JP2009050039A - 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法 - Google Patents

交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の双方向スイッチSru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stwを備えた交流−交流直接変換装置において、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減したスイッチングパターン切替方法を提供する。
【解決手段】1制御周期あたり4つの空間ベクトルが配列されたスイッチングパターンを複数生成し、例えば、入力セクターが移行する過渡時に、前記生成されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は通常の更新処理のいずれかを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、多相の交流電源から任意の電圧または周波数に変換した多相出力を得る交流−交流直接変換装置(マトリックスコンバータ)に係り、特に4つの空間ベクトルの組み合わせを用いる直接変換形の空間ベクトル変調方式におけるセクター移行過渡時のスイッチングパターンを最適化する交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法に関する。
従来から存在するこの種の交流−交流直接変換装置は、自己消弧形の半導体素子を用いた双方向スイッチを高速に切替え、単相または多相の交流電源から任意の周波数・大きさの交流に直接電力変換する変換装置であり、図1のように構成されている。
図1は、三相/三相交流−交流直接変換装置の基本構成を示し、三相交流電源1は、リアクトルとコンデンサによる入力フィルタ部2および9つの双方向スイッチ(Sru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stw)で構成された半導体電力変換部3を介して任意の負荷4に接続される。
9つの双方向スイッチSru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stwは、逆阻止IGBT18個で構成する場合や、通常のIGBT等の半導体素子とダイオードを組み合わせるなど、その細部の構成方法には拘らないが、双方向に電力授受できるスイッチング素子で構成されている。
なお、図1に示すように、以下、電源三相をRST相、出力三相をUVW相とする。
上記のように構成される交流−交流直接変換装置の9つの双方向スイッチを用いて、空間ベクトル変調法により入力電流と出力電流を同時に正弦波化する手法は、例えば非特許文献1に記載されている。
図2は非特許文献1に記載された直接形空間ベクトルの例であり、交流−交流直接変換装置の電源短絡防止、負荷電流不連続防止の条件を考慮した全27種類のスイッチングパターンを、入力R相電流、出力U相電圧基準でそれぞれ空間ベクトル表示したものである。
図2は27種類のスイッチングパターンを、入力側および出力側で各々静止αβ座標上に展開したものであり、(a)は出力負荷電流位相15度時の入力側電流の空間ベクトルを示し、(b)は電源電圧位相15度時の出力側電圧の空間ベクトルを示している。
ここで、直接形空間ベクトルの出力電圧側の1つのセクター(例えば図2(b))に着目し、図3のように8種類のベクトルを再定義する。
すなわち、多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとする。
ここで、図4のように空間を区切って入力・出力セクターを定義する。図4(a)の入力電流空間ベクトルの場合、入力電流指令ベクトルの位相が0度から30度の時をセクター1とし、30度から60度をセクター2とする。同様に360度にわたって続けていくと位相によって1〜12の12個のセクターが定義できる。また図4(b)の出力電圧指令ベクトルの場合は60度毎に6つのセクターを定義できる。
そしてこの図4の入力電流空間ベクトルおよび出力電圧空間ベクトルのセクターから、表1のようにセクターモードを定義する。
Figure 2009050039
入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出力セクターが1,3,5または入力セクターが2,3,6,7,10,11のときに出力セクターが2,4,6ならばセクターモード1(sm1)とし、入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出力セクターが2,4,6または入力セクターが2,3,6,7,10,11のときに出力セクターが1,3,5ならばセクターモード2(sm2)と定義する。
非特許文献1のProposed Method3(PM−3)においては、前記再定義した8種類の空間ベクトルの中から4種類を選択してPWM制御すること、またデューティ演算の際には出力電流検出値の情報を用いることが記載され、さらに以下の制約条件が与えられている。
(1)入出力同時正弦波化
前提条件として、1制御周期あたり6個の双方向スイッチ(4種類の空間ベクトル)と出力電流検出値を用いて入出力波形を正弦波化する。
