JP2009052457A - 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 - Google Patents
内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009052457A JP2009052457A JP2007219365A JP2007219365A JP2009052457A JP 2009052457 A JP2009052457 A JP 2009052457A JP 2007219365 A JP2007219365 A JP 2007219365A JP 2007219365 A JP2007219365 A JP 2007219365A JP 2009052457 A JP2009052457 A JP 2009052457A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- intake duct
- internal combustion
- combustion engine
- band
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】エンジンルーム内において、障害物を避けて配管することが可能な柔軟性を有し、かつ、座屈等が起きずに形状保持が可能な剛性を有する自動車等の内燃機関に用いられる吸気系ダクトを提供する。また、その吸気ダクトの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトは、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2が、その一部を重合するように螺旋巻回された管体であって、前記帯体2の一部が重合した重合部には前記繊維が溶着した螺旋溝状の補強部11が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトは、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2が、その一部を重合するように螺旋巻回された管体であって、前記帯体2の一部が重合した重合部には前記繊維が溶着した螺旋溝状の補強部11が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の吸気系ダクトに係り、詳しくは外気から空気を吸入してエアクリーナへ導く吸気ダクトに関する。
自動車等の内燃機関の吸気系ダクトは、織布製や多孔質製のダクトを用いて、これらの織布や多孔質による無反射効果により吸気口からの吸気騒音を低減する吸気ダクト構造が知られている。
また、特に自動車用とされてはいないが、断熱性や結露防止性を有するものとして、主として発泡体層や繊維層からなり硬鋼線で補強された送吸気用ダクトがある(特許文献1参照)。
特開平10−160231号公報([0008][0009]参照)
自動車等の内燃機関に用いられる吸気系ダクトは、外気から空気を吸入してエアクリーナへ導く吸気ダクト及びエアクリーナと内燃機関との間を繋ぐダクトからなっている。そのため、狭いエンジンルームの中で様々な機器を避けて配置されることになり、ダクトには曲げ抵抗が小さい柔軟性が求められ、且つ曲げられたときに座屈し難いものであることが求められる。
その点、従来知られている織布製や多孔質製の吸気系ダクトは、柔軟であり、しかも繊維が用いられているために音のエネルギーを吸収して騒音を低減させる効果がある。ところが、吸気系ダクトには負圧がかかるため、例えば、保形性のない筒状織布のみからなる吸気系ダクトを形成した場合は、筒状の形状を維持することが困難となる。従って、筒状織布の形状を維持するために、何らかの補強材を用いて補強しなければならない。
また、特許文献1においては、筒状の形態を維持するために、筒状体の内面を硬質樹脂線や硬鋼線等の補強材で補強しており、実施例として、樹脂シートまたはフィルムを用いて前記補強材を筒状体の内面に固定している。この特許文献1の技術を転用して、例えば、図5に示すような不織布製ダクト50を具体化することも考えられる。この不織布製ダクト50は帯状の不織布51が隙間なく螺旋状に巻回されて形成され、隣合う不織布51の側端は接着剤で互いに接着されている。不織布製ダクト50の内面には螺旋状に巻回された樹脂シート53が接着され、樹脂シート53の重なり部において補強材52が挟み込まれている。補強材52も螺旋状に巻回されている。
このようにすることで、不織布製ダクト50の形状を維持することが可能となるが、消音効果がある不織布を樹脂シートまたはフィルムで覆わねばならないという別な問題に遭遇することになる。また、補強材52のために、ダクト50の内周面に突条が連続して形成される。このため、ダクト50の通気抵抗が高くなり、内燃機関の吸気効率が低下する。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、障害物を避けて配管することが可能な柔軟性を有し、かつ、形状保持を可能とする剛性を高めることができると共に、通気抵抗を低減できる自動車等の内燃機関に用いられる吸気系ダクトを提供することにある。
