JP2009041369A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、走行状態が、加速あるいは定速の状態から減速状態に移った際に、物理的な制御遅れに起因する空燃比の変動を防止し、その空燃比の変動に依存する燃焼を失火の発生しない適正な状態に維持し、燃焼後の排気ガスの有害成分値悪化を抑制することを目的とする。
【解決手段】この発明は、燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する燃料噴射時期制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、供給する燃料が減少する傾向を検知する減速検知手段を設け、燃料噴射時期制御手段は、この減速検知手段の判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、減速検知手段の判定が減速を肯定している際には、燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】この発明は、燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する燃料噴射時期制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、供給する燃料が減少する傾向を検知する減速検知手段を設け、燃料噴射時期制御手段は、この減速検知手段の判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、減速検知手段の判定が減速を肯定している際には、燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この発明は内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、特に、燃料の噴射時期を排気行程とは異なる他の行程にわたって変更可能に制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
車両等に搭載され内燃機関の燃料噴射制御装置には、吸気装置の内部通路に燃料を供給する燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装置から供給する燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、この燃料の噴射時期を排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する燃料噴射時期制御手段を備えているものがある。
このような内燃機関の燃料噴射制御装置には、吸気行程開始前に終了する第1の燃料噴射と吸気行程中に終了する第2の燃料噴射とを選択的に実行可能な装置であって、第1の燃料噴射から第2の燃料噴射に切り換えるときに、一気に切り換えずに、燃料噴射の開始・終了タイミングを予め定められたタイミングで徐々に変化させることで、空燃比の変動を抑制して、内燃機関の運転が不安定になることを抑制するものがある。
また、従来の内燃機関の燃料噴射制御装置には、内燃機関の始動時の所定期間において吸気弁の開期間で燃料噴射を行わせ、所定期間後は吸気弁の開期間前に燃料噴射を行わせることで、始動時のHC排出量を抑制するものがある。
特開2005−9413号公報
特開2001−82215号公報
また、従来の内燃機関の燃料噴射制御装置には、内燃機関の始動時の所定期間において吸気弁の開期間で燃料噴射を行わせ、所定期間後は吸気弁の開期間前に燃料噴射を行わせることで、始動時のHC排出量を抑制するものがある。
ところで、燃料噴射装置から吸気装置の内部通路に排気行程噴射された燃料は、通路内壁に付着する。車両あるいは内燃機関の減速時には、通路内壁に付着した燃料が一気に燃焼室ヘ流れ込むため、空燃比が非常にリッチになり、内燃機関が失火する場合もある。
従来の燃料噴射制御装置には、減速時に空燃比がリッチ化することを回避するため、燃料を減量させる減速減量補正を行うものがある。この燃料噴射制御装置は、図6に示すように、t1においてスロットル開度が零になり、車速の減少による減速が開始されると、空燃比がリッチ化するので、減速減量補正により燃料の供給量を減量することで、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図っている。減速減量補正は、減速と同時に開始され、時間が経過すると次第に減少させ、t2においてスロットル開度が零から開かて加速が開始されると、終了する。
しかし、この減速減量補正による燃料の減量だけでは、失火を避けることができても、排気ガスの有害成分値悪化を対策することができない問題がある。
従来の燃料噴射制御装置には、減速時に空燃比がリッチ化することを回避するため、燃料を減量させる減速減量補正を行うものがある。この燃料噴射制御装置は、図6に示すように、t1においてスロットル開度が零になり、車速の減少による減速が開始されると、空燃比がリッチ化するので、減速減量補正により燃料の供給量を減量することで、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図っている。減速減量補正は、減速と同時に開始され、時間が経過すると次第に減少させ、t2においてスロットル開度が零から開かて加速が開始されると、終了する。
しかし、この減速減量補正による燃料の減量だけでは、失火を避けることができても、排気ガスの有害成分値悪化を対策することができない問題がある。
また、燃料噴射制御装置には、減速時に燃料の供給を停止する減速燃料カット制御を行うものがある。
