JP2009053498A - 投写型映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、映像の高さを所望の位置に調整可能な投写型映像表示装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 投射型映像表示装置1を、筐体20と、筐体20に収められ、映像を投写する投写レンズユニット100と、を備え、筐体20の底面20bには、投写レンズユニット100の光軸C方向の互いに異なる位置に複数の溝部110a〜110dが設けられ、複数の溝部110a〜110dの各々は、所定の形状を有するスペーサを底面20bから突出させた状態で挿脱自在に保持可能であるように構成した
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクリーンに映像を投写して映像を表示させる投写型映像表示装置に関するものである。
従来の投写型映像表示装置では、スクリーンに投写する映像高さを調整するために、筐体からの突出長さを自在に調整可能な脚部を設け、投写型表示装置の設置角度を調整するようにしていた。(例えば特許文献1参照。)しかし、突出長さを調整可能な脚部は、構造が複雑であり、装置が大型化するという問題があった。
そこで、厚みを持たせたレンズキャップ内に深さの異なる脚載置部を設け、投写型映像表示装置本体の固定脚を任意の脚載置部に載置することで映像高さを調整する投写型映像表示装置用のレンズキャップが提案されている。(例えば特許文献2参照。)
特開2000−338598号公報(段落0019、第2図) 特開2004−184794号公報(段落0020、第4図)
しかしながら、上記のようにレンズキャップに脚載置部を設けた場合、深さを調整できる範囲はレンズキャップの肉厚の範囲に限られ、レンズキャップのみで映像の高さを所望の位置に調整することは困難であるという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、映像の高さを所望の位置に調整可能な投写型映像表示装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる投写型表示装置は、前記筐体に収められ、映像を投写する投写レンズユニットと、を備え、前記筐体の底面には、前記投写レンズユニットの光軸方向の互いに異なる位置に複数の溝部が設けられ、前記複数の溝部の各々は、所定の形状を有するスペーサを前記底面から突出させた状態で挿脱自在に保持可能とした。
本発明によれば、筐体の底面内で、投写レンズユニットの光軸方向において互いに異なる位置に所定の形状を有するスペーサを前記底面から突出するように挿脱自在に保持する複数の溝部を備え、前記複数の溝部のいずれかの溝部に保持されたスペーサにより、前記光軸の設置面に対する角度を調整するようにしたので、簡単な構成で、映像の高さを所望の位置に調整可能な投写型映像表示装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1〜図4は本実施の形態1にかかる投写型映像表示装置を説明するためのもので、図1は投射型表示装置の外観斜視図、図2は底面図、図3は映像投写高さ調整機構の動作を示すための投射型表示装置の側面図であって、図3(a)〜図3(e)は、映像の高さ調整をする際の各状態を示すものである。そして、図4はスクリーンに投写する映像の高さ調整を説明するための図である。
投写型映像表示装置1は、図1に示すように筐体20の前面20f側には、図示しない前方のスクリーンに向かって映像を投写するための投写レンズユニット100を備えている。投写レンズユニット100の前面100aには、レンズを保護するために樹脂材料などで成形された円板形のレンズキャップ101がスナップフィット嵌合により、着脱自在に取付けられる。
そして、図2に示すように、筐体20の底面20bの前面20f側には、(すなわち投写レンズ100の投写方向側)には前脚部105fが設けられている。また筐体20の底面20bの後面20r側には、投写レンズユニット100の光軸Cを中心とする筐体20映像の設置面に対する角度を平行に、つまり投写する映像の角度を水平に規定するための後脚部105rが、筐体20の底面20bから突出するように設けられている。後脚部105rは、底面20bに光軸Cに垂直な直線上で均等に突出するように形成され、その後方端部にはRが形成されている。つまり、左右両サイドから均等の突出量を有するようにしている。
