JP2009054884A - キャパシタ用非水電解液及びそれを備えた非水電解液キャパシタ - Google Patents

キャパシタ用非水電解液及びそれを備えた非水電解液キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】キャパシタ性能を低下させることなく、非水電解液キャパシタの安全性を大幅に向上させることが可能なキャパシタ用非水電解液を提供する。
【解決手段】下記一般式(I):
(NPR1 2)n ・・・ (I)
[式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化してなる含フッ素有機溶媒とを含むことを特徴とするキャパシタ用非水電解液である。該キャパシタ用非水電解液は、更に、イオン液体を含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、キャパシタ用非水電解液及びそれを備えた非水電解液キャパシタに関し、特には、キャパシタ性能を低下させることなく、キャパシタの安全性を大幅に向上させることが可能なキャパシタ用非水電解液と、該電解液を用いた非水電解液キャパシタに関するものである。
非水電解液キャパシタは、瞬間充放電特性に優れ、充放電を繰り返しても充放電特性が殆ど劣化せず、更には、無公害性である等、電池に比較して優れた点が多いため、近年、地球環境に優しい新エネルギー貯蔵製品として脚光を浴びている。また、非水電解液キャパシタは、上述のような特徴を有するため、電気自動車、燃料電池車及びハイブリッド電気自動車のエネルギー回生やエンジン始動時の電源としての使用が検討されている。
上記非水電解液キャパシタには、例えば、炭酸エステル(炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、γ-ブチロラクトン等の高誘電率の非プロトン性有機溶媒に、(C25)4P・BF4や、(C25)4N・BF4等の支持塩を溶解させた非水電解液が使用されている。しかしながら、該非水電解液中に含まれる非プロトン性有機溶媒は、引火点が低いため、例えば、キャパシタが発熱等により発火した際に、引火する危険性が高い。また、非プロトン性有機溶媒は、キャパシタの発熱につれ、気化・分解してガスを発生したり、発生したガス及び熱によりキャパシタの破裂・発火を引き起こしたりする危険性も高い。
この問題に対して、非水電解液を難燃化する方法が検討されており、例えば、非プロトン性有機溶媒にホスファゼン化合物を添加することで、難燃性の非水電解液が得られることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、高い不燃性を示すホスファゼン化合物は、非プロトン性有機溶媒との相溶性が低いため、その添加量が制限され、結果として、電解液を十分に難燃化できないという問題がある。
特開2001−217152号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、キャパシタ性能を低下させることなく、非水電解液キャパシタの安全性を大幅に向上させることが可能なキャパシタ用非水電解液と、該キャパシタ用非水電解液を備え、優れたキャパシタ性能と高い安全性を有する非水電解液キャパシタを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化することで、非プロトン性有機溶媒と環状ホスファゼン化合物との相溶性が向上するため、環状ホスファゼン化合物の添加量を増加させることが可能であり、環状ホスファゼン化合物の添加量を増加させることで、非水電解液の不燃性が向上し、更には、該非水電解液を用いることで、キャパシタの性能を低下させることなく、キャパシタの安全性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のキャパシタ用非水電解液は、下記一般式(I):
(NPR1 2)n ・・・ (I)
[式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化してなる含フッ素有機溶媒とを含むことを特徴とする。
本発明のキャパシタ用非水電解液の好適例においては、前記環状ホスファゼン化合物の含有量が8〜60体積%で、前記含フッ素有機溶媒の含有量が1〜60体積%である。
本発明のキャパシタ用非水電解液において、前記環状ホスファゼン化合物としては、前記一般式(I)において、R1のうち少なくとも3つがフッ素である化合物が好ましい。
本発明のキャパシタ用非水電解液において、前記含フッ素有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の1つをフッ素化してなる化合物が好ましい。
本発明のキャパシタ用非水電解液は、更に、イオン液体を含むことが好ましい。ここで、該イオン液体としては、下記一般式(II):
Figure 2009054884
[式中、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり、4つのR2のいずれか2つは互いに結合して環を形成していてもよく;Aは窒素原子又はリン原子であり;W-は一価の陰イオンである]で表される化合物、及び下記一般式(III):
Figure 2009054884
[式中、R3aは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり;R3bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり;W-は一価の陰イオンである]で表される化合物が好ましい。また、該イオン液体の含有量は、5体積%以上であることが好ましい。
また、本発明の非水電解液キャパシタは、上記キャパシタ用非水電解液と、正極と、負極とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記環状ホスファゼン化合物及び上記含フッ素有機溶媒を含むことにより高い不燃性を有し、かつ非水電解液キャパシタに使用した際にもキャパシタ特性を十分に維持することが可能な非水電解液を提供することができる。また、該非水電解液を備え、高い安全性と優れたキャパシタ特性を有する非水電解液キャパシタを提供することができる。
本発明のキャパシタ用非水電解液においては、上記環状ホスファゼン化合物と上記含フッ素有機溶媒との相溶性が高いため、環状ホスファゼン化合物の配合量を増量することが可能であり、該環状ホスファゼン化合物の反応、熱分解により生じる高不燃性ガス成分が、高い難燃性を発現する。また、上記環状ホスファゼン化合物と上記含フッ素有機溶媒とを含む非水電解液は、十分な導電性を有し、且つ粘度も低いため、キャパシタに使用した際にもキャパシタ特性を十分に維持することができる。
<キャパシタ用非水電解液>
以下に、本発明のキャパシタ用非水電解液を詳細に説明する。本発明に係るキャパシタ用非水電解液は、上記一般式(I)で表される環状ホスファゼン化合物と、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化してなる含フッ素有機溶媒とを含むことを特徴とし、更に、支持塩や非プロトン性有機溶媒を含有してもよい。
本発明のキャパシタ用非水電解液に含まれる環状ホスファゼン化合物は、上記一般式(I)で表される。式(I)中のR1は、それぞれ独立してハロゲン元素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、nは3〜4を表す。
