JP2009051590A - 給紙装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生するのを防止し、併せて当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止し、且つ分離ロール表面の摩擦係数が低下した場合における偏摩耗を抑制する。
【解決手段】複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、搬送ロールに当接した状態で配設され、送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、搬送ロールに当接した状態で配設され、送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備える。
【選択図】図1
Description
この発明は給紙装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
従来、上記給紙装置に関する技術としては、例えば、特開昭61−106339号公報、特開昭62−004140号公報、特開平03−026627号公報、特開2000−44076号公報、特開2003−242530号公報等に開示された技術が既に提案されている。
上記特開昭61−106339号公報に係る給紙機構は、帳票を積載する給紙台と、前記給紙台に積載された帳票を1枚ずつ送り出す搬送手段と、搬送路上に設けられ、帳票が複数毎送られたことを検知する検知手段と、前記検知手段によって複数毎送りが検知されたとき、前記搬送手段を給紙方向と逆方向に駆動させ前記複数枚の帳票を前記給紙台上に戻す手段と、上記手段により前記複数枚の帳票が逆方向に戻された後、前記搬送手段の帳票に及ぼす圧力を帳票が1枚づつ搬送されるよう適度に調節する圧力調節手段とを具備するように構成したものである。
また、上記特開昭62−4140号公報に係る電子複写機は、電子複写機の本体側面に着脱可能に装着されるコピー用紙のカセットを備えた電子複写機において、前記カセットの本体側面からの突出側に回動自在にヒンジされてカセット上面を覆う蓋を設けるように構成したものである。
さらに、この特開昭62−4140号公報に係る電子複写機は、前記本体のカセット装着位置にコピー操作時においてコピー用紙を押上げるレバーと、押上げられた最上部に位置する用紙に圧接して紙送り方向に回転する押圧ローラと、押圧ローラの紙送り方向先端に位置し、押圧ローラと同期回転する紙送りローラと、紙送りローラに圧接して紙送り方向に回転するピンチローラと、ピンチローラと用紙間の摩擦力を検出して、紙送りローラとピンチローラ間に挟持された用紙が複数枚ある場合にピンチローラを逆転させる逆転機構を備え、ピンチローラの逆転により下側の用紙をカセット内に押戻し、一枚の用紙のみを両ローラ間に通過させるようにした構成をも含んでいる。
又、上記特開平3−26627号公報に係る給紙装置における給紙制御方法は、用紙、帳票類を積重ね体から順次繰り出すべく該積重ね体に圧接係合するピックローラを設けた用紙繰出部と、その繰り出された用紙、帳票類を一枚づつ分離して送り出すためのリミットトルク可変のトルクリミッタ、及びこれを転動係合する分離転動体とを有する用紙分離部とを設けると共に、繰り出された用紙、帳票類の位置及び量を検出する2つの用紙位置検出センサとを設けた給紙装置の給紙制御方法において、前記用紙位置検出センサで用紙、帳票類のスリップやダブルフィードを検出し、前記検出情報に基づいてトルクリミッタへの印加電圧を制御してリミットトルクを変化させ、これによりスリップやダブルフィードのない状態で給紙ができるようにしたものである。
更に、上記特開2000−44076号公報に係るシート媒体分離装置は、複数のシート媒体が積層された状態で投入可能なシート投入部と、このシート投入部に投入されたシート媒体を所定方向に搬送する搬送機構と、この搬送機構と前記シート投入部との間に配置され、前記シート投入部に投入されたシート媒体を前記搬送機構に向けて送り出す送りローラと、この送りローラの外周面と接しながら上記送りローラが回転される方向と同方向および逆方向に回転可能であって、上記送りローラとの間に2枚以上のシート媒体が存在する場合には、逆方向に回転する分離ローラと、を含む分離機構と、を有するように構成したものである。
また、上記特開2003−242530号公報に係る券類分離搬送機構は、一括投入された券類の枚数を検出する枚数検出部と、枚数検出部を通過した券類を1枚ずつに分離して送り出す分離部と、枚数検出部で検出した枚数に応じて分離部を駆動制御し、券類の枚数に応じて分離部における券類の分離方法を変更する制御部と、を備えるように構成したものであり、上記分離部は、券類が搬送される搬送路の一側に配置された第1ローラ、および搬送路の他側で第1ローラに対向した第2ローラを有し、上記制御部は、上記枚数検出部で1枚であることが検出された券類を第1および第2ローラ間に通過させる際、第1および第2ローラを券類の搬送方向に沿って回転させ、枚数検出部で複数枚重なった状態であることが検出された券類をローラ間に通過させる際、第1ローラを搬送方向に沿って回転させるとともに第2ローラを逆回転させるように構成したものをも含むものである。
ところで、この発明が解決しようとする課題は、記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生するのを防止し、併せて当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止するとともに、分離ロール表面の摩擦係数が低下した場合における偏摩耗を抑制可能とした給紙装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
