JP2009046051A - 乗用車の車両構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乗用車の車両構造10は、後席15,16に着座した乗員86の頭部86aを運転席13に着座した運転者85の頭部85aより上方になるように運転席13の座面を後席15,16の座面に対して低く設定し、フロント窓ガラス18の略中央をフロントガラスレール41で下側窓ガラスおよび上側窓ガラスに仕切り、下側フロント窓ガラス55を運転者85の前方に設け、上側フロント窓ガラス56を乗員86の前方に設けた。
【選択図】図3
Description
ここで、ルーフに設けた窓ガラスで運転者の前方斜め上向きの視界を確保するためには、ルーフの窓ガラスを車体前方に寄せて運転者の上方に設ける必要がある。
このため、乗用車の外観性や空力性能を良好に確保することが難しい。
また、ルーフの後部を高く形成するために、ルーフの前部と後部とで車室空間が仕切られ、そのことが運転者と後席乗員とのコミュニケーションを良好に保つ妨げになる。
さらに、運転者と後席乗員との着座高さに差をつける目的でフロアの後部を高くするため、そのことが後席乗員の乗降性を良好に保つ妨げになる。
このフロント窓ガラスをフロントガラスレールで上下に仕切り、下側フロント窓ガラスを運転者の前方に設け、上側フロント窓ガラスを後席乗員の前方に設けた。
上側フロント窓ガラスを後席乗員の前方に設けることで、ルーフの後部を高くすることなく、後席乗員の前方視界を良好に確保することができる。
これにより、運転者は、下側フロント窓ガラスで前方視界を確保するとともに、上側フロント窓ガラスで前方斜め上の視界を確保することができるので、運転者の視界を良好に確保することができる。
これにより、乗用車の外観性や空力性能を良好に確保することができる。
これにより、運転者と後席乗員とのコミュニケーションを良好に保つことができる。
これにより、後席の座面を高くする必要がないので、後席乗員の乗降性を良好に保つことができる。
フロントガラスレールをバックミラーやサンバイザーを設ける部材として兼用することで、バックミラーやサンバイザーを設けるために専用部材を設ける必要がない。
これにより、専用部材で運転者や後席乗員の視界が遮られることがなく、さらに、部品点数を抑えることができる。
横ピラーの後端部を縦ピラーに連結することで、車体の剛性および強度を確保することができる。
よって、フロントガラスレールは、運転席に着座した運転者の頭部と後席に着座した乗員の頭部との間に設けられている。
これにより、横ピラーをフロントガラスレールから延出することで、横ピラーを運転者の視界や後部乗員の視界を遮らない部位に設けることができる。
図1は本発明に係る乗用車の車両構造を前斜め上方から見た状態を示す斜視図、図2は本発明に係る乗用車の車両構造を前斜め前方から見た状態を示す斜視図である。
乗用車の車両構造10は、車体11と、車体11で形成された車室12(図3参照)に設けられた運転席13および助手席14と、運転席13および助手席14の後部に設けられたセカンド席(後席)15およびサード席(後席)16と、運転席13および助手席14の前方に設けられたフロント窓ガラス18と、セカンド席15の上方に設けられたルーフ窓ガラス19と、フロント窓ガラス18の左右側下方に設けられた左右のフロントサイドドア21,22と、ルーフ窓ガラス19の左右側下方に設けられた左右のリヤサイドドア23,24とを備える。
さらに、ルーフ窓ガラス19は、車幅方向に僅かに湾曲した略平坦なガラスである。
略平坦なフロント窓ガラス18やルーフ窓ガラス19を用いることで、乗用車の外観性や空力性能を良好に確保することが可能になる。
また、サード席16として、3人掛けを例示するが、構成の理解を容易にするために、サード席16の中央に着座した乗員のみについて説明する。
車体11は、前部を構成する前部構造31と、後部を構成する後部構造32と、前部構造31および後部構造32間に設けられた骨格構造33と、前部構造31および後部構造32間に設けられた床構造34とを備える。
左フロントピラー36の前半部36bに略三角形の左フロントコーナ窓枠51が形成されている。左フロントコーナ窓枠51には、左フロントコーナ窓ガラス52が設けられている。
右フロントピラー37の前半部37bに略三角形の右フロントコーナ窓枠53が形成されている。右フロントコーナ窓枠53には、右フロントコーナ窓ガラス54が設けられている。
以下、左フロントピラー36について説明して右フロントピラー37の説明を省略する。
