JP2009046450A - 抗がん剤へのヒアルロン酸添加 - Google Patents

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Abstract

【課題】腹腔内投与された抗がん剤の効果を十分発揮させる目的で、抗がん剤が腹腔内に長時間留まることを可能にする方法を提供すること。
【解決手段】架橋ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤;架橋ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の効果増強剤;架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせてなるがん治療薬;架橋ヒアルロン酸を腹腔内投与することを特徴とする抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法;架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせて腹腔内経路により投与することを特徴とするがん治療方法;並びに抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造、腹腔内経路により投与されるがん治療薬の製造、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法、および抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法における架橋ヒアルロン酸の使用。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒアルロン酸を含んでなる抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤、およびヒアルロン酸を腹腔内投与することを特徴とする抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法に関する。また本発明は、ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の効果増強剤に関する。さらに本発明は、ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせてなるがん治療薬、およびヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせて腹腔内経路により投与することを特徴とするがん治療方法に関する。また本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造、腹腔内経路により投与されるがん治療薬の製造、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法、および抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法におけるヒアルロン酸の使用に関する。
日本人のがんによる死亡数は年々増加している。その中でも胃癌による死亡数は上位を占め、男性では死亡原因の第2位となっている。その原因の1つとして、根治不可能と考えられる進行・再発胃癌の多くは腹膜播種を合併していることが挙げられる。
腹膜播種の予防および/または治療法の確立はがん治療戦略上極めて重要である。しかしながら、腹膜播種は治療が困難であり、化学療法、腹腔内温熱化学療法、腹腔内免疫療法などが試みられてきたが、現在のところ確立した治療方法はない。がんによる腹膜播種に対する化学療法において、経静脈的な全身投与により抗がん剤を投与した場合、血液腹膜関門が存在するため腹腔内への薬物の移行が悪く、十分な薬効作用を発揮できない。そのため、腹腔内に抗がん剤を直接投与すること(腹腔内化学療法)で薬効を促すことは既に臨床的にも行われている。しかし腹腔内に投与された薬剤は腹膜より速やかに吸収され腹腔内より消失するため、その効果が不十分な例が存在する。薬効を十分に発揮させるためには腹腔内に長く貯留させるような方法が不可欠である。今までに、高分子量物質である6%ヒドロキシエチルスターチを抗がん剤パクリタキセルの担体溶液として使用することにより、インビボモデルにおいて腹腔内に留まる薬剤容量およびパクリタキセルの濃度の増加を達成したことが報告されている(非特許文献1)。また、高分子量物質であるイコデキストリン(icodextrin)を担体溶液として使用することにより、インビボモデルにおいて腹腔内に留まる薬剤容量が飛躍的に増加したことが報告されている(非特許文献2)。