すなわち、請求項1に記載された発明は、複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする給紙装置である。
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする給紙装置である。
また、請求項2に記載された発明は、前記判定手段によって前記記録シートが正常に分離されなかったことを検知した場合には、警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置である。
さらに、請求項3に記載された発明は、前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する回転トルク制御手段と、
前記送出ロールによって送り出された記録シートの枚数を検知する枚数検知手段と、
前記枚数検知手段の検知結果に応じて、前記回転トルク制御手段による前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置である。
前記送出ロールによって送り出された記録シートの枚数を検知する枚数検知手段と、
前記枚数検知手段の検知結果に応じて、前記回転トルク制御手段による前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置である。
又、請求項4に記載された発明は、前記制御手段は、分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記回転トルク制御手段による前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置である。
さらに、請求項5に記載された発明は、複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段と、
前記送出ロールによって送り出され、且つ、前記搬送ロールと前記分離ロールとによって一枚に分離された状態で搬送される記録シートに画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段と、
前記送出ロールによって送り出され、且つ、前記搬送ロールと前記分離ロールとによって一枚に分離された状態で搬送される記録シートに画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、分離ロールの回転状態を検知して、記録シートが正常に分離されたか否かを判定することで、記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生したのを直ちに検知することができ、当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止することができる。
また、請求項2に記載された発明によれば、記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生したのを直ちに検知して、警告を発することができ、ユーザが適切に対応することが可能となる。
さらに、請求項3に記載された発明によれば、記録シートの重送等が発生した場合に、分離ロールに付与する回転トルクを制御することにより、記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生するのを防止し、併せて当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止するとともに、分離ロール表面の摩擦係数が低下した場合における偏摩耗を抑制することが可能となる。
又、請求項4に記載された発明によれば、記録シートの重送等が発生した場合に、分離ロールに付与する回転トルクを制御することにより、記録シートを一枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生するのを防止し、併せて当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止するとともに、分離ロール表面の摩擦係数が低下した場合における偏摩耗を抑制することが可能となる。
更に、請求項5に記載された発明によれば、記録シートの重送やジャム発生を防止することができ、常に記録シートに良好に画像を形成することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る給紙装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンターを示すものである。また、図3はこの発明の実施の形態1に係る給紙装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示すものである。
図2はこの発明の実施の形態1に係る給紙装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンターを示すものである。また、図3はこの発明の実施の形態1に係る給紙装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示すものである。
図2及び図3において、1はタンデム型のデジタルカラープリンター及び複写機の本体を示すものであり、デジタルカラー複写機の場合には、図3に示すように、本体1の上部に、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、画像処理装置12は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうようになっている。