式(I)のR1におけるハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。また、R1におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、二重結合を含むアリルオキシ基等、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基、またはメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。更に、R1におけるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、キシレノキシ基(即ち、キシリルオキシ基)、メトキシフェノキシ基等が挙げられる。上記アルコキシ基及びアリールオキシ基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されていてもよく、フッ素で置換されていることが好ましい。また、式(I)中のR1は他のR1と連結していてもよく、この場合、2つのR1は、互いに結合して、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はオキシアルキレンアリーレンオキシ基を形成し、かかる二価の基としては、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、フェニレンジオキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)中のR1は、同一でも異なってもよい。また、式(I)のR1は、安全性が向上する点で、ハロゲン元素であることが好ましく、更に、低粘度である点で、フッ素であることがより好ましい。また、安全性及び低粘性の両立の点で、R1のうち3つ以上がフッ素であることが好ましい。
また、式(I)のnは、3〜4であり、上記環状ホスファゼン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のキャパシタ用非水電解液においては、前記環状ホスファゼン化合物の含有量が8〜60体積%であることが好ましい。電解液中の環状ホスファゼン化合物の含有量が8体積%未満では、電解液が不燃性を示さないことがあり、一方、60体積%を超えると、環状ホスファゼン化合物が含フッ素有機溶媒と完全には相溶せず、二層分離が起こることがある。また、非水電解液の不燃性を更に向上させる観点から、非水電解液中の上記環状ホスファゼン化合物の含有量は、15体積%以上であることが更に好ましい。
本発明のキャパシタ用非水電解液に含まれる含フッ素有機溶媒は、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化してなり、好ましくは、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の1つをフッ素化してなる。ここで、含フッ素有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等の炭素数3〜9の環状カーボネート化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化環状カーボネート化合物という)、例えば、4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オンや、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n-プロピルイソプロピルカーボネート、ジ-n-ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ-t-ブチルカーボネート、n-ブチルイソブチルカーボネート、n-ブチル-t-ブチルカーボネート、イソブチル-t-ブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、n-ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t-ブチルメチルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート、n-ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t-ブチルエチルカーボネート、n-ブチル-n-プロピルカーボネート、イソブチル-n-プロピルカーボネート、t-ブチル-n-プロピルカーボネート、n-ブチルイソプロピルカーボネート、イソブチルイソプロピルカーボネート、t-ブチルイソプロピルカーボネート等の炭素数3〜9の鎖状カーボネート化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化鎖状カーボネート化合物という)、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-t-ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸-n-プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸-n-ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸-t-ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸-n-プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸-n-ブチル、酪酸イソブチル、酪酸-t-ブチル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸-n-プロピル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸-n-ブチル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸-t-ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸-n-プロピル、吉草酸イソプロピル、吉草酸-n-ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸-t-ブチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、ピバリン酸-n-プロピル、ピバリン酸イソプロピル、ピバリン酸-n-ブチル、ピバリン酸イソブチル、ピバリン酸-t-ブチル等の炭素数3〜9、好ましくは炭素数2〜6の飽和鎖状カルボン酸エステル化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化飽和鎖状カルボン酸エステル化合物という)、
ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、エトキシメトキシエタン等の炭素数3〜6の鎖状エーテル化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化鎖状エーテル化合物という)、
下記式(IV):
Figure 2009054884
[式中、R4は、アルキレン基に結合していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表わし、nは2〜5の整数であり、mは0〜2nの整数である]で表わされるラクトン化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化ラクトン化合物という)、
