JP2009050618A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】軟便や水様便の漏れを有効に防止することが可能な吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備え、トップシート18の上面に、トップシート18側から順に便受け下シート50b及び便受けシート50aを更に備え、便受け下シート50bが、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであり、便受け下シート50bは、連続繊維の両端部をトップシート18に熱接着させることによって固定されている吸収性物品1。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。更に詳しくは、使い捨ておむつ等のトップシートの表面側に、軟便又は水様便の漏れを防止する手段が付設された吸収性物品に関する。
吸収性物品は、尿や便などの排泄物を吸収性する使い捨ておむつ(例えば、テープ型おむつ、パンツ型おむつ、尿便パッド等)として利用されている。近年、乳幼児用、或いは高齢者・障害者用のおむつとして、吸収体と、吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた使い捨ておむつが汎用されている。この使い捨ておむつは、トップシートの表面を着用者の肌に接するように宛がって使用することにより、着用者の排泄した尿はトップシートを透過して、吸収体によって吸収・保持されるとともに、防漏性に優れたバックシートによって、排泄物のおむつ外部への漏洩が防止されるというものである。
しかしながら、前記のような構成の使い捨ておむつでは、尿についてはトップシートを透過するものの、便についてはその殆どがトップシートを透過せず、トップシート上に残存することになる。トップシート上に残存した便は、着用者の股下部や臀部に付着するため、煩瑣な払拭作業が必要となり、育児負担や介護負担を増大させる原因となるほか、着用者のスキントラブルの原因ともなっていた。
そこで、吸収体の一部に便を収容可能な凹部を形成した使い捨て衛生吸収物品や使い捨ておむつが提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。また、着用者の肌の非当接側に下方に延びる大便収容袋が取り付けられた使い捨ておむつが提案されている(例えば、特許文献3参照)。これらの使い捨ておむつ等では、着用者の排泄した便が前記凹部ないし大便収容袋に収容されるように構成されている。
また、トップシートの上部に更にもう1枚のシート体(本明細書では、「スキンコンタクトシート」と称することにする)が配置された使い捨ておむつも提案されている(例えば、特許文献4又は5参照)。これらの使い捨ておむつでは、スキンコンタクトシートに便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されており、その便通過用開口部を通過して着用者の排泄した便がトップシート上に落下するように構成されている。
実開平6−5614号公報 特許第3012472号公報 特開2002−253609号公報 実用新案登録第2559050号公報 特開2002−11044号公報
これらの文献に記載された使い捨ておむつ等においては、排泄された便が凹部や収納袋或いはスキンコンタクトシートの下の空間に収容されるため、便が着用者の肌に直接接触する機会を減少させる効果を期待することができる。
しかしながら、これらの文献に記載された使い捨ておむつ等は、いわゆる固形便を捕捉することを念頭に設計されたものであり、軟便や水様便を捕捉するのに適した構造であるとは言えなかった。従って、軟便や水様便に関してはうまく捕捉することができず、着用者が横臥している状態では、おむつの端部(特に背側又は脚周り)から軟便や水様便の漏れが発生するおそれがあるという問題があった。
また、吸収体に凹部を形成したり、使い捨ておむつに収納袋やスキンコンタクトシートを付設することで使い捨ておむつの構造が複雑になり、その製造が困難になったり、製造コストが上昇したりするという問題もあった。
このように、現在のところ、おむつ端部(特に背側又は脚周り)からの軟便や水様便の漏れを有効に防止することができ、シンプルな構造で容易に製造することができる方策は未だ開示されておらず、そのような方策が切望されている。本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、おむつ端部(特に背側又は脚周り)からの軟便や水様便の漏れを有効に防止することができ、シンプルな構造で容易に製造することができる吸収性物品を提供するものである。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下に示す特定の構成によって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す吸収性物品が提供される。
[1] 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、前記トップシートの上面に、前記トップシート側から順に便受け下シート及び軟便に対する透過性を有する便受けシートを更に備え、前記便受け下シートは、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであり、前記便受け下シートは、前記連続繊維の両端部を前記トップシートに熱接着させることによって固定されている吸収性物品。
