JP2009040936A - 自動車用艶出し組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車用艶出し組成物において、水分が残っているボディに対して塗り拡げてもボディに艶出し成分が定着し、艶出し成分の被膜の厚みを高い艶出し効果が出る程度に確保することができ、スプレーする量が加減されて艶出し成分の定着量が変化した場合でもムラなく仕上がるようにする。
【解決手段】 粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下のアミノ変性ジメチルポリシロキサン0.2〜1.0wt%と、アルコール類0.1〜40wt%と、水と、を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分が残っている洗車後の自動車のボディに対して簡便に均一な艶及び光沢を付与することのできる自動車用艶出し組成物に関する。
従来、液体ワックスは、施工前にボディに残った水滴を拭き上げる必要があった。そのため、洗車後の水滴が残ったままのボディに対してすぐに使える簡便なものではなかった。また、液体ワックスでは、ボディに対して簡単にシリコーンオイル等の艶出し成分を定着させるために、アミノ変性シリコーンオイル(アミノ変性ジメチルポリシロキサンに同じ。)をエマルジョン化したり、酸などを用いて中和させて水溶液としたりすることが行われていたけれども、これらの液体ワックスでは、水分が多く残ったボディに対して十分に艶出し成分を定着させることが難しかった。
一方、使用方法の簡便性を高めるために、スプレーして水で洗い流すだけで艶出し効果が得られる液体ワックスも提供されていた。しかし、このものは、固形ワックスを使用したときのように十分な艶出し効果を得ることが難しかった。また、ボディに残っている水分量やボディの温度によってボディに残る艶出し成分量が変化しやすいために、作業方法によっては拭き上げ時に重たく感じたり、ムラになったりといった、作業性の低下が起こりやすかった。
さらに、従来、洗車後の自動車のボディに対して簡便に艶出し効果や撥水効果を付与することのできる艶出し撥水剤組成物として、ジメチルポリシロキサン0.01〜5.00wt%と、アミノ変性ジメチルポリシロキサン0.01〜5.00wt%と、アミノ変性ジメチルポリシロキサンの中和に必要量の50〜200wt%の酸とアルコール類5.0〜40.0wt%と、水とを含有するものが提案されていた(たとえば、特許文献1参照)。また、塗装面の艶出し洗浄剤として、アミノ基含有疎水性化合物を、造膜性合成樹脂のエマルジョンにより乳化させ、必要により上記エマルジョンにシリコーン化合物のエマルジョンを乳化させることにより、塗装面の艶出し効果を上げる提案もなされている(たとえば、特許文献2参照)。そして、この特許文献1に記載されている艶出し撥水剤組成物によると、洗車後の自動車のボディにスプレーし、そのまま成分を拭き伸ばすという簡便な作業で、艶出し効果と撥水効果が付与されるとされている。
また、この艶出し撥水剤組成物において、ジメチルポリシロキサンは、アミノ変性ジメチルポリシロキサンが乾燥して硬化した際の希釈剤の役割を果たすために、軽い拭き伸ばしで拭きムラをなくする作用を発揮するとされている。また、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは撥水性の付与に寄与することと併せて、ジメチルポリシロキサンと共にボディへの艶出し撥水剤組成物の密着性を向上させることに役立つとされている。さらに、酸は、アミノ変性ジメチルポリシロキサンと反応して、アミノ変性ジメチルポリシロキサンを中和し、アミノ変性ジメチルポリシロキサンの親水性を向上させ、組成物の安定化に寄与するとされていて、この酸による反応をおこなわない場合には、アミノ変性ジメチルポリシロキサンの水への溶解性が低くなり、分離等して液剤安定性が悪くなる。また、アルコール類は、ジメチルポリシロキサンやアミノ変性ジメチルポリシロキサンの水への溶解性を向上させるための溶剤として作用すると共に、ボディにスプレーすることでボディ上の水分を凝集させてジメチルポリシロキサンやアミノ変性ジメチルポリシロキサンがボディに付着しやすい環境を作るのに役立つとされている。
特開平11−80668号公報 特開2006−124590号公報
ところで、近時では、水分が残っている洗車後の自動車のボディに対して簡便に使用できるものでありながら、固形ワックスに迫る艶出し効果を得ることのできる自動車用艶出し組成物の出現が望まれていて、この要求を満たすためには、次の3つの課題を解決する必要のあることが判っている。
1.水分が残っているボディに対して塗り拡げたときに、ボディに艶出し成分が定着すること。
2.艶出し成分の被膜の厚みを、高い艶出し効果が出る程度に確保することができること。
3.スプレーする量が加減されて艶出し成分の定着量が変化した場合でも、ムラなく仕上がること。
しかしながら、上掲の特許文献1によって提案されている自動車用艶出し撥水剤組成物は、艶出し性に関して上掲の3つの課題を解決するのに不十分であることが判った。
