JP2009056352A - 塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリア塗料を塗布し、3層を同時に焼き付け硬化させる3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)において、塗膜の黄変を抑制し、優れた仕上がり外観を得ることができる塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】耐チッピング塗料が塗装された部材の上に、水性塗料で中塗りする中塗り(第1コート)工程と、中塗りされたウエット状態の部材を水性塗料でベース塗装するベース塗装(第2コート)工程と、ベース塗装されたウエット状態の部材をクリア塗装するクリア塗装(第3コート)工程と、塗装された3層((第1〜3コート層))を一度に焼き付け硬化させる焼付け(ベーク)工程からなる塗膜形成方法であって、該耐チッピング塗料が、接着付与剤として、加熱によりイソシアネートを再生するブロックイソシアネート化合物を含有することを特徴とする塗膜形成方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車車体等を塗装する際に、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリア塗料を塗布し、3層を同時に焼き付け硬化させる3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)において、塗膜の黄変を抑制し、優れた仕上がり外観を得ることができる塗膜形成方法に関する。
自動車の床裏、サイドシル、フエールタンク、フロントエプロン、タイヤハウス等には、防錆、防音を目的に耐チッピング塗料が塗布されている。従来、この耐チッピング塗料は、塩化ビニル樹脂を主剤とし、アミン系接着付与剤を含有する、いわゆる塩ビゾル塗料が主体であった。
自動車ボディを構成する金属や樹脂からなるパネルなどの部材の塗装方法として、まず、電着塗装により下塗りし、次いで、中塗りした後、仕上げに上塗りすることが、広く知られている。また、上塗り工程では、まず、着色塗料でベース塗装し、その後、クリア塗料でクリア塗装することが普及している。
上述の多層塗膜を得るための塗装工程として、素材に対して電着塗装により下塗り塗装をした後、加熱硬化させ、その上に中塗り塗装をして加熱硬化させ、さらにその上に着色塗料でベース塗装し、その後クリア塗料でクリア塗装して、ベース塗装とクリア塗装を一緒に加熱硬化させる工程を行っていた(3コート2ベーク(3C2B)法)。
3コート2ベーク(3C2B)法の多層塗膜の塗装工程によれば、十分に意匠性を満足できる塗膜を形成することができるが、各加熱硬化工程により塗装工程が長時間化し、それに伴い、ランニングコストも嵩むおそれがあった。
また、従来、美的外観を重要視される自動車などでは、平滑性、鮮映性、耐候性などの塗膜性能に優れた塗膜の形成が要求されるため、有機溶剤により希釈した溶剤型塗料が中塗り塗料やベース塗料として、一般に用いられていた。
このような塗装方法において、近年、環境負荷を低減する観点から、中塗りおよび上塗りするための塗料として、従来から用いられている有機溶剤系の塗料から、水系の塗料(水性塗料)へ移行することが、進められている。そこで、水性塗料を用いた塗装工程において、塗装時間を短縮化する塗装方法が提案されてきている。
そして、このような水性塗料による中塗りおよび上塗りでは、水性塗料で中塗りした後、ウエット状態のまま着色水性塗料でカラーベース塗装し、さらに、ウエット状態のままクリア塗装した後に、焼き付ける、3Wet塗装系又は3コート1ベーク(3C1B)方式と呼ばれる塗装方法が、生産効率の向上を図れる観点より、検討されている。
この3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B))方式では、例えば、各塗装工程において、塗料をウエット状態(ウエット・オン・ウエット)で重ねて塗工することから、中塗り層とベース層との間、あるいは、ベース層とクリア層との間での混層を防止し、また、焼付工程での残留水分の突沸を防止すべく、中塗り工程とベース塗装工程との間、および、ベース塗装工程とクリア塗装工程との間で、それぞれ予備加熱(プレヒート)することが提案されている。
3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B))は省エネルギーや環境対策のため必要な塗装技術となっているが、ロッカーなどで耐チッピング性を付与するために耐チッピング塗料を下塗りすると、最外層のクリア層が黄変するという問題があり、自動車等の塗装方法として改善するべきであった。
ところで、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B))でない、従来の塗装系でも黄変は問題であり、例えば、下記特許文献1には、高温多湿、光等の各種条件下で加工しても接着強度の低下、塗膜の黄変等のないプラスチゾル組成物を提供することを目的として、塩化ビニルの単独重合体及び/又は共重合体、接着性付与剤を含むプラスチゾル組成物において、前記接着性付与剤が、一分子内に少なくとも3個のブロックイソシアネート基を含有する多官能ブロックウレタンプレポリマーからなるプラスチゾル組成物が開示されている。但し、ここで開示された耐チッピング塗料は3Wet塗装系(3C1B)のような特定の多層塗膜に関したものではない上に、従来用いられていた芳香族イソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートが、温度、湿度、光等により変性することに黄変の発生原因を求めている。
