JP2009051458A - 表皮付きフィニッシャー、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents

表皮付きフィニッシャー、その製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】貼り合わせ強度の得にくい基材端末部において装飾フィルム状の表皮を強固に確実に固着した表皮付きフィニッシャー、その製造方法、及びその製造装置を提供する。
【解決手段】基材部と、基材部の意匠部側に貼り付けられた表皮とを備え、基材部はその縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮は基材部の前記基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断された切断端縁を有することを特徴とする表皮付きフィニッシャー。
【選択図】図9

Description

本発明は、表皮付きフィニッシャーと、その製造方法、及びその製造装置に関する。
自動車の内装パネルは、従来より樹脂(主に熱可塑性樹脂)の射出成形品が適用されている。例えば、ピラーガーニシュ、クラスターリッド、パワーウインドウフィニッシャーなどで、金型に彫りこんだシボを成形品に転写して、艶を抑えなどの効果を得ている。また、平滑面に水圧転写などの工法によって木目を付与することも行われている。他に、熱可塑性樹脂フィルムを加熱して真空引きなどして賦形し、これを樹脂基材に貼り付ける方法もある。また、予め所望の形状に近い賦形した樹脂フィルムを金型に挿入し、樹脂を射出して一体に成形する方法や、樹脂フィニッシャー本体を差圧賦形型に置き、加熱され柔軟になった樹脂フィルムを重ねて減圧などして樹脂フィニッシャーに貼り付ける方法もある。
このようなフィルムを貼り付ける方法にとして、樹脂フィニッシャー本体の意匠部分を覆う箇所の周縁部分にいくらかの余部を設けておき、貼り付け後に余部を切り離すことにより最終製品である表皮付きフィニッシャーを得るというものがある(特許文献1)。
特開平8−318570号公報
この方法においては、成形品の基材の外周部にフランジFを設けておき、この基材上に表皮を真空成形して貼着し、基材の外周部においてはフィルム状の表皮をフランジF下面に沿ってカット刃を前進させ、支持型(真空成形型)に表皮を当てて余部をカットしている。しかしながら、こうした方法ではフランジFを他の部材で覆う(例えばウエルトや他の装飾パネルの下に潜り込ませる)必要があり、適用範囲が狭いとの問題がある。また、表皮がフランジF面に沿って延伸賦形されるので、端末部分の貼り合せ強度が得にくいとの問題がある。
本発明は、このような問題、特に基材端末部において装飾フィルム状の表皮を強固に確実に固着した表皮付きフィニッシャー、その製造方法、及びその製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、装飾フィルムの表皮を基材に貼着するにあたり、基材端末部において表皮の貼着面がその切断端縁部において基材端末部の表面と交差する方向から貫入してかえし部を形成するように貼着、切断することが有効であることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]基材部と、基材部の意匠部側に貼り付けられた表皮とを備え、基材部はその縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮は基材部の前記基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断された切断端縁を有することを特徴とする表皮付きフィニッシャー。
[2]基材部と、基材部の意匠部側に貼り付けられた表皮とを備え、基材部はその縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮は基材部の前記基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断された切断端縁を有する表皮付きフィニッシャーの製造方法であって、表皮は前記基材端末部の所定幅を超えて、基材部の非意匠部に延長され、基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断されて切断端縁を形成することを特徴とする表皮付きフィニッシャーの製造方法。
[3]表皮は、基材端末部で折り重なるように非意匠部に延長される、[2]記載の表皮付きフィニッシャーの製造方法。
[4]表皮は、基材端末部でプレスされる、[3]記載の表皮付きフィニッシャーの製造方法。
[5]基材部を開放状態で保持する保持部と、表皮部を基材部に沿って賦形するとともに、前記基材端末部の表皮切断部位を超えて、基材部の非意匠部に表皮を延長する差圧貼付部と、基材端末部に対向して配置され基材端末部に重なる表皮部を該基材端末部と交差する方向から切断する切断装置とを備えたことを特徴とする表皮付きフィニッシャーの製造装置。
[6]保持部は、基材端末部に重なる表皮部を略横U字状または略横V字状に折り重ねる可動装置に支持される[5]に記載の表皮付きフィニッシャーの製造装置。
[7]切断装置は、押し刃よりなる[5]または[6]に記載の表皮付きフィニッシャーの製造装置。
に関する。
本発明によれば、基材部の縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮が該端末部の所定幅内に切断端縁を有することにより、意匠部において基材端末部が露出することを防止でき、しかも、その表皮切断端縁が基材端末部と交差する方向から切断されて形成される結果、表皮の切断端縁部は返し部となって、基材に食い込むこととなり表皮端縁と基材との接合強度を向上させることができる。
本発明は、基材に対する表皮の貼付方法、特に基材の端末部における表皮の端縁部の形成方法が重要である。