さらに、筐体20の底面20bには、光軸C方向(縦方向)にレンズキャップの厚みに相当する幅を有し、光軸Cに垂直な方向(横方向)に面方向をあわせたレンズキャップ101をスペーサとして、所定の深さに緩嵌できる開口部が長方形の形状を有する第1〜第4の溝部110a〜110dが光軸C方向において等間隔で形成されている。つまり、底面20bには、レンズキャップ101を底面20bに対して所定の突出量をもって垂直方向に挿入できる第1〜第4の溝部110a〜110dが、光軸C方向において後面20rから異なる距離の位置に形成されている。なお、後面20rに最も近い位置にある第4の溝部110dは筐体20の重心位置を底面20bに投影した重心の投影点120よりも前面20f側に形成されている。
次に動作について説明する。
図3は投射型映像表示装置が平らな設置面上に載置されたときに、映像の投写高さを調整する際の動作を説明するためのもので、(a)は映像投写高さ調整をしない状態を示す図、(b)は第1の溝部110aにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(c)は第2の溝部110bにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(d)は第3の溝部110cにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、e)は第4の溝部110dにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図である。
図3(a)では、前脚部105fと後脚部105bが設置面に接しており、横方向に亘って突出している後脚部105によって、光軸Cを中心とする筐体20の設置面に対する角度、つまり投写する映像の水平が規定され、後脚部105bと前脚部105fによって光軸Cの設置面に対する角度も所定角度(本実施の形態では平行)に規定されている。
一方、図3(b)〜(e)では、第1〜第4の溝部110a〜110dのいずれかに嵌合されたレンズキャップ101の一端と後脚部105rが設置面に接しており、横方向に亘って突出している後脚部105rによって、光軸Cを中心とする筐体20の設置面に対する角度が平行に規定され、後脚部105rと前記レンズキャップ101の一端によって光軸Cの設置面に対する角度が規定されている。
第1〜第4の溝部110a〜110dのいずれかにレンズキャップ101を緩嵌することで、光軸Cの設置面に対する角度が変わることになる。したがって、レンズキャップ101を嵌合する場所(第1〜第4の溝部110a〜110dのいずれかに)を選択することにより、投写レンズユニット100から光軸Cに沿ってスクリーンに拡大投写された映像の設置面に対する投写高さを調整することができる。
例えば図3(b)に示すように、第1の溝部110aにレンズキャップ101を緩嵌した場合、後脚部105rの底面(設置面との接触点)から延びる光軸Cと平行な直線と、レンズキャップ101の表面との交点から後脚部105rの設置面との接触点までの長さをP1、上記交点からレンズキャップ101が設置面に当接する点までの距離(突出量)をQ1とした時、光軸Cの設置面に対する角度(投写角度)θ1は数式1で示すことができる。
Figure 2009053498
<溝部110a〜110dの間隔について>
図4は映像の設置面に対するスクリーン投写高さを示す図で、第1の溝部110aにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った時の映像投写高さと第2の溝部110bにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行ったときの映像投写高さを示す図である。後脚部105rが設置面に当接する点からスクリーンまでの距離をA1として、第1の溝部110aにレンズキャップ101を緩嵌した場合、後脚部105rの底面を基準としたスクリーンへの映像投映高さ調整量Y1は数式2で示される。
Figure 2009053498
また、第2の溝部110bにレンズキャップ101を緩嵌した場合、後脚部105rの底面の光軸C方向への中心軸の延長線と、レンズキャップ101の表面との交点から後脚部105rが地面に当接する点までの長さをP12とした時、第2の脚部105bの底面を基準としたスクリーンへの映像投映高さ調整量Y12は数式3で示される。
