JP2006061800A - 塗装評価方法 - Google Patents

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朗 棚橋
Mitsuhiro Wakuta
充啓 涌田
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敏 児玉
Yasuhiro Hiramatsu
靖博 平松
Kojiro Kadowaki
康二郎 門脇
Mitsugi Endo
貢 遠藤
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Abstract

【課題】 ウエット状態の第1水性塗料が塗装されている部材に、第2水性塗料を塗装しても、これらの間で混層が生じることを防止でき、良好な仕上りを確保することができるようにするための、塗装評価方法を提供すること。
【解決手段】 3コート1ベーク方式の塗装方法において、中塗水性塗料の塗装の良否を次の方法で算出する水溶出率で評価し、中塗工程を管理する。1)中塗水性塗料を成膜して第1塗膜を形成し、1次加熱後に重量W1を測定。2)1次加熱後の第1塗膜を、2次加熱して重量W2を測定。3)中塗水性塗料を成膜して第2塗膜を形成して、1次加熱後に重量W3を測定。4)1次加熱後の第2塗膜を水に浸漬後、2次加熱して重量W4を測定。5)固形分重量WS=W3×W2/W1算出。6)水溶出重量WP=W3×W2/W1―W4算出。7)水溶出率=WP/WS×100(%)算出。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装評価方法、詳しくは、自動車ボディを構成する部材を塗装する塗装工程における塗装評価方法に関する。
自動車ボディを構成する金属や樹脂からなるパネルなどの部材の塗装方法として、まず、電着塗装により下塗りし、次いで、中塗りした後、仕上げに上塗りすることが、広く知られている。また、上塗り工程では、まず、着色塗料でベース塗装し、その後、クリア塗料でクリア塗装することが普及している。
このような塗装方法において、近年、環境負荷を低減する観点から、中塗りおよび上塗りするための塗料として、従来から用いられている有機溶剤系の塗料から、水系の塗料(水性塗料)へ移行することが、進められている。
そして、このような水性塗料による中塗りおよび上塗りでは、水性塗料で中塗りした後、ウエット状態のまま着色水性塗料でカラーベース塗装し、さらに、ウエット状態のままクリア塗装した後に、焼き付ける、3コート1ベーク方式の塗装方法が、生産効率の向上を図れる観点より、検討されている。
この3コート1ベーク方式では、例えば、各塗装工程において、塗料をウエット状態(ウエットオンウエット)で重ねて塗工することから、中塗層とベース層と間、あるいは、ベース層とクリア層との間での混層を防止し、また、焼付工程での残留水分の突沸を防止すべく、中塗工程とベース塗装工程との間、および、ベース塗装工程とクリア塗装工程との間で、それぞれ予備加熱(プレヒート)することが提案されている。
そして、例えば、中塗工程において、水性第1着色塗料を塗装し、その塗膜を予備加熱して塗膜の固形分濃度が少なくとも85重量%となるようにした後に、ベース塗装工程において、水性第2着色塗料を塗装することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−870号公報
しかし、中塗り後の塗膜の状態を固形分濃度のみで管理すると、実際には、中塗層とベース層と間で混層を生じ、仕上りが不良となる場合がある。
そこで、本発明の目的は、ウエット状態の第1水性塗料が塗装されている部材に、第2水性塗料を塗装しても、これらの間で混層が生じることを防止でき、良好な仕上りを確保することができるようにするための、塗装評価方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、自動車ボディを構成する部材を塗装する塗装工程における塗装評価方法であって、前記塗装工程は、前記部材を第1水性塗料で塗装する第1塗装工程と、第1塗装工程で塗装された第1水性塗料を予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱工程で予備加熱されたウエット状態の前記第1水性塗料が塗装されている前記部材を、第2水性塗料で塗装する第2塗装工程とを備え、前記第1塗装工程で塗装され、前記予備加熱工程で予備加熱された前記第1水性塗料の塗膜の良否を、以下の操作に従って求められる前記第1水性塗料の塗膜の水に対する溶出率で評価することを特徴としている。