又、下記特許文献2には、従来の無黄変ウレタン塗料の乾燥に長時間を要する欠点と、それに伴う塗装作業の種々の問題点とを克服することを目的として、必須の成分として、(A)アルキレン、シクロアルキレンおよびアラルキレンジイソシアネートよりなる群から選ばれるジイソシアネート化合物とシクロアルキレンジオールをイソシアヌレート化触媒の存在下に反応せしめて得られるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートと、(B)数平均分子量が2,000〜30,000で、かつ水酸基価が20〜200なるアクリルポリオールとを含んで成る無黄変速乾型ウレタン塗料用組成物が開示されている。
特開2001−354818号公報 特公平06−025326号公報
本発明は、自動車車体等を塗装する際に、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリア塗料を塗布し、3層を同時に焼き付け硬化させる3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)において、塗膜の黄変を抑制し、優れた仕上がり外観を得ることができる塗膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)において、耐チッピング塗料中のアミン系接着付与剤がクリア層の黄変の原因であることを突き止め、該アミン系接着付与剤の代替物を見つけることで、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)においても、塗膜の黄変を抑制し、優れた仕上がり外観を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、耐チッピング塗料が塗装された部材の上に、水性塗料で中塗りする中塗り(第1コート)工程と、中塗りされたウエット状態の部材を水性塗料でベース塗装するベース塗装(第2コート)工程と、ベース塗装されたウエット状態の部材をクリア塗装するクリア塗装(第3コート)工程と、塗装された3層(第1〜3コート層)を一度に焼き付け硬化させる焼付け(ベーク)工程からなる塗膜形成方法の発明であって、該耐チッピング塗料が、接着付与剤として、加熱によりイソシアネートを再生するブロックイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
本発明の塗膜形成方法により、塗膜の黄変を抑制し、優れた仕上がり外観を得ることができる。
本発明の3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)では、前記中塗り工程と前記ベース塗装工程との間に、中塗りされた前記部材を予備加熱(プレヒート)する第1予備加熱工程が設けられ、前記ベース塗装工程と前記クリア塗装工程との間に、ベース塗装された前記部材を予備加熱(プレヒート)する第2予備加熱工程が設けられていることが好ましい。
本発明で、耐チッピング塗料の接着付与剤として用いられる、前記ブロックイソシアネート化合物としては、各種ポリウレタンの原料として知られたブロックイソシアネート化合物を広く用いることができる。より具体的には、ジ−又はポリ−イソシアネート乃至はこれらの混合物をブロック化剤と反応して得られるものである。
本発明で、耐チッピング塗料の主剤としては、耐チッピング塗料として知られた各種の合成又は天然の高分子化合物を用いることができる。これらの中で、塩化ビニル重合体及び/又は塩化ビニル共重合体や、分子量300〜3000の2官能基以上の水酸基含有ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオール、及び/又は分子量200〜6000の1〜3官能基含有ポリアミンなどが好ましく例示される。
本発明の塗膜形成方法は各種基材に対して広く用いることができる。この中で、自動車ボディを構成する部材に対して適用するのが好ましい。
3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)では、従来接着付与剤として用いられているポリアミドアミンが水溶性であるために最外層のクリア層まで移行し、そこでエポキシ樹脂と錯体を作り黄変するものと思われる。このポリアミドアミンをブロックイソシアネートに変えることによって、黄変が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、1)クリア層ヘの移行が抑制される、2)移行したとしてもエポキシ樹脂との反応が起こらないなどの理由が推測される。
図1に、これまでの塗装系である、3コート2ベイク(3C2B)の場合の塗装フローを示す。耐チッピング層上に中塗りを行い、焼き付けを行うと、耐チッピング層中の未反応のアミン化合物が中塗り層に移行するが、一度焼付けをしているので、中塗り層の上のベース層やクリア層には移行しない。これにより、クリア層中で黄変が発生しない。
図2に、改良前の、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)の場合の塗装フローを示す。耐チッピング層上に中塗り、ベース層塗装、クリア層塗装を行う。各層を焼付けせずに、これら3層を1度に焼付けをするので、アミン化合物がクリア層まで移行する。つまり、耐チッピング層中の未反応のアミン化合物が中塗り層、ベース層、クリア層に順次移行し、クリア層中でアミンが黄変物質を形成する。
図3に、本発明の、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)の場合の塗装フローを示す。耐チッピング層上に中塗り、ベース層塗装、クリア層塗装を行うが、耐チッピング層中にはアミン化合物ではなくブロックイソシアネーと化合物が接着付与剤として配合されている。ブロックイソシアネート化合物は中塗り層、ベース層、クリア層に移行し難い上に、移行しても、クリア層中で黄変物質を形成しない。
以下、本発明で使用するブロックイソシアネート化合物について説明する。ブロックイソシアネート化合物出発成分は、ジ−又はポリ−イソシアネート化合物及びこれらの混合物である。但し、これらの成分は、ブロック化剤と反応してブロックイソシアネート化合物が得られる。
