(1) 予め定められた特定遊技状態発生条件(図43のS62の大当り判定により大当りとすることに決定したこと)が成立したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御され、予め定められた特別遊技状態発生条件(図48のS147により演出図柄3指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたと判断したこと)が成立したときに前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(確変状態)に制御され、予め定められた予告条件(図64のS826,S828,S829により大当り予告をすると決定したこと)が成立したときに、所定の遊技状態となることを予告する予告報知(大当り予告)が行なわれる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
回転灯(左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63)と、
該回転灯の動作状態を制御する回転灯制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記回転灯は、
発光体(装飾LED701〜712、727,728、740,741)が設けられた板状の発光体基板(左パト基板658、中パト基板651、右パト基板662)と、
該発光体基板の周りにおいて回転可能に設けられ、前記発光体からの光を反射させる反射体(回転反射部6132、回転反射部6232、回転反射部6332)と、
駆動信号として用いられる周期的なパルスの周期に応じて、複数相の巻線(巻線761,762)を所定の順序で通電して周期的に励磁することにより(図23)、回転子(回転子763)を回転させ、該回転子の回転に基づいて、前記反射体を、前記発光体基板の周りにおいて回転させる態様(図6)で駆動するステッピングモータ(左モータ76L、中モータ76C、右モータ76R)とを含み、
該回転灯制御手段は、
前記特別遊技状態であるときに、当該特別遊技状態である旨を報知する状態報知をするために、前記特別遊技状態である期間中において前記回転灯を継続的に駆動する制御を行なう状態報知制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図73のS921〜S924)と、
前記予告条件が成立したときに、前記予告報知をするために、前記回転灯を駆動する制御を行なう予告報知制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図67のS853,S854)とを含み、
前記状態報知制御手段は、前記状態報知をするときに、前記予告報知制御手段により前記予告報知をするときと比べて、前記駆動信号におけるパルスの周期を長くし、かつ、前記駆動信号におけるパルスの1周期当りにおいて前記ステッピングモータを励磁する時間の割合を低くする制御を行なう(図23(c)、図73のS922))。
このような構成によれば、ステッピングモータにより動作する回転灯を用いる報知として、回転灯を駆動する予告報知と、特別遊技状態である期間中において回転灯を継続的に駆動する状態報知とが行なわれる。また、状態報知をするときには、予告報知をするときと比べて、ステッピングモータの駆動信号におけるパルスの周期を長くし、かつ、駆動信号におけるパルスの1周期当りにおいてステッピングモータを励磁する時間の割合を低くする制御が行なわれる。これにより状態報知時には、予告報知時よりも回転灯の回転速度が低くなる。駆動信号におけるパルスの1周期当りにおいて巻線を励磁する時間の割合が低くなると、パルスの1周期当りの励磁に要する電力が低減され、さらに、パルスの周期が長くなることにより、巻線を励磁する頻度が低減されるので、ステッピングモータの発熱を低減することができる。これにより、回転灯を用いる報知として、状態報知時において長期間に亘り継続的に駆動される回転灯の発熱量を低減することができる。さらに、状態報知時よりもパルスの周期が短く、かつ、パルスの1周期当りの励磁時間の割合が高い駆動信号でステッピングモータを駆動して回転灯を駆動する予告報知が行なわれることにより、状態報知時よりも高い演出効果で回転灯による予告報知を行なうことができる。
(2) 前記ステッピングモータにおける前記複数相の巻線のそれぞれにパラレルに前記パルスを供給するパラレル信号方式(図23(b),(c))で、前記駆動信号を前記ステッピングモータに供給することにより、前記ステッピングモータを駆動する(図23)モータ駆動手段(左モータ基板660、中モータ基板653、右モータ基板664)をさらに含み、
前記回転灯制御手段は、前記モータ駆動手段にシリアル信号方式の制御信号を供給し(図19)、
前記モータ駆動手段は、前記シリアル信号方式の制御信号を前記パラレル信号方式の駆動信号に変換することに基づいて、前記パラレル信号方式の前記駆動信号を供給する(図18、シリアル−パラレル変換IC)。
このような構成によれば、シリアル信号方式の駆動信号でステッピングモータを駆動することにより、パラレル信号方式の駆動信号を用いるときと比べて、駆動信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
このような構成によれば、発光体基板の表裏両面に発光体が設けられ、一方の面が遊技機の正面側を向いた態様で配置されているので、発光体基板の周りを回転する反射体が発光体基板の裏面に位置しているときに、発光体基板の裏面側に設けられた発光体からの光を反射体が反射するため、発光体基板の表面側へ向かう光の光量が増加する。このような光量の増加により、回転灯による演出効果を向上させることができる。
(4) 前記状態報知制御手段は、前記状態報知をするときに、前記発光体基板において遊技機の背面側を向いた面に設けられた前記発光体(裏面LED=装飾LED707〜712)を発光させる制御をさらに行なう(図21(a))。
このような構成によれば、状態報知をするときに、発光体基板において遊技機の背面側を向いた面に設けられた発光体を発光させる制御をさらに行なわれるので、状態報知時における回転灯の回転速度の低さに起因する回転灯の演出効果の低下を、発光体基板において遊技機の背面側を向いた面に設けられた発光体を発光させることにより、回転灯における表面側へ向かう光の光量を増加させることに基づいて、補うことができる。
このような構成によれば、予告判定手段が予告条件を成立させると判定する確率が、状態報知が行なわれている期間中において、状態報知が行なわれていない期間中よりも低い確率に制限されるので、状態報知が行なわれている期間中に予告報知が行なわれる頻度が、状態報知が行なわれていない期間中において予告報知が行なわれる頻度よりも低く制限される。これにより、予告報知が行なわれることによる回転灯の発熱量の増加を制限することができる。
(6) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示し、前記特定遊技状態発生条件が成立するときに、変動表示の表示結果として予め定められた特定表示結果を導出表示する変動表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、演出表示装置9)と、
前記状態報知が行なわれている期間中において、前記変動表示手段により実行された変動表示の回数を計数する変動表示回数計数手段(図68の確変変動回数カウンタ、S865,S866)と、
前記状態報知が行なわれている期間中において前記変動表示回数計数手段により計数された変動表示の回数に基づいて、前記予告判定手段が前記予告条件を成立させると判定する確率を変化させる予告確率変化手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図64のS827〜S829)とをさらに含む。
このような構成によれば、状態報知が行なわれている期間中において変動表示回数計数手段により計数された変動表示の回数に基づいて、予告判定手段が予告条件を成立させると判定する確率が変化させられるので、状態報知が行なわれている期間中に予告報知が行なわれる頻度を、状態報知が行なわれていない期間中において予告報知が行なわれる頻度よりも低く制限することが可能となる。これにより、予告報知が行なわれることによる回転灯の発熱量の増加を制限することが可能となる。
(7) 第1の実行条件(打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)が成立した後、第1の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第1特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第1の識別情報(第1特別図柄)による第1の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a)と、
第2の実行条件(打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、第2の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第2特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第2の識別情報(第2特別図柄)による第2の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b)と、
前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図43のS66、図47のS134〜S137)と、
前記第1の実行条件または前記第2の実行条件の少なくとも一方が生じたか否かを共通の処理ルーチン(図40のS110〜S115)で判定する実行条件判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図40のS110〜S115)とをさらに含む。
このような構成によれば、第1変動表示手段および第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、第1の実行条件または第2の実行条件の少なくとも一方が生じたか否かを共通の処理ルーチンにより判定することにより、第1変動表示手段および第2変動表示手段で変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量を削減することができる。
(8) 第1の実行条件(打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)が成立した後、第1の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第1特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第1の識別情報(第1特別図柄)による第1の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a)と、
第2の実行条件(打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、第2の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第2特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第2の識別情報(第2特別図柄)による第2の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b)と、
前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図43のS66、図47のS134〜S137)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のうち、前記開始条件が成立した変動表示手段における変動表示の表示結果を決定するための表示結果決定処理を共通の処理ルーチン(図43のS61〜S68)により実行し、前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のうち、変動表示の開始条件が成立した変動表示手段における前記識別情報の表示結果を当該表示結果の導出表示前に決定する表示結果決定処理手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図43のS61〜S68)とをさらに含む。
このような構成によれば、第1変動表示手段および第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、開始条件が成立した変動表示手段における変動表示の表示結果を決定するための表示結果決定処理を共通の処理ルーチンにより実行することにより、識別情報の表示結果が決定されるので、第1変動表示手段および第2変動表示手段で変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量を削減することができる。
(9) 第1の実行条件(打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)が成立した後、第1の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第1特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第1の識別情報(第1特別図柄)による第1の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a)と、
第2の実行条件(打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、第2の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第2特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第2の識別情報(第2特別図柄)による第2の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b)と、
前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図43のS66、図47のS134〜S137)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のうち前記開始条件が成立した変動表示手段において実行される変動表示の変動表示時間を示すデータを前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のいずれの開始条件が成立したときでも共通の記憶領域(RAM55に設けられた変動時間タイマのデータの記憶領域)において記憶する変動表示時間記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、変動時間タイマ、図44のS89)とをさらに含む。
このような構成によれば、第1変動表示手段および第2変動表示手段のうち開始条件が成立した変動表示手段において実行される変動表示の変動表示時間を示すデータが、第1変動表示手段および第2変動表示手段のいずれの開始条件が成立したときでも共通の記憶領域において記憶されるので、第1変動表示手段および第2変動表示手段で実行される変動表示のために用いる記憶領域を削減することができる。
(10) 第1の実行条件(打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)が成立した後、第1の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第1特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第1の識別情報(第1特別図柄)による第1の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8a)と、
第2の実行条件(打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、第2の開始条件(特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、第2特別図柄の変動開始順番になったこと)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な第2の識別情報(第2特別図柄)による第2の変動表示を開始し表示結果を導出表示する第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8b)と、
前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図43のS66、図47のS134〜S137)と、
前記第1変動表示手段における第1の変動表示および前記第2変動表示手段における第2の変動表示に対応する演出表示(演出図柄等の表示)を行なう演出表示装置(演出表示装置9)と、
前記第1変動表示手段での前記第1の変動表示について、前記第1の実行条件が成立しているが前記第1の開始条件が成立していない第1の実行条件の成立数(第1保留記憶数)を計数する第1計数手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS110,S111,S112,S116,S117)と、
前記第2変動表示手段での前記第2の変動表示について、前記第2の実行条件が成立しているが前記第2の開始条件が成立していない第2の実行条件の成立数(第2保留記憶数)を計数する第2計数手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS113,S114,S115,S116,S117)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のうち、前記開始条件が成立した変動表示手段に対応する演出表示としての演出パターンを複数の演出パターンから選択する演出パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図23のS71〜S86)とをさらに含み、
該演出パターン選択手段は、演出パターンを選択するときにリーチとするか否かの決定を行なう(図44のS75)とともに、当該決定をするときには前記第1計数手段によって計数された成立数と前記第2計数手段によって計数された成立数との合計数(合算保留記憶数カウンタの値)が所定数以上のときに、当該合計数が所定数未満であるときに比べて(たとえば、図28において、合算保留記憶数に関し、1,2と0との比較、3〜6と1,2との比較、7,8と3〜6との比較)低い確率(図28に示すような合計保留記憶数が多くなるにしたがって低くなるリーチ確率)で、リーチとすることに決定する(図44のS73〜S75)。
このような構成によれば、第1変動表示手段および第2変動表示手段のそれぞれでの変動表示について、第1計数手段によって計数された成立数と第2計数手段によって計数された成立数との合計数が所定数以上のときに、合計数が所定数未満であるときに比べて低い確率で、リーチとすることに決定される。これにより、合計数がある程度多くなった状態でリーチとなると、そのような状態で生じるリーチに対して遊技者が特定の表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技を休止してしまう状況となるのを抑制することができ、遊技者による遊技を促進させて遊技機の稼働率を向上させることができる。
(11) 前記演出パターン選択手段は、リーチとするか否かの決定をするときには前記第1計数手段によって計数された成立数と前記第2計数手段によって計数された成立数との合計数が所定数以上(図28において、合算保留記憶数が、1,2、3〜6、または、7,8)のときに、前記第1変動表示手段における第1の変動表示を実行するとき(図28の(a))と、前記第2変動表示手段における第2の変動表示を実行するとき(図28の(b))とで、リーチとすることに決定する確率を異ならせる(図28で(a)の第1特別図柄の変動の場合と、(b)の第2特別図柄の変動の場合とで、同じ保留記憶数のときのリーチ確率が異なる)。
このような構成によれば、第1変動表示手段で変動表示が実行されるか、第2変動表示手段で変動表示が実行されるかの違いに応じてリーチの決定確率が異なることになり、第1変動表示手段での変動表示と、第2変動表示手段での変動表示との間でのリーチの発生確率の違いにより遊技の面白みをより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、予め定められた特定遊技状態発生条件が成立したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御され、予め定められた予告条件が成立したときに、所定の遊技状態となることを予告する予告報知が行なわれる遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機(弾球遊技機)の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1における遊技盤6の正面図である。以下、図1および図2を参照して、パチンコ遊技機1の説明を行なう。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠102aを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、ガラス扉枠102aの下方に取付けられた上皿扉枠103aの前面には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を遊技球として貯留可能な打球供給皿(上皿)3が、パチンコ遊技機1の前面(表面)側に向けて突出(膨出)するように設けてある。打球供給皿3は、打球発射装置(図示せず)に遊技球を供給する。打球発射装置は、遊技球を打撃するためのアーム状の打球槌を発射モータにより動作させることにより遊技球を弾発発射する発射装置である。
上皿扉枠103aの下方に取付けられた下皿枠104の前面には、打球供給皿3から溢れた遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)が、パチンコ遊技機1の前面(表面)側に向けて突出(膨出)するように設けてあるとともに、その側方には、遊技球を発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。打球発射装置は、打球操作ハンドル5の操作に応じて発射モータを駆動する制御が行なわれることにより、遊技球を発射する。ガラス扉枠102aの背面には、前面枠に対して着脱可能に取付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。打球発射装置により発射された遊技球(打球)は、遊技領域7に打込まれる。遊技領域7に打込まれた球は、遊技領域7内を転動しながら流下し、各種の入賞口等の入賞領域に受入れられるか、または、遊技領域7の下端部に設けられたアウト口26に受入れられて、回収される。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9,Aという11個の識別情報としての数字および文字(記号であってもよい)を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、識別情報を変動表示するように構成されている。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが、第1特別図柄表示器8aの右隣に並ぶ態様で設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9,Aという11個の識別情報としての数字および文字(記号であってもよい)を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、識別情報を変動表示するように構成されている。
このように、遊技盤6における下部の左側には、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが左右方向に並んで配置されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄について、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とが同じである例が示されている。しかし、これに限らず、特別図柄は、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とが異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、いずれか一方、または、両方が、7セグメントLED以外のLEDを用いた表示器で構成されてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、変動表示の実行条件が成立した後、変動表示の開始条件が成立する。これら2つの特別図柄表示器は、同時に変動表示を行なうことがなく、変動表示の開始条件が成立するごとに、いずれか一方が変動表示を行なうように制御される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示においては、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であって、図柄の変動開始順番(第1特別図柄および第2特別図柄の各図柄単位では複数の始動条件が成立しているときには始動入賞順による順番が変動開始順番であり、第1特別図柄と第2特別図柄との両方で始動条件が成立しているときには第2特別図柄の方を優先的に変動表示を開始させる順番)になったこと)が成立したことに基づいて変動表示を開始し、予め定められた変動表示時間(変動表示の開始時から変動表示の終了時までの時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。このように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とは、変動表示の実行条件が成立した後、これらの変動表示のどちらもが実行されていないことを条件に、それぞれの開始条件が成立したときに開始される。
ここで、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
なお、ここでは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのうち、第2特別図柄の変動表示を優先的に変動表示させるものを説明したが、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのいずれかを優先的に変動表示させるものであればよい。また、前述した変動表示の開始条件に含まれる1つの条件である図柄の変動開始順番としては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのいずれかを優先的に変動表示させるように変動開始順番を定めることを説明した。しかし、これに限らず、変動開始順番としては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも優先せずに、始動入賞順による順番を用いるようにしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、ドットマトリクス表示装置で構成された遊技の演出を行なう演出表示部である演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した装飾用の演出図柄(各々が識別可能な識別情報)の変動表示(可変表示、または、更新表示ともいう)を行なう変動表示領域91がある。変動表示領域91では、たとえば、「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)が形成される。これらの変動表示部で変動表示される図柄は、たとえば、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。変動表示装置9は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出飾り図柄の変動表示を行なう。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示、および、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に対応する演出表示を行なう。ここで、遊技の演出は、演出図柄の変動表示をする演出を含み、後述するようなパチンコ遊技機1の遊技を演出するための演出全般を含む。
演出表示装置9は、後述する図14等に示すような演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9の変動表示領域91においては、たとえば、横方向の1ラインよりなる有効ラインに設けられた3つの表示領域のそれぞれにおいて、0〜9,Fの11個の識別情報としての数字および文字(記号であってもよい)よりなる演出図柄が変動表示を行なう。変動表示領域91での演出図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中とに行なわれる。変動表示領域91における変動表示では、すべての表示領域において演出図柄が変動表示を開始した後、予め定められた順序にしたがって、それぞれの表示領域において演出図柄が停止表示されていき、すべての表示領域において演出図柄が停止表示されたときに表示結果が確定する。
第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示、および、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示のそれぞれと、演出表示装置9における演出表示とは、同期している。ここで、同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せとして、左図柄、中図柄、右図柄の3つの図柄の表示結果として、特定の表示態様(ゾロ目等の図柄の組合せである大当り表示結果)が停止表示される。一方、第1特別図柄表示器8aにおいてはずれ図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいてはずれ図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9においてはずれを想起させるような演出図柄の組合せとして、特定の表示態様以外の表示態様(ゾロ目以外の図柄の組合せであるはずれ表示結果)が停止表示される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が演出表示装置9と比べて見づらい。このため、変動表示が行なわれるときにおいて、遊技者は、主として演出表示装置9の方に注目する。
なお、本実施の形態においては、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、演出表示装置9は、ドットマトリクス表示装置に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、7セグメントLED、エレクトロルミネッセンス、および、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、演出表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
遊技盤6では、遊技領域7の中央上部の領域において、演出表示装置9の周囲を囲う態様で、中央上部装飾部500が設けられている。中央上部装飾部500は、飾り部材38、通常入賞口39,33、中パトランプ62、ワープ入口34、ワープ出口34a、ステージ35、ワープ出口36、および、各種LEDよりなる各種発光部が設けられた複合的装飾部材である。
飾り部材38は、演出表示装置9の周囲を囲う態様で設けられた樹脂製の部材である。飾り部材38では、演出表示装置9の上方において、中パトランプ62を収納した態様で配置するための空間を形成する収納凹部6200が設けられている。中パトランプ62は、一般的にパトロールランプ(またはパトランプ)と呼ばれる回転灯よりなり、演出表示装置9の上方において、飾り部材38により形成された前述の収納凹部6200内に設けられている。通常入賞口39は、飾り部材38の最上部に設けられ、遊技球を受入れ可能に上方を向いて開口形成されている。また、通常入賞口33は、飾り部材38における右側方に設けられ、正面から向かって右斜め上方に向けて遊技球を受入れ可能に開口部が形成された入賞口である。通常入賞口39および通常入賞口33に受入れられた遊技球は、遊技盤6の裏面側に誘導され、後述する入賞口スイッチ33aにより検出される。
ワープ入口34は、飾り部材38における左側方に設けられ、正面から向かって左斜め上方に向けて遊技球を受入れ可能に開口部が形成された遊技球の入口である。ステージ35は、飾り部材38の下端部において、正面から向かって左右方向に延在され、遊技球を、中央部に設けられた凹面状の落下誘導部35aに向けて誘導可能に形成された通路である。ステージ35において、通路は、遊技球が1個通ることができる程度の幅であり、通路の途中から遊技球が落下可能となるように、正面側(通路の前端部)に、遊技球の落下を防ぐ構造が用いられていない。また、ステージ35は、正面から見て左右端から中央部に向けて下方へ傾斜し、中央部において、逆に左右方向から上方へ向けて傾斜しており、その頂上部に落下誘導部35aが形成されている。ワープ出口34aは、ワープ入口34から受入れられた遊技球をステージ35の左端部からステージ35上に放出する遊技球の出口である。飾り部材38の内部において、ワープ入口34とワープ出口34aとの間には遊技球を誘導するワープ通路が設けられている。
ワープ入口34から受入れられ、ステージ35上に放出された遊技球は、通路に沿って中央部へ向けて誘導されていく。誘導された遊技球は、通路の途中から落下する場合と、中央部まで誘導されて落下誘導部35aから落下する場合とがある。落下誘導部35aは、後述する第1始動入賞口13の直上位置に設けられている。したがって、落下誘導部35aから落下した遊技球は、落下誘導部35aから落下しない遊技球と比べて、第1始動入賞口13に受入れられやすい。
また、中央上部装飾部500において、演出表示装置9の下部のうち、演出表示装置9とステージ35との間には、第1特別図柄保留記憶表示器18aと第2特別図柄保留記憶表示器18bとが左右方向に並ぶ態様で設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは正面から見て左側に設けられ、第2特別図柄保留記憶表示器18bは正面から見て右側に設けられている。
第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9での変動表示領域91の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)がある。このように、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、合算保留記憶表示部18cと、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bとは、両方が設けられてもよく、どちらか一方が設けられてもよい。つまり、パチンコ遊技機1は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数が何らかの形式で表示されるように構成されていればよい。
中央上部装飾部500の直下方向には、第1始動入賞口13を有する入賞装置130が設けられている。第1始動入賞口13は、中央上部装飾部500において設けられた落下誘導部35aから落下した遊技球を受入れるために、落下誘導部35aの直下方向において、上方を向いて開口形成されている。第1始動入賞口13に受入れられて入賞(進入)した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、演出表示装置9の右下方向には、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口(第2始動口)14の入口において、左右一対の開閉片15a,15aが開閉可能に設けられている。開閉片15a,15aは、第2始動入賞口14を開閉可能な態様で設けられている。
可変入賞球装置15において、開閉片15a,15aは、ソレノイド16によって駆動される。ソレノイド16が非励磁状態のときには、開閉片15a,15aが閉状態とされることにより、可変入賞球装置15が開状態とされる。一方、所定の開放条件が成立してソレノイド16が励磁状態とされたときには、開閉片15a,15aが開状態に制御されることにより、可変入賞球装置15が開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になると、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞し易くなり(入賞可能)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、開閉片15a,15aにより遊技球を受入れる範囲が比べて広がるので、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は入賞がしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態においては、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しないように構成されていてもよい。つまり、可変入賞球装置15の閉状態は、遊技球が進入しにくいまたは進入しない状態であればよい。また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
このように、パチンコ遊技機1においては、始動入賞口として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14との2つがある。遊技領域7においては、演出表示装置9等の構造物の配置および障害釘の配置の態様に基づいて、遊技球の主たる流下方向が概ね定まっている。したがって、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への遊技球の入賞を狙うには、遊技者が、次のように遊技球を打込む方向を左右に切替えればよい。第1始動入賞口13への入賞を狙うときには、遊技領域7の左側へ遊技球を打込む所謂左打ちをすれば第1始動入賞口13へ入賞しやすくなる。一方、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技領域7の右側へ遊技球を打込む所謂右打ちをすれば第2始動入賞口14へ入賞しやすくなる。
なお、第1始動入賞口13は、演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球が第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、後述するように、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方向には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとのそれぞれにおいて生起する遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態である開状態と、該第1の状態に比べて遊技球を受入れない遊技者にとって不利な第2の状態である閉状態とに変化可能であり、大当り遊技状態以外のときには閉状態とされており、大当り遊技状態に制御されたときに閉状態から開状態に制御される可変入賞球装置である。
特別可変入賞球装置20においては、横長の長方形の開口形状をなす大入賞口が形成されている。特別可変入賞球装置20においては、当該大入賞口を開閉する部材として、大入賞口の開口部と略同一形状である横長の長方形の板状部材よりなる開閉板22が設けられている。開閉板22は、長方形の長手方向の両端部のそれぞれにおいて、短辺の一端部に、長方形の長手方向と同方向を軸長方向とする回動軸が設けられている。開閉板22は、開閉板22の板面が水平面に対して直角となったときに大入賞口を覆って閉状態とし、一方、回動軸を回動中止として、遊技盤6の前方向に傾動したときに大入賞口を開放して開状態とする態様で、特別可変入賞球装置20に設けられている。
大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。なお、特別可変入賞球装置20としては、遊技者にとって不利な第2の状態が遊技球を受入れない状態である例を示したが、これに限らず、当該第2の状態が、第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい状態(受入れることも可能な状態)であってもよい。つまり、遊技者にとって不利な第2の状態は、遊技球を受入れない状態であってもよく、遊技球を受入れにくい状態であってもよい。