上記問題を解決するために請求項1に記載の内燃機関の吸気ダクトの発明は、外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトにおいて、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体が、その一部を重合するように螺旋巻回された管体であって、前記帯体の一部が重合した重合部には前記繊維が溶着した螺旋溝状の補強部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸気ダクトにおいて、前記管体に形成された螺旋溝状の補強部は、前記不織布の帯体の一方の側縁部と帯体の中央部とが溶着し、更に前記帯体の中央部と帯体の他方の側縁部とが溶着して形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法の発明は、外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトの製造方法において、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体を、その一部が重合するように螺旋巻回して管体を形成すると共に、前記帯体の一部が重合した重合部を加熱手段により加熱して、前記重合部における繊維を溶着して螺旋溝状の補強部を形成することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法において、前記管体は、吸気ダクトの内径に相当する外径を有する回転軸に、前記不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して形成されることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法において、前記螺旋溝状の補強部は、前記回転軸の回転方向と逆方向に回転するローラにより前記重合部を圧縮し溶着して形成されることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項3ないし5のうちいずれか一項に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法において、前記加熱手段は、加熱されたローラ、過熱水蒸気、高温空気及びヒーターからの輻射熱のうちいずれか一つまたはそれらの組み合わせであることを特徴とするものである。
(作用)
本発明の内燃機関の吸気ダクトは、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して形成した管体であって、帯体の一部が重合した重合部には繊維が溶着した補強部が螺旋溝状に形成されている。そのため、不織布から形成された単に柔軟性を有する管体とは異なり、補強部が螺旋溝状に形成されているので、負圧が作用する吸気ダクトとして用いた場合、その形状を維持できる。また、不織布の帯体を螺旋巻回させる際、帯体の一方の側縁と、その帯体が一巻きされたときの帯体の中央部と、更に帯体が一巻きされたときの帯体の他の側縁とが、重合部を形成するようにすれば、それぞれの間で繊維が溶着して螺旋溝状の補強部が形成される。
本発明の内燃機関の吸気ダクトは、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して形成した管体であって、帯体の一部が重合した重合部には繊維が溶着した補強部が螺旋溝状に形成されている。そのため、不織布から形成された単に柔軟性を有する管体とは異なり、補強部が螺旋溝状に形成されているので、負圧が作用する吸気ダクトとして用いた場合、その形状を維持できる。また、不織布の帯体を螺旋巻回させる際、帯体の一方の側縁と、その帯体が一巻きされたときの帯体の中央部と、更に帯体が一巻きされたときの帯体の他の側縁とが、重合部を形成するようにすれば、それぞれの間で繊維が溶着して螺旋溝状の補強部が形成される。
内燃機関の吸気ダクトの製造方法に係る本発明は、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体を、その一部が重合するように螺旋巻回して管体を形成した。その管体の帯体の一部が重合した重合部を、加熱手段により加熱しながら又は加熱してから、繊維を溶着して螺旋溝状の補強部を形成している。そのため、補強材としての部品点数を増やすことなく、補強部を有する内燃機関の吸気ダクトを製造することができる。また、所定の外径を有する回転軸に、不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して、その重合部を回転軸の回転方向と逆方向に回転するローラにより圧縮して溶着すれば、内燃機関の吸気ダクトを連続して成形することができる。
本発明によれば、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して形成された管体の一部には繊維が溶着した補強部が螺旋溝状に形成されている。そのため、柔軟性を有しているにも拘わらず、負圧が作用する吸気ダクトとして用いられた場合において、内燃機関の吸気ダクトとしての形状を維持することができる。また、補強材が不要となり、ダクト内周面をフラットに形成できて、通気抵抗を低減できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した内燃機関の吸気ダクトの一実施形態を図1及び図2を用いて説明する。