[2] 前記便受け下シートを構成する前記連続繊維は、前記熱可塑性樹脂からなる繊維を束ねたトウ、又は前記熱可塑性樹脂からなる繊維の束を広げた状態のウェブである前記[1]に記載の吸収性物品。
[3] 前記便受け下シートを構成する繊維が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなるものである前記[1]又は[2]に記載の吸収性物品。
[4] 前記便受け下シートが、熱エンボス、ヒートシール、及び超音波シールより選択される少なくとも一種の接着方法によって前記トップシートに熱接着されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸収性物品。
[5] 前記便受け下シートを構成する前記連続繊維の両端部は、平坦になるように押し潰されている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸収性物品。
[6] 前記便受けシートが疎水性の基材に複数の貫通孔が穿孔されたものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸収性物品。
[7] 前記便受けシートの両側に、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザーが少なくとも一対形成されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、トップシートの上面に便受けシート及び便受け下シートを備えていることにより、端部(特に背側)からの軟便や水様便の漏れを有効に防止することができる。また、便受け下シートが、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであり、連続繊維の両端部をトップシートに熱接着させることによって固定されている。このため、例えば、トウやウェブ等の連続繊維を構成する各繊維間の隙間に沿って、便受けシートを通過した軟便や水様便等の水様の排泄物(以下、「水様排泄物」という)が拡散し、吸収体表面の広い範囲にて上記水様排泄物を吸収させることが可能となる。
更に、上記したように、連続繊維の両端部をトップシートに熱接着させることによって固定されているため、熱接着による固定部分においては、便受け下シートの端部における各繊維間の隙間が遮断されており、連続繊維の中央部分における繊維間の隙間に沿って水様排泄物が広く拡散した場合でも、便受け下シート端部の熱接着部分にて水様排泄物の流出を停止させることができ、便受け下シート端部からの漏れを有効に防止することができる。また、連続繊維の両端部を熱接着することにより繊維が飛び出して肌を刺激することがなく快適な着用感が得られる。また、本発明の吸収性物品は、シンプルな構造で容易に製造することができる。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について、2ピースタイプのパンツ型おむつを例として具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える使い捨ておむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図3については、作図の都合上、図面から脚周り伸縮材を捨象した形で作図を行った。
なお、本明細書において「パンツ型おむつ」というときは、図1〜図4に示す使い捨ておむつ1のように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)を接合することによって、接合部8、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12a,12bが形成され、予めパンツ型に構成されたおむつを意味するものとする。そして、「2ピースタイプ」とは、着用者の排泄物を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体14と、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材16とから構成され、外装部材16の内側に吸収性本体14が配置されたタイプのおむつを意味するものとする。図3に示すように、吸収性本体14は吸収体22、トップシート18及びバックシート20を構成要素として備えた部材である。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
[1]本発明の吸収性物品の構成:
図1〜図4に示すように、本発明の吸収性物品1は、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備え、トップシート18の上面に、トップシート18側から順に便受け下シート50b及び軟便に対する透過性を有する便受けシート50aを更に備えて構成されているものである。この吸収性物品1は、尿や便などの排泄物を吸収性する使い捨ておむつ(例えば、テープ型おむつ、パンツ型おむつ)として利用することができる。
本発明の吸収性物品1においては、上記した便受け下シート50bが、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであり、更に、この便受け下シート50bは、上記連続繊維の両端部をトップシート18に熱接着させることによって固定されている。