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(各8ビット)の4色の階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、所定の色の階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
ところで、上記タンデム型のデジタルカラープリンター及び複写機本体1の内部には、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。上記画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、後述する転写ユニット22とともに、給紙装置から給紙される記録シートに対して画像を形成する画像形成部を構成している。なお、この画像形成部としては、1つの感光体ドラムを備えたモノクロや4サイクルの画像形成部であっても勿論良いし、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の画像形成方式によって記録シート上に画像を形成するものであっても良い。
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、大別して、所定の速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。これらの感光体ドラム15と周辺に配置される画像形成部材は、一体的にユニット化されており、プリンター及び複写機本体1から個別に交換可能に構成されている。
上記画像露光装置14は、図2及び図3に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、上記画像露光装置14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介してポリゴンミラー19に照射され、このポリゴンミラー19によって偏向走査される。上記ポリゴンミラー19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、感光体ドラム15上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
上記画像露光装置14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものであるため、この画像露光装置14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17などからトナー等が落下して、汚損される虞れを有している。そのため、画像露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されているとともに、当該フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kが設けられている。
上記画像露光装置12からは、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられた画像露光装置14に、各色の画像データが順次出力され、この画像露光装置14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された転写ユニット22の中間転写ベルト25上に、4つの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって多重に転写される。これらの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15に対応した中間転写ベルト25の裏面側に配設されている。この実施の形態における一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kの体積抵抗値は、105 〜108 Ωcmに抵抗調整されたものを使用している。そして、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kには、転写バイアス電源(図示しない)が接続されており、所定のトナー極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)の転写バイアスが所定のタイミングで印加されるようになっている。
また、上記中間転写ベルト25は、図2に示すように、ドライブロール27と、テンションロール24と、バックアップロール28との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25は、例えば、チャージアップを起こさないべルト素材(ゴムまたは樹脂)にて構成されており、その体積抵抗値は、105 〜1012Ωcm程度に抵抗調整されたものが使用されている。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び電界で記録シートとしての記録用紙30上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される記録用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙30は、定着器31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
