JP2009054482A - 固体高分子型燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】 各単セルの発電性能の安定化を図る。
【解決手段】 固体高分子電解質膜、カソード、アノード、セパレータからなる単セル8を所要数積層し、その両側に集電板2と電気絶縁板3を配置した状態で、その両側からホルダ4a,4bで締め付けて固定する際に、セル積層方向の両端部の単セル8aと上記ホルダ4a,4bとの間に、断熱材9を介在させる。各ホルダ4a,4bに、カソード排ガス12aを流通させるカソード排ガス流路14と、アノード排ガス10aを流通させるアノード排ガス流路16を個別に設けて固体高分子型燃料電池スタックIを形成する。断熱材9によりホルダ4a,4bへの伝熱を防いでセル積層方向両端部の単セル8aの温度低下を抑えると共に、各ホルダ4a,4bを、カソード排ガス12a、アノード排ガス10aとの熱交換で温度上昇させることで、アノードガス10及びカソードガス12の結露を防止させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却水による単セルの冷却を行わない小型の固体高分子型燃料電池スタックに関するもので、特に、積層された単セルごとの発電性能を安定化できるようにした固体高分子型燃料電池スタックに関するものである。
燃料電池は、燃料を用いた他の発電方法に比して熱効率が高く、又、環境汚染が少ないため、有効な発電装置として期待されている。特に、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、100℃以下という低温で発電が行われ、出力密度が高いので、他の形式の燃料電池に比して小型化でき、しかも、電池構成材料の劣化が少ないこと、起動が容易であること、等の長所があることから、近年、小規模な業務用あるいは家庭用等の発電装置として使用されるようになってきている。
上記固体高分子型燃料電池の一般的な構成は、電解質としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両面をカソード(空気極)とアノード(燃料極)の両ガス拡散電極で挟持させてセルユニットを形成し、このセルユニットの両側に、内面側にガス流路を、又、外面側に冷却水流路を設けてなるセパレータを配したものを単セルとするようにしてある。
更に、図3に示す如く、上記構成としてある単セル1を、所要数積層して、その積層した両側に集電板2と電気絶縁板3を内側から順に配置し、更にその外側に1対のホルダ(締付板)4を配置した状態とし、該各ホルダ4同士を、皿ばね等の所要の締付け手段7を介装したボルト5とナット6で締め付けて固定することによりスタックIを構成するようにしてある。
更に又、図示してないが、上記固体高分子型燃料電池スタックIには、上記各単セル1のアノード側セパレータのガス流路にそれぞれ連通するアノードガス用の内部マニホールドと、各単セル1のカソード側セパレータのガス流路にそれぞれ連通するカソードガス用の内部マニホールドを備えた構成としてある。
以上の構成としてある固体高分子型燃料電池スタックIによれば、上記図示しないアノードガス用の内部マニホールドを通して、上記各単セル1のアノード側セパレータのガス流路に水素を含むアノードガス(燃料ガス)を供給すると共に、図示しないカソードガス用のマニホールドを通して、各単セル1のカソード側セパレータのガス流路に酸素を含むカソードガス(酸化剤ガス)を供給することにより、上記各単セル1のアノード側に供給されるアノードガス中の水素と、カソード側に供給されるカソードガス中の酸素とを電気化学反応(燃料電池反応)させて、この際発生する起電力を取り出すようにしてある。
更に、上記電気化学反応に伴う発熱により固体高分子電解質膜が高温とならないようにするために、上記セパレータの冷却水流路に冷却水を流通させて各単セル1の冷却を行うようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
なお、一般に、固体高分子型燃料電池で用いられている上記固体高分子電解質膜のプロトン伝導性能を高く保持するためには、該固体高分子電解質膜を湿潤状態としておく必要がある。そのために、アノードガス及びカソードガスは、高湿度とするほど発電電圧を高くすることができて、約80%以上の湿度を含んだ状態で、各単セル1へ供給することが望まれている。