したがって、本発明は、上掲の特許文献1によって提案されている自動車用艶出し撥水剤組成物についての艶出し性に関して不十分な点を改善し、同文献1に示されている酸による反応を行わない代わりに、100cs以下程度の低粘度で1000以下程度の低アミン当量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用することによって、アミノ変性ジメチルポリシロキサンの水への溶解性が低くさや、分離等する液剤安定性の低さを逆手にとって活用することにより、上記の3つの課題を解消することのできる自動車用艶出し組成物を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る自動車用艶出し組成物では、アミノ変性ジメチルポリシロキサンと、アルコール類と、水と、を含有し、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、その粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下である、という構成を採用した。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、上記アミノ変性ジメチルポリシロキサンの含有量が0.2〜1.0wt%であり、アルコール類の配合量が0.1〜40wt%であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、ワックス類と、合成樹脂類と、をさらに含有することが望ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、上記合成樹脂類がエマルジョン化した造膜性合成樹脂を含んでいることが望ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、造膜性合成樹脂には、ウレタン樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョンから選ばれる1種又は複数種であることが可能である。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、上記造膜性合成樹脂の配合比が、固形分として0.001〜2wt%であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、ワックス類の配合比が、固形分として0.01〜2wt%であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、水溶性溶剤をさらに含有することが望ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、水溶性溶剤の配合量が0.1〜5wt%であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、ジメチルポリシロキサンをさらに含有することが望ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物では、全部または一部のジメチルポリシロキサンは、その粘度が100csより高く1万cs以下を示す乳化物であって、配合比の有効濃度が1〜20wt%であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物では、全部または一部のジメチルポリシロキサンは、その粘度が1cs以上100cs以下を示す乳化物であって、配合比の有効濃度が0.1〜5wt%であることが好ましい。
粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下のアミノ変性ジメチルポリシロキサンは、ジメチルシリコーンオイルの側鎖、両末端、片末端又は側鎖両末端をアミノ基で変性させたものに相当している。アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、酸と反応させず中和しないことにより、水への溶解性が低くなり、分離等して液剤安定性が低くなるが、粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下であるので、アルコールへの溶解性が高くなり、また、艶ムラも発生しにくくなる。本発明ではそのような特徴を利用して、すなわちアルコールに溶解したアミノ変性ジメチルポリシロキサンは、塗面においてアルコールが蒸発すると、水分中では分離し易いことから、水と共に流れ去ることなく、水と分離して水分が残った塗面において艶出し成分が定着しやすくなる。これにより初期における艶出し効果を発揮する。流通製品としての具体例には、KF−393(信越化学工業株式会社製、粘度70cs、アミン当量350)、KF−8010(信越化学工業株式会社製、粘度12cs、アミン当量450)、KF−857(信越化学工業株式会社製、粘度70cs、アミン当量830)、L656(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、粘度25cs、アミン当量800)などがある。