しかし、減速燃料カット制御は、スロットル開度が図6に示すように一気に零に戻されず、緩やかに零に向かって戻される場合に、減速開始から燃料カットが行われるまでに時間が掛かるため、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。また、減速燃料カット制御は、スロットル開度が零に至らない場合に、燃料カットが行われないため、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。さらに、減速燃料カット制御は、たとえスロットル開度が零になっても、他の要件、例えば内燃機関が完全暖機状態(冷却水温度が所定値以上)で、且つエンジン回転数が所定値以上でないと、燃料カットが行われないため、暖機途上における減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。
しかし、減速燃料カット制御は、スロットル開度が図6に示すように一気に零に戻されず、緩やかに零に向かって戻される場合に、減速開始から燃料カットが行われるまでに時間が掛かるため、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。また、減速燃料カット制御は、スロットル開度が零に至らない場合に、燃料カットが行われないため、減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。さらに、減速燃料カット制御は、たとえスロットル開度が零になっても、他の要件、例えば内燃機関が完全暖機状態(冷却水温度が所定値以上)で、且つエンジン回転数が所定値以上でないと、燃料カットが行われないため、暖機途上における減速時のリッチ化した空燃比の適正化を図ることができない問題がある。
この発明は、走行状態が、加速あるいは定速の状態から減速状態に移った際に、物理的な制御遅れに起因する空燃比の変動を防止すること、その空燃比の変動に依存する燃焼を失火の発生しない適正な状態に維持すること、および、燃焼後の排気ガスの有害成分値悪化を抑制することを目的とし、特に、燃料噴射装置から燃焼室までや燃焼室の吸気口から排気口までの間の空間的な距離、吸気(混合気)と排気の流れ、燃料制御の制御切換からの時問的な応答遅れ等を考慮して、減速状態に遷移した直後、すなわち、減速初期においてさらに最適な制御を実現することを目的とする。
この発明は、内燃機関の吸気装置の内部通路に燃料を供給する燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装置から供給する燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、この燃料の噴射時期を排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する燃料噴射時期制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、供給する燃料が減少する傾向を検知する減速検知手段を設け、前記燃料噴射時期制御手段は、この減速検知手段の判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、前記減速検知手段の判定が減速を肯定している際には、燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御することを特徴とする。
この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、減速時に排気行程とは異なる他の行程噴射に切り換えることで、減速時に吸気装置の内部通路への燃料の付着する量を低減できる。このため、この発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、内部通路への付着燃料による燃焼悪化を抑止できるので、排気ガスの特定な有害成分の低減を果たすことができる。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図4は、この発明の第1実施例を示すものである。図1は内燃機関の燃料噴射制御装置の制御フローチャート、図2はタイムチャート、図3は噴射時期を示す図、図4はシステム構成図である。
図4において、1は内燃機関、2は吸気装置、3は排気装置、4は点火装置、5は可変バルブタイミング装置、6は燃料噴射装置、7は燃料噴射制御装置である。
内燃機関1は、4気筒:♯1〜♯4を有し、車両に搭載されている。この内燃機関1の吸気装置2は、吸気ポートに連通する内部通路である吸気通路8を備え、吸気通路8に上流側から順次にエアクリーナ9とスロットルボディ10とを配設している。スロットルボディ10には、内部の吸気通路8にスロットルバルブ11を備え、このスロットルバルブ11を迂回して内燃機関1に供給するアイドル空気量を調整するアイドル空気量制御弁12を設けている。内燃機関1の排気装置3は、排気ポートに連通する内部通路である排気通路13を備え、排気通路13に上流側から順次に触媒14とマフラ15とを配設している。
内燃機関1は、点火装置4の点火コイル16を備えている。点火コイル16は、燃焼室に臨ませた点火栓に接続している。
また、内燃機関1は、吸気ポートを開閉する吸気弁と排気ポートを開閉する排気弁との開閉時期を可変可能な可変バルブタイミング装置5を備えている。可変バルブタイミング装置5は、吸気弁を駆動する吸気カム軸に吸気可変バルブタイミング機構17を備え、排気弁を駆動する排気カム軸に排気可変バルブタイミング機構18を備え、これら吸気可変バルブタイミング機構17及び排気可変バルブタイミング機構18を動作させる可変バルブタイミング用制御弁19を備えている。可変バルブタイミング用制御弁19は、制御信号により動作を制御され、クランク軸に対する吸気カム軸に設けた吸気カムのカム角またはカム位相角を変化させるように吸気可変バルブタイミング機構17に供給する作動油圧を制御し、また、クランク軸に対する排気カム軸に設けた排気カムのカム角またはカム位相角を変化させるように排気可変バルブタイミング機構18に供給する作動油圧を制御する。
この内燃機関1は、吸気装置2の内部通路である吸気通路8に燃料噴射装置6のインジェクタ20を備えている。インジェクタ20は、吸気ポートに指向して配設し、吸気通路8に燃料を噴射して供給する。