ところで、上記のような固体高分子型燃料電池スタックIにおけるセル積層方向の両端部に位置する単セル1aは、その片側の端面が集電板2に接触した状態に保持されているため、該集電板2を経て電気絶縁板3やホルダ4へ熱伝導により放熱される割合が大きくなる。そのために、上記固体高分子型燃料電池スタックIのセル積層方向の両端部に位置する単セル1aの温度が、セル積層方向の中間部に位置する他の単セル1に比して温度低下し易くなる。
上記のようにして固体高分子型燃料電池スタックIのセル積層方向の両端部に位置する単セル1aの温度が低くなると、これらの温度低下した単セル1aでは、高湿度で供給される上記アノードガス及びカソードガス中の水分が結露し易くなり、このために、ガス流路の閉塞が生じてアノードガス及びカソードガスの流通が不安定になる虞や、フラッディング(電極水没現象)が生じる虞が懸念される。更には、結露した水の存在により、水の電気分解が行われるようになって逆電位が作用するようになってしまう虞も懸念される。
そのために、上記のような問題を解決するための手段として、たとえば、固体高分子型燃料電池スタックIの電気絶縁板に冷却水流路を設け、該冷却水流路に、固体高分子型燃料電池スタックを通過させて上記電気化学反応(燃料電池反応)の熱を受けて温度上昇した後の冷却水を流して、固体高分子型燃料電池スタックIの両端部からの放熱を抑制することで、セル積層方向両端部の単セル1aの温度低下を抑えるようにすることが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
又、固体高分子型燃料電池スタックのセル積層方向両端部の単セルの温度低下を抑制するための別の手法としては、セル積層方向両端部の単セルと、その外側の集電板(ターミナルプレート)との間に断熱層を介在させて設けることも提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
ところで、従来開発されてきている固体高分子型燃料電池は、家庭用のもので1kW程度、コンビニエンスストア等の事業所用のもので3kW程度の発電能力を備えたものとなっている。
これに対し、本発明者は、長い電源ケーブルを引き回す必要が生じているスタジオ用のビデオカメラやその他の各種移動式の電気機器における電源ケーブルを不要にできるようにするための電源、多量のバッテリを用意しなくても携帯型の各種電気機器の長時間使用を可能にするため電源、非常用電灯のための電源等として、数十〜数百Wクラスの発電能力を有する固体高分子型燃料電池の開発を考えている。
この種の数十〜数百Wクラスの発電能力を有する固体高分子型燃料電池を実現する場合、従来行われているような冷却水による冷却を行おうとすると、発電する電力のうちの多くの部分が、上記冷却水を循環させるためのポンプ等の補機のために消費されてしまうこと、及び、上記した如き数十〜数百Wクラス発電能力を得るためには、単セルのサイズ及び積層数を比較的小さく抑えることができることに鑑みて、本発明者は、冷却水による単セルの冷却を省略した形式の固体高分子型燃料電池スタック、すなわち、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両面をカソードとアノードの両ガス拡散電極で挟持させてセルユニットを形成し、その両側にガス流路のみを備えてなるセパレータを配して冷却水流路を具備しない単セルを構成し、且つ該単セルを、所要数積層すると共に、その両側に集電板と電気絶縁板を内側から順に配置した状態で、その外側に配置した1対のホルダを所要の締付け手段を介装したボルトとナットで締め付けて固定してなる構成を有する固体高分子型燃料電池スタックの開発を試みている。
特許第3448550号公報 特開2002−184449号公報
ところが、本発明者が上記した如き冷却水による冷却を省略した形式の固体高分子型燃料電池スタックを構成して実験したところ、該固体高分子型燃料電池スタックにおいても、セル積層方向の両端部の単セルからホルダ側へ熱伝導により放熱される割合が大きくなることに起因して、セル積層方向の両端部に位置する単セルの温度が、セル積層方向の中間部に位置する他の単セルに比して温度低下してしまう温度分布の偏りが生じていた。
このために、温度が低くなるセル積層方向の両端部に位置する単セルでは、高湿度で供給されるアノードガス及びカソードガス中の水分が結露し易くなり、ガス流路の閉塞が生じてアノードガス及びカソードガスの流通が不安定になる虞、フラッディングが生じる虞、結露した水の存在により、水の電気分解が行われるようになって逆電位が作用するようになってしまう虞が懸念されるというのが実状である。