(2)線間電圧変動低減
線間電圧方向に見て、指令値との電圧差が最も大きい空間ベクトルは未選択(高調波・損失低減)とする。
(3)2相以上の同時スイッチング禁止
転流時は1相ごとに切り換えて、スイッチング回数を低減(損失低減)する。
(4)最大相⇔最小相間の転流禁止
常に中間相を介して転流することで、電圧変化を低減(高調波・損失低減)する。
(5)コモンモード電圧低減
常に中間相で構成された零ベクトルを利用する。
これらの条件を考慮すると、4種類のベクトル(v1〜v4)の選択パターンは、表2の20種類に限られる。
Figure 2009050039
また例えば図4で定義するところの入力セクターが1、出力セクターが1の場合について、スイッチング遷移図を描くと図5となる。制約条件(2)により、図5(a)の低電圧領域では、Z(SSS)が含まれる表2のセレクションパターン(selection pattern)1,6,11,16を選択し、図5(b)の高電圧領域ではそれ以外のいずれかを選択する。
尚、例えば図5の「RSS」はU相にR相、V相にS相、W相にS相を各々接続するスイッチングパターンを意味している。
続いて制約条件(3)により、スイッチング順序は図5の遷移図に従って、表2のv1→v2→v3→v4あるいはv4→v3→v2→v1の順序を更新周期毎に折り返してスイッチングする。
ただし、図5(b)においてループを構成するパターン(R→YL→YM→XMとR→XL→XS→YS)は使用しない。これらは、見かけ上は4種類の空間ベクトルで3回のスイッチングを行っているが、実際に使用している双方向スイッチは5個となり、制約条件(1)を満たすための制御自由度が不足する。
また制約条件(4)では、入力電源電圧の中間相であるS相を介して切り替える。これは、図5及び表2に反映されている。
制約条件(5)についても、中間相であるS相による零ベクトル「SSS」を用いるように制約する。以上から、スイッチング順序情報も含んだ表2を構成できる。
表2の20種類の選択パターンから、最終的には1種類のパターンを選択してPWM制御を行うものであり、表2のパターンのいずれかが選択された場合は4つのベクトルv1〜v4のデューティd1〜d4も解が得られているものとする。
Y.Tadano,S.Urushibata,M.Nomura,Y.Sato,andM.Ishida:"Direct Space Vector PWM Strategies for Three−Phase to Three−Phase Matrix Converter",IEEE Proc. of the 4th Power Conversion Conference(PCC-Nagoya/Japan),April,2007,LS4-1-3、pp.1064 -1071(2007)
通常、表2の例においては、v1→v2→v3→v4→(更新)→v4→v3→v2→v1→(更新)→v1→…といったように、折り返しスイッチング順序でパルスを出力する。これは、三角波比較方式と同様の出力順序であり、どのような運転状態においてもそのパルス出力と更新が繰り返されるのが通例であり、PWMパルスの切り替わり時には1回のスイッチングが行われる。
しかしながら、空間ベクトル変調法においてセクターが移行する過渡時には、必ずしもスイッチング回数が1回とはならずに、3相同時に変化してしまう場合も存在する。三角波比較方式で言えば、3相電源電圧や3相出力電圧指令値などの瞬時値の大中小関係が切り替わる瞬間に相当する。
例えば、出力セクターが1のときに入力セクターが1→2に切り替わる瞬間に着目する。セクターモードは表1からsm1→sm2に切り替わるので、セレクションパターン(以下、spと略称する)が1→11に変化する事例を考える(表2の定義参照)。このときのスイッチングの状態を表3に示す。
Figure 2009050039
通常は折り返しスイッチング法(…v1→v2→v3→v4→更新→v4→v3→v2→v1→更新→v1…)を使用しているが、sp.1のv1でsp.11のv1にそのまま移行した場合、XS(STT)→YS(RRS)となって、UVW全相で同時にスイッチング変化を引き起こす。v4で更新した場合は、XM(RSS)→YM(SST)となって、2相スイッチング(スイッチング回数2回)変化を引き起こす。
このように全相が同時に変化するスイッチングモードは、入力電流や出力電圧・電流波形に過渡的な脈動などの悪影響を及ぼす可能性がある。また、スイッチング損失低減の観点からも好ましくない。
本発明は上記の問題点を解消するものでありその目的は、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減した交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、直接AC/AC変換方式による空間ベクトル変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法であって、多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、前記8種類のベクトルのうち、入力電流および/又は出力電圧の高調波を低減するための所定の条件を満たし、1制御周期あたり4つの空間ベクトルが配列されたスイッチングパターンを複数生成し、前記入、出力側空間ベクトルの空間を各々複数に区切って構成される、入力電流指令値ベクトル、出力電圧指令値ベクトルが各々存在する領域を入、出力セクターと定義し、前記入力セクター、出力セクターの状態に基づいて、スイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定する処理を行い、該決定されたスイッチングパターンによって前記双方向スイッチをPWM制御することを特徴としている。