(1)第1水性塗料を成膜して第1塗膜を形成し、その第1塗膜を1次加熱した後、塗膜重量W1を測定する。
(2)1次加熱された第1塗膜を、1次加熱よりも高温で2次加熱した後、塗膜重量W2を測定する。
(3)別途、第1水性塗料を成膜して第2塗膜を形成し、その第2塗膜を1次加熱した後、塗膜重量W3を測定する。
(4)1次加熱された第2塗膜を、水に浸漬した後、2次加熱し、その後、塗膜重量W4を測定する。
(5)固形分重量WSを下記式(1)より求める。
固形分重量WS=W3×W2/W1 (1)
(6)水溶出重量WPを下記式(2)より求める。
水溶出重量WP=W3×W2/W1―W4 (2)
(7)第1水性塗料の塗膜の水に対する溶出率を、下記式(3)より求める。
溶出率=WP/WS×100(%) (3)
本発明の塗装評価方法によれば、第1水性塗料の塗膜の状態を、その塗膜の水に対する溶出率で評価する。そのため、ウエット状態の第1水性塗料が塗装されている部材に、第2水性塗料を塗装しても、これらの間で混層が生じることを有効に防止でき、良好な仕上りを確保することができる。そのため、本発明の塗装評価方法は、ウエット状態の第1水性塗料が塗装されている部材を、第2水性塗料で塗装する工程を含む塗装方法の工程管理方法として、有効に用いることができる。
図1は、本発明の塗装評価方法が適用される塗装方法の一実施形態である、3コート1ベーク方式による塗装方法を実施するための塗装工程を示す工程図である。また、図2は、図1に示す塗装方法により塗装された塗膜の一実施形態を示す断面図である。
まず、図1および図2を参照して、この塗装方法を説明する。
この塗装方法は、ドアパネルやルーフパネルなどの自動車ボディを構成する部材を塗装するために用いられ、まず、電着塗装により下塗りされた部材を、中塗ブース1において中塗りする(第1塗装工程)。
中塗りに用いられる水性塗料(第1水性塗料)は、特に制限されないが、水溶性または水分散性の樹脂成分、硬化剤および顔料を含有する中塗水性塗料が用いられる。
樹脂成分としては、親水性基(例えば、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン結合など)と、硬化剤と反応する官能基(例えば、水酸基)を有する、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の水性樹脂が挙げられる。好ましくは、カルボキシル基を有するアクリル樹脂またはポリエステル樹脂が用いられる。
このような樹脂成分は、親水性基の種類により、例えば、塩基性化合物または酸で中和して、水溶化または水分散化するか、あるいは、ポリオキシエチレン結合するものなどでは、そのまま水溶化または水分散化させる。
硬化剤としては、特に制限されず、例えば、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。メラミン樹脂としては、より具体的には、親水性メラミンが挙げられ、また、ブロックポリイソシアネートとしては、より具体的には、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、例えば、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、メルカプタンなどのブロック剤でブロックしたものが挙げられる。
硬化剤の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、60重量部以下、好ましくは、20〜50重量部である。
また、顔料としては、特に制限されず、通常の着色顔料やメタリック顔料が挙げられる。着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられる。また、メタリック顔料としては、例えば、アルミニウム粉、フレーク状酸化アルミウム、パールマイカ、フレーク状マイカなどが挙げられる。これら顔料は、単独使用または2種以上併用することができる。
顔料の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、120重量部以下、好ましくは、20〜100重量部である。
また、中塗水性塗料には、架橋反応を促進させるために、好ましくは、ブロック剤の解離触媒や酸触媒を含有させる。ブロック剤の解離触媒としては、特に制限されず、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。酸触媒としては、例えば、リン酸系、スルホン酸系の酸触媒が挙げられる。