ヒアルロン酸は、ムコ多糖類であるグリコサミノグリカンの一種であり、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸の2糖単位が連結した構造からなる高分子物質である。ヒアルロン酸は、人体を構成する物質の一つであり、保水性に優れ、既に医療分野において、例えば関節症やドライアイに対する治療に、あるいは美容形成分野に応用されている。このようにヒアルロン酸は、生体に対して安全に使用できる医用材料である。また、最近、ヒアルロン酸を抗がん剤と共に、子宮頸癌細胞株を腹腔内投与したマウスの腹腔内に投与することにより、該マウスにおいて延命および腹水減少の効果が認められたことが報告されている(非特許文献3)。
モハメッド(F.Mohamed)ら、「キャンサー ケモセラピー アンド ファーマコロジー(Cancer Chemotherapy and Pharmacology)」、2003年、第52巻、第5号、p.405−410。 ホウジー(K.Hosie)ら、「ドラッグ デリバリー(Drug Delivery)」、2001年、第8巻、第1号、p.9−12。 ジン(Dian−shu Yin)ら、「キャンサー レターズ(Cancer Letters)」、2006年、第243巻、第1号、p.71−79。
本発明の課題は、腹腔内投与した抗がん剤の効果を十分発揮させる目的で、抗がん剤が腹腔内に長時間留まることを可能にする方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を進めたところ、架橋ヒアルロン酸を抗がん剤と組み合わせて腹腔内に投与することにより、投与された抗がん剤を腹腔内に長期貯留させることができ、その結果、マウス腹腔播種モデルにおいて、抗がん剤のみを投与したときと比較して腹腔播種結節数をより減少させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、架橋ヒアルロン酸を含んでなり、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤に関する。
また本発明は、架橋ヒアルロン酸を含んでなり、抗がん剤と組み合わせて腹腔内経路により投与されたときに該抗がん剤の腹膜播種結節低減効果を増強する作用を示すことを特徴とする、抗がん剤の効果増強剤に関する。
さらに本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とを組み合わせてなり、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、がん治療薬に関する。
さらにまた本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とからなる配合剤であって、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、がん治療薬に関する。
また本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とからなるキットであって、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、がん治療薬に関する。
さらに本発明は、腹膜播種の予防および/または治療に使用される、前記いずれかのがん治療薬に関する。
さらにまた本発明は、架橋ヒアルロン酸を腹腔内経路により投与することを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法に関する。
また本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤を、抗がん剤と組み合わせて腹腔内経路により投与することを特徴とする、がん治療方法に関する。
さらに本発明は、腹膜播種の予防および/または治療に使用される、前記がん治療方法に関する。
さらにまた本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造における、架橋ヒアルロン酸の使用に関する。
また本発明は、腹腔内経路により投与されるがん治療薬の製造における、架橋ヒアルロン酸の使用に関する。
さらに本発明は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法における、架橋ヒアルロン酸の使用に関する。
さらにまた本発明は、抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法における、架橋ヒアルロン酸の使用に関する。
本発明により、架橋ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤、架橋ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の効果増強剤、および架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせてなるがん治療薬を提供できる。また本発明により、架橋ヒアルロン酸を腹腔内投与することを特徴とする抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法、架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせて腹腔内投与することを特徴とするがん治療方法を提供できる。さらに本発明により、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造、腹腔内投与されるがん治療薬の製造、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法、および抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法への架橋ヒアルロン酸の使用を実施できる。