Figure 2009053498
ここで、第1の溝部110aを用いた映像投映高さ調整量Y1と第2の溝部110bを用いた映像投映高さ調整量Y12の差をΔY1とすると、数式2、数式3より数式4のようにΔY1はQ1(溝形状、レンズキャップ形状で規定)、A1(映像の投写距離(投写レンズユニットのピント位置)にて規定)の積を定数として、P12、P1それぞれの逆数の差に比例した関数として表される。
Figure 2009053498
以上より、スクリーンに対する映像投映高さ調整量Y1を所望量としたい場合は、数式2を満たすようにP1を設定すればよい。また高さ調整間隔を一定とするためには数式4より、P1およびP12の逆数の差が一定となるように溝の間隔を設定すればよいことがわかる。つまり、各溝部110a〜110dに保持されたレンズキャップ101が設置面に接触する点から後脚部105rと設置面との接触点までの長さを各溝部110a〜110dの有効長さと定義すると、光軸C方向に隣接する溝部間の有効長さの逆数の差が一定となるように各溝部110a〜110dを配置すれば、レンズキャップ101を嵌合させる溝を隣接する溝に移動したときの映像の投写高さの変化量を一定とすることができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、筐体20と、筐体20に収められ、映像を投写する投写レンズユニット100と、を備え、筐体20の底面20bには、投写レンズユニット100の光軸C方向の互いに異なる位置に複数の溝部110a〜110dが設けられ、複数の溝部110a〜110dの各々は、所定の形状を有するスペーサを底面20bから突出させた状態で挿脱自在に保持可能であるように構成したので、複数の溝部110a〜110dのいずれかの溝部に前記スペーサを保持することにより、光軸Cの筐体20が設置される設置面に対する角度を変更できるので、簡単な構成で投写型映像表示装置1の映像光の映像投写高さを所望量に調整することが可能となる。
また、筐体20の後端20r側には、筐体20が載置される設置面に対する光軸Cを中心とする筐体20の角度を平行に規定するための後脚部105rを設けたので、スペーサにより映像高さを調整しても、映像の水平が容易に保持され、安定した高さ調整を行うことが可能となる。
とくに、スペーサには映像投影中には不要となるレンズキャップ101を用いるようにしたので、余分な装備を必要とせず、映像投写高さを調整することが可能となる。
さらに、各溝部110a〜110dに保持されたレンズキャップ101が設置面に接触する点から後脚部105rと設置面との接触点までの長さを各溝部110a〜110dの有効長さと定義すると、隣接する溝部間の有効長さの逆数の差を一定となるようにすることで、レンズキャップ101を嵌合する溝部を隣接する溝部にずらす際に変化する映像高さが一定になるので、嵌合する映像高さを容易に調整することが可能となる。
なお、上記実施の形態1においては、映像高さを調整するために溝部の間隔のみを変更する構成としたが、第1〜第4の溝部110a〜110dの溝深さを併せて変更する構成としても所望の調整幅を備える映像投映高さ調整が可能となる。
また、第1〜第4の溝部110a〜110dはレンズキャップ101を底面20bに対して垂直方向に挿入できるように溝が形成されている構成について説明したが、レンズキャップ101が底面20bに対して鋭角或いは鈍角を形成する方向に挿入できるように第1〜第4の溝部110a〜110dを形成する構成としてもよい。その場合、垂直方向に挿入する構成よりも突出量が少なくなり、後脚部105rからの距離が同じ位置であれば、結果としてθ1は小さくなるが、投写型映像表示装置1の映像光の映像投写高さを所望量に調整することは可能であり、同等の効果を得ることが可能である。
また、後脚部105rについても底面20bから必ずしも突出させる必要は無く、底面20bと後面20rとの角にRをつけるだけにしてもよい。
また、溝部の数についても、4つに限定されることは無く、さらに多くの溝部を形成する構成とすることで、投写型映像表示装置1の映像光をより細かく映像投写高さ調整が可能となることは言うまでもない。
また、レンズキャップ101については、樹脂材料で成形し、スナップフィット嵌合により筐体20に取付けられる構成について説明したが、レンズキャップ101をゴム材料などにより成形し、筐体20に嵌合する構成としても同等の効果を得ることが可能である。
実施の形態2.