図4において、1は内燃機関、2は吸気装置、3は排気装置、4は点火装置、5は可変バルブタイミング装置、6は燃料噴射装置、7は燃料噴射制御装置である。
内燃機関1は、4気筒:♯1〜♯4を有し、車両に搭載されている。この内燃機関1の吸気装置2は、吸気ポートに連通する内部通路である吸気通路8を備え、吸気通路8に上流側から順次にエアクリーナ9とスロットルボディ10とを配設している。スロットルボディ10には、内部の吸気通路8にスロットルバルブ11を備え、このスロットルバルブ11を迂回して内燃機関1に供給するアイドル空気量を調整するアイドル空気量制御弁12を設けている。内燃機関1の排気装置3は、排気ポートに連通する内部通路である排気通路13を備え、排気通路13に上流側から順次に触媒14とマフラ15とを配設している。
内燃機関1は、点火装置4の点火コイル16を備えている。点火コイル16は、燃焼室に臨ませた点火栓に接続している。
また、内燃機関1は、吸気ポートを開閉する吸気弁と排気ポートを開閉する排気弁との開閉時期を可変可能な可変バルブタイミング装置5を備えている。可変バルブタイミング装置5は、吸気弁を駆動する吸気カム軸に吸気可変バルブタイミング機構17を備え、排気弁を駆動する排気カム軸に排気可変バルブタイミング機構18を備え、これら吸気可変バルブタイミング機構17及び排気可変バルブタイミング機構18を動作させる可変バルブタイミング用制御弁19を備えている。可変バルブタイミング用制御弁19は、制御信号により動作を制御され、クランク軸に対する吸気カム軸に設けた吸気カムのカム角またはカム位相角を変化させるように吸気可変バルブタイミング機構17に供給する作動油圧を制御し、また、クランク軸に対する排気カム軸に設けた排気カムのカム角またはカム位相角を変化させるように排気可変バルブタイミング機構18に供給する作動油圧を制御する。
この内燃機関1は、吸気装置2の内部通路である吸気通路8に燃料噴射装置6のインジェクタ20を備えている。インジェクタ20は、吸気ポートに指向して配設し、吸気通路8に燃料を噴射して供給する。
この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、燃料噴射時期制御手段21を備えている。燃料噴射時期制御手段21は、入力部22と出力部23とを備えている。
入力部22には、各種信号を検出して入力する検出手段として、エアクリーナ9及びスロットルボディ10間の吸気通路8の吸気流量を検出するエアフロメータ24及び吸気温度を検出する吸気温センサ25と、スロットルバルブ11のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ26と、内燃機関1の冷却水温度を検出する水温センサ27と、内燃機関1のクランク軸のクランク角を検出してエンジン回転速度検出手段としても機能するクランク角センサ28と、内燃機関1の吸気カム軸に設けた吸気カムの吸気カム角を検出する吸気カム角センサ29と、内燃機関1の排気カム軸に設けた排気カムの排気カム角を検出する排気カム角センサ30と、触媒14上流側の排気通路13の排気中の酸素濃度を検出する上流側O2センサ31と、触媒14下流側の排気通路13の排気中の酸素濃度を検出する下流側O2センサ32と、を接続している。
出力部23には、前記アイドル空気量制御弁12と、前記点火コイル16と、前記可変バルブタイミング用制御弁19と、前記インジェクタ20と、を接続している。
燃料噴射時期制御手段21は、インジェクタ20から供給する燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、この燃料の噴射時期を排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する。
入力部22には、各種信号を検出して入力する検出手段として、エアクリーナ9及びスロットルボディ10間の吸気通路8の吸気流量を検出するエアフロメータ24及び吸気温度を検出する吸気温センサ25と、スロットルバルブ11のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ26と、内燃機関1の冷却水温度を検出する水温センサ27と、内燃機関1のクランク軸のクランク角を検出してエンジン回転速度検出手段としても機能するクランク角センサ28と、内燃機関1の吸気カム軸に設けた吸気カムの吸気カム角を検出する吸気カム角センサ29と、内燃機関1の排気カム軸に設けた排気カムの排気カム角を検出する排気カム角センサ30と、触媒14上流側の排気通路13の排気中の酸素濃度を検出する上流側O2センサ31と、触媒14下流側の排気通路13の排気中の酸素濃度を検出する下流側O2センサ32と、を接続している。
出力部23には、前記アイドル空気量制御弁12と、前記点火コイル16と、前記可変バルブタイミング用制御弁19と、前記インジェクタ20と、を接続している。
燃料噴射時期制御手段21は、インジェクタ20から供給する燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、この燃料の噴射時期を排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する。
この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、供給する燃料が減少する傾向を検知する減速検知手段として、前記スロットル開度センサ26を設けている。減速検知手段は、スロット開度がほぼ零(アイドル開度)であることを検出するアイドルスイッチでも良い。また、減速検知手段は、アクセルペダルの踏込み量であるアクセル開度を検出するアクセルセンサでも良い。ここで言う減速とは、吸気(混合気)の量を減少する方向に操作した応答をきっかけとした燃焼状態の変化(出力低下、トルクダウン)であり、車両の減速だけでなく、内燃機関1の回転状態が減速する状態を含む。よって、減速検知手段は、スロットル開度(アクセル開度)が所定値以下に閉じられた状態となることを検知し、その微分である減少率を検知する手段でも良い。
