JP2009041445A - 内燃機関の油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変バルブタイミング機構(VVT)を正常に作動させることができなくなる虞がある領域においてもVVTの作動油圧を確保する。
【解決手段】内燃機関の各部に送出される潤滑油の油圧を制御し、オイルポンプ13から供給される油圧を所定の場合に低圧とする低油圧制御を行う内燃機関の油圧制御装置において、クランク軸の回転と同期して吸排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性を上記油圧によって変更するVVTを更に備え、このVVTを作動させるための作動油圧が低油圧制御により不足する虞がある始動時には(ステップS10肯定、S20否定、S30否定)、低油圧制御を禁止するようにした(ステップS50)。上記虞がない場合は、低油圧制御を実施する(ステップS30肯定、S40)。
【選択図】 図1

Description

この発明は、クランク軸の回転と同期して吸気弁および排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性を油圧によって変更する可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関の油圧制御装置に関し、更に詳しくは、エンジン各部に供給する油圧を低油圧とすることでオイルポンプの仕事量を減らし低燃費に貢献できるとともに、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができなくなる虞がある領域においても可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保することができる内燃機関の油圧制御装置に関する。
従来、潤滑油の要求量が少ないときに、オイルポンプの駆動損失を低減する一方で、潤滑油の要求量が多い時に所定高圧にて潤滑油を十分に送るための技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、この従来技術は、内燃機関のオイルポンプからの油圧を制御する装置において、油圧に応動して異なる圧力にて開く複数のリリーフ通路を形成するとともに、低圧にて開くリリーフ通路に可変オリフィスを設けたものである。
また、近年の内燃機関では、クランク軸の回転と同期して吸気弁および排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性を油圧によって変更する可変バルブタイミング機構を備えたものが種々提供されている。
なお、関連技術として、内燃機関の冷間時には、オイルポンプから供給される油圧を所定低圧とする低油圧制御を行い、暖機性を向上させた技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平5−187213号公報 特開平6−221127号公報
しかしながら、特許文献1に係る従来の内燃機関の油圧制御装置は、可変オリフィスの作動時に各部制御系との協調を行わないと、エンジン各部の信頼性の低下、エミッションや出力の悪化等をもたらす虞があるという課題があった。
すなわち、たとえば可変バルブタイミング機構を用いることで吸排気量およびバルブタイミングを切り替えてエミッションや出力を改善する内燃機関が多い中で、特に油圧を用いる可変バルブタイミング機構では、供給油量が不足すると正常に作動しない虞がある。
このような内燃機関で従来の潤滑制御装置を用いると、マップ等から狙ったタイミングにて可変バルブタイミング機構を制御できず、ドライバーが要求する出力が出せなかったり、エミッションが悪化する虞があり、また、油量不足によるエンジンの焼き付き等のトラブルを起こす虞もあった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エンジン各部に供給する油圧を低油圧とすることでオイルポンプの仕事量を減らし低燃費に貢献できるとともに、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができなくなる虞がある領域においても可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保することができる内燃機関の油圧制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係る内燃機関の油圧制御装置は、内燃機関の各部に送出される潤滑油の油圧を制御し、オイルポンプから供給される油圧を所定の場合に低圧とする低油圧制御を行う内燃機関の油圧制御装置において、クランク軸の回転と同期して吸気弁および排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性を前記油圧によって変更する可変バルブタイミング機構を更に備え、前記可変バルブタイミング機構を作動させるための前記油圧が前記低油圧制御により不足する虞があると判断された場合には、前記低油圧制御を禁止することを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2に係る内燃機関の油圧制御装置は、請求項1に記載の発明において、前記内燃機関の始動時に前記低油圧制御を禁止することを特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に係る内燃機関の油圧制御装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記内燃機関の暖機後のアイドル時に前記低油圧制御を禁止することを特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に係る内燃機関の油圧制御装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記内燃機関の所定の加減速運転時または前記可変バルブタイミング機構を急速に作動させる必要がある時に、前記低油圧制御を禁止することを特徴とするものである。