フロントガラスレール41の左端部41aが左フロントピラー36の略中央36cに連結されている。また、フロントガラスレール41の右端部41bが右フロントピラー37の略中央37cに連結されている。
この運転者用フロント窓61に、フロント窓ガラス18のうちの下側半部を構成する下側フロント窓ガラス55が設けられている。
下側フロント窓ガラス55は、フロント窓ガラス18のうちの下側半部を構成する略矩形状のガラスである。
カウルトップ58は、前部構造31に設けられている。
この後席乗員用フロント窓62、すなわち、フロントガラスレール41とルーフ42との間に、フロント窓ガラス18のうちの上側半部を構成する上側フロント窓ガラス56が設けられている。
上側フロント窓ガラス56は、フロント窓ガラス18のうちの上側半部を構成する略矩形状のガラスである。
このルーフ42は、ルーフ42の略前半部42dに略矩形状のルーフ窓64が形成されている。
ルーフ窓64には、略矩形状のルーフ窓ガラス19が設けられている。
左縦ピラー45、ルーフ42の左側部42e、後部構造32の左前ピラー68および、左後サイドシル66aで略矩形状の左リヤサイド開口部71が形成されている。
左リヤサイド開口部71に左リヤサイドドア23が開閉自在に設けられている。左リヤサイドドア23には、左リヤサイド窓ガラス23aが上下方向に昇降自在に設けられている。
右縦ピラー46、ルーフ42の右側部42f、後部構造32の右前ピラー69および、右後サイドシル(図示せず)で略矩形状の右リヤサイド開口部72が形成されている。
右リヤサイド開口部72に右リヤサイドドア24(図1参照)が開閉自在に設けられている。右リヤサイドドア24には、右リヤサイド窓ガラス24a(図5参照)が上下方向に昇降自在に設けられている。
左横ピラー48の後端部48aを左縦ピラー45に連結することで、車体11の剛性および強度を確保することができる。
よって、左横ピラー48の前端部48bは、左フロントピラー36の略中央36cを介してフロントガラスレール41の左端部41aに連結されている。
左フロントサイド開口部74に左フロントサイドドア21が開閉自在に設けられている。左フロントサイドドア21には、左フロントサイド窓ガラス21aが上下方向に昇降自在に設けられている。
左上窓枠75には、略三角形状の左上窓ガラス76が設けられている。
右横ピラー49の後端部49aを右縦ピラー46に連結することで、車体11の剛性および強度を確保することができる。
よって、右横ピラー49の前端部49b(図6参照)は、右フロントピラー37の略中央37cを介してフロントガラスレール41の右端部41bに連結されている。
右フロントサイド開口部77に右フロントサイドドア22(図1参照)が開閉自在に設けられている。右フロントサイドドア22には、右フロントサイド窓ガラス22a(図6参照)が上下方向に昇降自在に設けられている。
右上窓枠78には、略三角形状の右上窓ガラス79が設けられている。
床構造34は、前側に位置する前フロア部82と、前フロア部82の後側に設けられた後フロア部83とを有するフロアパネル81を備える。
前フロア部82は、後フロア部83に対してH寸法だけ下方に設けられている。
前フロア部82に、運転者85が着座する運転席13が設けられ、後フロア部83に乗員86が着座するセカンド席15やサード席16が設けられている。
座面13aは、座面15aや座面16aに対して200mmを超えて低く設定することが好ましい。
座面13aを座面15aや座面16aに対して低く設定することで、セカンド席15やサード席16に着座した乗員86の頭部86aを、運転席13に着座した運転者85の頭部85aより上方に配置することができる。
よって、運転者85は、下側フロント窓ガラス55で前方視界を矢印Aの如く確保することができる。
よって、運転者85は、上側フロント窓ガラス56で前方斜め上の視界を矢印Bの如く良好に確保することができる。
上側フロント窓ガラス56を、セカンド席15やサード席16の乗員86の前方に設けることで、従来技術のようにルーフの後部を高くすることなく、セカンド席15やサード席16の乗員86の前方視界を矢印Cの如く良好に確保することができる。
よって、セカンド席15の乗員86は、ルーフ窓ガラス19で前方斜め上の視界を矢印Dの如く良好に確保することができる。
よって、サード席16の乗員86は、ルーフ窓ガラス19で前方斜め上の視界を矢印Eの如く良好に確保することができる。
これにより、フロント窓ガラス18の傾斜角θを小さく抑えることが可能になり、車両(乗用車)の外観性や空力性能を良好に確保することができる。