触媒の配合割合は、通常、樹脂成分100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは、0.01〜3重量部である。
また、中塗水性塗料には、必要に応じて、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、反応促進剤(例えば有機スズ化合物など)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤など、公知の添加剤を適宜配合することもできる。
そして、中塗水性塗料は、上記の各成分を水とともに公知の方法によって配合して、樹脂成分を水溶化または水分散化することにより、例えば、その固形分濃度が20〜60重量%、好ましくは、35〜60重量%となるように調製される。
また、中塗水性塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが用いられる。より具体的には、例えば、ベル塗装法が用いられ、その塗装条件は、例えば、ベル回転速度20000〜30000min-1、シェービングエア圧力0.5〜1.5kg/cm2、ガン距離20〜30cm、吐出量150〜350mLである。
また、中塗水性塗料の塗装膜厚は、焼付け後の膜厚として、例えば、10〜100μm、好ましくは、13〜35μmである。
なお、中塗ブース1内の水蒸発可能量は、2〜11g/kg、好ましくは、3〜6g/kgに管理し、また、中塗ブース1内の温度は、例えば、20〜30℃に管理する。
そして、この塗装方法では、中塗りされた部材を、第1熱風乾燥炉2で予備加熱する(第1予備加熱工程)。
第1熱風乾燥炉2において、部材は、熱風により予備加熱される。予備加熱の条件は、例えば、熱風の吹き出し温度が、45〜100℃、熱風の吹き出し速度が、0.3〜10m/sであり、熱風の被塗面(部材の表面)での風速が、1〜3m/sであり、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離が、20〜50cmであり、予備加熱時間が、0.5〜5分である。
なお、第1熱風乾燥炉2内の温湿度は、例えば、温度20〜30℃、水蒸発可能量10〜25g/kgに管理する。
また、第1熱風乾燥炉2は、1つまたは2つ以上のホットエアゾーンとクーリングゾーンとに区画して、ホットエアゾーンにて加熱後、クーリングゾーンにて冷却してもよい。
そして、このような第1熱風加熱炉2での予備加熱により、部材に塗装された中塗水性塗料は、ウエット状態の塗膜、すなわち、中塗層21(図2参照)を形成する。
次いで、この塗装方法では、ベース塗装ブース3において、ベース塗装する(第2塗装工程)。
ベース塗装に用いられる水性塗料(第2水性塗料)は、特に制限されず、中塗水性塗料と同様の成分からなり、水溶性または水分散性の樹脂成分、硬化剤および顔料を含有するベース水性塗料が用いられる。例えば、カルボキシル基や水酸基などを有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂成分と、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤と、顔料と、その他の添加剤とを、水に溶解または分散させることにより、調製することができる。
なお、顔料として、例えば、アルミニウム粉、フレーク状酸化アルミウム、パールマイカ、フレーク状マイカなどのメタリック顔料を用いれば、メタリック調またはパール調の塗膜を形成することができる。また、ベース水性塗料における顔料の配合量は、ベース塗装により形成される塗膜が透明性を有し、その塗膜を介して中塗層21の色彩を目視で認識できる程度の配合量とされる。
また、ベース水性塗料は、その固形分濃度が、例えば、20〜50重量%、好ましくは、25〜45重量%となるように調製される。
また、ベース水性塗料は、中塗層21に対する接触角が、40°以上、好ましくは、55°以上となるように調製する。ベース水性塗料の中塗層21に対する接触角が40°以上であれば、中塗層21と、ベース層22(図2参照)との間の混層を防止することができる。なお、接触角が40°以上となるように調製するには、例えば、表面調整剤などを添加することが好適である。また、第1熱風乾燥炉2内を、第1ホットエアゾーン、第1ホットエアゾーンの下流側に配置される第2ホットエアゾーンおよび第2ホットエアゾーンの下流側に配置される第1クーリングゾーンに区画し、第1ホットエアゾーンにて、部材の表面の風速が0.5〜2.0m/sとなるように、75℃の熱風にて1.3分加温後、第2ホットエアゾーンにて、80℃の熱風にて1.3分加温することも好適である。