好ましいジ−又はポリ−イソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び複素環式のポリイソシアネートである。カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネート、ウレタン及び/又は尿素基を含むポリイソシアネート、アシル化尿素基を含むポリイソシアネート、ビウレット基を含むポリイソシアネート、テロ重合反応によって生成したポリイソシアネート、エステル基を含むポリイソシアネート、好ましくはウレチジオン基を含むジイソシアネート及び尿素基を含むジイソシアネートも適当なものである。
ジ−又はポリ−イソシアネート化合物の具体例としては下記のものが挙げられる。p−キシリレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナトメチルナフタレン、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン2,5−ジイソシアネート、1,3ジメチルベンゼン4,6−ジイソシアネート、1,4ジメチルベンゼン2,5−ジイソシアネート、1−ニトロベンゼン2,5−ジイソシアネート、1−メトキシベンゼン2,4−ジイソシアネート、1−メトキシベンゼン2,5−ジイソシアネート、1,3−ジメトキシベンゼン4,6−ジイソシアネート、アゾベンゼン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジスルフィド4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン4,4’−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン2,4,6−トリイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4”−トリイソシアネート、4,4’ −ジイソシアナト−(1,2)−ジフェニルエタン、二量体1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、二量体1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、二量体2,4’ジイソシアナトジフェニルスルフィド、3,3’−ジイソシアナト−4,4’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素、3,3’−ジイソシアナト−2,2’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素、3,3’−ジイソシアナト−2,4’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素、N,N’−ビス[4(4−イソシアナトフェニルメチル)フェニル]尿素、N,N’−ビス[4(2−イソシアナトフェニルメチル)フェニル]尿素。
ブロックイソシアネート化合物を得るために使用されるブロック化剤としてはオキシム化合物(アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシムなど)、ラクタム類(ε−カプロラクタムなど)、活性メチレン化合物(マロン酸ジエチル、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルなど)、フェノール類(フェノール、m−クレゾールなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、n−ブタノールなど)、水酸基含有エーテル(メチルセルソルブ、ブチルセルソルブなど)、水酸基含有エステル(乳酸メチル、乳酸アミルなど)、メルカプタン類(ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタンなど)、酸アミド類(アセトアニリド、アクリルアマイド、ダイマー酸アミドなど)、イミダゾール類(イミダゾール、2−エチルイミダゾールなど)、酸イミド類(コハク酸イミド、フタル酸イミドなど)、アミン類(ジシクロヘキシルアミンなど)及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
これらのうちオキシム化合物、フェノール類及びアミン類が好ましく、特にメチルエチルケトオキシム、フェノール及びジシクロヘキシルアミンが好ましい。これらはその解離温度が100℃〜140℃と比較的低いため、耐チッピング塗料として自動車に適用した場合でも充分に反応が進む。
本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は充填材を、塗料全重量の5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%含有することが好ましい。この使用量が50重量%を超えると塗料が硬化した後の被膜強度が弱く、耐チッピング塗料としての防錆機能を果たせなくなる。また、5重量%に満たないと作業性、特に垂れ性が悪化し規定の塗膜厚みが得られなくなる。
一般的に、充填材としてはタルク、クレー、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は、任意に、公知の塩化ビニル系重合体及び/又は共重合体を用いることができる。塩化ビニル系重合体及び/又は共重合体としては、塩化ビニルモノポリマー、塩化ビニリデンモノポリマー等の単独重合体、酢酸ビニル樹脂等との共重合体から、適宜選択された樹脂が使用できる。これらを適宜1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は、任意に、公知の可塑剤、例えばフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、リン酸、スルホン酸、オレイン酸及びステアリン酸と脂肪族又は芳香族結合したOH基を含む化合物、例えばアルコール又はフェノールとのエステル類等を適宜1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