ここで、図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ(パンツ型おむつ)をその前方から見た状態を示す図である。また、図2は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図であり、図3は、図2に示す使い捨ておむつをX−X’線に沿って切断した断面を示す概略断面図であり、図4は、図2に示す使い捨ておむつをY−Y’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。
便受け下シート及び便受けシートを備えていない従来の使い捨ておむつの着用時には、通常、着用者の肌はおむつのトップシートの表面に直接接触しており、排泄された軟便や水様便等の水様の排泄物(以下、「水様排泄物」という)が吸収されるべきトップシート表面の大部分が閉塞された状態になっていると言える。従って、水様排泄物が排泄されると、その水様排泄物は、着用者の臀溝とおむつのトップシートとによって区画される極めて狭い空間を伝っておむつの前後方向に急激に拡散してしまい、おむつ端部(特に背側の端部)から漏れが発生することになるのである。また、着用者の動きにより、体とおむつの間にできる隙間から漏れる場合もある。
これに対し、本発明の吸収性物品においては、トップシートの上面に便受けシート及び便受け下シートが付設されている。この構成により、シート材の表面に水様便が排泄されると、その水様便は便受けシートを透過して速やかに便受け下シートに移行する。便受け下シートに移行した水様排泄物は、便受け下シート中で拡散することになる。また、この際、トップシートの表面は着用者の肌によって閉塞されてはいないので、その表面全体で水様排泄物を吸収することができる。
本発明の吸収性物品は、前記のような仕組みによって、水様排泄物のおむつ等の端部(特に背側の端部又は脚周り)からの漏れを有効に防止することができる。この効果は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に便受けシート及び便受け下シートを付設することのみによって得られるので、使い捨ておむつ等の構造を複雑化させることがない。また、便受けシートも便受け下シートも単純な構造であり、製造も容易で安価に製造することができる。従って、極めて簡便かつ安価に水様便等の水様排泄物の漏れ対策を講ずることができる。また、尿についても便受けシート及び便受け下シートを速やかに透過してトップシートに移行するので、水様便や軟便のみならず、尿が排泄された場合でも、その吸収性に問題を生ずることはない。
更に、本発明の吸収性物品は、図2〜図4に示すように、便受け下シート50bが、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであるため、例えば、トウやウェブ等の連続繊維を構成する各繊維間の隙間に沿って、水様排泄物が拡散し、吸収体の広い範囲にて水様排泄物を吸収することができる。更に、この連続繊維(便受け下シート50b)は、その両端部をトップシート18に熱接着させることによって固定されているため、その端部における各繊維間の隙間が遮断させており、便受け下シート50bの端部を越えて水様排泄物が流出してしまうことを有効に防止することができる。また、連続繊維の両端部を熱接着することにより繊維が飛び出して肌を刺激することがなく快適な着用感が得られる。なお、図2及び図4における符号53が、便受け下シート50bを構成する連続繊維の端部における熱接着部分を示している。
このため、本発明の吸収性物品の便受け下シートを構成する連続繊維は、その両端部が、上記した熱接着によって各繊維間の隙間が遮断されるように押し潰されていることが好ましい。このように構成することによって、便受け下シート50bの端部を越えて水様排泄物が流出してしまうことをより有効に防止することができる。
[1−1]便受けシート:
本発明の吸収性物品は、その構成部材として便受けシートを備えている。この便受けシートは、使い捨ておむつ等のトップシートに代わり、着用者の肌に直接接触することになるシート状の部材である。便受けシートはその表面に水様排泄物を滞留させることなく、更にその下に配置された便受け下シートを通過させて、速やかにトップシート上に移行させることができる。
便受けシートの構成は特に限定されるものではないが、水様便や軟便のような懸濁液(水様排泄物)を透過させ得る液透過性を備えたシートが好ましい。詳しくは、撥水性及び親水性のシートが使用可能である。これらのシートの液透過速度を適宜調節して、所望の液透過性を備えたシートとすることができる。
液透過速度に影響を与えるものとしては、素材の親水度、シートに形成された孔の大きさや孔数、シートの嵩密度等が挙げられ、これらを適宜選択することにより、液透過速度を調整することができる。具体的には、このような液透過性を備えたシートとして、貫通孔が穿孔されたパンチングシートを挙げることができる。このようなパンチングシートは、その貫通孔を使って液体を通過させることができ、水様便や軟便のような懸濁液を透過させ得る液透過性に優れるため好ましい。
例えば、図2〜図4に示す便受けシート50aは、貫通孔52が穿孔されたパンチングシートとなっており、便受けシート50aの略全体が液透過性シートとして構成された例である。なお、図2においては、貫通孔の平面形状は円形状となっているが、これに限定されない。楕円、矩形状等、公知の各種形状とすることができる。また、図2においては、便受けシート50a略全面にわたって均一に貫通孔52が穿孔されているが、これに限定されない。貫通孔52を便受けシート50aの一部のみに配置しても良いし、貫通孔52を偏在して配置してもよい。
