JP2022154010A - 塗装方法および塗装板 - Google Patents

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【課題】外観に優れた部材を生産性よく得られる塗装方法、および、その塗装方法で得られた塗装板を提供すること。【解決手段】自動車ボディを構成する部材2をソリッド塗装する塗装方法において、部材2の少なくとも一部をシーリング材3によりシーリング処理し(シール工程)、シール工程の後、シーリング材3を加熱炉により加熱することなく、シーリング材3の上に水性中塗り塗装し(中塗工程)、中塗工程の後、部材2を溶剤系上塗り塗装し(上塗工程)、上塗工程の後、部材2を焼き付ける(焼付工程)。【選択図】図1

Description

本発明は、塗装方法および塗装板に関する。
従来、自動車ボディの部材の塗装では、部材が、まず、電着塗装およびシーリング処理され、次いで、中塗り塗装され、その後、上塗り塗装される。
塗装方法として、より具体的には、以下の方法が知られている。すなわち、まず、鋼板をカチオン電着塗装する。次いで、鋼板の上にプライマー層を形成する。次いで、プライマー層の表面に溶剤系中塗塗料を塗装および焼き付けて、中塗層を形成する。次いで、中塗層の表面に溶剤系上塗塗料を塗装および熱処理し、溶剤系上塗塗料を硬化させる(例えば、特許文献1(実施例1)参照)。
特開2012-213692号公報
一方、部材の塗装では、生産性の向上を図るため、中塗塗料の焼き付けを省略し、中塗塗料および上塗塗料を一度の熱処理で硬化させること(2コート1ベーク方式)が要求される。また、生産性の向上を図るため、中塗塗料の下に配置されるシーリング材の加熱硬化を省略することも要求されている。
しかし、通常、シーリング材は可塑剤を含有している。そのため、シーリング材の加熱硬化を省略し、さらに、中塗塗料の焼き付けを省略すると、シーリング材中の可塑剤が溶剤系中塗塗料にブリードする。その結果、溶剤系中塗塗料の粘性が低下し、溶剤系中塗塗料がシーリング材の表面から滑り落ちて、シーリング材の透けを生じさせ、外観が低下する。
本発明は、外観に優れた部材を生産性よく得られる塗装方法、および、その塗装方法で得られた塗装板である。
本発明[1]は、自動車ボディを構成する部材をソリッド塗装する塗装方法であって、前記部材の少なくとも一部をシーリング材によりシーリング処理するシール工程と、前記シール工程の後、前記シーリング材を加熱炉により加熱することなく、前記シーリング材の上に水性中塗り塗装する中塗工程と、前記中塗工程の後、前記部材を溶剤系上塗り塗装する上塗工程と、前記上塗工程の後、前記部材を焼き付ける焼付工程とを備える、塗装方法を、含んでいる。
本発明[2]は、前記中塗工程において、前記シーリング材に接触配置される水性中塗層を形成し、前記水性中塗層の平均厚みが、5μm以上である、上記[1]に記載の塗装方法を、含んでいる。
本発明[3]は、前記上塗工程において、前記水性中塗層に接触配置される溶剤系上塗層を形成し、前記溶剤系上塗層の平均厚みが、10μm以上である、上記[1]または[2]に記載の塗装方法を、含んでいる。
本発明[4]は、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の塗装方法によりソリッド塗装されており、自動車ボディを構成する部材と、前記部材の少なくとも一部に配置されるシーリング材と、前記シーリング材に接触配置される水性中塗層と、前記水性中塗層に接触配置される溶剤系上塗層とを備える、塗装板を、含んでいる。
本発明の塗装方法によれば、外観に優れた部材を生産性よく得ることができる。
本発明の塗装板は、外観に優れ、生産性に優れる。
図1は、本発明の塗装方法の一実施形態により得られる塗装板の断面図である。 図2は、本発明の塗装方法の一実施形態について説明するための概略図であり、図2Aは、部材を準備する工程を示し、図2Bは、部材をシーリング処理する工程を示し、図2Cは、部材を水性中塗り塗装する工程を示し、図2Dは、部材を溶剤系上塗り塗装する工程を示し、図2Eは、部材を焼き付ける工程を示す。 図3は、従来の塗装方法により得られる塗装板を示す概略図であり、図3Aは、部材を溶剤系中塗り塗装および溶剤系上塗り塗装する工程を示し、図3Bは、シーリング材から可塑剤がブリードする様子を示し、図3Cは、中塗塗料がシーリング材の表面から滑り落ちる様子を示し、図3Dは、シーリング材の透けが生じる様子を示す。
図1において、塗装板1は、ソリッド塗装された自動車部材である。より具体的には、塗装板1は、自動車ボディを構成する部材2と、部材2の少なくとも一部に配置されるシーリング材3と、シーリング材3に接触配置される水性中塗層4と、水性中塗層4に接触配置される溶剤系上塗層5とを備えている。
自動車ボディを構成する部材2としては、例えば、自動車フレーム、自動車外板および自動車内板が挙げられる。部材2は、好ましくは、自動車外板および自動車内板を備える。このような部材2としては、例えば、ドアパネルおよびボディパネルが挙げられる。
シーリング材3は、シーリング樹脂および可塑剤を含有している。シーリング樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニルおよびアクリル樹脂が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