本発明に係る薬剤、方法および使用により、腹腔内に投与された抗がん剤の腹腔内貯留時間を延長することができ、その結果、腹腔内において抗がん剤の効果を十分発揮させることができる。このように本発明により、腹腔内に存在する臓器に発生するがん、例えば胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌、胆のう癌、卵巣癌、子宮癌、腎臓癌、尿管癌、および腹膜癌、並びにこれらのがんに合併する腹腔播種の予防および/または治療を有効に実施できる。
本発明の1つの側面によれば、架橋ヒアルロン酸を含んでなり、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤を提供できる。また、架橋ヒアルロン酸を腹腔内経路により投与することを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法を提供できる。
本発明に係る抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤および腹腔内貯留時間延長方法は、抗がん剤と組み合わせて腹腔内に投与されたときに該抗がん剤の腹腔内貯留時間を延長することができるため、腹腔内における該抗がん剤の殺細胞効果発現濃度を長く維持することができる。その結果、本発明に係る抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤および腹腔内貯留時間延長方法を使用しないときと比較して、抗がん剤の効果を増強することができる。
本発明の別の1つの側面によれば、したがって、架橋ヒアルロン酸を含んでなる、抗がん剤の効果増強剤を提供できる。
本発明に係る抗がん剤の効果増強剤は、抗がん剤と組み合わせて腹腔内経路により投与されたときに、該抗がん剤の効果、例えば腹膜播種結節低減効果を増強する作用を示すことを特徴とする。
「腹膜播種」とは、腹腔内に存在する臓器に発生したがんの表面から癌細胞が剥がれ落ちて腹膜に付着し細胞分裂を繰り返して増殖した結果、視認できる大きさの粒子状結節若しくは塊が腹膜上に形成された状態を意味する。「腹膜播種結節」とは、腹膜播種で認められる、腹膜上の癌細胞からなる粒子状結節若しくは塊を意味する。
腹膜播種は、進行・再発胃癌の多くに合併することが知られており、がん治療を困難にする原因の1つと考えられている。腹膜播種は、胃癌のほか、腹腔内に存在する臓器に発生するがん、例えば大腸癌、卵巣癌、子宮体癌、胆のう癌、尿管癌などに合併することが知られている。
本発明のまた別の1つの側面によれば、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とを組み合わせてなるがん治療薬を提供できる。また、本発明において、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とを組み合わせて腹腔内経路により投与することを特徴とするがん治療方法を提供できる。
本発明に係るがん治療剤は、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とからなる配合剤またはキットとして提供できる。
「配合剤」とは、複数の成分が混合された単一の組成物を意味する。すなわち、本発明に係るがん治療剤が配合剤として提供される場合、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とが混合された単一の組成物が提供される。
「キット」とは複数の別個の組成物を一式にして用いるものを意味する。本発明に係るがん治療剤がキットとして提供される場合、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とは別個に包装されて提供されるが、これらを同時に投与することができる。同時に投与するとは、全く同時に投与することのほか薬理学上許される程度に相前後した時間に投与することも含む。一般に、同時に投与するのが好ましい。より好ましくは、用事混合して単一の組成物として使用することが適当である。
本発明に係るがん治療方法において、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とを組み合わせて投与するとは、これらを同時に投与することを意味する。同時に投与するとは、全く同時に投与することのほか薬理学上許される程度に相前後した時間に投与することも含む。一般に、同時に投与するのが好ましい。より好ましくは、用事混合して単一の組成物として投与することが適当である。