なお、接触角は、中塗層21の表面にベース水性塗料を滴下し、その液滴の傾斜角度を市販の接触角測定計で測定することにより、求めることができる。
また、ベース水性塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが用いられる。より具体的には、例えば、ベル塗装法が用いられ、その塗装条件は、例えば、ベル回転速度25000〜35000min-1、シェービングエア圧力1.0〜2.0kg/cm2、ガン距離20〜30cm、吐出量150〜350mLである。
また、ベース水性塗料の塗装膜厚は、焼付け後の膜厚として、例えば、10〜100μm、好ましくは、10〜25μmである。
なお、ベース塗装ブース3内の水蒸発可能量は、2〜11g/kg、好ましくは、3〜6g/kgに管理し、また、中塗ブース1内の温度は、例えば、20〜30℃に管理する。
そして、この塗装方法では、ベース塗装された部材を、第2熱風乾燥炉4で予備加熱する(第2予備加熱工程)。
第2熱風乾燥炉4において、部材は、熱風により予備加熱される。予備加熱の条件は、例えば、熱風の吹き出し温度が、45〜100℃、熱風の吹き出し速度が、0.3〜10m/sであり、熱風の被塗面(部材の表面)での風速が、1〜3m/sであり、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離が、20〜50cmであり、予備加熱時間が、0.5〜5分である。
なお、第2熱風乾燥炉4内の温湿度は、例えば、温度20〜30℃、水蒸発可能量10〜25g/kgに管理する。
また、第2熱風乾燥炉4は、1つまたは2つ以上のホットエアゾーンとクーリングゾーンとに区画して、ホットエアゾーンにて加熱後、クーリングゾーンにて冷却してもよい。
そして、このような第2熱風加熱炉4での予備加熱により、部材に塗装されたベース水性塗料は、ウエット状態の塗膜、すなわち、ベース層22を形成する。
次いで、この塗装方法では、クリア塗装ブース5において、クリア塗装する(クリア塗装工程)。
クリア塗装に用いられる塗料は、特に制限されず、公知のクリア塗料が用いられる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂成分と、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤と、その他の添加剤とを、有機溶媒または水に溶解または分散させることにより、調製することができる。
また、クリア塗料には、必要に応じて、透明性を阻害しない範囲において、ベースカラー顔料やメタリック顔料を含有させることができ、さらに体質顔料、紫外線吸収剤などを適宜含有させることができる。
また、クリア塗料は、その固形分濃度が、例えば、30〜70重量%、好ましくは、40〜60重量%となるように調製される。
また、クリア塗料の塗装方法は、特に制限されないが、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが用いられる。好ましくは、ベル塗装法が用いられる。
また、クリア塗料の塗装膜厚は、焼付け後の膜厚として、例えば、10〜60μm、好ましくは、25〜50μmである。
そして、この塗装方法では、クリア塗装された部材を、焼き付け炉6において、焼き付ける(焼付工程)。焼き付けは、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などの公知の焼き付け方法が用いられる。焼き付け温度は、例えば、80〜170℃、好ましくは、120〜約160℃であり、焼き付け時間は、20〜40分程度である。
これによって、図2に示すように、下塗層20の上に、中塗層21、ベース層22およびクリア層23が積層された塗膜が形成される。
そして、このような3コート1ベーク方式の塗装方法では、上記したように、ウエット状態の中塗層21の上に、ベース水性塗料が塗装されるので、中塗層21とベース層22との間の混層を防止する必要がある。
そのため、この塗装方法では、中塗水性塗料の塗膜の水に対する溶出率(水溶出率)を求めることにより、中塗水性塗料の塗装の良否を評価して、これによって、中塗工程を管理して、そのような混層を防止している。