可塑剤としては、親油性可塑剤が挙げられる。親油性可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、コハク酸エステル、セバシン酸エステルおよびオレイン酸エステルが挙げられる。フタル酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチルおよびフタル酸ブチルベンジルが挙げられる。アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジオクチルが挙げられる。コハク酸エステルとしては、例えば、コハク酸ジイソデシルが挙げられる。セバシン酸エステルとしては、例えば、セバシン酸ジブチルが挙げられる。オレイン酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチルが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。なお、可塑剤のシーリング樹脂に対する配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
シーリング材3は、部材2の少なくとも一方面に対して、例えば、線状に配置される。なお、シーリング材3の断面視形状は、特に制限されず、適宜設定される。シーリング材3の厚みは、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1.0mm以上である。また、シーリング材3の厚みは、例えば、4.0mm以下、好ましくは、2.0mm以下である。
水性中塗層4は、シーリング材3に接触配置される塗装層である。水性中塗層4は、部材2およびシーリング材3の上に後述する水性中塗り塗料を塗装することによって、形成される。
水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上である。また、水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、40μm以下、好ましくは、30μm以下である。水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)が上記範囲であれば、外観、生産性および低コスト性をバランスよく向上できる。とりわけ、水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)が上記下限を上回っていれば、外板およびシーリング材3の透けを抑制しながら、水性塗料の使用量を低減できる。
より具体的には、自動車外板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上である。また、自動車外板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、40μm以下、好ましくは、30μm以下である。
また、自動車内板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、5μm以上、好ましくは、8μm以上である。また、自動車内板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、20μm以下、好ましくは、15μm以下である。
また、好ましくは、自動車外板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)は、自動車内板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)よりも厚い。自動車外板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)と、自動車内板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)との差は、例えば、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上である。また、自動車外板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)と、自動車内板の水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)との差は、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。水性中塗層4の平均厚み(乾燥厚み)の差が上記範囲であれば、外板およびシーリング材3の透けを抑制しながら、水性塗料の使用量を低減でき、さらに、外観、生産性および低コスト性をバランスよく向上できる。
溶剤系上塗層5は、水性中塗層4に接触配置される塗装層である。溶剤系上塗層5は、水性中塗層4の上に後述する溶剤系上塗り塗料を塗装することによって、形成される。
溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上である。また、溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、30μm以下、好ましくは、25μm以下である。溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)が上記範囲であれば、外観、生産性および低コスト性をバランスよく向上できる。とりわけ、溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)が上記下限を上回っていれば、外板およびシーリング材3の透けを抑制できる。