更には、上記したようにセル積層方向の両端部に存在する単セルにおいてアノードガス及びカソードガス中の水分が結露してしまうと、より温度が高いセル積層方向の中間部に位置する単セルでは、供給されるアノードガス及びカソードガス中の湿度が相対的に低下されることになるため、固体高分子電解質膜が乾き気味となり、該固体高分子電解質膜におけるプロトン伝導性能が低下して、発電する電圧が低下してしまうというのが実状である。
したがって、上記冷却水による冷却を省略した形式の固体高分子型燃料電池スタックにて、セル積層方向に配列されている各単セルの温度の均一化を図ることが望まれる。
しかし、上記冷却水による冷却を省略した形式の固体高分子型燃料電池スタックでは、上記特許文献1に示されたように、固体高分子型燃料電池スタックの冷却に供した後の冷却水を利用して、セル積層方向の両端部に位置する単セルの温度低下を抑制する手法を採用することは不可能である。
又、上記特許文献2に示されたように、セル積層方向両端部の単セルと、その外側の集電板との間に断熱層を介在させて設ける手法では、セル積層方向両端部の単セルから集電板を経て電気絶縁板、ホルダ側への伝熱を抑えることができて、上記セル積層方向両端部の単セルの温度低下を抑制できると考えられる。しかし、上記各ホルダには、通常、アノードガス用の内部マニホールドのガス入口と、カソードガス用の内部マニホールドのガス入口がそれぞれ設けてあるため、上記特許文献2に示された手法によって単セル側から各ホルダへの伝熱が抑えられると、各ホルダが温度低下してしまい、このために、高湿度で供給されるアノードガス及びカソードガスが、上記ホルダに設けてあるそれぞれの内部マニホールドのガス入口部分を通過する時点で結露する虞が生じる。このようにして上記各ホルダにおけるアノードガス用とカソードガス用の各内部マニホールドのガス入口部分で結露が生じると、その後、各内部マニホールドを経て各単セルに導かれるアノードガス及びカソードガス中の湿度が相対的に低下することになるため、該各単セルにおける発電電圧が低下する虞が懸念される。更には、上記各ホルダにおける各内部マニホールドのガス入口部分で結露した水が、アノードガスやカソードガスのガス流れに伴われて内部マニホールドへ進入したり、該内部マニホールドから各単セルのガス流路へ進入すると、ガス流路の閉塞が生じてアノードガスやカソードガスの流通が不安定になる虞、フラッディングが生じる虞、結露した水の存在により水の電気分解が行われるようになって逆電位が作用するようになる虞も懸念される。
そこで、本発明は、セル積層方向両端部の単セルの温度低下を抑制できて、セル積層方向に配列されている各単セルの温度の均一化を図ることができ、且つホルダに設けるアノードガス及びカソードガスの内部マニホールドの入口部分においてもアノードガス及びカソードガスの結露を未然に防止することができて、各単セルの発電性能の安定性を高めることが可能な固体高分子型燃料電池スタックを提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、固体高分子電解質膜の両面をカソードとアノードで挟持し、その両側にガス流路を備えたセパレータを配して形成してなる単セルを、所要数積層すると共に、セル積層方向の両側に集電板と電気絶縁板を内側から順に配置し、更に、その外側から1対のホルダで締め付けて固定してなる固体高分子型燃料電池スタックにおいて、セル積層方向両端部の単セルと上記ホルダとの間に断熱材を介在させて設け、且つ上記各ホルダに、カソード排ガスを流通させるためのカソード排ガス流路と、アノード排ガスを流通させるためのアノード排ガス流路を個別に設けてなる構成とする。
又、上記構成において、セル積層方向の中間部の単セルを冷却するための冷却手段を備えるようにした構成とする。