車両の減速も、エンジン回転速度の減少も、内燃機関1の出力低下が主な要因であり、出力は燃料の供給とは切り離せない。燃料と出力は、適正な空燃比を保った燃焼状態では、内燃機関1の出力相関性が高い。減速検知手段は、エンジン回転速度が所定値以下となったり、その減少率を判定したり、車両速度について同様の判定を行ったりする手段でも良い。
前記燃料噴射時期制御手段21は、この減速検知手段であるスロットル開度センサ26の検出信号による判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定している際には、インジェクタ20による燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御する。
ここで、前記燃料噴射時期制御手段21は、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とするように制御する。
車両の減速も、エンジン回転速度の減少も、内燃機関1の出力低下が主な要因であり、出力は燃料の供給とは切り離せない。燃料と出力は、適正な空燃比を保った燃焼状態では、内燃機関1の出力相関性が高い。減速検知手段は、エンジン回転速度が所定値以下となったり、その減少率を判定したり、車両速度について同様の判定を行ったりする手段でも良い。
前記燃料噴射時期制御手段21は、この減速検知手段であるスロットル開度センサ26の検出信号による判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定している際には、インジェクタ20による燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御する。
ここで、前記燃料噴射時期制御手段21は、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とするように制御する。
次に、作用を説明する。
内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図1に示すように、制御がスタートすると(101)、スロットル開度が所定値(アイドル開度に近い値)以下に閉じられて減速したかを判断する(102)。
この判断(102)がNOの場合は、スタート(101)に戻る。この判断(102)がYESの場合は、減速減量補正が起動したかを判断する(103)。
この判断(103)がNOの場合は、スタート(101)に戻る。この判断(103)がYESの場合は、噴射時期を排気行程噴射Aから吸気行程噴射Bに移行し(104)、減速減量補正が停止したかを判断する(105)。
この判断(105)がNOの場合は、吸気行程噴射B(104)に戻る。この判断(105)がYESの場合は、噴射時期を吸気行程噴射Bから排気行程噴射Aに移行し(106)、制御をストップする(107)。
内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図1に示すように、制御がスタートすると(101)、スロットル開度が所定値(アイドル開度に近い値)以下に閉じられて減速したかを判断する(102)。
この判断(102)がNOの場合は、スタート(101)に戻る。この判断(102)がYESの場合は、減速減量補正が起動したかを判断する(103)。
この判断(103)がNOの場合は、スタート(101)に戻る。この判断(103)がYESの場合は、噴射時期を排気行程噴射Aから吸気行程噴射Bに移行し(104)、減速減量補正が停止したかを判断する(105)。
この判断(105)がNOの場合は、吸気行程噴射B(104)に戻る。この判断(105)がYESの場合は、噴射時期を吸気行程噴射Bから排気行程噴射Aに移行し(106)、制御をストップする(107)。
このように、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、減速時に排気行程とは異なる他の行程噴射に切り換えることで、減速時に吸気装置2の内部通路である吸気通路8への燃料の付着する量を低減できる。このため、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、吸気通路8への付着燃料による空燃比のリッチ化を低減して燃焼悪化を抑止できるので、排気ガスの特定な有害成分の低減を果たすことができる。
また、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、排気行程噴射から切り換える他の行程噴射を吸気行程噴射とし、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とするように制御する。内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図2に示すように、t1においてスロットル開度が零となった減速時に吸気行程噴射とすることで、空燃比のリッチ化を低減することができる。減速時の吸気行程噴射は、t2においてスロットル開度が零から開かれるて加速が開始されると終了し、排気行程噴射にもどる。
このように、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図3(A)に示すように、通常時の噴射時期を排気行程としていることに対し、図3(B)に示すように、減速時の噴射時期に対応する行程が排気行程から吸気行程に変わることにより、波線矢印で示す約1行程分に対応する1テンポだけ燃料の噴射開始から噴射終了までの供給時期が遅れるため、吸気の減少と搬送時間(距離)の影響により減量効果も大きく、燃料の付着量(吸気通路8内の貯留分)を減らすことができ、とくに減速初期の燃焼悪化を抑止できる。
これにより、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、減速時の空燃比リッチ化が低減され、有害成分の低減を果たすことができ、また、空燃比リッチ化の低減により、排気通路13側での燃料成分が低減することとなるため、触媒14の温度も下がり、触媒保護にもなる。