下記式(V):
Figure 2009054884
[式中、R5は、炭素数1〜10のアルキル基を表わし、nは0〜8の整数である]で表わされるスルホラン化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化スルホラン化合物という)、
フルオロアセトニトリル、ジフルオロアセトニトリル、トリフルオロアセトニトリル、α-フルオロプロピオニトリル、β-フルオロプロピオニトリル、α,α-ジフルオロプロピオニトリル、α,β-ジフルオロプロピオニトリル、β,β-ジフルオロプロピオニトリル、α,α,β-トリフルオロプロピオニトリル、α,β,β-トリフルオロプロピオニトリル、β,β,β-トリフルオロプロピオニトリル、α,α,β,β-テトラフルオロプロピオニトリル、α,β,β,β-テトラフルオロプロピオニトリル、ペンタフルオロプロピオノニトリル等の鎖状フルオロニトリル化合物、2-フルオロシクロヘキサンカルボニトリル、3-フルオロシクロヘキサンカルボニトリル、4-フルオロシクロヘキサンカルボニトリル、2,3-ジフルオロシクロヘキサンカルボニトリル、2,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボニトリル、2,5-ジフルオロシクロヘキサンカルボニトリル、2,6-ジフルオロシクロヘキサンカルボニトリル等の脂環式フルオロニトリル化合物、2-フルオロベンゾニトロリル、3-フルオロベンゾニトロリル、4-フルオロベンゾニトロリル、2,3-ジフルオロベンゾニトロリル、2,4-ジフルオロベンゾニトロリル、2,5-ジフルオロベンゾニトロリル、2,6-ジフルオロベンゾニトロリル等の芳香族フルオロニトリル化合物、
フルオロベンゼン、o-フルオロトルエン、m-フルオロトルエン、p-フルオロトルエン、ベンゾトリフルオライド等の芳香族化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化芳香族化合物という)、
シクロヘキシルベンゼン、1-シクロヘキシル-4-メチルベンゼン、1-シクロヘキシル-4-メトキシベンゼン、(4-メチルシクロヘキシル)ベンゼン等のシクロヘキシルベンゼン類(即ち、シクロヘキシルベンゼン及びその置換基を有する誘導体)、好ましくは、シクロヘキシルベンゼンの水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化シクロヘキシルベンゼン類という)、
1-フルオロブタン、n-アミルフルオライド、n-ヘキシルフルオライド、n-ヘプチルフルオライド、n-オクチルフルオライド、n-ノニルフルオライド、n-デシルフルオライド、n-ウンデシルフルオライド、n-ドデシルフルオライド等のモノフルオロ鎖状アルカン化合物、
フルオロシクロペンタン、フルオロシクロヘキサン、フルオロシクロヘプタン、フルオロシクロオクタン等のモノフルオロ環状アルカン化合物、
下記式(VI):
Figure 2009054884
[式中、R6aは、置換基を有してもよいアルキル基を表わし、R6bは、それぞれ独立して水素又は置換基を有してもよいアルキル基を表わし、nは整数である]で表わされるN-アルキルラクタム化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化N-アルキルラクタム化合物という)、
下記式(VII):
Figure 2009054884
[式中、R7は、アルキレン基に結合している炭素数1〜10のアルキル基を表わし、nは2〜5の整数であり、mは0〜2nの整数である]で表わされるチオラクトン化合物の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された化合物(以下、フッ化チオラクトン化合物という)が挙げられる。これら含フッ素有機溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記式(IV)において、(CH2)nで表わされるアルキレン基のnは2〜5であり、好ましくは3である。該アルキレン基の具体例としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。また、該アルキレン基には、炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基が結合していてもよく、アルキル基が複数存在する場合、該アルキル基は、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。該アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。なお、アルキル基の数は、0ないし最大2n個であるが、化学的安定性、反応性等の観点から、炭素数1〜4のアルキル基を1〜2個有する全炭素数が8以下のラクトン化合物が好ましい。このようなラクトン化合物の具体例としては、アルキル基を有さないラクトン化合物として、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられ、また、アルキル基を有するラクトン化合物として、α-メチル-β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、β-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチル-δ-バレロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、γ-メチル-δ-バレロラクトン、δ-カプロラクトン等のメチル基モノ置換体、γ-カプロラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン等のエチル基以上のアルキル基モノγ-置換体やそれらのα-或いはβ-モノアルキル置換異性体、α,α-ジメチル-γ-ブチロラクトン、α,β-ジメチル-γ-ブチロラクトン、β,β-ジメチル-γ-ブチロラクトン等のジアルキル置換体が挙げられる。
上記式(V)において、アルキル基の炭素数は、通常1〜10、好ましくは1〜4である。また、アルキル基が複数存在する場合、該アルキル基は、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。該アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。なお、アルキル基の数nは、0〜8であるが、化学的安定性、反応性等の観点から、0〜2が好ましい。かかるスルホラン化合物の具体例としては、スルホラン、2-メチルスルホラン、3-メチルスルホラン、2-エチルスルホラン、3-エチルスルホラン等のアルキル基モノ置換体、2,2-ジメチルスルホラン、3,3-ジメチルスルホラン、2-エチル-2-メチルスルホラン、3-エチル-3-メチルスルホラン等のアルキル基が同一炭素原子に結合したジ置換体、2,3-ジメチルスルホラン、2,3-ジエチルスルホラン、2-エチル-3-メチルスルホラン、3-エチル-2-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホラン、2,4-ジエチルスルホラン、2-エチル-4-メチルスルホラン、4-エチル-2-メチルスルホラン、2,5-ジメチルスルホラン、2,5-ジエチルスルホラン、2-エチル-5-メチルスルホラン、5-エチル-2-メチルスルホラン等のアルキル基が異なる炭素原子に結合したジ置換体の立体異性体等が挙げられる。
