JP2009047745A - 電気泳動表示装置、制御装置、表示変更方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】消去ステップにおいては、まず共通電極および画素電極に対して、電圧V1が時間T1印加され、次いで、電圧V1よりも小さく電圧V1と同極性の電圧V2が時間T2印加される。そして、時間T1印加される電圧V1および時間T2印加される電圧V2を一単位とし、この一単位がN1回印加される。書き込みステップにおいては、まず共通電極および画素電極に対して、電圧−V1が時間T1印加され、次いで、電圧−V1よりも絶対値が小さく電圧−V1と同極性の電圧−V2が時間T2印加される。そして、時間T1印加される電圧−V1および時間T2印加される電圧−V2を一単位とし、この一単位がN1回印加される。
【選択図】図5
Description
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、表示品位の低下を抑制可能な電気泳動表示装置等を提供することにある。
ここで、前記制御装置は、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを印加する前に、前記帯電粒子を振動させるための電圧を前記第1の電極および前記第2の電極に印加することを特徴とすることができる。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置を示す概略構成図である。
同図に示す電気泳動表示装置1は、電界の作用により可逆的に視認状態を変化させることが可能な表示装置である。この電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル10と、この電気泳動表示パネル10を制御する制御装置20とから概略構成されている。なお、このような電気泳動表示装置1は、例えば、時計、カレンダー、電子ペーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどにおいて使用される電子棚札などに用いられる。
制御装置20は、ドライバ30と、制御部40とを主要部として備えている。
ドライバ30には、不図示の電源部から電圧が印加された状態となっており、また、ドライバ30には、複数のスイッチング部が設けられた状態となっている。なお、ドライバ30の詳細については後述する。
図2は、電気泳動表示パネル10およびドライバ30について説明する図である。なお、本図においては、図1で示した制御部40の図示を省略している。
対向基板12は、基板11と同様に電気泳動表示パネル10のベースとなる部材である。また、対向基板12は、電気泳動インク15を挟んで基板11の対向位置に配設される。さらに、対向基板12は、基板11に所定の隙間を介して貼着された状態となっている。また、対向基板12は、共通電極13等の部材を支持する機能を有している。
第2の電極の一例としての画素電極14は、基板11の内面且つ共通電極13の対向位置に、複数設けられている。また、画素電極14には、共通電極13と同様にドライバ30から所定の電圧が印加される構成となっている。
共通電極13および画素電極14には、例えばアルミニウムや銅などの一般的な導電材料を用いることができる。なお、表示面側に位置する共通電極13のように透明性が要求される場合、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)等の導電性酸化物などが用いられる。この導電性酸化物は、画素電極14に対して用いることももちろん可能である。
電気泳動インク15は、基板11と対向基板12との間に封入された状態となっている。また、この電気泳動インク15は、正に帯電した白粒子15aと、負に帯電した黒粒子15bと、これらの粒子を分散させる分散媒15cとから構成されている。
帯電粒子の一例としての黒粒子15bには、例えばチタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料や、黒色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。
また、これら粒子は、コントラスト表示可能な範囲で様々な色の粒子を任意に用いることも可能であり、白と赤、白と青、黄色と黒などのような組合せとすることもできる。また、本実施形態においては、白粒子15aと黒粒子15bの2種類の帯電粒子を用いているが、1種類の帯電粒子のみを用いる構成とすることもできる。
分散媒15cには、従来より電気泳動表示装置に用いられている種々の低誘電率有機溶媒などを用いることが可能であり、また、分散媒15cには、分散剤や電荷制御剤等の添加剤を添加して用いることもできる。
図3は、電気泳動表示パネル10の動作を説明するための図である。
本実施形態における共通電極13および画素電極14には、上述のとおり、ドライバ30から電圧が印加される。電圧の印加方法にはいくつかの手法が提案されているが、本実施形態においては、画素電極14のみならず共通電極13に対しても電圧を選択的に印加する所謂コモン振りを採用している。
リセット動作を行う場合、図3(a)に示すように、共通電極13に対して電圧Vs(例えば、0[V])が印加され、全ての画素電極14に対して電圧V1(例えば、+50[V])が印加される。この結果、画素電極14から共通電極13に向かう電界が発生し、正に帯電した白粒子15aは共通電極13に向かって移動し、負に帯電した黒粒子15bは画素電極14に向かって移動する。このため、表示面側に位置する共通電極13側に白粒子15aが位置し、全体が白表示となる。なお、本実施形態においては、正に帯電した白粒子15a、負に帯電した黒粒子15bを用いているが、このような帯電状態は一例であり、白粒子15aを負に帯電させることもできるし、黒粒子15bを正に帯電させることもできる。