以下に図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の表皮付きフィニッシャーの一つの態様としてのインストルメントパネルの変速操作部を示す説明図である。図1中、膨出部100に自動変速機のシフトノブ101、フィニッシャー2、22が取り付けられている。図2は、図1中のA−A線断面説明図であり、図2中の3は基材に貼付されるシート、フィルムなど表皮となる装飾体を示す。4は基材部、5は基材部の裏面に設けた基材保持部、6は基材端末部、7は装飾体の基材端末部における切断端縁部であり、詳細には切断の際に基材が窪むとともに装飾体切断端部が入り込んだ状態となっている。また、図3は図2中、丸で囲んだ部分の詳細説明図であり、3aは接着層であるが、これは装飾体の裏面、あるいは基材部の表面いずれにあってもかまわない。接着層の厚みは、通常の樹脂基材と装飾体の接着に使用される厚みで適用することができるが、通常30μm〜発泡体の装飾体の場合では0.5mm程度とすることもある。基材端末部では基材の厚み+装飾体厚みの寸法で2.5〜3.5mm程度である。なお、図2中中央部分には図1のフィニッシャー22がはめ込まれる。
前記基材部、装飾体、あるいは接着剤としては、一般に樹脂基材にフィルムなどの装飾体を貼付する際に使用される材質を使用することができ、特に制限はない。たとえば基材部は、射出成形などにより成形され、その材質としてはABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、PP複合樹脂、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、PC/ABS樹脂等が用いられる。また、装飾体の材質としては、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)、あるいは布などである。また、PPF(ポリプロピレン樹脂発泡体)、PEF(ポリエチレン樹脂発泡体)等が積層されたタイプでもよい。また、前記3aで示される接着層は、アクリル系、ウレタン系、クロロプレンゴム系等接着剤を使用することができる。
次に、図4〜図9に基づき本発明の表皮付きフィニッシャー、その製造方法、及び製造装置について説明する。
図4〜図9に示すものは、本発明の表皮付きフィニッシャーの製造装置の作動状態の概念図である。
図4は成形前の状態を説明するもので、受け治具本体8には、基材部昇降用シリンダ10、受け治具連通孔9、装飾体破断用シリンダ11を備えている。このシリンダには、装飾体をカットするための刃物12が具備されている。この刃物にはシャープなカット面の形成と、低い圧力でカットすることを実現するためにヒーター、超音波振動源等を具備することが好ましい。この状態で図示しない装飾体上部のヒータープレートにより加熱されて軟化した装飾体3が図示しないクランプにより支持され下降する。
図5は、装飾体3が基材部の意匠部側でその表面を被覆しながら、さらに下降して真空成形が開始され始めた状態を説明するもので、9の受け治具連通孔より、真空引きが始まり、装飾体3が基材部裏側に引き込まれるので、回り込みあるいは巻き込み形状を容易に確実に賦形することができる。
図6は、装飾体3が基材部裏側に引き込まれた状態のまま、基材昇降用シリンダ10が下降を始める状態を説明するもので、この際に基材昇降用シリンダ10の上面と、基材部保持部5が嵌合されているため、基材部も昇降用シリンダ10とともに下降する。なお、5は、昇降用シリンダ10の図示しない挟持体により保持されている。また、図2のクリップ23に係合するようにしてもよい。
図7は、下降が完了した状態を説明するもので、基材部端末部6が受け治具本体8の上面部に押圧され、装飾体3は確実に貼着されるので、回り込み部も十分な貼り合わせ強度を得ることができる。しかし、減圧により装飾体3の引き込みで十分な貼着力が得られる場合には押圧する必要はない。
図8は、図7の状態を保持したまま、装飾体破断用シリンダ11に備えた刃物12が上方に突出して、これにより装飾体3がカットされる。この間、スペースSは減圧されており、装飾体3のズレが生じることがない。また、切断は超音波の適用によってもよい。さらにレーザーの適用により装飾体3の基材への溶着と切断とを同時に行ってもよい。
図9は、基材昇降用シリンダ10が上昇し、装飾体破断用シリンダ11に具備された刃物12が下降した状態を説明するもので、12aは装飾体切断部を示す。この段階で減圧状態が解除され、9の受け治具連通孔が大気と同圧となる。
図10〜14はカッターの他の実施例を示すものである。
図10は、先端部が両刃13となっている例を示す。図11は、片刃14の例を示す。図12は、コーナー部に円錐状刃物15を使用して目打ちと組み合わせた例を示す。図13はコーナー部に連続刃として円弧状刃を使用した例を示す。図14は、刃を凹凸形状とした例を示す。
また、図15は、押さえ治具とレーザービームカッターとを組み合わせた実施例を示す。図16は、また別の実施例であり、リミッター25を用いた例を示す。
このリミッター25により装飾体3がスペースSに過度に引き込まれるのを阻止し、伸びが大きくなったり、ばらついたりすることを防止する。即ち、リミッター25が一定の位置で装飾体3に当接して延伸を抑制する。また、リミッター25を基材4に刃物が深入りしないように規制するように設けることもできる。
また、この実施例では円錐突起50を受け台40の先端の凹部41にて位置あわせし、装飾体3の賦形貼合時にはスペースSの減圧による吸着力で保持しておき、切断端縁44に刃物12を当てるときには、製品形状に倣って制作された保持型55を下降させて上から押さえるようにしている。なお、この実施例ではセーム革56を保持型55の保持面57全面に貼り付けて装飾体3にキズがつかないようにしている。
本発明の表皮付きフィニッシャーの一つの態様としてのインストルメントパネルの変速操作部を示す説明図。 図1中、A−A線断面説明図。 図2中、丸で囲んだ部分の詳細説明図。 本発明のフィニッシャーの製造過程を説明するもので、成形前の状態の説明図。 装飾体3が基材部の意匠部側でその表面を被覆しながら、さらに下降し、真空成形が開始され始めた状態の説明図。 装飾体3が基材部裏側に引き込まれた状態のまま、基材昇降用シリンダ10が下降を始める状態の説明図。 下降が完了した状態の説明図。 装飾体3がカットされる状態の説明図。 切断後刃物が下降した状態の説明図。 カッターの別の実施例を示す説明図。 同上 同上 同上 同上 本発明の製造装置を示す別の実施例の説明図。 同上

