JP2009042504A - プロジェクタ及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】B光用ライトバルブの寿命を、光量を低下させることなく延ばすことができるようにする。
【解決手段】ランプユニット102からの光を画像情報に応じて、R光、G光、B光毎に変調する複数の液晶ライトバルブ108と、この各液晶ライトバルブ108にて変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム109,110とを有し、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''に、B光の光量をハーフミラー106にて分割して入射させる。B光の変調により劣化が著しく進行するB光用液晶ライトバルブ108B’,108B''に、B光を分割して入射させたので、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''の寿命を、B光の光量を低下させることなく延ばすことができる。
【選択図】図1
【解決手段】ランプユニット102からの光を画像情報に応じて、R光、G光、B光毎に変調する複数の液晶ライトバルブ108と、この各液晶ライトバルブ108にて変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム109,110とを有し、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''に、B光の光量をハーフミラー106にて分割して入射させる。B光の変調により劣化が著しく進行するB光用液晶ライトバルブ108B’,108B''に、B光を分割して入射させたので、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''の寿命を、B光の光量を低下させることなく延ばすことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、特定色光に対して劣化の著しい特定色光用光変調素子を複数配設し、各特定色光用光変調素子に対して特定色光の光量を分割して入射させるようにしたプロジェクタ及び電子機器に関する。
従来、スクリーン上に拡大画像を投射して表示させるプロジェクタは、光源と、光源から出射された光束をダイクロイックミラーを用いて三色の色光R,G,Bに分離し、分離された光束を各色光毎に、画像情報に応じて変調する3枚の光変調素子と、各光変調素子で変調された光束を、合成する色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム)とを備える、いわゆる三板式のものが知られている。
光変調素子の一例である液晶ライトバルブは、ガラス基板、石英基板等の2枚の透明な基板間に、電気光学物質としての液晶を封入して構成されており、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」と略称)等の能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像情報に応じて変化させることで、画像表示を可能にしている。
ところで、最近のプロジェクタは、スクリーン上に投射する画像の高輝度化、高解像度化の要望が強く、この要望に対応するため光源用ランプとして高出力ランプを採用する傾向にあり、当然、液晶ライトバルブを透過する各色光の強度が強くなる。液晶ライトバルブの一対の基板間の対向面に形成されている配向膜がポリイミド等からなる有機配向膜の場合、透過する光の強度が強くなると、この有機配向膜が劣化する。
特に、液晶ライトバルブは、B(青色)光に対して劣化が顕著に激しいという劣化特性の周波数依存性があり、従って、B光を光変調させる液晶ライトバルブは、R(赤色)光とG(緑色)光とを各々光変調させる各液晶ライトバルブに比し、劣化進行が早期化されてしまう。
その結果、B光用液晶ライトバルブと、R光用液晶ライトバルブ、及びG光用液晶ライトバルブとの交換サイクルが異なり、メンテナンスが煩雑化する問題がある。
この対策として、例えば特許文献1(特開2004-317948号公報)には、B光用液晶ライトバルブの配向膜を、テトラカルボン酸類のモル数に対し、置換ビフェニル構造を含むジアミン化合物のモル比が0.4〜0.9倍として、B光に対する有機配向膜の劣化を抑えるようにした技術が開示されている。
特開2004-317948号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、B光用液晶ライトバルブに形成されている有機配向膜の組成を改善することで、劣化対策を行っているが、有機配向膜の組成改善では、劣化進行を抑制することはできるが、B光用液晶ライトバルブの寿命を、R光用液晶ライトバルブ、及びG光用液晶ライトバルブの有する寿命まで延命することはできない。
その結果、全ての液晶ライトバルブの交換時期をほぼ同じに設定することができず、メンテナンスの煩雑化を改善することはできない。
又、B光の光量を、他の光(R,G)の光量に比し半減させれば、B光用液晶ライトバルブに入射する光量が半減するため、B光用液晶ライトバルブの寿命を延ばすことができる。しかし、B光用液晶ライトバルブに入射する光量を半減させてしまうと、スクリーン上に投射される画像の色調が変化し、表示品質が悪化してしまう問題がある。