また、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、排気行程噴射から切り換える他の行程噴射を吸気行程噴射とし、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とするように制御する。内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図2に示すように、t1においてスロットル開度が零となった減速時に吸気行程噴射とすることで、空燃比のリッチ化を低減することができる。減速時の吸気行程噴射は、t2においてスロットル開度が零から開かれるて加速が開始されると終了し、排気行程噴射にもどる。
このように、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図3(A)に示すように、通常時の噴射時期を排気行程としていることに対し、図3(B)に示すように、減速時の噴射時期に対応する行程が排気行程から吸気行程に変わることにより、波線矢印で示す約1行程分に対応する1テンポだけ燃料の噴射開始から噴射終了までの供給時期が遅れるため、吸気の減少と搬送時間(距離)の影響により減量効果も大きく、燃料の付着量(吸気通路8内の貯留分)を減らすことができ、とくに減速初期の燃焼悪化を抑止できる。
これにより、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、減速時の空燃比リッチ化が低減され、有害成分の低減を果たすことができ、また、空燃比リッチ化の低減により、排気通路13側での燃料成分が低減することとなるため、触媒14の温度も下がり、触媒保護にもなる。
図5は、第2実施例を示すものである。第2実施例の内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、第1実施例と同様に図4に示すように構成されているので、要部を説明する。第2実施例において、燃料噴射時期制御手段21は、スロットル開度センサ26の検出信号による判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とする一方、燃料噴射制御装置7には、内燃機関1の吸排気弁のオーバーラップ量を変更するカム角またはカム位相角を検出する手段として、前記吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30を併設している。
吸排気弁のオーバーラップとは、吸気カム軸の吸気カムと排気カム軸の排気カムとにより開弁駆動される吸気弁と排気弁との各開弁時期が重なることを示し、とくにその重なりが大きい傾向にあることを示す。吸排気弁のオーバーラップは、吸気カム及び排気カムのカム角、または吸気カム及び排気カムのカム位相角をずらすことにより変更することができる。このオーバーラップの変更は、吸気カムの位相をずらす場合と、排気カムの位相をずらす場合と、それら両方の吸排気カムの位相をずらす場合とがあり、どの場合かによって同じオーバーラップ量であっても、燃料の噴射時期に違いがある。この実施例では、吸気カムのカム角を進角させてオーバーラップを大きくし、吸気カムのカム角を遅角させてオーバーラップを小さく若しくはなくしている。
そして、内燃機関1は、この重なり(オーバーラップ量)が大きくなるほど、排気ガスを燃焼室からの排出する際に、より早い段階で吸気が導入され、この吸気が燃焼室の底に向かって入り込まず、吸気口から燃焼室頂部を横切って排気口に向かって流れるため、吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなることになる。その結果、吸排気弁のオーバーラップ量が大きい場合は、吸気に含まれる未燃焼の燃料成分が排気ガスに多分に含まれることになる。
燃料噴射制御装置7には、前記のように、内燃機関1の吸排気弁のオーバーラップ量を変更する吸排気カムのカム角またはカム位相角を検出する手段として、吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30を併設している。燃料噴射時期制御手段21は、この吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30により検出されたカム角またはカム位相角が吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示すと判定される場合は、スロットル開度センサ26の検出信号による判定による減速の肯定に関わらず燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御する。
燃料噴射時期制御手段21には、検出された吸排気カムのカム角またはカム位相角が吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示すと判定するために、燃焼室に入った吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなるようなオーバーラップ量となるカム角またはカム位相角を所定値として設定している。燃料噴射時期制御手段21は、この所定値と検出されたカム角またはカム位相角とを比較して、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きい場合には吸排気弁のオーバーラップ量が大きいと判定する。
吸排気弁のオーバーラップとは、吸気カム軸の吸気カムと排気カム軸の排気カムとにより開弁駆動される吸気弁と排気弁との各開弁時期が重なることを示し、とくにその重なりが大きい傾向にあることを示す。吸排気弁のオーバーラップは、吸気カム及び排気カムのカム角、または吸気カム及び排気カムのカム位相角をずらすことにより変更することができる。このオーバーラップの変更は、吸気カムの位相をずらす場合と、排気カムの位相をずらす場合と、それら両方の吸排気カムの位相をずらす場合とがあり、どの場合かによって同じオーバーラップ量であっても、燃料の噴射時期に違いがある。この実施例では、吸気カムのカム角を進角させてオーバーラップを大きくし、吸気カムのカム角を遅角させてオーバーラップを小さく若しくはなくしている。