この発明に係る内燃機関の油圧制御装置(請求項1)によれば、可変バルブタイミング機構を作動させるための油圧が低油圧制御により不足する虞があると判断された場合に低油圧制御を禁止することで、可変バルブタイミング機構の所定の作動油圧が確保され、正常に作動させることができる。また、上記虞がないと判断された場合には低油圧制御が実施されるので、オイルポンプの仕事量を減らし燃費を向上させることができる。
また、この発明に係る内燃機関の油圧制御装置(請求項2)によれば、内燃機関始動後、可変バルブタイミング機構の所定の作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。また、内燃機関始動後、潤滑径路が所定の油圧に達している場合に低油圧制御を実施することにより、オイルポンプの仕事量を減らし燃費を向上させることができるとともに、内燃機関の暖機性を向上させることができる。
また、この発明に係る内燃機関の油圧制御装置(請求項3)によれば、内燃機関暖機後のアイドル回転で所定油圧を下回る場合は、可変バルブタイミング機構の所定の作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。また、アイドル中に潤滑径路が所定の油圧に達しており、かつ、可変バルブタイミング機構への作動要求がない場合には低油圧制御を実施することにより、オイルポンプの仕事量を減らすことができ、燃費向上に貢献することができる。
また、この発明に係る内燃機関の油圧制御装置(請求項4)によれば、可変バルブタイミング機構への緊急な作動要求(たとえば、進角要求または遅角要求)がなされた時に、可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保すべく低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。
以下に、この発明に係る内燃機関の油圧制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図2は、この発明の実施例1に係る内燃機関の油圧制御装置の概略を示すブロック図である。図2に示すように、オイルパン10に溜まった潤滑油(以下、エンジンオイルという。)は、オイルポンプ13の動作による吸引力により、オイルストレーナ12から吸引され、オイルフィルタ15を通過した後、メインギャラリ11を通過して内燃機関(以下、適宜エンジンと称する。)の各給油場所に供給される。メインギャラリ11の油圧は、油圧センサ20によって検知されるようになっている。
オイルコントロールバルブ(以下、OCVと略す)19は、油圧センサ20の出力に基づいてオイルポンプ13の吐出圧を調節することにより当該メインギャラリ11の油圧を調節するためのものであり、メインギャラリ11と連通するOCV用通路18に設けられている。
すなわち、OCV19は、通常油圧時には閉弁され、低油圧制御時に開弁することによりメインギャラリ11の一部のオイルをオイルパン10にリリーフしてオイルポンプ13の吐出圧を下げるように制御される。
図示しない内燃機関の吸気弁および排気弁は、それぞれ可変バルブタイミング機構(以下、図中等で適宜VVTと略称する。)により駆動される。この可変バルブタイミング機構は、それぞれ、クランク軸の回転と同期して吸気弁および排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性(たとえば、開弁時期、作用角、リフト量等)を作動油圧の制御によって変更することができるように構成されている。この可変バルブタイミング機構も上記OCV19によるメインギャラリ11の油圧調節によって作動油圧が制御されるようになっている。
また、メインギャラリ11の油圧調節に際してOCV19から排出されたオイルは、OCV用通路18を介してオイルパン10に戻されるようになっている。また、メインギャラリ11におけるオイルポンプ13の上流側と下流側とは、リリーフ通路16によって接続され、当該リリーフ通路16にはリリーフ弁17が設けられている。このリリーフ弁17は、所定量のオイルをリリーフすることで油圧が所定値以上に上がらないように構成されている。
これらのオイルポンプ13、OCV19、リリーフ弁17、油圧センサ20は、図示しない電子制御装置であるECUと接続され、このECUによって制御される。また、このECUは、後述する制御ルーチン(図1参照)を実行する。
つぎに、制御方法について図1に基づいて図2を参照しつつ説明する。ここで、図1は、この発明の実施例1に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
本発明では、上記可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができない虞がある運転領域においては、低油圧制御を禁止することを趣旨とするものである。ここで、上記可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができない虞がある運転領域とは、エンジンの始動直後、エンジン暖機後のアイドル時、可変バルブタイミング機構への緊急な作動要求(進角要求または遅角要求)が上記ECUによってなされた時等を指す。
このうち、本実施例1では、エンジンの始動直後の制御について説明する。すなわち、エンジン始動直後は、メインギャラリ11にオイルが満たされていないため、油圧駆動式の可変バルブタイミング機構では作動が遅れる場合がある。
そこで、このような状況を回避するために、エンジン始動後所定時間が経過し、所定の可変バルブタイミング機構作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにした。かかる制御は、上記ECUによって実行される。
図1に示すように、先ず、エンジン始動後であるか否かを判断する(ステップS10)。これは、たとえばイグニションスイッチがONにされ、エンジン回転数が所定値(たとえば、800rpm)以上になったか否か、スタータの作動履歴があるか否か等に基づいて判断することができる。
始動後でないならば(ステップS10否定)、本制御の対象外であるので、制御を終了する。始動後であるならば(ステップS10肯定)、つぎに始動直後であるか否かを判断すべく、始動後所定時間、たとえば30秒が経過したか否かを判断する(ステップS20)。
