JP2009053257A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液晶パネルは、液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子と、液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子と、該第1の偏光子と該第2の偏光子との間に配置された光学補償層とを備え、該液晶セルの屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を示し、該光学補償層が少なくとも該液晶セルを基準にして同じ側に配置された屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示す第1の光学補償層と、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示す第2の光学補償層とを有し、該光学補償層の厚み方向の位相差がRth(450)>Rth(550)>Rth(650)の関係を示す。
【選択図】図1
Description
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差Re
面内位相差Re(λ)は、23℃、波長λにおける層(フィルム)の面内位相差値をいう。Reは、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Re=(nx−ny)×dによって求められる。例えば、Re(590)と示したときは、波長590nmにおける層(フィルム)の面内位相差をいう。同様に、Re(450)、Re(550)、Re(650)と示したときは、それぞれ、波長450nm、550nm、650nmにおける層(フィルム)の面内位相差をいう。なお、本明細書に記載される用語や記号に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「LC」は液晶セルを表す。
(3)厚み方向の位相差Rth
厚み方向の位相差Rth(λ)は、23℃、波長λにおける層(フィルム)の厚み方向の位相差値をいう。Rthは、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dによって求められる。例えば、Rth(590)と示したときは、波長590nmにおける層(フィルム)の厚み方向の位相差をいう。同様に、Rth(450)、Rth(550)、Rth(650)と示したときは、それぞれ、波長450nm、550nm、650nmにおける層(フィルム)の厚み方向の位相差をいう。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth´(λ)/Re(λ)によって求められる。ここで、Rth´(λ)は、波長λにおける面内の遅相軸方向および厚み方向の屈折率をそれぞれnx、nzとし、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Rth´(λ)=(nx−nz)×dによって求められる値である。
(5)λ/2板
λ/2板とは、光ビームの偏光面を回転させる役目をする電子光学的な複屈折板であり、互いに直角な方向に振動する直線偏光間に1/2波長の光路差を生じさせる機能を有するものをいう。すなわち、常光線成分と異常光線成分との間の位相が2分の1サイクルずれるように作用するものをいう。
(6)λ/4板
λ/4板とは、光ビームの偏光面を回転させる役目をする電子光学的な複屈折板であり、互いに直角な方向に振動する直線偏光間に1/4波長の光路差を生じさせる機能を有するものをいう。すなわち、常光線成分と異常光線成分との間の位相が4分の1サイクルずれるように作用し、円偏光を平面偏光に(または、平面偏光を円偏光に)変換するものをいう。
A−1.液晶パネルの全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。この液晶パネル100は、液晶セル10と、液晶セル10の一方の側に配置された第1の偏光子20と、液晶セル10の他方の側に配置された第2の偏光子20’と、第1の偏光子20と第2の偏光子20’との間に配置された光学補償層とを備える。光学補償層は、少なくとも第1の光学補償層31と第2の光学補償層32とを有する。第1の光学補償層31と第2の光学補償層32とは、液晶セル10に対して同じ側に配置される。図示例では、第1の光学補償層31と第2の光学補償層32とは、液晶セル10と第2の偏光子20’との間に配置され、第1の光学補償層31が第2の偏光子20’側となるように配置されている。また、本実施形態においては、光学補償層は、第3の光学補償層33をさらに備える。第3の光学補償層33は、液晶セル10を基準にして第1の光学補償層31とは反対側に配置される。図示例では、第3の光学補償層33は、液晶セル10と第1の偏光子20との間に配置されている。
上記液晶セル10は、一対の基板11、11’と、基板11、11’間に挟持された表示媒体としての液晶層12とを有する。一方の基板(カラーフィルター基板)11には、カラーフィルターおよびブラックマトリクス(いずれも図示せず)が設けられている。他方の基板(アクティブマトリクス基板)11’には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)(図示せず)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線(図示せず)およびソース信号を与える信号線(図示せず)と、画素電極(図示せず)とが設けられている。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板11’側に設けてもよい。上記基板11、11’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー(図示せず)によって制御されている。上記基板11、11’の液晶層12と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜(図示せず)が設けられている。