上記記録用紙30は、図2及び図3に示すように、後述するように、給紙装置の一構成部材としての給紙トレイ34から所定のサイズ及び材質のものが、ナジャーロール35及び用紙分離搬送用のフィードロール36aとリタードロール36bにより給紙され、搬送ロール37aが設けられた用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。給紙された記録用紙30の搬送経路37は、垂直方向上向きとなっている。上記給紙トレイ34から供給された記録用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
なお、上記デジタルカラープリンター及び複写機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた搬送用のローラ対45、46により、記録用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該記録用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
図2及び図3中、44Y、44M、44C,44Kは、イエロー(Y)、マジェンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像器17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
図4は上記デジタルカラープリンター及び複写機の各画像形成ユニットを示すものである。
上記イエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図4に示すように、すべてが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色及びブラック色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マジェンタ色、シアン色、ブラック色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、クリーニングブレード42を備えており、このクリーニングブレード42によって、感光体ドラム15上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、図2及び図3に示すように、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード42によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
なお、このプリンター本体1は、図2に示すように、左側の側面に手差しトレイ47を備えており、この手差しトレイ47を反時計回り方向に略水平な位置まで回動させて停止させることによって、当該手差しトレイ47からは、OHPシートやハガキ等の材質やサイズの異なる記録シートなども、フィードロール48及びリタードパッド49を介して給紙可能となっている。
図5は上記レーザープリンターに使用される給紙装置の給紙トレイを示す平面構成図、図6は上記給紙トレイを示す断面構成図である。
この給紙装置50は、図7に示すように、給紙装置本体をも兼ねるレーザープリンター本体1内部の最下段に、1つ配設されているとともに、当該レーザープリンター本体1の下部には、オプションとして任意に追加可能な複数段の給紙装置51〜53が配設されている。上記給紙装置50〜53は、図5に示すような給紙トレイ34を備えており、当該給紙トレイ34は、レーザープリンター本体1の手前側(図7中、図面に垂直な方向)に引き出し可能となっている。
上記給紙トレイ34は、図5及び図6に示すように、上面が開口した平面略矩形状の箱体状に形成されており、その手前側には、当該給紙トレイ34をレーザープリンター本体1から引き出すための把手を兼ねたフロントパネル54が設けられている。この給紙トレイ34は、図5に示すように、プリンター本体1に対して着脱方向と直交する方向、図示例では、図中左方向に記録用紙30を給紙するように構成されているとともに、当該給紙トレイ34の内部には、手前側の一端部34aを基準にして、記録用紙30を収容するように構成されている。また、上記給紙トレイ34は、収容される記録用紙30のサイズに応じて、当該用紙30の側方をガイドする側方ガイド部材55と、後方をガイドする後方ガイド部材56の位置を調整することにより、最大A3サイズの用紙から、最小5.5インチの用紙まで収容して、給紙可能な所謂" ユニバーサルカセット" となっている。
また、上記給紙トレイ34の内部には、図6に示すように、多数(複数)枚の記録用紙30を載置するための用紙支持部材としてのボトムプレート57が、傾動自在に設けられている。このボトムプレート57は、その後端部57aが給紙トレイ34に回動自在に取り付けられているとともに、その先端部57bが給紙トレイ34の底部から高さ方向の上端部まで昇降自在となっている。また、上記給紙トレイ34の内部には、図5及び図6に示すように、ボトムプレート57の先端側の下方に、当該ボトムプレート57を押し上げる押上げレバー58(押し上げ部材)が配置されており、この押上げレバー58は、図5に示すように、給紙トレイ34の底部に回動自在に取り付けられている。なお、上記ボトムプレート57には、側方ガイド部材55と、後方ガイド部材56の移動を妨げないように、適宜切り欠き部が設けられている。
上記押し上げレバー58は、図5に示すように、給紙トレイ34の奥側の端面に設けられた駆動機構63によって回転駆動されるシャフト部材59と、当該シャフト部材59と直交するようにそれぞれ突設された3本の腕部材60、61、62とから構成されている。