すなわち、中塗層21の水溶出率は、次の方法により求められる。
(1)第1基材上に中塗水性塗料を成膜して第1塗膜を形成し、これらを1次加熱した後、第1基材と第1塗膜との合計重量Wbを測定する。
(2)1次加熱された第1基材と第1塗膜とを、1次加熱よりも高温で2次加熱した後、第1基材と第1塗膜との合計重量Wcを測定する。
(3)第1基材の重量Waを測定する。
(4)別途、第2基材上に中塗水性塗料を成膜して第2塗膜を形成し、これらを1次加熱した後、第2基材と第2塗膜との合計重量Wdを測定する。
(5)1次加熱された第2基材と第2塗膜とを、水に浸漬した後、2次加熱し、その後、第2基材と第2塗膜との合計重量Weを測定する。
(6)第2基材の重量Wfを測定する。
(7)固形分重量WSを、下記式(1)より算出する。
WS=(Wd−Wf)(Wc−Wa)/(Wb−Wa) (1)
(8)水溶出重量WPを、下記式(2)より算出する。
WP=(Wd−Wf)(Wc−Wa)/(Wb−Wa)−(We−Wf) (2)
(9)中塗水性塗料の塗膜の水に対する溶出率を、下記式(3)より算出する。
溶出率=WP/WS×100(%) (3)
この方法では、第1基材および第2基材として、例えば、アルミホイルなどの金属箔が用いられる。また、中塗水性塗料の成膜は、例えば、第1基材上または第2基材上に、厚み20〜30μmでキャスティングする。
1次加熱は、1次予備加熱工程の予備加熱条件における加熱温度(熱風の吹き出し温度)と同じ温度か、または、その加熱温度(熱風の吹き出し温度)に対して、±5℃の範囲で、0.5〜5分加熱する。
2次加熱は、焼付工程の焼き付け温度と同じ温度か、または、その加熱温度(熱風の吹き出し温度)に対して、±20℃の範囲で、30〜90分加熱する。
また、第2基材および第2塗膜の水への浸漬は、25〜30℃の水に30〜90分浸漬する。
そして、この塗装方法では、上記の塗装条件において、例えば、中塗水性塗料の塗膜の水溶出率が、55%以下となるように管理している。
なお、水溶出率が55重量%以下となるようにするには、例えば、中塗水性塗料中にウレタンエマルションなどを添加することが好適である。また、第1熱風乾燥炉2内を、第1ホットエアゾーン、第1ホットエアゾーンの下流側に配置される第2ホットエアゾーンおよび第2ホットエアゾーンの下流側に配置される第1クーリングゾーンに区画し、第1ホットエアゾーンにて、部材の表面の風速が0.5〜2.0m/sとなるように、75℃の熱風にて1.3分加温後、第2ホットエアゾーンにて、80℃の熱風にて1.3分加温することも好適である。
このように管理すれば、単に中塗水性塗料の塗膜の固形分濃度を管理するのではなく、中塗水性塗料の塗膜の水に対する溶出率を管理することができるので、ウエット状態の中塗層21の上に、ベース水性塗料を塗装しても、これらの間で混層が生じることを有効に防止することができる。その結果、良好な仕上りを確保することができる。
なお、上記の評価方法は、ベース層22とクリア層23の間の混層を防止するために、ベース水性塗料の塗膜の水に対する溶出率(水溶出率)を求めることにより、ベース水性塗料の塗装の良否を評価して、ベース塗装工程を管理するために、用いることもできる。
さらに、本発明の塗装評価方法は、上記した3コート1ベーク方式の塗装方法に限らず、2コート1ベーク方式の塗装方法など、ウエット状態の水性塗料の塗膜上に、水性塗料を塗装する工程を含む塗装方法に、広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
塗装例1
図1に示す工程図に従って3コート1ベーク方式の塗装方法によって、予め電着塗装によって下塗りされたドアパネルを、以下のように塗装した。なお、この塗装例1では、中塗水性塗料の塗膜の水溶出率を55%以下で管理すると、仕上りが良好となるように、条件設定した。
(中塗工程)
中塗ブース1内の水蒸発可能量を5〜6g/kg、温度を28℃に管理した。
まず、中塗ブース1において、下記に示すベル塗装条件で、下記に示す中塗水性塗料を、ドアパネルに塗装した。
ベル塗装条件:ベル回転速度25000min-1、シェービングエア圧力1kg/cm2、ガン距離25cm、吐出量260mL、焼付け後の膜厚20μm
中塗水性塗料:WP−550D(関西ペイント社製:ウレタンエマルション添加)
(第1予備加熱工程)
第1熱風乾燥炉2内を、第1ホットエアゾーン、第2ホットエアゾーンおよび第1クーリングゾーンに区画し、第1ホットエアゾーン内および第2ホットエアゾーン内の温度を28℃、水蒸発可能量を18g/kgに管理した。
