JP2009040927A - 摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質炭素層を備えた摺動部材において、摩擦係数の一層の低減を図ると共に、簡便なプロセスで製造することができ、しかも潤滑剤や潤滑油の選択の制約が少ない摺動部材を提供すること。
【解決手段】表面の硬質炭素層3と下地基材1の間に中間層2を設け、その中間層2が呈する柱状のドメイン構造における粒界の傾きのばらつきが特定範囲内、すなわちドメイン壁面2aの傾き角度の標準偏差が12°以内に収まるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、その表面に硬質炭素被膜(硬質炭素層)を備えた摺動部材に係わり、摩擦特性に優れ、特にエンジンオイル、トラスミッションオイル等の潤滑剤中で使用するのに適した摺動部材に関するものである。
硬質炭素被膜は、アモルファス状の炭素あるいは水素化炭素から成る膜であって、a−C:H(アモルファスカーボン又は水素化アモルファスカーボン)、i−C(アイカーボン)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン又はディーエルシー)などとも呼ばれている。
このような硬質炭素被膜を形成するには、炭化水素ガスをプラズマ分解して成膜するプラズマCVD法、あるいは炭素や炭化水素イオンを用いるイオンビーム蒸着法などの気相合成法が用いられる。この硬質炭素被膜は、高硬度で表面が平滑であり、耐摩耗性に優れ、さらにはその固体潤滑性から摩擦係数が低く、優れた摺動特性を有している。
例えば、無潤滑下における通常の平滑な鋼材表面の摩擦係数が0.5〜1.0であるのに対して、硬質炭素被膜を供えた摺動部材においては、無潤滑下での摩擦係数が0.1程度である。
このような硬質炭素被膜を供えた摺動部材は、上記のような優れた特性を活かし、ドリルの刃を始めとする切削工具や研削工具等の加工工具や、塑性加工用金型、バルブコックやキャプスタンローラのような無潤滑下での摺動部品等に応用されている。
一方、潤滑油中で摺動する内燃機関などの機械部品においても、エネルギー消費や環境問題の面から、できるだけ機械的損失を低減したいという要望があり、摩擦損失の大きい摺動条件の厳しい部位への硬質炭素被膜の適用が検討されている。すなわち、摺動部材に硬質炭素被膜を設けると共に、その組成や表面状態を制御し、無潤滑状態だけでなく潤滑油が十分に存在する条件下でも摩擦係数を下げる試みがいくつかなされている。
例えば、このような硬質炭素被膜にIVa、Va、VIa族元素及びSiのうちの1種以上を添加する方法が提案されており、この方法によれば、これらの元素を加えない場合に比べ摩擦係数が低減している(特許文献1参照)。
また、このような硬質炭素被膜にAgのクラスターを設ける方法も示されている(特許文献2参照)。
この他、このような硬質炭素被膜に適宜の金属元素を加えた上、さらに膜中の酸素の含有量を制御することで低い摩擦係数を得ている(特許文献3参照)。
特開2003−247060号公報 特開2004−099963号公報 特開2004−115826号公報
しかしながら、上記特許文献1及び3に記載の摺動部材では、硬質炭素被膜に特定の元素を添加しているため、成膜時のプロセス条件が複雑となる。
一方、特許文献2に記載の方法においても、当該硬質炭素被膜の上に、大きさや数を制御してAgクラスターを設ける必要があることから、プロセス制御の点で煩雑な面があるという問題がある。
本発明は、硬質炭素被膜を備えた摺動部材における上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、摩擦係数の一層の低減を図ると共に、簡便なプロセスで製造することができる摺動部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、摺動部材の構造や硬質炭素被膜の成膜方法などについて鋭意検討を重ねた結果、表面の硬質炭素被膜層と下地基材との間に設ける中間層が特定構造を備えた場合に、摩擦係数が低減することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の摺動部材は、下地基材と、表面に位置する硬質炭素層と、これら基材と硬質炭素層の間に介在する中間層との少なくとも3層を備えた摺動部材であって、当該中間層が柱状のドメイン構造を有し、ドメイン壁面の傾き角度の標準偏差が12°以内であることを特徴としている。
本発明によれば、摺動部材の表面の硬質炭素層と下地基材層の間に中間層を設け、中間層の柱状構造におけるドメイン壁面の傾き角度の標準偏差が12°以内、すなわち個々のドメインの方向が揃うようにしたため、その上に設けられる硬質炭素層の膜質が向上し、摩擦係数を低減することができる。
以下、本発明の擦摺動部材について、さらに詳細に説明する。
本発明の摺動部材は、その断面構造を模式的に図1に示すように、下地としての基材1と、中間層2と、表面に位置する硬質炭素層3の少なくとも3層から成る。