より具体的には、自動車外板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上、より好ましくは、20μm以上である。また、自動車外板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、30μm以下、好ましくは、25μm以下である。
また、自動車内板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上である。また、自動車内板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、例えば、25μm以下、好ましくは、20μm以下である。
また、好ましくは、自動車外板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)は、自動車内板の溶剤系上塗層5の平均厚みよりも厚い。自動車外板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)と、自動車内板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)との差は、例えば、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上である。また、自動車外板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)と、自動車内板の溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)との差は、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。溶剤系上塗層5の平均厚み(乾燥厚み)の差が上記範囲であれば、外板およびシーリング材3の透けを抑制でき、さらに、外観、生産性および低コスト性をバランスよく向上できる。
このような塗装板1は、図2に示す塗装方法によって製造される。より具体的には、図2に示される塗装方法は、自動車ボディを構成する部材2をソリッド塗装する塗装方法である。
この方法では、図2Aに示されるように、まず、自動車ボディを構成する部材2を準備する(準備工程)。準備工程では、必要により、部材2を、公知の方法で電着塗装(下塗り塗装)する。電着塗装の方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。
例えば、電着液が貯留される電着槽に、部材2が浸漬され、給電される。これにより、部材2が電着塗装され、部材2の表面に電着層(下塗り層)が形成される。
次いで、この方法では、図2Bに示されるように、部材2の少なくとも一部を、シーリング材3によりシーリング処理する(シール工程)。
シーリング材3は、例えば、樹脂塗布器に充填される。樹脂塗布器は、例えば、作業者およびロボットに装備される。そして、部材2の少なくとも一部に対して、樹脂塗布器からシーリング材3が吐出される。これにより、シーリング材3が部材2に塗布される。より具体的には、シーリング材3は、部材2のパーツ接合部分に処理される。なお、シーリング材3の塗布量は、シーリング材3の厚み(乾燥後の最大高さ)が上記範囲となるように、調整される。
次いで、この方法では、シール工程の後、シーリング材3を加熱炉により加熱することなく、部材2を後述の中塗工程に供する。シーリング材3を加熱炉により加熱しないことにより、低コスト化を図ることができる。なお、必要により、シーリング材3を、加熱せずに仮乾燥させることもできる。仮乾燥させる場合、その乾燥条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
次いで、この方法では、図2Cに示されるように、仮乾燥させたシーリング材3および部材2の上に、水性中塗り塗装する(中塗工程)。
水性中塗り塗装では、水性塗料(以下、水性中塗塗料)が使用される。水性中塗塗料は、特に制限されないが、例えば、水性樹脂成分と、硬化剤と、顔料とを含有する。
水性樹脂成分は、水溶性または水分散性の樹脂成分である。水性樹脂成分として、具体的には、親水性基と、硬化剤に反応する官能基とを含有する樹脂が挙げられる。親水性基としては、例えば、カルボキシ基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基およびポリオキシエチレン基が挙げられる。硬化剤と反応する官能基としては、例えば、水酸基が挙げられる。また、樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂が挙げられる。これらは単独使用または2種類以上併用できる。水性樹脂成分として、好ましくは、カルボキシ基を有するアクリル樹脂、および、カルボキシ基を有するポリエステル樹脂が用いられる。
硬化剤としては、特に制限されず、例えば、ブロックポリイソシアネート、メラミン樹脂および尿素樹脂が挙げられる。ブロックポリイソシアネートとしては、公知のポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックしたものが挙げられる。ブロック剤としては、例えば、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタムおよびメルカプタンが挙げられる。メラミン樹脂としては、例えば、親水性メラミンが挙げられる。硬化剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
