JP2009050930A - 多軸加工機 - Google Patents

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Hiroyuki Matsuda
裕之 松田
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Abstract

【課題】2種類の加工を1台の加工機で行なうことができ、設置スペースを最小限にした多軸加工機を提供すること。
【解決手段】工具保持部30を共通にし、その周囲に第1支持ユニット10及び第2支持ユニット20を設置するとともに、工具保持部30に、工具の姿勢を変更することができる第1のターンテーブル31c及び第2のターンテーブル32bと、加工ツール2をX方向及びZ方向に移動させるステージ装置33,34を備えている。したがって、自由曲面の加工及び円筒面の加工が1台の加工機で行なえる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多軸加工機に関するもので、自由曲面の加工及び円筒状面の加工に適した多軸加工機に関するものである。
例えば、多軸加工機として、ワークベンチと加工ヘッドとを備え、ワークベンチは、ワークを鉛直軸や水平軸のまわり回転させることができ、加工ヘッドは、加工ツールをワークに対向させて3軸方向に移動させることができるものがある(特許文献1等参照)。このような多軸加工機で自由曲面を加工する場合、加工ツールをワークの被切削面に対して縦方向(例えばY方向)に相対的に移動させつつ加工ツールを深さ方向(例えばX方向)に進退させることで線状に切削を行う。次いで、加工ツールをワークの被切削面に対して1ピッチだけ横方向(例えばZ方向)に相対的にずらし、次いで、上記と同様に加工ツールを被切削面に対して縦方向に相対的に移動させる。このような動作を繰り返すことにより、ワーク上に任意の曲面を加工することができる。以上の多軸加工機によれば、自由曲面だけでなく円筒状面を加工することもできる。すなわち、ワークを回転させた状態でワークの周面に加工ツールの先端を突き当てる。そして、加工ツールをワークの深さ方向に進退させながら加工ツールをワークの回転軸に沿って徐々に移動させることで、ワーク上に様々な円筒状面を形成することができる。
特開2005−74568号公報
しかしながら、比較的重量の大きなワークに対して円筒状面を高精度で加工するためには、ワークを円筒軸のまわりに一定速度で回転させる専用の回転支持駆動装置をワークベンチ上に直接設けることが望ましい。つまり、自由曲面加工用の多軸加工機と、円筒状面加工用の多軸加工機とを個別に用意しておく必要があるが、2種類の加工機を設置すると、広い設置スペースを必要とする。
そこで、本発明は、2種類の加工を1台の加工機で高精度に行なうことができ、設置スペースの増大を抑えた多軸加工機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る多軸加工機は、(a)加工の対象である第1ワークを支持する自由曲面加工用の第1支持ユニットと、(b)加工の対象である第2ワークを支持して所定の円筒軸のまわりに回転させる円筒状面加工用の第2支持ユニットと、(c)加工ツールを支持して変位させる少なくとも1軸以上の工具駆動機構を有するとともに、加工ツールを第1支持ユニットと第2支持ユニットとのいずれか一方に向くように切り替えて保持する工具保持部と、(d)第1支持ユニットと、第2支持ユニットと、工具保持部とを上部に固定する支持台とを備える。
上記多軸加工機においては、支持台上に第1支持ユニットと第2支持ユニットと工具保持部とを固定することで、工具保持部を第1ワークと第2ワークの加工に共通のものとする。つまり、工具保持部は、加工ツールを第1ワークを支持する第1支持ユニットと第2ワークを支持する第2支持ユニットとのいずれかに向くように切り替えて保持することができる。これにより、第1支持ユニット及び第2支持ユニットを支持台上に安定して固定しつつ、工具保持部によって加工ツールの向きを必要なタイミングで切り替えて第1ワーク及び第2ワークに対する加工を行うことができる。よって、両ワークのサイズや重量が大きいという事情があっても、1台の加工機によって、これらワークに高精度で自由曲面及び円筒状面を加工することができる。