好ましいエステルの具体例しては、ベンジルブチルフタレート、ビス−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−イソノニルフタレート、トリス−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、ビス−(2−エチルヘキシル)アジペート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、トリス−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、アルキル−スルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。
本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は、任意に、公知の添加剤、例えば無機難燃剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、吸湿剤(酸化カルシウム、ゼオライト、シラン)、着色剤(染料、顔料)、軽量化材(ガラスバルーン、セラミックバルーン、シラスバルーン、樹脂バルーン)、有機発泡剤(アゾジカルボンアミド、4,4’−オキスビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラジンカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル)、加熱膨張性マイクロバルーン、粘度調整剤(界面活性剤、カップリング剤、脂肪族炭化水素)を使用することができる。
本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば通常の混合装置、縦型2軸ミキサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、ロールミル、2軸ブレンダー、ニーダー、縦型高速攪拌機などを用いて混合塗料化することにより得られる。
本発明の塗装方法は、自動車塗装ラインの従来の塗装装置及び塗装条件を何ら変更無くそのまま使用が可能である。また、その後の焼付けも従来と同じ条件で可能である。つまり、本発明で用いられる耐チッピング塗料組成物は、通常のエアレススプレー装置にて所定の膜厚(0.2mm〜2mm)に塗布され、その後の中塗り、ベース塗布、クリア塗布、焼付け(130〜150℃、15〜40分)を通ることにより加熱され、黄変、垂れ、亀裂、フクレ、縮みなどの外観品質を損ねることの無い優れた硬化塗膜を得ることができる。
本発明で用いられる水性中塗り塗料としては、特に制限されないが、水溶性または水分散性の樹脂成分、硬化剤および顔料を含有する水性中塗り塗料が用いられる。
水性中塗り塗料の樹脂成分としては、親水性基(例えば、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン結合など)と、硬化剤と反応する官能基(例えば、水酸基)を有する、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の水性樹脂が挙げられる。好ましくは、カルボキシル基を有するアクリル樹脂またはポリエステル樹脂が用いられる。
このような樹脂成分は、親水性基の種類により、例えば、塩基性化合物または酸で中和して、水溶化または水分散化するか、あるいは、ポリオキシエチレン結合するものなどでは、そのまま水溶化または水分散化させる。
水性中塗り塗料の接着付与剤としては、特に制限されず、例えば、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。メラミン樹脂としては、より具体的には、親水性メラミンが挙げられ、また、ブロックポリイソシアネートとしては、より具体的には、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、例えば、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、メルカプタンなどのブロック剤でブロックしたものが挙げられる。
接着付与剤の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、60重量部以下、好ましくは、20〜50重量部である。
また、顔料としては、特に制限されず、通常の着色顔料やメタリック顔料が挙げられる。着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられる。また、メタリック顔料としては、例えば、アルミニウム粉、フレーク状酸化アルミウム、パールマイカ、フレーク状マイカなどが挙げられる。これら顔料は、単独使用または2種以上併用することができる。
顔料の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、120重量部以下、好ましくは、20〜100重量部である。
また、水性中塗り塗料には、架橋反応を促進させるために、好ましくは、ブロック剤の解離触媒や酸触媒を含有させる。ブロック剤の解離触媒としては、特に制限されず、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。酸触媒としては、例えば、リン酸系、スルホン酸系の酸触媒が挙げられる。
触媒の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは、0.01〜3重量部である。
水性中塗り塗料には、必要に応じて、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、反応促進剤(例えば有機スズ化合物など)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤など、公知の添加剤を適宜配合することもできる。