図4(a)は、消去ステップにおける電気泳動表示パネル10の状態を示している。
この消去ステップにおいては、共通電極13に電圧Vs(=0[V])が印加され、白表示へと変更する領域(表示を消去する領域)に対応した画素電極14に電圧V1(=+50[V])が印加される。また、白表示への変更を行う領域以外の領域(表示状態を維持する領域)に対応した画素電極14には電圧Vs(=0[V])が印加される。この結果、所定領域が白表示へと変更されるとともに、この所定領域以外の領域においては、表示状態が維持される。
図4(b)は、書き込みステップにおける電気泳動表示パネル10の状態を示している。
書き込みステップにおいては、共通電極13に電圧V1(=+50[V])が印加され、黒表示へと変更する領域に対応した画素電極14に電圧Vs(=0[V])が印加される。また、黒表示への変更を行う領域以外の領域(表示状態を維持する領域)に対応した画素電極14に電圧V1(=+50[V])が印加される。この結果、所定領域が黒表示へと変更されるとともに、この所定領域以外の領域においては、表示状態が維持される。
図5は、消去ステップおよび書き込みステップにおいて、共通電極13および画素電極14に印加される電圧の詳細を示したものである。なお、図5(b)は、消去ステップにおいて共通電極13および画素電極14に印加される電圧の詳細を示し、図5(c)は、書き込みステップにおいて共通電極13および画素電極14に印加される電圧の詳細を示している。なお、本図においては、印加電圧(V)を、画素電極14から共通電極13に向かって電界が形成される場合を正で示し、共通電極13から画素電極14に向かって電界が形成される場合を負で示している。
ここで、本実施形態における消去ステップにおいては、図5(b)に示すように、まず共通電極13および画素電極14に対して、電圧+V1(第1の電圧の一例)が時間T1印加され、次いで、電圧+V1よりも小さく電圧+V1と同極性の電圧+V2(第2の電圧の一例)が時間T2印加される。そして、本実施形態では、時間T1印加される電圧+V1および時間T2印加される電圧+V2を一単位とし、この一単位がN1回印加される構成となっている。換言すれば、+V1の電圧印加の合間に電圧+V2が印加される構成となっている。この結果、本実施形態における消去ステップにおいては、同図に示すように、電圧+V1と電圧+V2とが交互に印加される状態となる。
(A1)まず、図6の左上方に示すように、電気泳動表示パネル10において黒表示を行った。なお、本実験に用いる電気泳動表示パネル10は、画素電極14(図2参照)を複数設けず、共通電極13に対して1枚の画素電極14を対向配置したパネルを用いた。
(A2)A1にて黒表示を行った後、共通電極13および画素電極14に対し電圧を印加し、1回目の消去ステップを実行した。この結果、黒表示から白表示へと表示が変更される。
(A4)その後、上記A2、A3において印加した電圧を1つの電圧印加単位とし、この電圧印加単位にて電圧を複数回印加していった。そして、1000回目における消去ステップが終了した後、任意の3点を選び、この3点においてXYZ表色系のY値(以下、この「XYZ表色系のY値」を単に「Y値」と称する。)を測定した。そして、測定した3つのY値の平均値を取得した。なお、1000回目の消去ステップが終了した際、白表示となっているため、本ステップでは、白表示におけるY値が取得されることになる。
(A6)その後、上記電圧印加単位にて電圧を繰り返し印加していき、3000回目の消去ステップ終了後において上記A4の処理を行うとともに、3000回目の書き込みステップ終了後において上記A5の処理を実行し、白表示におけるY値、黒表示におけるY値を取得した。さらに、5000回目、10000回目、15000回目においても同様に、白表示におけるY値、黒表示におけるY値を取得した。
なお、本実施例における試料(サンプル)数は2とした。以下、図9で示すY値(白)、Y値(黒)、コントラスト値は、2つの試料から得られたY値(白)、Y値(黒)、コントラスト値を平均したものである。
(A8)また、10000回目の書き込みステップ(10000回目の電圧印加)が終了した時点における電気泳動表示パネル10の状態を確認した。
本第1直前電圧は、白粒子15a,黒粒子15bを振動させ、凝集した白粒子15a,黒粒子15bの解離を促したり、共通電極13や画素電極14に付着した白粒子15a,黒粒子15bを、これらの電極から引き離したりする機能を有している。なお、本第1直前電圧は、正方向に立ち上がる+50[V]のパルス状電圧の印加時間を10[msec]とし、負方向に立ち上がる−50[V]のパルス状電圧の印加時間を10[msec]としている。また、本実施例では、正方向に立ち上がるパルス状電圧および負方向に立ち上がるパルス状電圧を各々10回印加するとともに、最初に正方向に立ち上がるパルス状電圧を印加している。
(B1)比較例においては、上記にて説明したA1〜A8と同様の処理を実行した。
但し、比較例においては、2000回目、4000回目の消去ステップおよび書き込みステップが終了した際にも、白表示におけるY値、黒表示におけるY値、コントラスト値を取得した。なお、比較例における試料(サンプル)数も2とした。以下、図9に示すY値(白)、Y値(黒)、コントラスト値は、2つの試料から得られたY値(白)、Y値(黒)、コントラスト値を平均したものである。
なお、比較例における消去ステップにおいても、凝集した白粒子15a,黒粒子15bの解離等を促進するため、実施例における第1直前電圧と同様の形態の電圧を印加した。
なお、比較例における書き込みステップにおいても、凝集した白粒子15a,黒粒子15bの解離等を促進するため、実施例における第2直前電圧と同様の形態の電圧を印加した。
・白粒子15a…酸化チタン(平均直径0.3〜0.5μm)
・黒粒子15b…カーボンブラックで着色されたアクリル樹脂粒子(平均直径5μm)
・分散媒15c…キシレン