図5は本実施の形態2にかかる投射型表示装置のレンズキャップの構成を示す図、図6は投射型表示装置に、高さ調整のレンズキャップを嵌合したときの状態を説明するための筐体部分の側面断面図である。図6に示すように、第1〜第4の溝部110a〜110dそれぞれの下部には半球形状の被係合部111a〜111dが形成され、図5に示すようにレンズキャップ501の表面にはレンズキャップ501を第1〜第4の溝部110a〜110dいずれかに挿嵌した時に第1〜第4の被係合部111a〜111dに係合するための穴状の係合部501aが形成される。
つまり、レンズキャップ501を各溝部110a〜110dのいずれかに挿入すれば、被係合部111a〜111dのいずれかが係合部501aに嵌り、レンズキャップ501がいずれかの溝部110a〜110dに半固定される。
以上のように、本実施の形態2によれば、溝部110a〜110dに係合用の突起111a〜111dを設け、レンズキャップ501に突起111a〜111dに係合するための凹状部を形成したので、映像投映高さを調整する際に、レンズキャップ501を溝部110a〜110dに挿嵌した時にレンズキャップ501の係合部501aが、いずれかの突起111a〜111dに係合するため、レンズキャップ501が脱落することがなく、レンズキャップ501の安定した保持が可能となる。
実施の形態3.
図7は実施の形態3にかかる投写型映像表示装置1の底面図、図8は図7におけるVIII−VIII線の切断断面図(筐体30部分のみを示す)である。上述の実施の形態1における投写型映像表示装置1の構成図と同様である部分については説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、筐体30の底面30bにおける前方30f側(すなわち投写レンズユニット100の投写方向側)の両端部には、前脚部205fが設けられている。また筐体30の底面30bにおける後方30r側には、筐体30の底面30bから盛り上がるように後脚部205rが設けられており、その後方端部にはRが形成されている。
筐体30の底面30bには、光軸C方向を中心とする半円あるいは弓形状の第1〜第3の溝部210a〜210cが後脚部205rから光軸C方向に等間隔で形成されている。第1〜第3の溝部210a〜210cの底面には、それぞれレンズキャップ101が嵌合されたときに、レンズキャップ101の面方向の表面が設置面に対して平行となるように、図8に示すようにレンズキャップ101を緩嵌した時の光軸Cの設置面に対する角度と同角度の傾斜を形成している。
次に動作について説明する。
図9は投射型映像表示装置が平らな設置面上に載置されたときに、映像の投写高さを調整する際の動作を説明するためのもので、(a)は映像投写高さ調整をしない状態を示す図、(b)は第1の溝部210aにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す断面図、(c)は第2の溝部210bにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す断面図、(d)は第3の溝部210cにレンズキャップ101を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す断面図である。なお、説明が容易なように図9(b)〜図9(d)は筐体30およびレンズキャップ101の断面図で表示している。
筐体30に備えられた投写レンズユニット100より投写された映像光はスクリーンへ拡大投写される。投写高さを高くしたい時には、第1〜第3の溝部210a〜210cのいずれかにレンズキャップ101を緩嵌することで、投写高さを高くし、微調整を行う。この場合、投射型映像表示装置1を所定の映像高さになるように角度を調整した状態で、レンズキャップ101を前方30f側から滑り込ませると、レンズキャップ101の挿入状態を見なくとも、その角度を規定する溝部にレンズキャップ101が挿入されるので、容易に映像の高さ調整を行うことができる。
例えば図9(b)に示すように、第1の溝部210aにレンズキャップ101を緩嵌した場合、後脚部205rの底面(設置面との接触点)から延びる光軸Cと平行な直線がレンズキャップ101の側面に当接する点から設置面に対する法線の長さをQ2、上記法線と設置面との交点から後脚部205rと設置面との接触点までの距離(突出量)をP2とした時、高さ調整を行った角度θ2は数式5で示すことができる。
Figure 2009053498
以上のように、本実施の形態3によれば、投写型映像表示装置1の底面30bに光軸C方向を中心とする半円あるいは弓形状の第1〜第3の溝部210a〜210cが後脚部205rから光軸C方向に等間隔で形成されているので、第1〜第3の溝部210a〜210cのいずれかにレンズキャップ101を滑り込ませることによって、容易に映像の高さ調整を行うことが可能となる。