本発明の固体高分子型燃料電池スタックによれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)固体高分子電解質膜の両面をカソードとアノードで挟持し、その両側にガス流路を備えたセパレータを配して形成してなる単セルを、所要数積層すると共に、セル積層方向の両側に集電板と電気絶縁板を内側から順に配置し、更に、その外側から1対のホルダで締め付けて固定してなる固体高分子型燃料電池スタックにおいて、セル積層方向両端部の単セルと上記ホルダとの間に断熱材を介在させて設け、且つ上記各ホルダに、カソード排ガスを流通させるためのカソード排ガス流路と、アノード排ガスを流通させるためのアノード排ガス流路を個別に設けてなる構成としてあるので、セル積層方向両端部の単セルの温度低下を抑制できて、該セル積層方向の両端部の単セルでアノードガスやカソードガスに結露が生じる虞を未然に防止できる。又、各ホルダを、温度上昇した状態で排出されるカソード排ガス及びアノード排ガスとの熱交換により温度上昇させることができて、上記各ホルダに設けられるアノードガス用内部マニホールドのガス入口や、カソードガス用内部マニホールドのガス入口で、アノードガスやカソードガスに結露が生じる虞を未然に防止できる。
(2)したがって、結露した水によりガス流路の閉塞が生じてアノードガスやカソードガスの流通が不安定になる虞や、フラッディングが生じる虞や、水の電気分解が行われるようになって逆電位が作用するようになる虞を未然に防止することができ、更には、セル積層方向の中間部における単セルに対しても、結露による湿度の低下を生じていない高湿度のアノードガス及びカソードガスを供給することができて、セル積層方向中間部の単セルにて発電電圧が低下する虞を未然に防止することができる。よって、各単セルの発電性能の安定化を図ることができて、セル電圧分布の均等化を図ることが可能になる。
(3)セル積層方向の中間部の単セルを冷却するための冷却手段を備えるようにした構成とすることにより、セル積層方向の中間部に位置する単セルが、発電時の電気化学反応に伴う発熱によって過度に温度上昇する虞を未然に防止できて、積層方向中間部の単セルの発電性能の安定化を図ることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)(ハ)は本発明の固体高分子型燃料電池スタックの実施の一形態を示すもので、図3に示した固体高分子型燃料電池スタックIと同様に、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両面をカソードとアノードの両ガス拡散電極で挟持させてセルユニットを形成し、その両側にガス流路のみを備えてなるセパレータを配して冷却水流路を具備しない単セル8を構成し、上記単セル8を所要数積層すると共に、セル積層方向の両側に集電板2と電気絶縁板3を内側から順に配置し、更に、その外側に1対のホルダ4a,4bを配置して、該各ホルダ4a,4b同士を、皿ばねの如き所要の締付け手段7を介装したボルト5とナット6で締め付けて固定してなる構成において、セル積層方向の両端部の単セル8aと上記ホルダ4a,4bとの間、より具体的には、たとえば、上記電気絶縁板3とホルダ4a,4bとの間に、それぞれ全面に亘り断熱材9を介在させて設ける。これにより、上記セル積層方向両端部の単セル8aよりホルダ4a,4bへの伝熱を、上記断熱材9により抑制できるようにしてある。
更に、上記各ホルダ4a,4bのうち、一方のホルダ4a、たとえば、図1(イ)における下端側のホルダ4aに、図1(ハ)に示す如く、アノードガス10用の内部マニホールド11のガス入口11aと、カソードガス12用の内部マニホールド13のガス出口13bとを設けると共に、該ホルダ4aの内部に、カソード排ガス12aを流通させるためのカソード排ガス流路14を設けて、該カソード排ガス流路14の入口側に、上記カソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bを、カソード排ガス配管15を介して接続する。
一方、上記各ホルダ4a,4bのうち、図1(イ)における上端側となる他方のホルダ4bには、図1(ロ)に示す如く、カソードガス用内部マニホールド13のガス入口13aと、アノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bとを設けると共に、該ホルダ4bの内部に、アノード排ガス10aを流通させるためのアノード排ガス流路16を設けて、該アノード排ガス流路16の入口側に、上記アノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bを、アノード排ガス配管17を介し接続して、固体高分子型燃料電池スタックIを構成する。