また、上記シクロヘキシルベンゼン類(即ち、シクロヘキシルベンゼン及びその置換基を有する誘導体において、置換基としては、反応を阻害しない種々の置換基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
上記式(VI)において、R6aは、置換基を有してもよいアルキル基を表わし、また、R6bは、水素又は置換基を有してもよいアルキル基を表わす。ここで、該アルキル基としては、鎖状アルキル基、環状アルキル基が挙げられる。ここで、鎖状アルキル基をしては、炭素数1〜4の鎖状アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基が挙げられる。また、上記式(VI)において、nは整数であり、好ましくは2以上、より好ましくは3以上の整数であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下の整数である。
上記式(VII)において、(CH2)nで表わされるアルキレン基のnは2〜5であり、好ましくは3である。該アルキレン基の具体例としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。このようなチオラクトン化合物の具体例としては、アルキル基を有さないチオラクトン化合物として、β-プロピオチオラクトン、γ-ブチロチオラクトン、δ-バレロチオラクトン、ε-カプロチオラクトン等が挙げられ、また、アルキル基を有するチオラクトン化合物として、α-メチル-β-プロピオチオラクトン、β-ブチロチオラクトン、α-メチル-γ-ブチロチオラクトン、β-メチル-γ-ブチロチオラクトン、γ-バレロチオラクトン、α-メチル-δ-バレロチオラクトン、β-メチル-δ-バレロチオラクトン、γ-メチル-δ-バレロチオラクトン、δ-カプロチオラクトン等のメチル基モノ置換体、γ-カプロチオラクトン、γ-ヘプタノチオラクトン、γ-オクタノチオラクトン等のエチル基以上のアルキル基モノγ-置換体やそれらのα-或いはβ-モノアルキル置換異性体、α,α-ジメチル-γ-ブチロチオラクトン、α,β-ジメチル-γ-ブチロチオラクトン、β,β-ジメチル-γ-ブチロチオラクトン等のジアルキル置換体が挙げられる。
本発明のキャパシタ用非水電解液においては、前記含フッ素有機溶媒の含有量が1〜60体積%であることが好ましい。電解液中の含フッ素有機溶媒の含有量が1体積%以上であれば、上記環状ホスファゼン化合物と含フッ素有機溶媒の相乗効果により電極表面に被膜が生じ、安定した充放電特性が実現できる。一方、電解液中の含フッ素有機溶媒の含有量が60体積%を超えると、電解液の粘度が上昇して、イオン伝導度が低下し、キャパシタ特性が悪化することがある。
本発明のキャパシタ用非水電解液は、更にイオン液体を含むことが好ましい。該イオン液体は、少なくとも融点が50℃以下であり、融点が常温(25℃)以下であることが好ましい。非水電解液がイオン液体を含む場合、電解液自体の揮発を抑制することができる。なお、フッ素を多く含む環状ホスファゼン化合物は揮発性が高いので、電解液へのイオン液体の配合効果が顕著に現れる。また、キャパシタ用非水電解液がイオン液体を含む場合、イオン液体が電気二重層を形成するためのイオン源として機能するため、別途支持塩を添加する必要は必ずしもない。本発明の非水電解液に使用するイオン液体としては、上記式(II)又は上記式(III)で表されるイオン性化合物が好ましい。
式(II)中、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり、4つのR2のいずれか2つは互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基及びn-プロピル基が好ましい。また、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基が挙げられ、これらの中でも、メトキシエチル基及びエトキシエチル基が好ましい。
式(II)中、Aは窒素原子又はリン原子であり、窒素原子であることが好ましい。ここで、Aが窒素原子の場合、上記4つのR2のいずれか2つが結合して形成する環としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環等のアザシクロアルカン環が挙げられ、Aがリン原子の場合、ホスホリナン環等のホスファシクロアルカン環等が挙げられる。
式(II)中、W-は一価の陰イオンであり、例えば、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2-、(C25SO2)2-、(C37SO2)2-、(CF3SO2)(C25SO2)N-、(CF3SO2)(C37SO2)N-、(C25SO2)(C37SO2)N-、CF3CO2 -、Cl-、Br-、I-等が挙げられ、これらの中でも、(CF3SO2)2-、CF3CO2 -、CF3SO3 -、及びBF4 -が好ましい。
上記式(II)で表されるイオン液体の中でも、式(II)中の4つのR2の3つがメチル基で、1つがプロピル基であり、Aが窒素原子であり、W-が(CF3SO2)2-である化合物、及び式(II)中の4つのR2の1つがメチル基で、2つがエチル基であり、残りの1つがメトキシエチル基又はエトキシエチル基であり、Aが窒素原子であり、W-がBF4 -又は(CF3SO2)2-である化合物が特に好ましい。
また、式(III)中、R3aは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基である。ここで、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、メチルペンチル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基及びn-ブチル基が好ましい。また、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基が挙げられる。
式(III)中、R3bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、水素原子であることが好ましい。ここで、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、メチルペンチル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基等が挙げられる。
式(III)中のW-は、式(II)中のW-と同じく一価の陰イオンであり、該一価の陰イオンとしては、式(I)中のW-の項で例示したものを同様に挙げることができる。
上記式(III)で表されるイオン液体の中でも、式(III)中のR3aの1つがメチル基で、残りの1つがエチル基であり、R3bが水素原子であり、W-が(CF3SO2)2-、CF3CO2 -、CF3SO3 -、又はBF4 -である化合物、並びに式(III)中のR3aの1つがメチル基で、残りの1つがn-ブチル基であり、R3bが水素原子であり、W-が(CF3SO2)2-である化合物が特に好ましい。
本発明のキャパシタ用非水電解液においては、前記イオン液体の含有量が5体積%以上であることが好ましい。電解液中のイオン液体の含有量が5体積%未満では、電解液自体の揮発を十分に抑制できない。なお、特に限定されるものではないが、イオン液体の含有量は、80体積%以下であることが好ましい。