本発明に係る自動車用艶出し組成物の製造に際しては、アミノ変性ジメチルポリシロキサンをアルコール中に溶解した後に、水に0.1〜2.0wt%の濃度で分散させることが望ましい。アミノ変性ジメチルポリシロキサンが0.1wt%より少ないと充分な定着効果が出ず、また2.0wt%より多いと水中に分散しにくくなる。アミノ変性ジメチルポリシロキサンの好ましい含有量は0.2〜1.0wt%である。アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、1種類又は2種類以上を併用しても構わない。
アルコール類は、R・OH(Rは炭素数1〜3のアルキル基)で示される低級アルコールであることが望ましい。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどを好適に用いることができる。アルコール類の配合量は0.1〜40wt%である。0.1wt%より少ないとアミノ変性ジメチルポリシロキサンを充分に水に分散させることができず、40wt%より多いと塗装面を侵してしまう可能性がある。アルコール類は1種類、又は2種類以上併用しても構わない。
ワックス類には、天然又は合成系のワックスを乳化したものが相当している。ワックス類の具体例には、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン及びその誘導体、パラフィンワックス及びその誘導体、硬化ヒマシ油、脂肪酸及びその誘導体、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリン、ポタリエチレンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプスワックス、ポリプロピレンワックス、モンタンワックス及びその誘導体などが含まれる。これらのワックス類の乳化に用いる界面活性剤は特に限定されない。配合比は固形分として0.01〜2wt%である。0.01wt%より少ないと充分な艶出し効果が出ず、2wt%より多いと拭き上げるときに重たくなって作業性が低下する。ワックス類は1種類又は2種類以上併用しても構わない。
合成樹脂類には造膜性合成樹脂をエマルジョン化したものが相当している。最低造膜温度やこれらの乳化に用いる界面活性剤は特に限定されない。具体的には、ウレタン樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョンなどである。ウレタン樹脂エマルジョンとしてはスーパーフレックス410(第一工業製薬社製、不揮発分40%、最低造膜温度5℃以下)、アデカボンタイターHUX−232(旭電化工業社製、不揮発分30%、アニオン性、最低造膜温度0℃以上)など。アクリル樹脂エマルジョンとしてはボンコートU40EF(大日本インキ化学工業社製、不揮発分50%、アニオン性、最低造膜温度16℃)、プライマルB−1876NF(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製、不揮発分40%、アニオン性、最低造膜温度70℃)などがある。エポキシ樹脂エマルジョンとしてはエピクロンEM−824−75W(大日本インキ化学工業社製、不揮発分75%)、エピクロンEM−824−65W(大日本インキ化学工業社製、不揮発分65%)などがある。ポリエステル樹脂エマルジョンとしてはレジドロールVAZ4333/45W(ソルーシアジャパン社製、不揮発分45%)などが挙げられる。配合比は固形分として0.001〜2wt%である。合成樹脂類が0.001wt%より少ないと充分な艶出し効果が得られず、2wt%より多いと拭き上げるときに重たくなって作業性が低下する。合成樹脂類は1種類又は2種類以上併用しても構わない。
アミノ変性ジメチルポリシロキサンによる初期における艶出し効果に対して、上記ワックス類と合成樹脂類を含有することにより、艶出し成分の被膜の厚みを高い艶出し効果が出る程度に確保することでき、持続する艶出し効果を得ることができる。
水溶性溶剤には、グリコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコールなどが含まれる。配合量は0.1〜5wt%である。0.1wt%より少ないと充分なムラ消し効果が得られず、5wt%より多いと拭き上げ時にムラが発生する。水溶性溶剤は1種類又は2種類以上併用しても構わない。
ジメチルポリシロキサンには乳化したものも用いる。乳化のために使用する界面活性剤の種類は問わない。粘度が100csより高く1万cs以下のジメチルポリシロキサンは、アミノ変性ジメチルポリシロキサンによる初期における艶出し効果を更に向上させる。この粘度が100csより高く1万cs以下のジメチルポリシロキサンの配合比は有効濃度で1〜20wt%である。1wt%より少ないと充分な艶出し効果が得られず、20wt%より多いと仕上がり時に艶ムラが発生し易くなる。また、粘度1cs以上100cs以下のジメチルポリシロキサンは、粘度が低いことから艶出し成分が乾燥して硬化した際の希釈剤の役割を果たすために、軽い拭き伸ばしで艶ムラをなくする作用を発揮する。この粘度1cs以上100cs以下のジメチルポリシロキサンの配合比は有効濃度で0.1〜5wt%である。0.1wt%より少ないと希釈剤としての作用が得られず、5wt%より多いと艶ムラが発生し易くなる。ジメチルポリシロキサンは1種類又は2種類以上併用しても構わない。