投与は腹腔内経路により行われる。「腹腔内経路により投与」とは、薬剤を腹腔内に直接投与することを意味する。腹腔内への薬剤の投与は、例えば注射により、あるいはカテーテルを用いて実施できる。
「架橋ヒアルロン酸」とは、ヒアルロン酸分子中のいくつかの特定の原子間に化学結合が形成され、その結果三次元網状構造が形成されたヒアルロン酸を意味する。ヒアルロン酸の架橋は、架橋剤、例えばビスエポキシド類、ジビニルスルホン、ジヒドラジン、ジヒドラジド、またはポリイソシアネートを用いる公知の化学的架橋方法(欧州特許公開第0161887号、欧州特許公開第0265116号、米国特許公開第4716154号など)により実施できる。
本発明において使用するヒアルロン酸は、架橋ヒアルロン酸である限りにおいていずれのヒアルロン酸であってもよい。架橋ヒアルロン酸として、Q−Med社(スウェーデン)製の架橋ヒアルロン酸であるレスチレン登録商標を好ましく挙げることができる。レスチレン登録商標は、一般に膝関節などに注射されるヒアルロン酸と異なり、動物由来のヒアルロン酸ではなく、化学的に架橋されており、形状の安定化が高いため固形状を維持できるヒアルロン酸であり、NASHA(Non−Animal Stabilized Hyaluronic Acid)と呼ばれる。レスチレン登録商標は、高い安全性によりアメリカ合衆国の食品医薬品局によりシワ治療に対する使用が認可されている。Q−Med社の多糖ゲル組成物については特許出願がなされており(国際公開第97/04012号パンフレット)、日本国において特許されている(日本特許第3094074号)
架橋ヒアルロン酸は、架橋されていないヒアルロン酸(以下、非架橋ヒアルロン酸と称する)と比較して、その三次元網状構造ゆえに保水性や安定性により優れている。実際、後述する実施例に示すように、架橋ヒアルロン酸であるNASHAと抗がん剤であるタキソールとを組み合わせてマウス腹腔播種モデルに投与したところ、タキソール単独投与に比べ腹膜播種結節数の低減が認められ、架橋ヒアルロン酸がタキソールの抗腫瘍効果増強作用を示すことが判明したが、これに対し、非架橋ヒアルロン酸であり分子量190万〜250万のスベニール登録商標(中外製薬社製)とタキソールとの組み合わせではこのような増強作用は見られなかった。したがって、本発明においては、架橋ヒアルロン酸の使用が好ましい。
ヒアルロン酸は生体を形成する物質でわれわれの体内にも生理的に存在するものであり、それゆえ副作用がほとんど認められず生体に対して安全に使用できる医用材料である。架橋ヒアルロン酸もヒアルロン酸と同様、生体に対して安全に使用できる。
架橋ヒアルロン酸の用量は、約1%容量〜約50%容量であり、好ましくは約1%容量〜約10%容量であり、より好ましくは約1%容量〜約5%容量である。架橋ヒアルロン酸による抗がん剤の腹腔内貯留時間延長効果および抗がん剤の効果増強効果は、その量に非依存的であるため、約1%より少ない容量であってもこのような効果が得られることは十分に考え得る。使用する架橋ヒアルロン酸の量は、後述する実施例に示したようなマウス腹腔播種モデルを使用して実施例と同様な方法により決定することができる。
「抗がん剤」とは、癌細胞の破壊や死滅などの殺細胞効果を持つ薬剤を意味する。
本発明において抗がん剤は、一般的にがん治療に使用されている抗がん剤であればいずれであってもよい。具体的には、タキサン系薬剤、白金製剤、ニトロソウレア系薬剤、窒素マスタード系薬剤、トリアジン系薬剤、アンスラサイクリン系薬剤、ビンカアルカロイド系薬剤、エピポドフィロトキシン系薬剤、カンプトテシン系薬剤、およびフッ化ピリミジン系薬剤を例示できる。タキサン系薬剤として、タキソール、タキソテール、パクリタキセル、およびドセタキセルを例示できる。白金製剤として、シスプラチンおよびカルボプラチンを例示できる。ニトロソウレア系薬剤として、カルムスチンおよびロムスチンを例示できる。窒素マスタード系薬剤として、シクロホスファミドを例示できる。トリアジン系薬剤として、ダカルバジンを例示できる。アンスラサイクリン系薬剤として、ドキソルビシンおよびブレオマイシンを例示できる。ビンカアルカロイド系薬剤として、ビンクリスチンおよびビンブラスチンを例示できる。エピポドフィロトキシン系薬剤として、エトポシドを例示できる。カンプトテシン系薬剤として、イリノテカンを例示できる。フッ化ピリミジン系薬剤として、S−1を例示できる。本発明において抗がん剤として、好ましくは、タキソールやパクリタキセルを例示できる。抗がん剤は1種類を使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
抗がん剤の用量は、抗がん剤の種類によって異なり、一般的に治療に使用されている用量を適宜選択して決定することができる。