本発明のキャパシタ用非水電解液は、更に、支持塩を含んでもよく、該支持塩は、目的に応じて適宜選択できる。なお、上述のように、キャパシタ用非水電解液がイオン液体を含む場合、イオン液体が電気二重層を形成するためのイオン源として機能するため、別途支持塩を添加する必要はないが、イオン液体と支持塩とを併用してもよい。例えば、本発明のキャパシタ用非水電解液を電気二重層キャパシタに用いる場合は、支持塩として四級アンモニウム塩を選択することが好ましい。該四級アンモニウム塩は、非水電解液において、電気二重層を形成するためのイオン源としての役割を担う溶質であり、電解液の電気伝導性等の電気特性を効果的に向上させることが可能な点で、多価イオンを形成し得る四級アンモニウム塩が好ましい。
上記四級アンモニウム塩としては、例えば、(CH3)4N・BF4、(CH3)325N・BF4、(CH3)2(C25)2N・BF4、CH3(C25)3N・BF4、(C25)4N・BF4、(C37)4N・BF4、CH3(C49)3N・BF4、(C49)4N・BF4、(C613)4N・BF4、(C25)4N・ClO4、(C25)4N・AsF6、(C25)4N・SbF6、(C25)4N・CF3SO3、(C25)4N・C49SO3、(C25)4N・(CF3SO2)2N、(C25)4N・BCH3(C25)3、(C25)4N・B(C25)4、(C25)4N・B(C49)4、(C25)4N・B(C65)4等が好適に挙げられる。また、これらの四級アンモニウム塩の陰イオン部(例えば、・BF4、・ClO4、・AsF6等)を、・PF6で置き換えたヘキサフルオロリン酸塩も好ましい。これらの中でも、分極率を大きくすることで溶解度を向上させることができる点で、異なるアルキル基がN原子に結合した四級アンモニウム塩が好ましい。
更に、上記四級アンモニウム塩としては、例えば、以下の式(a)〜(j):
Figure 2009054884
[式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を表わす]で表わされる塩も好ましい。
これらの四級アンモニウム塩の中でも、特に、高い電気伝導性を確保する点からは、陽イオンとして(CH3)4+や、(C25)4+等を発生し得る塩が好ましい。また、式量が小さい陰イオンを発生し得る塩も好ましい。これらの四級アンモニウム塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記非水電解液中の支持塩の濃度としては、0.2〜2.5 mol/L(M)が好ましく、0.8〜1.5 mol/Lが更に好ましい。支持塩の濃度が0.2 mol/L未満では、電解液の電気伝導性等の電気特性を充分に確保できないことがあり、2.5 mol/Lを超えると、電解液の粘度が上昇し、電気伝導性等の電気特性が低下することがある。
また、本発明のキャパシタ用非水電解液には、本発明の目的を損なわない範囲で従来よりキャパシタ用非水電解液に使用されている種々の非プロトン性有機溶媒(フッ素化されていない非プロトン性有機溶媒)を添加することができる。該非プロトン性有機溶媒の添加量としては、キャパシタの高い安全性を確保するために電解液中70体積%以下とすることが好ましい。該非プロトン性有機溶媒としては、アセトニトリル(AN)、プロピオノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物;1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル化合物;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジフェニルカーボネート、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン等のエステル化合物が好適に挙げられる。これらの中でも、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン及びアセトニトリルが好ましい。これら非プロトン性有機溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<非水電解液キャパシタ>
次に、本発明の非水電解液キャパシタを詳細に説明する。本発明の非水電解液キャパシタは、上述のキャパシタ用非水電解液と、正極と、負極とを備え、必要に応じて、セパレーター等の非水電解液キャパシタの技術分野で通常使用されている他の部材を備えることができる。
本発明の非水電解液キャパシタの正極及び負極は、目的に応じて適宜選択できる。例えば、本発明の非水電解液キャパシタが非水電解液電気二重層キャパシタである場合は、正極及び負極としては、通常、多孔質炭素系の分極性電極を用いる。該電極としては、比表面積及びかさ比重が大きく、電気化学的に不活性で、抵抗が小さい等の特性を有するものが好ましい。ここで、上記多孔質炭素としては、活性炭等が挙げられる。
上記電極は、一般的には、活性炭等の多孔質炭素を含有し、必要に応じて導電剤や結着剤等のその他の成分を含有する。上記電極に好適に用いることができる活性炭の原料としては、特に制限はなく、例えば、フェノール樹脂の他、各種の耐熱性樹脂、ピッチ等が好適に挙げられる。耐熱性樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド等が好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記活性炭の形態としては、より比表面積を高くして、電気二重層キャパシタの充電容量を大きくする点から、粉末状、繊維布状等の形態が好ましい。また、これらの活性炭は、電気二重層キャパシタの充電容量をより高くする目的で、熱処理、延伸成形、真空高温処理、圧延等の処理がなされていてもよい。
上記電極に用いる導電剤としては、特に制限はないが、黒鉛、アセチレンブラック等が挙げられる。また、上記電極に用いる結着剤としては、特に制限はないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらの添加剤は、従来と同様の配合割合で用いることができる。
本発明の非水電解液キャパシタは、上述した電極(正極及び負極)、非水電解液の他、セパレーター、集電体、容器等の通常キャパシタに使用されている公知の各部材を備えることができる。ここで、セパレーターは、非水電解液キャパシタの短絡防止等を目的として、正負電極間に介在される。該セパレーターとしては、特に制限はなく、通常、非水電解液キャパシタのセパレーターとして用いられる公知のセパレーターが好適に用いられる。セパレーターの材質としては、例えば、微多孔性フィルム、不織布、紙等が好適に挙げられる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これらの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フィルムが特に好適である。
上記集電体としては、特に制限はなく、通常非水電解液キャパシタの集電体として用いられる公知のものが好適に用いられる。該集電体としては、電気化学的耐食性、化学的耐食性、加工性、機械的強度に優れ、低コストであるものが好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性樹脂等の集電体層等が好ましい。また、上記容器としては、特に制限はなく、通常非水電解液キャパシタの容器として用いられる公知のものが好適に挙げられる。該容器の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性樹脂等が好適である。