上記光学補償層は、少なくとも第1の光学補償層31と第2の光学補償層32とを有する。このような構成とすることにより、液晶セルの厚み方向の位相差、波長分散特性に応じて、好適に液晶セルを補償し得、コントラストに優れ得る。光学補償層は、必要に応じて、第3の光学補償層33および/または第4の光学補償層34をさらに有する。このような構成とすることにより、より適切に液晶セルを補償し得、コントラストに優れ得る。光学補償層の厚み方向の位相差Rth(590)は、好ましくは270〜470nm、さらに好ましくは310〜430nm、特に好ましくは340〜380nmである。光学補償層の厚み方向の位相差は、任意の適切な第1の光学補償層と第2の光学補償層(必要に応じて、第3の光学補償層、第4の光学補償層)とを組み合わせることにより調整し得る。
上記第1の光学補償層31は、nx>ny>nzの屈折率楕円体を有する。第1の光学補償層の面内位相差Re1(590)は、好ましくは80〜200nm、さらに好ましくは100〜200nm、特に好ましくは110〜150nmである。第1の光学補償層は、λ/4板として機能し得る。第1の光学補償層は、λ/4板として、例えば、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換し得る。第1の光学補償層のNz係数(Rth1´(590)/Re1(590))は、好ましくは1<Nz<2、さらに好ましくは1<Nz<1.8、特に好ましくは1.2<Nz<1.7である。このような範囲のNz係数を有することにより、第1の光学補償層がλ/4板として機能し得るとともに、後述の第2の光学補償層とともに上記光学補償層の光学特性(Rth、波長分散特性)を満足し得、液晶セルを良好に補償し得る。その結果、コントラストに極めて優れ得る。
上記第2の光学補償層32は、nx=ny>nzの屈折率楕円体を有する。ここで、「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。すなわち、Re2(590)が10nm未満であることをいう。上記第2の光学補償層の厚み方向の位相差は、上記第1の光学補償層の光学特性(例えば、Nz係数)、適用される液晶パネルの構成等に応じて、任意の適切な値に設定され得る。具体的には、図1に示すように、液晶パネルが後述の第4の光学補償層を有さない場合、厚み方向の位相差Rth2(590)は、好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは30〜200nm、特に好ましくは50〜180nmである。一方、図2に示すように、液晶パネルが後述の第4の光学補償層を備える場合、厚み方向の位相差Rth2(590)は、好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは15〜100nm、特に好ましくは25〜90nmである。
一つの実施形態においては、上記第3の光学補償層33は、その屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示す。別の実施形態においては、その屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を示す。ここで、「ny=nz」は、nyとnzが厳密に等しい場合のみならず、nyとnzが実質的に等しい場合も包含する。第3の光学補償層の面内位相差Re3(590)は、好ましくは80〜200nm、さらに好ましくは100〜200nm、特に好ましくは110〜150nmである。第3の光学補償層は、λ/4板として機能し得る。第3の光学補償層は、λ/4板として、例えば、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換し得る。
上記第4の光学補償層34は、好ましくは、その屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示す。第4の光学補償層の厚み方向の位相差Rth4(590)は、好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは15〜100nm、特に好ましくは25〜90nmである。第4の光学補償層を形成する材料としては、上記第2の光学補償層と同様のものを採用し得る。
上記偏光子20、20’としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
上記保護層(第1の保護層、第2の保護層、第3の保護層および第4の保護層)は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
上記液晶パネルは、任意の適切な方法で作製し得る。具体例として、上記液晶セルに上記の構成要素(第1および第2の光学補償層、第1および第2の偏光子等)を順次積層する方法が挙げられる。別の具体例としては、第2の偏光子と第1の光学補償層と第2の光学補償層とを積層して積層光学フィルムを作製し、第1の偏光子と第3の光学補償層と必要に応じて第4の光学補償層とを積層して積層フィルムを作製し、次いで、当該積層光学フィルムおよび積層フィルムを液晶セルに貼り合せる方法が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上記液晶パネルを備える。本発明の液晶表示装置において、液晶パネルは任意の適切な方法で配置される。具体的には、液晶パネルは、その第1の偏光子側が視認側となるように配置されていてもよく、バックライト側となるように配置されていてもよい。
王子計測製KOBRA−WPRを用いて自動計測した。測定温度は23℃であった。
(2)コントラストの測定