ここで、下地基材1としては、クロムモリブデン鋼などの適宜の材料を用いることができる。
中間層2は、上記下地基材1と表面の硬質炭素層3との間の熱膨張差に起因する応力を緩和して、密着性を向上させる目的でこれらの間に形成され、当該中間層2としてはチタンやクロム、タングステンなどが用いられる。
この中間層2は、一般にスパッタリング法などで形成される。
中間層2の形成に際しては、スパッタリングされたクロムなどの元素が基材表面に、まずクラスターを形成し、その形成されたクラスターが次第に大きくなる。やがて隣接するクラスターと衝突した後、今度は上方(基材に対し垂直な方向)に成長することによって柱状のドメイン構造を呈することになる。
本発明は、この中間層2の柱状構造と摩擦係数との関係に着目し、柱状構造の個々のドメインの方向が揃っているほど、換言すれば柱状をなすドメインの壁面2a(界面)が基材1に対してなす角度が揃っているほど、その中間層2の上に設ける硬質炭素被膜層3の摩擦係数が下がる傾向を見出したことに基づく。壁面2aの角度の定量法については後述する。
本発明の摺動部材において、中間層2の柱状構造のドメイン壁面2aが基材1に対してなす角度が揃っているほど摩擦係数が下がる理由については、現状では、必ずしも明らかになっていないが、以下のようなことが推定される。
すなわち、ドメインの方向が揃っていない場合、成膜プロセス中や成膜後の冷却過程において、ドメインの方位差によって界面で応力が発生することもあり、これがその上に積層した硬質炭素被膜の膜質を何らかの形で悪化させているものと考えられる。
これに対し、ドメインの方向を揃えることによって応力が下がり、その結果硬質炭素被膜の膜質が改善されるものと推定される。
本発明において、ドメイン方向を揃える方法については、特には限定されない。例えば、簡便な方法として、下地基材の表面を平滑にする方法がある。
より詳しく述べるならば、下地の粗さ曲線に大きなうねりはあってもよいが、局部的な山や谷をドメインの大きさと同程度以下に極力抑制することによって、ドメインが基材(の基準面)に対して、ほぼ垂直に成長するようになり、それらの間の界面もまた基材に垂直となる。その結果、隣接するドメイン同士の界面が基材に対してなす角度も揃うことになる。
このとき、ドメイン壁面2aが基材1に対してなす角度としては、その標準偏差が12°以内であることが必要であるが、7°以内、さらには4°以内であることがより好ましい。
ドメインの幅の典型的な値は、30〜100nm程度である。
なお、表面が原子レベルで平滑な材料として、半導体工業で使われるシリコンウェハがあるが、簡単に割れてしまうので摺動部材としては実用にならない。
この場合、中間層としては上で挙げたように、クロムなどの金属を適宜用いることができ、具体的には、クロムを80原子%程度以上含む金属を適用することが望ましい。
上記硬質炭素層3を成膜する方法としては、スパッタリング法が好ましい。アークイオンプレーティング法でも成膜自体は可能だが、摩擦低減効果が得難い。
さらに硬質炭素層の原料に炭化水素ガスを用いる化学気相堆積(CVD)法は、中間層の構造のいかんに関らず摩擦係数が全般に高くなるので好ましくない。
なお、中間層と硬質炭素層の間を傾斜材料にしたり、硬質炭素層中に他の層を適宜挟んだり、その最表層に犠牲層を形成したりする変形も可能である。
硬質炭素層中の水素量は、1原子%以下であることが好ましく、これによって摩擦係数を低く保持することができる。
硬質炭素層の成膜に際して、上記スパッタリング法を適用し、しかも雰囲気ガスに炭化水素ガスを用いな異様にすれば、通常上記の水素含有量の範囲に収まる。スパッタリング法でも雰囲気ガスに炭化水素を混合したり、あるいは成膜法にCVD法を用いたりするとそれ以上の水素が膜中に含有される結果となる。
本発明の摺動部材は、例えば自動車用エンジン油などの潤滑剤中で使用することができる。
また、本発明の摺動部材に適用する潤滑剤の基油としては、ポリアルファオレフィンのような側鎖を持つ分子を主成分とするものが適している。これは摺動部材の接触点において、ポリアルファオレフィン分子同士が絡まりやすいことで油膜切れを防ぎ、摺動部材間の固体接触を防ぐ働きをするためと推測される。ポリアルファオレフィンは重合度や側鎖の長さの違いにより多種のものが存在するが、一般に潤滑油用としてはCH=CH−(CH−CHの構造式で表されるα−オレフィンが3から5分子程度重合したもので、側鎖長のnが6ないし12の分子を主成分としたものが使われる。実際のポリアルファオレフィンはそれらの混合物である。
さらに、本発明の摺動部材に適用する上記潤滑剤には、分子中に水酸基を有する添加剤、例えば、グリセリンモノオレイトなどを含んでいることも望ましい。推測であるが水酸基がDLC表面に強固に吸着または結合し、油膜を確保して、接触点における固体間の直接接触を避ける働きを強めるためと考えられる。