具体的に、大当り遊技状態においては、大入賞口の開成条件(開放条件)が成立し、開閉板22が所定回数(たとえば、15回または2回)繰返して開状態となることにより大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい状態、すなわち、遊技者にとって有利な状態に制御される。そして、大当り遊技状態において大入賞口が開放される各開放回の開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞がカウントスイッチ23で検出されると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。また、入賞数が所定個に達しなくても各開放回について設定された開放時間(たとえば、29.5秒)が経過すると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。
大入賞口の開放回数は、大当りの種類に応じて、上限値が所定回数(たとえば、15回または2回)に設定されている。大入賞口の閉成条件が成立した後は、大入賞口の開放回数が、大当りの種類に応じた上限値に達するまで、自動的に次回の大入賞口の開成条件が成立し、大入賞口が開状態になることが繰返し継続される。したがって、大当り遊技状態においては、大入賞口の開放回数が上限値に達するまで大入賞口の開閉が繰返し継続する制御が行なわれる。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において大入賞口が開放している1回の期間は、ラウンドと呼ばれる。また、繰返し継続制御において大入賞口が開放した回数は、ラウンド回数またはラウンド数とも呼ばれる。また、各ラウンド(開放回)における大入賞口の開放時間は、大当りの種類に応じて、所定時間(たとえば、15ラウンドの大当り、および2ラウンドの大当りのときは29.5秒、突然確変大当りのときは0.5秒)に設定される。
なお、大当り遊技状態における繰返し継続制御は、ラウンドの継続条件を成立させるための特定入賞領域(V入賞領域)を大入賞口内部に設け、各ラウンドにおいて、少なくとも1個の遊技球が当該特定入賞領域に進入したことを条件として、継続権が成立し、次のラウンドに進むようにしてもよい。その継続権は、大入賞口の開放回数が上限値に達するまで成立可能とする。
また、遊技領域6において、第1特別図柄表示器8aの左上方向には、遊技球を受入れることが可能に上方へ向いて開口した通常入賞口29が設けられている。通常入賞口29に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29aで検出される。
遊技盤6において、第1特別図柄表示器8aの左下方向には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な表示器である。普通図柄表示器10は、たとえば、隣り合わせに設けられ、頂点が左を指した三角形のランプ(以下、左三角ランプという)と、頂点が右を指した三角形のランプ(以下、右三角ランプという)とを交互に点灯表示することにより変動表示をする。本実施形態では、これら2つの三角形のランプが、普通図柄に相当する。
演出表示装置9の右下方であって、可変入賞球装置15の上方には、遊技球が通過可能なゲート32が設けられている。ゲート32には、通過する遊技球を検出するためのゲートスイッチ32aが設けられている。普通図柄表示器10の変動表示は、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aで検出されることに基づいて開始される。この実施の形態では、右三角ランプが普通図柄の当り図柄であり、たとえば、変動表示の終了時に右三角ランプが点灯すれば当り(普通図柄の当り)となる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄となったときに、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞しにくい状態)から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は、点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、遊技盤6では、遊技領域7の左端部に左装飾部25aが設けられ、遊技領域7の右端部に右装飾部25bが設けられている。
左装飾部25aは、左パトランプ61、左サイドランプ250a、および、2つの通常入賞口30,31が設けられた複合的装飾部材である。左パトランプ61は、前述した中パトランプ62よりもサイズが小さい回転灯よりなる。左装飾部25aの上部には、左パトランプ61を収納した態様で配置するための空間を形成する収納凹部6100が設けられている。このような収納凹部6100内には、左パトランプ61が設けられている。左サイドランプ250aは、複数のLEDにより発光されるランプであり、左装飾部25aの下部に設けられている。通常入賞口30,31は、左サイドランプ250aに隣接した態様で上下方向に離隔して設けられ、遊技球を受入れ可能な開口部を有する入賞口である。2つの通常入賞口30,31に受入れられた遊技球は、共通の遊技球通路により遊技盤6の裏側に導かれ、遊技盤6の裏側に設けられた1つの入賞口スイッチ30aにより検出される。
遊技盤6では、前述したように、複数の通常入賞口29,30,31,33,37が設けられているが、各通常入賞口は、遊技球の入賞に基づいて、予め定められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口である。
右装飾部25bは、右パトランプ63、および、右サイドランプ250bが設けられた複合的装飾部材である。右パトランプ63は、左パトランプ61と同様の回転灯よりなる。右装飾部25bの上部には、右パトランプ63を収納した態様で配置するための空間を形成する収納凹部6300が設けられている。このような収納凹部6300内には、右パトランプ63が設けられている。右サイドランプ250bは、左サイドランプ250aと同様に複数のLEDにより発光されるランプであり、右装飾部25bの下部に設けられている。
また、遊技盤6では、遊技領域7の中央下部の領域、より具体的には、第1始動入賞口13と、第2特別図柄表示器8bと、特別可変入賞球装置20とで囲まれる領域において、中央下部装飾部400が設けられている。中央下部装飾部400は、左右方向において、左端部が第2特別図柄表示器8bと隣り合い、右端部が特別可変入賞球装置20と隣り合っている。また、中央下部装飾部400は、上下方向において、第1始動入賞口13が設けられた位置からアウト口26の上端部までの間に形成されている。
中央下部装飾部400には、全体を囲う態様で形成された装飾部材として、飾り部材401が設けられている。飾り部材401は、樹脂製の部材であり、中央部において、演出用の役物としてのトラック役物810を正面から視認可能な態様で収納するための空間を形成する収納凹部811が設けられている。トラック役物810は、遊技球を所定個数(たとえば、10個貯留可能な荷台が設けられた一般的なトラック(自動車)の形状をなした役物である。
遊技盤6の裏面側には、第1始動入賞口13に入賞した後の遊技球を一旦貯留する貯留部と、その貯留部(図示省略)に貯留された遊技球をトラック役物810の荷台上へ供給する送球装置(図示省略)とが設けられている。送球装置は、貯留部に貯留された遊技球を受入れ、その遊技球をモータの駆動力によってトラック役物810の荷台上へ供給する装置である。送球装置は、大当り予告が行なわれるとき等の所定の送球条件が成立したときに駆動され、送球条件が成立したときに決定される送球個数分だけ遊技球をトラック役物810の荷台上へ供給する。また、送球装置には、送球個数を計数する送球個数計数スイッチが設けられている。このような送球装置は、演出制御用マイクロコンピュータにより制御される。演出制御用マイクロコンピュータでは、大当り予告が行なわれるとき等の所定の送球条件が成立したときに送球個数を決定し、送球装置を駆動して遊技球の供給を行なう。そして、演出制御用マイクロコンピュータでは、決定された送球個数分の遊技球が送球個数計数スイッチにより検出したときに駆送球装置を停止させることにより、決定された送球個数分だけ遊技球をトラック役物810の荷台上へ供給する制御を行なう。たとえば、大当り予告が行なわれるときにおいて、予告後に大当りとなるときには、予告後に大当りとならないときと比べて、荷台上へ供給する遊技球の個数について、複数段階に分けられた個数のうち比較的多い個数が選択される割合が高くなるように制御される。つまり、大当り予告が行なわれるときにおいて、荷台に供給される遊技球の数が多い程、予告後に実際に大当りとなる割合が高くなるようにする制御が行なわれる。これにより、遊技者は荷台に供給される遊技球の数が多い程、大当りとなる確率が高いことを認識することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
トラック役物810は、所定のタイミングで、図15に示す役物回転モータ79Aによりその場で回転される。これにより、飾り部材401の収納凹部811の内部でトラック役物810の荷台上へ供給された遊技球が貯留されている状態を遊技者が容易に確認することができる。また、トラック役物810は、別の所定のタイミングで、図15に示す役物荷台モータ79Bにより荷台が回動させられる。これによりトラック役物810の荷台に貯留された遊技球は、荷台から下方へこぼされる。このような遊技球をこぼすための動作は、荷こぼし動作と呼ばれる。こぼされた遊技球は、アウト口26により受入れられる。
なお、第1始動入賞口13に入賞した遊技球がトラック役物810の荷台上に直接的に誘導されて貯留される構成を採用してもよい。そのような構成を用いるときには、大当り予告が行なわれるタイミングで、トラック役物810の荷台に貯留された遊技球が、荷台から下方へこぼされる制御を行なうようにしてもよい。そのような制御を行なうときには、たとえば、大当り予告が行なわれるときにおいて荷台に貯留されている遊技球の数が多い程、予告後に実際に大当りとなる割合が高くなるように制御してもよい。
このようなトラック役物810は、大当り予告等の各種予告報知時、変動表示時、および、大当り遊技状態時等の所定のタイミングで動作させる制御が行なわれることにより、特別図柄の変動表示に関連する遊技を盛上げる演出のために用いられる。
中央下部装飾部400において、トラック役物810の下方には、装飾LED770(図15参照)が内蔵されるスモールランプ77と、装飾LED780(図15参照)が内蔵されるビッグランプ78とが左右に並んで設けられている。スモールランプ77とビッグランプ78とは、特別図柄の変動表示中等の所定のタイミングで交互点灯された後、いずれか一方のみが点灯表示される。具体的には、15R大当りとなるときには、ビッグランプ78のみが最終的に点灯表示され、一方、2R大当りとなるときには、スモールランプ77のみが最終的に点灯表示される。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図37参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図37参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図37参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cおよび装飾LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。左発光部28Lおよび右発光部28Rは、装飾を行なうために所定の発光パターンで発光させられる。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、本実施の形態では賞球LED51および球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中である旨および補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
上皿扉枠103aの前面における打球供給皿3の左右側方には、上皿扉枠103aの前面側における打球供給皿3の左右側方に設けられたLED(図37の供給皿左LED200aおよび供給皿右LED200b)により発光する供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rが設けられている。供給皿左発光部200Lおよび供給皿右発光部200Rは、たとえば、遊技状態に応じた演出を行なうため、および、異常状態を報知するために用いられる。打球供給皿3の前面には、打球供給皿3の内部に設けられた供給皿前LED201a(後述する)により発光する供給皿前発光部201が水平(横)方向に細長く延在する態様で設けられている。具体的に、供給皿前発光部201は、打球供給皿3の前面において、最も前方に突出した位置において水平(横)方向に延びる領域に設けられている。供給皿前発光部201は、たとえば、遊技状態に応じた演出および装飾を行なうために用いられる。
余剰球受皿4の周縁上面には、余剰球受皿4の内部に設けられた受皿LED202aにより発光する受皿発光部202が設けられている。受皿発光部202は、たとえば、遊技状態に応じた演出を行なうため、および、異常状態を報知するために用いられる。また、余剰球受皿4の左右側方には、内蔵されたLED(図37の受皿左LED203aおよび受皿右LED203b)により発光する受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rが設けられている。受皿左発光部203Lおよび受皿右発光部203Rは、たとえば、異常状態を報知するために用いられる。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED200a、供給皿右LED200b、供給皿左右外LED200c、供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左LED203a、受皿右LED203b等の各種発光手段は、図37に示すように、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
パチンコ遊技機1では、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置の駆動モータが駆動され、駆動モータの回転力を利用して遊技球が発射される。発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流れ下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらもが実行されていないことを条件に第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において第1特別図柄の変動表示に対応する演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらもが実行されていないことを条件に第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において第2特別図柄の変動表示に対応する演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図3は、中央上部装飾部500の斜視図である。飾り部材38の上部には、最上部に通常入賞口39が設けられ、当該最上部から左右両側部にかけて3段階に傾斜した斜面(左右同様に傾斜した斜面)を有し、左右に広がる態様の覆い飾り部380が形成されている。このように覆い飾り部380には、複数段階に傾斜した斜面が形成されているので、遊技球が覆い飾り部380に接触するときの位置および角度に基づいて、遊技球の落下方向に多様な変化を与えることができる。覆い飾り部380の左側の斜面における下端部には、前述のワープ入口34が形成されている。また、覆い飾り部380の右側の斜面における下端部には、前述の通常入賞口33が形成されている。
また、ステージ35は、飾り部材38の下端部において、正面から向かって左右方向に延在され、遊技球を、中央部に設けられた凹面状の落下誘導部35aに向けて誘導可能に形成された通路であって、通路の全行程のうちどこからでも遊技球が下方に落下することが可能に構成されている。また、ステージ35は、正面から見て左右端から中央部に向けて下方へ傾斜し、中央部において、逆に左右方向から上方へ向けて傾斜しているので、通路の全行程は、傾斜が変化に富んでいる。したがって、遊技球は、ステージ35左端部のワープ出口34aからステージ35上に導かれるが、遊技球がステージ35に接触するときの位置および角度に基づいて、遊技球の落下方向に多様な変化を与えることができる。
中パトランプ62は、不透明な円筒形の樹脂製の部材よりなるベース部621と、そのベース部621上に設けられた4分の1球形状の透明な樹脂製の部材よりなる発光カバー部622とを含む。中パトランプ62は、発光カバー部622の内部において、一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。中パトランプ62は、発光カバー部622の内部が前方に露出しない態様、すなわち、4分の1球形状の発光カバー部622の外側が中パトランプ62の表面側(前面側)へ向いた態様で設けられている。
図4は、中パトランプ62の内部構造を示すための正面図および断面図である。図4においては、中央上部装飾部500の正面図が(a)に示され、(a)におけるA−A線による断面図が(b)に示されている。
中パトランプ62の構造の概略を説明すると、次の通りである。中パトランプ62は、発光体としての装飾LED701〜712が設けられた中パト基板651と、装飾LED701〜712からの光を反射させる反射体として機能する回転部623と、回転部623を中パト基板651の周りに回転させる態様で駆動する中モータ76Cとを備えた発光装置である。
図4の(b)を参照して、ベース部621は、前述したように円筒状である。ベース部621は、内部において、中パト基板651等の構造物を設けるための内部空間6210が上面、底面、および、側壁に囲まれた態様で形成されている。ベース部621は、収納凹部6200内において、上部に回転部623を回転可能な態様で搭載するために、上面621aにおいて、回転部623の回転軸部6231を内側に位置させることが可能となる円形の穴621cが形成されている。ベース部621の上面621aにおけるパチンコ遊技機1の表面側(前面側)には、4分の1球形状の発光カバー部622が、外側を前方へ向けた態様で、ベース部621の円形の外周に沿う態様で設けられている。つまり、発光カバー部622は、凹面側を、パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)へ向けた態様で設けられている。
ベース部621の下面621bの中央部においては、発光体としての12個の装飾LED701〜712を表裏面に分けて設けた中パト基板651が、立設する態様で取付けられている。中パト基板651は、ベース部621の内部空間6210および穴623cの内側を通る態様で立設され、装飾LED701〜712が穴623cの上方に位置し、装飾LED701〜706がパチンコ遊技機1の表面側(前面側)に臨む態様で設けられている。装飾LED701〜712は、フルカラーLEDよりなり、発光色を複数色に制御することが可能である。
回転部623は、筒状の回転軸部6231と、その回転軸部6231に対して上部で結合されて回転し、装飾LED701〜712からの光を反射する回転反射部6232とを含む。回転軸部6231は、上下方向を中心軸として配設された筒体623eを含む。その筒体623eは、外径が前述の穴621cの径と略同径であり、筒体623eの外周面が穴621cの周面に沿う態様で、穴621cの内側に設けられている。回転軸部6231の筒体623eの内側には、中パト基板651を立設するために形成された円形の穴623cが設けられている。また、回転軸部6231には、筒体623eの下端部に、穴612cよりも大径の歯車が外周に突出する態様で形成されたギア部623dが設けられている。このギア部623dは、後述する中モータ76Cのモータ軸に取付けられたピニオンギア(図示省略)が噛合され、中モータ76Cの回転にしたがって回転させられる。このようにギア部623dが回転すると、それに応じて、穴621cの内側で回転軸部6231が回転し、これにしたがって、回転反射部6232が回転することにより、回転部623全体が回転する。
回転反射部6232は、回転座部623aと反射鏡部623bとが一体的に設けられている。回転座部623aは、穴612cの直径よりも大径であり、かつ、発光カバー部622を球形状とした場合の直径よりも小径の円環状の部材である。回転座部623aは、ベース部621の上面621aにおける穴612cの縁部および穴612cの内周面に摺接した態様で設けられ、当該穴612cに沿う態様で回転する部材である。前述のように、中パト基板651は、ベース部621の内部空間6210および穴623cの内側を通る態様で立設されて装飾LED701〜712が穴623cの上方に位置している。反射鏡部623bは、回転座部623aの上部における一部の領域に設けられ、装飾LED701〜712に対向し、装飾LED701〜712からの光を反射する凹面鏡形状の部材である。回転反射部6232は、回転座部623aの下面側の一部が回転軸部6231の上面側の一部に嵌合されることにより、連動可能な態様で結合されている。反射鏡部623bは、表裏面の両面が光を反射することが可能となるように、鏡面塗装が行なわれている。これにより、反射鏡部623bは、表裏面の両面で光を反射する。また、中パトランプ62が設けられた飾り部材38の収納凹部6200の壁面には、内部空間の光を反射することが可能な鏡面塗装が行なわれている。これにより、中パトランプ62が設けられた飾り部材38の収納凹部6200では、反射鏡部623bに加えて、壁面も光を反射する。
中パト基板651においては、立設された態様での上側の表裏面に装飾LED701〜712が分散配置されている。装飾LED701〜712と、回転反射部6232とが対向するような位置関係で配置されている。したがって、反射鏡部623bは、装飾LED701〜712の光を反射する。
また、中パトランプ62が設けられた飾り部材38の収納凹部6200の内部空間の奥、すなわち、中パトランプ62の裏面側に位置する飾り部材38の収納凹部6200の壁面には、複数の装飾LED713〜716が回転反射部6232の反射鏡部623bを照らす態様で設けられている。装飾LED713〜716は、フルカラーLEDよりなり、発光色を複数色に制御することが可能である。これら装飾LED713〜716は、当該壁面の裏面側(外側)に、取付けられた中パト裏基板652に設けられたLEDである。つまり、当該壁面には、複数の装飾LED713〜716を裏面側から表面側に露出させるための複数の穴380bが設けられており、これらの穴380b内を介して装飾LED713〜716が中パトランプ62の裏面側に露出する。装飾LED713〜716と、回転反射部6232とは、反射鏡部623bと装飾LED713〜716とが対向するような位置関係で配置されている。したがって、反射鏡部623bは、装飾LED713〜716の光を反射する。なお、装飾LED713〜716は、中パトランプ62の裏面側に位置する飾り部材38の収納凹部6200の壁面に限らず、収納凹部6200内における中パトランプ62の左側面、右側面、または左右両側面に設けられてもよい。
なお、中パト裏基板652は、飾り部材38の壁面の裏面側(外側)に設けず、飾り部材38の壁面の表面側(内側)に設けるようにしてもよい。
図5は、中パト基板651における装飾LED701〜712の配置状態を示す図である。図5においては、パチンコ遊技機1の表面(前面)側から見た中パト基板651の正面図が(a)に示され、中パト基板651の右側面図が(b)に示され、中パト基板651の背面図が(c)に示されている。
図5の(a)に示すように、中パト基板651は、鉛直方向(上下方向)を長手方向とした基板であり、長手方向の一側(中パトランプ62に設けられた状態で上側)に集中して装飾LED701〜712が配置された態様で装飾LED701〜712が取付けられている。
中パト基板651の表面側には、16個の装飾LED701〜706が3個ずつ鉛直方向(上下方向)に2列に並んで設けられている。装飾LED701〜703は鉛直方向に等間隔で配置されており、装飾LED704〜706は鉛直方向に等間隔で配置されている。また、装飾LED701〜703のそれぞれと装飾LED704〜706のそれぞれとの水平方向(左右方向)の間隔は、等間隔である。また、図5の(c)に示すように、中パト基板651の裏面側には、6個の装飾LED707〜712が鉛直方向(上下方向)に2列に並んで設けられている。装飾LED707〜709は鉛直方向に等間隔で配置されており、装飾LED710〜712は鉛直方向に等間隔で配置されている。また、装飾LED707〜709のそれぞれと装飾LED710〜712のそれぞれとの水平方向(左右方向)の間隔は、等間隔である。また、図5の(b)に示すように、中パト基板651を介して、装飾LED704,707、705,708、および、706,709がそれぞれ対向する位置に設けられている。同様に、中パト基板651を介して、装飾LED701,710、702,711、および、703,712がそれぞれ対向する位置に設けられている。
図6は、中パトランプ62の動作状態を示すための中央上部装飾部500の正面図である。図6においては、中パトランプ62の回転反射部6232が反射鏡部623bの凹面を正面に向けて停止している状態が(a)に示され、中パトランプ62の回転反射部6232が回転動作している状態が(b)に示されている。次に、図6と、前述した図4とを参照して、中モータ76Cの構成および中パトランプ62の動作を説明する。
図6に示すように、中パトランプ62を駆動するためのモータとして、中モータ76Cが図柄表示装置9の裏面側に設けられている。中モータ76Cは、回転軸(図示省略)が鉛直を向くように設けられ、回転軸に設けられたピニオンギアが回転軸部6231のギア部623dに噛合されており、回転軸の回転に応じて、回転軸部6231および回転反射部6232を回転駆動する。
回転反射部6232は、中モータ76Cの回転にしたがって回転動作させられると、その回転動作にしたがって、反射鏡部623bの凹面が中パト基板651の基板の側を向いた態様で、中パト基板651の基板の位置を中心として回転動作する。その回転動作時の具体的な動作状態は、図6の(b)に太矢印で示されている。図4に示す反射鏡部623bが反射する光は、反射鏡部623bが回転することにしたがって、光軸の方向が変化していくので、その回転にしたがって中パトランプ62の全周囲を一定周期で順次照らすことが可能となり、中パトランプ62が一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。
図7は、中パトランプ62が設けられた飾り部材38の内部空間における光の進行態様を示す飾り部材38の縦断面図である。具体的に、図7の断面図は、図4の(b)と同様の部分を示す断面図である。図7においては、反射鏡部623bが中パト基板651の裏面側に位置しているときにおける光の進行態様が(a)に示され、反射鏡部623bが中パト基板651の表面側に位置しているときにおける光の進行態様が(b)に示されている。
反射鏡部623bが中パト基板651の裏面側に位置しているときには、図7の(a)に示すように光が進行する。中パト基板651の表面側に設けられた装飾LED701〜706からの光は、そのまま表面側方向へ進行する。また、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712からの光は、反射鏡部623bの内側の面としての凹面6230aにより反射されて、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行する。また、パト裏基板652に設けられた装飾LED713〜716からの光は、反射鏡部623bの外側の面としての凸面6230bにより反射された後、さらに飾り部材38の収納凹部6200の壁面で反射されて、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行する。また、パト裏基板652に設けられた装飾LED713〜716からの光は、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行して、飾り部材38の収納凹部6200の壁面で反射された後、表面側方向へ進行する。
また、反射鏡部623bが中パト基板651の表面側に位置しているときには、図7の(b)に示すように光が進行する。中パト基板651の表面側に設けられた装飾LED701〜706からの光は、反射鏡部623bの内側の凹面6230aにより反射されて、たとえば、斜め上方向等の裏面側方向へ進行し、さらに飾り部材38の収納凹部6200の壁面で反射されて、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行する。また、中パト基板651の表面側に設けられた装飾LED701〜706からの光は、たとえば、そのまま斜め上方向等の表面側方向へ進行する場合もある。また、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712からの光は、たとえば、斜め上方向等の裏面側方向へ進行し、飾り部材38の収納凹部6200の壁面で反射されて、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行する。また、パト裏基板652に設けられた装飾LED713〜716からの光は、たとえば、斜め上方向等の表面側方向へ進行して、飾り部材38の内部空間の壁面で反射された後、表面側方向へ進行する。
図8は、左装飾部25aの構成を示す三面図である。図8においては、左装飾部25aの平面図が(a)に示され、左装飾部25aの正面図が(b)に示され、左装飾部25aの右側面図が(c)に示されている。
図8の(a)に示すように、左装飾部25aは、樹脂製の部材よりなる飾り部材255が、左パトランプ61および左サイドランプ250aを内蔵するともに2つの通常入賞口30,31が形成されるので、これらが設けるような適度の奥行きをもって形成されている。
また、図8の(b)に示すように、左装飾部25aでは、飾り部材255が、全体的に弓形に湾曲した形状をなしている。左装飾部25aの上部においては、左パトランプ61を表面側に向けて露出させるための開口部を有し、左パトランプ61を収納した態様で配置するための空間を形成する収納凹部6100が形成されている。このような収納凹部6100の内部において、左パトランプ61が設けられている。左パトランプ61の下部には、左パトランプ61を回転駆動するための左モータ76Lが設けられている。収納凹部6100の壁面には、光を反射するために前述のような鏡面塗装が施されている。
左パトランプ61(左モータ76Lを含む)の基本的な構成および動作は、前述した中パトランプ62(中モータ76Cを含む)と同様であるため、主として特徴的な部分を説明し、同様の部分についての重複した説明の繰返しは行なわない。
左パトランプ61は、不透明な円形の樹脂製の部材よりなるベース部611と、そのベース部611上に設けられた4分の1球形状の透明な樹脂製の部材よりなる発光カバー部612とを含み、回転軸部(図示省略)と、回転反射部6132とを含む回転部613が、発光カバー部612の内側で回転することに基づいて、一定周期で方向を変えながら前方へ向けて光を発する。このような左パトランプ62は、発光カバー部612の内部が前方に露出しない態様、すなわち、4分の1球形状の発光カバー部612の外側をパトロールランプの表面側(前面側)へ向けた態様で設けられている。
ベース部611の下面の中央部においては、2個の装飾LED727,728を表面に設けた左パト基板658が、立設する態様で取付けられている。また、左パトランプ61の裏面側に位置する飾り部材255の壁面(内側の面)には、1個の装飾LED731が設けられた左パト裏基板659が、取付けられている。回転反射部6132は、円環状の部材である回転座部613aと光を反射する凹面鏡形状の反射鏡部(鏡面塗装が施されている)613bとよりなる。左パト基板658の周りを回転反射部6132が回転することに基づいて、その回転にしたがって反射鏡部613bが反射する光の光軸の方向が変化していくので、その回転にしたがって左パトランプ61の全周囲を一定周期で順次照らすことが可能となり、左パトランプ61が一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。
このように、左パトランプ61は、基本的な機能が中パトランプ62と同様である。左パトランプ61が中パトランプ62と異なる主な部分は、次のような点である。
左パトランプ61は、左パト基板658に設けられている装飾LEDの個数が、中パトランプ62において中パト基板651に設けられている装飾LEDの個数よりも少なく、左パト基板658の裏面側に装飾LEDが設けられていない。なお、左パト基板658の裏面側には、装飾LEDが設けられてもよい。左パトランプ61は、左パト裏基板659に設けられている装飾LEDの個数が、中パトランプ62において中パト裏基板652に設けられている装飾LEDの個数よりも少ない。なお、左パトランプ61では、装飾LEDが中パトランプ62と同様の設置態様で中パトランプ62と同数設けられてもよい。
また、左パトランプ61は、中パトランプ62と比べて、発光カバー部612と反射鏡部613bとの設置間隔が短い。より具体的には、左パトランプ61は、中パトランプ62と比べて、回転部623の回転中心に設けられた左パト基板658と反射鏡部613bとの設置間隔が短い。言い換えると、左パトランプ61は、中パトランプ62と比べて、回転部623の回転中心に設けられた装飾LED727,728との距離が短い。これにより、空気を撹拌できるので、放熱効果を高めることができる。
また、図8の(c)に示すように、飾り部材255において、左モータ76Lが設けられた位置よりも下方部分には、サイド左下基板661が設けられている。サイド左下基板661の表面側には、左サイドランプ250aの発光体として用いられる8個の装飾LED732〜739が上下方向に並んで設けられている。サイド左下基板661は、左モータ76Lの直下よりもパチンコ遊技機1の表面側にずれた位置に設けられている。これにより、左モータ76Lの直下のスペースが開放されているので、左モータ76Lの放熱効果を高めることができる。
図9は、左パトランプ61の動作状態を示すための左装飾部25aの正面図である。図9においては、左パトランプ61の回転反射部6132が停止している状態が(a)に示され、左パトランプ61の回転反射部6132が回転動作している状態が(b)に示されている。次に、図9と、前述した図8とを参照して、左パトランプ61の動作を説明する。
左パトランプ61を駆動するためのモータとしての左モータ76Lは、回転軸(図示省略)が鉛直方向を向くように設けられ、回転軸に設けられたピニオンギアが回転部613における回転軸部のギア部に噛合されており、回転軸の回転に応じて、回転軸部および回転反射部6132を回転駆動する。
回転反射部6132は、左モータ76Lの回転にしたがって回転動作させられると、その回転動作にしたがって、反射鏡部613bが左パト基板658の基板の側を向いた態様で、左パト基板658の基板の位置を中心として回転動作する。その回転動作時の具体的な動作状態は、図9の(b)に太矢印で示されている。図8に示す反射鏡部613bが反射する光は、反射鏡部613bが回転することにしたがって、光軸の方向が変化していくので、その回転にしたがって左パトランプ61の全周囲を一定周期で順次照らすことが可能となり、左パトランプ61が一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。
このように構成された左パトランプ61における光の進行態様は、前述の図7に示された中パトランプ62での光の進行態様のうち、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712からの光を除いたものと、基本的に同様のものとなる。
図10は、右装飾部25bの構成を示す三面図である。図10においては、右装飾部25bの平面図が(a)に示され、右装飾部25bの正面図が(b)に示され、右装飾部25bの右側面図が(c)に示されている。
図10の(a)に示すように、右装飾部25bは、樹脂製の部材よりなる飾り部材256が、右パトランプ63および右サイドランプ250bを内蔵するので、これらが設けるような適度の奥行きをもって形成されている。
また、図10の(b)に示すように、右装飾部25bでは、飾り部材256が、全体的に弓形に湾曲した形状をなしている。右装飾部25bの上部においては、右パトランプ63を表面側に向けて露出させるための開口部を有し、右パトランプ63を収納した態様で配置するための空間を形成する収納凹部6300形成されている。このような収納凹部6300の内部において、右パトランプ63が設けられている。右パトランプ63の下部には、右パトランプ63を回転駆動するための右モータ76Rが設けられている。収納凹部6300の壁面には、光を反射するために前述のような鏡面塗装が施されている。
右パトランプ63(右モータ76Rを含む)の基本的な構成および動作は、前述した中パトランプ62(中モータ76Cを含む)および左パトランプ61(左モータ76Lを含む)と同様であるため、主として特徴的な部分を説明し、同様の部分についての重複した説明の繰返しは行なわない。
右パトランプ63は、不透明な円形の樹脂製の部材よりなるベース部631と、そのベース部631上に設けられた4分の1球形状の透明な樹脂製の部材よりなる発光カバー部632とを含み、回転軸部(図示省略)と、回転反射部6332とを含む回転部633が、発光カバー部632の内側で回転することに基づいて、一定周期で方向を変えながら前方へ向けて光を発する。このような右パトランプ63は、発光カバー部632の内部が前方に露出しない態様、すなわち、4分の1球形状の発光カバー部632の外側をパトロールランプの表面側(前面側)へ向けた態様で設けられている。
ベース部631の下面の中央部においては、2個の装飾LED740,741を表面に設けた右パト基板662が、立設する態様で取付けられている。また、右パトランプ63の裏面側に位置する飾り部材256の壁面(内側の面)には、1個の装飾LED731が設けられた右パト裏基板663が、取付けられている。回転反射部6332は、円環状の部材である回転座部633aと光を反射する凹面鏡形状の反射鏡部(鏡面塗装が施されている)633bとよりなる。右パト基板662の周りを回転反射部6332が回転することに基づいて、その回転にしたがって反射鏡部633bが反射する光の光軸の方向が変化していくので、その回転にしたがって右パトランプ63の全周囲を一定周期で順次照らすことが可能となり、右パトランプ63が一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。
このように、右パトランプ63は、基本的な機能が中パトランプ62および左パトランプ61と同様である。右パトランプ63が中パトランプ62と異なる主な部分は、左パトランプ61と同様に、次のような点である。
右パトランプ63は、右パト基板662に設けられている装飾LEDの個数が、中パトランプ62において中パト基板651に設けられている装飾LEDの個数よりも少なく、右パト基板662の裏面側に装飾LEDが設けられていない。なお、右パト基板662の裏面側には、装飾LEDが設けられてもよい。右パトランプ63は、右パト裏基板663に設けられている装飾LEDの個数が、中パトランプ62において中パト裏基板652に設けられている装飾LEDの個数よりも少ない。なお、右パトランプ63では、装飾LEDが中パトランプ62と同様の設置態様で中パトランプ62と同数設けられてもよい。
また、右パトランプ63は、中パトランプ62と比べて、発光カバー部632と反射鏡部633bとの設置間隔が短い。より具体的には、右パトランプ63は、中パトランプ62と比べて、回転部623の回転中心に設けられた右パト基板662と反射鏡部633bとの設置間隔が短い。言い換えると、右パトランプ63は、中パトランプ62と比べて、回転部623の回転中心に設けられた装飾LED740,741との距離が短い。これにより、空気を撹拌できるので、放熱効果を高めることができる。
また、図10の(c)に示すように、飾り部材256において、右モータ76Rが設けられた位置よりも下方部分には、サイド右下基板665が設けられている。サイド右下基板665の表面側には、右サイドランプ250bの発光体として用いられる8個の装飾LED745〜752が上下方向に並んで設けられている。サイド右下基板665は、右モータ76Rの直下よりもパチンコ遊技機1の表面側にずれた位置に設けられている。これにより、右モータ76Rの直下のスペースが開放されているので、右モータ76Rの放熱効果を高めることができる。
図11は、右パトランプ63の動作状態を示すための右装飾部25bの正面図である。図11においては、右パトランプ63の回転反射部6332が停止している状態が(a)に示され、右パトランプ63の回転反射部6332が回転動作している状態が(b)に示されている。次に、図11と、前述した図10とを参照して、右パトランプ63の動作を説明する。
右パトランプ63を駆動するためのモータとしての右モータ76Rは、回転軸(図示省略)が鉛直方向を向くように設けられ、回転軸に設けられたピニオンギアが回転部633における回転軸部のギア部に噛合されており、回転軸の回転に応じて、回転軸部および回転反射部6332を回転駆動する。
回転反射部6332は、右モータ76Rの回転にしたがって回転動作させられると、その回転動作にしたがって、反射鏡部633bが右パト基板662の基板の側を向いた態様で、右パト基板662の基板の位置を中心として回転動作する。その回転動作時の具体的な動作状態は、図11の(b)に太矢印で示されている。図10に示す反射鏡部633bが反射する光は、反射鏡部633bが回転することにしたがって、光軸の方向が変化していくので、その回転にしたがって右パトランプ63の全周囲を一定周期で順次照らすことが可能となり、右パトランプ63が一定周期で光の照射方向を変えながら発光する。