とくに、第1〜第3の溝部210a〜210cは筐体30の底面30aに対して、それぞれの溝で行う高さ調整角度と同角度の傾斜を形成するため、設置面に対してレンズキャップ101が平行に接することができる。そのため、筐体30と設置面間をレンズキャップ101全体で支持することができ、剛性の強くないレンズキャップ101を用いた場合にも、安定した映像投写高さ調整機構を構成することが可能となる。
実施の形態3の変形例
本実施の形態3における投射型表示装置の変形例にとして、レンズキャップの厚みを厚くした例について示す。図10は、本変形例におけるレンズキャップとして、レンズキャップ101よりも厚みのあるレンズキャップ301の外観斜視図、図11は図10におけるXI−XI線の切断断面図である。
レンズキャップ301は、樹脂材料などで底面のある円筒形に成形されている。レンズキャップ301は投写レンズユニット100の前面100aを保護するために、スナップフィット嵌合により、筐体30に取付けられる。その際、レンズキャップ301自身が、その厚みの為に投写レンズユニット100の前面100aと接触しないように、投写レンズユニット100側に円筒形の開口部を向けて嵌合する。
動作については、実施の形態3と同様に投射型映像表示装置1を所定の映像高さになるように角度を調整した状態で、レンズキャップ301を前方30f側から滑り込ませると、レンズキャップ301の挿入状態を見なくとも、その角度を規定する溝部にレンズキャップ301が挿入されるので、容易に映像の高さ調整を行うことができる。このとき、レンズキャップ301の厚みがある分、突出量Q2を増大させることができるので、レンズキャップ101による映像投写高さ調整機構よりもダイナミックに高さ調整を行うことが可能となる。
なお、上記実施の形態3においては、レンズキャップ101または301を緩嵌する構成としたが、第1〜第3の溝部210a〜210cにレンズキャップ101をスナップフィット嵌合するための被係合部(図示せず)を備えることで、レンズキャップ101、301が脱落しないように構成してもよい。また、溝部の数についても3つに限定する必要は無く、4つ以上の溝部を形成し、部分的に重ね合わせるように配置することで、投写型映像表示装置1の映像高さをより細かく調整可能となることは言うまでもない。
実施の形態4.
本実施の形態4においては、実施の形態1におけるレンズキャップの代わりにコインを溝部に嵌合するようにして映像の高さ調整を行うように構成した。図12は本実施の形態4にかかる投写型映像表示装置1の底面図である。本実施の形態4においては、実施の形態1の投写型映像表示装置1と同様である部分については説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図において、光軸C方向(縦方向)にコイン201の厚みに相当する幅(例えば、10円玉:1.5mm、100円玉:1.66mm、500円玉:2mm)を有し、横をコイン形状の径方向(例えば、10円玉:φ23.5mm、100円玉:φ22.6mm、500円玉:φ26.5mm)がそれぞれ緩嵌できる大きさの長方形の開口部を有する第1〜第3の溝部310a〜310cが光軸C方向において等間隔で形成されている。つまり、底面40bには、コイン201を底面40bに対して垂直方向に挿入できる第1〜第3の溝部310a〜310cが、光軸C方向において後面40rから異なる距離の位置に形成されている。なお、後面40rに最も近い位置にある第3の溝部310cは筐体40の重心位置を底面40bに投影した重心の投影点120よりも前面40f側に形成されている。
次に動作について説明する。
図13は投射型映像表示装置が平らな設置面上に載置されたときに、映像の投写高さを調整する際の動作を説明するためのもので、(a)は映像投写高さ調整をしない状態を示す図、(b)は第1の溝部310aにコイン201を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(c)は第2の溝部310bにコイン201を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(d)は第3の溝部310cにコイン201を緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図である。
筐体40に備えられた投写レンズユニット100より投写された映像光はスクリーンへ拡大投写される。投写高さを高くしたい時には、第1〜第3の溝部310a〜310cのいずれかにコイン201を緩嵌することで、投写高さを高くし、微調整を行う。