このようにシートに貫通孔を穿孔して液透過性シートとする方法は、後述する不織布の目付け量を減ずることによって通液速度を確保する方法と比較して、目付け量等の不織布が本来的に有している性質や特性に拘らず、所定の通液速度を確保することができる。また、その貫通孔の大きさ(面積)や数によって通液速度を所望の値に制御可能である点において好ましい。
貫通孔の形状は、限定しないが円形、楕円などが好ましい。貫通孔の大きさは円形の場合、直径が2〜20mmの範囲が好ましい。楕円の場合、短径が2〜10mm、長径が5〜20mmが好ましい。このように構成することによって、便の通過が良好に行われる。例えば、貫通孔の大きさが小さすぎると、軟便等の通過が悪くなることがあり、貫通孔の大きさが大きすぎると、便受け下シートが露出して着用者の肌に触れることが多くなるので、快適性が低下することがある。
貫通孔を穿孔するシートは液不透過性シート又は撥水性シートとすることが好ましい。このような構成とすることにより、一旦、便受けシートを通過して便受け下シートに流入した水様便等の水様排泄物が便受けシートを浸透して逆戻りする事態を有効に防止することができる。中でも、液体の透過性を低下させることができるのは勿論のこと、長時間着用した際にもさらっとした触感(ドライ性)を維持することができる撥水性シートが好ましく、通気性に優れ、肌触りも良好な撥水性の不織布シートを用いることが更に好ましい。
液不透過性シートとしては、例えば、使い捨ておむつのバックシートの構成材料として用いられるポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができる。
撥水性シートとしては、スパンボンド不織布やカードエンボス不織布等の不織布を用いてもよいが、耐水圧が高いという理由から、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)不織布、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)不織布等の不織布を用いることが好ましい。
また、便受けシートとしては、シートそのものが水様便や軟便のような懸濁液を透過させ得る液透過性を備えたものを採用することもできる。例えば、目が粗い不織布シートは、不織布を構成する繊維間の空隙を使って液体を通過させることができるため、エアスルー不織布、カードエンボス不織布、スパンボンド不織布等の従来公知の不織布の中から、そのような不織布を適宜選択して液透過性シートとして用いればよい。中でも、嵩高で空隙の多い処理を施し易いという理由からエアスルー不織布を好適に用いることができる。
便受けシートとしては、パンチングシートや低目付けの不織布シートのほか、シート自体がメッシュ状に構成されたメッシュシートを用いることも可能である。メッシュシートは、その網目状の空隙を使って液体を通過させることができ、水様便や軟便のような懸濁液を透過させ得る液透過性に優れるため好ましい。
目付け量が大きく、嵩が高い不織布シートは、エアスルー不織布、カードエンボス不織布、スパンボンド不織布等の従来公知の不織布の中から、そのような不織布を適宜選択して用いればよい。中でも、嵩高で空隙の多い処理を施し易いという理由からエアスルー不織布を好適に用いることができる。
なお、本発明の吸収性物品においては、便受けシートが1枚のシート材によって構成されている必要はない。具体的には、複数枚のシートを継ぎ合せたり、積層したりしたものを便受けシートとして使用してもよい。また、本発明の吸収性物品においては、便受けシートはトップシートの上面の全領域にわたって配置する必要はなく、少なくとも肛門に対向する領域に配置すればよい。このように構成することにより便受けシートを構成する素材の使用量を減らすことができ、経済性に優れる。少なくとも肛門に対向する領域は当業者が適宜選択し得るものである。
なお、この便受けシートは、その両側縁を便受け下シートに貼り合わせて固定されていることが好ましい。このように構成することによって、便受けシートと便受け下シートの間の側縁から水様排泄液の漏れを有効に防止することができる。
[1−2]便受け下シート:
便受け下シートは、便受けシートを通過した水様排泄物が一箇所に集中しないように、吸収体の長手方向に拡散させつつ、トップシート上に移行させるためのシートである。本発明の吸収性物品においては、便受け下シートとして、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維が用いられている。このように構成することによって、便受けシートを通過した水様排泄物を吸収体の長手方向に良好に拡散させることができる。
更に、この便受け下シートは、連続繊維の両端部をトップシートに熱接着させることによって固定されているため、熱接着による固定部分においては、便受け下シートの端部における各繊維間の隙間が遮断されており、便受け下シートの端部を越えて水様排泄物が流出してしまうことを効果的に防止することができる。また、このような熱接着部分が平らになるため、着用者に対する装着感が向上する。
「連続繊維」とは、複数の繊維が一方向に配向して、束状、又はシート状に構成されたものであり、一方向に配向した各繊維間には、適当な幅の隙間が形成されている。このため、各繊維間の隙間に沿って、便受けシートを通過した水様排泄物を拡散させることができる。本発明の吸収性物品においては、便受け下シートを構成する連続繊維が、熱可塑性樹脂からなる繊維を束ねたトウ、又は熱可塑性樹脂からなる繊維の束を広げた状態のウェブであることが好ましい。このようなトウやウェブは、トップシート上への配置が容易である。