以下、本発明を具体化した内燃機関の吸気ダクトの一実施形態を図1及び図2を用いて説明する。
図1は本実施形態の吸気ダクト10を示し、この吸気ダクト10はその外周側に補強部11が螺旋溝状に形成されると共に、内周面全体がフラットに形成されている。図2(a)は熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2が後述の回転軸23に螺旋状に巻回されている様を部分断面図として示し、(b)は帯体2の重合部が溶着されて補強部11が形成された状態の部分断面を示している。
図2(a)に示すように、帯体2は後述する製造方法に従い回転軸23の外周に螺旋巻回されている。ここで、螺旋状に巻回された帯体2の断面の一部を示す図2(a)の左側の断面20を出発点と仮定して構成を説明する。帯体2が断面20の位置から右ねじ状に一巻きされれば断面21の位置に来る。そのとき、断面20の一方の側縁部203の上面に断面21の中央部212が重合する。同時に、断面20の中央部202の上面に断面21の他方の側縁部211が重合する。更に、帯体2が断面21の位置から一巻きされて断面22の位置に来れば、断面21の一方の側縁部213の上面に断面22の中央部222が重合する。断面20と断面21の関係と同様に、断面21の中央部212の上面に断面22の他方の側縁部221が重合する。このように螺旋巻回が連続されて管体が形成される。
図2(b)に示すように、側縁部203、中央部212及び側縁部221の順に重合する部分は、後述する製造方法により加熱圧縮されて繊維どうしが溶着し、溝状凹部を含む螺旋状の補強部11が形成されている。この補強部11は、帯体2の一部である側縁部203、中央部212及び側縁部221の繊維の全体が溶融した後に固化して形成されている状態が最も好ましいが、必ずしも溶融固化されていなくてもよい。少なくとも一部の繊維が溶融し所望の剛性を有する補強部11が形成されていればよい。先にも述べたように補強部11は、図2(b)において円で囲った部分に示すように、不織布を形成する繊維が溶着して、その他の溶着に関わらない部分に比べて、剛性が高められた部分を指す。なお、吸気ダクト10は、ほぼ全域で帯体2が二層に積層された状態で形成されている。従って、帯体2の幅を変えることなくリード角を小さくすれば、帯体2の重合部は部分的に三層となり得るが、加熱溶着を十分に行えば、より強固な補強部11が形成されることになり、特に問題はない。また、帯体2の幅を変えることなくリード角を大きくした場合、帯体2の重合部間に帯体2の一層のみの部分が形成されるので、その一層のみの部分の幅が広がるほど補強部11の剛性は落ちることになるが、軽量化は達成できる。
本実施形態においては、帯体2はポリエチレンテレフタレート製繊維からなる不織布であり、その不織布を形成する繊維の太さは1.5〜55μmであり、不織布の目付は1500g/平米である。また、不織布を形成する熱可塑性樹脂製繊維としてポリエチレンテレフタレート以外にも、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。
上記実施形態の内燃機関の吸気ダクトによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2をその一部が重合するように螺旋巻回して吸気ダクト10を形成した。その帯体2の重合部には繊維が溶着した補強部11が螺旋溝状に形成されている。そのため、補強部11においては剛性が高められているので、負圧が作用しても吸気ダクト10はその形状を維持することができる。しかも、吸気ダクト10の内面はフラットである。この結果、吸気ダクト10内の通気抵抗を低くすることができて、内燃機関の吸気効率を向上できる。勿論、補強部11以外の部分は多孔質状態であるため、無反射効果により吸気音を低減できる。
(1)上記実施形態では、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2をその一部が重合するように螺旋巻回して吸気ダクト10を形成した。その帯体2の重合部には繊維が溶着した補強部11が螺旋溝状に形成されている。そのため、補強部11においては剛性が高められているので、負圧が作用しても吸気ダクト10はその形状を維持することができる。しかも、吸気ダクト10の内面はフラットである。この結果、吸気ダクト10内の通気抵抗を低くすることができて、内燃機関の吸気効率を向上できる。勿論、補強部11以外の部分は多孔質状態であるため、無反射効果により吸気音を低減できる。
(2)上記実施形態では、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2を、その一部が重合するように螺旋巻回して形成した吸気ダクト10には、補強部11が螺旋溝状に形成されている。また、その吸気ダクト10の補強部11が形成されていない部分は不織布の柔軟性が保持されている。そのため、吸気ダクトはエンジンルーム内に配管される際、障害物を避けるために屈曲あるいは湾曲されても、座屈することなく管体としての形状を維持することができる。