尚、B光による劣化は、透過型液晶ライトバルブのみならず、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を代表とする反射型ライトバルブを用いた場合においても反射面の劣化の進行が著しくなる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑み、その色光を変調することで著しく劣化する光変調素子の寿命を、光量を低下させることなく延命させることができ、各光変調素子をほぼ同時に交換することを可能として、交換作業の効率化を実現することのできるプロジェクタ及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1発明は、光源からの光を画像情報に応じて色光毎に変調する複数の光変調素子と、複数の該光変調素子で変調された色光を合成する色合成光学手段とを有するプロジェクタにおいて、特定色光を変調する複数の特定色光用光変調素子と、前記各特定色光用光変調素子に対して前記特定色光の光量を分割して入射させる光量分割手段とを備えることを特徴とする。
このような構成では、特定色光を変調する特定色光用光変調素子を複数備え、この各特定色光用光変調素子に対し、光量分割手段により特定色光の光量を分割して入射させるようにしたので、特定色光用光変調素子の寿命を、光量を低下させることなく延命させることができる。その結果、各光変調素子をほぼ同時に交換することが可能となり、交換作業の効率化を実現することができる。
第2発明は、第1発明において、前記色合成光学手段は、クロスダイクロイックプリズムであり、前記特定色光が入射される前記クロスダイクロイックプリズムの1つの入射面に、他のクロスダイクロイックプリズムの出射面を配設し、前記他のクロスダイクロイックプリズムの複数の入射面に前記特定色光用光変調素子を各々配設したことを特徴とする。
このような構成では、他のクロスダイクロイックプリズムにて、複数の特定色光用光変調素子にて変調された特定色光を色合成するようにしたので、分割された特定色光の光量を簡単に合成させることができる。
第3発明は第1或いは第2発明において、前記特定色光用光変調素子は2つであり、前記光量分割手段がハーフミラーであることを特徴とする。
このような構成では、ハーフミラーを用いて2つの特定色光用光変調素子に入射する特定色光の光量を分割するようにしたので、簡単な構成で効率よく光量を分割することができる。
第4発明は、第1〜3発明において、前記特定色光用光変調素子が液晶ライトバルブであることを特徴とする。
このような構成では、特定色光用光変調素子を液晶ライトバルブとしたので、この液晶ライトバルブの劣化の進行を抑制させることができる。
第5発明は、第1〜3発明において、前記特定色光用光変調素子が反射型ライトバルブであることを特徴とする。
このような構成では、特定色光用光変調素子を反射型ライトバルブとしたので、この反射型ライトバルブの劣化の進行を抑制させることができる。
第6発明による電子機器は、第1〜5発明の何れかに記載のプロジェクタを備えることを特徴とする。
このような構成では、電子機器に、第1〜5発明の何れかに記載のプロジェクタが備えられているので、電子機器に内装されているプロジェクタの寿命を延ばすことができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は液晶プロジェクタユニットの光学的な構成を示す説明図、図2は液晶ライトバルブをその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図3はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶ライトバルブであって、図2のH−H'断面図である。
図1は液晶プロジェクタユニットの光学的な構成を示す説明図、図2は液晶ライトバルブをその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図3はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶ライトバルブであって、図2のH−H'断面図である。
図1に示すように、電子機器の一例である液晶プロジェクタユニットは、液晶プロジェクタ100とスクリーン120とを有している。
液晶プロジェクタ100は、光源としてのランプユニット102と、ランプユニット102から投射された光の波長領域のうちのR,G,Bの三原色の輝度をそれぞれ変調する色変調部103と、色変調部103から出射した光を、スクリーン120上に拡大投射する投射レンズ104とを備えている。又、ランプユニット102は、超高圧水銀ランプやキセノンランプ等のランプ102aと、このランプ102aからの射出光を平行光として反射するリフレクタ102bとを有している。
又、色変調部103は、光分離手段としての2枚のダイクロイックミラー105a,105bと、1枚の光量分割手段としてのハーフミラー106と、4枚の反射ミラー107a〜107dと、4枚の光変調素子としての液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''と、2つの色合成光学手段としてのクロスダイクロイックプリズム109,110とを備えている。
クロスダイクロイックプリズム109,110は、4つの直角プリズムを貼り合わせた共通の構造を有し、その内部に、B光を反射する誘電体多層膜及びR光を反射する誘電体多層膜が形成されている。従って、G光は、クロスダイクロイックプリズム109,110内をそのまま透過する。
クロスダイクロイックプリズム109に設けられている1つの出射面に投射レンズ104が配設され、この出射面に対向する入射面にG光用液晶ライトバルブ108Gが配設されている。又、このクロスダイクロイックプリズム109の他の2つの入射面の一方にR光用液晶ライトバルブ108Rが配設され、他方の入射面にクロスダイクロイックプリズム110の出射面が貼り合わされている。このクロスダイクロイックプリズム110の出射面に直交する面に設けられている、互いに対向する入射面に、特定色光用光変調素子としてのB光用液晶ライトバルブ108B’,108B''が各々配設されている。