このように構成された右パトランプ63における光の進行態様は、左パトランプ62における光の進行態様と同様であり、前述の図7に示された中パトランプ62での光の進行態様のうち、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712からの光を除いたものと、基本的に同様のものとなる。
図12は、飾り部材38内、飾り部材38の裏面、および、飾り部材38の近傍に設けられた各種基板の配置態様を遊技盤6の正面側から見たイメージで示す図である。図12においては、飾り部材38は、領域の範囲のみを示し、各種基板の配置イメージが示されている。
飾り部材38の領域における中央部には、演出表示装置9において演出図柄等の表示を行なうためのドットマトリクス基板901が設けられている。ドットマトリクス基板901の下部には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられた保留記憶基板が設けられている。
また、ドットマトリクス基板901の裏面側、具体的に飾り部材38の裏面側には、次のような基板が設けられている。飾り部材38において向かって左側を装飾するための装飾LEDが設けられた基板として、装飾LED720,721が設けられた中パト左下基板655と、装飾LED717〜719が設けられたセンタ左基板654とが設けられている。また、飾り部材38において向かって右側を装飾するための装飾LEDが設けられた基板として、装飾LED725,726が設けられた中パト右下基板657と、装飾LED722〜724が設けられたセンタ右基板656とが設けられている。
また、センタ左基板654とセンタ右基板656との間には、前述したような装飾LED701〜712が設けられた中パト基板651と、装飾LED713〜715が設けられた中パト裏基板652とが設けられている。中パト基板651の裏面側に中パト裏基板652が設けられている。
また、遊技場の裏面側において、センタ左基板654の左上方には、前述した各種基板の信号を中継する中継基板89,88が設けられている。さらに、中継基板88の上方には、盤用外部端子板89aが設けられている。
図13は、左装飾部25aに設けられた各種基板の配置態様を左装飾部25aの正面側から見たイメージで示す図である。図13では、左装飾部25a全体における各種基板の配置態様が(a)に示され、左装飾部25aの上側における左パト裏基板659の配置態様が(b)に示されている。また、図13においては、飾り部材255は、領域の範囲のみを示し、各種基板の配置イメージが示されている。
飾り部材255の領域における上側には、前述のように、装飾LED727,728が上限方向に並んで設けられた左パト基板658が設けられ、その裏面側に、装飾LED731が設けられた左パト裏基板659が設けられている。また、飾り部材255の領域における下側には、前述のように、左サイドランプ250aの発光体として用いられる8個の装飾LED732〜739が上下方向にジグザグに並んで設けられたサイド左下基板661が設けられている。
また、右装飾部25bに設けられた各種基板の配置態様は、図12に示す左装飾部25aの正面側から見たイメージで示す配置図の配置を左右対称に置換えたものである。したがって、ここでは、右装飾部25bに設けられた各種基板の配置態様について、説明の重複を避ける。
図14は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。また、図15は、図14に示す盤側IC基板600および盤側機器700の具体的構成を示すブロック図である。また、図16は、図14に示す枠側IC基板800および枠側機器900の具体的構成を示すブロック図である。
なお、図14には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。以下、図14〜図16を参照して、回路構成の説明を行なう。
図14を参照して、主基板31には、制御用のプログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55が遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および、特別可変入賞球装置20の大入賞口を開閉する開閉板22を駆動するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、シリアル出力回路78が搭載されている。シリアル出力回路78は、シフトレジスタ等によって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンド(演出制御信号)を、シリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、および、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、および、普通図柄保留記憶表示器41のそれぞれには、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられている。シリアル−パラレル変換ICは、中継基板77からのシリアルデータ形式の制御信号をパラレルデータに変換して、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、および、普通図柄保留記憶表示器41にそれぞれ供給する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、発光制御(LED制御)を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンドを送信する。演出制御コマンドは、前述のように、シリアル出力回路78によりシリアルデータに変換されて送信される。演出制御基板80には、演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御手段)等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行なう。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、中継基板88を介して、盤側IC基板600にシリアルデータ方式の制御信号を送り、その制御信号に基づいて、盤側機器700の制御を行なう。ここで、盤側IC基板600は、遊技盤6側に設けられている各種基板であり、具体的には、図15に示された各種基板の総称である。また、盤側機器700は、遊技盤6側に設けられているLEDおよびモータ等の各種機器であり、具体的には、図15に示された各種機器の総称である。
盤側IC基板600に含まれる各基板は、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載されており、シリアルデータ方式の制御信号をパラレル方式の制御信号に変換し、その制御信号に基づいて、盤側機器700のうち制御対象の機器を駆動する。また、盤側IC基板800に含まれる一部の基板には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのパラレル−シリアル変換IC(以下、入力ICという)が搭載されており、盤側機器700の一部から送られてきたパラレルデータ方式の信号をシリアルデータ方式の信号に変換し、その信号を、中継基板88を介して、演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する基板も含まれている。
図15を参照して、盤側IC基板600は、中パト基板651、中パト裏基板652、中モータ基板653、センタ左基板654、中パト左下基板655、センタ右基板656、中パト右下基板657、左パト基板658、左パト裏基板659、左モータ基板660、サイド左下基板661、右パト基板662、右パト裏基板663、右モータ基板664、サイド右下基板665、下部役物基板667、下部第1モータ基板668、および、下部第2モータ基板669を含む。この他に、図示を省略するが、盤側IC基板600には、前述したトラック役物810へ遊技球を供給する送球装置のモータを駆動する送球装置基板と、送球装置からの送球個数を計数する送球個数計数スイッチからの検出信号を受ける送球個数計数スイッチ基板とが含まれている。
また、盤側機器700は、装飾LED701〜712、713〜716、717〜719、720,721、722〜724、735,726、727,728、731、732〜739、740,741、744、745〜752、770,780、中モータ76C、左モータ76L、右モータ76R、役物回転モータ79A、および、役物荷台モータ79Bを含む。この他に、図示を省略するが、盤側機器700には、前述したトラック役物810へ遊技球を供給する送球装置を駆動するモータと、前述した送球個数計数スイッチとが含まれている。
盤側IC基板600と盤側機器700との対応関係は、次の通りである。次のとおりである。中パト基板651は、装飾LED701〜712を駆動する。中パト裏基板652は、装飾LED713〜716を駆動する。中モータ基板653は、中モータ76Cを駆動する。センタ左基板654は、装飾LED717〜719を駆動する。中パト左下基板655は、装飾LED720,721を駆動する。センタ右基板656は、装飾LED722〜724を駆動する。中パト右下基板657は、装飾LED725,726を駆動する。左パト基板658は、装飾LED727,728を駆動する。左パト裏基板659は、装飾LED731を駆動する。左モータ基板660は、左モータ76Lを駆動する。サイド左下基板661は、装飾LED732〜739を駆動する。右パト基板662は、装飾LED740,741を駆動する。右パト裏基板663は、装飾LED744を駆動する。右モータ基板664は、右モータ76Rを駆動する。サイド右下基板665は、装飾LED745〜752を駆動する。下部役物基板667は、装飾LED770,780を駆動する。下部第1モータ基板668は、役物回転モータ79Aを駆動する。下部第2モータ基板669は、役物荷台モータ79Bを駆動する。図示を省略するが、送球装置基板は、送球装置を駆動するモータを駆動する。送球個数計数スイッチ基板は、送球個数計数スイッチからの検出信号を受けて、その検出信号を、中継基板88を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、中継基板88および中継基板89を介して、枠側IC基板800にシリアルデータ方式の制御信号を送り、その制御信号に基づいて、枠側機器900の制御を行なう。ここで、枠側IC基板800は、遊技盤6以外の遊技枠等の枠側に設けられている各種基板であり、具体的には、図16に示された各種基板の総称である。また、枠側機器900は、遊技盤6以外の遊技枠等の枠の側に設けられているLEDおよびモータ等の各種機器であり、具体的には、図15に示された各種機器の総称である。
枠側IC基板800に含まれる各基板は、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載されており、演出制御用マイクロコンピュータ81からのシリアルデータ方式の制御信号をパラレルデータ方式の制御信号に変換し、その制御信号に基づいて、枠側機器900のうち制御対象の機器を駆動する。また、枠IC基板800に含まれる一部の基板には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのパラレル−シリアル変換IC(以下、入力ICという)が搭載されており、枠側機器900の一部から送られてきたパラレルデータ方式の信号をシリアルデータ方式の信号に変換し、その信号を、中継基板89,88を介して、演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する基板も含まれている。
図16を参照して、枠側IC基板800は、中前板天基板473a、左前板天基板475a、右前板天基板475b、上皿左サイド基板310L、上皿右サイド基板310R、上皿前左反射板332L、上皿前右反射板332R、受皿LED基板353a、左幕板LED基板340L、右幕板LED基板340R、および、ジョグ基板508を含む。
また、枠側IC機器900は、天枠LED28a、左枠LED28b、賞球LED51、右枠LED28c、球切れLED52、供給皿左LED200a,200c、供給皿右LED200b,200c、供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左右LED203a,203b、方向LED510a〜510d、ジョグスイッチ512a〜512d、および、ダイアルスイッチ511a,511bを含む。
盤側IC基板600と盤側機器700との対応関係は、次の通りである。中前板天基板473aは、天枠LED28aを駆動する。左前板天基板475aは、左枠LED28bおよび賞球LED51を駆動する。右前板天基板475bは、右枠LED28cおよび球切れLED52を駆動する。上皿左サイド基板310Lは、供給皿左LED200a,200cを駆動する。上皿右サイド基板310Rは、供給皿右LED200b,200cを駆動する。上皿前左反射板332Lおよび上皿前右反射板332Rは、供給皿前LED201aを駆動する。受皿LED基板353aは、受皿LED202aを駆動する。左幕板LED基板340Lおよび右幕板LED基板340Rは、受皿左右LED203a,203bを駆動する。ジョグ基板508は、方向LED510a〜510dを駆動し、ジョグスイッチ512a〜512dの検出信号をシリアル方式の信号に変換して中継基板89へ送り、ダイアルスイッチ511a,511bの検出信号をシリアル方式の信号に変換して中継基板89へ送る。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512dを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、512a〜512dの表示制御を行なう。
図14に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、1系統の配線ルート(たとえば、バス型)で接続される。
図14を参照して、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
主基板31には、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれにおいて、特別図柄の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい駆動信号を第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれに出力させることにより、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれの表示制御を行なう。このような構成により、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと、演出表示装置9とは、並列に遊技制御用マイクロコンピュータ560が設けられた主基板31と接続されている。このような構成に基づいて、主基板31と第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示制御を行なう場合、たとえば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが演出制御基板80(演出制御用マイクロコンピュータ100が設けられている)を介して直列の態様で主基板31に接続された場合のような並列以外の接続態様で接続されていると比較して、大当り判定の結果を正しく表示する信頼度が高い。
また、主基板31は、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれにおいて、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、保留記憶数に応じた駆動信号を第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれに出力し第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの制御を行なう。
また、主基板31は、普通図柄表示器10において、変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムにしたがい、駆動信号を普通図柄表示器10に出力し普通図柄表示器10の表示制御を行なう。これにより、主基板31と普通図柄表示器10との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した普通図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により普通図柄表示器10の表示制御を行なう場合と比較して、普通図柄の当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31には、普通図柄保留記憶表示器41において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を普通図柄保留記憶表示器41に出力し普通図柄保留記憶表示器41の制御を行なう。
図17は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図17に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM85、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356、および、入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に変動表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板88,89を介して枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板600に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示にしたがって、中継基板88,89を介して、枠側IC基板800のうちのジョグ基板508に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。ジョグ基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、ジョグスイッチ510a〜510dの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、音声出力基板70を介してスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板89に出力する。また、入力ICに入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板88に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた対応する機器に供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板600上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板600に搭載された各シリアル−パラレル変換ICには、それぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、対応する機器に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、枠側IC基板800に含まれる各基板上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。また、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICには、それぞれ固有のIDがある。
また、前述したように、枠側IC基板800のうちジョグ基板508には、前面枠に設けられたジョグスイッチ510a〜510dの検出信号を入力する入力ICが搭載されている。この実施の形態では、ジョグ基板508に搭載された入力ICと演出制御用マイクロコンピュータ81とは、中継基板88,89を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板88,89を介して入力ICに出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力する。すると、入力ICは、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいてジョグスイッチ510a〜510dからの検出信号をラッチし、中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。この場合、入力ICは、ジョグスイッチ510a〜510dからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力しているが、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングと同じタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力してもよい。
盤側IC基板600に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板600に含まれる各基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで前面枠と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、前面枠と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板600に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICおよび入力ICに、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換ICへのクロック信号の配線と入力ICへのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御用マイクロコンピュータ81と盤側IC基板600との間の通信、および、演出制御用マイクロコンピュータ81と枠側IC基板600との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板600に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板800に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、および入力ICを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICには、予めアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。なお、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(たとえば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各機器に信号を供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各機器への信号の供給は行なわない。
図18は、前述した各基板に設けられたシリアル−パラレル変換ICの構成を示すブロック図である。図18に示すように、シリアル−パラレル変換ICは、データラッチ部6510、シフトレジスタ6520、ヘッダ/アドレス検出部6530、データバッファ6550およびシンクドライバ6560を含む。
データラッチ部6510は、たとえばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ6520に出力する。シフトレジスタ6520は、データラッチ部6510から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ6520は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ6520にシリアルデータとして(すなわち、シリアル方式で)入力したデータが格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部6530は、シフトレジスタ6520の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部6530は、シフトレジスタ6520からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(h)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(h))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ6520に1セットのデータが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部6530は、シフトレジスタ6520からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICにあらかじめ付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板600および枠側IC基板800に含まれる各基板には、たとえば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ6540が設けられており、ヘッダ/アドレス検出部6530は、シフトレジスタ6520から検出したアドレスが、あらかじめアドレス格納レジスタ6540に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出6530は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ6550に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出6530は、入力取込信号をデータバッファ6550に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ6520に格納したデータをデータバッファ6550に出力することなく、そのまま破棄することになる。
なお、図18では、盤側IC基板600および枠側IC基板800に含まれる各基板に、あらかじめアドレス格納レジスタ6540が設けられている場合を示しているが、アドレス格納レジスタ6540に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力をhighまたはlowに制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力をhighとし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力をLowとするように制御する。
データバッファ6550は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部6530から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ6520からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ6550は、取り込んだデータ(信号)をパラレルデータ(Q0〜Q7)として各機器に供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ6520が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ6550は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、LEDの場合は、すべてのLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ6560は、所定の論理反転設定信号にもとづいて、データバッファ6550が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号がHighである場合には、データバッファ6550が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンとなり、各機器に信号を出力する。この実施の形態では、あらかじめ論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタなどに設定されており、予め定められた設定値に従って各機器に信号が出力されるものとする。
図19は、ジョグ基板508に設けられた入力ICの構成を示すブロック図である。図19に示すように、この実施の形態では、入力ICは、複数(本例では8個)のDフリップフロップ6610〜6680によって構成される。この実施の形態では、ジョグスイッチ512a〜512dからの検出信号、または、ダイアルスイッチ511a,511bからの検出信号が入力ICにパラレルに入力され、検出信号ごとにいずれかのDフリップフロップ6610〜6680に入力される。また、各Dフリップフロップ6610〜6680にはクロック信号が入力され、各Dフリップフロップ6610〜6680は、クロックの立ち上がりで順次シフト動作を行なう。そして、パラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
各Dフリップフロップ6610〜6680には、演出制御用マイクロコンピュータ81から所定のタイミングで入力取込信号(ラッチ信号)が入力される。入力取込信号が入力されると、ジョグスイッチ512a〜512dからの検出信号、または、ダイアルスイッチ511a,511bからの検出信号が、各Dフリップフロップ6610〜6680にラッチされる。そして、ラッチされた検出信号は、クロックの立ち上がりで順次シフトされ、シリアルデータ方式のデータとして出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図20は、シリアルデータ方式として送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図20に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表わす。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。そして、演出制御コマンドは、2msの1回のタイマ割込期間内で1コマンドだけ送信されるときと、複数コマンド送信されるときとがある。1回のタイマ割込期間内で複数のコマンドが送信されるときのコマンドの送信間隔は、所定時間(たとえば、100μs)に予め定められている。また、1の演出制御コマンドは1バイト目と2バイト目との2回に分けて送信されるが、その送信間隔は、前述したようなコマンドの送信間隔が可能となるような予め定められた時間に設定されている。
次に、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63(以下、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63の総称として、パトランプ61,62,63という表記を用いる場合がある)を用いて行なわれる状態報知および大当り予告報知について説明する。パトランプ61,62,63は、装飾的な用途の他に、遊技状態が高確率状態となっているときに当該状態を報知する状態報知を行なうため、および、大当りとなることを予告報知する大当り予告を行なうために用いられる。以下、中パトランプ62を代表例として、状態報知時および大当り予告時におけるパトランプ61,62,63の動作態様を説明する。
図21は、状態報知時および大当り予告時のそれぞれにおける中パトランプ62の動作を示すタイミングチャートである。図21において、(a)には状態報知時の中パトランプ62の動作が示され、(b)には大当り予告時の中パトランプ62の動作が示されている。
図21においては、(a),(b)のタイミングチャートについて、大当り確率((a)のみ)、演出図柄の変動表示((b)のみ)、パトランプのモータ、表面LED、および、裏面LEDのそれぞれの状態が示されている。大当り確率は、高確率と低確率とのどちらの状態であるかが示される。演出図柄の変動表示は、演出表示装置9が変動と停止とのどちらにあるかが示される。パトランプのモータは、中モータ76Cが作動と停止とのどちらの状態であるかが示される。表面LEDは、中パト基板651の表面側に設けられた装飾LED701〜706が点灯と消灯とのどちらの状態であるかが示される。裏面LEDは、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712が点灯と消灯とのどちらの状態であるかが示される。
図21の(a)を参照して、大当り確率が高確率状態となっているときには、特別図柄の変動表示が行なわれているか否かにかかわらず、パトランプのモータが作動状態に制御されるとともに、表面LEDおよび裏面LEDがともに所定の色(赤色)で点灯状態に制御される。これにより、中パトランプ62は、高確率状態において、表面LEDおよび裏面LEDがともに点灯し、かつ、回転部613が回転して光を反射する第1の発光状態となる回転発光動作を行なう。このような態様で回転発光動作が行なわれることにより、高確率状態となっていることを報知する状態報知が行なわれる。
図21の(b)を参照して、大当り予告が行なわれるときには、特別図柄の変動表示および演出図柄の変動表示が行なわれるときに、所定期間(たとえば、変動表示の開始当初の所定期間)に亘り、パトランプのモータが作動状態に制御されるとともに、表面LEDが所定の色(黄色)で点滅状態に制御される。これにより、中パトランプ62は、大当り予告が行なわれるときにおいて、表面LEDが点滅(点灯状態と消灯状態とが所定周期で繰返される状態)し、かつ、回転部613が回転して光を反射する第2の発光状態となる回転発光動作を行なう。このような態様で回転発光動作が行なわれることにより、大当り予告報知が行なわれる。
なお、大当り予告を行なうタイミングは、大当り表示結果が導出表示される前の段階であればどのようなタイミングで行なわれてもよく、前述のような変動表示の開始当初の所定期間に限られるものではない。また、大当り予告が行なわれるときには、裏面LEDも点滅させるようにしてもよい。
以上に示した状態報知時および大当り予告時のそれぞれにおけるパトランプの動作として、中パトランプ62を代表例として示したが、大当り予告時における左パトランプ61および右パトランプ63の動作は、中パトランプ62と、基本的に同様である。ただし、左パトランプ61および右パトランプ63のそれぞれは、裏面LEDが設けられていないので、状態報知時において、裏面LEDが発光しない。なお、左パトランプ61および右パトランプ63のそれぞれについても、中パトランプ62と同様に裏面LEDを設け、その裏面LEDを中パトランプ62の裏面LEDと同様に制御するようにしてもよい。
次に、前述したような大当り予告が行なわれるときの演出装置全体の動作を説明する。ここで、演出装置とは、パチンコ遊技機1の演出を行なうなための装置全般をいい、たとえば、演出表示装置9、スモールランプ77、ビッグランプ78、トラック役物810、スピーカ27、および、パトランプ61,62,63のような光、表示、可動体、および、音等による各種演出手段を含む。
図22は、大当り予告時における演出装置全体の動作の一例を示すタイミングチャートである。図22においては、演出図柄の変動表示、スモールランプ77,ビッグランプ78、トラック役物810の回転動作、トラック役物810の荷こぼし動作、スピーカ27からの報知音声、パトランプ61,62,63のモータ、パトランプ61,62,63の表面LED、および、パトランプ61のそれぞれの状態が示されている。スモールランプ77,ビッグランプ78は、点灯と消灯とのどちらの状態であるかが示される。トラック役物810の回転動作は、トラック役物810の回転動作が作動と停止とのどちらの状態であるかが示される。トラック役物810の荷こぼし動作は、トラック役物810の荷こぼし動作が作動と停止とのどちらの状態であるかが示される。スピーカ27からの報知音声は、スピーカ27からの報知音声が出力と停止とのどちらの状態であるかが示される。
大当り予告が行なわれるときには、特別図柄の変動表示および演出図柄の変動表示が行なわれるときに、変動表示開始時からスモールランプ77とビッグランプ78とが交互点滅をする状態に制御される。このようなスモールランプ77とビッグランプ78とが交互点滅をしている状態において、次のような制御が行なわれる。まず、トラック役物810の回転動作が作動状態に制御される。それと同時に、パトランプ61,62,63のモータが作動状態に制御されるとともに、表面LEDが所定の色(黄色)で点滅状態に制御される。これにより、パトランプ61,62,63は、図21で説明したような大当り予告報知を行なう。
そして、パトランプ61,62,63による予告報知が終了した後も、トラック役物810の回転動作の作動状態は所定期間に亘り継続される。トラック役物810の回転動作が終了した後、トラック役物810の荷こぼし動作が作動状態に制御される。それと同時に、スピーカ27からの所定の報知音声が出力される。その後、スモールランプ77とビッグランプ78とは、交互点滅状態から一方が点灯し他方が消灯した状態に制御される。スモールランプ77とビッグランプ78とは、交互点滅状態から一方の点灯状態となったときに、スモールランプ77が点灯していれば2R大当りを予告し、ビッグランプ78が点灯していれば15R大当りを予告することとなる。その後、変動表示が終了し、表示結果が導出表示される。
なお、図22において、破線で示すように、パトランプ61,62,63による大当り予告の動作は、変動開始当初の所定期間ではなく、たとえば、報知音声の出力後のように、変動開始後、変動表示期間中のその他の期間において行なうようにしてもよい。
このように、大当り予告は、演出装置として、パトランプ61,62,63以外に、前述したような各種の演出装置を用いて行なわれる。なお、大当り予告は、演出装置として、パトランプ61,62,63のみを用いて行なうようにしてもよい。
次に、前述したパトランプ61,62,63のモータ、すなわち、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの駆動パターンを説明する。図23は、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの駆動パターンを示すタイミングチャートである。
左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rのそれぞれは、巻線A1,A2と、巻線B1,B2との2つの巻線を備えた2相励磁式のステッピングモータである。図23の(a),(b)においては、巻線A1,A2と、巻線B1,B2とのそれぞれについて、巻線が通電された励磁レベルHと、巻線が通電されていない非励磁レベルLとのどちらにあるかが示されている。
図23では、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの模式的な内部構造が(a)に示され、大当り予告時のモータ駆動パターンが(b)に示され、状態報知時のモータ駆動パターンが(c)に示されている。図23に示す駆動パターンは、これらモータの駆動信号として用いる周期的なパルス信号の波形図により示されている。
(a)に示されるように、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rは、磁極A1,A2と、磁極B1,B2とよりなる2つの巻線761,762と、モータ軸764に直結した固定磁石よりなる回転子763とを含む。このようなモータは、たとえば、(b),(c)に示すように、磁極A1,B1,A2,B2が順次励磁状態となるように、所定周期で巻線761と巻線762とに順次通電し、巻線761と巻線762とを周期的に順次励磁状態とすることにより、回転子763が回転してモータ軸764が回転する。(b)に示す大当り予告時のモータ駆動パターンは、回転速度(周期)が500PPS(Puls Per Second)で各相の1回のON時間(励磁レベルHとなる時間)が2msecである。また、(c)に示す状態報知時のモータ駆動パターンは、回転速度(周期)が250PPSで各相の1回のON時間(励磁レベルHとなる時間)が2msecである。
大当り予告は、大当り予告を行なう条件が成立したときの変動表示の期間のうちの一部の期間のみに行なわれる。一方、状態報知は、高確率状態となっている期間の全期間に亘って行なわれる。このように、状態報知は長期間に亘り行なわれる。このため、状態報知が行なわれるときには、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rが過度に発熱しないようにするために、(b)に示すように、これらモータの駆動パターンが、(a)に示す大当り予告時の駆動パターンとは異なる駆動パターンに制御される。