(3)上記実施形態では、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体2をその一部が重合するように螺旋巻回し、その重合部の繊維を溶着して補強部11を螺旋溝状に形成した。そのため、補強材を組み込むものとは異なり、部品点数を増やすことなく剛性が高められ、且つ内周面がフラットに形成された不織布製の吸気ダクト10を提供できる。
(製造方法)
以下、第1の実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法を、図3を用いて説明する。
先ず、製造装置を説明する。図3に示すように、吸気ダクト10の内径に相当する外径を有する回転軸23は、回転可能に一端を支持され、図の右から左へ軸方向に見たとき、図示しない駆動源から回転力を受けて例えば時計回りに回転している。帯体2は、図示しない巻きだし装置から一定の張力がかけられた状態で回転軸23に供給される。
以下、第1の実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法を、図3を用いて説明する。
先ず、製造装置を説明する。図3に示すように、吸気ダクト10の内径に相当する外径を有する回転軸23は、回転可能に一端を支持され、図の右から左へ軸方向に見たとき、図示しない駆動源から回転力を受けて例えば時計回りに回転している。帯体2は、図示しない巻きだし装置から一定の張力がかけられた状態で回転軸23に供給される。
補強部11を形成するためのローラ31が、回転軸23の回転方向と逆方向に回転可能に、かつ、回転軸23に対する距離の遠近を調節可能に、図示しない支持体に軸支されている。本実施形態では、ローラ31は内蔵するヒーターにより所定温度に加熱調節されている。
更に、ローラ31に対し、回転軸23の回転方向前方側において、重合される前の帯体2の中央部及び側縁部を加熱するため、高温空気34を吹き出すノズル33が複数設けられている。図3においては、ローラ31の外周縁32により加熱圧縮される直前の重合部を高温空気34により加熱するノズル33のみを図示し、他のノズルは図示を省略している。また、ノズル33の吹出口の形状は、重合部に対しその所定長さに沿って高温空気34を吹き出すことができるようなものが好ましいが、スポット的な高温空気34を吹き出すノズル33として図示している。
図示しないが、補強部11が形成された吸気ダクト10を回転状態で回転軸23から引き抜くための装置が図3の左側に設けられている。この引抜装置は、例えば公知のキャタピラ式コンベアを回転可能にしたものの後方に巻き取り装置を設けたものでもよく、ロール式巻き取り装置のみが同じく回転可能に設けられているものでもよい。
次に、製造方法について説明する。上記の通り、一定速度で回転する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布からなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回していく。このときのリード角は、図2(a)に示すように、側縁部203と側縁部221が中央部212を挟んで重複しない範囲において最接近できるように設定されることが好ましい。回転軸23に巻きつけられた帯体2は、更に一巻きされる帯体2に覆われ重合される前に、その中央部と側縁部を図示しないノズルから吹き出される高温空気34により加熱される。帯体2の重合部が回転と共に図3の左方向へ移動してノズル33の位置に来たとき、重合部は再加熱される。その加熱により溶着可能領域まで温度が高められた重合部は、ローラ31の外周縁32により加熱されると共に圧縮され溶着して、補強部11が形成される。この加熱圧縮が連続して行われることで、補強部11が螺旋溝状に形成される。そして、巻き取り装置に引かれて回転軸23の左端から外された管体(吸気ダクト10)は長尺のままロール状に巻かれて保管される。
吸気ダクト10は、所定長さにトリミングされ、必要に応じて端末加工された状態で、その柔軟性を利用してエンジンルーム内等に屈曲させながら配管してもよいが、予め配管経路に沿った形状に成形して用いることもできる。その成形は、配管経路と同様のキャビティーを有する型に吸気ダクト10をセットし、加熱して、少なくとも補強部11の温度が熱可塑性樹脂製繊維の軟化温度以上溶融温度以下に高められた後冷却することで行われる。
上記実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
(4)上記実施形態では、一定速度で回転する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布かならなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回した。そして、帯体2の重合部における繊維を加熱溶着することで補強部11を有する吸気ダクト10を形成した。従って、別部品としての補強材を用いることなく、不織布からなる帯体2のみを材料として、補強部11を有する吸気ダクト10を形成することができる。