又、ダイクロイックミラー105a,105bは、ランプユニット102からの白色光を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三原色に分離(分光)するものである。すなわち、ダイクロイックミラー105aは、ランプユニット102の出射方向に配設されており、ガラス基板等の透明基板の表面に、ランプユニット102からの白色光のうち、B光及びG光を反射し、R光を透過する性質のダイクロイック膜が形成されている。一方、ダイクロイックミラー105bは、ダイクロイックミラー105aの反射方向に対設されており、ガラス基板等の透明基板の表面に、ダイクロイックミラー105aから反射された光のうち、G光を反射し、B光を透過する性質のダイクロイック膜が形成されている。
このダイクロイックミラー105aの透過方向に、反射ミラー107aが対設されており、この反射ミラー107aの反射方向にR光用液晶ライトバルブ108Rが対設されている。
又、ダイクロイックミラー105bの反射方向にG光用液晶ライトバルブ108Gが対設されている。更に、このダイクロイックミラー105bの透過方向にハーフミラー106が対設されている。ハーフミラー106は、ガラス基板等の透明基板の表面に金属膜等の反射膜を薄く蒸着したもので、反射光と透過光との強さが、ほぼ1:1に設定されている。従って、ダイクロイックミラー105bを透過したB光は、ハーフミラー106によって、その半分の光量が反射され、残りの光量が透過される。
このハーフミラー106の反射方向にB光用液晶ライトバルブ108B’が対設されている。更に、このハーフミラー106の透過方向に反射ミラー107bが対設され、この反射ミラー107bの反射方向に反射ミラー107cが対設され、この反射ミラー107cの反射方向に反射ミラー107dが対設され、この反射ミラー107dの反射方向にB光用液晶ライトバルブ108B''が対設されている。
次に、各液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''の構成について、図2、図3を用いて簡単に説明する。尚、各液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''は同一の構成を有しているため、これらを「液晶ライトバルブ108」と総称して説明する。
液晶ライトバルブ108は、TFT基板10と、これに対向配置される対向基板20とを有し、両基板10,20の対向面間の画像表示領域10aの周囲に設けたシール領域が、シール材31を介して貼り合わされている。尚、図示しないが両基板10,20の外表面に偏光板(図示せず)が配設されている。
更に、この両基板10,20の対向面間とシール材31とで囲まれた領域内に液晶32が挟持されている。この液晶32は、シール材31に切欠き形成された液晶注入口33からセル注入方式で注入される。尚、この液晶注入口33は液晶注入後、封止材34で封止される。又、液晶32を注入する方式としては、このようなセル注入方式以外に液晶滴下方式が知られている。この液晶滴下方式では、両基板10,20を貼り合わせる前に、液晶32をシール材31で囲まれた領域に予め滴下しておくため、シール材31に液晶注入口33を形成する必要はない。
又、対向基板20の4隅には、上下導通材56が設けられており、TFT基板10に設けられた上下導通端子57と対向基板20に設けられた対向電極21との間で電気的に導通されている。又、シール材31が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aを規定する遮光性の周辺遮光膜58が対向基板20側に設けられている。又、画像表示領域の周辺に広がる周辺領域のうち、シール材31が配置されたシール領域の外側部分には、データ線駆動回路61及び外部回路接続端子62がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路63が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更に、TFT基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路63間を電気的に接続するための複数の配線64が設けられている。尚、走査線駆動回路63、及び配線64は、シール材31の内側の周辺遮光膜58に対向する位置に配設されている。
更に、TFT基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に配向膜16が形成され、他方、対向基板20の最上層部分に配向膜22が形成されており、この両配向膜16,22間で、所定の配向状態が設定される。配向膜16,22は、ポリイミド樹脂等の配向性高分子からなり、印刷等により塗布されて形成されている。
又、外部回路接続端子62には、図示しないフレキシブル配線基板(FPC)が電気的に接続されており、このフレキシブル基板から外部回路接続端子62を介して供給される画像情報に基づいて、画像表示領域10aに各光(R光、G光、B光)毎の画像が表示される。
このような構成からなる液晶プロジェクタユニットでは、ランプユニット102から白色光が投射されると、ダイクロイックミラー105aにてR光が透過され、B光及びG光が反射される。そして、ダイクロイックミラー105aを透過したR光は、反射ミラー107aで反射されて、R光用液晶ライトバルブ108Rに入射される。
一方、ダイクロイックミラー105aにて反射されたG光及びB光は、次のダイクロイックミラー105bにてB光が透過され、G光が反射される。そして、ダイクロイックミラー105bを反射したG光は、G光用液晶ライトバルブ108Gに入射される。
又、ダイクロイックミラー105bを透過したB光は、ハーフミラー106で、その半分の光量が反射され、残りの半分の光量が透過される。そして、反射された半分の光量のB光は、B光用液晶ライトバルブ108B’に入射される。一方、ハーフミラー106を透過した残りの半分の光量のB光は、3枚の反射ミラー107b〜107dを介してB光用液晶ライトバルブ108B''に入射される。