また請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、前記入力セクターが移行する過渡時に、前記生成されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は前記生成されたスイッチングパターンのいずれか一方の端部に配置された空間ベクトルから、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの前記と同一端部に配置された空間ベクトルに移行する通常更新処理の、いずれかスイッチング回数の少ない方の処理を行うことを特徴としている。
また請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が3回となるモード時は、移行前のセクター状態を維持しながら、更新前のスイッチングパターンを折り返してPWM制御し、その後前記セクター維持を解除し、スイッチングを伴わない、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの端部に配置された空間ベクトルに移行する1制御周期遅延処理を行うことを特徴としている。
また請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時に、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴としている。
また請求項5に記載の発明は、請求項1において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが移行する過渡時に、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が3回となるモード時は、前記請求項2に記載の更新時切替処理を行うことを特徴としている。
また請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時も、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴としている。
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、4つの空間ベクトルの組み合わせから成る直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンによりPWM制御される交流−交流直接変換装置において、入力セクターが移行する過渡時(入力電流指令値ベクトルが存在するセクターが移行する瞬間、すなわち入力電源電圧R相、S相、T相の瞬時値の大中小関係が切り替わる瞬間)や、出力セクターが移行する過渡時(出力電圧指令値ベクトルが存在するセクターが移行する瞬間、すなわち出力電圧U相、V相、W相の指令値の大中小関係が切り替わる瞬間)に、スイッチング回数を低減することができる。これによってスイッチング損失を低減することができる。
(2)また請求項2に記載の発明によれば、入力セクターが移行する過渡時に更新時切替処理又は通常更新処理を行うことにより、当該過渡時のスイッチング回数を低減することができる。
(3)また請求項3に記載の発明によれば、1制御周期遅延処理を行うことにより、スイッチング回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(4)また請求項4に記載の発明によれば、1制御周期遅延処理を行うことにより、入力セクターが移行する過渡時に、さらにスイッチング回数を低減することができる。
(5)また請求項5に記載の発明によれば、出力セクターが移行する過渡時に更新時切替処理を行うことにより、スイッチグ回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(6)また請求項6に記載の発明によれば、1制御周期遅延処理を行うことにより、入力セクターが移行する過渡時に、さらにスイッチング回数を低減することができる。
以下、交流−交流直接変換装置は、前記双方向スイッチをPWM制御するマトリックスコンバータとして、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
本発明では、前記図4のように定義される入力セクター、出力セクターと、それらの組み合わせから定義した表1のセクターモードとに基づいて、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定し、スイッチングパターンの配列順序を切り替えるように構成した。
前記4種類の空間ベクトルを用いる方式では、1制御周期内のPWMパルスを4つで構成しているため、表2の更新タイミングのベクトルv1(スイッチングパターンの一端に配置されたベクトル)およびv4(スイッチングパターンの他端に配置されたベクトル)に着目すればよい。