そして、内燃機関1は、この重なり(オーバーラップ量)が大きくなるほど、排気ガスを燃焼室からの排出する際に、より早い段階で吸気が導入され、この吸気が燃焼室の底に向かって入り込まず、吸気口から燃焼室頂部を横切って排気口に向かって流れるため、吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなることになる。その結果、吸排気弁のオーバーラップ量が大きい場合は、吸気に含まれる未燃焼の燃料成分が排気ガスに多分に含まれることになる。
燃料噴射制御装置7には、前記のように、内燃機関1の吸排気弁のオーバーラップ量を変更する吸排気カムのカム角またはカム位相角を検出する手段として、吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30を併設している。燃料噴射時期制御手段21は、この吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30により検出されたカム角またはカム位相角が吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示すと判定される場合は、スロットル開度センサ26の検出信号による判定による減速の肯定に関わらず燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御する。
燃料噴射時期制御手段21には、検出された吸排気カムのカム角またはカム位相角が吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示すと判定するために、燃焼室に入った吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなるようなオーバーラップ量となるカム角またはカム位相角を所定値として設定している。燃料噴射時期制御手段21は、この所定値と検出されたカム角またはカム位相角とを比較して、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きい場合には吸排気弁のオーバーラップ量が大きいと判定する。
次に、作用を説明する。
内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図5に示すように、制御がスタートすると(201)、スロットル開度が所定値(アイドル開度に近い値)以下に閉じられて減速したかを判断する(202)。
この判断(202)がNOの場合は、スタート(201)に戻る。この判断(202)がYESの場合は、減速減量補正が起動したかを判断する(203)。
この判断(203)がNOの場合は、スタート(201)に戻る。この判断(203)がYESの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいかを判断する(204)。この判断(204)においては、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きいかを判断する。
この判断(204)において、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも小さくてNOの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が小さいので、噴射時期を排気行程噴射Aから吸気行程噴射Bに移行し(205)、減速減量補正が停止したかを判断する(206)。
この判断(206)がNOの場合は、吸気行程噴射B(205)に戻る。この判断(206)がYESの場合は、噴射時期を吸気行程噴射Bから排気行程噴射Aに移行し(207)、制御をストップする(208)。
一方、前記吸排気弁のオーバーラップ量が大きいかの判断(204)において、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きくてYESの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいので、噴射時期を排気行程噴射Aとし(209)、制御をストップする(208)。
内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、図5に示すように、制御がスタートすると(201)、スロットル開度が所定値(アイドル開度に近い値)以下に閉じられて減速したかを判断する(202)。
この判断(202)がNOの場合は、スタート(201)に戻る。この判断(202)がYESの場合は、減速減量補正が起動したかを判断する(203)。
この判断(203)がNOの場合は、スタート(201)に戻る。この判断(203)がYESの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいかを判断する(204)。この判断(204)においては、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きいかを判断する。
この判断(204)において、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも小さくてNOの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が小さいので、噴射時期を排気行程噴射Aから吸気行程噴射Bに移行し(205)、減速減量補正が停止したかを判断する(206)。
この判断(206)がNOの場合は、吸気行程噴射B(205)に戻る。この判断(206)がYESの場合は、噴射時期を吸気行程噴射Bから排気行程噴射Aに移行し(207)、制御をストップする(208)。