架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤と抗がん剤とを組み合わせてなるがん治療薬には、該薬剤および抗がん剤のほかに医薬上許容される担体される担体を含有させることができる。また、架橋ヒアルロン酸を含んでなる薬剤に架橋ヒアルロン酸のほかに医薬上許容される担体される担体を含有させることができる。
医薬用担体として、製剤の使用形態に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤や賦形剤などを例示できる。これらは得られる製剤の投与形態に応じて適宜選択使用される。
例えば水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトースなどが挙げられる。これらは、剤形に応じて適宜1種類または2種類以上を組み合わせて使用される。
所望により、通常の蛋白質製剤に使用され得る各種の成分、例えば安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤などを適宜使用して調製することもできる。
安定化剤としては、例えばヒト血清アルブミンや通常のL−アミノ酸、糖類、セルロース誘導体などを例示でき、これらは単独でまたは界面活性剤などと組み合わせて使用できる。特にこの組み合わせによれば、有効成分の安定性をより向上させ得る場合がある。上記L−アミノ酸は、特に限定はなく、例えばグリシン、システイン、グルタミン酸などのいずれでもよい。糖類も特に限定はなく、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース、果糖などの単糖類、マンニトール、イノシトール、キシリトールなどの糖アルコール、ショ糖、マルトース、乳糖などの二糖類、デキストラン、ヒドロキシプロピルスターチ、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの多糖類などおよびそれらの誘導体などのいずれでもよい。セルロース誘導体も特に限定はなく、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのいずれでもよい。界面活性剤も特に限定はなく、イオン性および非イオン性界面活性剤のいずれも使用できる。これには、例えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル系、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル系、ソルビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系などが包含される。
緩衝剤として、ホウ酸、リン酸、酢酸、クエン酸、ε−アミノカプロン酸、グルタミン酸および/またはそれらに対応する塩(例えばそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩)などを例示できる。
等張化剤として、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、グリセリンなどを例示できる。
キレート剤として、例えばエデト酸ナトリウム、クエン酸などを例示できる。
本発明を適用できるがん疾患として、腹腔内に存在する臓器に発生するがん、例えば胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌、胆のう癌、卵巣癌、子宮癌、腎臓癌、尿管癌、腹膜癌などを挙げることができる。本発明は、これらがん疾患の治療や再発の防止に有効に使用できる。また、本発明は、がん疾患に合併する腹腔播種の予防および/または治療に有効に使用できる。
さらに本発明の別の1つの側面によれば、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造、腹腔内経路により投与されるがん治療薬の製造、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法、および抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法における架橋ヒアルロン酸の使用を提供できる。
本発明は下記実施例により説明されるが、当該実施例は本発明を限定的に解釈することを意図するものではない。
腹膜播種に対する抗がん剤の効果への架橋ヒアルロン酸の影響を、マウス腹膜播種モデルを使用して検討した。
抗がん剤としてタキソールを使用した。タキソールは腹腔播種の治療に臨床的に使用されている。タキソールの腹腔内投与の利点として、静脈内投与に比し腹腔内での濃度を高く到達させ得ること、さらに腹腔から血中に移行するタキソールの濃度は静脈内投与に比べ低く、それによる有害事象の出現率が低下することが挙げられる。そのため腹膜播種結節に対する直接的な効果が期待されるが、しかし腹腔からの消失は速やかで殺細胞効果発現濃度を維持している時間はそれほど長くない。そこで高分子物質であるヒアルロン酸を添加することでこの殺細胞効果発現濃度の維持、並びにそれによる播種結節に対する効果の優位性を検討した。