その他の添加剤として、一般に慣用されている粘度調整剤、顔料、染料などの着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料などを適宜配合しても構わない。
本発明に係る自動車用艶出し組成物を製造する方法の一例では、低粘度(100cs以下)で低アミン当量(1000以下)のアミノ変性ジメチルポリシロキサン(アミノ変性シリコーンオイルに同じ)をアルコールに溶解し、そのまま水に分散させてある。この方法でアミノ変性ジメチルポリシロキサンを水に分散させておくと、アミノ変性ジメチルポリシロキサンが水分中から分離しやすくなり、ボディへの艶出し成分の定着性が向上する。このことから、冒頭で説明した従来の液体ワックスのようにアミノ変性シリコーンオイルをエマルジョン化したり酸などを用いて中和させて水溶液としたりしたものに比べて、水分が多く残ったボディに対する艶出し成分の定着性が向上することになり、初期の艶感(施工直後の艶感)を得ることができる。また、粘度が100csより高く1万cs以下のジメチルポリシロキサンを含有させることにより、初期の艶感(施工直後の艶感)をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、造膜性に優れた合成樹脂類によってキズ埋め効果が発揮されることに加え、天然系や合成系のワックスエマルジョンといったワックス類を組み合わせてあることにより、当該組成物の被膜の厚み及び定着性が向上し、艶の持続性を得ることができる。なお、アミノ変性ジメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンと造膜性合成樹脂を組み合わせることによっても、塗装表面の細かいキズを埋め、艶出し効果を得ることができるけれども、この方法では、艶出しができても艶の持続性が低くなる。しかも、オイル主体の艶出しとなるために、均一な艶や光沢感を得ることが難しい。
さらに、本発明に係る自動車用艶出し組成物は、水溶性溶剤を組み合わせると、水分が残ったボディにおいても均一に艶出し成分が塗り拡げられるようになる。また、粘度が1cs以上100cs以下のジメチルポリシロキサンを更に追加して含有させた場合には、艶出し成分が乾燥して硬化した際の希釈剤の役割を果たすために、軽い拭き伸ばしで艶ムラをなくする作用を発揮する。
本発明によれば、上掲の特許文献1によって提案されている自動車用艶出し撥水剤組成物についての艶出し性に関して不十分な点が改善されて、水分が残っているボディに対して塗り拡げてもボディに艶出し成分が定着し、艶出し成分の被膜の厚みを高い艶出し効果が出る程度に確保することができ、スプレーする量が加減されて艶出し成分の定着量が変化した場合でもムラなく仕上がるようになるという効果が奏される。
A.実施例・比較例
実施例及び比較例の配合成分や配合量(wt%)や評価項目を図1の表1に示してある。表1に示した実施例及び比較例についての具体的な使用薬剤は次の通りである。尚、表1の各成分について、それらの成分の配合量(wt%)は固形分や有効濃度の割合(wt%)を示すものではない。固形分や有効濃度の割合は、つぎに示す各成分の有効濃度、不揮発分に基づいて(表示のないものは有効濃度約100%)、表1の各成分の割合から算出される割合である。


アミノ変性ジメチルポリシロキサン
・L656(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、粘度25cs、アミン当量800)
・KF−8010(信越化学工業株式会社製、粘度12cs、アミン当量450)
・FINISH CT14E(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、アミノ変性ジメチルポリシロキサンの乳化物。有効濃度55%、ノニオン性)。
アルコール類
・イソプロピルアルコール
ワックス類
・ワックスエマルジョンA
カルナバワックスの乳化物。有効濃度30%、ノニオン性。
・ワックスエマルジョンB
マイクロクリスタルワックスの乳化物。有効濃度40%、アニオン性。
合成樹脂類(造膜性合成樹脂類)
・レジドロールVAZ4333/45WA(ソルーシアジャパン社製、不揮発分45%)
・ボンコートU40EF(大日本インキ化学工業社製、不揮発分50%、アニオン性、最低造膜温度16℃)
ジメチルポリシロキサン
・シリコンエマルジョンA
粘度500csのジメチルポリシロキサンの乳化物。有効濃度30%、ノニオン性
・シリコンエマルジョンB
粘度10csのジメチルポリシロキサンの乳化物。有効濃度30%、ノニオン性
水溶性溶剤
・グリコール系溶剤(プロピレングリコール)
ギ酸
・ギ酸分40%
B.評価方法・評価基準について
塗面への付き易さ
・評価方法
商品名クラウンコンフォート(トヨタ自動車株式会社製、以下同じ)の黒色タイプのボンネット板を12分割して1部分をブランクとし、水に濡れる状態になるように充分洗浄したものを用意した。水をかけてボンネット板が完全に濡れた状態で、実施例、比較例の各組成物を数回スプレーして塗り広げていくときの、艶出し成分の付着性を目視で評価した。