そして、上記押し上げレバー58は、駆動機構63によってシャフト部材59を回転駆動することにより回動され、腕部材60、61、62の先端部によってボトムプレート57の下面を押し上げ、当該ボトムプレート57上に載置された記録用紙30の上面を、ナジャーロール35に圧設させて給紙するようになっている。なお、図5では、ボトムプレート57の図示が省略されている。
ところで、この実施の形態に係る給紙装置は、複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、前記分離ロール回転検知手段の回転検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備えるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記分離ロールを所定の方向に回転駆動する分離ロール駆動手段と、前記送出ロールによって送り出された記録シートの枚数を検知する枚数検知手段とを備え、前記枚数検知手段の検知結果に応じて、前記駆動手段による前記分離ロールの回転方向を制御するように構成されている。
すなわち、この実施の形態に係る給紙装置50には、図1及び図2に示すように、給紙装置本体をも兼ねるプリンター本体1の内部であって、給紙トレイ34の装着方向左側の上部に、給紙トレイ34に収容された記録用紙30を送り出す送出ロールとしてのナジャーロール35と、当該ナジャーロール35によって給紙される記録用紙30を1枚ずつ捌いた状態で給紙し、ナジャーロール35によって送り出された記録用紙30のうち、結果的に表面側の一枚の記録用紙30のみを搬送する搬送ロールとしてのフィードロール36aと、当該フィードロール36aに当接又は圧接された状態で配設され、フィードロール36aによって二枚以上の記録用紙30が送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録用紙30を一枚目の記録用紙30と分離する分離ロールとしてのリタードロール36bとが配設されている。
なお、上記ナジャーロール35は、小サイズの記録用紙30から大サイズの記録用紙30まで給紙可能となるように、図5に示すように、給紙トレイ34の基準となる手前側の一端部34a寄りであって、且つ給紙方向の先端部近傍に配設されている。
上記ナジャーロール35、フィードロール36a及びリタードロール36bは、例えば、金属製のシャフトに取り付けられた合成樹脂製のロール状部材と、このロール状部材の外周面に被覆されたゴム製の被覆層からなり、図1に示すように、給紙方向(シートの搬送方向)と直交する方向に沿って、所定の間隔を隔てて2つずつ配設されている。なお、上記ナジャーロール35、フィードロール36a及びリタードロール36bは、そのすべてをゴム製のロールによって形成しても勿論よい。これらのナジャーロール35、フィードロール36a及びリタードロール36bは、例えば、図8に示すように、その基端部側が回転自在に支持された片持ち状の回転軸75、83、91の自由端近傍に取り付けられているとともに、当該回転軸75、83、91にスナップフィット76により着脱自在に取り付けられている。
なお、図8では、便宜上、ナジャーロール35、フィードロール36a及びリタードロール36bの配置と、記録用紙30の給紙方向とが、図1と反対方向に設定されているが、これらナジャーロール35、フィードロール36a及びリタードロール36bの配置と、記録用紙30の給紙方向とは、適宜設定すれば良い。
上記ナジャーロール35は、例えば、図1に示すように、その基端部側が回転自在に支持された片持ち状の回転軸75(図8参照)の自由端近傍に取り付けられているとともに、当該回転軸75に後述するスナップフィット76により着脱自在に取り付けられている。上記回転軸75の先端部には、図9に示すように、凹溝77が形成されているとともに、ナジャーロール35等の合成樹脂製のフランジ78には、軸方向に沿って爪部79が突設されており、当該ナジャーロール35等のフランジ78に突設された爪部79の突起70が、回転軸75の凹溝77に嵌合されるように構成されている。そして、ナジャーロール35等のフランジ78に突設された爪部79の突起80を、指先で持ち上げて回転軸75の凹溝77から外すことにより、スナップフィット76を解除し、ナジャーロール35等を交換することが可能となっている。
上記ナジャーロール35が取り付けられた回転軸75は、図1に示すように、その基端部側が揺動フレーム81に取り付けられており、この揺動フレーム81は、その一端部に設けられた規制部材81aによって揺動する角度が規制されている。また、この揺動フレーム81は、フィードロール36aの回転軸83を中心にして揺動自在に取り付けられているとともに、図8に示すコイルスプリング84によって、ナジャーロール35が給紙トレイ34の記録用紙30に圧接するように付勢されている。
また、上記フィードロール36aは、図1に示すように、給紙装置の揺動フレーム81に回転自在に支持された回転軸83の端部に取り付けられた従動ギア85を介して、当該従動ギア85と噛み合う駆動ギア86が取り付けられた第1の駆動モーター87によって、所定のタイミングで且つ所定の回転速度で回転駆動されるように構成されている。
さらに、上記ナジャーロール35は、図1に示すように、フィードロール36aの回転軸83の他端に固定して取り付けられた伝達ギア88によって、中間ギア89を介して、ナジャーロール35の回転軸75に設けられた従動ギア89に回転駆動力が伝達され、フィードロール36aと同じタイミングで所定の回転速度で回転駆動されるようになっている。