本発明の非水電解液キャパシタの形態としては、特に制限はなく、シリンダ型(円筒型、角型)、フラット型(コイン型)等の公知の形態が、好適に挙げられる。これらの非水電解液キャパシタは、例えば、電子機器、産業用機器、航空用機器等のメモリーバックアップ用や、玩具、コードレス用機器、ガス機器、瞬間湯沸し機器等の電磁ホールド用や、腕時計、柱時計、ソーラ時計、AGS腕時計等の時計用の電源等として好適に用いられ、また、ハイブリッド自動車や電動工具等用のハイパワー用途の電源としても有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 1体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち2つがエトキシ基で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、プロピレンカーボネート 91体積%からなる混合溶媒に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(C25)4N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製した。次に、得られた非水電解液の難燃性を下記の方法で評価し、表1に示す結果を得た。
(1)難燃性の評価
UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法で、大気環境下において着火した炎の燃焼長及び燃焼時間を測定・評価した。具体的には、UL試験基準に基づき、127 mm×12.7 mmのSiO2シートに上記電解液1.0 mLを染み込ませて試験片を作製して評価を行った。以下に不燃性・難燃性・自己消火性・燃焼性の評価基準を示す。
<不燃性の評価>試験炎を点火しても全く着火しなかった場合(燃焼長:0 mm)を不燃性ありと評価した。
<難燃性の評価>着火した炎が、装置の25 mmラインまで到達せず且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を難燃性ありと評価した。
<自己消火性の評価>着火した炎が25〜100 mmラインで消火し且つ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を自己消火性ありと評価した。
<燃焼性の評価>着火した炎が、100 mmラインを超えた場合を燃焼性と評価した。
(2)非水電解液電気二重層キャパシタの作製
活性炭[AC, 商品名:Kuractive-1500、クラレケミカル社製]、アセチレンブラック(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(結着剤)を、それぞれ、質量比(活性炭:導電剤:結着剤)で8:1:1となるように混合して、混合物を得た。得られた混合物の100 mgを採取し、これを20 mmφの耐圧カーボン製容器に入れて、圧力150 kgf/cm2、常温の条件下で圧粉成形し、正極及び負極(電極)を作製した。得られた電極(正極及び負極)と、アルミニウム金属板(集電体, 厚み=0.5 mm)と、ポリプロピレン/ポリエチレン板(セパレーター, 厚み=25μm)とを用いてセルを組み立て、真空乾燥によって十分に乾燥させた。該セルを上記非水電解液で含浸し、非水電解液電気二重層キャパシタを作製した。得られた電気二重層キャパシタの低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(3)電気二重層キャパシタの低温特性
得られた非水電解液電気二重層キャパシタについて、20℃及び-10℃のそれぞれの環境下で2 mAの充電電流で2.5Vの充電電圧に到達後、該充電電圧で24時間補充電し、放電電流2 mAでキャパシタの放電容量を測定し、下記式:
低温容量維持率=(-10℃での容量)/(20℃での容量)×100(%)
から低温容量維持率を算出した。この値が大きい程、低温特性が良好といえる。
(4)電気二重層キャパシタの高電圧容量維持率
得られた非水電解液電気二重層キャパシタについて、25℃、2 mAの充電電流で2.5V及び3.2Vのそれぞれの充電電圧に到達後、該充電電圧で24時間補充電し、放電電流2 mAでキャパシタの放電容量を測定し、下記式:
高電圧容量維持率=(充電電圧3.2Vでの容量)/(充電電圧2.5Vでの容量)×100(%)
から高電圧容量維持率を算出した。この値が大きい程、高電圧容量特性が良好といえる。
(5)加熱試験後の漏れ電流値
作製した電気二重層キャパシタを、60℃の恒温槽中で、充電電圧:2.7V、充電電流:2 mAで充電後、更に200時間補充電を行い、その後2 mAの定電流で放電させた。次に、キャパシタを恒温槽から取り出して25℃まで冷却した。更に、25℃、充電電流2 mAで充電電圧2.7Vに到達後、該充電電圧で24時間補充電を行い、補充電24時間の時点での電流値を漏れ電流値iとした。また、後述する比較例1の電気二重層キャパシタの漏れ電流値i0に対する、電気二重層キャパシタの漏れ電流値iの低減率を下記式:
漏れ電流値低減率=(i0−i)/i0×100(%)
から算出した。
(実施例2)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 60体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがアリルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 0.1体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つが塩素で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 7.9体積%と、γ-ブチロラクトン 32体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1.2 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 60体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 40体積%からなる混合溶媒に、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(CH3)4N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 40体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがフェノキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 60体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1.2 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つが塩素で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 40体積%と、プロピレンカーボネート 30体積%と、γ-ブチロラクトン 25体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1.2 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 24体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 20体積%と、エチルメチルカーボネート 36体積%と、下記式(VIII):
