JP2009047318A - ロータリーキルンの運転方法 - Google Patents
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【解決手段】被処理物11をロータリーキルン1で熱分解ガス化させ、該ロータリーキルン出口側に付設されたストーカ式焼却炉2で燃焼させ、EGRガス4を前記ロータリーキルン1の被処理物投入側に還流して導入するとともに、ロータリーキルン1の被処理物投入側に空気5を導入するロータリーキルンの運転方法において、火炎10の発生位置をロータリーキルン被処理物投入側から1/3〜2/3の範囲域に位置するように可視カメラ6で監視し、さらにロータリーキルン1の出口側にサーモビューア15を設置して炉内温度域を検知するとともに、炉内を監視して前記EGRガス4と空気5の混合比を調整して運転制御する構成とする。
【選択図】図4
Description
焼却炉の運転に際しては、廃プラスチックの熱分解進行度、有害物質の発生抑制、炉壁の耐久性等の様々な問題を考慮した上で、炉内温度を最適に維持する必要がある。例えば、キルン出口の残渣が所定温度以下となると、その下流に位置するストーカ炉の火格子熱負荷が増大するため、火格子が溶融するなどのトラブルが発生する。一方、キルン出口の残渣が所定温度以上となるとキルン内での過度の燃焼によってキルン炉内壁の耐火材の侵食が著しくなるため、炉内の温度を常に好適に維持しなければならない。このように、焼却炉の運転を円滑に行なうためには炉内の温度管理が重要な要件となる。
特許文献1にて提供されている技術においては、ロータリーキルン内の各部の温度を熱電対で測定し、その温度が予め設定された許容範囲に入るように再循環ガス量を調整している。
さらに、熱電対により炉内温度を計測し、その温度が予め設定された許容範囲に入るように再循環ガス量を調整しても炉出口の被処理物や炉内の状態が分らないので、炉内の高温雰囲気による耐火壁の侵食は完全には防ぎきれない。炉内温度を計測するとともに炉内の監視を行なうことは、炉の寿命や補修時期を適切に把握して運転を行なううえで非常に重要である。
前記EGRガスと空気の混合比を調整して火炎の発生位置をロータリーキルン被処理物投入側から1/3〜2/3の範囲域となる位置に制御することを特徴とする。
これにより、ロータリーキルンを運転させながら火炎の発生位置を監視することができるので、空気量を増減させて火炎の発生位置を適宜調整することができる。また、ロータリーキルン投入側に可視カメラを設けることで、投入される被処理物のごみ質や移送速度が不確定であっても着火点を監視することができる。
これにより、可視カメラの視認性を損なうことなく火炎の発生位置を監視し続けることが可能となる。
このようにして、熱分解温度を500±50℃とすることにより、過燃焼することなく被処理物中に含まれる高分子系のごみをガス化することができる。よって、カロリーの減った状態で被処理物をストーカ炉に供給することが可能となる。
温度分布検知機器としてサーモビューアを用いることにより、炉内温度分布を検知することが可能となる。また、温度を検知するとともに、ロータリーキルン出口側の被処理物の攪拌状況を監視することができるので、例えばロータリーキルン内壁に設けられ被処理物を攪拌するリフター(堰)の健全性を判断することができる。リフターの健全性を確認することは、ロータリーキルン内の被処理物温度を均一に上昇させるうえで非常に重要である。
また、ロータリーキルンを運転させながら火炎の発生位置を監視することができるので、空気量を増減させて火炎の発生位置を適宜調整することができ、更に投入される被処理物のごみ質や移送速度が不確定であっても着火点を監視することができる。
また、可視カメラの視認性を損なうことなく火炎の発生位置を監視し続けることが可能となる。
さらに、熱分解温度と500±50℃とすることにより、過燃焼することなく被処理物中に含まれる高分子系のごみをガス化することができ、カロリーの減った状態で被処理物をストーカ炉に供給することが可能となる。
さらにまた、温度分布検知機器としてサーモビューアを用いることにより、炉内温度分布を検知することが可能となる。また、温度を検知するとともに、ロータリーキルン出口側の被処理物の攪拌状況を監視することができるので、例えばロータリーキルン内壁に設けられ被処理物を攪拌するリフター(堰)の健全性を判断することができる。また、被処理物のごみ質によって放射率が変化した場合でも定期的に熱電対で校正することができる。
図1は実施例1に係るロータリーキルンを具備した処理装置を示す概略図、図2は実施例1の立体断面図(図1中A−A線断面図)、図3は実施例1の試験条件とそれに対応する結果を示す図、図4は実施例2に係るロータリーキルンを具備した処理装置を示す概略図である。
なお、本実施例で用いる被処理物は、プラスチックなどの高分子系ごみや木質を含むごみを使用している。