例えば図13(b)に示すように第1の溝部310aにコイン201を緩嵌した場合、後脚部105rの底面(設置面との接触点)から延びる光軸Cと平行な直線と、コイン201の表面との交点から後脚部105rの設置面との接触点までの長さをP3、上記交点からコイン201が設置面に当接する点までの距離(突出量)をQ3とした時、高さ調整を行った角度θ3は数式6で示すことができる。
Figure 2009053498
以上のように、本実施の形態4によれば、スペーサには身近にあるコイン201を用いるようにしたので、余分な装備を必要とせず、簡単な構成で映像投写高さを調整することが可能となる。
また、本実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、隣接する溝部310a〜cの後脚部105rからの光軸C方向における距離の逆数の差が一定となるようにすることで、コイン201を嵌合する溝部を隣接する溝部にずらす際に変化する映像高さが一定になるので、嵌合する映像高さを容易に調整することが可能となる。
実施の形態5.
本実施の形態5においては、光軸C方向における後脚部から距離が同じ位置に深さの異なる溝部を配置した。図14は本実施の形態4にかかる投写型映像表示装置1の底面図、図15は図14における筐体部分のXV−XV線の切断断面図、図16はレンズキャップの外観斜視図である。本実施の形態5においても、実施の形態1における投写型映像表示装置の構成と同様である部分については説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図14に示すように筐体50の底面50bには、光軸C方向(縦方向)に2行、横方向に3列、計6つの溝部が形成されている。6つの溝部のうち、縦方向に並んだ同じ列内の溝部(410aと410b、411aと411b、または412aと412b)は深さが同じである。一方、後脚部105rから光軸C方向に沿って同じ距離に位置する行内の溝部410aと411aと412aは、図15に示すようにそれぞれ深さが異なり、左列の410aが最も深く、中央列411aが中間深さ、右列412aが最も浅く形成されている。これは、410bと411bと412bにおいても同様である。さらに各溝部410a、410b、411a、411b、412a、412b(以降これら全てをまとめて溝部410−412と表記する)の開口部の形状は、2つの同心円と光軸に平行な2本の線分で囲まれた、いわゆるドーナツ形を分割した形状をなしている。また、どの溝部410−412も筐体50の重心位置を底面50bに投影した重心の投影点120よりも前方50f側に形成されている。
筐体50にスナップフィット嵌合により取付けられるレンズキャップ401には最外周に筐体50の底面50bに形成した溝部410−412の開口部と同形状の断面を有する凸部401aを備え、樹脂材料で成形されている。また、レンズキャップ401に形成された凸部401aはレンズキャップ401を筐体50に取付けた状態で投写レンズユニット100の表面100aと接触するのを回避するようにレンズ表面100aの径よりも外周側に形成されている。
また、各溝部410−412は、レンズキャップ401の凸部401aが緩嵌し、レンズキャップ401の前面が設置面に対して平行に接触するように底面50bの法線に対して、映像投写高さを調整する際に光軸Cが設置面に対してなす角度と同角度の傾斜を有している。
次に動作について説明する。
図17は平らな設置面上に載置された投射型映像表示装置の映像の投写高さを調整する際に、レンズキャップ401の凸部401aを嵌合する溝部を光軸C方向に並んだ溝部間で変化させた場合の動作を示す図であり、(a)中央列前側の溝部411aにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(b)中央列後ろ側の溝部411bにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図である。図18は平らな設置面上に載置された投射型映像表示装置の映像の投写高さを調整する際に、レンズキャップ401の凸部401aを嵌合する溝部を光軸Cと垂直方向に並んだ溝部間(行内)で変化させた場合の動作を示す図であり、(a)中央列前側の溝部411aにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(b)右列前側の溝部412aにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図、(c)左列前側の溝部410aにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌し、映像投写高さ調整を行った状態を示す図である。