(4)上記実施形態では、一定速度で回転する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布かならなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回した。そして、帯体2の重合部における繊維を加熱溶着することで補強部11を有する吸気ダクト10を形成した。従って、別部品としての補強材を用いることなく、不織布からなる帯体2のみを材料として、補強部11を有する吸気ダクト10を形成することができる。
(5)上記実施形態では、一部を重合して螺旋状に巻回された帯体2の重合部を、予め高温空気34により加熱し、かつ回転するローラ31の外周縁32により加熱圧縮して、螺旋溝状の補強部11を形成した。そのため、重合部における繊維が適切に溶着され剛性が高められた補強部11を有する吸気ダクト10を形成することができる。
(6)上記実施形態では、回転軸23に帯体2を螺旋巻回させて重合部を形成し、その重合部における繊維を溶着して補強部11を有する管体(吸気ダクト10)を形成した。そして、その管体を、回転させながら回転軸23から連続して引き抜くようにしたので、長尺の吸気ダクト10を形成することができる。従って、この長尺の吸気ダクト10から所要長さの吸気ダクト10を連続して形成できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した内燃機関の吸気ダクトの第2の実施形態を図4を用いて説明する。なお、本実施形態においては、補強部11の形成にホットメルト接着剤を併用する構成が第1の実施形態と異なるだけなので、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
次に、本発明を具体化した内燃機関の吸気ダクトの第2の実施形態を図4を用いて説明する。なお、本実施形態においては、補強部11の形成にホットメルト接着剤を併用する構成が第1の実施形態と異なるだけなので、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図4は、図2(a)と同様に、帯体2が回転軸23に巻回されている状態を示す一部断面図である。図4に断面で示す通り、帯体2の一方の側縁部203、213の上面及び他方の側縁部211、221の下面にはホットメルト接着剤40が塗布されており、それらの塗布部分は中央部202、212,222の上面及び下面に接している。
図4に示す状態において、側縁部203、中央部212及び側縁部221の順に重合する部分を加熱圧縮して、溝状凹部を含む補強部11が形成される点は第1実施例と同様である。ただし、溶着して形成された補強部11にはホットメルト接着剤40が溶融して混在し、補強部11における繊維の溶着力を補強している点が第1実施例とは異なる。
上記実施形態の内燃機関の吸気ダクトによれば、第1実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(7)上記実施形態では、帯体2を螺旋帯状に巻回して管体を形成する際、帯体2の一部がホットメルト接着剤40を介して重合しているので、繊維が加熱圧縮されて溶着する際、ホットメルト接着剤40も溶融する。そのため、溶融したホットメルト接着剤40が溶着している繊維をより強固に結びつけることができる。従って、補強部11の剛性はより高められることになる。
(7)上記実施形態では、帯体2を螺旋帯状に巻回して管体を形成する際、帯体2の一部がホットメルト接着剤40を介して重合しているので、繊維が加熱圧縮されて溶着する際、ホットメルト接着剤40も溶融する。そのため、溶融したホットメルト接着剤40が溶着している繊維をより強固に結びつけることができる。従って、補強部11の剛性はより高められることになる。
(製造方法)
以下、第2の実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法を説明する。本実施形態の製造方法は、図3に示す第1の実施形態の製造方法において、帯体2を螺旋巻回して形成した管体を回転軸23から引き抜きながら製造するものと異なり、回転軸23上において、回転軸23より短い所定長の管体を形成した後管体を回転軸23から外すようにした。
以下、第2の実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法を説明する。本実施形態の製造方法は、図3に示す第1の実施形態の製造方法において、帯体2を螺旋巻回して形成した管体を回転軸23から引き抜きながら製造するものと異なり、回転軸23上において、回転軸23より短い所定長の管体を形成した後管体を回転軸23から外すようにした。
次に製造方法について第1実施形態の製造方法と異なる部分のみ説明する。一定速度で図3の右から左へ移動する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布からなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回していく。ここで、予め帯体2の所定部分にホットメルト接着剤40が塗布されていれば、同接着剤が一連の加熱により溶融されて、補強部11をより確実に形成することとなる。そして第1実施形態の製造方法と同様に補強部11が形成されて、回転軸23の移動が移動可能領域の左端に達して、所定長さの管体(吸気ダクト10)が形成されたとき、帯体2の供給及び加熱を停止し、ローラ31を回転軸23から遠ざける。回転軸23から外された管体(吸気ダクト10)の両端をトリミングすれば、吸気ダクト10が完成する。