実際に作製して測定した各光学補償層の光学特性パラメーターを用いて、各実施例および比較例の液晶パネルについてコンピューターシミュレーションを行った。シミュレーションには、シンテック社製、液晶表示器用シミュレーター「LCD MASTER」を用いた。
(第1の光学補償層)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名Zeonor、厚み60μm、光弾性係数3.1×10−12m2/N)を150℃で1.5〜2.0倍に固定端二軸延伸することによって、長尺状のフィルムを作製した。このフィルムの面内位相差Re1(590)は140nm、厚み方向の位相差Rth1(590)は130nm、Nz係数(Rth1´(590)/Re1(590))は1.43であった。また、このフィルムの厚み方向の位相差Rth1(450)は130nm、Rth1(550)は130nm、Rth1(650)は130nmであった。得られたフィルムを後述する液晶セルに対応するサイズに打ち抜いて第1の光学補償層とした。
下記化学式(1)に示されるネマチック液晶性化合物90重量部、下記化学式(2)に示されるカイラル剤10重量部、光重合開始剤(イルガキュア907:チバスペシャリティーケミカルズ社製)5重量部、およびメチルエチルケトン300重量部を均一となるように混合し、液晶塗工液を調製した。次に、この液晶塗工液を基板(二軸延伸PETフィルム)上にコーティングし、80℃で3分間熱処理し、次いで紫外線を照射して重合処理し、基板上に第2の光学補償層となるコレステリック配向固化層を形成した。当該コレステリック配向固化層の厚みは3μm、厚み方向の位相差Rth2(590)は150nmであり、面内位相差Re2は実質的にゼロであった。また、このフィルムの厚み方向の位相差Rth2(450)は162nm、Rth2(550)は150nm、Rth2(650)は148nmであった。
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名Zeonor、厚み40μm、光弾性係数3.10×10−12m2/N)を140℃で1.52倍に一軸延伸することによって、長尺のフィルムを作製した。このフィルムの厚みは35μm、面内位相差Re3(590)は140nm、厚み方向の位相差Rth3(590)は70nm、Nz係数(Rth3´(590)/Re1(590))は1であった。また、このフィルムの厚み方向の位相差Rth3(450)は70nm、Rth3(550)は70nm、Rth3(650)は70nmであった。得られたフィルムを後述の液晶セルに対応するサイズに打ち抜いて第3の光学補償層とした。
上記第1の光学補償層に、第2の光学補償層となるコレステリック配向固化層をイソシアネート系接着剤(厚み5μm)で接着し、上記基板(二軸延伸PETフィルム)を除去して、第1の光学補償層にコレステリック配向固化層が転写された積層体を得た。
次に、得られた積層体の第1の光学補償層側に、偏光子および保護層を含む偏光板(日東電工株式会社製、商品名:TEG1465DU)を、アクリル系粘着剤(厚み12μm)を介して積層した。ここで、第1の光学補償層の遅相軸が、偏光板の偏光子の吸収軸に対して時計回りに45°となるように積層した。このようにして積層光学フィルムAを得た。
上記第3の光学補償層に、偏光子および保護層を含む偏光板(日東電工株式会社製、商品名:TEG1465DU)を、アクリル系粘着剤(厚み12μm)を介して積層した。ここで、第3の光学補償層の遅相軸が、偏光板の偏光子の吸収軸に対して時計回りに45°となるように積層した。このようにして積層フィルムBを得た。
実施例1の光学補償層の厚み方向の位相差は、Rth(450):364nm、Rth(550):355nm、Rth(590):352nm、Rth(650):350nmであった。
ソニー社製プレイステーションポータブル(VAモード液晶セル搭載)から液晶セルを取り外した。得られた液晶セルのRthLC(450):381nm、RthLC(550):360nm、RthLC(590):352nm、RthLC(650):340nmであった。
次に、得られた液晶セルのバックライト側に上記積層光学フィルムAを、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して貼り付ける。このとき、第2の光学補償層が液晶セル側になるように貼り付ける。また、液晶セルの視認側には、上記積層フィルムBを、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して貼り付ける。ことのき、第3の光学補償層が液晶セル側になるように貼り付ける。また、積層光学フィルムAの偏光子の吸収軸と積層フィルムBの偏光子の吸収軸とが互いに実質的に直交するように積層する。このようにして液晶パネルを作製する。
このような液晶パネルを用いた液晶表示装置のコントラストの視野角依存性についてコンピューターシミュレーションを行った。結果を図4に示す。
(積層光学フィルムCの作製)
第1の光学補償層として下記に示すフィルムを用いたこと以外は積層光学フィルムAと同様にして、積層光学フィルムCを作製した。
(第1の光学補償層)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名Zeonor、厚み60μm、光弾性係数3.1×10−12m2/N)を150℃で1.55倍に固定端二軸延伸することによって、長尺状のフィルムを作製した。このフィルムの面内位相差Re1(590)は140nm、厚み方向の位相差Rth1(590)は150nm、Nz係数(Rth1´(590)/Re1(590))は1.55であった。また、このフィルムの厚み方向の位相差Rth1(450)は150nm、Rth1(550)は150nm、Rth1(650)は150nmであった。得られたフィルムを上述の液晶セルに対応するサイズに打ち抜いて第1の光学補償層とした。
実施例2の光学補償層の厚み方向の位相差は、Rth(450):382nm、Rth(550):373nm、Rth(590):371nm、Rth(650):368nmであった。
