JP2009046202A - 容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 容器胴部4の胴面41に、複数の斜面71,72,73によって容器内方に窪む把持部7を設けた容器1において、前記斜面の一つに外方に膨らむ凸部75又は内方に窪む凹部76を形成したことを特徴とする容器、前記斜面の少なくとも一つに段部78を形成したことを特徴とする容器である。
【選択図】 図2
Description
最近では、特に、炭酸飲料、果汁飲料、ミネラルウォーター等の飲料容器として大量に使用されている。
このような大容量のボトル容器に液体を充填した場合、その液体の重さにより、容器はかなりの重量となる。そのため、たとえば、内容物である液体を注ぐときなど、ボトル容器を持ち上げる際には、相当強い力でボトル容器を把持する必要がある。このように、把持する力が強くなると、容器が変形したり、ボトル容器を把持した手とボトル容器の間で滑りを生じることがあるため、ボトル容器を持ち上げにくいことがあった。また、ボトル容器の胴囲も大きいため、片手での把持が困難になるという問題があった。
また、把持用凹部の下側の面(底部側斜面)は、ボトル容器を把持したときに、指とこの面とのフィット感が得られず、また、ボトル容器から把持した指に作用する反発力が弱いため、ボトル容器を把持したときにホールド性が得られず、把持した感覚が不安定なものであった。
このように、把持部を形成する所定の斜面上に凸部や凹部を形成させることで、把持部の剛性を改善することや、指を添えたときのフィット感を向上することができる。
そして、容器口部側斜面に凸部を設け、かつ容器底部側斜面に凹部を設けることにより、この二つの効果が融合して、把持したときに持ちやすく、かつ、安定感のある容器とすることができる。すなわち、容器を把持したときに、機械的強度の高い容器口部側斜面の凸部が指に引っ掛かるので、容器と指の間で生じる滑りを防止でき、また、容器底部側斜面の凹部が、指にフィットするので指を添えたときの安定感を向上できる。
このようにすると、斜面に設けた凸部は胴面から突出することがないので、容器を積み重ねるときや箱詰めするときなどに、凸部が邪魔になることがないので、これらの作業時に凸部の位置を考慮する必要がなく、作業性が向上する。
このようにすると、容器を把持するため、把持部に力を加えて変形させたときに、変形に対する斜面の反発力を向上させることができる。したがって、把持した指に、この斜面からの反発力が作用するので、容器を把持したときの安定性が向上する。
また、容器を持ち上げ、その内容物を注ぐために容器を傾けたときに、この段部に指が引っ掛かるので、容器の周方向における指の滑り発生を防止することができる。
このようにすると、把持部に押圧力を加えたときに生じる容器の変形による胴面の折れが、容器幅方向中心線付近に誘導されるため、容器胴面側縁部に予期せぬ変形が生じることを防止できる。
このようにすると、容器胴部の強度が増すため、容器を把持したときの安定性がより向上するとともに、溝の一部に把持部が組み込まれデザイン的にも優れたものとなる。
図1は、本実施形態のプラスチックボトル容器の概略正面図である。
図2は、プラスチックボトル容器胴部中央部の部分拡大図である。
プラスチックボトル容器1は、周方向断面形状が四角形状であるボトル容器であり、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を有している。ボトル容器1の胴部4は、二組の互いに対向する胴面41により形成されている。
この胴部4の長手方向ほぼ中央の全周上には、溝6が設けてある。
この把持部7は、胴部4の対向する一組の胴面41上における溝6の一部に一体的に形成してある。
プラスチックボトル容器1の胴部4に形成した溝6は、溝斜面61,62と溝底面63により形成されている。溝斜面61,62は、ほぼ直線状となっている。
このような形状の溝6を胴部4の全周又は一部に形成すると、容器胴部の剛性を高めることができる。
本実施形態においては、把持部7を形成するボトル容器口部側斜面71上に、ボトル容器1の外方に膨らむ凸部75が設けられている。この凸部75は、把持部7の幅方向ほぼ中心に頂点を有する半月状(図2参照)をしており、長手方向断面は曲線形状(図4参照)となっている。
このように、把持部7の容器口部側斜面71の断面形状が直線状である場合、把持部7に指を添えたとき、この斜面71に対する指の引っ掛かりが不充分であった。また、把持部7の容器口部側斜面71の機械的強度が不充分であるため、把持部7に力を加えてボトル容器1を把持したときに、把持部7の容器口部側斜面71が変形することがあり、ボトル容器1を安定して把持することができなかった。
また、把持部7の容器口部側斜面71の機械的強度を向上することができるので、ボトル容器1の把持部7に加えられた力によって、ボトル容器口部側斜面71が変形することを防ぐことができるので、さらに安定性が向上する。