中塗り塗装したドアパネルを、第1ホットエアゾーンにおいて、下記の予備加熱条件で、予備加熱し、続いて、第2ホットエアゾーンにおいて、下記の予備加熱条件で、予備加熱した後、第1クーリングゾーンにおいて、下記の条件で冷却した。
第1ホットエアゾーンの予備加熱条件:熱風の吹き出し温度75℃、熱風の吹き出し速度10m/s、熱風の被塗面での風速1〜2m/s、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、予備加熱時間1.3分
第2ホットエアゾーンの予備加熱条件:熱風の吹き出し温度80℃、熱風の吹き出し速度10m/s、熱風の被塗面での風速1〜2m/s、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、予備加熱時間1.3分
第1クーリングゾーンの冷却条件:冷風の吹き出し温度20〜23℃、冷風の吹き出し速度4.0m/s、冷風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、冷却時間1.3分
(ベース塗装工程)
ベース塗装ブース3内の水蒸発可能量を5〜6g/kg、温度を28℃に管理した。
ベース塗装ブース3において、下記に示すベル塗装条件で、下記に示す組成のベース塗装水性塗料を、ドアパネルに塗装した。
ベル塗装条件:ベル回転速度30000min-1、シェービングエア圧力1.5kg/cm2、ガン距離30cm、吐出量200mL、焼付け後の膜厚13μm
ベース水性塗料組成:WBC−710D(関西ペイント社製:ウレタンエマルション添加)接触角63°
(第2予備加熱工程)
第2熱風乾燥炉4内を、第3ホットエアゾーン、第4ホットエアゾーンおよび第2クーリングゾーンに区画し、第3ホットエアゾーン内および第4ホットエアゾーン内の温度を28℃、水蒸発可能量を18g/kgに管理した。
ベース塗装したドアパネルを、第1ホットエアゾーンにおいて、下記の予備加熱条件で、予備加熱し、続いて、第2ホットエアゾーンにおいて、下記の予備加熱条件で、予備加熱した後、第1クーリングゾーンにおいて、下記の条件で冷却した。
第3ホットエアゾーンの予備加熱条件:熱風の吹き出し温度75℃、熱風の吹き出し速度10m/s、熱風の被塗面での風速1〜2m/s、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、予備加熱時間1.3分
第4ホットエアゾーンの予備加熱条件:熱風の吹き出し温度80℃、熱風の吹き出し速度10m/s、熱風の被塗面での風速1〜2m/s、熱風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、予備加熱時間1.3分
第2クーリングゾーンの冷却条件:冷風の吹き出し温度20〜23℃、冷風の吹き出し速度4.0m/s、冷風の吹き出し口から被塗面までの距離40〜50cm、冷却時間1.3分
(クリア塗装工程)
クリア塗装ブース5内の水蒸気蒸発可能量を5〜6g/kg、温度を28℃に管理した。
クリア塗装ブースにおいて、下記に示すベル塗装条件で、下記に示すクリア塗装水性塗料を、ドアパネルに塗装した。
ベル塗装条件:ベル回転速度30000min-1、シェービングエア圧力1.5kg/cm2、ガン距離30cm、吐出量300mL、焼付け後の膜厚30μm
クリア塗料:DNC−K12(関西ペイント社製)
(焼き付け工程)
焼き付け炉6において、焼き付け温度140℃、焼き付け保持時間18分で焼き付けた。
上記で塗装されたドアパネルの外観の仕上り性を目視により評価した。その結果を表1に示す。なお、表1中、○は仕上り良好、△は仕上り普通、×は仕上り不良を示す。
(中塗水性塗料の予備加熱後の塗膜の固形分濃度および水溶出率の測定)
操作1:
(1)アルミホイル上に中塗水性塗料を厚み25μmで成膜し、これを乾燥炉内において80℃で5分間かけて1次加熱した。その後、これをデシケータ内で室温まで放冷した後、アルミホイルと中塗水性塗料との合計重量Wbを測定した。
(2)1次加熱後のアルミホイルと中塗水性塗料とを、さらに、140℃で60分間かけて2次加熱し、その後、これをデシケータ内で室温まで放冷した後、アルミホイルと中塗水性塗料との合計重量Wcを測定した。
(3)上記で使用したアルミホイルの重量Waを測定した。
操作2:
(1)アルミホイル上に中塗水性塗料を厚み25μmで塗装し、これを乾燥炉内において80℃で5分間かけて1次加熱した。その後、これをデシケータ内で室温まで放冷した後、アルミホイルと中塗水性塗料との合計重量Wdを測定した。
(2)1次加熱後のアルミホイルと中塗水性塗料とを、30℃の純水に60分間浸漬し、取り出し後、140℃で60分間かけて2次加熱し、その後、これをデシケータ内で室温まで放冷した後、アルミホイルと中塗水性塗料との合計重量Weを測定した。
(3)上記で使用したアルミホイルの重量Wfを測定した。
塗膜の固形分濃度の計算:
(1)塗膜の固形分濃度を、下記式より算出した。その結果を表1に示す。
塗膜の固形分濃度=(Wc−Wa)/(Wb−Wa)×100(%)
塗膜の水溶出率の計算:
(1)固形分重量WSを、下記式より算出した。
固形分重量WS=(Wd−Wf)(Wc−Wa)/(Wb−Wa)
(2)水溶出重量WPを、下記式より算出した。
水溶出重量WP=(Wd−Wf)(Wc−Wa)/(Wb−Wa)−(We−Wf)
(3)塗膜の水溶出率を、下記式より算出した。その結果を表1に示す。
塗膜の水溶出率=WP/WS×100(%)
塗装例2〜3
中塗水性塗料として、表1に示すように、ウレタンエマルションを添加したものと、添加していないものをそれぞれ用いて、第1熱風乾燥炉2における第1ホットエアゾーンおよび第2ホットエアゾーンの温度をそれぞれ表1に示す温度としたこと以外は、塗装例1と同様の方法により、ドアパネルを塗装した。塗装されたドアパネルの外観の仕上り性を目視により評価した。その結果を表1に示す。
また、各塗装例において、1次加熱温度をそれぞれ表1の温度としたこと以外は、塗装例1と同様の方法により、中塗水性塗料の予備加熱後の塗膜の固形分濃度および水溶出率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006061800
本発明の塗装評価方法が適用される塗装方法の一実施形態である、3コート1ベーク方式による塗装方法を実施するための塗装工程を示す工程図である。 図1に示す塗装方法により塗装された塗膜の一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 中塗ブース
2 ベース塗装ブース
21 中塗層
22 ベース層

Claims (1)

  1. 自動車ボディを構成する部材を塗装する塗装工程における塗装評価方法であって、
    前記塗装工程は、前記部材を第1水性塗料で塗装する第1塗装工程と、第1塗装工程で塗装された第1水性塗料を予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱工程で予備加熱されたウエット状態の前記第1水性塗料が塗装されている前記部材を、第2水性塗料で塗装する第2塗装工程とを備え、
    前記第1塗装工程で塗装され、前記予備加熱工程で予備加熱された前記第1水性塗料の塗膜の良否を、以下の操作に従って求められる前記第1水性塗料の塗膜の水に対する溶出率で評価することを特徴とする、塗装評価方法。
    (1)第1水性塗料を成膜して第1塗膜を形成し、その第1塗膜を1次加熱した後、塗膜重量W1を測定する。
    (2)1次加熱された第1塗膜を、1次加熱よりも高温で2次加熱した後、塗膜重量W2を測定する。
    (3)別途、第1水性塗料を成膜して第2塗膜を形成し、その第2塗膜を1次加熱した後、塗膜重量W3を測定する。
    (4)1次加熱された第2塗膜を、水に浸漬した後、2次加熱し、その後、塗膜重量W4を測定する。
    (5)固形分重量WSを下記式(1)より求める。
    固形分重量WS=W3×W2/W1 (1)
    (6)水溶出重量WPを下記式(2)より求める。
    水溶出重量WP=W3×W2/W1―W4 (2)
    (7)第1水性塗料の塗膜の水に対する溶出率を、下記式(3)より求める。
    溶出率=WP/WS×100(%) (3)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008103506A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Fuji Machinery Kk ソルダーレジスト膜の形成方法及び静電塗装装置
CN111426597A (zh) * 2020-04-26 2020-07-17 中国东方电气集团有限公司 一种高压电机低阻防晕漆材料的寿命分析方法

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