更に又、図1(イ)に示す如く、セル積層方向の中間部の単セル8の外周側の所要個所には、該セル積層方向の中間部に存在する単セル8を冷却するための冷却手段として、たとえば、冷却ファン18と、上記セル積層方向中間部の単セル8の温度に応じて上記冷却ファン18の運転を制御する図示しない温度コントローラを設けるようにしてある。なお、上記冷却ファン18の取り付け構造の記載は省略してある。
上記各ホルダ4a,4bの所要個所には、図1(イ)に示す如く、起動時に該各ホルダ4a,4bを予熱するための予熱手段として、たとえば、予熱用ヒータ19を設けることが好ましい。又、図1(イ)に二点鎖線で示す如く、上記各ホルダ4a,4bを断熱材で覆う構成としてもよい。図1(ロ)(ハ)における符号21は上記ホルダ4a,4b同士を固定するためのボルト5を挿通させるためのボルト孔、22は上記ホルダ4a,4bと各単セル8、集電板2、電気絶縁板3の位置合わせを行うための図示しないピンを挿通させるピン孔、23は上記各ホルダ4a,4b内にそれぞれ対応する排ガス流路14,15を形成するために設けためくら孔である。
以上の構成としてある固体高分子型燃料電池スタックIを有する固体高分子型燃料電池を運転する場合は、予熱用ヒータ19により各ホルダ4a,4bを高加湿のアノードガス10及びカソードガス12が結露を生じない温度まで予熱した状態にて、上記一方のホルダ4aに設けてあるアノードガス用内部マニホールド11のガス入口11aより、高湿度のアノードガス10を供給すると共に、他方のホルダ4bに設けてあるカソードガス用内部マニホールド13のガス入口13aより高湿度のカソードガス12を供給すると、上記各内部マニホールド11,13を通してアノードガス10及びカソードガス12が各単セル8へ導かれて、該各単セル8においてアノード側に供給されるアノードガス10中の水素と、カソード側に供給されるカソードガス12中の酸素の電気化学反応(燃料電池反応)が行われることで、この際発生する起電力が取り出されるようになる。
この際、上記各単セル8は上記電気化学反応に伴う発熱によって温度上昇するが、上記セル積層方向の両端部に位置する単セル8aよりその外側に位置するホルダ4a,4bへの伝熱は、断熱材9によって抑制されるため、該セル積層方向の両端部に位置する単セル8aの温度低下は抑制されるようになる。したがって、上記セル積層方向の両端部に位置する単セル8aにおいて、高湿度で供給されるアノードガス10やカソードガス12が結露する虞は未然に防止される。
上記電気化学反応の後は、上記各単セル8のアノードからはアノード排ガス10aが、又、カソードからはカソード排ガス12aが、それぞれ上記電気化学反応に伴う発熱によって温度上昇した状態で排出されるようになる。
その後、上記温度上昇したアノード排ガス10aは、上記他方のホルダ4bに設けてあるアノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bまで導かれると、アノード排ガス配管17を経て該他方のホルダ4b内に設けてあるアノード排ガス流路16へ導かれる。これにより、該アノード排ガス流路16を流通する上記温度上昇したアノード排ガス10aとの熱交換により、該他方のホルダ4bの温度が上昇させられるようになる。
又、上記温度上昇したカソード排ガス12aは、上記一方のホルダ4aに設けてあるカソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bまで導かれると、カソード排ガス配管15を経て該一方のホルダ4a内に設けてあるカソード排ガス流路14へ導かれる。これにより、該カソードガス流路14を流通する上記温度上昇したカソード排ガス12aとの熱交換により、一方のホルダ4aの温度が上昇させられるようになる。
上記したように固体高分子型燃料電池にて発電する際の電気化学反応に伴う熱により温度上昇するアノード排ガス10aとカソード排ガス12aが、上記ホルダ4bのアノード排ガス流路16と、ホルダ4aのカソード排ガス流路14をそれぞれ流通するようになった後は、上記予熱用ヒータ19を切っても、上記各ホルダ4bと4aは、上記電気化学反応に伴う熱により温度上昇するアノード排ガス10aとカソード排ガス12aによってそれぞれ継続的に加熱されるようになる。
したがって、上記一方のホルダ4aに設けてあるアノードガス用内部マニホールド11のガス入口11aの部分にて、高湿度で供給されるアノードガス10が結露する虞は未然に防止されるようになる。又、上記他方のホルダ4bに設けてあるカソードガス用内部マニホールド13のガス入口13aの部分にて、高湿度で供給されるカソードガス12が結露する虞も未然に防止されるようになる。