架橋ヒアルロン酸として、NASHA(Q−Med社製)を使用した。
マウス腹膜播種モデルは、BALB/cヌードマウスに、胃癌細胞株MKN45Pを3.0×10個腹腔内に注射することにより作成した。
(方法)
4群のマウス腹膜播種モデルを用い、3回のタキソール投与による化学療法の抗腫瘍効果に対する架橋ヒアルロン酸の効果を検討した。4群のマウスには、1mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、タキソール(20mg/kg)を含む1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と5%NASHAとを含む1mlのPBS、およびクレモフォールと5%NASHAとを含む1mlのPBSをそれぞれ投与した。クレモフォールはタキソールの溶媒であり、上記タキソールに含まれるのと同量をタキソールのコントロールとして使用した。投与は、マウス腹膜播種モデル作成の1週後より、腹腔内経路により週1回の頻度で3回行った。効果の判定は、最終投与より1週後に行った。
マウス腹膜播種モデルにおける抗がん剤の効果への架橋ヒアルロン酸の影響は、マウスを開腹し形成された腹膜播種結節数を計測することにより判定した。
つぎに、5群のマウス腹膜播種モデルを用い、3回のタキソール投与による化学療法の抗腫瘍効果に対する架橋ヒアルロン酸の濃度依存性効果を検討した。5群のマウスには、1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)を含む1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と1%NASHAとを含む1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と5%NASHAとを含む1mlのPBS、およびタキソール(20mg/kg)と10%NASHAとを含む1mlのPBSをそれぞれ投与した。投与は、マウス腹膜播種モデル作成の1週後より、腹腔内経路により週1回の頻度で3回行った。効果の判定は、最終投与より1週後に上記同様に行った。
さらに、5群のマウス腹膜播種モデルを用い、単回のタキソールによる化学療法の抗腫瘍効果に対する架橋ヒアルロン酸の濃度依存性効果を検討した。5群のマウスには、1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)を含む1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と1%NASHAとを含む1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と10%NASHAとを含む1mlのPBS、およびタキソール(20mg/kg)と50%NASHAとを含む1mlのPBSをそれぞれ投与した。投与は、マウス腹膜播種モデル作成の1週後に、腹腔内経路により1回行った。効果の判定は、薬剤投与より3週後に上記同様に行った。
(結果)
腹腔播種結節数は、タキソールの3回腹腔内投与群でコントロール群と比較して減少が認められ、さらに、NASHAとタキソールとを組み合わせて3回腹腔内投与した群で、タキソール単独投与群と比較して有意に減少が認められた(図1)。具体的には、腹腔播種結節数はNASHAとタキソールとを組み合わせて投与した群で14±3.6個であり、これに対し、タキソール単独腹腔内投与群では4.8±0.84個であった(P=0.0005)。また、腹腔播種結節数は、1%NASHAとタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群においても、タキソール単独腹腔内投与群のものと比較して有意に減少しており、5%または10%のNASHAとタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群と同程度であった(図2)。
腹腔播種結節数は、タキソールの単回投与群でもコントロール群と比較して減少が認められ、さらに、NASHAとタキソールとを組み合わせて単回腹腔内投与した群で、タキソール単独腹腔内投与群と比較して有意に減少が認められた(図3)。NASHAの濃度は腹腔播種結節数の減少に影響しなかった。
(考察)
タキソールと架橋ヒアルロン酸であるNASHAを組み合わせて腹腔内投与することにより、腹膜播種に対するタキソールの抗腫瘍効果の増強が認められた。これら結果から、架橋ヒアルロン酸は腹腔内におけるタキソールの抗腫瘍効果増強作用を有すると考えることができる。タキソールと組み合わせる架橋ヒアルロン酸の濃度は、1%でも50%でも変わりはなく、架橋ヒアルロン酸の作用に1%以上では明らかな濃度依存性はない。
腹膜播種結節内の抗がん剤濃度に対する架橋ヒアルロン酸の影響について、マウス腹膜播種モデルを使用して検討した。また、腹腔内投与薬液の腹腔内残量に対する架橋ヒアルロン酸の影響について、BALB/cマウスを使用して検討した。