また、便受け下シートを構成する連続繊維は、吸収体の幅方向に複数の繊維が配向して構成されたものであることが好ましい。このように構成することによって、水様排泄物を吸収体の長手方向に拡散させ、吸収体のより広い範囲を利用して、速やかに水様排泄物を吸収させることが可能となる。
熱可塑性樹脂は、一般に、ガラス転移温度又は融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のことをいい、加熱によって流動化しやすくなるという特徴を有している。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(VAM)、アクリル樹脂、ナイロン−6(PA6)、ナイロン−66(PA66)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を挙げることができる。
なお、特に限定されることはないが、本発明の吸収性物品においては、便受け下シートを構成する繊維が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなるものであることが好ましい。
便受け下シートとして用いられる連続繊維は、従来公知の連続繊維、例えば、トウやウェブを製造する方法に準じて製造することができる。
上記連続繊維を構成する繊維の繊度は、例えば、1〜10dtexであることが好ましく、1.5〜8dtexであることが更に好ましい。このような繊度のトウやウェブを用いることによって、水様排泄物の拡散性が高く、且つ装着感のよい便受け下シートとすることができる。
便受け下シートとして用いられる連続繊維は、非捲縮繊維であっても、捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であることが好ましい。捲縮繊維はその捲縮率(JIS L1015)が10〜90%であることが好ましく、10〜60%であることが更に好ましく、10〜50%であることが特に好ましい。また、捲縮数は、1インチあたり5〜70個であることが好ましく、10〜50個であることが更に好ましく、20〜50個であることが特に好ましい。捲縮繊維を用いることで嵩高なシートとすることができ、軟便や水様便の固形分を繊維間に保持しやすくなる。
連続繊維に用いられる繊維の断面形状は、特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれでもよい。
また、この連続繊維は、吸収体の幅方向に間欠的に配置されていてもよいし、連続的に、例えば、一枚のシートとして配置されてもよい。また、吸収体の長手方向の全域に配置されていてもよいし、長手方向の一部に配置されていてもよい。
例えば、図5〜図9は、トップシートの上面に配置された便受け下シートの例を模式的に示す平面図である。図5〜図9においては、トップシート18と便受け下シート50b以外の構成要素については捨象して描画を行った。
例えば、図5及び図6は、便受け下シート50bとして、その幅が、トップシート18の幅よりも狭い一枚のシート状の連続繊維を用いた例を示している。図5においては、便受け下シート50bの幅が、トップシート18の幅の8割程度の幅であり、図6においては、便受け下シート50bの幅が、トップシート18の幅の5割程度の幅である。
また、図7は、五枚のシート状の連続繊維が、トップシート18の幅方向に、それぞれが均等に隙間を空けて配置された場合の例を示している。なお、図5〜図7においては、トップシート18の一方の端縁から他方の端縁までの長さと、便受け下シート50bの一方の端縁から他方の端縁までの長さとが同じ場合の例を示している。
また、図8は、図5に示した便受け下シート50bと同程度の幅の便受け下シート50bが、トップシート18の一方の端縁から中央付近まで配置された場合の例を示している。
また、図9は、三枚のシート状の連続繊維が、トップシート18の幅方向に、それぞれ均等に隙間を空けて、且つ一方の端縁及び他方の端縁から、所定の距離離れた長手方向の中間部分に、配置された場合の例を示している。図9においては、便受けシートと便受け下シートの位置が、便が排泄される領域となるように構成されているため、便受けシートと便受け下シートとの組み合わせによって便を捕らえ易いものとなっている。
なお、熱可塑性樹脂としては、撥水性の繊維、疎水性の繊維、親水性の繊維等の種々の繊維を用いることができる。撥水性の繊維や疎水性の繊維としては、PET、PP、PEなどの繊維のほか、これらを素材とする芯鞘構造のフィラメント(単繊維)を挙げることができる。また、親水性の繊維としては、PET、PP、PEなどの繊維、又はこれらを素材とする芯鞘構造のフィラメントに界面活性剤による表面化処理したものを挙げることができる。
なお、このような繊維に用いられる熱可塑性樹脂は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を含むものであってもよい。
なお、便受け下シートは、吸収体の端部よりも外側の領域にて、その両端部がトップシートの表面に熱接着されていてもよい。
便受け下シートの端部を熱接着させる方法については、熱可塑性樹脂を熱接着させる従来公知の接着方法を用いることができるが、本発明の吸収性物品においては、便受け下シートが、熱エンボス、ヒートシール、及び超音波シールからなる群より選択される少なくとも一種の接着方法によってトップシートに熱接着されていることが好ましい。