本発明の具体的な態様では、上記多軸加工機において、工具保持部が、第1支持ユニットと第2支持ユニットと間に配置されており、加工ツールを回転させる回転機構によって、第1支持ユニットに向く第1位置と第2支持ユニットに向く第2位置との間で加工ツールの姿勢を切り替えることを特徴とする。この場合、加工ツールの回転機構を、第1支持ユニットや第2支持ユニットに対する姿勢変更に限らず、加工対象の切替に利用することができる。また、この場合、第1支持ユニットと第2支持ユニットとの間に工具保持部を挟む直列的配置となり、第1支持ユニットと第2支持ユニットとの独立性を保ちつつ省スペース化を測ることができる。
本発明の別の態様では、工具保持部が、加工ツールを180°以上回転させることによって第1位置と第2位置とに配置することを特徴とする。
本発明のさらに別の態様では、工具保持部が、少なくとも1軸以上の駆動機構として、直交する2軸に沿って加工ツールを移動させるステージ装置を備えることを特徴とする。この場合、工具保持部によって加工ツールの2次元的な高度の移動が可能になり、第1支持ユニットや第2支持ユニットの構造を簡単にできるので、多機能でありながら多軸加工機のサイズやコストの増加を抑えることができる。
本発明のさらに別の態様では、第1支持ユニットが、第1ワークを保持して変位させるワーク駆動機構を有することを特徴とする。この場合、第1支持ユニット側に自由曲面の加工に必要な特有の動作をさせることができる。
以下、本発明の多軸加工機を図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る多軸加工機の一実施形態を概念的に示した斜視図である。
本実施形態の多軸加工機は、例えば光学素子を成形するための成形金型の成形面等を切削加工によって創製するための装置であり、特に、自由曲面及び円筒状面の切削加工が可能になっている。この多軸加工機は、支持台であるベース1上に、自由曲面加工用の第1支持ユニット10と、円筒状面加工用の第2支持ユニット20と、加工ツール2のための工具保持部30とを固定した構造を有する。ここで、工具保持部30は、第1支持ユニット10と第2支持ユニット20との間に挟まれており、両支持ユニット10,20に対する直接的なアクセスが可能になっている。また、ベース1上に、第1支持ユニット10と第2支持ユニット20と工具保持部30とを一列に配置することで、多軸加工機の省スペース化を図ることができる。また、第1支持ユニット10と第2支持ユニット20と工具保持部30とをベース1上に直接固定する構造とすることで、第1支持ユニット10と第2支持ユニット20と工具保持部30とを安定して支持し固定することができる。
第1支持ユニット10は、自由曲面を加工する際に利用される部分であり、第1ワークW1を保持するチャック11と、モータを有し回転軸RA1のまわり回転可能にチャック11を支持する回転駆動装置M7と、回転駆動装置M7を支持して回転駆動装置M7やチャック11とともに昇降する昇降部材12と、昇降部材12をY方向に案内する昇降駆動装置13とを備えている。ここで、回転駆動装置M7と昇降駆動装置13とは、ワークW1を保持して変位させるためのワーク駆動機構を構成する。なお、回転駆動装置M7は、ワークW1の旋削を可能にするものであるが、省略することもできる。
昇降駆動装置13は、下端がベース1に立設されてY方向に延びるとともに昇降部材12に摺動自在に嵌挿されたガイドポスト13aと、ベース1に端部が回転可能に支持されてY方向へ向けて立設されるとともに昇降部材12に螺合されたスクリューロッド13bと、該スクリューロッド13bを正逆回転させるモータを備える回転駆動装置M1とによって構成されている。なお、昇降部材12とガイドポスト13aとの間には、昇降部材12の高精度の摺動を可能にする軸受けが組み込まれている。
この昇降駆動装置13では、回転駆動装置M1に設けたモータが一方に回転駆動されると、スクリューロッド13bが一方に回転され、それに伴って昇降部材12がY方向一方に移動される。したがって、昇降部材12に回転駆動装置M7及びチャック11を介して固定設置されているワークW1は、Y方向一方に移動される。ここで、チャック11に固定されたワークW1は、回転駆動機構M7の動作により、回転軸RA1のまわりの任意の回転位置に保持され、或いは、回転軸RA1のまわりに所望の速度で回転させられる。
なお、昇降駆動装置13において、スクリューロッド13bに替えて、表面にラックを形成したロッドを使用するとともに、昇降部材12に設置したピニオンを噛合させ、該ピニオンを昇降部材12に搭載したモータによって正逆回転させるように構成してもよく、ベース1にシリンダを搭載し、シリンダのピストンロッドの先端を昇降部材12に連結して構成してもよい。