又、セル積層方向の中間部に位置する単セル8にて、上記電気化学反応に伴う発熱によって温度上昇するときの温度が、或る設定温度を超えて固体高分子電解質膜の耐熱温度に近付くときには、図示しない温度コントローラにより上記冷却ファン18を運転することで、該セル積層方向中間部の単セル8の過度の温度上昇が未然に防止されるようになる。
このように、本発明の固体高分子型燃料電池スタックIによれば、セル積層方向両端部の単セル8aの温度低下を抑制できて、該セル積層方向の両端部の単セル8aでアノードガス10やカソードガス12に結露が生じる虞を未然に防止できると共に、各ホルダ4a,及び4bを、温度上昇した状態で排出されるカソード排ガス12a及びアノード排ガス10aとの熱交換により温度上昇させることで、上記ホルダ4aに設けてあるアノードガス用内部マニホールド11のガス入口11aでアノードガス10に結露が生じる虞を未然に防止でき、又、上記ホルダ4bに設けてあるカソードガス用内部マニホールド13のガス入口13aでカソードガス12に結露が生じる虞を未然に防止できる。
したがって、結露した水によりガス流路の閉塞が生じてアノードガス10やカソードガス12の流通が不安定になる虞や、フラッディングが生じる虞や、水の電気分解が行われるようになって逆電位が作用するようになる虞を未然に防止することができる。
更に、セル積層方向の中間部における単セル8に対しても、結露による湿度の低下を生じていない高湿度のアノードガス10及びカソードガス12を供給することができて、該セル積層方向中間部の単セル8にて固体高分子電改質膜が乾き気味になる虞を解消できることから、セル積層方向中間部の単セル8にて発電電圧が低下する虞を未然に防止することができる。よって、各単セル8,8aの発電性能の安定化を図ることができて、セル電圧分布の均等化を図ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図1(ロ)では、ホルダ4bにおける左右の側面に、カソードガス用内部マニホールド13のガス入口13a及びアノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bを設け、該ホルダ4aの左右の側面に出口と入口を備えたアノード排ガス流路16を設けた構成を示したが、上記カソードガス用内部マニホールド13のガス入口13a及びアノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bは、セル積層方向の外側の端面に設ける等、適宜位置を変更してもよい。又、アノード排ガス流路16は、アノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bより排出されるアノード排ガス10aを流通させて上記ホルダ4bを温度上昇させることができるようにしてあれば、流路形状は適宜変更してもよく、更には、アノード排ガス配管17を介することなく上記アノードガス用内部マニホールド11のガス出口11bに直接連通するアノード排ガス流路16をホルダ内部4bの内部に設けるようにしてもよい。
図1(ハ)では、ホルダ4aにおける左右の側面に、アノードガス用内部マニホールド11のガス入口11a及びカソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bを設け、該ホルダ4aの左右の側面に入口と出口を備えたカソード排ガス流路14を設けた構成を示したが、上記アノードガス用内部マニホールド11のガス入口11a及びカソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bの位置は、セル積層方向の外側の端面に設ける等、適宜位置を変更してもよい。又、カソード排ガス流路14は、カソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bより排出されるカソード排ガス12aを流通させて上記ホルダ4aを温度上昇させることができるようにすれば、流路形状は適宜変更してもよく、更には、カソード排ガス配管15を介することなく上記カソードガス用内部マニホールド13のガス出口13bに直結したカソード排ガス流路14をホルダ内部4aの内部に設けるようにしてもよい。