そこでまず、表2のv1とv4の組み合わせから、表4に示すようにオーダーグループ(order group:以下ogと略称する)を設定し、そのog変化時の移行パターン最適化を考えていく。
Figure 2009050039
ogは表4のとおり8グループ存在し、セクターモードsm1ではog1〜4、sm2ではog5〜8が発生する。
すなわち、セクターモードsm1における、v1がXS、v4がXMであるスイッチングパターンをog1とし、v1がXS、v4がYLであるスイッチングパターンをog2とし、v1がYS、v4がYMであるスイッチングパターンをog3とし、v1がXL、v4がYMであるスイッチングパターンをog4としている。
またセクターモードsm2における、v1がYS、v4がYMであるスイッチングパターンをog5とし、v1がYS、v4がXLであるスイッチングパターンをog6とし、v1がXS、v4がXMであるスイッチングパターンをog7とし、v1がYL、v4がXMであるスイッチングパターンをog8としている。
(実施例1)
本実施例では、入力セクターが移行する瞬間の最適化手法を提案する。まず、入力セクターが変化する際にどのような移行パターンが考えられるかを抽出すると、表5のとおり分類される。
Figure 2009050039
表5において、セクターモードsmとogに変化がない場合でもパターンが変化する場合がある。例えば入力セクター12→1に移行する瞬間で出力セクター1のときにセレクションパターンが1→2に入力セクターと同時に変化する場合などは、セクターモードとオーダーグループに変化がないが、入力セクターとセレクションパターンは変化している。したがって、sm1→sm1でog1→og1が表5に含まれている。
まず、表5の分類に従って、入力セクターが移行する瞬間に3相全相が同時にスイッチングしてしまうモードを回避する移行パターンを考える。ここでは入力セクターが12→1、出力セクターが1でセレクションパターンが1→2に移行する瞬間の一例についてのみ説明する。この例では、sm1→sm1、og1→og1で、v1はXS、v4はXMで、移行前も移行後も共通のモードとなる。
<変化前> v1:XS=TSS,v4:XM=RTT
<変化後> v1:XS=STT,v4:XM=RSS
通常の折り返しスイッチング法(通常更新処理)を用いると、v1更新時はTSS→STTで3相全相画スイッチングする。v4更新時はRTT→RSSで、2相がスイッチングする。
ここで、セクターモード変化、オーダーグループ変化、および入力セクターの変化を検出した場合は、v1更新時にv1→v4、v4更新時にv4→v1とするように順序を入れ替える(更新時切替処理)。その結果、v1更新時はTSS→RSS,v4更新時はRTT→STTとなり、どちらの場合も1相スイッチング(スイッチング回数が1回)で、通常の折り返しスイッチング法よりも低減できる。
他の場合も同様にして最適移行パターンを考えると、表6のようにまとめることができる。
Figure 2009050039
尚、表6および以下の表7〜表10中の()内の数字は移行時にスイッチングを伴う相数を示している。
表6中のv1更新時にv1→v1、v4更新時にv4→v4(通常更新処理)としているのは、前記更新時切替処理を行うよりもスイッチング回数が少なくてすむパターンであるため通常更新処理としているものである。したがって表6によれば、すべての移行パターンで全相スイッチングを防止することはできないが、多くの場合でスイッチング回数を2回もしくは1回に低減できることが分かる。
(実施例2)
実施例1の中で、全相:3回スイッチングを伴う移行パターンが存在するが、この移行パターンは入力や出力電流の過渡的な脈動の原因となり、スイッチング損失の面からも好ましくない。そこで、3相同時にスイッチングするモードだけは禁止し、1制御周期の間はセクター情報やスイッチングパターンをラッチして、1制御周期後の異なるタイミングでパターンを更新する(1制御周期遅延処理)。表7はそのときの移行パターンを示している。
Figure 2009050039
表7で×印が付いた箇所は3相全相スイッチングするモードであるので禁止している。例えば、sm1→sm1でog1→og2,且つv1更新時は禁止モードとなるので、このときはセクター移行せずに、1つ前のセクター状態を維持しながら通常の折り返しパターンv1→v1を行う(同一段セレクションパターンのv1→v1に移行する)。そしてそのセレクションパターンのv1→v2→v3→v4をスイッチングし、1制御周期の時間だけ遅れて発生するv4→v4のタイミングでセクター情報のラッチを解除し、v4更新パターンにおいて移行を完了する。
本実施例によれば、入力セクター変化時、実施例1の効果に加えて、3相全相同時スイッチングするモードを回避することができる。
(実施例3)
実施例1,2で発生する2相同時スイッチングするモードについても前記ラッチ処理(1制御周期遅延処理)により禁止する。表8は、そのときのスイッチング移行パターン表である。
Figure 2009050039
表8で×印が付いた箇所は2相以上スイッチング(スイッチング回数が2回以上)するモードであるので、このとき前記実施例2と同様に1制御周期遅延処理を行う。表8において、一部、どうしても2回のスイッチングを伴う移行パターンが存在するが、ほとんどの箇所については、表6、7(実施例1,2)に比べてスイッチング回数を1回以下に低減することができる。
(実施例4)