(b)に示すように、状態報知時においては、(a)に示す大当り予告時と比べて、駆動信号のパルスの周期を長くし、かつ、当該パルスの1周期当りにおいてパルスが励磁レベルHとなっている時間(つまり、モータを励磁する時間(ON時間)であり、各巻線に通電する時間)の割合を低くする制御が行なわれる。より具体的に、(b)に示す状態報知時には、(a)に示す大当り予告時と比べて、駆動信号のパルスの周期が2倍にされ、当該パルスの1周期当りにおいてパルスが励磁レベルHとなっている時間の割合が1/2にされる。より、具体機には、(a)に示す大当り予告時には、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rが2相励磁方式で励磁されるのに対し、(b)に示す状態報知時には、これらモータが1相励磁方式で励磁される。
このように、状態報知時のように長期間に亘り左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rを連続的に駆動するときに、駆動信号のパルスの周期を長くし、かつ、当該パルスの1周期当りにおいてパルスが励磁レベルHとなっている時間の割合を低くすると、当該モータに電流を供給する周期が長くなり、かつ、当該周期の1周期当りにおいて電流を供給する時間の割合が低くなる。これにより、状態報知時のように長期間に亘り左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rを連続的に駆動するときに、これらモータに供給する電流を低減することができ、これによって、これらモータが過度に発熱しないようにすることができる。
次に、各種演出装置を用いて擬似連が行なわれるときの演出態様について説明する。次に、各種演出装置を用いて擬似連が行なわれるときの演出態様について説明する。擬似連は、擬似連続予告の略である。連続予告とは、複数回の特別図柄の変動表示にわたって所定の予告演出(たとえば、チャンス目と呼ばれる予め定められたはずれ図柄の組合せを演出表示装置での変動表示結果として表示する演出等の演出)を繰返し行なうことにより、大当りとなることを予告する大当り予告をいう。特別図柄の変動表示は、基本的に保留記憶を1つ消化することに応じて1回行なわれるものであるが、擬似連の場合は、保留記憶を1つ消化することに応じて、あたかも複数回の変動表示が行なわれたように感じさせる演出が行なわれるので、「擬似」という語が用いられている。擬似連は、大当り予告に含まれる予告演出である。したがって、大当り予告を行なうことが決定されたときには、図22に示すような態様の大当り予告を含む複数種類の大当り予告の演出のうちから選択されたときに実行される。
変動表示において行なわれる擬似連の演出の動作例を説明する。図24は、擬似連の演出の動作例を示す図である。図24においては、第1の動作例である擬似連Aの動作例が(a)に示され、第2の動作例である擬似連Bの動作例が(b)に示されている。図24においては、第1の動作例である擬似連Aの動作例として、(a),(b)のそれぞれにおいて、演出表示装置9の動作の流れと、中パトランプ62の動作の流れとが示されている。
図24の(a)を参照して、擬似連Aでは、1つの保留記憶を消化することに基づいて、1回目〜3回目の変動表示が連続して演出表示装置9において行なわれる。1回目および2回目の変動表示においては、前述のチャンス目が表示結果(仮の表示結果)として表示される。そして、最後の3回目の変動表示においては、演出表示装置9で変動表示される3つの図柄のうちの全図柄が大当り図柄の組合せで揃った状態で変動表示を行なう所謂全回転リーチが表示される。
このような擬似連Aの演出が行なわれるときには、中パトランプ62も動作させられる。たとえば、擬似連Aにおける1回目の変動表示が行なわれるときには中パトランプ62が青色で点滅させられる。そして、擬似連Aにおける3回目の変動表示が行なわれるときには中パトランプ62が緑色で点滅させられる。そして、擬似連Aにおける全回転リーチが行なわれるときには、中パトランプ62が黄色で点滅させられる。
図24の(b)を参照して、擬似連Bでは、1つの保留記憶を消化することに基づいて、1回目〜4回目の変動表示が連続して演出表示装置9において行なわれる。1回目〜3回目の変動表示においては、前述のチャンス目が表示結果(仮の表示結果)として表示される。そして、最後の4回目の変動表示においては、前述の全回転リーチが表示される。
このような擬似連Bの演出が行なわれるときには、中パトランプ62も動作させられる。たとえば、擬似連Bにおける2回目の変動表示が行なわれるときには中パトランプ62が青色で点滅させられる。そして、擬似連Aにおける3回目の変動表示が行なわれるときには中パトランプ62が緑色で点滅させられる。そして、擬似連Bにおける4回目の変動表示が行なわれるときには中パトランプ62が黄色で点滅させられる。そして、擬似連Bにおける全回転リーチの表示が行なわれるときには、中パトランプ62が7色で色を巡回させて点滅させられる。
なお、本実施の形態では、擬似連の演出が行なわれるときに、中パトランプ62を動作させる例を示したが、擬似連の演出が行なわれるときには次のような制御を行なうようにしてもよい。たとえば、擬似連が続く程、中モータ76Cのモータの駆動信号のパルスの周期を長くするか、または、パルスが励磁レベルHとなる時間を短くする制御を行なうようにしてもよい(たとえば、擬似連が続く程、図23の(b)に示す駆動パターンから図23の(c)に示す駆動パターンに近づける制御)。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図25は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する制御用プログラム全体の進行を管理する処理を行なう処理ルーチンとしてのメインルーチンである。メイン処理が実行されると、メイン処理の進行に応じて、メインルーチンを含む他のルーチンから呼出される処理ルーチンとしての各種のサブルーチン処理が実行されることにより各種の制御が行なわれる。ここで、処理ルーチンとは、コンピュータによる特定の情報処理を実行する機能を持った、プログラムコードの集合体をいい、前述のメインルーチンおよびサブルーチンの両方を含み、そのサブルーチンとしては、サブルーチンの実行時にさらに他のサブルーチンを呼出して実行させるルーチンと、サブルーチンの実行時にさらに他のサブルーチンを呼出さないルーチンとの両方を含む。
パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定をするための初期設定処理を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときに、RAM55に設けられたバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。このようなバックアップRAM領域のデータは、バックアップ電源によって電源バックアップされている。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信するために、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS93)。そして、ステップS15に移行する。なお、この実施の形態では、停電復旧指定コマンドは、遊技制御処理が開始されてから、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において送信されるが、ステップS93の処理で、直接送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(S13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、演出パターンとしての変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのランダムカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用のランダムカウンタ等のランダムカウンタにおけるカウント値が1周(ランダムカウンタの取り得る値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのランダムカウンタに、初期値決定用乱数に基づいて得られる初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図26に示すS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、大当り遊技状態に制御されていないときにおいて、特別可変入賞球装置20における大入賞口への遊技球の入賞が検出されたというような大入賞口への入賞に関する異常が生じたか否かを判定し、異常が生じたときに、異常が生じた旨を報知する異常入賞処理を行なう(S23)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S25,S26)。
図27は、遊技制御に用いられる乱数を示す説明図である。各乱数は、RAM55に形成された各ランダムカウンタにより更新される数値データを抽出することにより生成され、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口13への遊技球の入賞(第1始動入賞)に基づく第1特別図柄の変動表示に対応して(または、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動入賞)に基づく第2特別図柄の変動表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:はずれとなるときにリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(6)ランダム6:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図26に示された遊技制御処理におけるS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成するハードウェア乱数を用いてもよい。また、ランダム1(大当り判定用乱数)以外のランダム2〜8等についても、前述したようなソフトウェア乱数とハードウェア乱数とのどちらを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらに関しても図27に示された乱数(特に、ランダム1,2,3,4,5)を用いるが、第1特別図柄の変動表示に関する乱数と第2特別図柄の変動表示に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび第2別図柄表示器8bと、大入賞口とを所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。このような特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチンである。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S28)。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S29)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。たとえば、カウントスイッチ23により検出される大入賞口への1個の入賞球に対して払出される賞球個数が15個、入賞口スイッチ29a,30a,33aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が10個、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が4個というように、賞球個数を示す払出制御コマンドが出力される。払出制御用マイクロコンピュータ370においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの払出制御コマンドに基づく賞球個数を未払出数(遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAMに記憶される未払出数のデータ)に加算し、球払出装置97を駆動して未払出数分の賞球を払出す制御を行なう。また、図示を省略するが球払出装置97から払出した遊技球の個数を検出する払出個数カウントスイッチが設けられており、その払出個数カウントスイッチからの払出検出信号に基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出した数を前述の未払出数から減算することにより、未払出数を管理する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S33)。具体的に、CPU56は、後述するような開始フラグがセットされているか否かを参照し、その開始フラグがセットされているときに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、その開始フラグが示す特別図柄の変動表示を開始させるために特別図柄表示制御データを設定する。より具体的に、CPU56は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を実行する。また、CPU56は、後述するような終了フラグがセットされているか否かを参照し、その終了フラグがセットされているときに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、その終了フラグが示す特別図柄の変動表示を終了させるために特別図柄表示制御データを設定する。このように、S33では、開始フラグの状態を確認することに基づいて特別図柄の変動表示を開始させるための表示制御データを設定する処理を行なった後、変動速度に応じて変動表示を行なうための表示制御データを設定する処理を行ない、終了フラグの状態を確認することに基づいて特別図柄の変動表示を終了させるための処理を行なう。なお、特別図柄プロセスフラグの値を確認することに基づいて、特別図柄の変動表示の開始時、変動中、および、終了時を判断して特別図柄表示制御データを設定することにより、特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよい。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S34)。CPU56は、たとえば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(右三角ランプの点灯および左三角ランプの点灯)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、右三角ランプを示す1と左三角ランプを示す0と)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S34(S30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、リーチとするか否かを決定するために用いられるリーチ判定テーブルについて説明する。図28は、リーチ判定テーブルを示す説明図である。リーチ判定テーブルとは、リーチ判定用乱数であるランダム4と比較されるリーチ判定値が設定されているテーブルである。図28(a)には、第1特別図柄の変動(可変表示)が実行されるときに用いられるリーチ判定テーブルが示され、図28(b)には、第2特別図柄の変動(可変表示)が実行されるときに用いられるリーチ判定テーブルが示されている。第1特別図柄の変動表示が実行されるときに用いられるリーチ判定テーブルは、第1〜第4リーチ判定テーブルにより構成されている。また、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに用いられるリーチ判定テーブルは、第5〜第8リーチ判定テーブルにより構成されている。
CPU56は、変動表示の表示結果をはずれとする決定がされたときに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とを比較し、リーチ判定用乱数の値がいずれかのリーチ判定値と一致すると、リーチとすることに決定する。
図28の(a)を参照して、第1特別図柄の変動が行われる場合のリーチ確率は次の通りである。保留記憶数が「0」のときはリーチ判定値が5個であり、リーチ確率が1/6である。このようなリーチ確率が1/6に設定されているリーチ判定テーブルが、第1判定値テーブルである。保留記憶数が「1」または「2」のときはリーチ判定値が4個であり、リーチ確率が1/7.5である。このようなリーチ確率が1/7.5に設定されているリーチ判定テーブルが、第2判定値テーブルである。保留記憶数が「3」〜「6」のいずれかであるときはリーチ判定値が3個であり、リーチ確率が1/10である。このようなリーチ確率が1/10に設定されているリーチ判定テーブルが、第3判定値テーブルである。保留記憶数が「7」または「8」のときはリーチ判定値が2個であり、リーチ確率が1/15である。このようなリーチ確率が1/15に設定されているリーチ判定テーブルが、第4判定値テーブルである。
図28の(b)を参照して、第2特別図柄の変動が行われる場合のリーチ確率は次の通りである。保留記憶数が「0」のときはリーチ判定値が4個であり、リーチ確率が1/7.5である。このようなリーチ確率が1/7.5に設定されているリーチ判定テーブルが、第5判定値テーブルである。保留記憶数が「1」または「2」のときはリーチ判定値が3個であり、リーチ判定値が4個であり、リーチ確率が1/10である。このようなリーチ確率が1/10に設定されているリーチ判定テーブルが、第6判定値テーブルである。保留記憶数が「3」〜「6」のいずれかであるときはリーチ判定値が2個であり、リーチ確率が1/15である。このようなリーチ確率が1/15に設定されているリーチ判定テーブルが、第7判定値テーブルである。保留記憶数が「7」または「8」のときはリーチ判定値が1個であり、リーチ確率が1/30である。このようなリーチ確率が1/30に設定されているリーチ判定テーブルが、第8判定値テーブルである。
図28の(a),(b)に示すように、第1特別図柄の変動が行われる場合には、第2特別図柄の変動が行われる場合に比べて、高い割合でリーチとすることに決定される。すなわち、リーチ確率が高い。また、合算保留記憶数が少ないほど、リーチ確率が高い。なお、図28に示されたリーチ確率は一例であって、第1特別図柄の変動が行われる場合に第2特別図柄の変動が行われる場合に比べて全体的なリーチ確率が高く、かつ、合算保留記憶数が少ないほどリーチ確率が高ければ、他の値にしてもよい。
なお、合算保留記憶数が7または8である場合には、リーチ演出を伴う短縮変動が必ず実行されないようにしてもよい。
次に、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明する。図29は、大当り図柄の種類、大当りの種類、大当り遊技状態後の制御状態、演出図柄の指定、および、大当り遊技状態後(大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間)の背景についての関係を表形式で示す図である。
遊技状態としては、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および、低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の変動表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。本実施の形態では、後述する図53に示すように、高ベース状態では、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御される。このように可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御されることによっても、本実施の形態ではベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、普通図柄表示器10の変動表示時間を、低ベース状態よりも短くする時短状態に制御することにより高ベース状態となるようにしてもよい。時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮されることに基づいて、普通図柄の保留記憶の消化が促進されるので、通常遊技状態と比べて一定期間中に可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が増加する。したがって、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。また、高ベース状態としては、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くする制御と、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御と、普通図柄表示器10を時短状態にする制御とのいずれか1つ、いずれか2つ、または、これら3つすべてを組合せた制御をすることにより高ベース状態となるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当りの種類として、15ラウンド大当り(以下、15R大当りという)と2ラウンド大当り(以下、2R大当りという)とを含む。15R大当りは、大入賞口が15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、複数種類設けられている。2R大当りは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、1種類設けられている。15R大当りは、別名でビッグ大当りとも呼ばれる。2R大当りは、別名でスモール大当りとも呼ばれる。
15R大当りのうち、大当り遊技状態後に高確高ベース状態に制御されるものが、15R第1確変大当りと呼ばれる。15R大当りのうち、大当り遊技状態後に高確低ベース状態に制御されるものが、15R第2確変大当りと呼ばれる。15R大当りのうち、大当り遊技状態後に低確高ベース状態に制御されるものがある。その大当りは、大当り遊技状態中の所定のラウンド(この例では第2ラウンド)において、2R大当りから15R大当りに昇格することを示す演出が行なわれることにより、15R大当りであることが示される大当りであり、15R昇格大当りと呼ばれる。この15R大当りのうち、大当り遊技状態後に低確低ベース態に制御されるものが、15R通常大当りと呼ばれる。
また、突然確変大当りでは、大入賞口が2回の開放状態となった後に高確高ベース状態に制御される。このような2Rの大当りは、大入賞口が2回の開放状態となった後に高確高ベース状態に制御される。突然確変大当りの遊技状態では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短く(たとえば、0.5秒)、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感じる。
また、2R大当りでは、大入賞口が2回開放状態になるが、1回の開放時間は15R大当りのときの開放時間と同じであり(たとえば、29.5秒)、大当り遊技状態が、突然確変大当りとは異なる。2R大当りでは、大当り遊技後の遊技状態が低確低ベース状態に制御される。
次に、この実施の形態における背景モードを説明する。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)をいう。背景モードとしては、低ベース状態モード、高ベース状態モード、低確低ベースモード、低確高ベースモード、高確低ベースモード、および、高確高ベースモードがある。
低ベース状態モードは、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)であるときにおいて、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用されるモードであり、低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。または、高ベース状態モードは、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)であるときにおいて、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用されるモードであり、高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。
図29に示すように、低確低ベースモードは、遊技状態が低確低ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、低確低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。低確高ベースモードは、遊技状態が低確高ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、低確高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確低ベースモードは、遊技状態が高確低ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、高確低ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、遊技状態が高確高ベース状態であるときにおいて、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用されるモードであり、高確高ベース状態であることを遊技者に認識させることができるようなモードである。
この実施の形態では、演出制御コマンドとして、大当りとするか否か、大当りの種類、および遊技状態を示す演出図柄指定コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
図示を省略するが、演出図柄1指定コマンドは、変動表示結果がはずれとなるときに選択されて送信される。図29に示すように、演出図柄2指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に低確低ベース状態となる15R通常大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄3指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に高確低ベース状態となる15R第2確変大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄4指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に低確高ベース状態となる15R高ベース大当りとなるときに選択されて送信される。演出図柄5指定コマンドは、変動表示結果に基づいて大当り遊技状態後に高確高ベース状態となる15R第1確変大当りとなるときに選択されて送信される。
また、この実施の形態の場合は、図29に示すように、特別図柄の大当り図柄の種類と、大当りの種類とが1対1の対応で関係付けられている。前述のランダム1に基づいて大当りとすることが決定されたときには、前述のランダム3に基づいて大当り図柄の種類を選択決定する。たとえば、大当り図柄を選択決定するときに抽出(読出)したランダム3(「0」〜「11」の範囲)の値が「0」、「1」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「1」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「2」、「3」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「3」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「4」、「5」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「5」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「6」、「7」、「8」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「7」に選択決定される。また、そのランダム3の値が「9」、「10」、「11」のいずれかであるときには、特別図柄の大当り図柄が「9」に選択決定される。ランダム3の大当り図柄の種類が選択決定されると、その選択された大当り図柄の種類に基づいて、図29に示すような対応関係で、大当り遊技状態後の制御状態、演出図柄指定コマンド、および、大当り遊技状態後の背景が決定される。
特別図柄の大当り図柄が「1」のときには、15R第2確変大当りが選択され、高確低ベース状態の遊技状態、演出図柄3指定コマンド、および、高確低ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「3」のときには、突然確変大当りが選択され、高確高ベース状態の遊技状態、演出図柄6指定コマンド、および、高確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「5」のときには、15R昇格大当りが選択され、低確高ベース状態の遊技状態、演出図柄4指定コマンド、および、低確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「7」のときには、15R第1確変大当りが選択され、高確高ベース状態の遊技状態、演出図柄5指定コマンド、および、高確高ベースモードの背景とすることが選択される。特別図柄の大当り図柄が「9」のときには、2R大当りが選択され、低確低ベース状態の遊技状態、演出図柄2指定コマンド、および、低確低ベースモードの背景とすることが選択される。
この実施の形態では、低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、および、高確高ベース状態のそれぞれの遊技状態相互間で遊技状態が遷移し得る。しかし、これに限らず、たとえば、次に示すように、遊技状態相互間での遊技状態の遷移について、制限が設けられてもよい。高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移し得る。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移し得る。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移し得る。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移し得る。また、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の変動表示が所定回連続して行なわれると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。また、遊技状態の遷移については、遷移元の遊技状態から遷移先の遊技状態へ遷移する割合が予め定められていてもよい。
図30および図31は、この実施の形態で用いられる特別図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図30において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満のときには、図30に示すような変動時間が短縮されていない通常の変動パターン(以下において、非短縮変動パターンと呼ぶ場合がある)#1〜#14のいずれかが用いられる。一方、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときには、図31に示すような変動時間が通常の変動パターンよりも短縮される短縮変動の変動パターン(以下において、短縮変動パターンと呼ぶ場合がある)#15〜#28のいずれかが用いられる。
合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンを用いる理由は以下のとおりである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、たとえば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれか一方については合計保留記憶数が所定値(4)以上のときに短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるが、他方については合計保留記憶数が所定値以上であっても短縮変動パターンでの変動表示が行なわれない事態が発生するときがある。たとえば、次に具体例を示すように、合計保留記憶数が所定値(4)以上のときに、非短縮変動パターン(短縮されていない通常の変動パターン)での変動表示が実行された後、短縮変動パターンでの変動表示が実行され、その後、さらに非短縮変動パターンでの変動表示が実行されるという状態が生じる等、合計保留記憶数が所定値以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じるおそれがある。具体的に、本実施の形態では、第2保留記憶数が優先的に変動表示に用いられるので、たとえば、第1保留記憶数が4であり、第2保留記憶数が2であるときには、非短縮変動パターン→非短縮変動パターン→短縮変動パターン→というように変動パターンが選択されていく。これにより、合計保留記憶数が「4」以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じる場合がある。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを始動入賞が発生した順番通りに変動表示に用いる制御を行なう場合には、たとえば、第1保留記憶数が4であり、第2保留記憶数が2であるときにおいて、第2保留記憶→第1保留記憶→第2保留記憶の順番で保留記憶を消化して変動表示をしていくときには、非短縮変動パターン→短縮変動パターン→非短縮変動パターン→というように変動パターンが選択されていく。これにより、合計保留記憶数が「4」以上のときであっても、非短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときと、短縮変動パターンでの変動表示が行なわれるときとが生じる場合がある。したがって、このような変動表示の状況に対し、違和感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、このような違和感を遊技者に持たせないようにするために、合計保留記憶数に基づいて変動時間を短縮するか否かを判断するようにし、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
図30を参照して、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)未満のときには、所定のタイミングで抽出された前述のランダム5の値に基づいて、第1変動パターンテーブル〜第3変動パターンテーブルのうちいずれかを用いて非短縮変動パターンが選択決定される。また、図31を参照して、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上のときには、所定のタイミングで抽出された前述のランダム5の値に基づいて、第4変動パターンテーブル〜第6変動パターンテーブルのうちいずれかを用いて短縮変動パターンが選択決定される。
このような第1変動パターンテーブル〜第6変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されている。
図30の(a)には、非短縮変動パターンを決定するための第1変動パターンテーブルが示されている。第1変動パターンテーブルにおいては、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる非リーチはずれの変動パターン#1,#2と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。非リーチはずれの変動パターン#1,#2は、変動パターン#1<変動パターン#2というような関係で変動時間が長く、変動パターン#2<変動パターン#1というような関係で選択される確率が高い。
図30の(b)には、非短縮変動パターンを決定するための第2変動パターンテーブルが示されている。第2変動パターンテーブルにおいては、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されるときに用いられるリーチはずれの変動パターン#3〜#8と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。リーチはずれの変動パターン#3〜#8は、変動パターン#3<変動パターン#4<変動パターン#5<変動パターン#6<変動パターン#7<変動パターン#8というような関係で変動時間が長く、変動パターン#6<変動パターン#8<変動パターン#7<変動パターン#5<変動パターン#4<変動パターン#3というような関係で選択される確率が高い。変動パターン#7は前述の擬似連Aであり、変動パターン#8は前述の擬似連Bである。
図30の(c)には、非短縮変動パターンを決定するための第3変動パターンテーブルが示されている。第3変動パターンテーブルにおいては、停止図柄が大当り図柄(大当りであるため演出表示装置9においてリーチ演出が実行される)であるときに用いられる大当りの変動パターン#9〜#14と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。大当りの変動パターン#9〜#14は、変動パターン#9<変動パターン#10<変動パターン#11<変動パターン#12<変動パターン#13<変動パターン#14というような関係で、変動時間が長く、変動パターン#9<変動パターン#14<変動パターン#10,#13<変動パターン#11<変動パターン#12というような関係で、選択される確率が高い。変動パターン#13は前述の擬似連Aであり、変動パターン#14は前述の擬似連Bである。
また、図30の(b)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、はずれとなるときに、変動パターン#6<変動パターン#5<変動パターン#4<変動パターン#3というような関係で選択される確率が高い。また、図30の(c)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、大当りとなるときに、変動パターン#9<変動パターン#10<変動パターン#11<変動パターン#12というような関係で選択される確率が高い。
図31の(a)には、短縮変動パターンを決定するための第4変動パターンテーブルが示されている。第4変動パターンテーブルにおいては、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる非リーチはずれの変動パターン#15,#16と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。非リーチはずれの変動パターン#15,#16は、変動パターン#15<変動パターン#16というような関係で変動時間が長く、変動パターン#16<変動パターン#15というような関係で選択される確率が高い。
図31の(b)には、短縮変動パターンを決定するための第5変動パターンテーブルが示されている。第5変動パターンテーブルにおいては、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されるときに用いられるリーチはずれの変動パターン#17〜#22と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。リーチはずれの変動パターン#17〜#22は、変動パターン#17<変動パターン#18<変動パターン#19<変動パターン#20<変動パターン#21<変動パターン#22というような関係で変動時間が長く、変動パターン#20<変動パターン#22<変動パターン#21<変動パターン#19<変動パターン#18というような関係で選択される確率が高い。変動パターン#15は前述の擬似連Aであり、変動パターン#16は前述の擬似連Bである。
図31の(c)には、短縮変動パターンを決定するための第6変動パターンテーブルが示されている。第6変動パターンテーブルにおいては、停止図柄が大当り図柄(大当りであるため演出表示装置9においてリーチ演出が実行される)であるときに用いられる大当りの変動パターン#23〜#28と、変動時間と、それぞれの変動パターンを選択するランダム5の値との関係が示されている。大当りの変動パターン#23〜#28は、変動パターン#23<変動パターン#24<変動パターン#25<変動パターン#26<変動パターン#21<変動パターン#22という関係で変動時間が長く、変動パターン#23<変動パターン#25<変動パターン#24,#27<変動パターン#25<変動パターン#26という関係で選択される確率が高い。変動パターン#27は前述の擬似連Aであり、変動パターン#28は前述の擬似連Bである。