このように表面に硬質炭素層を設けた摺動部材においては、硬質炭素層の表面で潤滑剤中の基剤(基油)成分やこれに含まれる添加剤成分が吸着されると、これら基油や添加剤から成る薄い膜が表面に形成される。これによって面圧が高い、あるいは摺動速度が遅いような条件、いわゆる境界潤滑条件においても、基剤や添加剤により形成された膜が相手部材との直接接蝕を防ぐという機構も期待できる。
なお、このような効果は、硬質炭素膜中に水素を含まないほど大きなものとなるため、原料ガスに炭化水素を用いる化学気相堆積法では、摩擦低減効果が得にくくなる。
以下、本発明を実施例に基づいて、比較例と併せて、更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、JIS G 4053に機械構造用合金鋼鋼材として規定されるSCM415鋼(Cr−Mo鋼)から成る直径30mm、厚さ3mmの円板を準備し、浸炭処理を施した上で、その表面をRa<0.02μmの粗さになるように超仕上げ加工した。このとき、Raの実測値は0.017μm、Rzは0.059μmであった。
続いて、図1に示すような真空成膜装置を用い、上記円板基材の上にクロム中間層と、引き続いて硬質炭素層を成膜した。
上記真空成膜装置10には、真空槽壁11の内部中央に、矢印方向に回転する回転ステージ12が配置されると共に、真空槽壁11に沿ってスパッタリング法のターゲット13及び14が備えられている。ここで、ターゲット13はグラファイトと不可避不純物のみから、ターゲット14はクロムからそれぞれ構成されている。
まず、円板基材を回転ステージ12にほぼ垂直に取り付け、当該基材にはバイアス電圧として100Vをかけた。
あらかじめ行った予備実験の結果に基づいて、硬質炭素層の成膜速度が300nm/時になるように高周波出力を調整すると共に、中間層であるクロムについては240nm/時となるように調整した。
このような条件のもとに、まず、クロムを1時間成膜し、次いでクロムターゲット14とグラファイトターゲット13を同時に励起して10分間成膜することによって傾斜層とし、その後1時間グラファイトターゲット13のみを励起して硬質炭素層を成膜し、本例の摺動部材サンプルとした。
試料基材は、すべての工程において、自転させることなく、毎分1回の割合で公転させた。
基材上にクロム中間層及び硬質炭素層の成膜を終えたサンプルを取り出し、当該サンプルについて、
(1) 摩擦係数
(2) 断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察
の2つの方法で評価した。
摩擦係数については、ボールオンディスク法により評価した。試験に際して、潤滑剤として自動車用エンジン油5W−30SLを用いた。
このエンジン油中で回転するサンプルに、JIS G 4805に高炭素クロム軸受鋼鋼材として規定されるSUJ2鋼から成る直径6mmのボールを垂直荷重6Nで押し当て、このボールを保持しているアームにかかるトルクから摩擦係数を計算した。摺動痕の直径は12mm、摺動速度は毎秒1cm、油温は80℃とした。なお、ボールは固定し、摺動によって転がることのないようにした。
摩擦係数の算出については、摺動開始直後のなじみ効果を考慮して、試験開始から5分経過した時点の測定値をもって、そのサンプルの摩擦係数とみなした。本例のサンプルにおける硬質炭素層の摩擦係数は、0.024であった。
次に、断面の電子顕微鏡写真からドメイン壁面の角度の定量を行った。個々の壁面は3次元空間内に位置しており、それらが3次元空間の座標に対してなす角度(傾き、回転)を断面観察から直接定量することは非常に難しい。そこで膜の2次元垂直断面においてサンプルを観察し、それぞれの界面に相当する境界線が、基材に対してなす角度をそれぞれ定量するようにした。
まず、サンプルを基材ごと切断し、次いでこの断面を研磨した。さらに粒界が見易くなるように、塩酸とグリセリンの1:1混合物によってエッチングを行った。
この断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、得られた画像上で各粒界の傾きを調べた。
粒界の傾きを調べるに当たっては、まず、図1に示すように基材1の表面にほぼ平行に基準線L(直線)を引く。なお、本発明の摺動部材において肝要な点は、柱状ドメイン構造における粒界(壁面2a)の傾きのばらつき(標準偏差)であって、傾きの絶対値ではないことから、基準線Lをどう選ぶかは問題とはならない。
次に、電子顕微鏡写真上で、中間層2の中に存在する100の粒界2aを選び、これが基準線Lに対して成す角度を測定する。そしてこれらを統計的に処理し、角度分布における標準偏差を計算する。ここに100の粒界は母集団から抽出された標本であることを考え、各測定値から平均を差し引いた差の自乗和を100の測定値に対し計算し、これを標本数(100)から1を差し引いた99で除し、その平方根をもって標準偏差とする。
このとき、実際の粒界については、図3に示すように、湾曲している粒界2bや、表面に達することなく終了している粒界2cも存在する。このうち湾曲しているものについては、基材表面の出発点と、中間層の最表面(傾斜層は含まない)とを単純に直線で結び、その直線が基準線Lとなす角度をもって、その粒界の角度とする。一方、表面に達していない粒界についてはカウントしないことにする。