図1(イ)における単セル8の積層数は図示するための便宜的な数であって、固体高分子型燃料電池全体で所望する発電性能に応じて単セル8の積層数は適宜変更してよい。
締付け手段7は、各ホルダ4a,4b同士をボルト5とナット6で締め付けて固定する際に締付け方向の力を付与できるようにしてあれば、皿ばね以外のいかなる形式の締付け手段7を採用してもよい。
セル積層方向中間部の単セルを冷却することができれば、冷却ファン18以外のいかなる形式の冷却手段を採用してもよい。
断熱材9と電気絶縁板3は必ずしも両方を同時に使用する必要はなく、代わりに電気絶縁板3に上記断熱材9の機能をもたせて、断熱材を上記電気絶縁板3と一体物としてもよい。このような断熱機能と電気絶縁機能の両方を有する部材の例としてはシリコンシートなどがあり、この場合のシート厚は6mm程度あればよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
以下、本発明者が実施した本発明の有効性の検証の結果について説明する。
図1(イ)(ロ)(ハ)に示した構成の固体高分子型燃料電池スタックIにて、各単セル8の発電する電圧について、セル積層方向の一端部の単セル8(8a)の発電電圧を基準とする比(セル電圧比)を求めた。その結果を図2に実線で示す。
比較例として、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様の構成において、電気絶縁板3とホルダ4a,4bの間の断熱材9を省略し、且つ各ホルダ4a,4bにおけるカソード排ガス流路14、アノード排ガス流路16を省略した構成の固体高分子型燃料電池スタックIにて、上記と同様に各単セル8の発電する電圧について、セル積層方向の一端部の単セル8(8a)の発電電圧を基準とする比(セル電圧比)を求めた。その結果を図2に破線で示す。
図2における破線で示された結果から明らかなように、上記断熱材9及び各ホルダ4a,4bにカソード排ガス流路14、アノード排ガス流路16を具備しない構成の固体高分子型燃料電池スタックIでは、セル積層方向の中間部における単セル8にて、供給されるアノードガス10及びカソードガス12の相対湿度の低下に伴って固体高分子電改質膜のプロトン伝導性能が低下していることに起因すると考えられる発電電圧の大幅な低下が生じており、この場合、セル電圧比の変動幅が約0.05Vとなっているのに比して、図2に実線で示した結果から明らかなように、本発明の固体高分子型燃料電池スタックIによれば、セル積層方向中間部における単セル8においても発電電圧の低下を抑えることができて、セル電圧比の変動幅を約0.025Vに抑えることができ、したがって、セル電圧分布の均等化を図ることができることが判明した。
本発明の固体高分子型燃料電池スタックの実施の一形態を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図、(ハ)は(イ)のB−B方向矢視図である。 本発明の有効性の検証結果を示す図である。 従来の固体高分子型燃料電池スタックを示す概要図である。
符号の説明
I 固体高分子型燃料電池スタック
2 集電板
3 電気絶縁板
4a,4b ホルダ
8,8a 単セル
9 断熱材
10 アノードガス
10a アノード排ガス
12 カソードガス
12a カソード排ガス
14 カソード排ガス流路
16 アノード排ガス流路
18 冷却ファン(冷却手段)

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜の両面をカソードとアノードで挟持し、その両側にガス流路を備えたセパレータを配して形成してなる単セルを、所要数積層すると共に、セル積層方向の両側に集電板と電気絶縁板を内側から順に配置し、更に、その外側から1対のホルダで締め付けて固定してなる固体高分子型燃料電池スタックにおいて、セル積層方向両端部の単セルと上記ホルダとの間に断熱材を介在させて設け、且つ上記各ホルダに、カソード排ガスを流通させるためのカソード排ガス流路と、アノード排ガスを流通させるためのアノード排ガス流路を個別に設けてなる構成を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池スタック。
  2. セル積層方向の中間部の単セルを冷却するための冷却手段を備えるようにした請求項1記載の固体高分子型燃料電池スタック。
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