JPH10166212A - 鏡面切削加工装置、鏡面切削加工方法及び該方法による射出成形用金型とプラスチックレンズ - Google Patents

鏡面切削加工装置、鏡面切削加工方法及び該方法による射出成形用金型とプラスチックレンズ

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JPH10166212A
JPH10166212A JP33107596A JP33107596A JPH10166212A JP H10166212 A JPH10166212 A JP H10166212A JP 33107596 A JP33107596 A JP 33107596A JP 33107596 A JP33107596 A JP 33107596A JP H10166212 A JPH10166212 A JP H10166212A
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axis direction
mirror
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Norihisa Saito
憲久 斎藤
Naoki Takizawa
直樹 瀧澤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸対称でない曲面形状を有する光学部品を成
形金型から得るために、高い面精度で均一な鏡面状態に
切削加工する。 【解決手段】 主軸1の軸芯から半径R離間した部位で
切削部が回転駆動される切削工具2をZ軸方向に往復駆
動し、Yステージ11でY軸方向に所定送りピッチで往
復駆動し、軸芯のラジアル方向に沿うX軸方向に往復駆
動し傾き制御を行うXテーブル12を備え、セットされ
た所定の母線形状を有するワークWを所定粗さの鏡面に
切削加工するために3軸制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡面切削加工装
置、鏡面切削加工方法及び該方法による射出成形用金型
とプラスチックレンズに係り、例えば非球面レンズやト
ーリックレンズ等の光学部品であって、これらを所定樹
脂材料から射出樹脂成形するために用いられる成形金型
等の表面を高い面精度で鏡面状態に切削加工する技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズ等の光学部品であっ
て、その形状が軸対称であるものは球面、非球面形状を
問わず、図10に示すような2軸制御の精密切削加工機
を用いて得られる成形金型を用いて射出成形できる。
【0003】すなわち、図10において、回転部401
の主軸と一体である加工台402に被加工物Wを保持固
定し、被加工物WをZ軸回りに回転させながら、これを
図中の左方向のZ軸方向へ移動させる一方で、半径Rの
円弧状の刃先403aを有するダイヤモンドバイト40
3をこのZ軸に直交するX軸方向に送りつつ、軸対称の
曲面Wbを切削加工することができる。
【0004】このように、被加工物Wの加工面Wbが回
転軸に対して対称形状となる場合には、図10に図示の
ような切削加工装置により高い面精度の曲面に加工する
ことができ、また鏡面に仕上げることもできる。
【0005】一方、トーリックレンズやシリンドリカル
レンズ等のように軸対称でない曲面を有するものを射出
成形するための金型を得るためには、図11に示すよう
なXYZの3軸方向に位置制御されるNC工作機械が使
用される。
【0006】このようなNC工作機械において、主軸2
01に高精度のボールエンドミル202を取り付け、こ
の主軸201を一定方向に回転させる。また、このエン
ドミルの回転軸(X軸)に直交するZ軸方向に被加工物
であるワークWを相対移動するとともに、主軸201を
図示のように旋回して、ワーク表面のZ軸方向に沿う帯
状部分Wb−1を先ず切削加工し、次いで主軸201ま
たは被加工物WをY軸方向に所定のピッチΔY分移動し
て、同様に次の帯状部分Wb−2を切削加工する。
【0007】以下同様の切削加工を繰り返し実行するす
ることで、ワークWの表面Wbの全体を所定の曲面形状
に加工している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図11に
おいて述べたような従来の技術において、トーリックレ
ンズのように軸対象でない光学部品の金型を製作する場
合に、高い面精度で均一な鏡面状態の曲面を得ることは