・評価基準
◎ 艶出し成分が水に弾かれずに、塗面に付着する。
○ 艶出し成分が少し水に弾かれるが、塗面に付着する。
△ 艶出し成分が水に弾かれて、部分的に塗面に付着する。
× 艶出し成分が水に弾かれて、ほとんど塗面に付着しない。
拭き上げ易さ
・評価方法
商品名クラウンコンフォートの黒色タイプのボンネット板を12分割して1部分をブランクとし、水に濡れる状態になるように充分洗浄したものを用意した。水をかけてボンネット板が完全に濡れた状態で、実施例、比較例の各組成物を数回スプレーして塗り広げた後の拭き上げ易さを官能評価した。
・評価基準
◎ 軽く拭き上げられ、ムラになった場合にも容易にムラを解消できる。
○ 軽く拭き上げられるが、ムラになった場合に拭き取り回数は多くなるがムラを解 消できる。
△ 拭き上げ感が少し重たく、ムラになった場合にムラを解消しにくい。
× 拭き上げ感が重たく、ムラになった場合にムラを解消できない。
艶出し性
・評価方法
商品名クラウンコンフォートの黒色タイプのボンネット板を12分割して1部分をブランクとし、水に濡れる状態になるように充分洗浄したものを用意した。水をかけてボンネット板が完全に濡れた状態で、実施例、比較例の各組成物を数回スプレーして塗り広げた後に拭き上げ、艶出し性を目視にて評価した。
・評価基準
◎ 優秀
○ 良好
△ 不十分
× 不良
艶持続性
・評価方法
商品名クラウンコンフォートの黒色タイプのボンネット板を12分割して1部分をブランクとし、水に濡れる状態になるように充分洗浄したものを用意した。水をかけてボンネット板が完全に濡れた状態で、実施例、比較例の各組成物を数回スプレーして塗り広げた後に拭き上げる。流水を1分間掛け続けた後の艶を、目視にて評価した。
・評価基準
◎ 優秀
○ 良好
△ 不十分
× 不良
図1の表1より、その粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下であるアミノ変性ジメチルポリシロキサンと、アルコール類と、水と、を含有する組成物をベースとした自動車用艶出し組成物である実施例1〜5については、作業性に関して塗面への付き易さ、拭き上げ易さが、「艶出し成分が水に弾かれずに、塗面に付着する」又は「艶出し成分が少し水に弾かれるが、塗面に付着する」と判定され、比較例1〜3についてのそれらの評価よりもすべて優れていることが判る。また、性能に関しても、実施例1〜5が、比較例1〜3についての評価よりも優れていることが判る。
表1を示した図面代用の表である。

Claims (12)

  1. アミノ変性ジメチルポリシロキサンと、アルコール類と、水と、を含有し、アミノ変性ジメチルポリシロキサンは、その粘度が100cs以下でアミン当量が1000以下であることを特徴とする自動車用艶出し組成物。
  2. アミノ変性ジメチルポリシロキサンの含有量が0.2〜1.0wt%であり、アルコール類の配合量が0.1〜40wt%である請求項1に記載した自動車用艶出し組成物。
  3. ワックス類と、合成樹脂類と、をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載した自動車用艶出し組成物。
  4. 合成樹脂類がエマルジョン化した造膜性合成樹脂を含んでいる請求項3に記載した自動車用艶出し組成物。
  5. 上記造膜性合成樹脂が、ウレタン樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョンから選ばれる1種又は複数種である請求項4に記載した自動車用艶出し組成物。
  6. 上記造膜性合成樹脂の配合比が、固形分として0.001〜2wt%である請求項4又は請求項5に記載した自動車用艶出し組成物。
  7. ワックス類の配合比が、固形分として0.01〜2wt%である請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載した自動車用艶出し組成物。
  8. 水溶性溶剤をさらに含有する請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載した自動車用艶出し組成物。
  9. 水溶性溶剤の配合量が0.1〜5wt%である請求項8に記載した自動車用艶出し組成
  10. ジメチルポリシロキサンをさらに含有する請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載した自動車用艶出し組成物。
  11. 全部または一部のジメチルポリシロキサンは、その粘度が100csより高く1万cs以下を示す乳化物であって、配合比の有効濃度が1〜20wt%である請求項10に記載した自動車用艶出し組成物。
  12. 全部または一部のジメチルポリシロキサンは、その粘度が1cs以上100cs以下を示す乳化物であって、配合比の有効濃度が0.1〜5wt%である請求項10ないし請求項11のいずれか1項に記載した自動車用艶出し組成物。
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