各液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''は、画像情報に基づき、入射された光を光変調する。尚、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''は同期しており、同一の画像情報に基づいてB光を光変調させる。そして、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''で光変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム110により合成されて、出射面に対設するクロスダイクロイックプリズム109の入射面に入射される。
ところで、液晶ライトバルブは、B光に対しては、他のR光やG光に比し劣化が顕著に激しいという劣化特性の周波数依存性を有している。しかし、本実施形態では、B光の光量をハーフミラー106により、二分割し、分割された光量のB光を各B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''に入射するようにしたので、各B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''は劣化進行が抑制され、相対的に各B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''の寿命を延ばすことができる。又、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''により光変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム110によって合成されて出射されるので、B光の光量が低下してしまうこともない。その結果、B光用液晶ライトバルブ108B’,108B''の交換時期を、他の液晶用ライトバルブ108R,108Gの交換時期に併せることが可能となり、交換作業の効率化を実現することができる。
一方、クロスダイクロイックプリズム109に入射されたB光は、ここで、R光用液晶ライトバルブ108R、及びG光用液晶ライトバルブ108Gによりそれぞれ変調されたR光、G光と再度光合成されて、投射レンズ104方向へ出射され、この投射レンズ104からスクリーン120上にカラー画像が投射されて、このスクリーン120に拡大画像を表示する。
このように、本実施形態では、B光の光量を2分割し、各半減された光量のB光を、2つのB光用液晶ライトバルブ108B',108B''で、個別に光変調するようにしたので、各B光用液晶ライトバルブ108B',108B''の劣化進行が半減され、相対的に各B光用液晶ライトバルブ108B',108B''の寿命を延ばすことができる。
尚、2つのクロスダイクロイックプリズム109,110のレイアウトは、上述した実施形態以外に種々の態様が考えられる。例えば、クロスダイクロイックプリズム110の出射面に投射レンズ104を配設すると共に、このクロスダイクロイックプリズム110の出射面に対向する面に形成されている入射面に、クロスダイクロイックプリズム109の出射面を配設するようにしても良い。或いはクロスダイクロイックプリズム110の出射面に対向する面を有する直角プリズムはB光を透過させる構成とし、この入射面にB光用液晶ライトバルブ108B''を配設するようにしても良い。
[第2実施形態]
図4は本発明の第2実施形態による液晶プロジェクタユニットの光学的な構成を示す説明図である。本実施形態で採用する液晶プロジェクタ100では、上述した第1実施形態で採用した液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''に変えて、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を代表とする、光変調素子としての反射型ライトバルブ118R,118G,118B’,118B''を使用したものである。
図4は本発明の第2実施形態による液晶プロジェクタユニットの光学的な構成を示す説明図である。本実施形態で採用する液晶プロジェクタ100では、上述した第1実施形態で採用した液晶ライトバルブ108R,108G,108B’,108B''に変えて、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を代表とする、光変調素子としての反射型ライトバルブ118R,118G,118B’,118B''を使用したものである。
すなわち、ランプユニット102から白色光が出射されると、ダイクロイックミラー105aにてR光が透過され、B光及びG光が反射される。ダイクロイックミラー105aを透過したR光は、偏光ミラー116aで反射され、R光用反射型ライトバルブ118Rに入射される。そして、このR光用反射型ライトバルブ118Rで光変調されて反射されたR光が、偏光ミラー116aを透過し、クロスダイクロイックプリズム109に入射される。
一方、ダイクロイックミラー105aにて反射されたG光及びB光は、偏光ダイクロイックミラー115aにてB光が透過され、G光がG光用反射型ライトバルブ118G方向へ反射される。G光用反射型ライトバルブ118Gに入射されたG光は、そこで光変調されて反射され、偏光ダイクロイックミラー115aを透過し、クロスダイクロイックプリズム109に入射される。
又、偏光ダイクロイックミラー115aを透過したB光は、光量分割手段としての偏光ハーフミラー119にて、その半分の光量がB光用反射型ライトバルブ118B’方向へ反射され、残りの半分の光量が透過される。B光用反射型ライトバルブ118B’に入射されたB光は、ここで光変調されて反射され、偏光ハーフミラー119を透過し、クロスダイクロイックプリズム109に入射される。