上記実施形態の内燃機関の吸気ダクトの製造方法によれば、第1実施形態の(6)に記載の効果を除き、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
(8)上記第2実施形態では、一定速度で右から左へ移動する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布かならなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回した。そして、帯体2の重合部における繊維を加熱溶着することで補強部11を有する吸気ダクト10を形成した。従って、所定長の吸気ダクト10を形成することができるので、長尺状の管体(吸気ダクト10)を保管する必要もなく、取り扱いが容易である。
(8)上記第2実施形態では、一定速度で右から左へ移動する回転軸23に対し所定のリード角を維持しつつ不織布かならなる帯体2を供給し、回転軸23の外周面に螺旋状に巻回した。そして、帯体2の重合部における繊維を加熱溶着することで補強部11を有する吸気ダクト10を形成した。従って、所定長の吸気ダクト10を形成することができるので、長尺状の管体(吸気ダクト10)を保管する必要もなく、取り扱いが容易である。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第2実施形態において、帯体2の供給装置、ローラ31及びノズル33を固定し、回転軸23を所定長さだけ移動するようにしたが、回転軸23は回転するのみで移動することなく、帯体2の供給装置、ローラ31及びノズル33が移動するようにしてもよい。
・前記実施形態において、不織布を形成する熱可塑性樹脂製繊維は一種類を用いるようにしたが、複数の種類の熱可塑性樹脂製繊維を用いるようにしてもよい。その際、低融点の熱可塑性樹脂製繊維が熱可塑性樹脂バインダとして機能するため、加熱温度をバインダとしての低融点繊維に合わせて、その低融点繊維の溶着により、補強部11を形成してもよい。
・前記実施形態において、不織布の帯体2が螺旋状に巻回されて形成された重合部を加熱し、更にローラ31により加熱し圧縮したが、ローラ31による加熱をせずに、重合部をローラ31により圧縮するのみで、補強部11を形成してもよい。
・前記実施形態において、加熱手段はヒーターを内蔵するローラ及び高温空気34を吹き出すノズル33としたが、これに限らず、過熱水蒸気の供給装置や、ヒーター等の熱源からの輻射熱等を用いることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第2実施形態において、帯体2の供給装置、ローラ31及びノズル33を固定し、回転軸23を所定長さだけ移動するようにしたが、回転軸23は回転するのみで移動することなく、帯体2の供給装置、ローラ31及びノズル33が移動するようにしてもよい。
・前記実施形態において、不織布を形成する熱可塑性樹脂製繊維は一種類を用いるようにしたが、複数の種類の熱可塑性樹脂製繊維を用いるようにしてもよい。その際、低融点の熱可塑性樹脂製繊維が熱可塑性樹脂バインダとして機能するため、加熱温度をバインダとしての低融点繊維に合わせて、その低融点繊維の溶着により、補強部11を形成してもよい。
・前記実施形態において、不織布の帯体2が螺旋状に巻回されて形成された重合部を加熱し、更にローラ31により加熱し圧縮したが、ローラ31による加熱をせずに、重合部をローラ31により圧縮するのみで、補強部11を形成してもよい。
・前記実施形態において、加熱手段はヒーターを内蔵するローラ及び高温空気34を吹き出すノズル33としたが、これに限らず、過熱水蒸気の供給装置や、ヒーター等の熱源からの輻射熱等を用いることができる。
2…帯体、10…吸気ダクト、11…補強部、23…回転軸、31…ローラ、33…ノズル、34…高温空気、50…不織布製ダクト、52…補強材、203、221…側縁部、212…中央部
Claims (6)
- 外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトにおいて、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体が、その一部を重合するように螺旋巻回された管体であって、前記帯体の一部が重合した重合部には前記繊維が溶着した螺旋溝状の補強部が形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気ダクト。
- 前記管体に形成された螺旋溝状の補強部は、前記不織布の帯体の一方の側縁部と帯体の中央部とが溶着し、更に前記帯体の中央部と帯体の他方の側縁部とが溶着して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気ダクト。
- 外気から空気を吸入して内燃機関へ導く吸気ダクトの製造方法において、熱可塑性樹脂製繊維からなる不織布の帯体を、その一部が重合するように螺旋巻回して管体を形成すると共に、前記帯体の一部が重合した重合部を加熱手段により加熱して、前記重合部における繊維を溶着して螺旋溝状の補強部を形成することを特徴とする内燃機関の吸気ダクトの製造方法。