始動後、所定時間を経過していなければ(ステップS20否定)、メインギャラリ11にオイルが満たされていない可能性が高いため、OCV19による低油圧制御を禁止し(ステップS50)、メインギャラリ11内の油圧が低下するのを抑制する。これにより、油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れが抑制され、可変バルブタイミング機構の正常な作動が保証され得る。
また、始動後所定時間を経過している場合であっても(ステップS20肯定)、油圧センサ20の出力値から、メインギャラリ11が所定の油圧に達していない場合(ステップS30否定)があり、この場合もOCV19による低油圧制御を禁止し(ステップS50)、制御を終了する。
これにより、メインギャラリ11内の油圧が低下するのを抑制することができ、油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れが抑制されるので、可変バルブタイミング機構の正常な作動が保証され得る。
一方、始動後所定時間を経過し(ステップS20肯定)、かつ、油圧センサ20の出力値から、メインギャラリ11が所定の油圧(たとえば、300KPa)に達している場合(ステップS30肯定)には、油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れはないので、低油圧制御を実施し(ステップS40)、制御を終了する。
この低油圧制御では、オイルポンプの仕事量を減らすことにより燃費を向上させることができるとともに、ピストン裏側にオイルを噴射して潤滑するオイルジェット(図示せず)の作動も停止することにより、エンジンの暖機性が向上する。
以上のように、この実施例1に係る内燃機関の油圧制御装置によれば、エンジン始動後、所定の可変バルブタイミング機構作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。
また、エンジン始動後、メインギャラリ11が所定の油圧に達している場合に低油圧制御を実施することにより、オイルポンプの仕事量を減らし燃費を向上させることができるとともに、エンジンの暖機性を向上させることができる。
本実施例2では、上記実施例1の図2で示したシステム構成と同一のシステムを用いてエンジン暖機後のアイドル時の制御について説明する。
一般に、エンジン暖機後のアイドル時のメインギャラリ11の油圧は、かなり低い値を示すことが多い。これに更に低油圧制御が実施されると、アイドル状態から急発進や急加速をした場合に可変バルブタイミング機構への油圧供給遅れが生じる虞がある。
そこで、このような状況を回避するために、エンジン暖機後のアイドル回転で所定油圧を下回る場合は、所定の可変バルブタイミング機構作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにした。かかる制御は、上記ECUによって実行される。
以下、図3に基づいて詳細に説明する。ここで、図3は、この発明の実施例2に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、すでに説明した部材またはステップ番号と同一もしくは相当するものには、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
図3に示すように、先ず、エンジンがアイドル中であるか否かを判断する(ステップS12)。これは、アイドルフラグがONにされているか否か等に基づいて判断することができる。
アイドル中でないならば(ステップS12否定)、本制御の対象外であるので、制御を終了する。一方、アイドル中であるならば(ステップS12肯定)、つぎに油圧センサ20の出力値から、メインギャラリ11の油圧が所定値(たとえば、150KPa)以上であるか否かを判断する(ステップS30)。
メインギャラリ11の油圧が所定値以上でないならば(ステップS30否定)、メインギャラリ11に必要量のオイルが満たされていないため、OCV19による低油圧制御を禁止する(ステップS50)。これにより、メインギャラリ11に必要な油圧が早く確保されることとなる。
メインギャラリ11の油圧が所定値以上であって(ステップS30肯定)、可変バルブタイミング機構への作動要求がある場合には(ステップS32否定)、油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れを即座に抑制すべく、OCV19による低油圧制御を禁止する(ステップS50)。
これにより、メインギャラリ11内の油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れが即座に抑制され、可変バルブタイミング機構の正常な作動が保証され得る。
ここで、ステップS32において可変バルブタイミング機構への作動要求があるか否かは、たとえば単位時間当たりの可変バルブタイミング機構の目標値の変化量(°CA/sec)が一定値以下か否かによって判断することができる。
一方、メインギャラリ11の油圧が所定値以上であって(ステップS30肯定)、可変バルブタイミング機構への作動要求がない場合には(ステップS32肯定)、油圧不足による可変バルブタイミング機構の作動遅れはないので、低油圧制御を実施し(ステップS40)、制御を終了する。
以上のように、この実施例2に係る内燃機関の油圧制御装置によれば、エンジン暖機後のアイドル回転で所定油圧を下回る場合は、所定の可変バルブタイミング機構作動油圧が確保されるまでは、低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。
また、アイドル中にメインギャラリ11が所定の油圧に達しており、かつ、可変バルブタイミング機構への作動要求がない場合には低油圧制御を実施することにより、オイルポンプの仕事量を減らすことができ、燃費向上に貢献することができる。
本実施例3では、上記実施例1の図2で示したシステム構成と同一のシステムを用いて可変バルブタイミング機構への緊急な作動要求(進角要求または遅角要求)がなされた時の制御について説明する。
一般に、一定走行や緩加速条件からドライバーが急に全負荷条件を要求した場合、可変バルブタイミング機構を作動させることが多い。そこで、可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保すべく、アクセル開度や噴射量、可変バルブタイミング機構への進角要求または遅角要求を確認し、たとえば急加速状態となった場合には低油圧制御を禁止するようにした。かかる制御は、上記ECUによって実行される。
