JP2009052459A - 流体機械の端子保護構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品コストの削減、及び組立性の向上を図ることができる流体機械の端子保護構造を提供する。
【解決手段】キャップ(52)を取付部材(56)に固定する固定手段を備えた流体機械の端子保護構造であって、固定手段は、キャップの取付部材に対する固定に伴い、キャップの端面(52b)と容器の外面(6a)とによりシール部(66)を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体機械の端子保護構造に係り、詳しくは、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などに用いられる密閉型スクロール圧縮機に備えられて好適な流体機械の端子保護構造に関する。
この種の流体機械の端子保護構造の一例としては、圧縮機の密閉容器から突出したターミナル端子近傍に板金具を溶接し、ガスケットとターミナルカバーとをクランプ状の取付金具で挟んで板金具に固定する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−146901号公報
しかしながら、上記従来技術では、端子保護構造の部品点数が多くなり、その部品コストが嵩む上に組立性が悪いとの問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、部品コストの削減、及び組立性の向上を図ることができる流体機械の端子保護構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の流体機械の端子保護キャップは、流体機械を駆動するための電動機が収容される容器と、容器の外部と電動機とを電気的に接続する端子と、端子を容器の外部から覆うキャップと、容器に固定されるキャップの取付部材と、キャップを取付部材に固定する固定手段とを備えた流体機械の端子保護構造であって、固定手段は、キャップの取付部材に対する固定に伴い、キャップの端面と容器の外面とによりシール部を形成することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、固定手段がキャップの外周側面に突設される複数の突起部と、取付部材に穿孔され、複数の突起部がそれぞれ嵌合される複数の嵌合孔とからなることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1または2において、キャップが所定の硬度を有する弾性材料から形成されることを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項3において、キャップがその幅方向に所定のたわみしろを有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項4において、キャップがその高さ方向に所定の圧縮しろを有することを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項1乃至5の何れかにおいて、取付部材がその上部にフック引掛け用孔を有することを特徴としている。
請求項1記載の本発明の流体機械の端子保護構造によれば、キャップを取付部材に固定する固定手段は、キャップの取付部材に対する固定に伴い、キャップの端面と容器の外面とによりシール部を形成する。これにより、キャップの端面と容器の外面との間にシール部材を別途設置しなくとも、キャップ内への水等の浸入を防止して端子を保護することができるため、端子保護構造の部品コストの削減、及び組立性の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、固定手段は、キャップの外周側面に突設される複数の突起部と、取付部材に穿孔され、複数の突起部がそれぞれ嵌合される複数の嵌合孔とからなる。これにより、キャップを取付部材に固定するための固定部材を別途設置しなくて良いため、端子保護構造の更なる部品コストの削減、及び組立性の向上を図ることができる。
請求項3記載の発明によれば、キャップが所定の硬度を有する弾性材料から形成されることにより、端子を保護するのに十分なキャップの強度を確保して端子保護構造の信頼性を確保しつつ、キャップの弾性力を利用した端子保護構造の組立性の向上を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、キャップがその幅方向に所定のたわみしろを有することにより、キャップの弾性力を利用して、突起部を嵌合孔に容易にして堅固に嵌合させることができる。すなわち、キャップを取付部材、ひいては容器に容易にして堅固に固定することができるため、端子保護構造の組立性及び信頼性を更に向上することができる。