抗がん剤としてタキソールを、架橋ヒアルロン酸として、NASHA(Q−Med社製)を使用した。
マウス腹膜播種モデルは、実施例1に記載の方法と同様の方法で作成した。
(方法)
タキソール単回腹腔内投与後の腹膜播種結節内タキソール濃度に対する架橋ヒアルロン酸の効果を、4群のマウス腹膜播種モデルを用いて検討した。2群にはタキソール(20mg/kg)を含む1mlのPBSを、別の2群にはタキソール(20mg/kg)と5%NASHAとを含む1mlのPBSを投与した。投与は、マウス腹膜播種モデル作成の3週後に腹腔内経路により1回行った。
マウス腹膜播種モデルにおける腹膜播種結節内の抗がん剤濃度への架橋ヒアルロン酸の影響は、投与から3時間または12時間後にマウスを開腹し結節内のタキソール濃度を測定することにより判定した。
さらに、腹腔内投与薬液の腹腔内貯留時間への架橋ヒアルロン酸の影響をBALB/cマウスを用いて経時的に検討した。一方のマウスには5mLのPBSを、他方のマウスには5%NASHAを含む5mLのPBSを腹腔内投与し、投与開始後から90分、180分、および360分後に開腹して、腹腔内に残留した液体成分を測定した。
(結果)
播種結節内タキソール濃度は、薬剤投与後3時間または12時間のいずれにおいても、NASHAとタキソールとを組み合わせて投与した群で、タキソール単独投与群と比較して高値であることが判明した(図4)。さらに、24時間後の播種結節内タキソール濃度も、NASHAとタキソールとを組み合わせて投与した群で、タキソール単独投与群と比較して高値であった(1610ng/g vs. 336ng/g)。
投与薬液の腹腔内残量の検討では、NASHAの添加による投与残量の増加を認めた(図5)。
(考察)
架橋ヒアルロン酸であるNASHAを薬剤と組み合わせて腹腔内投与することにより、腹膜播種結節内に薬剤を高濃度に取り込ませることができる。また、架橋ヒアルロン酸を薬剤と組み合わせて投与することにより、腹腔内投与薬液の腹腔内貯留時間を延長することができる。
実施例1の結果と併せて考察すると、架橋ヒアルロン酸をタキソールと組み合わせて腹腔内投与することにより得られる腹膜播種に対する抗腫瘍効果の増強は、架橋ヒアルロン酸の投与薬剤保持作用によるものと考えられる。ヒアルロン酸は生体を形成する物質でわれわれの体内にも生理的に存在し、これまで様々な薬品としても既に使用されているため、坑がん剤の基質としての臨床応用が期待される。
マウス腹膜播種モデルにおける抗がん剤の効果への架橋ヒアルロン酸の影響を、非架橋ヒアルロン酸と比較検討した。
抗がん剤としてタキソールを使用した。
架橋ヒアルロン酸として、NASHA(Q−Med社製)を使用した。また、非架橋ヒアルロン酸として、スベニール登録商標(中外製薬社製)を使用した。スベニールは分子量190万〜250万のヒアルロン酸ナトリウムを含む製剤である。
マウス腹膜播種モデルは、実施例1に記載の方法と同様の方法で作成した。
(方法)
3群のマウス腹膜播種モデルを用い、3回のタキソール投与による化学療法の抗腫瘍効果に対する各ヒアルロン酸の効果を検討した。3群のマウスには、1mlのPBS、タキソール(20mg/kg)と10%NASHAとを含む1mlのPBS、およびタキソール(20mg/kg)と10%スベニール登録商標とを含む1mlのPBSをそれぞれ投与した。投与は、マウス腹膜播種モデル作成の1週後より、腹腔内経路により週1回の頻度で3回行った。効果の判定は、最終投与より1週後に行った。
マウス腹膜播種モデルにおける抗がん剤の効果への架橋ヒアルロン酸の影響は、マウスを開腹し形成された腹膜播種結節数を計測することにより判定した。
(結果)
腹腔播種結節数は、10%NASHAとタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群で、コントロール群より有意に減少が認められた(図6)。このことから、NASHAがタキソールの抗腫瘍効果増強作用を示すことが判明した。これに対し、10%スベニール登録商標とタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群では、このような増強作用は見られなかった。
(考察)
腹膜播種に対する抗がん剤の効果の増強には、非架橋ヒアルロン酸より架橋ヒアルロン酸が有効であると考えられる。
本発明に係る薬剤、方法および使用は、腹腔内に投与された抗がん剤の腹腔内貯留時間の延長効果を有し、そのため、抗がん剤の十分な効果をもたらすものである。本発明により、腹腔内に存在する臓器に発生するがんやそれに合併する治療困難な腹膜播種の有効な治療が可能になる。このように、本発明は、医薬分野における利用可能性が極めて高く有用である。