又、上記リタードロール36bは、例えば、図1に示すように、給紙装置の支持フレーム82に回転自在に支持された回転軸75の端部に取り付けられた従動ギア91を介して、当該従動ギア91と噛み合う駆動ギア92が取り付けられた第2の駆動モーターとしてのリタードロール用の駆動モーター93によって、所定のタイミングで且つ所定の回転方向に回転トルクが付与されるように構成されている。
上記リタードロール用の駆動モーター93によってリタードロール36bに付与される回転トルクは、後述する制御手段によって適宜制御されるように設定されている。このリタードロール用の駆動モーター93は、リタードロール36bに記録シート30が突入する前や、後述するシート枚数検知手段によってシート枚数が1枚であることが検知された場合には、フィードロール36aと同じ回転方向となるように設定されており、リタードロール36bに記録シート30が突入した後は、フィードロール36aと逆方向に回転トルクが付与されるように設定されている。
なお、図8中、Sは用紙の有無を検知する接触式のセンサを示すものである。
そして、上記第1の駆動モーター87は、所定の方向(給紙方向)に回転駆動されることによって、図1及び図8に示すように、フィードロール36aが回転駆動されるとともに、当該フィードロール36aを介してナジャーロール35も回転駆動されるようになっている。
さらに、上記リタードロール36bは、図1に示すように、給紙装置の支持フレーム82に、フィードロール36aに接離する方向に揺動自在に、しかも当該フィードロール36aに圧接するように付勢された回転軸91に取り付けられている。このリタードロール36bには、例えば、所定のタイミングで第2の駆動モーター93によって給紙方向と逆方向に所定のトルクが付与されており、当該リタードロール36bとフィードロール36aによって記録用紙30を1枚ずつ捌いた状態で給紙するように構成されている。
又、上記リタードロール36aの側方には、図1に示すように、ナジャーロール35によって送り出された記録用紙30の枚数を検知する枚数検知手段としてのシート枚数検知手段94が配設されている。このシート枚数検知手段94は、ナジャーロール35によって送り出される記録用紙30と接触するアクチュエータとしての検知レバー94aを備えており、当該検知レバー94aの回転(傾斜)角度を光センサ等からなる検知部94bによって検出することにより、ナジャーロール35によって送り出された記録用紙30が、1枚であるか2枚以上であるかなど、記録用紙30の枚数を検知するように構成されている。
しかも、上記シート枚数検知手段94の検知レバー94aは、図1及び図8に示すように、通常は、記録用紙30の給紙方向の上端部に水平に配設された被検知プレート94cに当接した状態で停止しており、ナジャーロール35によって送り出された記録用紙30が、検知レバー94aの上端部と被検知プレート94cとの間を通過するときに、当該記録用紙30の厚さに応じて分だけ押し下げられて回動し、この検知レバー94aの回動量がテコの原理によって拡大されて検知部94bで検出され、ナジャーロール35によって送り出された記録用紙30が、1枚であるか2枚以上であるかなど、記録用紙30の枚数を精度良く検知することが可能となっている。なお、上記記録用紙30が普通紙であるか、薄紙や厚紙であるかの記録シートの厚さに関する情報は、ユーザーインターフェースや給紙トレイ34からの情報に基づいて既知であるので、記録用紙30が普通紙以外の薄紙や厚紙である場合にも、精度良く検知することが可能となっている。
なお、上記シート枚数検知手段94としては、上述したように、検知レバーを備えた接触式のもに限らず、フィードロール36aによって送り出される記録シート30の枚数を、超音波によって検知する超音波型のものや、フィードロール36aによって送り出される記録シート30の枚数を、光の透過量によって検知する光透過型のものなどを用いても良いことは勿論である。
また、上記リタードロール36bを回転駆動する第2の駆動モーター93には、当該リタードローラ36bの回転方向や回転量(回転速度を含む)、あるいは回転トルクなどの少なくとも1つ以上の回転状態を検知する分離ロール回転検知手段としてのリタードローラ回転センサ95が取り付けられている。このリタードローラ回転センサ95としては、例えば、回転エンコーダ等からなるものが用いられるが、当該リタードローラ回転センサ95としては、少なくともリタードローラ36bの回転方向などが検知可能なものであれば、他のものを用いても勿論良い。
さらに、上記リタードローラ用の駆動モーター93、シート枚数検知手段94、及びリタードローラ回転センサ95は、図1に示すように、制御回路100に接続されており、この制御回路100は、シート枚数検知手段94及びリタードローラ回転センサ95から出力される検知信号に応じて、リタードロール用の駆動モーター93によるリタードロール36bの回転方向を制御するように構成されている。
図10は給紙装置50の制御回路100をも兼ねたプリンターの制御回路を示すブロック図である。
図10において、100は給紙装置を制御する制御手段及び回転トルク制御手段としての機能を兼ね備えた制御回路を示すものであり、この制御回路100は、プログラムや所定のパラメータ等を記憶するROMやRAM等からなる記憶部101と、当該記憶部101に記憶されたプログラムや所定のパラメータ等に基づいて演算や制御処理を行うCPU等からなる演算部102とを備えている。
また、上記制御回路100には、プリントする記録シートの種類やプリント枚数等を指示するユーザーインターフェース103が接続されており、このユーザーインターフェース103は、給紙装置50に異常が発生した場合に警告のメッセージ等をユーザに向けて表示することにより警告を発する警告手段としての機能をも備えている。