筐体50に備えられた投写レンズユニット100より投写された映像光はスクリーンへ拡大投写される。投写高さを高くしたい時には、各溝410−412のいずれかにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌することで、投写高さを変更して調整を行う。
例えば図18(a)、図17(a)に示すように中央列前側の溝部411aにレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌した場合、後脚部105rの底面(設置面との接触点)から延びる光軸Cと平行な直線がレンズキャップ401の凸部401aの側面に当接する点から設置面に対する法線の長さをQ4、上記法線と設置面との交点から後脚部105rと設置面との接触点までの距離(突出量)をP4とした時、高さ調整を行った角度をθ4は数式7で示すことができる。
Figure 2009053498
本実施の形態では、P4(行を移動)だけでなく、レンズキャップ401の凸部401aを嵌合する溝を深さの異なる横方向の溝に移動(列を移動)させることによってQ4をも変化させることができるので、溝部を形成する部分の長さの範囲に制約がある場合でも、映像の投写高さを調整することが可能となる。つまり、筐体50をコンパクトにしても容易に映像の投写高さ調整が可能となる。
また、左列から右列へ列を移動する際の溝部の深さ変化によるQ4の調整量(変化割合)を光軸C方向に隣接する溝部間(行を移動)によるP4の変化割合より小さくすることにより、投写高さの大きな変化を行の移動で、細かな調整を列の移動で受け持たせることが可能となる。つまり、投写高の大きな変化と微妙な調整を使い分けることにより、映像の投写高さをより所望の高さに調整することが容易にできる。
以上のように、本実施の形態5によれば、異なる深さの溝部410−412が設けられているので、筐体を小型にしても容易に映像の投写高さ調整が可能な投射型映像表示装置を得ることができる。
とくに、後脚部105rから光軸C方向において同じ距離の位置に異なる深さの複数の溝部(410a、411a、412aの組合せ、または、410b、411b、412bの組合せ)が設けられているので、容易に映像の投写高さ調整が可能となる。
なお、光軸C方向に並ぶ溝部の数を実施の形態1と同様にすれば、実施の形態1と同様の高さ調整範囲を得ると共に、さらに微妙な調整も可能となる。
また、レンズキャップ401に設けた凸部401aを溝部410−412に嵌合するようにし、溝部410−412には、レンズキャップ401の表面が設置面に対して平行になるように傾斜を有しているので、いずれの溝にレンズキャップ401の凸部401aを緩嵌してもレンズキャップ401の表面は設置面に対して平行となるので、投写型映像表示装置1の安定した支持が可能となる。
さらに、レンズキャップ401の凸部401aを筐体20取付けたとき、凸部401aが投写レンズユニット100のレンズ表面100aに接触するのを回避する構成(投写レンズユニット100の表面100aの面から外れた周縁部に位置する)としたため、レンズキャップ401を筐体50に嵌合したときの出っ張りを大きくすること無く、凸部401aを高くすることが可能となり、より映像投写高さの調整量を大きくすることが可能となる。
なお、各溝部410−412には傾斜を形成せず、レンズキャップ401の凸部401aが筐体20の底面50bに対して垂直に挿入される構成とした場合、レンズキャップ401の表面のエッジが設置面に当接することになるが、投写型映像表示装置1の映像光の映像投写高さを所望量に調整することは可能である。
また、レンズキャップ401の凸部401aの断面はドーナツ形を分割した形状としたが、ドーナツ形を分割した形状でなくとも、投写レンズユニットレンズ100のレンズの表面100aに接触するのが回避できる形状であれば、同等の効果を得ることが可能である。その際には、各溝部410−412の開口部をその形状に合わせて形成すればよい。