水性中塗り塗料は、上記の各成分を水とともに公知の方法によって配合して、樹脂成分を水溶化または水分散化することにより、例えば、その固形分濃度が20〜60重量%、好ましくは、35〜60重量%となるように調製される。
水性中塗り塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装 法などが用いられる。より具体的には、例えば、ベル塗装 法が用いられ、その塗装 条件は、例えば、ベル回転速度20000〜30000min−1、シェービングエア圧力0.5〜1.5kg/cm、ガン距離20〜30cm、吐出量150〜350mLである。
水性中塗り塗料の塗装膜厚は、焼付け後の膜厚として、例えば、10〜100μm、好ましくは、13〜35μmである。
本発明で用いられる水性ベース塗料は、特に制限されず、中塗水性塗料と同様の成分からなり、水溶性または水分散性の樹脂成分、硬化剤および顔料を含有するベース水性塗料 が用いられる。例えば、カルボキシル基や水酸基などを有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂成分と、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤と、顔料と、その他の添加剤とを、水に溶解または分散させることにより、調製することができる。
なお、顔料として、例えば、アルミニウム粉、フレーク状酸化アルミウム、パールマイカ、フレーク状マイカなどのメタリック顔料を用いれば、メタリック調またはパール調の塗膜を形成することができる。また、ベース水性塗料における顔料の配合量は、ベース塗装により形成される塗膜が透明性を有し、その塗膜を介して中塗り層の色彩を目視で認識できる程度の配合量とされる。
また、水性ベース塗料は、その固形分濃度が、例えば、20〜50重量%、好ましくは、25〜45重量%となるように調製される。
水性ベース塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが用いられる。より具体的には、例えば、ベル塗装法が用いられ、その塗装 条件は、例えば、ベル回転速度25000〜35000min−1、シェービングエア圧力1.0〜2.0kg/cm、ガン距離20〜30cm、吐出量150〜350mLである。
水性ベース塗料の塗装膜厚は、焼付け後の膜厚として、例えば、10〜100μm、好ましくは、10〜25μmである。
水性ベース塗料は、光揮材、例えば光輝性顔料を含むものであってもよい。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料などが挙げられる。
更に、本発明の塗装方法で、各塗膜をプレヒートする場合は、塗膜内で架橋が生じさせるために、60℃から100℃で1分から5分間、熱風乾燥を行うことが好ましい。
クリア塗装に用いられるクリア塗料は、特に制限されず、公知のクリア塗料が用いられる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂成分と、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤と、その他の添加剤とを、有機溶剤または水に溶解または分散させることにより、調製することができる。これらの中でエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
また、クリア塗料には、必要に応じて、透明性を阻害しない範囲において、ベースカラー顔料やメタリック顔料を含有させることができ、さらに体質顔料、紫外線吸収剤などを適宜含有させることができる。
また、クリア塗料は、その固形分濃度が、例えば、30〜70重量%、好ましくは、40〜60重量%となるように調製される。
また、クリア塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが用いられる。好ましくは、ベル塗装法が用いられる。
本発明の塗装工程の典型例を示すと以下のようになる。
ロッカー耐チッピング材塗布→セッティング7分→中塗り塗布→セッティング5分→プレヒート80℃×3分pass→ベース塗布→セッティング5分→プレヒート80℃×3分pass→クリア塗布→セッティング7分→焼付140℃×18分Keep
以下、本発明の実施例と比較例を示す。以下のようにして、試験板を作成し、該試験板上に塗装して、黄変、付着性、耐チッピング性、耐磨耗性の評価試験を行った。
[試験用被塗物の作製]
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、カチオン電着塗料(エレクトロンGT−10、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
[比較例1]
上記試験用被塗物に、水性中塗り塗料として、水酸基含有ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型中塗り塗料(WP−306T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。次いで、該試験用被塗物を、140℃に保持された乾燥炉内に移し、20分間保持して、中塗り塗膜を焼付硬化させた。
次いで、中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型ベース塗料(WBC−713T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で15μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後のベース塗膜の塗料固形分は85質量%であった。