顔料としては、特に限定されず、通常の着色顔料が挙げられる。着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレットおよびペリレンバイオレットが挙げられる。これら顔料は、単独使用または2種以上併用することができる。顔料の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、水性中塗塗料は、必要に応じて、公知の添加剤を適宜の割合で含有できる。添加剤としては、例えば、ブロック剤解離触媒、酸触媒、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、反応促進剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤および表面調整剤が挙げられる。
水性中塗塗料は、上記の各成分と水とを配合し、上記の各成分を水溶化または水分散化することによって、調製される。水性中塗塗料の固形分濃度は、例えば、20~60質量%である。
中塗工程における塗装方法は、特に限定されず、公知の方法が採用される。塗装方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、ベル塗装法および静電塗装法が挙げられる。塗装方法として、好ましくは、ベル塗装法が挙げられる。塗装条件は、例えば、ベル回転速度20000~30000min-1、シェービングエア圧力0.5~1.5kg/cm、ガン距離20~30m、吐出量150~350mLである。また、塗装温度は、例えば、20~30℃である。なお、塗布量は、水性中塗層4の平均厚みが上記範囲となるように、調整される。
これにより、中塗工程では、シーリング材3に接触配置される水性中塗層4が形成される。また、この方法では、水性中塗層4を焼き付けることなく、部材2を後述の上塗工程に供する。水性中塗層4を焼き付けないことにより、低コスト化を図ることができる。なお、必要により、水性中塗層4を予備加熱(プレヒート)し、乾燥させた後、部材2を後述の上塗工程に供することもできる。予備加熱する場合、その予備加熱条件は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
次いで、この方法では、図2Dに示されるように、中塗工程の後、上記部材2を溶剤系上塗り塗装する(上塗工程)。
溶剤系上塗り塗装では、溶剤系塗料(以下、溶剤系ソリッド塗料)が使用される。溶剤系ソリッド塗料は、特に制限されないが、例えば、親油性樹脂成分と、硬化剤と、顔料とを含有する。
親油性樹脂成分は、疎水性の樹脂成分である。親油性樹脂成分として、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂が挙げられる。これらは単独使用または2種類以上併用できる。
硬化剤としては、特に制限されず、例えば、上記ブロックポリイソシアネート、上記メラミン樹脂および上記尿素樹脂が挙げられる。硬化剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
顔料としては、例えば、上記した水性中塗り塗料に含有される顔料などが挙げられる。顔料は、単独使用または2種以上併用することができる。顔料の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、溶剤系ソリッド塗料は、必要に応じて、公知の添加剤を適宜の割合で含有できる。添加剤としては、例えば、ブロック剤解離触媒、酸触媒、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、反応促進剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤および表面調整剤が挙げられる。
溶剤系ソリッド塗料は、上記の各成分と有機溶剤とを配合し、上記の各成分を有機溶剤に溶解させることによって、調製される。
有機溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤およびエステル系溶剤が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、キシレン、トルエンおよびシクロヘキサンが挙げられる。アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコールおよびイソプロピルアルコールが挙げられる。ケトン系溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびイソホロンが挙げられる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが挙げられる。これら有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。溶剤系ソリッド塗料の固形分濃度は、例えば、20~60質量%である。
上塗工程における塗装方法は、特に限定されず、公知の方法が採用される。塗装方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、ベル塗装法および静電塗装法が挙げられる。塗装方法として、好ましくは、ベル塗装法が挙げられる。塗装条件は、例えば、ベル回転速度20000~35000min-1、シェービングエア圧力0.5~2.0kg/cm、ガン距離20~30cm、吐出量150~400mLである。また、塗装温度は、例えば、20~30℃である。なお、塗布量は、溶剤系上塗層5の平均厚みが上記範囲となるように、調整される。
これにより、上塗工程では、水性中塗層4に接触配置される溶剤系上塗層5が形成される。