非常に困難である。
【0009】その最大の理由として、3軸位置に制御さ
れるNC工作機械の主軸にボールエンドミルを取り付け
てこれを回転させて切削加工するように構成されている
ために、ボールエンドミルの刃先の周速は回転中心では
ゼロとなり、従ってこの部分の切削性がゼロとなる。一
方、ボールエンドミルの径方向外方部位の周速は外周に
近くなる程大きくなり、その分切削性が増大することに
なる。
【0010】このようにボールエンドミルの切削刃の位
置によって切削性が大きく変化すると、被加工物の表面
を均一な鏡面状態に加工することは到底できなくなるこ
とになる。
【0011】したがって、本発明はこのような問題点に
鑑みてなされたものであり、トーリックレンズのように
軸対称でない曲面形状を有する光学部品を成形金型から
得る場合に、高い面精度で均一な鏡面状態に切削加工す
ることができる鏡面切削加工装置、鏡面切削加工方法及
び該方法による射出成形用金型とプラスチックレンズを
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明は、主軸の軸芯から半径
R離間した部位で切削部が回転駆動される切削工具を前
記軸芯に沿うZ軸方向に往復駆動するために基部に配設
される第1の駆動手段と、前記軸芯に直交するY軸方向
に所定送りピッチで往復駆動するために前記基部に配設
される第2の駆動手段と、前記軸芯のラジアル方向に沿
うX軸方向に往復駆動されるとともに、前記切削工具の
切削力による傾き制御を行うために前記第2の駆動手段
に搭載される第3の駆動手段とを備え、前記第3の駆動
手段にセットされた所定の母線形状を有する被切削加工
物を所定粗さの鏡面に切削加工するために3軸制御を行
う鏡面切削加工装置であって、前記被切削加工物を前記
Z軸方向に沿って帯状に切削した後に、前記所定送りピ
ッチ分前記第2の駆動手段を移動後に、前記Z軸方向に
沿うように帯状に切削加工する動作を、繰り返し行う制
御手段を具備することを特徴としている。
【0013】また、鏡面切削加工方法は、主軸の軸芯か
ら半径R離間した部位で切削部が回転駆動される切削工
具を前記軸芯に沿うZ軸方向に往復駆動し、前記軸芯に
直交するY軸方向に所定送りピッチで往復駆動し、前記
軸芯のラジアル方向に沿うX軸方向に往復駆動し、前記
切削工具の切削力による傾き制御を行い、所定の母線形
状を有する被切削加工物を所定粗さの鏡面に切削加工す
るために3軸制御を行い鏡面切削加工するための鏡面切
削加工方法であって、前記被切削加工物を前記Z軸方向
に沿って帯状に切削した後に、前記所定送りピッチ分前
記第2の駆動手段を移動後に、前記Z軸方向に沿うよう
に帯状に切削加工する動作を、繰り返し行うことを特徴
としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施形態に
つき、添付図面を参照して説明する。
【0015】先ず、図1(a)は鏡面切削加工装置の要
部を示した外観斜視図であって、レーザプリンタやレー
ザファクシミリ等の画像形成装置の光学系に用いるトー
リックレンズを樹脂成形するための金型を加工する様子
を示している。
【0016】図1(a)において、後述するように構成
される超精密NC工作機械Mの保持面であるXYステー
ジ10の表面に被加工物のワークWが固定されており、
この工作機械のZ軸回りに回転する主軸1に、バイトで
ある単結晶のダイヤモンドカッター2を保持するための
バイトホルダ3が取り付けられている。
【0017】そして、この主軸1は第1の方向であるZ
軸方向に往復移動するように構成されている。
【0018】一方、XYステージ10は、第2の方向で
あるY軸方向(水平方向)に往復移動するYステージ1
1と、その上でX軸方向(垂直方向)に往復移動するX
ステージ12とか構成されている。このYステージ11
のY方向の位置とXステージ12のX軸方向の位置制御
は、後述するようにそれぞれレーザ干渉計によってモニ
ターされ精密駆動できるように構成されており、ワーク
Wを第2の方向と、第3の方向に沿うように0.01μ
mの誤差の範囲で極めて高精度に位置決めできるように
している。同様に、第3の方向についてもに0.01μ
mの誤差の範囲で極めて高精度に位置決めできるように
している。
【0019】また、ダイヤモンドカッター2の刃先の形
状は、例えば、半径5mmで形状誤差である真円度が
0.1μmの円弧状であり、旋回半径は25mmに設定
されている。
【0020】以上の構成において、ワークWの表面は以