また、図31の(b)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、はずれとなるときに、変動パターン#20<変動パターン#19<変動パターン#18<変動パターン#17というような関係で選択される確率が高い。また、図31の(c)に示すように、リーチ演出が実行される変動パターンについては、大当りとなるときに、変動パターン#23<変動パターン#24<変動パターン#25<変動パターン#26というような関係で選択される確率が高い。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときにも第2特別図柄の変動表示が行なわれるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#28のいずれか)が用いられる。しかし、これに限らず、第1特別図柄の変動表示が行なわれるときと第2特別図柄の変動表示が行なわれるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。
次に、リーチ態様(リーチ表示態様)について説明する。本実施形態におけるリーチ態様(リーチ表示態様)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態を含み、大当り表示結果になる直前の変動表示態様である。
たとえば、演出表示装置9において、複数の図柄が停止することで当りとなる有効ラインが予め定められ、その有効ライン上の複数の表示領域のうち一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態、および、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態をリーチ態様(リーチ表示態様)またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりする演出をすることがある。このような演出をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間に亘り、演出表示装置9において、演出制御コマンドが示す変動パターンに応じて、演出図柄の変動表示と演出図柄以外の表示とによる演出を行なう。また、同時に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じて、演出表示装置9以外のランプやLEDおよびスピーカ27等の演出装置を用いた演出も行なう。このように、変動パターンは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
図32は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図32に示す例において、コマンド8001(H)〜801C(H)は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。このような変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜801C(H)のいずれかを受信すると、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に対応して、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、15R昇格大当り、突然確変大当り)、および、遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の変動表示の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、演出表示装置9で表示される演出図柄の背景を低確低ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(低確低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、このような背景を高確高ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(高確高ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、このような背景を低確高ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(低確高ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、このような背景を高確低ベース状態モードの背景にすることを示す演出制御コマンド(高確低ベース状態背景指定コマンド)である。
このような低確低ベース状態背景指定コマンド、高確高ベース状態背景指定コマンド、低確高ベース状態背景指定コマンド、および、高確低ベース状態背景指定コマンドを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえば、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときの背景モードを指定するために、このようなコマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンド(遊技状態指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、当該受信したコマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。以下、デモンストレーション表示は、デモ表示という略称で示す。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち、大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドであって、当該大当りが15R第1確変大当りであることも指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち、大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドであって、当該大当りが15R第2確変大当りであることも指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち、大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドであって、当該大当りが15R昇格大当りであることも指定する演出制御コマンド(大当り開始3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち、大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドであって、当該大当りが2R大当りであることも指定する演出制御コマンド(大当り開始4指定コマンド)である。A004(H)は、突然確変用画面を表示すること、すなわち、突然確変大当りの遊技状態の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始5指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA101〜A10F(H)は、EXTにより指定された第1〜第15回目(ラウンド)の大入賞口開放中の画面表示を指定する演出制御コマンド(第1〜第15大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA201〜A20F(H)は、EXTにより指定された第1〜第15回目(ラウンド)の大入賞口開放後の画面表示を指定する演出制御コマンド(第1〜第15大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC201〜C208(H)は、EXTにより指定された個数により第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数である合算保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、前述した大入賞口への入賞に関する異常が生じたときに、その旨を示すメッセージを含む画像により報知する異常入賞報知画面を演出表示装置9に表示することを指定する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図32に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図32に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドが、第1特別図柄の変動表示に応じた演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示に応じた演出図柄の変動表示とで共通に使用される。これにより、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出装置を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図33〜図35は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図33(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ指定コマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理(図26参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図33(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。
図33(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図34(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。そして、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理から、図33(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図34(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドを送信し、次いで、背景指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。その後、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図34(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源復旧指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源復旧指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信する(1タイマ割込処理内)。
図35(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図36および図37は、S29の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(S351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(S352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1(オン状態を示す値)を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1(オン状態を示す値)を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、低ベース状態背景指定コマンドを送信する(S354)。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信することができる。そして、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットし(S355)、処理を終了する。これにより、次回のタイマ割込処理において客待ちデモ指定コマンドが送信される。
S356では、CPU56は、停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS360aに移行する。停電復旧コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧コマンド送信要求フラグをリセットし(S357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(S359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S360)、処理を終了する。停電復旧時このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で、停電復旧コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。なお、CPU56は、S359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、S360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
S360aでは、CPU56は、異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS361に移行する。異常入賞報知コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、異常入賞報知コマンド送信要求フラグをリセットし(S360b)、異常入賞報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S360c)、処理を終了する。
S361では、CPU56は、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S364)、処理を終了する。なお、S364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。
S365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S368)、処理を終了する。なお、S368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信することができる。
S371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグは、後述する図背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S373)、処理を終了する。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
S374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(S375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S376)。次いで、変動パターンコマンドを送信し(S377)、処理を終了する。このような処理を行なうことにより、1回のタイマ割込処理内で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信することができる。なお、CPU56は、S376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、S377においては、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
S381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S383)処理を終了する。なお、CPU56は、S383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。図44を用いて後述するように、変動パターンコマンド送信要求フラグおよび演出図柄指定コマンド送信要求フラグは、同じタイマ割込処理内でセットされるが、このように、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否かの判断に基づく変動パターンの送信処理が実行されると、その回のタイマ割込処理内での演出制御コマンド処理は終了するので、その次の回のタイマ割込処理における演出制御コマンド処理において、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否かの判断に基づく演出図柄指定コマンドの送信処理が実行されるので、変動パターン指定コマンドが送信されたタイマ割込処理の次のタイマ割込処理において、演出図柄指定コマンドが送信されることとなる。
なお、図44に示すように、変動パターンコマンド設定処理において演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットせずに、前述のS377の次の処理において演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットし、その次の回のタイマ割込処理において、当該演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていることに基づいて、演出図柄指定コマンドを送信するようにしてもよい。
S384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS386aに移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S386)、処理を終了する。
S386aでは、CPU56は、図柄確定指定コマンド送信要求フラグ(後述するS132でセットされる)がセットされているか否か確認する。図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS387に移行する。図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S386b)、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S386c)処理を終了する。
S387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S389)、処理を終了する。
S391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認する。他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図25参照)や以下に説明する特別図柄プロセス処理(図38、図40、図43〜図45、図47、図48参照)等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことに基づいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。たとえば、図25に示されたS13の処理に代えて、S353〜S355の処理を実行すればよい。図25に示されたS93の処理に代えて、S358〜S360の処理を実行すればよい。また、図40に示すS128の処理に代えて、図36に示すS363,S364の処理を実行すればよい。また、図40に示すS129の処理に代えて、図36に示すS367,S368の処理を実行すればよい。また、図43に示すS70bの処理に代えて、図37に示すS373の処理を実行すればよい。また、図23に示すS43の処理に代えて、図37に示すS389の処理を実行すればよい。また、図44に示すS76の処理に代えて、図37に示すS376,S377の処理を実行すればよい。また、図44に示すS79の処理に代えて、図37に示すS383の処理を、変動パターン設定処理の次のプロセスの処理において実行すればよい。
また、演出制御コマンド制御処理においては、演出制御コマンドのうち、特別図柄の変動開始時に送信するべきコマンド(たとえば、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンド等のコマンドのうち、いずか1つまたはいずれか複数のコマンド)だけを送信し、その他のコマンドについては各コマンドの送信要求フラグをセットする処理において、当該フラグをセットせずにコマンドを直接的に送信するようにしてもよい。
図38は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を制御するための処理が実行される。図39は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図39は、第1始動入賞と第2始動入賞とをどのように区別して判定するかについて説明するために用いる。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S310,S311)。
具体的に、S311において第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしているか否かは、次のように判断する。図39に示すように、入力ポート0のビット4〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
CPU56は、図39の入力ポート0のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(S310)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行なう(S311)。その演算結果が0でない場合には、始動口スイッチ通過処理を実行する(SS312)。より具体的には、演算結果が0になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で0になった場合)に、始動口スイッチ通過処理(S312)を実行する。そして、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
なお、前述したような第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれの発生を確認するための論理演算処理は、前述したような種類の論理演算に限られず、ポートバッファのビットの値に基づいてスイッチのオン/オフを判断できる論理演算であればどのような種類の論理演算を用いるようにしてもよい。
そして、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断した場合には、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、S312の実行後、および、S311で第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aがともにオンしていないと判断した場合には、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S308の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶があるか否かを判断するために、第1保留記憶数および第2保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は後述するように第1保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認でき、第2保留記憶数は後述するように第2保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。なお、保留記憶があるか否かの判断は、合計保留記憶数カウンタのカウント値で確認するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶があるか否かを判断するための処理を簡略化(判断が1回で済む)することができる。
第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタのうちいずれかのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらに対応したものか否かを確認する。そして、始動入賞発生時に抽出した大当り判定用乱数の値に基づいて、大当りとするか否かを決定する。また、大当りとすることに決定された場合には、始動入賞発生時に抽出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて、大当り図柄の種類を決定する(このように、大当り図柄が決定されると、前述のように、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態とが定まる)。また、決定した停止図柄に基づいて、演出図柄指定コマンドを決定し、そのコマンドを示すデータを記憶する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、現時点での遊技状態に応じて、背景指定コマンド(遊技状態指定コマンド)を送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信するための制御を行なうとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄と第2特別図柄とのうち変動表示を行なう特別図柄についての変動表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、選択した変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信するための制御を行なう。さらに、特別図柄通常処理で記憶された演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するための制御を行なう。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち変動表示を行なう特別図柄についての変動表示を開始させるための処理を行なうとともに、RAM55に形成されている変動時間タイマ(特別図柄プロセス処理において用いるタイマであるプロセスタイマを変動時間タイマとして用いる)に、変動パターンの変動時間に応じた値を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値(この例では2)に更新する。ここで、変動時間タイマとは、特別図柄の変動開始時から変動終了時(表示結果の導出表示時)までの変動時間を設定して計時する計時手段であり、変動開始時に、変動パターンに応じた変動時間に相当する値に設定され、時間経過に応じて減算更新されていき、設定された変動時間が経過するとタイマの値が0になってタイムアップする。
保留記憶数送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアップすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に応じた値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると、変動表示中の第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて第1飾り図柄または第2飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大当り表示処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に応じた値(この例では6)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りまたは2R大当りの発生を報知するための表示を行なう。突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なう。なお、突然確変大当りの場合には、大入賞口が開放する前ではなく、大入賞口の開放して閉鎖した後に、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、突然確変大当りとなったような感覚を遊技者に与えることができる。
大入賞口開放前処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に応じた値(この例では7)に更新する。大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとしては、たとえば、前述したような変動時間タイマと同じプロセスタイマを使用する。つまり、変動時間タイマとして用いられるプロセスタイマは、大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとして兼用される。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマとしては、変動時間タイマとは別のタイマを用いてもよい。
大入賞口開放中処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に応じた値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。
また、前述の特別図柄プロセス処理では、大当り表示処理を1つの単位のプロセスとして用いる例を示した。しかし、これに限らず、大当り表示処理を1つの単位のプロセスとして実行せずに、大入賞口開放前処理(S306)の中で大当りの発生を報知するための表示を行なうようにしてもよい。たとえば、プロセスが大入賞口開放前処理(S306)に移行したときに大当り表示時間タイマをセットし、所定期間の計測を開始し、その所定期間が経過するまで、大当りの発生を報知するための表示を実行させた後、前述したような大入賞口開放前処理に相当する処理を実行させるようにしてもよい。そのようにすれば、特別図柄プロセス処理で実行するプロセス数を減らすことができる。
図40は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、個別に用いられる処理ルーチン(S111,S112,S114,S115,S120,S121,S124,S125,S128,S129)と、共通に用いられる処理ルーチン(S110,S113,S117,S118,S122,S126)とを含んでいる。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aからの検出信号に基づいて、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているか否かを判断する(S110)。具体的に、S110では、ロードされたデータのビット7が1であるか否かを確認する。図39に示すように、第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット7に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット7が1であるということは、入力ポート0のビット6が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。入力ポート0のビット7が1である場合には、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているので、後述するS111に進む。
一方、入力ポート0のビット7が1でない場合には、始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2始動口スイッチ14aからの検出信号に基づいて、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているか否かを判断する(S113)。具体的に、S113では、ロードされたデータのビット6が1であるか否かを確認する。図39に示すように、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット6に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット6が1であるということは、入力ポート0のビット6が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。入力ポート0のビット6が1である場合には、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているので、後述するS114に進む。一方、入力ポート0のビット7が1でない場合には、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていないので、リターンする。
前述のS110により第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていると判断したときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることを示す第1検出フラグをセットする(S111)。そして、RAM55の記憶領域に設けられた第1保留記憶数カウンタのアドレスをポインタにセットし(S112)、後述するS116に進む。また、前述のS113により第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていると判断したときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることを示す第2検出フラグをセットする(S114)。そして、RAM55の記憶領域に設けられた第2保留記憶数カウンタのアドレスをポインタにセットし(S115)、後述するS116に進む。
ここで、RAM55の記憶領域に設けられた保留記憶領域の一例を説明する。図41は、保留記憶領域の一例を説明する図である。図41においては、(a)に、第1特別図柄の保留記憶に関する情報を記憶する第1保留記憶領域を示し、(b)に、第2特別図柄の保留記憶に関する情報を記憶する第2保留記憶領域を示す。
図41の(a)を参照して、第1保留記憶領域は、一連の連続したアドレスに設けられており、第1保留記憶数カウンタとして設けられる第1保留記憶数記憶数カウンタ領域と、第1特別図柄の保留記憶データ(前述した前述のランダム1〜ランダム4等の乱数値)を記憶する4つの乱数値保存領域とを含む。4つの乱数値保存領域は、最も古い始動入賞により抽出された大当り判定用乱数等の乱数値を記憶する乱数値の保存領域(1)、その次に古い始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(2)、その次に古い始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(3)、および、最も新しい始動入賞により抽出された乱数値を記憶する乱数値の保存領域(4)により構成される。第1特別図柄の変動表示が行なわれるときには、乱数値の保存領域(1)の記憶データが変動表示のために読出されるとともに消去され、その他の乱数値保存領域に記憶されていたデータは、1つずつ領域間でシフトされる。これにより、乱数値の保存領域(1)〜乱数値の保存領域(4)には、常に始動入賞が発生した順番でデータが記憶される。
図41の(b)を参照して、第2保留記憶領域は、一連の連続したアドレスに設けられており、第2保留記憶数カウンタとして設けられる第2保留記憶数記憶数カウンタ領域と、保留記憶データ(前述した前述のランダム1〜ランダム4等の乱数値)を記憶する4つの乱数値の保存領域とを含む。第2保留記憶領域の機能は、前述した第1保留記憶領域の機能を第2特別図柄の保留記憶に置換えたものであるので、重複した説明は繰返さない。
このような第1保留記憶領域における第1保留記憶数記憶数カウンタ領域のカウンタのアドレスおよび保存領域のアドレスは、後述するように各種制御処理においてポインタ等により特定される。
このように、第1特別図柄の保留記憶に関する情報と、第2特別図柄の保留記憶に関する情報とは、別個の記憶領域に記憶される。第1保留記憶領域と第2保留記憶領域との間では、アドレスが連続していなくてもよく、アドレスが連続していてもよい。また、合算保留記憶数を記憶する領域は、別の記憶領域に設けられている。なお、合算保留記憶数を記憶する領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域と隣接したアドレスに設けられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、保留記憶バッファの領域として用いられてもよい。また、第1保留記憶数カウンタ領域および第2保留記憶数カウンタ領域のそれぞれは、保留記憶バッファとは離れたアドレスに設けられてもよい。
S116では、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとのうち、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値(保留記憶数)が上限値である4になっているか否かを確認する。ポインタが示す保留記憶数カウンタの値が4になっている場合には、処理を終了する。一方、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値が4になっていない場合には、ポインタが示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(S117)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S118)。
なお、図40の始動口スイッチ通過処理においては、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているときに、第1始動入賞に関する一連の処理のみを行なう例を示した。しかし、これに限らず、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっているときに、第1始動入賞に関する処理のみを行なった後、S128からS113に進み、S113において第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているときに、第2始動入賞に関する一連の処理を行なうようにしてもよい。このような処理を行なえば、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとが同時にオン状態になったときに、同じ割込み処理内で第1始動入賞および第2始動入賞に関して、ソフトウェア乱数値の抽出等の始動入賞に関する一連の処理を行なうことができるので、第1始動入賞に関する一連の処理に対して、第2始動入賞に関する一連の処理が1割込み分だけずれて実行されることを防ぐことができ、その結果として、1割込み内という正確なタイミングで乱数値を抽出することができる。
また、前述の始動口スイッチ通過処理では、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていないと判断されたときにおいて、S113により第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているか否かを判断し、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていると判断したときに、第2始動入賞に関する一連の処理を行なう例を示した。しかし、これに限らず、図38の特別図柄プロセス処理に示すように、始動口スイッチ通過処理は、S311により第1始動入賞または第2始動入賞が発生していると判断されたとき実行されるので、S110において第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていないと判断されたときにおいては、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっているものと見なし、第2始動入賞に関する一連の処理を行なうようにしてもよい。
図42は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図42に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。この丸印の数により合算保留記憶数が示される。合算保留記憶表示部18cでの合算保留記憶数を示す丸印の表示は、保留記憶数が増えるごとに左端から右方向へ追加されていく。そして、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、最も左下の丸印が消去されることにより、保留記憶が変動表示に用いられたことが示され、残った保留記憶数を示す丸印の表示は、消去された丸印が表示された位置が保留記憶数の丸印の左端の基準位置となるように、1つずつ順次左隣りの表示位置へシフトされる。このような合算保留記憶表示部18cの表示状態は、後述する図73に示す保留記憶表示制御処理により制御される。