- 前記管体は、吸気ダクトの内径に相当する外径を有する回転軸に、前記不織布の帯体をその一部が重合するように螺旋巻回して形成されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法。
- 前記螺旋溝状の補強部は、前記回転軸の回転方向と逆方向に回転するローラにより前記重合部を圧縮し溶着して形成されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法。
- 前記加熱手段は、加熱されたローラ、過熱水蒸気、高温空気及びヒーターからの輻射熱のうちいずれか一つまたはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項3ないし5のうちいずれか一項に記載の内燃機関の吸気ダクトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007219365A JP2009052457A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007219365A JP2009052457A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009052457A true JP2009052457A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=40503743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007219365A Pending JP2009052457A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009052457A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2458253A1 (de) * | 2010-11-24 | 2012-05-30 | NORRES Schlauchtechnik GmbH & Co. KG | Wickelschlauch |
-
2007
- 2007-08-27 JP JP2007219365A patent/JP2009052457A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2458253A1 (de) * | 2010-11-24 | 2012-05-30 | NORRES Schlauchtechnik GmbH & Co. KG | Wickelschlauch |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20210016043A1 (en) | Conduit and method of forming | |
JP4398372B2 (ja) | 導管及びその形成方法 | |
JP5592078B2 (ja) | 断熱ホース及びその製造方法 | |
KR19990072672A (ko) | 차량의기상유체운송용파이프및그제조방법 | |
JP5217606B2 (ja) | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 | |
JP2008297936A (ja) | 自動車用ダクト | |
JP2009052457A (ja) | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 | |
JP4545262B2 (ja) | 断熱ホース | |
JP2009270531A (ja) | 内燃機関の吸気ダクト及びその製造方法 | |
EP1998119B1 (en) | Silencer for ventilation ducts | |
JP4753778B2 (ja) | 可撓性ホース | |
JP4850036B2 (ja) | 伸縮性ホースの製造方法 | |
JPH0419120A (ja) | 積層スパイラル管の製造方法 | |
JPH07290591A (ja) | 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 | |
JP4956414B2 (ja) | ライニング材の製造方法 | |
AU2007214363B2 (en) | Conduit and Method of Forming | |
JP2010048269A (ja) | 不織布コルゲートチューブ | |
CA2624190C (en) | Conduit and method of forming | |
JPH04201547A (ja) | 繊維強化樹脂管の製造方法 | |
JP5635346B2 (ja) | 可撓性の消音ダクト | |
JPH0416676B2 (ja) | ||
JPH07117146A (ja) | 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 | |
JPH0535667B2 (ja) | ||
JPH04201549A (ja) | 繊維強化樹脂管の製造方法 |