下のように切削される。まず、Yステージ11を所定の
Y位置に固定して主軸1をZ軸回りにダウンカットまた
はアッパーカットする方向に回転させて、ワークWをZ
軸方向に横切って移動させ、同時に、後述する所定の加
工プログラムに従ってXステージ12をX軸方向に移動
させることで、ワークWをダイヤモンドカッター2に対
して相対移動して、ワークWの表面のZ軸方向に沿う帯
状部分Wb−1を切削する。
【0021】この時、ワークWを搭載しているXステー
ジ12はZ軸回りの回転方向の傾き制御であるθ制御を
行っている。このために、Z軸回りのモーメント剛性が
高くなっているので、ワークWのY軸方向に沿ういかな
る位置を切削加工する場合でも、ワークWにはダイヤモ
ンドカッター2の切削力によるZ軸回りの傾き誤差が生
じないように構成されている。
【0022】ここで、ワークWの形状はトーリックレン
ズの母型となるものであるから、帯状部分Wb−1の切
削面の傾斜は、Z軸を含む垂直面に沿った断面が図1
(b)に示すようにXステージ12の上下動によって形
成された円弧状となるようにピッチPで送りつつ切削加
工する。
【0023】また、図1(c)に示すようにY軸を含む
垂直面に沿った断面はダイヤモンドカッター2の旋回に
よって微細な幅の円弧状に切削されるので、極めて高い
面精度を有する帯状の鏡面がえられることになる。
【0024】この次に、Yステージ11をY軸方向に後
述するように所定のピッチΔY分移動し、帯状部分Wb
−1と同様の方法でこれに隣接する帯状部分Wb−2を
切削する。この工程を図中の矢印方向に繰り返し実行す
ることでワークWのY軸方向の全幅を所定の曲面に切削
加工する。以上が鏡面切削加工の基本動作となる。
【0025】次に、図2は鏡面切削加工装置Mの外観斜
視図である。本図において、既に説明済みの構成には同
一符号を付して説明を割愛し、未説明部分について述べ
る。まず、図示の鏡面切削加工装置Mは、金型超精密切
削技術および射出成形技術を基盤としたプラスチックト
ーリックレンズ製造方法のために開発されたものであ
り、超精密切削技術に関しては、平面、球面、軸対称非
球面形状に対する切削加工については、従来からの長い
歴史による蓄積もあり技術的にも確立しているが、トー
リックレンズのような非軸対称でかつ非球面形状(自由
曲面)を創成する技術については、未だ確立されておら
ず、このような非球面形状を有するトーリックレンズの
金型の要請に応えるべく開発された。
【0026】さて、非球面トーリックレンズの金型とな
るワークWを切削加工するために、装置Mは、基部10
1上において空気静圧軸受からなる直交3軸のスライド
機構103、101と高精度主軸1を備えており、同時
3軸制御によって自由曲面形状を加工することができる
ように構成されており、軸受部分に自社開発の空気静圧
軸受を全面的に採用することで、微少領域まで線形な制
御特性を確保し、制御帯域の拡大を図るように構成され
ている。
【0027】この装置Mは、恒温チャンバ内に設置して
環境温度を一定に保ち、電装系および制御装置107、
109、110、111、112やエアツール108な
どのように熱源を持つものは恒温チャンバ外に配置され
ている。また、空気ばねと積層ゴムを利用した除振シス
テム102で床振動を低減している。
【0028】次に、図3はXYステージ10の正面図で
ある。本図において、Yステージ11上に配設されるX
ステージ12はガイド71によりθ角度方向と第3の方
向であるX軸方向に移動できるように保持されるととも
に、駆動手段である第1のリニアモータ73と第2のリ
ニアモータ76とを左右に配置している。
【0029】またYステージ11上に配設されている位
置検出手段である第1のレーザ干渉計75と第2のレー
ザ干渉計78により検出されるターゲット74、77を
図示のように左右に配している。以上のように構成され
る2本のリニアモータと2軸のレーザ干渉計を使用して
フィードバック位置決め制御を行っている。
【0030】このフィードバック位置決め制御のための
ブロック図である図4において簡単に述べると、8−1
はX方向の位置決め位置を設定するための目標位置設定
器、8−2は目標位置信号、8−3は目標位置信号と検
出された位置信号から位置ずれを計算するための減算
器、8−4はPID調整器に代表されるサーボ系LOO
P1を安定させるための制御補償器1、8−13は第3
図に示したXステージ12の構成におけるθ方向の目標
角度を設定するための目標角度設定器、8−14は目標
角度信号、8−15は目標角度信号と検出された角度信