第2支持ユニット20は、円筒状面を加工する際に利用される部分であり、ベース1に立設されてY方向に延びる2つの支持部材21,21と、これらの支持部材21,21にそれぞれ回転自在に軸支された2つのチャック22,22と、一方の支持部材21側に設置されるモータを有し一方のチャック22をX方向に平行な水平軸RA2のまわりに回転させる回転駆動装置M2とを備えている。なお、支持部材21,21とチャック22,22との間には、各チャック22,22の滑らかで高精度の回転を可能にする軸受けが組み込まれている。
この第2支持ユニット20では、円筒状の第2ワークW2が一対のチャック22,22によってX方向に延びる水平軸RA2のまわりに保持され、該ワークW2は、回転駆動装置M2によって、水平軸RA2のまわりで例えば矢印方向に所望の速度で回転させられる。
工具保持部30は、第1の工具回転装置31と、第2の工具回転装置32と、第3の工具回転装置38とを備えており、これら工具回転装置31,32,38は、加工ツール2の刃先2aの姿勢を調節するための装置部分となっている。ここで、第1の工具回転装置31は、加工ツール2をXZ面に平行な回転軸のまわりに180°以上回転させ、第2の工具回転装置32は、加工ツール2をY軸に平行な回転軸のまわりに180°以上回転させ、第3の工具回転装置38は、加工ツール2をその軸心に略平行な回転軸のまわりに回転させる。結果的に、これら工具回転装置31,32,38によって、加工ツール2を直交する3つの回転軸のまわりに回転させることができる。
第1の工具回転装置31は、第3の工具回転装置38を介して加工ツール2を支持しており、第3の工具回転装置38を端部に固定する支持部材31bと、該支持部材31bを保持し、図示の状態で回転軸をX方向としたターンテーブル31cと、該ターンテーブル31cの軸に軸を直結させ、それらの軸を介してターンテーブル31cを正逆回転するモータを有する回転駆動装置M3とによって構成されている。このターンテーブル31cには、ターンテーブル31cの滑らかで高精度の回転を可能にする軸受けが組み込まれている。
なお、ターンテーブル31cの回転機構は、上述の回転駆動装置M3に限られるものではない。例えば、ターンテーブル31cに歯を周設するとともに、後述する支持部材32aにピニオン及び該ピニオンを回転させるモータを設置し、ピニオンの歯をターンテーブル31cの歯に噛合させ、ピニオンをモータによって回転させることによっても実現できる。
第2の工具回転装置32は、回転駆動装置M3を上部に支持する支持部材32aと、該支持部材32aを支持するとともに回転軸をY方向としたターンテーブル32bと、該ターンテーブル32bの軸に軸を直結させ、それらの軸を介してターンテーブル32bを正逆回転するモータを有する回転駆動装置M4とによって構成されている。このターンテーブル32bには、ターンテーブル32bの滑らかで高精度の回転を可能にする軸受けが組み込まれている。
なお、ターンテーブル32bの回転は、上述の回転駆動装置M3に限られるものではない。例えば、ターンテーブル32bに歯を周設するとともに、後述する第1のステージ装置33の枠体にピニオン及び該ピニオンを回転させるモータを設置し、ピニオンの歯をターンテーブル31cの歯に噛合させ、ピニオンをモータによって回転させることによっても実現できる。
第3の工具回転装置38は、加工ツール2を着脱可能に取り付けるチャック38aと、モータを有し加工ツール2の軸心に略平行な回転軸のまわりに回転可能なチャック38aを支持する回転駆動装置M8とを備える。回転駆動装置M8は、チャック38aの滑らかで高精度の回転を可能にする軸受けが組み込まれている。そして、チャック38aは、加工ツール2の姿勢や刃先2aの位置を調整できるようになっている。なお、チャック38aに固定された加工ツール2は、回転駆動機構M8の動作により、図示の状態でZ方向に平行な回転軸のまわりの任意の角度位置に保持される。回転駆動装置M8は、加工ツール2の軸心まわりの回転姿勢を調節可能にするものであるが、省略することもできる。
さらに、工具保持部30は、第1のステージ装置33と第2のステージ装置34とを備えている。第1のステージ装置33は、ターンテーブル32b、支持部材32a、回転駆動装置M3、ターンテーブル31c、支持部材31b、回転駆動装置M8、及びチャック38aを介して、加工ツール2をX方向に移動させ、第2のステージ装置34は、ターンテーブル32b等を介して、加工ツール2をZ方向に移動させる。