例えば、ヒートシールによって熱接着させる場合には、凸ロールと、これに相対する凹ロール又はプレーンロールとで構成される一対のロール間に、便受け下シートとトップシートとを重ねた状態で通し、加熱、加圧することにより便受け下シートの両端部を熱接着させる。凸ロールは、ロールの全面に渡ってパターン(凸パターン)を有する必要はなく、周方向に間欠的に存在すればよい。また、凸ロールの凸パターンとしては、特に限定されないが、ロールの幅方向に渡って連続的であるものが好ましい。
上記凸ロールのパターンによって生じる、便受け下シートの接着部におけるパターンは、例えば、図10〜図13に示すような形状を挙げることができる。
例えば、図10は、便受け下シート50bの一方の側縁から他方の側縁にかけて、それぞれの端部に、一定の幅で帯状に形成されたパターンの例を示し、図11は、便受け下シート50bの一方の側縁から他方の側縁にかけて、のこぎり刃状に形成されたパターンの例を示し、図12は、便受け下シート50bの一方の側縁から他方の側縁にかけて、斜めのハッチング線によって帯状に形成されたパターンの例を示し、図13は、便受け下シート50bの一方の側縁から他方の側縁にかけて、一定間隔で間欠的部を有する破線が、それぞれの端部側に三列ずつ、各破線の間欠的部が互い違いになるように配置されたパターンの例を示している。
このような接着方法を用いることによって、簡便且つ確実に便受け下シートを接着させることができる。また、上記接着方法によれば、熱接着部分における各繊維間の隙間が適切に遮断されるため、水様排泄物の熱接着部分以降への拡散を好適に防止することができる。
[1−3]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。
[1−4]トップシート:
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。なお、このトップシートは、便受け下シートを構成する連続繊維の両端部を熱接着して固定することが可能な材料からなるシートを用いる。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、後述するテープ型おむつにおいては、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には撥水性材料からなるトップシート(サイドシート)を配置する形態がよく利用される。
[1−5]バックシート:
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[1−6]吸収性本体:
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつは、例えば、図3に示す使い捨ておむつ1の吸収性本体14のように、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟み込み、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体を備えたものである。
吸収性本体は、少なくともおむつの股下部をカバーするサイズに構成される。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。吸収性本体は、例えばホットメルト接着剤等を用いて、外装部材に対して固定することができる。
[1−7]外装部材:
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
2ピースタイプのパンツ型おむつでは、着用者の排泄物を吸収し、保持する吸収・保持機能については、専ら吸収性本体が果たすことになるので、外装部材を構成する材料として液不透過性材料を用いる必要はない。外装部材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等を挙げることができる。
そして、外装部材は、脚周り伸縮材等を挟み込んだ状態で固定するために、2枚以上の不織布を貼り合わせて構成されることが多い。例えば、図2〜図4に示す使い捨ておむつ1は、外装部材16を2枚の不織布から構成し、その2枚の不織布の間に脚周り伸縮材40、ウエスト周り伸縮材42及び腹周り伸縮材44を挟み込み固定した例である。
[1−8]立体ギャザー:
立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。この立体ギャザーを形成することにより、便受けシートの上に尿が排泄され、便受けシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、シート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
立体ギャザーを構成するシート材としては、立体ギャザーの防漏性を向上させるという観点から、撥水性材料を用いる。撥水性材料としては、スパンボンドやカードエンボス等の不織布を用いてもよいが、耐水圧が高いという理由から、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)等の不織布を用いることが好ましい。
立体ギャザーは、吸収性本体のトップシートやバックシート、或いは便受けシート又は便受け下シートを折り返すことにより形成することができる。しかしながら、立体ギャザーは、トップシート、バックシート等とは全く別個のシート材を貼り合わせて形成することがより好ましい。