マウス腹腔播種モデルで形成された腹腔播種結節数が、5%NASHAとタキソールとを組み合わせて3回腹腔内投与した群で、タキソール単独3回腹腔内投与群より有意に減少したことを示す図である。図中、Cont.はPBS投与群、Txはタキソール投与群、HA+Txは5%NASHAとタキソール投与群、HA+Crは5%NASHAとクレモフォール投与群を表す。(実施例1) マウス腹腔播種モデルで形成された腹腔播種結節数が、NASHAとタキソールとを組み合わせて3回腹腔内投与した群で、タキソール単独3回腹腔内投与群より有意に減少したこと、およびNASHAの効果が濃度非依存的であることを示す図である。図中、PBSはPBS投与群、Txはタキソール投与群、1%HA+Txは1%NASHAとタキソール投与群、5%HA+Txは5%NASHAとタキソール投与群、10%HA+Txは10%NASHAとタキソール投与群を表す。(実施例1) マウス腹腔播種モデルで形成された腹腔播種結節数が、NASHAとタキソールとを組み合わせて単回腹腔内投与した群で、タキソール単独単回腹腔内投与群より有意に減少したこと、およびNASHAの効果が濃度非依存的であることを示す図である。図中、PBSはPBS投与群、Txはタキソール投与群、1%HA+Txは1%NASHAとタキソール投与群、10%HA+Txは10%NASHAとタキソール投与群、50%HA+Txは50%NASHAとタキソール投与群を表す。(実施例1) マウス腹腔播種モデルで形成された腹腔播種結節内のタキソール濃度が、薬剤投与後3時間(3H)または12時間(12H)のいずれにおいても、NASHAとタキソールとを組み合わせて投与した群(黒カラムで示す)で、タキソール単独投与群(白カラムで示す)と比較して高値であったことを示す図である。(実施例2) BALB/cマウスに腹腔内投与したPBSの腹腔内残量が、PBSに5%NASAHを混じること(黒四角で示す)によって、薬液のみ投与した(白四角で示す)ときと比較して増加したことを経時的に示す図である。(実施例2) マウス腹腔播種モデルで形成された腹腔播種結節数が、10%NASHAとタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群で、コントロール群より有意に減少が認められたが、これに対し、10%スベニール登録商標とタキソールとを組み合わせて腹腔内投与した群では、このような増強作用が見られなかったことを示す図である。図中、NCはPBS投与群、10%NASHA+Txは10%NASHAとタキソール投与群、10%スベニール+Txは10%スベニール登録商標とタキソール投与群を表す。(実施例3)

Claims (13)

  1. 架橋ヒアルロン酸を含んでなり、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤。
  2. 架橋ヒアルロン酸を含んでなり、抗がん剤と組み合わせて腹腔内経路により投与されたときに該抗がん剤の腹膜播種結節低減効果を増強する作用を示すことを特徴とする、抗がん剤の効果増強剤。
  3. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とを組み合わせてなり、腹腔内経路により投与されることを特徴とする、がん治療薬。
  4. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とからなる配合剤であることを特徴とする、請求項3に記載のがん治療薬。
  5. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤と、有効量の抗がん剤とからなるキットであることを特徴とする、請求項3に記載のがん治療薬。
  6. 腹膜播種の予防および/または治療に使用される、請求項3から5のいずれか1項に記載のがん治療薬。
  7. 架橋ヒアルロン酸を腹腔内経路により投与することを特徴とする、抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法。
  8. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長に有効な量の架橋ヒアルロン酸を含有してなる薬剤を、抗がん剤と組み合わせて腹腔内経路により投与することを特徴とする、がん治療方法。
  9. 腹膜播種の予防および/または治療に使用される、請求項8に記載のがん治療方法。
  10. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長剤の製造における、架橋ヒアルロン酸の使用。
  11. 腹腔内経路により投与されるがん治療薬の製造における、架橋ヒアルロン酸の使用。
  12. 抗がん剤の腹腔内貯留時間延長方法における、架橋ヒアルロン酸の使用。
  13. 抗がん剤の腹腔内投与によるがん治療方法における、架橋ヒアルロン酸の使用。
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JP2015221765A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 国立大学法人 東京大学 医薬組成物

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