請求項5記載の発明によれば、キャップがその高さ方向に所定の圧縮しろを有することにより、キャップの弾性力を利用して、突起部を嵌合孔に嵌合させる際に、キャップの端面を容器の外面に緊密に密着させることができる。すなわち、容易にして緊密なシール部を形成することができるため、端子保護構造の組立性及び信頼性をより一層向上することができる。
請求項6記載の発明によれば、取付部材がその上部にフック引掛け用孔を有する。ここで、流体機械の塗装工程においては、フックに流体機械を引掛けて吊した状態で塗装が行われるが、取付部材にフック引掛け用孔を形成することにより、端子保護構造にフック引掛け用の部材を別途設置する必要はなく、端子保護構造の更なる部品コスト削減及び組立性向上を図ることができる。
しかも、流体機械の塗装工程において、端子をダミーのキャップ等で覆えば、塗料から端子を保護することもできるため、端子保護構造、ひいては流体機械の生産性が向上して好適である。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る流体機械の一例である密閉型のスクロール圧縮機の縦断面図を示している。この圧縮機1は、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれ、当該回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
圧縮機1は密閉容器(容器)2を備え、密閉容器2は両端が開口した筒状のセンターシェル4と、センターシェル4の上端、下端にそれぞれ気密に内嵌されるトップシェル6、及びボトムシェル8とから構成され、これよりセンターシェル4の内部は密閉されて冷媒の吐出圧が作用している。センターシェル4の適宜位置には冷凍回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、一方、トップシェル6の適宜位置には密閉容器2内の圧縮冷媒を冷凍回路へ吐出する吐出管12が接続されている。
センターシェル4内にはスクロールユニット14と、当該ユニット14の下方に配され、回転軸16を介してユニット14を駆動する電動モータ(電動機)18とが収容されている。
回転軸16の上端側は軸受を介して主軸フレーム20に回転自在に支持され、主軸フレーム20はセンターシェル4に固定されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受を介して副軸フレーム22に回転自在に支持され、オイルポンプ24が装着されており、このポンプ24はボトムシェル8の内側に形成された貯油室26内の潤滑油を吸引している。吸引された潤滑油は、回転軸16内を軸線方向に穿孔される給油路28を上昇し、回転軸16の上端からユニット14、モータ18、軸受等に供給される。副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油の導入口30が形成され、圧縮機1の各摺動部分や軸受等に供給された潤滑油は導入口30を介して貯油室26に貯留される。
ユニット14は、可動スクロール32及び固定スクロール34から構成され、これらスクロール32,34が互いに協働し、吸入管10から冷媒を吸入して圧縮室を形成している。圧縮室は、固定スクロール34に対する可動スクロール32の公転旋回運動により、ユニット14の中心に向けて移動しながら、その容積を減少させて、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施している。
可動スクロール32は、その自転が自転阻止ピン36により阻止され、主軸フレーム20上を公転旋回運動する。可動スクロール32に公転旋回運動を付与するため、可動スクロール32の鏡板の背面側にはボス38が突出して形成され、それに対向する回転軸16の上端側には偏心軸40が一体形成されており、ボス38は軸受を介して偏心軸40に回転自在に支持されている。
一方、固定スクロール34は、センターシェル4に固定されると共に、固定スクロール34の鏡板の背面側に形成される冷媒の吐出室42を圧縮室と区画している。
詳しくは、固定スクロール34の中央部分の適宜位置には、吐出孔44が穿設されており、吐出孔44は吐出室42側に配置された吐出弁46により開閉される。吐出弁46は吐出カバー48で覆われ、吐出カバー48によって圧縮室と吐出室42とが区画されると共に、吐出弁46の開弁時における音が抑制される。
上述した圧縮機1によれば、回転軸16の回転に伴い可動スクロール32が主軸フレーム20上を公転旋回運動し、これにより吸入管10を介して吸入された冷媒がユニット14の内方に向けて流動しながら圧縮され、圧縮された高圧冷媒が吐出孔44から吐出されて密閉容器2内を循環し、循環した冷媒が吐出室42から吐出管12を介して圧縮機1の外部へ送出される。
ところで、電動モータ18には、密閉容器2の外部に配置された図示しない駆動回路からターミナル端子(端子)50を介して電力が供給されている。