立体ギャザーは、尿の横漏れを防止するという目的から、便受けシート50a及び便受け下シート50bの両側に形成されていることが好ましい。中でも、便受けシート50a及び便受け下シート50bの両側縁部に沿って形成されていることが好ましい。こうすることにより、便受けシートの上に尿が排泄され、便受けシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが確実に防波堤としての機能を果たし、脚周り開口部からの横漏れを有効に防止することができる。
例えば、図2〜図4に示す使い捨ておむつ1の場合には、吸収性本体14の両側縁部まで便受けシート50a及び便受け下シート50bが配置されており、立体ギャザー26a,26bをその便受けシート50a及び便受け下シート50bの両側縁、即ち、吸収性本体14の両側縁に沿って形成した例である。なお、図2〜図4に示す使い捨ておむつ1は、立体ギャザー26a,26bが吸収性本体14の両側縁全域にわたって形成された例であるが、尿の横漏れを防止するという目的から、少なくともおむつの股下部に相当する部分に配置されていればよい。
なお、使い捨ておむつにおいては、少なくとも一対の立体ギャザーが形成されていることが好ましいが、二対以上形成されていてもよい。
[1−9]各種伸縮材:
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材である。腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。このタミーギャザーは、ウエストギャザーと相俟って、おむつのフィット性やずり下がり防止効果を一層優れたものとすることができる。
なお、図1及び図2に示す使い捨ておむつ1は、脚周り開口部の周縁には複数本の脚周り伸縮材40を配置し、ウエスト周り開口部の周縁にはウエスト周り開口部を取り囲むように複数本のウエスト周り伸縮材42を配置し、更に、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)には、着用者の腹周りを取り囲むように複数本の腹周り伸縮材44を配置した例である。
これらの伸縮材については、既に述べた開口部伸縮材と同様の構成を採用することができる。そして、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
[2]製造方法:
以下、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1〜図4に示す吸収性物品としての使い捨ておむつ1(2ピースタイプのパンツ型おむつ)を製造する場合の例により説明する。
[2−1]吸収性本体の製造:
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
[2−2]立体ギャザーの製造:
シート材32a(32b)の一方の端部を折り返し、その折り返し部分に、2本の立体ギャザー伸縮材36a、36b(36c,36d)を挟み込んだ状態で貼り合わせることによって、立体ギャザー26a(26b)を得る。
[2−3]吸収性本体への便受けシート及び便受け下シート等の付設:
次に、吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、便受け下シート50bと便受けシート50aとを固定する。本発明においては、便受け下シート50bとして、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維を用いる。便受け下シート50bは、連続繊維を構成する繊維が吸収体の幅方向に配列するように配置し、その両端部を熱接着によって固定する。
上記のように固定した便受け下シート50bに、便受けシート50aの両側縁を貼り合わせて固定した後、吸収性本体14と便受け下シート50b及び便受けシート50aの側縁を挟み込むように、立体ギャザー26a,26bを貼り合わせる。
[2−4]外装部材の製造:
まず、外装部材16となる不織布を2枚用意し、このうちの1枚の不織布の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布を積層し固定することにより、2枚の不織布の間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された外装部材16を得る。
[2−5]使い捨ておむつの製造:
外装部材16の股下部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1〜図4に示す使い捨ておむつ1を製造することができる。
前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材や伸縮材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、使い捨ておむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
[3]本発明の適用対象:
本発明の吸収性物品の適用対象は、便受けシート及び便受け下シートが付設されている点に特徴があり、吸収性物品の本体の構造は前記吸収体、前記トップシート、前記バックシートを備えている限り、特に制限されるものではない。即ち、前記2ピースタイプのパンツ型おむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型おむつやテープ型おむつにも適用することができる。更には、使い捨ておむつに限らず、尿便パッド等であってもよい。