一方、前記吸排気弁のオーバーラップ量が大きいかの判断(204)において、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きくてYESの場合は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいので、噴射時期を排気行程噴射Aとし(209)、制御をストップする(208)。
このように、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいときに吸気行程噴射を行わないので、燃料成分の未燃焼吹き抜けを防止できる。このため、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、必然的に生ずる排気ガスの有害成分増大傾向を抑制することができる。また、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、空燃比の変動幅を小さくでき、触媒14の温度上昇を小さく抑制することができ、触媒14の耐久性を確保できる。
内燃機関1は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きくなるほど、吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなることになる結果、吸気に含まれる未燃焼の燃料成分が排気ガスに多分に含まれることになる。それを避けるため、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、吸排気弁のオーバーラップ量を変更するカム角またはカム位相角を検出する手段として、吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30を設けている。そして、燃料噴射制御装置7は、この吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30の制御信号により検出されたカム角またはカム位相角が、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示す状態であるかを判定する。
燃料噴射制御装置7は、オーバーラップ量が大きいと判定される場合、減速検知手段であるスロットル開度センサ26の検出信号による判定による減速の肯定に関わらず、燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御している。この実施例では、通常運転時の燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御しているので、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きい(吸排気弁のオーバーラップ量が大きい)とみなせる場合は、減速に移行しても燃料噴射時期は排気行程噴射のまま変わらないことになる。その場合には、起こりやすい短絡に因る未燃成分の排出を防ぐことにより、排気ガスの急激な空燃比変化をさけることができる。
一方、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも小さい(吸排気弁のオーバーラップ量が小さい)とみなせる場合は、減速前には排気行程噴射だったものが、減速に移行した際に燃料噴射時期は吸気行程噴射に変わることになる。その場合には、未燃成分の排出はもともと起こり難く、予め吸気通路内壁に付着するように貯留された燃焼室自体へ導入されるはずの燃料分を低減若しくはなくし、開弁した状態となる吸気行程に吸気通路内壁に付着する燃料分が少なくなるように噴射供給することにより、燃焼室内に供給される吸気(混合気)の適正化を図ることができ、燃焼後の排気ガスの急激な空燃比変化をさけることができる。
カムタイミングを変更できない形式の内燃機関、すなわち、可変バルブタイミング装置を備えていない内燃機関では、カム角またはカム位相角が所定値よりも小さい(吸排気弁のオーバーラップ量が小さい)とみなせる場合と、同様の効果を常に発揮することができる。
なお、この噴射時期の変更を実施する時間と同時期に重なって燃料カット制御を行う場合には、この噴射時期の変更による効果は得られない。しかし、燃料カットは、内燃機関の運転継続時間でみると、冷機始動後から完全暖機となるまでの時間では実施されず、内燃機関の低回転状態でも実施されないので、その間の減速時となる累積時間ではこの発明の燃料噴射制御装置7による効果が得られることになる。これは、排気ガスの有害成分低減について、非常に意義のあることである。
内燃機関1は、吸排気弁のオーバーラップ量が大きくなるほど、吸気が吸気口から排気口までの間を短絡して流れる比率が高くなることになる結果、吸気に含まれる未燃焼の燃料成分が排気ガスに多分に含まれることになる。それを避けるため、この内燃機関1の燃料噴射制御装置7は、吸排気弁のオーバーラップ量を変更するカム角またはカム位相角を検出する手段として、吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30を設けている。そして、燃料噴射制御装置7は、この吸気カム角センサ29及び排気カム角センサ30の制御信号により検出されたカム角またはカム位相角が、吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示す状態であるかを判定する。
燃料噴射制御装置7は、オーバーラップ量が大きいと判定される場合、減速検知手段であるスロットル開度センサ26の検出信号による判定による減速の肯定に関わらず、燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御している。この実施例では、通常運転時の燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御しているので、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも大きい(吸排気弁のオーバーラップ量が大きい)とみなせる場合は、減速に移行しても燃料噴射時期は排気行程噴射のまま変わらないことになる。その場合には、起こりやすい短絡に因る未燃成分の排出を防ぐことにより、排気ガスの急激な空燃比変化をさけることができる。