その後、この方法では、図2Eに示されるように、上塗工程の後、部材2を焼き付ける(焼付工程)。焼き付けの方法は、特に限定されず、公知の加熱方法が挙げられる。加熱方法として、より具体的には、例えば、熱風加熱、赤外線加熱および高周波加熱が挙げられる。
焼き付け温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、120℃以上である。また、焼き付け温度は、例えば、170℃以下、好ましくは、160℃以下である。焼き付け時間は、例えば、10分以上、好ましくは、20分以上である。また、焼き付け時間は、例えば、60分以下、好ましくは、40分以下である。
焼き付けにより、シーリング材3、水性中塗層4および溶剤系上塗層5を硬化させることができる。その結果、シーリング材3、水性中塗層4および溶剤系上塗層5を備える塗装板1が得られる。
そして、上記の塗装方法では、シーリング工程後の加熱硬化を省略している。また、上記の塗装方法では、中塗工程後の焼き付けを省略している。すなわち、上塗工程後に、シーリング材、中塗塗料および上塗塗料を一度の焼き付けで硬化させている(2コート1ベーク方式)。そのため、上記の塗装方法は、生産性および低コスト性に優れる。
しかし、従来は、中塗塗料として、溶剤系中塗塗料が使用されている。また、通常、シーリング材3は、親油性可塑剤を含有している。そのため、部材を溶剤系中塗り塗装および溶剤系上塗り塗装(図3A参照)する場合において、シーリング材3の加熱硬化を省略し、さらに、中塗塗料の焼き付けを省略すると、シーリング材3中の親油性可塑剤が、溶剤系中塗塗料にブリードする(図3B矢印参照)。そのため、シーリング材3に接触する溶剤系中塗塗料の粘性が低下し、溶剤系中塗塗料がシーリング材3の表面から滑り落ちる(図3C矢印参照)。その結果、焼き付け後においても、シーリング材3の透けを生じさせ、外観が低下する(図3D参照)。
これに対して、上記の塗装方法では、中塗塗料として、水性中塗り塗料が使用されている。そのため、シーリング材3の加熱硬化を省略し、さらに、中塗塗料の焼き付けを省略しても、親油性可塑剤のブリードを抑制できる。その結果、水性中塗塗料の粘性の低下を抑制できる。
そのため、上記の塗装方法によれば、外観に優れた部材2を生産性よく得ることができる。また、上記の塗装方法により得られる塗装板1は、外観に優れ、生産性に優れる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1.塗装
実施例1~2および比較例1
部材として、自動車外板および自動車内板を備えるドアパネルを準備した。次いで、ドアパネルを電着塗装し、シーリング材を塗布した。次いで、シーリング材を加熱することなく、シーリング材の上に、表1に記載の中塗り塗料を、表1に記載の厚みとなるように塗布した。次いで、中塗り塗料を80℃で3分加熱し、中塗り塗料の上に、表1に記載の上塗り塗料を、表1に記載の厚みとなるように塗布した。次いで、部材を140℃で20分熱処理した。これにより、シーリング材、中塗層および上塗層を備える塗装板を得た。
なお、シーリング材の厚み(乾燥後の最大高さ)は、ウェットゲージにより測定した。また、中塗層および上塗層の平均厚み(乾燥厚み)は、電磁式膜厚計により測定した。
2.評価
(1)光線透過率
各実施例および各比較例と同じ方法で、中塗り塗料および上塗り塗料を積層し、硬化させた。これにより、塗膜フィルムを作成した。得られた塗膜フィルムの光透過率を分光光度計にて測定し、○、△および×の3段階で評価した。
(2)色味
基準板と、各実施例および各比較例で得られた塗装板との色差を、色差計にて測定し、○、△および×の3段階で評価した。
(3)透け
基準板のシーリング材の透け度合いと、各実施例および各比較例で得られた塗装板シーリング材の透け度合いとの差を、目視にて観察し、○、△および×の3段階で評価した。
(4)肌つや
各実施例および各比較例で得られた塗装板の肌つやを、ウェーブ・スキャンT(テツタニ社製)にて測定し、○、△および×の3段階で評価した。
Figure 2022154010000002
1 塗装板
2 部材
3 シーリング材
4 水性中塗層
5 溶剤系上塗層

Claims (4)

  1. 自動車ボディを構成する部材をソリッド塗装する塗装方法であって、
    前記部材の少なくとも一部をシーリング材によりシーリング処理するシール工程と、
    前記シール工程の後、前記シーリング材を加熱炉により加熱することなく、前記シーリング材の上に水性中塗り塗装する中塗工程と、
    前記中塗工程の後、前記部材を溶剤系上塗り塗装する上塗工程と、
    前記上塗工程の後、前記部材を焼き付ける焼付工程とを備える、塗装方法。
  2. 前記中塗工程において、前記シーリング材に接触配置される水性中塗層を形成し、
    前記水性中塗層の平均厚みが、5μm以上である、請求項1に記載の塗装方法。
  3. 前記上塗工程において、前記水性中塗層に接触配置される溶剤系上塗層を形成し、
    前記溶剤系上塗層の平均厚みが、10μm以上である、請求項1または2に記載の塗装方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の塗装方法によりソリッド塗装されており、
    自動車ボディを構成する部材と、
    前記部材の少なくとも一部に配置されるシーリング材と、
    前記シーリング材に接触配置される水性中塗層と、
    前記水性中塗層に接触配置される溶剤系上塗層と
    を備える、塗装板。
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