さらに、上記制御回路100には、給紙装置50のシート枚数検知手段94及びリタードロール回転センサ95から検知信号が入力されているとともに、リタードロール用の駆動モーター93が接続されており、当該リタードロール用の駆動モーター93の回転トルクが制御回路100によって制御されるように構成されている。
以上の構成において、この実施の形態に係る給紙装置では、次のようにして、記録シートを1枚づつ分離するための分離ロールに従動不良等の動作不良が発生するのを防止し、併せて当該分離ロールの動作不良に起因した記録シートのジャム発生を防止するとともに、分離ロール表面の摩擦係数が低下した場合における偏摩耗を抑制することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る給紙装置50では、図1及び図10に示すように、第1の駆動モーター87を所定のタイミングで回転駆動することによって、ナジャーロール35が回転駆動され、給紙トレイ34上に積載された記録用紙30のうち、最上位に位置する記録用紙30のみ、又は最上位に位置する記録用紙30とその下方に位置する記録用紙30の1〜2枚程度が給紙される。その際、上記ナジャーロール35によって給紙された記録用紙30は、その先端が上方のフィードロール36aに当接すると、複数枚の記録用紙30が給紙されたしまったり、記録用紙30のジャムが発生しやすいため、ナジャーロール35によって給紙された記録用紙30は、図12(a)に示すように、その先端が下方のリタードロール36bに向けて給紙されるように設定されている。
その際、上記給紙装置50では、2枚以上送られた記録用紙30を分離して、最上位の記録用紙30のみを給紙するために、リタードロール36bは、リタードロール用の駆動モーター93によって、2枚以上送られた記録用紙30を分離する方向、つまり図中、時計回り方向の回転トルクが付与されるが、リタードロール36bが図中時計回り方向に回転駆動されると、ナジャーロール35によって給紙された記録用紙30の先端が、図12(b)に示すように、リタードロール36bの表面に当接して押し戻されることによって座屈してしまい、記録用紙30のジャムが発生する畏れが、従来はあった。
また、上記給紙装置50では、図1及び図10に示すように、ナジャーロール35が記録用紙30の表面に常時接触するため、長期間使用している間に、記録用紙30に添加されたカオリン等の添加剤が、ナジャーロール35の表面に付着して堆積し、当該ナジャーロール35表面の摩擦係数が低下することが知られている。
すると、上記給紙装置50では、図12(c)に示すように、ナジャーロール35と当接するリタードロール36bがスリップして、当該リタードロール36bの表面の一部のみが摩耗する所謂偏摩耗が発生することが従来知られていた。
そこで、この実施の形態に係る給紙装置50では、図10に示すように、制御回路100の図示しないCPUが、シート枚数検知手段94からの検知信号に応じて、図13に示すように、給紙された記録用紙30の枚数が1枚以下(0枚又は1枚)か、2枚以上かを判定し(ステップ101)、制御回路100は、給紙された記録用紙30の枚数が1枚以下(0枚又は1枚)であると判定すると、リタードロール用の駆動モーター93によって回転トルクを切替えることにより、リタードロール回転センサ95からの検知信号に応じて、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)であって、且つその回転速度が所定値の80%以上か否かを判定する(ステップ102)。
上記リタードロール36bは、図1に示すように、リタードロール用の駆動モーター93によって回転速度が制御されるが、リタードロール36bには、フィードロール36aの回転駆動力が図14に示すように記録用紙30を介して伝達され、フィードロール36aの回転方向と同方向の回転力が作用する。
このとき、図14において、上記フィードロール36aの移動速度をA、記録用紙30の移動速度をB、リタードロール36bの移動速度をCとすると、通常の状態では、A>B>Cの関係が成り立つとともに、リタードロール36bの移動速度Cは、フィードロール36aの移動速度Aよりも10%程度遅い速度となるように、リタードロール36bの回転速度が設定されている。
なお、上記リタードロール36bの回転速度は、例えば、図15に示すように、立ち上がり及び足り下がり時に、所定の回転速度まで急激に上昇させたり、急激に低下させるのではなく、徐々に所定の回転速度まで上昇させたり、所定の回転速度から徐々に低下させるように設定されており、リタードロール36bの駆動を滑らかに行うことができるように構成されている。
しかし、上述したように、フィードロール36aにスリップ等が発生している場合には、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)でなかったり、リタードロール36bの回転速度が所定値の80%未満となることがある。
そこで、この実施の形態では、制御回路100は、リタードロール回転センサ95からの検知信号に応じて、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)であって、且つ回転速度が所定値の80%以上か否かを判定し (ステップ102)、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向でなかったり、回転速度が所定値の80%未満であると判定すると、リタードロール用の駆動モーター93に信号を送り、逆転速度を所定値ΔTだけ減少させた後(ステップ103)、ステップ101に戻る。