一方、検出されたカム角またはカム位相角が所定値よりも小さい(吸排気弁のオーバーラップ量が小さい)とみなせる場合は、減速前には排気行程噴射だったものが、減速に移行した際に燃料噴射時期は吸気行程噴射に変わることになる。その場合には、未燃成分の排出はもともと起こり難く、予め吸気通路内壁に付着するように貯留された燃焼室自体へ導入されるはずの燃料分を低減若しくはなくし、開弁した状態となる吸気行程に吸気通路内壁に付着する燃料分が少なくなるように噴射供給することにより、燃焼室内に供給される吸気(混合気)の適正化を図ることができ、燃焼後の排気ガスの急激な空燃比変化をさけることができる。
カムタイミングを変更できない形式の内燃機関、すなわち、可変バルブタイミング装置を備えていない内燃機関では、カム角またはカム位相角が所定値よりも小さい(吸排気弁のオーバーラップ量が小さい)とみなせる場合と、同様の効果を常に発揮することができる。
なお、この噴射時期の変更を実施する時間と同時期に重なって燃料カット制御を行う場合には、この噴射時期の変更による効果は得られない。しかし、燃料カットは、内燃機関の運転継続時間でみると、冷機始動後から完全暖機となるまでの時間では実施されず、内燃機関の低回転状態でも実施されないので、その間の減速時となる累積時間ではこの発明の燃料噴射制御装置7による効果が得られることになる。これは、排気ガスの有害成分低減について、非常に意義のあることである。
この発明は、減速時に付着燃料による燃焼悪化を抑止して、排気ガスの特定な有害成分の低減を果たすことができるものであり、吸気装置の内部通路に燃料を噴射する内燃機関に適用することができる。
1 内燃機関
2 吸気装置
3 排気装置
4 点火装置
5 可変バルブタイミング装置
6 燃料噴射装置
7 燃料噴射制御装置
8 吸気通路
11 スロットルバルブ
17 吸気可変バルブタイミング機構
18 排気可変バルブタイミング機構
20 インジェクタ
21 燃料噴射時期制御手段
26 スロットル開度センサ
29 吸気カム角センサ
30 排気カム角センサ
2 吸気装置
3 排気装置
4 点火装置
5 可変バルブタイミング装置
6 燃料噴射装置
7 燃料噴射制御装置
8 吸気通路
11 スロットルバルブ
17 吸気可変バルブタイミング機構
18 排気可変バルブタイミング機構
20 インジェクタ
21 燃料噴射時期制御手段
26 スロットル開度センサ
29 吸気カム角センサ
30 排気カム角センサ
Claims (3)
- 内燃機関の吸気装置の内部通路に燃料を供給する燃料噴射装置を備え、この燃料噴射装置から供給する燃料を対応する気筒の排気行程噴射となるように制御するとともに、この燃料の噴射時期を排気行程とは異なる行程にわたって変更可能に制御する燃料噴射時期制御手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、供給する燃料が減少する傾向を検知する減速検知手段を設け、前記燃料噴射時期制御手段は、この減速検知手段の判定により排気行程噴射と他の行程噴射とを選択的に切り換え、前記減速検知手段の判定が減速を肯定している際には、燃料の供給量を減速時補正を加えて減量するとともに、他の行程噴射に切り換えるように制御することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射時期制御手段は、前記減速検知手段の判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とするように制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記燃料噴射時期制御手段は、前記減速検知手段の判定が減速を肯定した直後最初の燃料噴射から吸気行程噴射とする一方、前記燃料噴射制御装置には、前記内燃機関の吸排気弁のオーバーラップ量を変更するカム角またはカム位相角を検出する手段を併設し、この手段により検出されたカム角またはカム位相角が吸排気弁のオーバーラップ量が大きいことを示すと判定される場合は、前記減速検知手段の判定による減速の肯定に関わらず燃料噴射時期を排気行程噴射となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007203861A JP2009041369A (ja) | 2007-08-06 | 2007-08-06 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007203861A JP2009041369A (ja) | 2007-08-06 | 2007-08-06 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009041369A true JP2009041369A (ja) | 2009-02-26 |
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ID=40442384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007203861A Pending JP2009041369A (ja) | 2007-08-06 | 2007-08-06 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009041369A (ja) |
-
2007
- 2007-08-06 JP JP2007203861A patent/JP2009041369A/ja active Pending
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