更に、該ベース塗膜上にクリア塗料として、カルボキシル基含有アクリル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂を含有する熱硬化型クリア塗料(マジクロンKINO−1210TW、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。
次いで、該試験用被塗物を140℃に保持された乾燥炉内に移し、20分間保持して、ベース塗膜及びクリア塗膜を焼付硬化させることにより試験板を作成した。
[比較例2]
上記試験用被塗物に、耐チッピング塗料として、塩化ビニル共重合体と接着付与剤としてポリアミドを含有するプラスチゾル組成物(PT−187、商品名、セメダインヘンケル社製)を、エアレスポンプを用いて、乾燥膜厚で300μmとなるように霧化塗布し、7分間室温放置した。
次に、中塗り塗料として、水酸基含有ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型中塗り塗料(WP−306T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。次いで、該試験用被塗物を、140℃に保持された乾燥炉内に移し、20分間保持して、中塗り塗膜を焼付硬化させた。
次いで、中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型ベース塗料(WBC−713T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で15μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後のベース塗膜の塗料固形分は85質量%であった。
更に、該ベース塗膜上にクリア塗料として、カルボキシル基含有アクリル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂を含有する熱硬化型クリア塗料(マジクロンKINO−1210TW、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。
次いで、該試験用被塗物を140℃に保持された乾燥炉内に移し、20分間保持して、ベース塗膜及びクリア塗膜を焼付硬化させることにより試験板を作成した。
[比較例3]
上記試験用被塗物に、水性中塗り塗料として、水酸基含有ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型中塗り塗料(WP−306T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で25μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後の中塗り塗膜の塗料固形分は90質量%であった。
次いで、該未硬化の中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型ベース塗料(WBC−713T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で15μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後のベース塗膜の塗料固形分は85質量%であった。
更に、該ベース塗膜上にクリア塗料として、カルボキシル基含有アクリル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂を含有する熱硬化型クリア塗料(マジクロンKINO−1210TW、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。
次いで、該試験用被塗物を105℃に保持された第一の乾燥炉内で7分間保持した後、140℃に保持された第二の乾燥炉内に移し、20分間保持して、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリア塗膜を焼付硬化させることにより試験板を作成した。
[比較例4]
上記試験用被塗物に、耐チッピング塗料として、塩化ビニル共重合体と接着付与剤としてポリアミドを含有するプラスチゾル組成物(PT−187、商品名、セメダインヘンケル社製)を、エアレスポンプを用いて、乾燥膜厚で300μmとなるように霧化塗布し、7分間室温放置した。
次いで、中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型中塗り塗料(WP−306T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で25μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後の中塗り塗膜の塗料固形分は90質量%であった。
次いで、該未硬化の中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型ベース塗料(WBC−713T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で15μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後のベース塗膜の塗料固形分は85質量%であった。
更に、該ベース塗膜上にクリア塗料として、カルボキシル基含有アクリル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂を含有する熱硬化型クリア塗料(マジクロンKINO−1210TW、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。
次いで、該試験用被塗物を105℃に保持された第一の乾燥炉内で7分間保持した後、140℃に保持された第二の乾燥炉内に移し、20分間保持して、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリア塗膜を焼付硬化させることにより試験板を作成した。
[実施例]