積層光学フィルムAのかわりに積層光学フィルムCを用いること以外は実施例1と同様にして液晶パネルを得る。
このような液晶パネルを用いた液晶表示装置のコントラストの視野角依存性についてコンピューターシミュレーションを行った。結果を図5に示す。
(積層光学フィルムDの作製)
第1の光学補償層として下記に示すフィルムを用いたこと、第2の光学補償層の厚みが2μmでRth2(590)が110nm(Rth2(450)は119nm、Rth2(550)は113nm、Rth2(650)は109nm)であったこと以外は積層光学フィルムAと同様にして、積層光学フィルムDを作製した。
(第1の光学補償層)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名Zeonor、厚み60μm、光弾性係数3.1×10−12m2/N)を150℃で1.38倍に自由端一軸延伸した後、147℃で2.30倍に固定端一軸延伸することによって、長尺状のフィルムを作製した。このフィルムの面内位相差Re1(590)は140nm、厚み方向の位相差Rth1(590)は185nm、Nz係数(Rth1´(590)/Re1(590))は1.8であった。また、このフィルムの厚み方向の位相差Rth1(450)は185nm、Rth1(550)は185nm、Rth1(650)は185nmであった。得られたフィルムを上述の液晶セルに対応するサイズに打ち抜いて第1の光学補償層とした。
実施例3の光学補償層の厚み方向の位相差は、Rth(450):374nm、Rth(550):368nm、Rth(590):366nm、Rth(650):365nmであった。
積層光学フィルムAのかわりに積層光学フィルムDを用いること以外は実施例1と同様にして液晶パネルを得る。
このような液晶パネルを用いた液晶表示装置のコントラストの視野角依存性についてコンピューターシミュレーションを行った。結果を図6に示す。
(積層フィルムEの作製)
上記実施例3で第1の光学補償層として用いたフィルムに、偏光子および保護層を含む偏光板(日東電工株式会社製、商品名:TEG1465DU)を、アクリル系粘着剤(厚み12μm)を介して積層した。ここで、フィルムの遅相軸が、偏光板の偏光子の吸収軸に対して時計回りに45°となるように積層した。このようにして積層フィルムEを得た。なお、比較例1の光学補償層の厚み方向の位相差は、Rth(450):370nm、Rth(550):370nm、Rth(590):370nm、Rth(650):371nmであった。
積層光学フィルムAのかわりに積層フィルムEを用いること、積層フィルムBのかわりに積層フィルムEを用いること以外は実施例1と同様にして液晶パネルを得る。
このような液晶パネルを用いた液晶表示装置のコントラストの視野角依存性についてコンピューターシミュレーションを行った。結果を図7に示す。
20 第1の偏光子
20’ 第2の偏光子
31 第1の光学補償層
32 第2の光学補償層
100 液晶パネル
100’ 液晶パネル
Claims (8)
- 液晶セルと、
該液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子と、
該液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子と、
該第1の偏光子と該第2の偏光子との間に配置された光学補償層とを備え、
該液晶セルの屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を示し、
該光学補償層が少なくとも該液晶セルを基準にして同じ側に配置された屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示す第1の光学補償層と、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示す第2の光学補償層とを有し、
該光学補償層の厚み方向の位相差がRth(450)>Rth(550)>Rth(650)の関係を示し、
該液晶セルのRth(450)/Rth(550)と該光学補償層のRth(450)/Rth(550)との差の絶対値が0.055以下であり、
該液晶セルのRth(650)/Rth(550)と該光学補償層のRth(650)/Rth(550)との差の絶対値が0.055以下である、液晶パネル。 - 前記光学補償層が前記液晶セルを基準にして前記第1の光学補償層とは反対側に配置された第3の光学補償層をさらに有し、
該第3の光学補償層の屈折率楕円体がnx>ny=nzまたはnx>ny>nzの関係を示す、請求項1に記載の液晶パネル。 - 前記光学補償層が前記液晶セルを基準にして前記第2の光学補償層とは反対側に配置された第4の光学補償層をさらに有し、
該第4の光学補償層の屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示す、請求項1または2に記載の液晶パネル。 - 前記第1の光学補償層の面内位相差Re1(590)が80〜200nmである、請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記第1の光学補償層のNz係数が1<Nz<2の関係を示す、請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記第2の光学補償層がコレステリック配向固化層である、請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記第1の光学補償層の遅相軸と前記液晶セルが配置されていない側に配置されている偏光子の吸収軸とのなす角度が30〜60°である、請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネル。
- 請求項1から7のいずれかに記載の液晶パネルを備える、液晶表示装置。
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