以下、図4に基づいて詳細に説明する。ここで、図4は、この発明の実施例3に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、先ず、低油圧制御中であるか否かを判断する(ステップS15)。これは、低油圧制御フラグがONにされているか否か等に基づいて判断することができる。すなわち、エンジン回転数や負荷が所定値以下の場合は、燃費を向上させるべく低油圧制御を実施しているので、その制御フラグを確認すればよい。
低油圧制御中でないならば(ステップS15否定)、本制御の対象外であるので、制御を終了する。一方、低油圧制御中であるならば(ステップS15肯定)、つぎに油圧センサ20の出力値から、メインギャラリ11の油圧が所定値(たとえば、150KPa)以上であるか否かを判断する(ステップS30)。
ステップS30およびステップS32については、上記実施例2で説明したものと同様であるので、重複説明を省略する。そして、メインギャラリ11の油圧が所定値以上であって(ステップS30肯定)、可変バルブタイミング機構への作動要求がない場合には(ステップS32肯定)、エンジン負荷が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS34)。
この負荷が所定値以下であるか否かは、たとえばアクセル開度が60%未満であるか否か、噴射量または吸気圧が所定値未満であるか否か等で判断することができ、これにより急加速運転等がなされそうであるか否かを判断することができる。
エンジン負荷が所定値以下であるならば(ステップS34肯定)、急加速運転等はなされる可能性が少なく、可変バルブタイミング機構への作動要求に備える必要はないので、そのまま制御を終了する。
一方、エンジン負荷が所定値以下でないならば(ステップS34否定)、急加速運転等が要求された際に、可変バルブタイミング機構への作動要求に即座に備える必要があるので、OCV19による低油圧制御を禁止する(ステップS50)。これにより、メインギャラリ11に必要な油圧が早く確保され、可変バルブタイミング機構の正常な作動が保証され得る。
以上のように、この実施例3に係る内燃機関の油圧制御装置によれば、可変バルブタイミング機構への緊急な作動要求(進角要求または遅角要求)がなされた時に可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保すべく低油圧制御を禁止するようにしたので、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができる。
なお、上記実施例3においては、可変バルブタイミング機構への緊急な作動要求がある場合の一例として、加速状態を例にして説明したが、これに限定されず、加速状態以外であっても、たとえば燃焼改善や触媒暖機等で急速に可変バルブタイミング機構を作動させる必要がある場合等にも低油圧制御を禁止するとよい。これにより、上記と同様の効果を期待できる。
また、上記実施例1〜3においては、本発明を適用するシステム構成として図2に示す構成を示したが、これに限定されず、上記低油圧制御を実施し得るすべてのシステムに適用することができ、上記と同様の効果を期待できる。
また、上記実施例1〜3においては、メインギャラリ11の油圧を検知する油圧センサ20を設けるものとして説明したが、これに限定されず、メインギャラリ11が所定の油圧以上あるか否かを推定できれば、その他の手段であってもよい。
また、上記実施例1〜3のいずれかを適宜組み合わせて実施することもできる。
以上のように、この発明に係る内燃機関の油圧制御装置は、可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関に有用であり、特に、可変バルブタイミング機構を正常に作動させることができなくなる虞がある領域においても当該可変バルブタイミング機構の作動油圧を確保することを目指す内燃機関に適している。
この発明の実施例1に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。 内燃機関の油圧制御装置の概略を示すブロック図である。 この発明の実施例2に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。 この発明の実施例3に係る内燃機関の油圧制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 オイルパン
11 メインギャラリ
12 オイルストレーナ
13 オイルポンプ
15 オイルフィルタ
16 リリーフ通路
17 リリーフ弁
18 OCV用通路
19 OCV
20 油圧センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の各部に送出される潤滑油の油圧を制御し、オイルポンプから供給される油圧を所定の場合に低圧とする低油圧制御を行う内燃機関の油圧制御装置において、
    クランク軸の回転と同期して吸気弁および排気弁を開閉させるとともに、それらの開弁特性を前記油圧によって変更する可変バルブタイミング機構を更に備え、
    前記可変バルブタイミング機構を作動させるための前記油圧が前記低油圧制御により不足する虞があると判断された場合には、前記低油圧制御を禁止することを特徴とする内燃機関の油圧制御装置。
  2. 前記内燃機関の始動時に前記低油圧制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油圧制御装置。
  3. 前記内燃機関の暖機後のアイドル時に前記低油圧制御を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の油圧制御装置。
  4. 前記内燃機関の所定の加減速運転時または前記可変バルブタイミング機構を急速に作動させる必要がある時に、前記低油圧制御を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の内燃機関の油圧制御装置。
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