そして、制御回路100は、再度、リタードロール回転センサ95からの検知信号に応じて、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)であって、且つ回転速度が所定値の80%以上か否かを判定し(ステップ102)、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向であり、且つ回転速度が所定値の80%以上であると判定すると、給紙動作は、終了か否か、つまり2枚目以降の給紙を行うか否かを判別し(ステップ104)、給紙動作が終了でない場合は、ステップ101に戻り、給紙動作が終了である場合は、給紙動作を終了する。
一方、制御回路100は、シート枚数検知手段94からの検知信号に応じて、給紙された記録用紙30の枚数が二枚以上である(重送が発生している)と判定すると(ステップ101)、リタードロール回転センサ95からの検知信号に応じて、リタードロール36bの回転方向が逆転方向(時計回り方向)であるか否かを判定し(ステップ105)、リタードロール36bの回転方向が逆転方向である場合には、フィードロール36aとリタードロール36bとによって二枚以上給紙された記録用紙30を分離することができるため、給紙動作を継続し、給紙動作が終了か否かを判定する(ステップ104)。
これに対して、制御回路100は、リタードロール36bの回転方向が逆転方向(図示例の場合には、時計回り方向)でなかった場合には、リタードロール用の駆動モーター93に信号を送り、逆転速度を所定値ΔT2だけ増加させた後(ステップ106)、ステップ101に戻る。
ここで、逆転速度を増加させる所定値ΔT2は、前記所定値ΔT1と同じ値でも良いが、異なった値に設定しても良い。また、上記所定値ΔT1、ΔT2は、制御回路100の図示しないユーザーインターフェース103等を用いて、適宜変更できるように構成しても良い。
そして、制御回路100は、給紙された記録用紙30の枚数が二枚以上であるが(ステップ101)、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)であると判定した場合には(ステップ105)、フィードロール36aとリタードロール36bとによって二枚以上給紙された記録用紙30を分離することができるため、給紙動作を継続し、給紙動作が終了か否かを判定する(ステップ104)。
ここで、記録用紙30の先端が図12(b)に示すようにリタードロール36bの表面に当接して押し戻されることによって、記録用紙30の先端に座屈が発生する畏れがある場合には、給紙された記録用紙30の枚数が一枚以下であれば(ステップ101)、リタードロール36bの回転方向が正規の回転方向(図示例の場合には、反時計回り方向)か否かが判定され(ステップ102)、正規の回転方向でなければ、逆転速度をΔT1だけ減少させるようになっているので、記録用紙30の先端は、リタードロール36bによって正規の回転方向に送られるため、記録用紙30の先端に座屈が発生するのを回避することができる。
34:給紙トレイ、30:記録用紙、35:ナジャーロール(送出ロール)、36a:フィードロール(搬送ロール)、36b:リタードロール(分離ロール)、87:第1の駆動モーター、93:第2の駆動モーター、95:リタードロール回転センサ、100:制御回路。
Claims (5)
- 複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする給紙装置。 - 前記判定手段によって前記記録シートが正常に分離されなかったことを検知した場合には、警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する回転トルク制御手段と、
前記送出ロールによって送り出された記録シートの枚数を検知する枚数検知手段と、
前記枚数検知手段の検知結果に応じて、前記回転トルク制御手段による前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。 - 前記制御手段は、分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記回転トルク制御手段による前記分離ロールに付与する回転トルクを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
- 複数枚積層された記録シートを送り出す送出ロールと、
前記送出ロールによって送り出された記録シートのうち、表面側の一枚の記録シートのみを搬送する搬送ロールと、
前記搬送ロールに当接した状態で配設され、前記送出ロールによって二枚以上の記録シートが送り出された場合に、裏面側に位置する二枚目以上の記録シートを一枚目の記録シートと分離する分離ロールと、
前記分離ロールの回転状態を検知する分離ロール回転検知手段と、
前記分離ロール回転検知手段の検知結果に応じて、前記記録シートが正常に分離されたか否かを判定する判定手段と、
前記送出ロールによって送り出され、且つ、前記搬送ロールと前記分離ロールとによって一枚に分離された状態で搬送される記録シートに画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)
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2007
- 2007-08-24 JP JP2007218442A patent/JP2009051590A/ja not_active Withdrawn
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