第1のステージ装置33は、上述の回転駆動装置M4を保持する移動ブロック33aと、該移動ブロック33aをX方向に案内するガイドレール33bを上面に備えた枠体33cと、移動ブロック33aの端面に螺合し、X方向に延設させたスクリューロッド33dと、枠体33cに設置され、スクリューロッド33dを正逆回転させるモータを有する回転駆動装置M5とによって構成されている。ガイドレール33bには、移動ブロック33aの滑らかで高精度の摺動を可能にする軸受け等が組み込まれている。そして、この第1のステージ装置33では、回転駆動装置M5を駆動させて、スクリューロッド33dを回転し、それによって、移動ブロック33aをガイドレール33bに沿ってX方向に移動させ、ターンテーブル32b延いては加工ツール2がX方向に移動される。
なお、第1のステージ装置33におけるターンテーブル32bのX方向への案内機構は、枠体33cに一本のガイドレールを設置し、該ガイドレールを跨ぐようにて移動ブロック33aを設置させて構成してもよい。また、スクリューロッド33dに替えてラックロッドを配設し、該ラックロッドを移動ブロック33aに結合させるとともに、枠体33cにピニオン及びモータを設置し、ピニオンをラックロッドに噛合させることによって構成し、モータによってピニオンを回転させ、それによって移動ブロック33aを移動させるようにしてもよく、枠体33cにシリンダを設置し、該シリンダのピストンロッド先端を移動ブロック33aに連結し、シリンダによって移動ブロック33aを移動させるようにしてもよい。
第2のステージ装置34は、ベース1上に設置され、枠体33cをZ方向に案内するガイドレール34aと、枠体33cに螺合貫通させたスクリューロッド34bと、該スクリューロッド34bを正逆回転させるモータを有する回転駆動装置M6とによって構成されている。ガイドレール34aには、枠体33cの滑らかで高精度の摺動を可能にする軸受け等が組み込まれている。そして、この第2のステージ装置34では、回転駆動装置M6を一方に回転駆動させると、スクリューロッド34bが一方に回転され、それによって、枠体33c延いては加工ツール2がZ方向に移動される。
なお、第2のステージ装置34におけるターンテーブル32bのZ方向への案内機構は、ベース1に一本のガイドレールを設置し、該ガイドレールを跨ぐようにて枠体33cを設置させて構成してもよい。また、スクリューロッド34bに替えてラックロッドを配設し、該ラックロッドの端部を枠体33cに回転自在に連結させるとともに、ベース1にピニオン及び該ピニオンを回転させるモータを設置して構成し、モータによってピニオンを回転し、該ピニオンを介してラックロッドをZ方向に移動させ、それによって枠体33cをZ方向に移動させるようにしてもよく、ベース1にシリンダを設置し、該シリンダのピストンロッド先端を枠体33cに連結し、シリンダによって枠体33cをZ方向に移動させるようにしてもよい。
図2は、図1に示す多軸加工機の制御系を説明するブロック図である。この制御系において、制御装置40には、第1支持ユニット10、第2支持ユニット20、工具保持部30、第1及び第2のステージ装置33,34等を動作させる回転駆動装置M1〜M8と、回転駆動装置M1〜M8の動作状態や加工ツール2の位置や角度を検出することができるエンコーダその他のセンサ群61とが接続されている。制御装置40には、並進調整部41と回転調整部42とが設けられており、並進調整部41は、昇降駆動装置13、第1及び第2のステージ装置33,34等の動作を制御して、ワークW1,W2に対する加工ツール2の刃先2aの3次元的な位置調整を可能にしている。また、回転調整部42は、回転駆動機構M7の動作を制御して、ワークW1の回転状態を制御することができ、回転駆動装置M2の動作を制御して、ワークW2の回転状態を制御することができる。さらに、回転調整部42は、第1〜第3の工具回転装置31,32,38等の動作を制御して、ワークW1,W2に対する加工ツール2の刃先2aの3次元的な角度調整を可能にしている。特に第2の工具回転装置32については、ターンテーブル32bの回転により加工ツール2をY軸のまわりに約180°回転させることができ、第1支持ユニット10に保持されたワークW1に対向する第1位置と、第2支持ユニット20に保持されたワークW2に対向する第2位置との間で、加工ツール2の位置及び姿勢を切り替えることができる。なお、第1の工具回転装置31を利用してターンテーブル31cを回転させることにより、第1支持ユニット10側の第1位置と第2支持ユニット20側の第2位置との間で加工ツール2の位置及び姿勢を切り替えることもできる。この際、第3の工具回転装置38を利用して、加工ツール2が水平な軸のまわりに180°回転しても加工ツール2の上側がそのまま保持されるようにできる。