図1に示した処理装置は、ロータリーキルン1と、ロータリーキルン出口側に付設されたストーカ式焼却炉2とで構成されている。ロータリーキルン1の内壁には、耐火物12が内張され、耐火物12よりも炉内側へ突出したリフター(図示しない)がロータリーキルン1の内周上に複数配設されている。さらにロータリーキルン1は、被処理物11を投入する投入ホッパ3と、被処理物投入側(キルン入口側)に設置された可視カメラ6と、その他端となるキルン出口側に挿入可能な熱電対9とで構成されている。
なお、ストーカ式焼却炉2で抜き出されたEGRガス4はバグフィルタ(図示しない)を通してからロータリーキルン1へ供給される。
図2は、ロータリーキルン入口側を側部から見た断面図(図1中A−A線断面図)であり、EGRガス4と空気5の混合ガス通路21と、可視カメラ6の配置の一例を略式的に示すものである。
なお、火炎10がロータリーキルン被処理物投入側に寄り過ぎると投入ホッパ3が高温になったり、すすやNOxの量が増大したりする。また、火炎10がロータリーキルン被処理物投入側から遠ざかって出口側に寄りすぎるとストーカ式焼却炉2の炎と共に被処理物11が加熱されすぎてしまうので、被処理物11がストーカ式焼却炉2に移送される前に燃焼してしまう可能性がある。
その他、空気量は被処理物のごみ質の割合やロータリーキルン1の燃焼状態、耐火物12の健全性によって増減させる。空気量は、ロータリーキルン1の運転を制御する操作端として重要な役割を果たす。また、操作端として空気量のほかにロータリーキルン1の回転数を調整することも好適に用いられる。
また、ロータリーキルン1の投入側に設けた可視カメラ6で火炎10の発生位置を監視することができるので、空気5を増減させて火炎10の発生位置を適宜調整することができ、更に投入される被処理物11のごみ質や移送速度が不確定であっても着火点を監視することができる。
そして、火炎10の発生位置に好ましいロータリーキルン投入側から1/3〜2/3の範囲域では、可視カメラ6の視認性を損なうことなく火炎の発生位置を監視し続けることが可能であり、且つ被処理物11に含まれる高分子系ごみの揮発が十分に行なうことが期待できる。
図4に示した処理装置は、実施例1と同様に、ロータリーキルン1と、ロータリーキルン出口側に付設されたストーカ式焼却炉2とで構成されている。ロータリーキルン1の内壁には、耐火物12が内張され、耐火物12よりも炉内側へ突出したリフター(図示しない)がロータリーキルン1の内周上に複数配設されている。さらにロータリーキルン1は、被処理物11を投入する投入ホッパ3と、被処理物投入側(キルン入口側)に設置された可視カメラ6と、その他端となるキルン出口側に備えられた熱電対9とで構成されている。なお、ここで用いる熱電対は消耗型ではない。
なお、ストーカ式焼却炉2で抜き出されたEGRガス4はバグフィルタ(図示しない)を通してからロータリーキルン1へ供給される。
リフターの健全性が損なわれると、ロータリーキルン1内の被処理物11が十分に攪拌されないので、被処理物11の温度が均一にならない。よって、リフターの健全性を確認することは、ロータリーキルン内の被処理物温度を均一に上昇させるうえで非常に重要である。
2 ストーカ式焼却炉
3 投入ホッパ
4 EGRガス
5 空気
6 可視カメラ
9 熱電対
12 耐火材
15 サーモビューア
Claims (6)
- 被処理物をロータリーキルンで熱分解ガス化させ、該ロータリーキルン出口側に付設されたストーカ式焼却炉で燃焼させ、前記ストーカ式焼却炉で燃焼後の再循環ガス(以下、EGRガスとする)を前記ロータリーキルンの被処理物投入側に還流して導入するとともに、ロータリーキルンの被処理物投入側に空気を導入するロータリーキルンの運転方法において、
前記EGRガスと空気の混合比を調整して火炎の発生位置をロータリーキルン被処理物投入側から1/3〜2/3の範囲域となる位置に制御することを特徴とするロータリーキルンの運転方法。 - 請求項1記載のロータリーキルンの運転方法において、
前記ロータリーキルンの被処理物投入側に可視カメラを設けて前記火炎の発生位置を検知し、該火炎の発生位置により空気量を増減させることを特徴とするロータリーキルンの運転方法。 - 前記ロータリーキルンの被処理物投入側ですすが発生し前記可視カメラの視認性が低下したときに空気量を減少させて前記火炎の発生位置を該被処理物投入側から遠ざけることを特徴とする請求項1、2記載のロータリーキルンの運転方法。
- 前記ロータリーキルンの出口側にロータリーキルンの炉内温度域を検知する温度分布検知機器を設置し、該温度分布検知機器で検知された熱分解温度が500±50℃となるように前記EGRガスと空気の混合比を調整することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のロータリーキルンの運転方法。
- 前記温度分布検知機器がサーモビューアであることを特徴とする請求項4記載のロータリーキルンの運転方法。
- 前記ロータリーキルンの出口側から熱電対を挿入して該ロータリーキルン内壁の耐火物の表面温度若しくは残渣温度を測定し、前記温度分布検知機器とともに熱分解温度を検知することを特徴とする請求項4、5記載のロータリーキルンの運転方法。
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