さらに、S122において、CPU56は、ソフトウェア乱数(前述のランダム1〜ランダム5等の乱数を生成するためのカウンタの値等)を抽出する。そして、前述の第1検出フラグがセットされているか否かを判断する(S123)。第1検出フラグがセットされているときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることに応じて、抽出した乱数値をRAM55の記憶領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域に格納するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S124)、後述するS126に進む。一方、第1検出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2検出フラグがセットされているときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることに応じて、抽出した乱数値を、RAM55の記憶領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域に保存(格納)するために、その保存領域のアドレスをポインタにセットし(S125)、後述するS126に進む。各保留記憶バッファにおける保存領域は、対応する保留記憶数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)の上限値と同数確保されている。
S126では、第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域と第2保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける乱数値の保存領域とのうち、ポインタが示す保存領域に、抽出した乱数値を保存する。具体的に、S126では、ランダム1〜5(図27参照)の値が保存領域に保存される。そして、前述の第1検出フラグがセットされているか否かを判断する(S127)。第1検出フラグがセットされているときには、第1始動口スイッチ13aがオン状態になっていることに応じて、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S128)、処理を終了する。一方、第1検出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2検出フラグがセットされているときには、第2始動口スイッチ14aがオン状態になっていることに応じて、第2始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットし(S129)、処理を終了する。
前述した始動口スイッチ通過処理においては、S122により抽出した乱数値を、S123によりどちらの始動口スイッチがオン状態になっているかを判断して、S124またはS125により保存領域のアドレスを特定し、第1保留記憶数に応じた保存領域または第2保留記憶数に応じた保存領域に保存する例を示した。しかし、これに限らず、S123等のような判断を行なわず、次のような処理を行なうようにしてもよい。RAM55において、合算保留記憶数を記憶する領域と、第1保留記憶数を記憶する領域と、第1保留記憶数の1〜4の各保留記憶数に対応する乱数値を保存する領域と、第2保留記憶数を記憶する領域と、第2保留記憶数の1〜4の各保留記憶数に対応する乱数値を保存する領域とを連続したアドレス領域に設ける。つまり、前述した合算保留記憶数を記憶する領域から第2保留記憶数の4の各保留記憶数に対応する乱数値までを記憶する領域が一連の連続したアドレスの領域に設けられるものとし、アドレスを加算更新していくことにより、合算保留記憶数を記憶する領域から第2保留記憶数の4の各保留記憶数に対応する乱数値までを記憶する領域が指定できるものとする。なお、合算保留記憶数を記憶する領域は、連続したアドレスの領域に設けなくてもよい。始動口スイッチがオン状態となったときには、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかを判断し、第1始動入賞であるときには第1保留記憶数を記憶する領域のアドレスにポインタをセットし、一方、第2始動入賞であるときには、第2保留記憶数を記憶する領域のアドレスにポインタをセットする。そして、ポインタが示すアドレスの領域に記憶された保留記憶数を「1」加算更新する。そして、ポインタが示すアドレスを、加算更新後の保留記憶数が示す保留記憶数分だけ更新(加算更新)し(実際の加算更新値(オフセット値)は、乱数値数(大当り判定用乱数値、はずれ図柄決定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値)×保留記憶数となる)、加算更新後の保留記憶数が示す保留記憶数に対応する乱数値を記憶する領域(たとえば、第1保留記憶数について、加算更新後の保留記憶数が「3」のときには、その保留記憶数に対応する乱数値を記憶する領域として保留記憶数3に対応する乱数値を記憶する領域)のアドレスがポインタに示されるようにする。そして、そのポインタが示すアドレスに、抽出した乱数値を保存する。このようにすれば、始動口スイッチがオン状態になるごとに、保存領域のアドレスを加算するだけで保存するアドレスが得られるので、前述のS123等のような判断を行なう必要がなくなる。
図43は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで個別に用いられる処理ルーチン(S53〜S58)と、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示で共通に用いられる処理ルーチン(S60〜S70b)とを含んでいる。
特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、デモ表示処理を実行する(S50)。デモ表示処理は、前述の客待ちデモ表示を実行する条件が成立したか否かを判断し、当該条件が成立したときに客待ちデモ表示を実行させるための処理である。
デモ表示処理においては、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が継続した期間を計測し、当該期間が所定期間継続したときに、デモコマンド送信フラグがセットされる。これにより、客待ちデモ指定コマンドが送信され、演出表示装置9において、デモ表示が行なわれる。また、デモコマンド送信フラグがセットされるときには、背景指定コマンド送信要求フラグがセットされることにより、そのときの確率ベース状態に応じた背景を指定する背景指定コマンドも送信される。この場合の遊技状態は、内部フラグ(確変フラグおよび高ベース状態フラグ)によって確認される。客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
そして、CPU56は、第1保留記憶数の値および第2保留記憶数の値を確認し、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断する(S51)。具体的にS51では、第1保留記憶数カウンタのカウント値により第1保留記憶数の値を確認し、第2保留記憶数カウンタのカウント値により第2保留記憶数の値を確認する。また、S51では、合算保留記憶数カウンタの値が0か否かを確認することにより、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上ではないと判断したときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数の値または第2保留記憶数の値が1以上であると判断したときに、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値により第2保留記憶数があるか否か、すなわち、第2保留記憶数が1以上であるかどうかを確認する(S52)。S52で第2保留記憶数があると判断したときは、第1保留記憶に基づく変動表示を実行させるためのS53〜S55の処理を行なう。一方、第2保留記憶数がないと判断したときは、第2保留記憶に基づく変動表示を実行させるためのS56〜S58の処理を行なう。
S53に進んだ場合は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、第1特別図柄による変動表示が行なわれていることを示すフラグである第1変動中フラグをセットし(S55)、後述するS60に進む。
一方、S56に進んだ場合は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S57)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、第2特別図柄による変動表示が行なわれていることを示すフラグである第2変動中フラグをセットし(S58)、S60に進む。S60では、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S60)。
このように、S53〜S55の処理によって、第1始動入賞に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。また、S56〜S58の処理によって、第2始動入賞に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。S52において、第2保留記憶数があるときには、第1保留記憶数がある否かを問わずS56に進むことにより、第2保留記憶に基づく変動表示の方が、第1保留記憶に基づく変動表示よりも優先的に行なわれる。高ベース状態により第2始動入賞口14の入賞率が高くなったときには、第2始動入賞の方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりやすいが、このように第2始動入賞の方を優先して変動表示が開始される制御が行なわれると、そのような状況において、保留記憶数を消化しやすくなり、無効な始動入賞の発生を低減することができる。
次に、CPU56は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通の処理ルーチンであるS61〜S68の処理により、第1特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定、または、第2特別図柄の変動表示についての大当り判定および表示結果の決定を行なう。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの大当り判定用乱数(ランダム1)を、乱数バッファ領域から読出す(S61)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S61により大当り判定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄の大当り判定用乱数が読出されることとなる。そして、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値と、読出した大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S66に移行する。S63では、具体的に、CPU56は、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄の停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)を読出す(S64)。第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちのはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)を、乱数バッファ領域から読出す(S67)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S64によりはずれ図柄決定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄のはずれ図柄決定用乱数が読出されることとなる。そして、そして、読出したはずれ図柄決定用乱数に基づいてはずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)をランダムに決定し(S65)、後述するS69へ進む。一方、大当りとすることに決定した場合には(S63)、大当りフラグをセットする(S66)。さらに、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を、乱数バッファ領域から読出す(S67)。RAM55の乱数バッファ領域は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いる乱数値を格納するために第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に用いられる領域である。したがって、S67により大当り図柄決定用乱数を読出すことにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、これから新たに実行する方の特別図柄の大当り図柄決定用乱数が読出されることとなる。そして、読出した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)をランダムに決定し(S68)、後述するS69へ進む。
このようなS61〜S68は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、大当り判定および表示結果の決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンである。
S69では、CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する。そして、決定した停止図柄に基づいて、演出図柄指定コマンドを決定する(S70)。具体的に、S70では、図29に示したような大当り図柄と演出図柄指定コマンドとの関係を示すデータテーブルとしてROM54に記憶されている演出図柄指定データテーブルに基づいて、決定された大当り図柄に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。そして、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータをRAM55に設けられた記憶領域である演出図柄種類格納領域に格納する(S70a)。演出図柄種類格納領域には、演出図柄指定コマンドを示すデータが格納されるが、格納される演出図柄指定コマンドが、演出図柄指定データテーブルに基づいて決定された大当り図柄に対応するので、演出図柄種類格納領域は、演出図柄種類の対応するデータを格納する領域であると言える。したがって、演出図柄指定コマンドを示すデータが格納される領域が、演出図柄種類格納領域と呼ばれる。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットする(S70b)。具体的に、S70bにおいては、具体的に、次のように背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態が低確低ベース状態であれば、低確低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。また、遊技状態が低確高ベース状態であれば、低確高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。また、遊技状態が高確低ベース状態であれば、高確低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。また、遊技状態が高確高ベース状態であれば、高確高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。この場合の遊技状態は、内部フラグ(確変フラグおよび高ベース状態フラグ)によって確認される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新し(S70c)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞と第2始動入賞とのうち一方、すなわち、第2始動入賞の方を常に優先して変動表示を開始する例を示した。しかし、これに限らず、第1始動入賞と第2始動入賞との保留記憶数が多い方を選択的に優先して変動表示を開始するようにしてもよい。このようにすれば、どちらか一方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりにくいようにすることができる。また、所定条件が成立したときに普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御が行なわれる場合(この制御が行なわれるときには、前述のように一定期間中に可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が増加することにより高ベース状態となる)において、第1始動入賞と第2始動入賞とのうち可変入賞球装置15において入賞口が開閉制御される方の始動入賞である第2始動入賞を優先して変動表示を開始するようにしてもよい。このようにすれば、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が一定であっても、普通図柄表示器10の変動表示時間を短縮する制御が行なわれているときにおいては変動表示時間が短いことに起因して一定期間中に表示結果が当りとなる頻度が増加するので、第2始動入賞の方の保留記憶数が上限値を超えて無効となりやすいが、このようなときに第2始動入賞の方を優先して変動表示が開始されると、保留記憶数を消化しやすくなり、無効な始動入賞の発生を低減することができる。
また、前述したS62〜S69の処理は、特別図柄通常処理のルーチンとは別のサブーチンとして設け、特別図柄通常処理が実行されるときに呼出して実行するように構成してもよい。このように構成した場合には、遊技制御用のプログラムを設計するときの設計の自由度を向上させることができる。
図44は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを対象とする処理ルーチンに関し、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチン(S71〜S91)を含んでいる。なお、変動パターン設定処理は、すべてのステップが第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いられる処理ルーチンであってもよく、一部のステップがそのような共通に用いられる処理ルーチンであってよい。
変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通の処理ルーチンであるS71〜S85の処理により、第1特別図柄の変動表示についての変動パターンの選択決定、または、第2特別図柄の変動表示についての変動パターンの選択決定を行なう。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、これから実行しようとする特別図柄の変動表示のために用いられる乱数値として、前述のS53により読出されてRAM55の乱数バッファ領域に格納された複数種類の乱数値のうちの変動パターン決定用乱数(ランダム5)を、乱数バッファ領域から読出す(S71)。
そして、前述の大当りフラグがセットされているか否かに基づいて、大当りとすることが決定されているか否かを判断する(S72)。大当りとすることが決定されているときには、後述するS77に進む。一方、大当りとすることが決定されていないとき(はずれとすることが決定されているとき)は、図28に示された第1〜第8リーチ判定テーブルのうちから、遊技状態(第1特別図柄の変動表示であるか否か、および、合算保留記憶数の状態)に応じたリーチ判定テーブルを選択する(S73)。具体的に、S73では、前述した第1変動フラグがセットされているときには第1特別図柄の変動表示であると判断でき、前述した第2変動フラグがセットされているときには第2特別図柄の変動表示であると判断できる。また、合S73では、算保留記憶カウンタ値に基づいて合算保留記憶数が判断できる。
次に、リーチ判定用乱数(ランダム4)を、乱数バッファ領域から読出す(S74)。そして、S73で選択されたリーチ判定テーブルを用い、S74で読出したリーチ判定用乱数値に基づいて、リーチ判定値と一致するか否を確認することによりリーチ判定を行なう(S75)。
S75のリーチ判定によりリーチとすることが決定されたときには、後述するS80に進む。一方、S75のリーチ判定によりリーチとしないことが決定されたときには、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S83)。S83の判断において、たとえば3以上か否か判断するのは、変動表示を実行するにあたり、前述したS60の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4未満であるときに開始される変動表示について非短縮変動パターンを使用し、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される変動表示について短縮変動パターンを使用することを確実化するために、S60の処理を考慮するのである。
S83で合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であるときには、図30(a)の第1変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S84)、後述するS86に進む。これにより、非リーチはずれの非短縮変動パターンがランダムに選択される。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であるときには、図31(a)の第4変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S85)、後述するS86に進む。これにより、非リーチはずれの短縮変動パターンがランダムに選択される。
また、前述したS76によりS75のリーチ判定によりリーチとすることが決定されたと判断されたときは、前述のS83と同様の目的で、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S80)。S80で合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であるときには、図30(b)の第2変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S81)、後述するS86に進む。これにより、リーチはずれの非短縮変動パターンがランダムに選択される。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であるときには、図31(b)の第5変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S82)、後述するS86に進む。これにより、リーチはずれの短縮変動パターンがランダムに選択される。
また、前述したS72により大当りとしない(はずれとする)ことが決定されたと判断されたときは、前述のS83と同様の目的で、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S77)。S77で合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であるときには、図30(c)の第3変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S78)、後述するS86に進む。これにより、大当りの非短縮変動パターンがランダムに選択される。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であるときには、図31(c)の第6変動パターンテーブルを用い、変動パターン決定用乱数の値(S71で読出)に基づいて変動パターンを選択し(S79)、後述するS86に進む。これにより、大当りの短縮変動パターンがランダムに選択される。
このようなS71〜S85は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とについて、変動パターンの選択決定を行なうために共通に用いられる処理ルーチンである。
次に、S86において、CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55に設けられた変動パターン記憶領域に記憶する。そして、変動パターン記憶領域に記憶された、変動パターンの実行を要求する変動パターンコマンドを送信するために、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(S87)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、高ベース状態であるときに使用する変動パターンテーブル(高ベース時第1変動パターンテーブルおよび高ベース時第2変動パターンテーブル)と、低ベース状態であるときに使用する変動パターンテーブル(低ベース時第1変動パターンテーブルおよび低ベース時第2変動パターンテーブル)とを別にして設け、CPU56が、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、その判断に基づいて、これら異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。その場合においては、たとえば、高ベース時の方が低ベース時よりも短縮変動パターンが選択されやすいようにテーブルのデータを設定しておく。
次に、CPU56は、前述のS55によりセットされる第1変動中フラグまたはS58によりセットされる第2変動中フラグのどちらがセットされているか確認し、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、変動中フラグがセットされている方の特別図柄の変動を開始させる(S88)。S88では、たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。開始フラグとしては、第1特別図柄の変動表示を開始させるときにセットする第1開始フラグと、第2特別図柄の変動表示を開始させるときにセットする第2開始フラグとを含む。開始フラグは、第1変動中フラグがセットされているときには第1開始フラグがセットされ、第2変動中フラグがセットされているときには第2開始フラグがセットされる。これにより、前述のS33では、第1開始フラグがセットされているときには第1特別図柄の変動表示を開始させるための特別図柄表示制御データを設定し、第2開始フラグがセットされているときには第2特別図柄の変動表示を開始させるための特別図柄表示制御データを設定する。このように、S88では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、変動表示を開始させる特別図柄について、S33において、変動表示を開始させるための表示制御データを設定することができるように、開始フラグをセットするのである。なお、第1特別図柄についてはS55で第1変動中フラグがセットされたときに変動表示を開始させるようにしてもよく、第2特別図柄についてはS58で第2変動中フラグがセットされたときに変動表示を開始させるようにしてもよい。そのようにする場合には、次に示すように、後述するような終了フラグを用いないで済むようにできる。たとえば、第1特別図柄の変動表示の終了時において、第1終了フラグをセットする代わりに第1変動中フラグをリセットすることにより、第1特別図柄の変動表示が終了したことを示せばよい。また、第2特別図柄の変動表示の終了時において、第2終了フラグをセットする代わりに第2変動中フラグをリセットすることにより、第2特別図柄の変動表示が終了したことを示せばよい。これにより、終了フラグのセット状態を変動中フラグのリセット状態により代用することができ、終了フラグのリセット状態を変動中フラグのセット状態により代用することができる。このようにすれば、制御に用いるフラグの数を削減することができる。
次に、RAM55に形成されている変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S89)。このような変動時間タイマは、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とについて共通に使用するように設けられたタイマであり、RAM55における所定の記憶領域を用いて計数(この実施の形態ではダウンカウント)を行なうことにより時間を計測する計時手段である。第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とについては、RAM55における共通の記憶領域において変動時間タイマのデータが記憶されることとなる。次に、前述したS70により決定され、S70aにより格納された演出図柄指定コマンドを送信するために、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする(S90)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を保留記憶数送信処理(S302)に対応した値に更新し(S91)、処理を終了する。
図45は、特別図柄プロセス処理における保留記憶数送信処理(S302)を示すフローチャートである。保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(S409)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S410)。
図46は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)の処理を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S421)、変動時間タイマがタイムアップしたら(S422)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S423)。
図47は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)の処理を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、たとえばS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行なう(S131)。終了フラグとしては、第1特別図柄の変動表示を終了させるときにセットする第1終了フラグと、第2特別図柄の変動表示を終了させるときにセットする第2終了フラグとを含む。終了フラグは、第1変動中フラグがセットされているときには第1終了フラグがセットされ、第2変動中フラグがセットされているときには第2終了フラグがセットされる。特別図柄表示制御処理では、このような終了フラグがセットされていることを確認すると、変動表示中の特別図柄の変動を終了させるための処理が行なわれる。なお、終了フラグは、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれについて、第1終了フラグと第2終了フラグとに分けて用いずに、1つの終了フラグを共通使用するようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(S132)。そして、第1変動中フラグまたは第2変動中フラグのうちセットされている変動中フラグをリセットする(S133)。
そして、CPU56は、前述の大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S134)。大当りフラグがセットされていないときには、後述するS138に進む。一方、大当りフラグがセットされていないときには、大当り開始コマンドを送信させるために、大当りの種類に応じた大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(S135)。S135では、具体的に、前述のS69により記憶された停止図柄のデータを確認することに基づいて、大当りの種類を判別し、次のように大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする。15R第1確変大当りであるときには、大当り開始1指定コマンドの送信を要求する大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。15R第2確変大当りであるときには、大当り開始2指定コマンドの送信を要求する大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットする。15R昇格大当りであるときには、大当り開始3指定コマンドの送信を要求する大当り開始3指定コマンド送信要求フラグをセットする。2R大当りであるときには、大当り開始4指定コマンドの送信を要求する大当り開始4指定コマンド送信要求フラグをセットする。また、突然確変大当りであるときには、大当り開始6指定コマンド送信要求フラグをセットする。これにより、前述の演出制御コマンド制御処理により大当り開始コマンドが送信される。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S136)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(S305)に対応した値に更新し(S137)、リターンする。これにより、特別図柄プロセスが、大当り表示処理に移行する。
また、前述したS134により大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、確変フラグがセットされている否かを判断する(S138)。確変フラグがセットされていないと判断したときは、後述するS142に進む。一方、確変フラグがセットされていると判断したときは、確変変動カウンタの値を「1」だけ減算する(S139)。確変変動カウンタは、確変状態において実行された特別図柄の変動表示の回数を計数するための計数手段であり、確変状態となったときに後述するS147により所定数(100回)にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに特別図柄の変動表示が停止したことに応じてS139により「1」ずつ減算される。この実施の形態の場合、確変状態は、確変状態において変動表示が100回実行されたときに終了する制御が行なわれる。確変変動カウンタは、そのような確変状態を変動表示により管理するために用いられる。
次に、前述した確変変動カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S140)。確変変動カウンタの値が「0」になっていると判断したときは、確変フラグをリセットし(S141)、S142に進む。これにより、確変状態において、大当りが生じない状態で変動表示が100回行なわれると、その時点でS141により確変状態が終了させられる。一方、確変変動カウンタの値が「0」になっていないと判断したときは、そのままS142に進む。
S142では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S142)、リターンする。これにより、特別図柄プロセスが、特別図柄通常処理(S300)に移行する。
前述したS305の大当り表示処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマがタイムアップしたら、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する。大入賞口開放中処理の実行時間を設定するタイマは、大入賞口開放前処理(S306)においてセットすることを前述したが、大当りフラグがセットされているときには、大当り表示処理の実行時間および大入賞口開放中処理の実行時間の合計時間を設定するタイマを、この特別図柄停止処理において設定し、そのタイマを用いて時間管理をすることにより、大当り表示処理および大入賞口開放中処理を実行してもよい。その場合においては、このような時間を管理するタイマとして、前述したような変動時間タイマとして用いるプロセスタイマを使用すればよい。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(たとえば、S137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットしたりするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長されたりする場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、後述するS143,S144の処理(図48参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。また、確変フラグがセットされたときに確変状態に制御するとともに時短状態に制御するパチンコ遊技機では、大当り遊技が開始される前に、確変フラグをリセットすることにより、大当り遊技中の遊技状態を低確低ベース状態に制御すればよい。
図48は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S308)の処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(S141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(S142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたか否かを判断する(S143)。
S143により、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたと判断したときは、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセット状態にする(S143,S144、図32参照)。ここで、セット状態にするとは、リセット状態からセット状態とすること、および、セット状態を維持することによりセット状態にすることの両方を含み、以下に示す確変フラグについても同様である。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。
一方、S143により、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していないと判断したとき、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンドを送信していたか否かを判断する(S145)。S145により、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンドを送信していたと判断したときは、高ベース状態フラグをリセット状態にし(S146)、S147に進む。ここで、リセット状態にするとは、セット状態からリセット状態とすること、および、リセット状態を維持することによりリセット状態にすることの両方を含み、以下に示す確変フラグについても同様である。一方、S145により、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンドを送信していないと判断したときは、そのままS147に進む。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたか否かを判断する(S147)。S147により、演出図柄3指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していたと判断したとき、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセット状態にする(S148)。そして、前述の確変変動カウンタの値を「100」に初期化し(S149)、後述するS152に進む。一方、S147により、演出図柄3指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、または、演出図柄6指定コマンドを送信していないと判断したとき、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄4指定コマンドを送信していたか否かを判断する(S150)。S150により演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄4指定コマンドを送信していたと判断したときは、確変フラグをリセット状態にし(S151)、後述するS152に進む。一方、S150により演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄4指定コマンドを送信していないと判断したときは、そのままS152に進む。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、リターンする。
なお、CPU56は、遊技状態が低確高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる変動表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(たとえば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図32では図示せず)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信すればよい。また、そのように制御する場合には、次の変動表示開始時に、低か否かを判断する。