一方、偏光ハーフミラー119を透過した残りの半分の光量のB光は、2枚の反射ミラー107b,107cを介して、偏光ミラー116bに入射され、この偏光ミラー116bでB光用反射型ライトバルブ118B''側へ反射される。そして、このB光用反射型ライトバルブ118B''に入射されたB光は、ここで光変調されて反射され、偏光ミラー116bを透過し、クロスダイクロイックプリズム109に入射される。尚、B光用反射型ライトバルブ118B’,118B''は同期しており、同一の画像情報に基づいてB光を光変調させる。
そして、B光用反射型ライトバルブ118B’,118B''で光変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム110により合成されて、出射面に対設するクロスダイクロイックプリズム109の入射面に入射され、ここでR光用反射型ライトバルブ118R、及びG光用反射型ライトバルブ118Gによりそれぞれ変調されたR光、G光と再度光合成されて、投射レンズ104方向へ出射され、この投射レンズ104からスクリーン120上にカラー画像が投射されて、このスクリーン120に拡大画像を表示する。
このように、本実施形態では、B光により反射面が著しい劣化を受け易いB光用反射型ライトバルブ118B’,118B''を2枚とし、この各B光用反射型ライトバルブ118B’,118B''にて、半分の光量のB光を個別に光変調するようにしたので、各B光用反射型ライトバルブ118B’,118B''の劣化進行が半減され、相対的に各B光用反射型ライトバルブ118B’,118B''の寿命を延ばすことができる。
本発明は、上述した各実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプロジェクタ及び電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
又、電子機器としては、例えば、プロジェクタから投射された画像を黒板又は白板に投影し、その投影画像をCCD等の画像処理手段により画像信号に変換する電子黒板、又は車両のインストルメントパネルに埋設されたプロジェクタから投射された画像をミラーにより、フロントウインド上のスクリーン(ウインドシールド)に投射させてドライバに視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)であっても良い。更に、液晶ライトバルブは、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置以外に、パッシブマトリックス型の液晶装置、TFD(薄型ダイオード)をスイッチング素子として備えたものであっても良い。
100…液晶プロジェクタ、102…ランプユニット、103…色変調部、105a,105b…ダイクロイックミラー、106…ハーフミラー、108…液晶ライトバルブ、108B’,108B''…B光用液晶ライトバルブ、109,110…クロスダイクロイックプリズム、115a…偏光ダイクロイックミラー、116a,116b…偏光ミラー、118B’,118B''…B光用反射型ライトバルブ、119…偏光ハーフミラー
Claims (6)
- 光源からの光を画像情報に応じて色光毎に変調する複数の光変調素子と、複数の該光変調素子で変調された色光を合成する色合成光学手段とを有するプロジェクタにおいて、
特定色光を変調する複数の特定色光用光変調素子と、
前記各特定色光用光変調素子に対して前記特定色光の光量を分割して入射させる光量分割手段と
を備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 前記色合成光学手段は、クロスダイクロイックプリズムであり、
前記特定色光が入射される前記クロスダイクロイックプリズムの1つの入射面に、他のクロスダイクロイックプリズムの出射面を配設し、
前記他のクロスダイクロイックプリズムの複数の入射面に前記特定色光用光変調素子を各々配設した
ことを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。 - 前記特定色光用光変調素子は2つであり、
前記光量分割手段がハーフミラーである
ことを特徴とする請求項1或いは2記載のプロジェクタ。 - 前記特定色光用光変調素子が液晶ライトバルブである
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプロジェクタ。 - 前記特定色光用光変調素子が反射型ライトバルブである
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプロジェクタ。 - 前記請求項1〜5の何れか1項に記載のプロジェクタを備えることを特徴とする電子機器。
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WO2017104000A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | プロジェクタおよび画像投写方法 |
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2007
- 2007-08-09 JP JP2007207512A patent/JP2009042504A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017104000A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | プロジェクタおよび画像投写方法 |
JPWO2017104000A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2018-09-27 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | プロジェクタおよび画像投写方法 |
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