この端子50は、三相モータであるモータ18の相数に合致した3本の中継端子であって、トップシェル6を貫通し、密閉容器2の外部及び吐出室42内に突出して設けられている。端子50の吐出室42内に突出する部分は図示しないワイヤハーネスでモータ18と電気的に接続されている。
一方、端子50のトップシェル6の外方に突出する部分は、図示しないワイヤハーネスで上記駆動回路と電気的に接続されると共に、端子保護キャップ(キャップ)52で覆われた端子保護構造で保護されている
キャップ52は、例えば、ショア硬さHS50〜80程度の高硬度を有するEPDM(エチレン プロピレン ジエンゴム)等のゴム材料(弾性材料)を所定の開口面積及び奥行きを有するキャップ形状に加工して形成され、端子50のトップシェル6から突出する部分を非接触にて覆っている。
図2の端子保護構造の側面図にも示されるように、キャップ52には、その外周側面52aから端面52bにかけてワイヤハーネスの挿通口54が形成されている。
挿通口54は、外周側面52aから突出されたキャップ52の凸部52cに形成され、ワイヤハーネスの挿通によりキャップ52内外をある程度気密に区画可能な所定の開口面積を有している。また、凸部52cの上面は下方に向けて傾斜しており、これより挿通口54からキャップ52内への水等の浸入が防止される。
また、キャップ52は、トップシェル6に溶接固定される取付金具(取付部材)56を介して固定されている。
図3の端子保護構造の斜視図にも示されるように、この金具56は、金属板をコの字状に折り曲げて形成され、金具56の下部には例えば3つのリブ58が外方に突出して形成されている。各リブ58には溶接用孔58aがそれぞれ穿設され、これら孔58aに肉盛溶接を施すことにより、金具56はトップシェル6の外面6aに固定される。なお、各リブ58の下面に突起を設けてプロジェクション溶接を施しても良い。
一方、金具56には、上方に向けてリブ60が突出して形成され、リブ60には圧縮機1の塗装工程で圧縮機1を吊り下げるためのフック引掛け用孔60aが穿設されている。
ここで、キャップ52を挿通口54からみた左右両側には、それぞれ突起部62a,62bが形成される一方、金具56には、そのコの字状の対向部56a,56bにそれぞれ嵌合孔64a,64bが穿設されており、キャップ52を対向部56a,56b間に嵌入することにより、突起部62a,62bがそれぞれ嵌合孔64a,64bに嵌合され、ひいてはキャップ52が金具56に固定される(固定手段)。
突起部62a,62b及び嵌合孔64a,64bは、共に平面視で略矩形状に形成され、また、突起部62a,62bは所定の突起幅を有しており、ゴム製であるキャップ52の所定の弾性力を利用することにより、突起部62a,62bがそれぞれ嵌合孔66a,66bに所定の嵌め合い公差にて堅固に嵌合されるようになっている。
詳しくは、キャップ52の径方向幅Wは、対向部56a,56bの離間距離Lに比して距離差L=(W−L)だけ大きく形成される。この距離差Lは、キャップ52の所定の弾性率を考慮することにより、例えば約1mm程度に予め設定されている。これにより、圧縮機1の組立工程に携わる作業員は、キャップ52を軽く指でつまんで幅W方向に1mm程度たわませた状態でキャップ52を対向部56a,56b間に嵌入し、突起部62a,62bをそれぞれ嵌合孔64a,64bに容易に嵌合させることできる。
すなわち、距離差Lは幅W方向に予め設定されるキャップ52のたわみしろであり、キャップ52がこのたわみしろを有することにより、キャップ52を金具56に取り付けた状態において、キャップ52の外周側面52aは対向部56a,56bに対して押圧され、突起部62a,62bがそれぞれ嵌合孔64a,64bに堅固に嵌合され、ひいてはキャップ52が金具56に堅固に固定される。
一方、再び図3を参照すると、キャップ52の突起部62a,62bから端面52bにかけての距離Lは、金具56の嵌合孔64a,64bからリブ58の下面にかけての距離Lに比して距離差LD1=(L−L)だけ大きく形成される。この距離差LD1は、キャップ52の所定の弾性率を考慮して予め設定された距離であり、これにより、圧縮機1の組立工程に携わる作業員は、キャップ52を対向部56a,56b間に嵌入した後に、キャップ52を外面6a側に軽く指で押圧し、キャップ52をその高さ方向に圧縮した状態で突起部62a,62bをそれぞれ嵌合孔64a,64bに容易に嵌合させることができる。
すなわち、距離差LD1はキャップ52の高さ方向に予め設定されるキャップ52の圧縮しろであり、キャップ52がこの圧縮しろを有することにより、キャップ52を金具56に取り付けた状態において、端面52bは外面6aに押圧されて緊密に密着し、端面52b及び外面6aにてキャップ54内外を気密に区画するシール部66を形成することができる。
以上のように、本実施形態では、キャップ52の金具56への固定に伴い、端面52bと外面6aとによりシール部66が形成されるため、端面52bと外面6aとの間にシール部材を別途設置しなくとも、キャップ52内への水等の浸入を防止して端子50を保護することができる。