なお、図48の大当り終了処理においては、S145,S146およびS150,S151に示すように、高ベース状態フラグおよび確変フラグのそれぞれについて、フラグをリセット状態する条件が成立したときに、大当り終了処理においてフラグをリセット状態にする例を説明した。しかし、これに限らず、図47に示す特別図柄停止処理においてS145,S146およびS150,S151と同様の処理を実行することにより、高ベース状態フラグおよび確変フラグのそれぞれについて、特別図柄停止処理において、これらフラグをリセット状態する条件が成立したか否かを判断し、当該フラグをリセット状態する条件が成立したかと判断したときに、特別図柄停止処理においてフラグをリセット状態にするようにしてもよい。
また、演出図柄2指定コマンド〜演出図柄6指定コマンドのそれぞれにより大当りの種類が特定可能であることにより、S143〜S151においては、これら演出図柄指定コマンドのうちどのコマンドを送信したかを判断することに基づいて、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、特別図柄通常処理において大当り図柄を決定したときに、大当り図柄の種類に応じて、大当りの種類を示すデータを記憶しておき、そのデータに基づいて、大当り終了処理において、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)するようにしてもよい。特別図柄の種類に基づいて、大当り終了処理において、大当り遊技状態後の大当り確率の状態およびベースの状態を判断し、確変フラグおよび高ベース状態フラグのそれぞれを設定(セットまたはリセット)するようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S28)について説明する。図49は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S211)、ゲートスイッチ通過処理(S212)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS200〜S203に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S212):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S200):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値がS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S201):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたか否か確認し、タイムアップしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S202):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたか否かを確認し、タイムアップしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S203):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物としての開閉片15a,15aの開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアップすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図50は、普通図柄通常処理(S200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S221)。ゲート通過記憶数が0であれば(S221のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S222)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S223)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読出し(S224)、読出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S225)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。たとえば、高ベース状態フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、通常状態(非確変状態、低確状態)のときには、当り判定値を3または7とする。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低高ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。したがって、高ベース状態になっていないときには、普通図柄の変動表示結果がほとんど当りにならないので、遊技者は、主として、第2始動入賞口14による第2始動入賞よりも第1始動入賞口13による第1始動入賞の方を狙って遊技球を発射する。そして、確変状態になっているときには、普通図柄の変動表示結果がほとんど当りになるので、遊技者は、主として、第1始動入賞口13による第1始動入賞よりも第2始動入賞口14による第2始動入賞の方を狙って遊技球を発射する。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S226)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S227)。なお、この実施の形態では、図53に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S228)。
図51は、普通図柄変動処理(S201)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S231)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S231のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S235)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S231のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S232)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S233)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S234)。
図52は、普通図柄停止処理(S202)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S241)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S241のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S242)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S241のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S225で当りと判定されたかどうか)を確認する(S243)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、S225で当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S243のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S245)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグがセットされているかどうかによって判断する。
高ベース状態であるときは(S245のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図53に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S246)。一方、低ベース状態であるときは(S245のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図53に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S247)。図53に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、S246またはS247で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S248)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S249)。
S243において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S243のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S250)。
図54は、普通電動役物作動処理(S203)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S263)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(S264)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S264のN)、S268の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S264のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S265)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S266)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S266のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S267)。このS267では、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)することにともなって、普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する。このような処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S261のY、S272参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了して可変入賞球装置15を閉鎖するようにしている。なお、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、S267により普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)するとともに、普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖した後、普通電動役物作動処理を終了させてから次回のS261を経てS272に進む処理を行なわず、S267から直接的にS272に進むようにしてもよい。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S268)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S269)。タイムアップしていなければ(S269のN)、そのまま処理を終了する。タイムアップしていれば(S269のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S270)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S271)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS268〜S271の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図55は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S706)。また、予告決定用乱数等の各種の乱数を生成するための各種カウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。次に、前述したような状態報知を行なうための状態報知処理を実行する(S708)。そして、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力し、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。
図56は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、コマンド受信バッファは、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100において割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図32参照)であるのか解析する。
図57〜図59は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(S615)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S618)。
また、受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグをセットする(S620)。
また、受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、第2図柄変動要求フラグをセットする(S622)。
また、受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(S624)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドを受信している場合には、演出表示装置9における背景の色を、背景指定コマンドにより指定された背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S652)。具体的に、低確低ベース状態背景指定コマンドを受信しているときには、背景の色を予め定められた低確低ベースモードの背景色にする。高確高ベース状態背景指定コマンドを受信しているときには、背景の色を予め定められた高確高ベースモードの背景色にする。低確高ベース状態背景指定コマンドを受信しているときには、背景の色を予め定められた低確高ベースモードの背景色にする。高確低ベース状態背景指定コマンドを受信しているときには、背景の色を予め定められた高確低ベースモードの背景色にする。たとえば、低確低ベースモードの背景色は、演出表示装置9における背景が最も暗い色調の背景色である。高確低ベースモードの背景色は、低確低ベースよりは明るい色調の背景色である。また、高確高ベースモードの背景色は、演出表示装置9における背景が最も明るい色調の背景色であり、低確高ベースモードの背景色は、高確高ベースモードよりは暗いが高確低ベースモードよりは明るい色調の背景色である。
また、図61の変動パターンコマンド受信待ち処理において後述するように、変動表示が行なわれるときの背景色は、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときと同様に、受信した背景指定コマンド(高ベース状態背景指定コマンド、低ベース状態背景指定コマンド)に応じた背景色に制御される。
また、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間は、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、低確低ベースモード、高確低ベースモード、低確高ベースモード、および、高確高ベースモードのうちのいずれかに制御される。
このように、背景色は、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間と、変動表示が行なわれるときと、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときとで個別に制御される。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行なう」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(S660)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行なう(S661)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S662)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S663)。そして、停電復旧フラグをセットし(S664)、S611に戻る。
また、受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットし(S666)、S611に戻る。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンド〜大当り開始4指定コマンドのいずれかであれば(S667)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(S668)。そして、その受信した演出制御コマンドが、大当り開始3指定コマンドであれば(S669)、昇格演出を行なうことを示すフラグである昇格演出フラグをセットする(S670)。
また、受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(S671)、演出制御用CPU101は、エンディング演出を行なうことを示すフラグであるエンディングフラグをセットする(S672)。
また、受信した演出制御コマンドが異常報知コマンドであれば(S673)、演出制御用CPU101は、大入賞口への入賞に関する異常が生じた旨をその旨を示すメッセージを含む画像により報知する異常入賞報知画面を演出表示装置9に表示し(S674)、S611に戻る。このような異常入賞報知画面の表示は、たとえば、30秒程度の所定期間に亘り行なわれる。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S675)。
図60は、図55に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(S801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告パターンを決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S802):演出図柄の変動表示が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したら、演出図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S806):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。また、昇格演出フラグがセットされているときには、所定のラウンドにおいて昇格演出を行なう。をする大当り開始そして、大当り終了指定コマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値を大当り演出終了処理(S807)に対応した値に更新する。
大当り演出終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図61は、図60に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、処理を終了する。一方、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。
次に、背景指定コマンドを受信しているときには、演出表示装置9における背景の色を背景指定コマンドで指定された背景色にする制御を行なう(S813)。このように、変動表示が行なわれるときには、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときと同様に、背景色が背景指定コマンドで指定された背景色にされる。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に更新する(S814)。
次に、状態報知が行なわれているとき(状態報知時)と、状態報知が行なわれていないとき(非状態報知時)とで大当り予告が行なわれるときのパトランプ61,62,63の駆動状態の違いを説明する。図62は、状態報知時と非状態報知時とで大当り予告が行なわれるときのパトランプ61,62,63の駆動状態を示すタイミングチャートである。図62においては、演出図柄(特別図柄も同様)の変動表示状態が(a)に示され、非状態報知時における左モータ76L、中モータ76C、右モータ76Rの駆動状態が(b)に示され、状態報知時における左モータ76L、中モータ76C、右モータ76Rの駆動状態が(c)に示されている。
図62の(c)に示すように、確変状態になると、図23の(c)に示す駆動パターンによりモータに供給する電流を低減した駆動状態(以下、低電流駆動状態という)でモータが駆動されることにより、状態報知が行なわれる。そして、図62の(a)に示すように演出図柄(特別図柄も同様)の変動表示が行なわれるときにおいて、大当り予告が行なわれるときには、その大当り予告時の動作開始時から動作終了時までに亘り、図23の(b)に示す駆動パターンによりモータに供給する電流を低減していない駆動状態(以下、高電流駆動状態という)でモータが駆動されることにより大当り予告が行なわれる。
図62の(b)に示すように、状態報知が行なわれていないときには、モータが基本的に停止状態であり、大当り予告が行なわれるときに高電流駆動状態となるので、モータが過度に発熱しない。一方、図62の(c)に示すように、状態報知が行なわれているときには、モータが基本的に動作状態であり、それに加えて、大当り予告を行なうために高電流駆動状態となる。したがって、この実施の形態では、図62の(c)に示すように、状態報知が行なわれているときにモータの駆動状態を低電流駆動状態とすることにより、モータが過度に発熱することを防ぐことができる。
図63は、演出制御用マイクロコンピュータ100において前述の大当り予告の演出を行なうか否かを選択決定するときに用いられるデータテーブルである予告決定テーブルを示す図である。図63においては、(a)に第1予告テーブルが示され、(b)に第2予告テーブルが示され、(c)に第3予告テーブルが示されている。
第1予告決定テーブルは、大当り確率が低確率状態である通常確率状態であるときの選択決定において用いられる。第2予告決定テーブルは、大当り確率が高確率状態である確変状態であるときにおいて、1回目〜10回目および91回目〜100回目の特別図柄の変動表示が行なわれるときの選択決定に用いられる。第3予告決定テーブルは、大当り確率が高確率状態である確変状態であるときにおいて、11回目〜90回目の特別図柄の変動表示が行なわれるときの選択決定に用いられる。
第1〜第3予告決定テーブルにおいては、大当り決定時において大当り予告演出を実行すると決定される確率と、はずれ決定時(リーチはずれ決定時)において大当り予告演出を実行すると決定される確率との関係が示されている。大当り予告演出を実行するか否かの判定は、たとえば、0〜199のカウント範囲で繰り返し計数を行なうランダムカウンタによる予告決定用乱数の抽出値を用いて行なわれ、その抽出値が予め定められた予告判定データのいずれかと一致したときに大当り予告演出を実行すると決定する。
(a)に示す第1予告決定テーブルでは、大当り決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が100個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「100/200」である。また、第1予告決定テーブルでは、はずれ決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が20個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「20/200」である。したがって、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、予告決定確率が高く設定されている。このように大当りとなるときにはずれとなるときと比べて予告決定確率が高く設定されているのは、(b)に示す第2予告決定テーブルおよび(c)に示す第3予告決定テーブルでも同様である。大当り予告演出が実行されたときには、変動表示後に、大当りとなるときと大当りにならないときとがあり、大当りとなるときの方が大当りとならないときよりも、大当り予告演出が行なわれる確率が高いので、大当り予告演出が行なわれることにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
(b)に示す第2予告決定テーブルでは、大当り決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が30個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「30/200」である。また、第2予告決定テーブルでは、はずれ決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が6個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「6/200」である。
(c)に示す第3予告決定テーブルでは、大当り決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が30個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「10/200」である。また、第2予告決定テーブルでは、はずれ決定時において、大当り予告演出を実行すると判定する予告判定データの数が6個であり、大当り予告演出を実行すると決定する予告決定確率が「2/200」である。
(b)に示されている第2予告決定テーブル、および、(c)に示されている第3予告決定テーブルのそれぞれは、(a)に示された第1予告決定テーブルよりも、大当り予告演出を実行することを選択決定する確率が全般的に低くなるように設定されている。これは、確変状態中は左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63により前述のような状態報知がなされているので、これらパトランプを用いる大当り予告演出の実行確率を低減することに基づいて、動作中の左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの過度の発熱を抑制することを目的としている。
また、確変状態において、1回目〜10回目および91回目〜100回目の変動表示が行なわれるときに用いる(b)の第2予告決定テーブルは、11回目〜90回目の変動表示が行なわれるときに用いる(c)の第3予告決定テーブルよりも、大当り予告演出を実行することを選択決定する確率が全般的に高くなるように設定されている。これは、確変状態の開始後の所定期間と、確変状態の終了前の所定期間とのそれぞれにおいて大当り予告演出の実行確率を増加させることに基づいて、遊技者の大当りへの期待感をより増大させて、遊技者の興趣をより向上させることを目的としている。
図64は、図60に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(S801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータを読出し、そのデータに基づいて、予告選択処理の処理対象となる前述のリーチはずれの変動パターン、および、各種大当りの変動パターンコマンドのうちいずれかを受信したか否かを判断する(S821)。予告選択処理の処理対象の変動パターンでないときには、後述するS833に進む。一方、予告選択処理の処理対象の変動パターンであるときには、前述の予告決定用乱数を抽出する(S822)。次に、演出図柄指定コマンド格納領域のデータを読出す(S823)。
そして、現在の遊技状態が、確変状態であるか否かを判断する(S825)。確変状態であるか否かは、後述する確変状態フラグがセットされているか否かに基づいて判断する。確変状態ではないと判断したときは、前述の第1予告決定テーブルを用いて大当り予告演出をするか否かを判定し(S826)、後述するS830に進む。具体的に、大当り予告演出をするか否かの判定は、S823により読出した演出図柄指定コマンド格納領域のデータに基づいて、大当り(第1確変大当り、第2確変大当り、昇格大当り、2R大当り、および、突然確変大当りのうちのいずれか)と、はずれ(リーチはずれ)とのどちらとなるかを確認して、大当り決定時の判定データとはずれ決定時の判定データとのいずれかを選択し、大当り予告演出をするか否かを判定する。
一方、S825により確変状態であると判断したときは、確変状態における特別図柄の変動表示の回数が11回目〜90回目のうちのいずれに該当するかを判断する(S827)。具体的に、確変状態における変動表示の回数は、後述する確変変動回数カウンタの値に基づいて確認する。
変動表示の回数が11回目〜90回目のうちのいずれにも該当しないとき、すなわち、変動表示の回数が1回目〜10回目および91回目〜100回目に該当するときには、前述の第2予告決定テーブルを用いて大当り予告演出をするか否かを判定し(S828)、後述するS830に進む。具体な大当り予告演出をするか否かの判定は、前述のS826と同様に行なわれる。一方、変動表示の回数が11回目〜90回目のうちのいずれかに該当するときには、前述の第3予告決定テーブルを用いて大当り予告演出をするか否かを判定し(S829)、後述するS830に進む。具体な大当り予告演出をするか否かの判定は、前述のS826と同様に行なわれる。
S830では、大当り予告演出を行なうことに決定したか否かが判断される。大当り予告演出を行なわないことに決定したときには、後述するS833に進む。一方、大当り予告演出を行なうことに決定したときには、予告パターン決定用乱数を抽出する(S831)。そして、予告パターン決定用乱数の抽出値に基づいて、大当り予告演出の予告パターンの種類を決定する(S832)。具体的に、演出制御用マイクロコンピュータ100では、ROMに予告パターン決定用乱数値と、予め定められた複数種類の大当り予告パターンとの関係を示す予告パターン選択テーブルが記憶されている。この予告パターンには、前述したようなトラック役物810の荷台へ供給する遊技球の個数も含まれている。たとえば、大当り予告が行なわれるときにおいて、予告後に実際に大当りとなるか否かに応じて、荷台に供給する遊技球の数を選択する割合が異なる。より具体的に、予告後に大当りとなるときには、予告後に大当りとならないときと比べて、荷台上へ供給する遊技球の個数について、複数段階に分けられた個数のうち比較的多い個数が選択される割合が高くなるように予告パターンの選択割合が設定されている。これにより、大当り予告演出において、前述したように、荷台に供給される遊技球の数が多い程、予告後に実際に大当りとなる割合が高くなるようにする制御が行なわれることとなる。この場合に、大当りとなるか否かの判断は、たとえば、S823により読出した演出図柄指定コマンド格納領域のデータに基づいて行なわれる。このように、S831,S832においては、予告パターン決定用乱数を抽出し、予告パターン選択テーブルを用いて、予告パターン決定用乱数値と予告パターンの種類との関係に基づいて、大当り予告演出の予告パターンをランダムに選択する。
S832で選択される予告パターンは、たとえば、図22において破線で示されるようなパトランプの駆動タイミングが異なるもの等、各種演出装置による演出態様が異なるものが複数種類用意されており、その複数種類の予告パターンのうちからランダムに選択される。S833では、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新し、リターンする。
なお、前述した予告選択処理においては、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、異なる種類の大当り予告演出を選択するようにしてもよい。
図65は、図60に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S831)。次いで、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S832)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
S832において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図32参照)であれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、左,中,右の3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。そのようにはずれを想起させるような表示結果に決定するときにおいて、前述のようなリーチとなる変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させるような変動表示態様となる表示結果に決定する。リーチ態様を想起させるような表示結果とは、変動表示中において、いずれかの方向のラインにおいて、2つの図柄が揃った状態になる表示結果である。そのときに、演出制御用CPU101は、リーチ態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、リーチ態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図27を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。一方、リーチとならない変動パターンを受信しているときには、変動表示中においてリーチ態様を想起させないような変動表示態様となる表示結果に決定する。そのときに、演出制御用CPU101は、各表示領域の図柄の停止表示結果を、たとえば、図27を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。
S832において、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図32参照)であれば、演出図柄の表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、左,中,右のすべての図柄が揃った状態(大当り態様ともいう)である。そのときに、演出制御用CPU101は、大当り態様とする表示領域の図柄の停止表示結果、および、大当り態様としない表示領域の図柄の停止表示結果のそれぞれを、たとえば、図27を用いて説明したものと同様の乱数を用いた抽選によってランダムに決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース状態や高確率状態を示している場合には、表示結果を、大当りの種類に応じて予め定められた大当り図柄の組合せにすることが望ましい。たとえば、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、15R昇格大当り、2R大当り、および、突然確変大当りのそれぞれについて、図柄の組合せを定めておき、演出図柄指定コマンドが指定する大当りに対応する図柄の組合せを表示結果として表示すればよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターン(前述した大当り予告演出をする決定がされたときには、決定された予告パターンを含む)に応じたプロセスデータが設定されたプロセステーブルを選択する(S833)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ(演出表示装置9、パトランプ61,62,63、および、トラック役物810の制御を含む演出制御の実行データ)ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せとが複数集まったデータで構成されているデータテーブルであり、図66を用いて後述する。そして、選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(S834)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出装置としての演出表示装置9、演出装置としての各種ランプおよび演出装置としてのスピーカ27)の制御を実行する(S835)。
そして、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S836)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、パトランプ61,62,63、および、トラック役物810等の可動部材を制御するために制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。シリアル設定処理については、図75を用いて後述する。
そして、変動時間を計時するタイマとしての変動タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S837)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値にする(S838)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドに基づいて、演出装置(演出表示装置9、各種LED、スピーカ27、パトランプ61,62,63、トラック役物810等)で、特別図柄の変動表示に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の変動表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
図66は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ(左モータ76L,中モータ76C,右モータ76R等の可動部材の制御実行データも含表示制御実行データ)、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、たとえば、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様に加えて前述の可動部材の制御態様を示す情報が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。また、左モータ76L,中モータ76C,右モータ76R等の可動部材は、表示制御実行データ(可動部材を制御するためのデータ部分)に基づいて、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ当該表示制御実行データに基づいて制御される。
図66に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、演出制御基板80におけるROMにおいては、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに基づいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容にしたがって演出制御を行なう。
図67は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S851)、変動タイマの値を1減算する(S852)。そして、プロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ)にしたがって、演出装置の制御を実行する(S853)。次に、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S854)。
そして、プロセスタイマがタイムアップしたら(S855)、プロセスデータの切替えを行なう(S856)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する。そして、プロセスタイマをスタートさせる(S857)。
また、変動タイマ(変動時間)がタイムアップしていれば(S856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S860)。変動タイマがタイムアップしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S859)、S860に移行する。変動タイマがタイムアップしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図68は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S860)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S861)、飾り図柄を停止表示するために、S862に移行する。