号から角度ずれを計算するための減算器、8−16はP
ID調整器に代表されるサーボ系LOOP2を安定させ
るための制御補償器2、8−5は8−4の制御補償器1
と8−16の制御補償器2との出力信号を合成してXス
テージ12を駆動するための第1リニアモータへの推力
を計算するための加算器、8−17は8−4の制御補償
器1と8−16の制御補償器2との出力信号を合成して
Xステージ12を駆動するための第2のリニアモータへ
の推力を計算するための減算器、8−6と8−16は各
リニアモータを駆動するための電流増幅器、8−7と8
−19はXステージ12に推力を与えるリニアモータ、
8−8はXステージの可動部である移動体であり、8−
9と8−20は移動体のX方向の位置を検出するための
レーザ干渉計等に代表される変位検出器、8−10は8
−9の検出器1と8−20の検出器2で検出された変位
信号を基に、検出器1と検出器2との間のy方向の中心
点でのX方向変位を計算するための加算器、8−21は
検出器1と検出器2で検出したX方向の変位信号からθ
方向の角度を計算するための減算器、8−11と8−2
2は8−10の加算器と8−21の減算器で計算して求
めた各信号を増幅するための増幅器、8−12は8−1
0の加算器で計算されたX方向の変位信号で、LOOP
1のサーボ系のフィードバック信号、8−23は8−2
1の減算器で計算された角度信号で、LOOP2のサー
ボ系のフィードバック信号である。
【0031】以上の構成において、8−1の目標位置設
定器と8−13の目標角度設定器で設定された8−2の
目標位置信号と8−14の目標角度信号は、8−9と8
−20の検出器1、2で検出された後に、8−10の加
算器と8−21の減算器によって変位信号と角度信号に
変換されたフィードバック信号1とフィードバック信号
2と比較されて、8−3と8−15の減算器で偏差量に
変換される。
【0032】このようにして得られた各偏差量は8−4
の制御補償器1と8−16の制御補償器2を介して、図
3の2本のリニアモータ74、77に推力を発生させ
て、偏差量がなくなるように移動体12を駆動制御して
いる。この時、8−4の制御補償器1を介して出力され
るX方向の偏差信号と8−16の制御補償2を介して出
力されるθ方向の角度偏差信号とで2本のリニアモータ
74、77を駆動制御するために、8−5の加算器と8
−17の減算器とで2つの偏差信号を合体して、それぞ
れのリニアモータへの推力を形成している。
【0033】以上のように2本のリニアモータを2つの
サーボ系(LOOP1とLOOP2)にて駆動すること
で図3のような構成のXステージ12におけるX方向と
θ方向の2方向の位置決め制御を同時に行なえるように
構成されている。
【0034】一方、上述のようにZ軸回りに回転駆動さ
れる主軸1は静圧軸受によって支持されており、例えば
振れ量が0.05μm以下の極めて高い回転精度で回転
するように構成されており、この主軸1のZ軸方向に沿
う位置制御についても、かつまたY軸方向に沿う位置制
御に関しても夫々レーザ干渉計によってモニターされて
Xステージと略同様に高精度で制御されるように構成さ
れている。
【0035】さて、図5のワークWの部分拡大正面図に
示すように、ワークWの仕上げ加工前の破線図示の加工
面WSを旋回半径Rのダイヤモンドカッター2で切削加
工するときに、Yステージ11の送りピッチを図示のよ
うに△Yに設定すると、ワークWの加工面からの高さ方
向に沿う表面粗さがδとなる加工面Wが得られることと
なる。そこで、より低い所望の表面粗さδを得るために
は、△Yをさらに少なく設定するようにすれば良い。こ
のとき、ワークWの母線形状X=f(Y)の1階、2階
微分をf1,f2とし、ワークWの加工面の曲率ρとした
ときに、以下の関係が成立するので、式(4)から△Y
を求める。
【0036】
【数3】 また、図6は、上式(1)の説明図であって、帯状部分
Wb−1とWb−2の夫々の接線S1、S2の交点まで
の高さ分を表面粗さδの高さ分から引くことで得られる
様子を示している。尚、トーリックの母型のワークWの
Y軸方向の位置が変わる都度、上式(1)〜(4)に基
づいてYステージ11のピッチ制御を行うようにするこ
とで、ワークWの加工面のY軸方向の表面粗さを許容値
以下に仕上げることができる。
【0037】すなわち、ワークWの加工面全体を高い面
精度の鏡面に切削加工でき、研磨工程を省くことができ
る。また、ワークWの加工面をその起伏に沿って均一な
幅の帯状部分に分割し、Yステージ11を1ピッチ送る