Figure 2009054884
で表わされるイオン液体[N,N,N-トリメチル-N-プロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド]20体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 20体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち3つがエトキシ基で、3つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 60体積%と、プロピレンカーボネート 5体積%と、ジメチルカーボネート 5体積%と、下記式(IX):
Figure 2009054884
で表わされるイオン液体[1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]10体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、プロピレンカーボネート 20体積%と、ジエチルカーボネート 7体積%と、下記式(X):
Figure 2009054884
で表わされるイオン液体[1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・トリフルオロアセテート]60体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 37体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち2つが塩素で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 18体積%と、エチレンカーボネート 13体積%と、ジメチルカーボネート 22体積%と、下記式(XI):
Figure 2009054884
で表わされるイオン液体[1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・トリフルオロメチルスルホネート]10体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例10)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 28体積%と、上記一般式(I)においてnが4であって、全R1がフッ素である環状ホスファゼン化合物 21体積%と、γ-ブチロラクトン 2体積%と、ジエチルカーボネート 39体積%と、上記式(VIII)で表わされるイオン液体5 体積%と、下記式(XII):
Figure 2009054884
で表わされるイオン液体[1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート]5体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例11)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 50体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがフェノキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 40体積%と、上記式(VIII)で表わされるイオン液体 10体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例12)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 60体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 4体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがメトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 4体積%と、エチレンカーボネート 12体積%と、ジエチルカーボネート 15体積%と、上記式(IX)で表わされるイオン液体 5体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1.2 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例13)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、アセトニトリル 82体積%と、上記式(XI)で表わされるイオン液体 5体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を0.8 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例14)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、上記式(XII)で表わされるイオン液体 87体積%からなる混合溶媒に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(C25)4N・BF4]を0.6 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例15)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 5体積%と、上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、上記式(VIII)で表わされるイオン液体 87体積%とを混合して非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
プロピレンカーボネートにテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(C25)4N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 30体積%と、ジエチルカーボネート 70体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1.2 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがシクロヘキシルオキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 15体積%と、プロピレンカーボネート 15体積%と、ジエチルカーボネート 70体積%からなる混合溶媒に、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(CH3)4N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例4)