この多軸加工機では、自由曲面加工を行なう場合、その加工対象である第1ワークW1が第1支持ユニット10のチャック11に装着される。そして、並進調整部41等によってワークW1の被加工面が適正な位置に配置され適正な方向に向くように設定される。また、自由曲面加工用の加工ツール2は、工具保持部30のチャック38aに装着される。その際、加工ツール2は、回転調整部42によってその刃先2aがワークW1の被加工面W1aに対して所望の角度をもつように位置設定される。
そして、並進調整部41を介して昇降駆動装置13の回転駆動装置M1を駆動することによって、例えばワークW1をY方向に送り移動させ、例えば回転駆動装置M6を駆動することによって加工ツール2の刃先2aをワークW1の被加工面W1aに付き当て、さらに、所望とする切込み量移動させる。すると、ワークW1は、連続的にY方向一方(例えば、上方)に移動され、加工ツール2は、加工しようとするワークW1の被加工面W1aの形状(例えば、湾曲線)に対応させて連続的にZ方向に前後される。
ワークW1の被加工面W1aの最上位に達すると、回転駆動装置M6によって枠体33cがZ方向後方に移動され、それによって加工ツール2の刃先2aがワークW1の被加工面W1aから離反される。次いで、回転駆動装置M1によって昇降部材12がY方向下方移動され、それによってワークW1の被加工面W1aの最下位になるように復帰させる。略同時に、回転駆動装置M5によって移動ブロック33aがX方向一方に1ピッチだけ移動される。
以上の切削作業においては、ワークW1の被加工面W1aの加工点に対して、加工ツール2の刃先2aが最適な加工角度を維持するように、加工ツール2の姿勢を変更する必要がある。加工ツール2の姿勢の変更は、第1〜第3の工具回転装置31,32、38の回転駆動装置M3,M4,M8等を駆動することによって行なわれる。この際、加工ツール2の角度調整に伴って刃先2aの位置が被加工面W1a上の予定する加工の軌跡からずれる可能性があるので、並進調整部41は、昇降駆動装置13、第1及び第2のステージ装置33,34等の動作を制御して、加工ツール2の刃先2aが予定する加工の軌跡からずれないようにする。
図3は、図1の多軸加工機による自由曲面の加工例を例示する斜視図である。この場合、加工ツール2をワークW1の被加工面W1aに対して2次元的に移動させてトーリック面等を加工している。図の例では、被加工面W1a上において略Y方向に延びる各湾曲線Lに沿って加工ツール2の刃先2aを移動させている。
一方、この多軸加工機で、円筒面の切削加工を行なう場合には、その円筒状ワークW2が第2支持ユニット20のチャック22に装着される。また、図示しない回転駆動装置M4が駆動され、ターンテーブル32bが180度回転される。そして、加工ツール2が、工具保持部30のチャック38aに装着される。その際、加工ツール2は、工具保持部30等に設けた駆動機構によって、その刃先2aがワークW2の被加工面W2aに対して所望の角度をもつように位置設定される。
そして、第2支持ユニット20の回転駆動装置M2を駆動してワークW2を回転させ、第2のステージ装置34の回転駆動装置M6を駆動することによって、加工ツール2の刃先2aをワークW2の被加工面W2aに付き当て、さらに、所望とする切込み量移動させるとともに、回転駆動装置M5を駆動して移動ブロック33aをX方向に移動して加工ツール2の刃先2aをワークW2の長手方向に送り移動させ、ワークW2を切削する。
図4は、図1の多軸加工機による円筒状面の加工例を例示する斜視図である。この場合、加工ツール2をワークW2の被加工面W2aに対して2次元的に移動させて表面を加工している。図の例では、被加工面W1a上においてX軸に平行な水平軸RA2のまわりに延びる各湾曲線L’に沿って加工ツール2の刃先2aが相対移動する。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1支持ユニット10側でワークWをY方向へ移動するようにしているが、工具保持部30側で加工ツール2をY方向へ移動させることもできる。