ごとに各帯状部分を間欠的に前進させるように構成して
も良い。この場合は、ワークWの加工面の曲率に基づい
てYステージ11の送りピッチを制御する。
【0038】以上のように、超精密NC工作機械の水平
方向の主軸1にダイヤモンドカッター2を取り付けてこ
れを旋回させることで曲面加工を行なうものであるた
め、加工面の各帯状部分の幅全体を均一な切削速度で切
削し高い面精度に均一に鏡面加工することができる。ボ
ールエンドミルを用いた従来例のように刃先の周速が径
方向に変化して面精度がバラつくおそれがないため、極
めて高い面精度を必要とする光学部品の製作に好適であ
る。
【0039】また、図7はワークWの部分拡大正面図で
あって、ワークWの仕上げ加工前の破線図示の加工面W
Sを旋回半径Rのダイヤモンドカッター2で切削加工す
るときに、Yステージ11の送りピッチを△Ynに設定
する様子を示している。
【0040】図示のように帯状加工面Wb−nの間の送
りピッチ△ynを表面に沿うように同じ間隔にすること
で、所望の表面粗さを得るようにしている。
【0041】また、図8はワークWの部分拡大正面図で
あって、ワークWの仕上げ加工前の破線図示の加工面W
Sを旋回半径Rのダイヤモンドカッター2で切削加工す
るときに、Yステージ11の送りピッチを△Ynに設定
する様子を示している。
【0042】図示のように帯状加工面Wb−nの間の送
りピッチ△Ynを設定するときに、Yステージ移動方向
に沿うように平行に設定するときに、ワークWの凸状形
状部と凹状形状部における所望の表面粗さが同じになる
ように送りピッチΔynを設定する。
【0043】以上説明の構成において、トーリックレン
ズの母型の曲面加工工程を図9のフローチャートに基づ
いて説明すると、まず、ステップS1でトーリックレン
ズの曲面形状データ(fn)を装置Mのデータ入力装置
から入力される。同様に、主軸回転半径他の必要データ
も入力される。
【0044】次に、ステップS2に進み、鏡面仕上げの
ための許容表面粗さδの入力が行われる。これに続き、
ステップS4において上記の式(1)〜(4)に基づい
てYステージ11の送りピッチΔYであって、図7また
は図8のいづれかの方法に基づき設定されたΔyを算出
する。
【0045】また、切削工具2を設けた主軸1の回転方
向、回転速度及びZ軸方向の移動量については予め設定
されており、ステップS4においてXYステージの制御
の切削加工プログラムが決定される。以上で実際の切削
加工の準備が整い、ステップS5において、XYステー
ジのθ制御を行ないつつワークWの加工面を切削し、ス
テップS6でワークの加工面全体が加工済みであること
を確認して加工サイクルを終了する。
【0046】なお、本実施例においてはトーリックレン
ズの加工を行なうものであるため、加工面のZ軸方向の
垂直面に沿ってとった断面が均一な曲率の円弧状である
が、加工中の被加工物のX軸方向の位置を制御すること
で、いかなる曲面でも切削できることは言うまでもな
い。
【0047】一般的にトーリックレンズとは、レーザ光
の走査方向と一致する主走査断面と、これに直交する副
走査断面において曲率が異なるレンズのことをいう。こ
のトーリックレンズに対する最近の要求から、主走査断
面形状を従来の球面から非球面化することで高精細化
に、また、従来のガラス材からプラスチック材へと材質
を変更することで低価格化に対応できる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、トー
リックレンズのように軸対称でない曲面形状を有する光
学部品を成形金型から得る場合に、高い面精度で均一な
鏡面状態に切削加工することができる鏡面切削加工装
置、鏡面切削加工方法及び該方法による射出成形用金型
とプラスチックレンズを提供することができる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡面切削加工工程を説明する図であって、
(a)は切削加工中のワークWと切削装置Mを示す外観
斜視図、(b)と(c)は、ぞれぞれ、加工中の被加工
物とダイヤモンドカッターおよびバイトホルダを異なる
断面で示す模式部分断面図である。
【図2】全体構成を示す外観斜視図である。
【図3】切削力による傾きを制御する様子を示したXス
テージの正面図である。
【図4】フィードバック位置決め制御のためのブロック
図である。
【図5】ワークWの拡大正面図である。
【図6】ワークWの拡大正面図である。
【図7】被加工物のXステージの構成図である。