なお、「1ピースタイプ」とは、2ピースタイプと同様に、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシートやバックシートと一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
また、「テープ型おむつ」とは、トップシートと、バックシートと、両シートの間の少なくとも一部に介装された吸収体と、装着用のテープファスナーとを備え、テープファスナーによっておむつの前身頃と後身頃とを相互に固定し得る使い捨ておむつを意味するものとする。「テープ型おむつ」にも、パンツ型おむつと同様に「1ピースタイプ」と「2ピースタイプ」が存在するが、使い捨ておむつはいずれのタイプのテープ型おむつにも適用可能である。
本発明の吸収性物品は、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつ及びその補助部材として好適に利用することができる。
本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつをその前方から見た状態を示す図である。 本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図である。 本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつの概略断面図であり、図2に示す使い捨ておむつをX−X’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつの概略断面図であり、図2に示す使い捨ておむつをY−Y’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの一例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの接着部におけるパターンの一例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの接着部におけるパターンの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの接着部におけるパターンの他の例を模式的に示す平面図である。 トップシートの上面に配置された便受け下シートの接着部におけるパターンの他の例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1:吸収性物品(使い捨ておむつ)、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、14:吸収性本体、16:外装部材、18:トップシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、32,32a,32b:シート材、36,36a,36b,36c,36d:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:腹周り伸縮材、50a:便受けシート、50b:便受け下シート、52:貫通孔、53:熱接着部分。

Claims (7)

  1. 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備え、
    前記トップシートの上面に、前記トップシート側から順に便受け下シート及び軟便に対する透過性を有する便受けシートを更に備え、
    前記便受け下シートは、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配向した連続繊維によって構成されたものであり、
    前記便受け下シートは、前記連続繊維の両端部を前記トップシートに熱接着させることによって固定されている吸収性物品。
  2. 前記便受け下シートを構成する前記連続繊維は、前記熱可塑性樹脂からなる繊維を束ねたトウ、又は前記熱可塑性樹脂からなる繊維の束を広げた状態のウェブである請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記便受け下シートを構成する繊維が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂からなるものである請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記便受け下シートが、熱エンボス、ヒートシール、及び超音波シールからなる群より選択される少なくとも一種の接着方法によって前記トップシートに熱接着されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記便受け下シートを構成する前記連続繊維の両端部は、平坦になるように押し潰されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記便受けシートが疎水性の基材に複数の貫通孔が穿孔されたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記便受けシートの両側に、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザーが少なくとも一対形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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