本発明の実施の形態1にかかる投写型映像表示装置の外観斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる投写型映像表示装置の底面図である。 本発明の実施の形態1にかかる投写型映像表示装置の映像投写高さ調整時の動作を示す図である。 映像の設置面に対するスクリーン投写高さを示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる投射型映像表示装置のレンズキャップを示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる投射型映像表示装置において、映像投写高さ調整を行った状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる投射型映像表示装置の底面図である。 本発明の実施の形態3にかかる投射型映像表示装置の筐体部分のVIII-VIII線の切断断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる投写型映像表示装置の映像投写高さ調整時の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3の変形例にかかる投射型映像表示装置のレンズキャップを示す図である。 本発明の実施の形態3の変形例にかかる投射型映像表示装置のレンズキャップのXI−XI線の切断断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる投射型映像表示装置の底面図である。 本発明の実施の形態4にかかる投写型映像表示装置の映像投写高さ調整時の動作を示す図である。 実施の形態4を示す投写型映像表示装置1の底面図である。 本発明の実施の形態4にかかる投射型映像表示装置の筐体部分のXV-XV線の切断断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる投射型映像表示装置のレンズキャップを示す図である。 本発明の実施の形態5にかかる投写型映像表示装置の映像投写高さ調整時の動作を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかる投写型映像表示装置の映像投写高さ調整時の動作を示す図である。
符号の説明
1 投写型映像表示装置、 20,30,40,50 筐体、 20b,30b,40b,50b 底面、 20r,30r,40r,50r 後面、 100 投写レンズユニット、 100a 表面、 105f,205f 前脚部、105r 205r 後脚部、 101,301,401,501レンズキャップ(スペーサ)、 201 コイン(スペーサ)、 401a 凸部、 501a 穴(係合部)、 110a〜110d,210a〜210c,310a〜310c,410a,410b,411a,411b,412a,412b 溝部、 111a〜111d 突起(係合部)、 120 重心の投影点、

Claims (8)

  1. 筐体と、
    前記筐体に収められ、映像を投写する投写レンズユニットと、を備え、
    前記筐体の底面には、前記投写レンズユニットの光軸方向の互いに異なる位置に複数の溝部が設けられ、
    前記複数の溝部の各々は、所定の形状を有するスペーサを前記底面から突出させた状態で挿脱自在に保持可能である投写型映像表示装置。
  2. 前記筐体の後端側には、前記筐体が載置される設置面に対する前記光軸を中心とする前記筐体の角度を平行に規定するための後脚部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
  3. 前記複数の溝部の各溝部に保持される前記スペーサの前記設置面との接触点から前記後脚部と前記設置面との接触点までの長さを各溝部の有効長さと定義すると、
    前記複数の溝部は、前記光軸方向に隣接する溝部間の前記有効長さの逆数の差が一定となるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
  4. 前記筐体の底面には、前記光軸方向の同じ位置に異なる深さの複数の溝部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の投写型映像表示装置。
  5. 前記複数の溝部は、前記投写レンズユニットのレンズキャップを前記スペーサとして保持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の投写型映像表示装置。
  6. 前記レンズキャップは、前記投写レンズユニットへの嵌合方向に突出し、前記複数の溝部のそれぞれに嵌合可能な突起を外周部に形成していることを特徴とする請求項5に記載の投写型映像表示装置。
  7. 前記複数の溝部は、前記保持されたレンズキャップの表面が前記設置面に対して平行になるようにそれぞれ傾斜が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の投写型映像表示装置。
  8. 前記複数の溝部は、コインを前記スペーサとして保持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の投写型映像表示装置。
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