また、キャップ52の金具56への固定は、キャップ52の突起部62a,62bをそれぞれ金具56の嵌合孔64a,64bに嵌合させるだけであって、キャップ52の金具56に対する固定部材を別途設置しなくても良く、これらにより、従来のシール部材や固定部材が不要となることから、端子保護構造の大幅な部品コストの削減、及び組立性の向上を図ることができる。
しかも、キャップ52を一般的な樹脂製ではなく高硬度を有するゴム製とすることにより、端子50を保護するのに十分なキャップ52の強度を確保しつつ、キャップ52の弾性力を利用することができる。
具体的には、キャップ52をその幅W方向に1mm程度のたわみしろをもたせて形成することにより、キャップ52の弾性力を利用して、突起部62a,62bをそれぞれ嵌合孔64a,64bに容易にして堅固に嵌合させることができる。
また、キャップ52をその高さ方向に所定の圧縮しろをもたせて形成することにより、キャップ52の弾性力を利用して、突起部62a,62bをそれぞれ嵌合孔64a,64bに嵌合させる際に、端面52bを外面6aに緊密に密着させることができる。
このように、キャップ52をゴム製とすることにより、キャップ52を金具56、ひいてはトップシェル6に容易にして堅固に固定することができ、しかも、容易にして緊密なシール部66を形成することができるため、端子保護構造の組立性及び信頼性をより一層向上することができる。
更には、金具56のリブ60にフック引掛け用孔60aが穿設されることにより、端子保護構造にフック引掛け用部材を別途設置しなくても良いため、端子保護構造のより一層の部品コスト削減及び組立性向上を図ることができる。
しかも、圧縮機1の塗装工程において、端子50をダミーキャップで覆えば、塗料から端子50を保護することもできるため、端子保護構造、ひいては圧縮機1の生産性が向上して好適である。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、二酸化炭素冷媒を用いた冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる密閉型のスクロール圧縮機について説明しているが、これに限らず、種々の作動流体や、種々の分野における密閉型以外の圧縮機又は膨脹機等の流体機械に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る端子保護構造を備えた密閉型のスクロール圧縮機を示した縦断面図である。 図1の端子保護構造を示した側面図である。 図1の端子保護構造を示した斜視図である。
符号の説明
1 スクロール圧縮機(流体機械)
2 密閉容器(容器)
6a 外面
18 電動モータ(電動機)
50 ターミナル端子(端子)
52 端子保護キャップ(キャップ)
52a 外周側面
52b 端面
56 取付金具(取付部材)
60a フック引掛け用孔
62a,62b 突起部
64a,64b 嵌合孔
66 シール部

Claims (6)

  1. 流体機械を駆動するための電動機が収容される容器と、前記容器の外部と前記電動機とを電気的に接続する端子と、前記端子を前記容器の外部から覆うキャップと、前記容器に固定される前記キャップの取付部材と、前記キャップを前記取付部材に固定する固定手段とを備えた流体機械の端子保護構造であって、
    前記固定手段は、前記キャップの前記取付部材に対する固定に伴い、前記キャップの端面と前記容器の外面とによりシール部を形成することを特徴とする流体機械の端子保護構造。
  2. 前記固定手段は、前記キャップの外周側面に突設される複数の突起部と、前記取付部材に穿孔され、前記複数の突起部がそれぞれ嵌合される複数の嵌合孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の流体機械の端子保護構造。
  3. 前記キャップは、所定の硬度を有する弾性材料から形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の流体機械の端子保護構造。
  4. 前記キャップは、前記キャップの幅方向に所定のたわみしろを有することを特徴とする請求項3に記載の流体機械の端子保護構造。
  5. 前記キャップは、前記キャップの高さ方向に所定の圧縮しろを有することを特徴とする請求項4に記載の流体機械の端子保護構造。
  6. 前記取付部材は、前記取付部材の上部にフック引掛け用孔を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の流体機械の端子保護構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012201902A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Fujitsu General Ltd 冷媒圧縮機の電着塗装方法及び保護カバー

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