実施例1〜3は、入力セクターが移行する際の最適化パターンであるが、本実施例は出力セクターが移行する際の移行パターンについて考える。考え方は実施例1と同様で、3相全相が同時にスイッチングすることのないように、前記更新時切替処理、すなわちv1→v4、又はv4→v1のように順序の入れ替えを行う。
出力セクターについては、入力電源側と異なり逆相方向も考えられる。例えばモータ負荷の場合は正転時と逆転時が存在するので、それぞれの場合を考える必要がある。本実施例では、セクターが一つずつ変化する場合を考慮して、移行パターンを表9のように定義する。
Figure 2009050039
本実施例によれば、出力セクター移行時の全相同時スイッチングを完全に防止することができる。
(実施例5)
実施例4で、2相同時スイッチングもできる限り防止するために、本実施例では実施例2,3と同様に1制御周期分のラッチ処理(1制御周期遅延処理)を用いる。表10はそのときのスイッチング移行パターンである。
Figure 2009050039
本実施例によれば、一部で2相同時スイッチングモードが残るものの、表9の移行パターンに比べて、できる限り1相以下のスイッチングに低減することができる。
本発明が適用される交流−交流直接変換装置の基本構成図。 空間ベクトルを表し、(a)は入力側空間ベクトル図、(b)は出力側空間ベクトル図。 1つの出力セクターにおける空間ベクトルの状態図。 空間ベクトルの入力側セクターと出力側セクターの定義例の説明図。 本発明の実施形態例における制約条件を満たすスイッチングパターンのスイッチング遷移図。
符号の説明
1…三相交流電源、2…入力フィルタ部、3…半導体電力変換部、4…負荷。

Claims (6)

  1. 直接AC/AC変換方式による空間ベクトル変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法であって、
    多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、
    前記8種類のベクトルのうち、入力電流および/又は出力電圧の高調波を低減するための所定の条件を満たし、1制御周期あたり4つの空間ベクトルが配列されたスイッチングパターンを複数生成し、
    前記入、出力側空間ベクトルの空間を各々複数に区切って構成される、入力電流指令値ベクトル、出力電圧指令値ベクトルが各々存在する領域を入、出力セクターと定義し、前記入力セクター、出力セクターの状態に基づいて、スイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定する処理を行い、該決定されたスイッチングパターンによって前記双方向スイッチをPWM制御することを特徴とする交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  2. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    前記入力セクターが移行する過渡時に、前記生成されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は前記生成されたスイッチングパターンのいずれか一方の端部に配置された空間ベクトルから、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの前記と同一端部に配置された空間ベクトルに移行する通常更新処理の、いずれかスイッチング回数の少ない方の処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  3. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が3回となるモード時は、移行前のセクター状態を維持しながら、更新前のスイッチングパターンを折り返してPWM制御し、その後前記セクター維持を解除し、スイッチングを伴わない、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの端部に配置された空間ベクトルに移行する1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  4. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時に、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  5. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    出力セクターが移行する過渡時に、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が3回となるモード時は、前記請求項2に記載の更新時切替処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  6. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時も、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
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