表面に達していない粒界は、ドメイン間の競合関係でドメインそのものが表面に達していない場合、あるいは表面に達していても3次元的な配置の関係(画面の手前または奥に逃げている)で、2次元断面上では途中で終了している場合などが考えられる。
上記の定量を行った結果、本例のサンプルにおけるドメイン壁面角度の標準偏差については、3.9°であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
(実施例2)
上記実施例1と同バッチで成膜した試料について、潤滑剤を変えて評価した。
すなわち、ポリアルファオレフィン(PAO)にグリセリンモノオレイト(GMO)を1体積%外掛けで添加し、十分に混合し、これをエンジン油5W30SLの代わりに用いて評価した。PAOの粘度は測定温度の80℃において、5W−30SLと同等になるように調製した。
本例のサンプルにおける摩擦係数は0.014であった。なお、ドメイン壁面角度の標準偏差は実施例1と同じと見なすことができる。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
実施例1と同じ材質で、研摩条件を変更した基材を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の摺動部材サンプルを得た。
基材のRaの実測値は0.018μm、Rzは0.121μmであった。そして、実施例1と同様の方法により、摩擦係数及びクロム中間層におけるドメイン壁面の角度の標準偏差を算出した結果、摩擦係数は0.031、角度の標準偏差は6.6°であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(実施例4)
実施例1と同じ材質から成り、研摩条件を変更した基材を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の摺動部材サンプルを得た。
基材のRaの実測値は0.017μm、Rzは0.204μmであった。そして、摩擦係数及びクロム中間層におけるドメイン壁面の角度の標準偏差を実施例1と同様に算出した結果、摩擦係数は0.038、角度の標準偏差は6.6°であった。これらの結果を表1に併せて示す。
(比較例1)
実施例1と同じ材質から成り、研摩条件を変更した基材を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の摺動部材サンプルを得た。
本例における基材のRaの実測値は0.022μm、Rzは0.356μmであった。そして、摩擦係数及びクロム中間層におけるドメイン壁面の角度の標準偏差を実施例1と同様の方法によって算出した結果、角度の標準偏差は12.6°となり、摩擦係数は0.061となった。これらの結果を表1に併せて示す。なお、硬質炭素層の水素含有量については、成膜方法が変わらないことから、上記実施例、比較例共に実質的な差はなく、二次イオン質量分析法により分析した結果、いずれも1原子%以下であった。
Figure 2009040927
本発明の摺動部材の断面構造及びドメイン壁面の角度の定量方法を示す説明図である。 本発明の実施例に用いた成膜装置における真空糟部分の構造を示す概略図である。 ドメイン壁面が直線的に連続していない場合における角度の定量方法を示す説明図である。
符号の説明
1 基材
2 中間層
3 硬質炭素層
2a、2b、2c 壁面(粒界)

Claims (7)

  1. 下地としての基材と、表面に位置する硬質炭素層と、上記基材と硬質炭素層の間に介在する中間層との少なくとも3層を備えた摺動部材であって、
    上記中間層は柱状のドメイン構造を有し、ドメイン壁面の傾き角度の標準偏差が12°以内であることを特徴とする摺動部材。
  2. 上記硬質炭素層の少なくとも一部がスパッタリング法で成膜されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 請求項1ないし4のいずれかに記載の摺動部材であって、
    上記硬質炭素層の少なくとも一部の層における水素含有量が1原子%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動部材。
  4. 潤滑剤中で使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の摺動部材。
  5. 上記潤滑剤が自動車用エンジン油であることを特徴とする請求項4に記載の摺動部材。
  6. 上記潤滑剤の基油がポリアルファオレフィンであることを特徴とする請求項4又は5に記載の摺動部材。
  7. 上記潤滑剤が分子中に水酸基を有する添加剤を含んでいることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の摺動部材。
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