このようにすると、把持部7の容器口部側斜面71に設けた凸部75は胴面41から突出することがないので、ボトル容器1を積み重ねるときや箱詰めするときなどに、凸部75が邪魔になることがないので、これらの作業時に凸部75の位置を考慮する必要がなく、作業性が向上する。
このように、把持部7の容器底部側斜面72の断面形状が直線状である場合、指の形状は円筒形に近い形状であるので、把持部7に指を添えたときに、指と容器底部側斜面72の接触は線接触となり、充分なフィット感は得られなかった。
ボトル容器1の胴面41から把持部底面74までの深さD2は、ボトル容器1を把持したときに指が充分に引っ掛かる程度、たとえば、5mm〜15mm程度が好ましい。
本実施形態では、幅方向斜面73の途中に幅方向外方に傾斜する傾斜壁77を形成することにより、把持部7の周方向の両端に谷状段部78を設けてある。
傾斜壁77を設けることにより、把持部7の容器底部側斜面72に力を加えて変形させたときに、変形に対する容器底部側斜面72の反発力を向上することができる。したがって、把持した指に、この容器底部側斜面72からの反発力が作用するので、ボトル容器1を把持したときの安定性が向上する。
なお、段部78は谷状形状に限られず、把持部7の周方向の滑りを防止できる形状であればよい。また、段部78は、幅方向斜面73に複数設けてもよいし、口部側斜面71や底部側斜面72に形成しても構わない。
従来、把持部に押圧力を加えて容器を変形させると、把持部両端から胴面側縁部の方向に「ハの字型」の折れが生じやすかった。胴面の側縁部に生じる折れは永久変形となりやすく、弾性復帰し難くなるため、ボトル容器を把持したときの反発力が低下する。このため、繰り返して使用したときなど、ボトル容器を把持したときの安定性が徐々に低下する問題があった。
したがって、押圧力によってボトル容器が変形しても、その変形が永久変形となりにくいため、変形に対するボトル容器の反発力の低下が小さく、繰り返し使用してもボトル容器1を把持したときの安定性が変わらない。
また、本実施形態においては、溝6を形成する斜面61,62とは別個に形成した、把持部7を形成する斜面71,斜面72の上に、凸部75又は凹部76を設けているが、溝6を形成する斜面61,62に凸部75及び凹部76を設けることも可能である。
また、把持部7は把持部底面74を有しているが、把持部7の長手方向の幅Hやボトル容器1の胴面41から把持部底面74までの深さD2の値によっては省略することも可能である。
すなわち、把持部を形成する斜面の所定の部位に凹部や凸部を形成することと斜面の所定の部位に段部を形成することの組み合わせ、斜面の所定の部位に段部を形成することと容器の幅方向中心側に傾斜する稜線を形成することの組み合わせ、又は把持部を形成する斜面の所定の部位に凹部や凸部を形成することと容器の幅方向中心側に傾斜する稜線を形成することを組み合わせて実施することもできる。
また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレン等も使用することができる。
2 口部
3 肩部
4 胴部
41 胴面
5 底部
6 溝
61,62 溝斜面
63 溝底面
7 把持部
71 口部側斜面
72 底部側斜面
73 幅方向斜面
74 把持部底面
75 凸部
76 凹部
77 傾斜壁
78 段部
79、79’ 稜線
S 折れ線
Claims (5)
- 容器胴部の胴面に、複数の斜面によって容器内方へ窪む把持部を設けた容器であって、
前記斜面のうち、容器口部側斜面に外方に膨らむ凸部を形成し、容器底部側斜面に、内方に窪む凹部を形成したことを特徴とする容器。 - 前記斜面に設けた凸部が、前記容器胴部の面より低い位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 容器胴部の胴面に、複数の斜面によって容器内方へ窪む把持部を設けた容器であって、
前記胴面の容器幅方向斜面において、この幅方向外方へ傾斜する傾斜壁を形成することにより、前記把持部の周方向端部に段部を形成したことを特徴とする容器。 - 前記複数の斜面のうち、幅方向に形成してある斜面に稜線を設け、かつ、この稜線を容器幅方向の中心線側に傾斜させ、この稜線に沿って前記容器胴部の胴面に生じた折れが、容器幅方向中心線上付近で合流するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
- 前記容器胴部の周方向全周に溝を設け、この溝の一部に前記把持部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
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