Claims (7)

  1. 基材部と、基材部の意匠部側に貼り付けられた表皮とを備え、基材部はその縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮は基材部の前記基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断された切断端縁を有することを特徴とする表皮付きフィニッシャー。
  2. 基材部と、基材部の意匠部側に貼り付けられた表皮とを備え、基材部はその縁部の非意匠部側に所定幅を有する基材端末部を備え、表皮は基材部の前記基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断された切断端縁を有する表皮付きフィニッシャーの製造方法であって、表皮は前記基材端末部の所定幅を超えて、基材部の非意匠部に延長され、基材端末部の所定幅内で該基材端末部と交差する方向から切断されて切断端縁を形成することを特徴とする表皮付きフィニッシャーの製造方法。
  3. 表皮は、基材端末部で折り重なるように非意匠部に延長される、請求項2記載の表皮付きフィニッシャーの製造方法。
  4. 表皮は、基材端末部でプレスされる、請求項3記載の表皮付きフィニッシャーの製造方法。
  5. 基材部を開放状態で保持する保持部と、表皮部を基材部に沿って賦形するとともに、前記基材端末部の表皮切断部位を超えて、基材部の非意匠部に表皮を延長する差圧貼付部と、基材端末部に対向して配置され基材端末部に重なる表皮部を基材端末部と交差する方向から切断する切断装置とを備えたことを特徴とする表皮付きフィニッシャーの製造装置。
  6. 保持部は、基材端末部に重なる表皮部を略横U字状または略横V字状に折り重ねる可動装置に支持される請求項5に記載の表皮付きフィニッシャーの製造装置。
  7. 切断装置は、押し刃よりなる請求項5または6に記載の表皮付きフィニッシャーの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013139202A (ja) * 2012-01-04 2013-07-18 Nippon Plast Co Ltd 装飾パネル

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