上記試験用被塗物に、耐チッピング塗料として、塩化ビニル共重合体と接着付与剤としてブロックイソシアネートのみを含有するプラスチゾル組成物(PT−192、商品名、セメダインヘンケル社製)を、エアレスポンプを用いて、乾燥膜厚で300μmとなるように霧化塗布し、7分間室温放置した。
次いで、中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型中塗り塗料(WP−306T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で25μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後の中塗り塗膜の塗料固形分は90質量%であった。
次いで、該未硬化の中塗り塗膜上に水性ベース塗料として、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂を含有する熱硬化型ベース塗料(WBC−713T、商品名、関西ペイント社製)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、乾燥膜厚で15μmとなるように静電塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行った。プレヒート後のベース塗膜の塗料固形分は85質量%であった。
更に、該ベース塗膜上にクリア塗料として、カルボキシル基含有アクリル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂を含有する熱硬化型クリア塗料(マジクロンKINO−1210TW、商品名、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で35μmとなるように静電塗装し、7分間放置した。
次いで、該試験用被塗物を105℃に保持された第一の乾燥炉内で7分間保持した後、140℃に保持された第二の乾燥炉内に移し、20分間保持して、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリア塗膜を焼付硬化させることにより試験板を作成した。
[評価結果]
ロッカー耐チップ材として耐チッピング塗料が塗られている所と塗られていない所で黄色に差があると問題となる。よって、色差計を用いて黄色さの指標であるb値の差より黄変性の評価を実施した。つまり、黄変の強さは下記Δb値であらわされる。
Δb値=(3Wet塗装系/ロツカー耐チップ塗装)−(3Wet塗装系)
比較例1と比較例2が号口材ロッカー耐チップ材と号口塗装系3C2Bの黄変評価の対比となる。又、比較例3と比較例4が号口材ロッカー耐チップ材と3Wet材の黄変評価の対比となる。更に、比較例3と実施例が本発明のロッカー耐チップ材と3Wet材の黄変評価の対比になる。
結果を下記表1に示す。
Figure 2009056352
表1の結果より、3Wet塗装系では強く黄変するのに対して、本発明の塗装材は3Wet塗装系との組み合わせにおいて耐黄変性に優れていることが分かる。
下記表2に他の一般性能の評価結果を示す。
Figure 2009056352
表2の結果より、本発明で用いる耐チッピング塗料は、3Wet塗装系との組合せにおいても一般性能を満足することが分かる。
以上より、本発明の塗装方法は、耐黄変性と一般性能を両立する塗装系であることが分かる。
3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)において、従来接着付与剤として用いられているポリアミドアミンをブロックイソシアネート化合物に変えることによって、クリア層の黄変が抑制される。本発明の塗装方法は、特に自動車ボディを構成する部材に対して好ましく適用される。
これまでの塗装系である、3コート2ベイク(3C2B)の場合の塗装フローを示す。 改良前の、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)の場合の塗装フローを示す。 本発明の、3Wet塗装系(3コート1ベーク(3C1B)法)の場合の塗装フローを示す。

Claims (5)

  1. 耐チッピング塗料が塗装された部材の上に、水性塗料で中塗りする中塗り(第1コート)工程と、中塗りされたウエット状態の部材を水性塗料でベース塗装するベース塗装(第2コート)工程と、ベース塗装されたウエット状態の部材をクリア塗装するクリア塗装(第3コート)工程と、塗装された3層(第1〜3コート層)を一度に焼き付け硬化させる焼付け(ベーク)工程からなる塗膜形成方法であって、該耐チッピング塗料が、接着付与剤として、加熱によりイソシアネートを再生するブロックイソシアネート化合物を含有することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記中塗り工程と前記ベース塗装工程との間に、中塗りされた前記部材を予備加熱(プレヒート)する第1予備加熱工程が設けられ、前記ベース塗装工程と前記クリア塗装工程との間に、ベース塗装された前記部材を予備加熱(プレヒート)する第2予備加熱工程が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記ブロックイソシアネート化合物が、ジ−又はポリ−イソシアネート乃至はこれらの混合物をブロック化剤と反応して得られるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記耐チッピング塗料が、塩化ビニル重合体及び/又は塩化ビニル共重合体を主剤とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗膜形成方法。
  5. 前記部材が、自動車ボディを構成する部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗膜形成方法。
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