エチレンカーボネート 5体積%と、ジエチルカーボネート 8体積%と、上記式(X)で表わされるイオン液体 87体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例5)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 20体積%と、プロピレンカーボネート 5体積%と、ジメチルカーボネート 5体積%と、上記式(X)で表わされるイオン液体 70体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例6)
上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち2つが塩素で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 15体積%と、エチルメチルカーボネート 75体積%と、上記式(VIII)で表わされるイオン液体 5体積%と、上記式(XII)で表わされるイオン液体 5体積%からなる混合溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート[CH3(C25)3N・BF4]を1 mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例7)
4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン 1体積%と、上記式(IX)で表わされるイオン液体 99体積%とを混合して非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例8)
上記一般式(I)においてnが3であって、全R1のうち1つがトリフルオロエトキシ基で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物 8体積%と、上記式(IX)で表わされるイオン液体 92体積%とを混合して非水電解液を調製し、得られた非水電解液の難燃性を評価した。また、実施例1と同様にして非水電解液電気二重層キャパシタを作製し、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。


Figure 2009054884
表1の実施例から、含フッ素有機溶媒と式(I)の環状ホスファゼン化合物とを含む非水電解液は、難燃性が高い上、該電解液を用いたキャパシタは、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率が高いことが分かる。
一方、比較例1及び2に示すように、式(I)の環状ホスファゼン化合物及びイオン液体のいずれも含まない非水電解液は、燃焼性であり、また、該電解液を用いたキャパシタは、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率が低かった。
また、比較例3及び6のように含フッ素有機溶媒を用いない場合には、式(I)の環状ホスファゼン化合物を多量に使用すると2層分離が起こってしまうため、式(I)のホスファゼン化合物を16体積%以上添加することができず、また、該電解液を用いたキャパシタは、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率が低かった。
更に、比較例4に示すように、イオン液体を含むものの、含フッ素有機溶媒及び式(I)の環状ホスファゼン化合物のいずれも含まない非水電解液を用いたキャパシタは、低温容量維持率及び漏れ電流値低減率が低かった。
また、比較例5及び7に示すように、含フッ素有機溶媒及びイオン液体を含むものの、式(I)の環状ホスファゼン化合物を含まない非水電解液は、自己消火性を示すにとどまり、また、該電解液を用いたキャパシタは、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率が低かった。
更に、比較例8のように、式(I)の環状ホスファゼン化合物及びイオン液体を含むものの、含フッ素有機溶媒を含まない非水電解液を用いたキャパシタは、低温容量維持率、高電圧容量維持率及び漏れ電流値低減率が低かった。
以上の結果から、含フッ素有機溶媒と式(I)で表される環状ホスファゼン化合物とを含有し、好ましくは、更にイオン液体を含有する非水電解液を用いることにより、電解液の不燃性と優れたキャパシタ性能を両立させた非水電解液キャパシタを提供できることが分かる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I):
    (NPR1 2)n ・・・ (I)
    [式中、R1は、それぞれ独立してハロゲン元素、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し;nは3〜4を表す]で表される環状ホスファゼン化合物と、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の少なくとも1つをフッ素化してなる含フッ素有機溶媒とを含むことを特徴とするキャパシタ用非水電解液。
  2. 前記環状ホスファゼン化合物の含有量が8〜60体積%で、前記含フッ素有機溶媒の含有量が1〜60体積%であることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ用非水電解液。
  3. 前記一般式(I)において、R1のうち少なくとも3つがフッ素であることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ用非水電解液。
  4. 前記含フッ素有機溶媒が、非プロトン性有機溶媒の分子中の水素の1つをフッ素化してなることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ用非水電解液。
  5. 更に、イオン液体を含むことを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ用非水電解液。
  6. 前記イオン液体が、下記一般式(II):
    Figure 2009054884
    [式中、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり、4つのR2のいずれか2つは互いに結合して環を形成していてもよく;Aは窒素原子又はリン原子であり;W-は一価の陰イオンである]で表される化合物、及び下記一般式(III):
    Figure 2009054884
    [式中、R3aは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、アリル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基であり;R3bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり;W-は一価の陰イオンである]で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載のキャパシタ用非水電解液。
  7. 前記イオン液体の含有量が5体積%以上であることを特徴とする請求項5に記載のキャパシタ用非水電解液。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のキャパシタ用非水電解液と、正極と、負極とを備えた非水電解液キャパシタ。
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