これにより、従来技術のようにルーフ42の後部を高く形成する必要がなく、車両の重心を低く抑えることができる。
これにより、運転者85と後席乗員86とのコミュニケーションを良好に保つことができる。
セカンド席15の座面15aやサード席16の座面16aを高くする必要がないので、後席乗員86の乗降性を良好に保つことができる。
右横ピラー49を右フロントピラー37の略中央37cから車体後方に延出することで、右横ピラー49はフロントガラスレール41と同じ高さに設けられている。
よって、フロントガラスレール41は、運転席13に着座した運転者85の頭部85aとセカンド席15やサード席16に着座した乗員86の頭部86との間に設けられている。
これにより、右横ピラー49をフロントガラスレール41から延出することで、右横ピラー49を運転者85の視界、およびセカンド席15やサード席16の乗員86の視界を遮らない部位に設けることができる。
図4に示す左上窓ガラス76も、右上窓ガラス79と同様に、運転者85の上方に配置されている。
フロントガラスレール41は、車体後方を視認するルームミラー(バックミラー)91と、ルームミラー91の左右側に設けられて光を遮る左右のサンバイザー(サンバイザー)92,93とを備える。
さらに、ルームミラー91や左右のサンバイザー92,93を設けるために専用部材を設ける必要がないので、部品点数を抑えることができる。
左横ピラー48を左エアバッグや左サイドカーテンを設ける部材として兼用することで、図示しない左エアバッグや左サイドカーテンを設けるために専用部材を設ける必要がない。
右横ピラー49には、左横ピラー48と同様に、図示しない右エアバッグや右サイドカーテンが設けられている。
右横ピラー49を右エアバッグや右サイドカーテンを設ける部材として兼用することで、図示しない右エアバッグや右サイドカーテンを設けるために専用部材を設ける必要がない。
図8は本発明に係る乗用車の車両構造のセカンド席に着座した乗員の視界について説明する図である。
運転席13および助手席14の後方のセカンド席15(図6参照)に乗員86が着座している。
セカンド席15の乗員86は、運転席13、運転席13に着座した運転者85、助手席14や助手席14に着座した乗員87に遮られることなく車外の展望をパノラマ的に確保することができる。
特に、乗員86は、比較的大きな上側フロント窓ガラス56から車外の景色96を見ることが可能になり、車外の景色96の展望を良好に確保することができる。
セカンド席15の後方のサード席16(図5参照)に乗員86が着座している。
サード席16の乗員86は、運転席13、運転席13に着座した運転者85、助手席14および助手席14に着座した乗員87、セカンド席15やセカンド席15に着座した乗員86に遮られることなく車外の展望をパノラマ的に確保することができる。
特に、乗員86は、比較的大きな上側フロント窓ガラス56、ルーフ窓ガラス19から車外の景色96を見ることが可能になり、車外の景色96の展望を良好に確保することができる。
Claims (3)
- 運転者が着座する運転席と、運転席の後部に後席を備えるとともに運転席の前方にフロント窓ガラスと後席の上方にルーフを備えた乗用車の車両構造において、
前記後席に着座した乗員の頭部を運転席に着座した運転者の頭部より上方になるように運転席の座面を後席の座面に対して低く設定し、
前記運転席に着座した運転者および前記後席に着座した乗員のそれぞれの前方に前記フロント窓ガラスを設け、
前記フロント窓ガラスの略中央に、前記フロント窓ガラスを下側フロント窓ガラスおよび上側フロント窓ガラスに仕切るフロントガラスレールを設け、
前記下側フロント窓ガラスを前記運転席に着座した運転者の前方に設け、
前記フロントガラスレールと前記ルーフとの間に設けられた前記上側フロント窓ガラスを、前記後席に着座した乗員の前方に設けたことを特徴とする乗用車の車両構造。 - 前記フロントガラスレールに、車体後方を視認するバックミラー、眩光を遮るサンバイザーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の乗用車の車両構造。
- 前記ルーフの後端部から車体の側部に沿って下方に延出された縦ピラーと、
前記フロントガラスレールから車体後方に向けて延出され、後端部が前記縦ピラーに連結された横ピラーと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の乗用車の車両構造。
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