また、上記実施形態では、加工ツール2を例えばRバイトすなわち円形の先端としているが、加工対象に応じて、半円形のバイトや尖端のバイトを選択してチャック38aに固定することができる。さらに、加工ツール2は、研削用に限らず、研磨用等とすることができる。
また、上記実施形態では、ワークW1の加工からワークW2の加工に変更する場合に、ターンテーブル32b等を180度回転させて加工ツール2の刃先2aの向きを変えているが、加工ツール2の刃先2aを反対方向へも装着することができるようにチャック38aを形成すれば、ターンテーブル31cまたはターンテーブル32bを180度回転させる必要がない。
また、上記実施形態では、第2支持ユニット20が回転駆動機構を備えるものとしているが、第2支持ユニット20にX方向又はY方向の並進駆動を設けることもできる。ただし、第2支持ユニット20を回転駆動機構のみとすることが、ワークW2の支持の安定性の観点で望ましい。
本発明に係る多軸加工機の一実施の形態を示した概念的な斜視図である。 本発明に係る多軸加工機の制御ブロック図である。 自由曲面加工の一例を示した斜視図である。 円筒状面加工の一例を示した斜視図である。
符号の説明
1…ベース、 2…加工ツール、2a…刃先、10…第1支持ユニット、 11…チャック、 12…昇降部材、 13…昇降駆動装置、 20…第2支持ユニット、21…支持部材、 22…チャック、 30…工具保持部、 31…第1の工具回転装置、 31a…チャック、 31b…支持部材、 31c…第1のターンテーブル、 32…第2の工具回転装置、 32a…支持部材、 32b…第2のターンテーブル、 33…第1のステージ装置、 33a…移動ブロック、 33b…ガイドレール、 33c…枠体、 34…第2のステージ装置、 34a…ガイドレール、 38…第3の工具回転装置、 M1〜M8…回転駆動装置、 W1,W2…ワーク、 W1a,W2a…被加工面 40…制御装置、 41…並進調整部、 42…回転調整部、 RA1…回転軸、 RA2…水平軸

Claims (5)

  1. 加工の対象である第1ワークを支持する自由曲面加工用の第1支持ユニットと、
    加工の対象である第2ワークを支持して所定の円筒軸のまわりに回転させる円筒状面加工用の第2支持ユニットと、
    加工ツールを支持して変位させる少なくとも1軸以上の工具駆動機構を有するとともに、前記加工ツールを前記第1支持ユニットと前記第2支持ユニットとのいずれか一方に向くように切り替えて保持する工具保持部と、
    前記第1支持ユニットと、前記第2支持ユニットと、前記工具保持部とを上部に固定する支持台と、
    を備える多軸加工機。
  2. 前記工具保持部は、前記第1支持ユニットと前記第2支持ユニットと間に配置されており、前記加工ツールを回転させる回転機構によって、前記第1支持ユニットに向く第1位置と前記第2支持ユニットに向く第2位置との間で前記加工ツールの姿勢を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の多軸加工機。
  3. 前記工具保持部は、前記加工ツールを180°以上回転させることによって前記第1位置と第2位置とに配置することを特徴とする請求項2に記載の多軸加工機。
  4. 前記工具保持部は、前記少なくとも1軸以上の駆動機構として、直交する2軸に沿って前記加工ツールを移動させるステージ装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の多軸加工機。
  5. 前記第1支持ユニットは、前記第1ワークを保持して変位させるワーク駆動機構を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の多軸加工機。
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JPH1034461A (ja) * 1996-07-16 1998-02-10 Okuma Mach Works Ltd 複合加工機械
JPH10166212A (ja) * 1996-12-11 1998-06-23 Canon Inc 鏡面切削加工装置、鏡面切削加工方法及び該方法による射出成形用金型とプラスチックレンズ
JP2005074568A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 多軸加工機、ワークの加工方法

Patent Citations (3)

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