラの円周径の差異

Claims (9)

  1. 凹版印刷機において、凹版胴に装着された凹版版面の画線部に、前記凹版版面に接触するよう設けられた着肉ローラによって凹版インキを供給する着肉装置であって、前記着肉ローラが少なくとも二つ以上設けられていることを特徴とする凹版印刷機の着肉装置。
  2. 前記少なくとも二つ以上設けられた着肉ローラが、同一軸上に並列して設けられていることを特徴とする請求項1記載の凹版印刷機の着肉装置。
  3. 前記凹版版面の特定部位に対応した特定パターンを形成する前記着肉ローラにおける表層の一部が着肉プレートとして取付け及び/又は取外しをすることが可能であることを特徴とする請求項1及び2記載の凹版印刷機の着肉装置。
  4. 前記着肉ローラは、前記着肉プレートの軸方向への位置調整機構と回転方向への位置調整機構とから構成される見当位置調整機構を有していることを特徴とする請求項1及至3記載の凹版印刷機の着肉装置。
  5. 前記着肉装置は、外径の異なる着肉ローラを少なくとも一つ以上含んでいることを特徴とする請求項1及至4記載の凹版印刷機の着肉装置。
  6. 前記着肉プレートは、NBR、FKM、PVC又はPEFEの材質のうち、少なくとも一つの材質を含んでいることを特徴とする請求項1及至5記載の凹版印刷機の着肉装置。
  7. 前記着肉プレートは、白色、透明色又は半透明色の中から選択される表面色を有していることを特徴とする請求項1及至6記載の凹版印刷機の着肉装置。
  8. 前記着肉プレートは、内面に各種機能成分を検出することが可能である検出装置を取設していることを特徴とする請求項1及至7記載の凹版印刷機の着肉装置。
  9. 前記着肉装置は、回転駆動を制御する駆動装置を取設していることを特徴とする請求項1及至8記載の凹版印刷機の着肉装置。
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