【図8】ワークWの拡大正面図である。
【図9】制御フローチャートである。
【図10】従来の切削加工装置の模式図である。
【図11】従来の別の切削加工装置の動作原理図であ
る。
【符号の説明】
1 主軸 2 ダイヤモンドカッター 3 バイトホルダー 10 XYステージ 11 Yステージ 12 Xステージ W ワーク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸の軸芯から半径R離間した部位で切
    削部が回転駆動される切削工具を前記軸芯に沿うZ軸方
    向に往復駆動するために基部に配設される第1の駆動手
    段と、 前記軸芯に直交するY軸方向に所定送りピッチで往復駆
    動するために前記基部に配設される第2の駆動手段と、 前記軸芯のラジアル方向に沿うX軸方向に往復駆動され
    るとともに、前記切削工具の切削力による傾き制御を行
    うために前記第2の駆動手段に搭載される第3の駆動手
    段とを備え、前記第3の駆動手段にセットされた所定の
    母線形状を有する被切削加工物を所定粗さの鏡面に切削
    加工するために3軸制御を行う鏡面切削加工装置であっ
    て、 前記被切削加工物を前記Z軸方向に沿って帯状に切削し
    た後に、前記所定送りピッチ分前記第2の駆動手段を移
    動後に、前記Z軸方向に沿うように帯状に切削加工する
    動作を、繰り返し行う制御手段を具備することを特徴と
    する鏡面切削加工装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の駆動手段による前記所定送り
    ピッチΔYを、 【数1】 ただしδ :表面粗さ R :切削工具の回転半径、 f1,f2:母線形状X=f(Y)の1階、2階微分値 ρ :ワークWの加工面の曲率 から得ることを特徴とする請求項1に記載の鏡面切削加
    工装置。
  3. 【請求項3】 前記所定送りピッチΔYを前記被切削加
    工物の加工表面に沿うように設定するか、またはY軸方
    向に沿うように設定することを特徴とする請求項2に記
    載の鏡面切削加工装置。
  4. 【請求項4】 前記切削工具が、形状誤差0.1μm以
    下の円弧状の刃先を有する単結晶のダイヤモンドカッタ
    ーであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1
    項記載の鏡面切削加工装置。
  5. 【請求項5】 主軸の軸芯から半径R離間した部位で切
    削部が回転駆動される切削工具を前記軸芯に沿うZ軸方
    向に往復駆動し、 前記軸芯に直交するY軸方向に所定送りピッチで往復駆
    動し、 前記軸芯のラジアル方向に沿うX軸方向に往復駆動し、
    前記切削工具の切削力による傾き制御を行い、所定の母
    線形状を有する被切削加工物を所定粗さの鏡面に切削加
    工するために3軸制御を行い鏡面切削加工するための鏡
    面切削加工方法であって、 前記被切削加工物を前記Z軸方向に沿って帯状に切削し
    た後に、前記所定送りピッチ分前記第2の駆動手段を移
    動後に、前記Z軸方向に沿うように帯状に切削加工する
    動作を、繰り返し行うことを特徴とする鏡面切削加工方
    法。
  6. 【請求項6】 前記所定送りピッチΔYを、 【数2】 ただしδ :表面粗さ R :切削工具の回転半径、 f1,f2:母線形状X=f(Y)の1階、2階微分値 ρ :ワークWの加工面の曲率 から得ることを特徴とする請求項5に記載の鏡面切削加
    工方法。
  7. 【請求項7】 前記所定送りピッチΔYを前記被切削加
    工物の加工表面に沿うように設定するか、またはY軸方
    向に沿うように設定することを特徴とする請求項5に記
    載の鏡面切削加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7に記載の方法により得ら
    れた前記被切削加工物を射出成形用金型に用いることを
    特徴とする射出成形用金型。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至7に記載の方法により得ら
    れた前記被切削加工物を射出成形用金型に用いて射出成
    形されることを特徴とするプラスチックレンズ。
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