・共通電極13と画素電極14との間隙…50μm
・Y値の測定方法
・以下の条件の下、JIS Z8722に準拠した方法にて測定した。
・測定機器…スガ試験機株式会社 MSC-IS-2B
・光源…12V50Wハロゲンランプ
・測色条件…D65光 10°視野
・測定領域…5φ
・標準白色面…付属の白色標準板
図9は、実施例および比較例におけるY値、コントラスト値を示し、図10は、実施例および比較例におけるコントラス値の推移をグラフとして示したものである。
また、比較例においても、上述のとおり、白表示におけるY値、および黒表示におけるY値を取得した。そして、これら測定したY値をもとにコントラスト値を取得した。図9(b)は、これら白表示におけるY値、黒表示におけるY値、コントラスト値を示したものである。
これらの結果から、本実施例におけるコントラスト値は、比較例におけるコントラスト値を上まわることが確認された。特に、5000回目の表示変更動作の終了以後は、コントラスト値に大きな差が生じることが確認された。このため、本実施形態における電圧の印加形態は、従来の電圧印加形態に比べ、コントラスト値の低下が抑制でき、表示品位の低下を抑制可能となる。
ここで、図11は、10000回目の表示変更動作終了後における電気泳動表示パネル10を拡大して示したものである。なお、図11(a)は、実施例における電気泳動表示パネル10の状態を示し、図11(b)は、比較例における電気泳動表示パネル10の状態を示している。
一方で実施例における電圧の印加形態の場合、図11(a)に示すように、グラデーション状の濃淡が観察されたものの、比較例において観察された散点状の凝集はほとんど確認されなかった。このため、本実施形態における電圧の印加形態は、従来における電圧の印加形態に比べ、白粒子15a,黒粒子15bの凝集等が抑制可能となり、表示品位の低下を抑制可能となる。
図12は、複数台の電気泳動表示装置1により構成した表示システムの概略を示した概略構成図である。
同図に示すように、本表示システムは、ネットワークに接続された複数(本実施形態においては3つ)の電気泳動表示装置1と、同じくネットワークに接続され電気泳動表示装置1の各々を個別に制御する制御端末70とから構成されている。
制御端末70は、上述のとおり、電気泳動表示装置1の各々を個別に制御する。また、制御端末70は、タイマー部(不図示)を備えている。
Claims (8)
- 第1の電極と、当該第1の電極の対向位置に配置される第2の電極とを備え、帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが当該第1の電極と当該第2の電極との間に配設される電気泳動表示パネルと、
前記電気泳動表示パネルの表示変更に際し、前記第1の電極と前記第2の電極とに対して第1の電圧を複数回印加する第1の印加手段と、
前記第1の印加手段による電圧印加の合間に、前記第1の電圧と同極性で絶対値の異なる第2の電圧を前記第1の電極と前記第2の電極とに対して印加する第2の印加手段と、
を含む電気泳動表示装置。 - 前記第1の印加手段による電圧印加および前記第2の印加手段による電圧印加が行われる前に、前記第1の電極と前記第2の電極とに対して交番電圧を印加する第3の印加手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
- 前記第2の電圧の大きさは、前記第1の電圧の大きさの50%以上85%以下であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
- 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルを制御する制御装置であって、
前記電気泳動表示パネルの表示変更に際し、前記第1の電極および前記第2の電極に対して第1の電圧を複数回印加し、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対して前記第1の電圧と同極性で絶対値の異なる第2の電圧を当該第1の電圧の印加の合間に印加する制御装置。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルにおける表示変更方法であって、
前記電気泳動表示パネルの表示変更に際し、前記第1の電極および前記第2の電極に対して第1の電圧を複数回印加し、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対して前記第1の電圧と同極性で絶対値の異なる第2の電圧を当該第1の電圧の印加の合間に印加する表示変更方法。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルを制御するコンピュータ装置に、
前記電気泳動表示パネルの表示変更に際し、前記第1の電極および前記第2の電極に対して第1の電圧を複数回印加し、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対して前記第1の電圧と同極性で絶対値の異なる第2の電圧を当該第1の電圧の印加の合間に印加する機能を実現させるためのプログラム。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルを制御する制御装置であって、
前記電気泳動表示パネルの表示変更に際し、第1の電圧と当該第1の電圧と同極性で絶対値の異なる第2の電圧とを前記第1の電極と前記第2の電極とに対し交互に印加する制御装置。 - 前記制御装置は、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを印加する前に、前記帯電粒子を振動させるための電圧を前記第1の電極および前記第2の電極に印加することを特徴とする請求項7記載の制御装置。
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