なお、S860で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示との繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
S862では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)にしたがって停止図柄を導出表示する制御を行なう。そして、大当りとする場合(S863)には、大当り表示処理のために用いるプロセスタイマをスタートさせ(S864)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)に応じた値に更新する(S870)。一方、大当りとしない場合(S863)には、後述するS889により確変状態であるときにセットされるフラグである確変状態フラグがセットされているか否かを判断する(S865)。
確変状態フラグがセットされていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S869)、リターンする。一方、確変状態フラグがセットされている場合には、確変状態において行なわれた演出図柄の変動表示の回数を計数するために、確変変動回数カウンタを「1」だけ減算する(S866)。確変変動回数カウンタは、確変状態となるときに、後述するS891により100回という初期値にセットされ、変動表示が実行されるごとにS866により減算更新されていく。
そして、確変変動回数カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S867)。確変変動回数カウンタの値が「0」になっているときには、確変状態において100回の変動表示が実行されたことにより当該確変状態が終了することにしたがって、確変状態フラグをリセットする(S868)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S869)、リターンする。一方、確変変動回数カウンタの値が「0」になっていないときには、そのまま演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S869)、リターンする。
図69は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S902)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータの内容に従って各演出装置の制御を実行する(S905)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出を実行する。そして、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S836)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアップしていないかどうかを確認し(S905)、プロセスタイマがタイムアップしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S907)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドの内容に基づいて、ラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(S908)。なお、大入賞口開放中指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口開放中処理(S307)が実行されるときに送信される。そして、大入賞口開放中フラグをリセットし(S909)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S910)。そして、次の図柄停止待ち処理で用いるプロセスタイマをスタートさせ(S911)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S306)に対応した値に設定する(S912)。
図70および図71は、演出制御プロセス処理における大当り遊技中処理(S306)を示すフローチャートである。図70を参照して、大当り遊技中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大当り遊技状態においけるラウンドとラウンドとの間の期間(以下、ラウンド後と呼ぶ)にあるときに後述するS1914によりセットされるフラグであるラウンド後フラグが、セットされているか否かを確認する(S1901)。ラウンド後フラグがセットされているときは、後述するS1971に進む。一方、ラウンド後フラグがセットされていないきは、ラウンド中であり、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(S1902)。
エンディングフラグがセットされていないときは(S1901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(S1903)。大入賞口開放後フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口開放後処理(S306)において送信された大入賞口開放後コマンドを受信したことに基づいて、コマンド解析処理でセットされる。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(S1903のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(S1904)、プロセスデータの内容に従って各演出装置の制御を実行する(S1905)。たとえば、演出表示装置9において大当り図柄の組合せを表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出を実行する。そして、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S1906)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアップしていないかどうかを確認し(S1907)、プロセスタイマがタイムアップしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S1908)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1909)。
一方、S1903において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(S1903のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容に基づいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択する(S1910)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(S1911)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S1912)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1913)ラウンド後の処理を行なうために、ラウンド後フラグをセットする(S1914)。なお、突然確変大当りである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドを受信した場合であっても、S1912でインターバル演出に応じたプロセスデータへの切替えを行なわないように制御する。
また、前述のS1901においてラウンド後フラグがセットされていると判断したときは、図71に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S1971のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(S1972)、プロセスデータの内容に従って各演出装置の制御を実行する(S1973)。たとえば、演出表示装置9において大当り図柄の組合せを表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出を実行する。そして、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S1974)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアップしていないかどうかを確認し(S1975)、プロセスタイマがタイムアップしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S1976)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1977)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S1971のY)、ラウンド中の演出に移行する必要がある。まず、現在のラウンドが、15R昇格大当りの大当り遊技状態が行なわれるときに大当り昇格演出が行なわれる予め定められたラウンド(第2ラウンド)であるか否かを判断する(S1978)。大当り昇格演出が行なわれるラウンドであるときには、15R昇格大当りとなるときに前述のようにセットされるフラグである大当り昇格演出フラグがセットされているか否かを判断する(S1979)。大当り昇格演出フラグがセットされているときには、受信した大入賞口開放中指定コマンドの内容に基づいて、大当り昇格演出を含むラウンド中の演出を行なうことを選択し(S1980)、S1982に進む。このような処理が行なわれることにより、15R昇格大当りの大当り遊技状態においては、第2ラウンド中において、15R大当りに昇格することを示す画像が演出表示装置9に表示される等、15R大当りに昇格することを示すための演出が各演出装置により実行される。これにより、2R大当りから15R大当りに昇格したことを感じさせる演出を遊技者に提供することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、前述のS1978で大当り昇格演出が行なわれるラウンドではないと判断したとき、および、前述のS1979で大当り昇格演出フラグがセットされていないと判断したときは、受信した大入賞口開放中指定コマンドの内容に基づいて、大当り昇格演出を含まないラウンド中の演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を行なうことを選択し(S1981)、S1982に進む。
次に、大入賞口開放中フラグをリセットし(S1982)、前述したように選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1983)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S1984)、ラウンド中の演出に移行するために、ラウンド後フラグをリセットし(S1985)、リターンする。
また、S1902においてエンディングフラグがセットされているときは(S1901のY)、前述したように、大当り終了コマンドを受信したときである。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグをリセットし(S1915)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(S1916)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマをスタートさせる(S1917)とともに、プロセスタイマをスタートさせる(S1918)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定する(S1919)。
図72は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(S880)、演出期間計測タイマがタイムアップしたか否かを確認する(S881)。なお、演出期間計測タイマは、前述したように大当り遊技中処理においてセットされる(S1917)。
演出期間計測タイマがタイムアップしていないときは(S881のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(S882)、前述したS1916により選択されたプロセスデータの内容に従って各演出装置を制御する処理を実行する(S883)。たとえば、演出表示装置9において、大当りが終了することの表示、および、大当りが終了することを示すような所定のキャラクタ画像の表示等の演出により、各演出装置により大当りが終了することを報知する。そして、このようなプロセスデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S884)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアップしていないかどうかを確認し(S885)、プロセスタイマがタイムアップしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S886)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S887)。
演出期間計測タイマがタイムアップしたときは(S887のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されたデータが、高確率状態を指定するものであるか否かを判断する(S888)。高確率状態を指定するものであるときには、確変状態であることを示すフラグである確変状態フラグをセット状態にし(S889)、確変変動回数カウンタの値を「100回」に初期化し(S891)、S892に進む。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変状態において実行される特別図柄の変動表示回数を管理することができる。一方、高確率状態を指定するものでないときには、確変状態フラグをリセット状態にし(S890)、S892に進む。
S892では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータにしたがって、演出表示装置9の背景画面を切替える制御を行なう。これにより、演出表示装置9の背景画像は、遊技状態に応じて、低確低ベースモード、高確低ベースモード、高確高ベースモード、または、低確高ベースモードの背景画像となる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に設定し(S983)、リターンする。
図73は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理(S706)を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S907に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、S701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(S902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の丸印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(S904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の丸印の画像を表示させる。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S906)、処理を終了する。
一方、S902で停電復旧フラグがセットされていないと判断したとき、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やすように制御する(S905)。そして、合算保留記憶数カウンタにセットし(S906)、処理を終了する。
S907では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。一方、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S908)、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印を消去し、各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(S909)。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(S910)。その後、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットし(S911)、処理を終了する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドと、合算保留記憶数指定コマンドとを受信したときに合算保留記憶数を示す丸印を1増加させる制御が行なわれる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印を1減少させる制御が行なわれる。
図74は、演出制御メイン処理における状態報知処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御メイン処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、前述した確変状態フラグがセットされているか否かを判断する(S921)。確変状態フラグがセットされていると判断したときは、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63を、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rを図21(a)および図23(c)で示したような駆動パターンで駆動するとともに、各パトランプに設けられた装飾LEDを図21(a)を用いて説明したような発光パターンで発光するデータにしたがって駆動状態にする演出制御を実行する(S922)。そして、このようなデータにしたがった演出制御をするために、シリアル設定処理を実行する(S923)。これにより、確変状態であるときには、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63が図21の(a)に示したような動作態様で動作し、状態報知が行なわれる。
一方、前述のS921で確変状態フラグがセットされていないと判断したときは、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63において、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rおよび各パトランプに設けられた装飾LEDを停止状態にする(S924)ことにより、これらパトランプは、停止状態になる。
次に、シリアル設定処理について説明する。図75は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、前述したように、状態報知処理、および、演出制御プロセス処理における各種プロセスの処理において実行される。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROM84からランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ等)を読出す(S950)。この場合、演出制御用CPU101は、たとえば、演出図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図66に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出したランプ制御実行データに基づいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(S951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプに対応するシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(S952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図20に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAM85に設けられた所定のデータ格納領域に設定する(S953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(S954)。
次いで、演出制御用CPU101は、ROM84から表示制御実行データを読出す(S955)。この場合、演出制御用CPU101は、たとえば、演出図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図66に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出した表示制御実行データに基づいて、パトランプ61,62,63等の可動部材の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(S956)。可動部材の可動がある場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材のシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(S957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図20に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAM85に設けられた所定のデータ格納領域に設定する(S958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(S959)。
たとえば、演出図柄の変動表示に予告演出等が含まれ、パトランプ61,62,63が可動される場合には、シリアル設定処理が実行されるときに、制御対象のアドレス付きのモータ制御信号が読出され、データ格納領域に設定されることになる。
図76は、出力対象のランプ制御信号やモータ制御信号が設定されるデータ格納領域の一構成例を示す説明図である。この例では、ランプ制御信号またはモータ制御信号を格納するデータ格納領域が9個用意されており、盤側IC基板600や枠側IC基板800に出力される順に、ランプ制御信号やモータ制御信号が順次格納される。
図76は、演出制御メイン処理におけるシリアル入出力処理(S709)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(S970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(S971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(S972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、S972において各ランプ制御信号を順に読出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板88,89を介して、盤側IC基板600や枠側IC基板800にシリアルデータ方式として出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板600に対して中継基板88を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(S973)。枠側IC基板800に搭載された入力ICは、入力取込信号が入力されたことに基づいて、ジョグスイッチ512a〜512d、および、ダイアルスイッチ511a,511bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAM85の所定の格納領域に格納する(S974)。なお、S974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力ICから入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読込むように制御する。
なお、前述した実施の形態では、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄変動指定コマンドに基づいて、演出装置としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される変動表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの変動表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) ステッピングモータである左モータ76L、中モータ76C、右モータ76により動作する回転灯である左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63を用いる報知として、図21(b)のように、回転灯を駆動する予告報知である大当り予告と、図21(a)のように、特別遊技状態としての確変状態である期間中において回転灯を継続的に駆動する状態報知とが行なわれる。また、図23(b),(c)に示すように、状態報知をするときには、大当り予告をするときと比べて、ステッピングモータの駆動信号におけるパルスの周期を長くし、かつ、駆動信号におけるパルスの1周期当りにおいてステッピングモータを励磁する時間の割合を低くする制御が行なわれる。これにより状態報知時には、予告報知時よりも回転灯の回転速度が低くなる。ステッピングモータの駆動信号におけるパルスの1周期当りにおいて巻線761,762を励磁する時間の割合が低くなると、パルスの1周期当りの励磁に要する電力が低減され、さらに、パルスの周期が長くなることにより、巻線761,762を励磁する頻度が低減されるので、ステッピングモータの発熱を低減することができる。これにより、左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63を用いる報知として、状態報知時において長期間に亘り継続的に駆動される左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63の発熱量を低減することができる。さらに、状態報知時よりもパルスの周期が短く、かつ、パルスの1周期当りの励磁時間の割合が高い駆動信号でステッピングモータを駆動して左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63を駆動する予告報知が行なわれることにより、状態報知時よりも高い演出効果で回転灯による予告報知を行なうことができる。
(2) 図19に示すように、左モータ76L、中モータ76C、右モータ76のようなステッピングモータにシリアル信号方式の駆動信号を供給することに基づいてステッピングモータを駆動することにより、パラレル信号方式の駆動信号を用いるときと比べて、駆動信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
(3) 図5に示すように、中パト基板651の表裏両面に、発光体としての装飾LED701〜712が設けられ、図4(b)に示すように、中パト基板651の一方の面がパチンコ遊技機1の正面側を向いた態様で配置されている。これにより、中パト基板651の周りを回転する回転反射部6232が中パト基板651の裏面に位置しているときに、中パト基板651の裏面側に設けられた装飾LED707〜712からの光を回転反射部6232が反射するため、中パト基板651の表面側へ向かう光の光量が増加する。このような光量の増加により、中パトランプ62による演出効果を向上させることができる。
(4) 図21(a)に示すように、状態報知をするときに、中パト基板651においてパチンコ遊技機1の背面側を向いた面に設けられた装飾LED707〜712を発光させる制御がさらに行なわれるので、状態報知時における中パトランプ62の回転速度の低さに起因する中パトランプ62の演出効果の低下を、中パト基板651においてパチンコ遊技機1の背面側を向いた面に設けられた装飾LED707〜712を発光させることにより、中パトランプ62における表面側へ向かう光の光量を増加させることに基づいて、補うことができる。
(5) 図64のS821〜S832により大当り予告を実行すると判定する確率が、状態報知が行なわれている期間中において、図63(b),(c)に示すように、図63(a)に示すような状態報知が行なわれていない期間中よりも低い確率に制限されるので、状態報知が行なわれている期間中に大当り予告が行なわれる頻度が、状態報知が行なわれていない期間中において大当り予告が行なわれる頻度よりも低く制限される。これにより、大当り予告が行なわれることによる左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63の発熱量の増加を制限することができる。
(6) 図63の(b),(c)に示すように、状態報知が行なわれている期間中において、たとえば、変動表示の回数が1回目〜10回目および91回目〜100回目に該当するときには、第2予告決定テーブルを用いて大当り予告をするか否かを判定し、変動表示の回数が11回目〜90回目に該当するときには、第3予告決定テーブルを用いて大当り予告をするか否かを判定するというように、変動表示の回数に基づいて、大当り予告をすると判定する確率が変化させられる。これにより、状態報知が行なわれている期間中に大当り予告が行なわれる頻度を、状態報知が行なわれていない期間中において大当り予告が行なわれる頻度よりも低く制限することが可能となる。したがって、大当り予告が行なわれることによる左パトランプ61、中パトランプ62、右パトランプ63の発熱量の増加を制限することが可能となる。
(7) 図40のS110〜S115に示すように、第1特別図柄表示器8a、および、第2特別図柄表示器8bのそれぞれで実行される変動表示について、第1特別図柄表示器8aの変動表示の実行条件(第1始動条件)または第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行条件(第2始動条件)の少なくとも一方が生じたか否かを共通の処理ルーチンにより判定することにより、第1特別図柄表示器8a、および、第2特別図柄表示で変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量(プログラムを構成するデータのデータ量)を削減することができる。
(8) 図43のS61〜S68に示すように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれで実行される変動表示について、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのうち、変動表示の開始条件が成立した特別図柄表示器における変動表示の表示結果を決定するための処理を共通の処理ルーチンにより実行することにより、特別図柄の表示結果が決定されるので、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで変動表示を実行するために必要となる処理ルーチン数を削減することができ、そのような変動表示を実行するために必要となるプログラム容量(プログラムを構成するデータのデータ量)を削減することができる。
(9) 第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのうち変動表示の開始条件が成立した特別図柄表示器において実行される変動表示の変動表示時間を示すデータが、図44のS89に示されるように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのいずれの変動表示の開始条件が成立したときでも、共通の記憶領域であるRAM55に設けられた変動時間タイマのデータの記憶領域において記憶されるので、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示のために用いる記憶領域を削減することができる。
(10) 図28において、合算保留記憶数に関し、1,2と0との比較、3〜6と1,2との比較、および、7,8と3〜6との比較から明らかなように、合計保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなることが示されているように、特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれで実行される変動表示について、合算保留記憶数が所定数以上のときに、合計数が所定数未満であるときに比べて低い確率で、リーチとすることに決定される。これにより、合算保留記憶数がある程度多くなった状態でリーチとなると、そのような状態で生じるリーチに対して遊技者が大当り表示結果となることを期待して表示結果が導出表示されるまで遊技を休止してしまう状況となるのを抑制することができ、遊技者による遊技を促進させてパチンコ遊技機1の稼働率を向上させることができる。
(11) 図28において、合算保留記憶数が1,2、3〜6、または、7,8のような所定数(0、1,2、または、3〜6)以上のときに、図28の(a)と、図28の(b)とで同じ保留記憶数のときのリーチ確率が異なる設定がされているように、特別図柄表示器8aで変動表示をするときと、第2特別図柄表示器8bで変動表示をするときとで、リーチとすることに決定する確率が異なる。これにより、特別図柄表示器8aでの変動表示と、第2特別図柄表示器8bでの変動表示との間でのリーチの発生確率の違いにより遊技の面白みをより向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出装置としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(2) 前述した演出表示装置9に加えて、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)のそれぞれに対応して変動表示を行なう2つの飾り図柄表示器を設け、これらの飾り図柄表示器を対応する特別図柄表示器と同期して変動表示させるようにしてもよい。このようにすれば、2つの特別図柄表示器のどちらの変動表示に同期した変動表示が演出表示素において行なわれているかを遊技者に明確に示すことができる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 前述した実施の形態においては、合算保留記憶数の値が所定値(たとえば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターンを選択する例を示した。短縮変動の変動パターンを選択するときには、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数との合算保留記憶数の値に基づいて、短縮変動をするか否か、および、短縮変動の種類を選択する方法を用いてもよい。たとえば、合算保留記憶数が0または1のときには短縮変動を実行しないことを選択する。また、合算保留記憶数が2〜8のときには短縮変動を実行することを選択するとともに、合算保留記憶数が2のときには複数種類設けられた短縮変動のうちから第1の種類の短縮変動を選択し、合算保留記憶数が3〜8のときには第2の種類の短縮変動を選択する。また、所定条件が成立したときに特別遊技状態としての普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮制御(変動時間短縮制御に限らず、変動時間短縮制御、可変入賞球装置15の開放回数を増やす制御、可変入賞球装置15の1回の開放時間を増やす制御、および、普通図柄の表示結果が当りとなる確率を増加させる制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数の組合せによる制御でもよい)を行なう遊技機においては、その変動時間短縮制御が行なわれているときに、変動時間短縮制御が行なわれていないときと比べて、前述のような短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。また、このようなこのように、所定条件が成立したときに特別遊技状態としての制御を行なう遊技機においては、その特別遊技状態としての制御が行なわれているときに、特別遊技状態としての制御が行なわれていないときと比べて、と前述のような短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。また、その変動時間短縮制御が行なわれているときに、変動時間短縮制御が行なわれていないときと比べて、特定の種類の短縮変動を実行することを選択する割合を高くするように制御してもよい。たとえば、変動時間短縮制御が行なわれているときにおいては、合算保留記憶数が0のときには短縮変動を実行しないことを選択する。また、合算保留記憶数が1〜8のときには第1の種類の短縮変動を選択し、第2の種類の短縮変動を選択しないようにしてもよい。また、合算保留記憶数の値に基づいて、短縮変動をするか否か、および、短縮変動の種類を選択する方法を用いる場合においては、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数との関係に基づいて、短縮変動をすることを選択する割合、および、特定の短縮変動の種類を選択する割合を異ならせるようにしてもよい。たとえば、第1始動入賞の保留記憶数と第2始動入賞の保留記憶数とのうち、一方の保留記憶数の方が多いときと、他方の保留記憶数の方が多いときとで、両方の保留記憶数が同じときとで、短縮変動をすることを選択する割合、および、特定の短縮変動の種類を選択する割合を異ならせるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、背景モードとしては、客待ちデモンストレーション演出が行なわれるときおよび変動表示が行なわれるときに使用される背景モードとして、低確低ベースモード、低確高ベースモード、高確低ベースモード、および、高確高ベースモードが設けられている。しかし、これに限らず、大当り遊技状態の終了時から次の客待ちデモンストレーション演出または次の変動表示が実行されるまでの間に使用される背景モードとして、大当り確率に関係なく低ベースであるときに背景として用いられる低ベース状態モード、および、大当り確率に関係なく高ベースであるときに背景として用いられる高ベース状態モードを使用するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶数を表示するときに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別せずに共通の丸印で表示する例を示した。しかし、これに限らず、合算保留記憶表示部18cにおいて保留記憶数を表示するときに、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して、表示するようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数を示す印と第2保留記憶数を示す印とについて、色を異ならせることにより区別して表示してもよく、形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。そのように第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に受信したコマンドについて、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとのどちらを受信したかを判断することにより、保留記憶を第1保留記憶数と第2保留記憶数とで区別して管理すればよい。このように、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示するときにおいては、第1始動入賞指定コマンドと、第2始動入賞指定コマンドとのどちらを受信したかに基づいて、新たに生じた保留記憶が、第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらであるかを判断することができる。そのような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、当該保留記憶については、第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示と色または形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、その時点で保留記憶数が多い方の保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、一方の保留記憶数が上限値となっているときには、他方の保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞が生じやすくなるため、第2始動入賞口14側の第2保留記憶として表示し、時短状態ではない通常状態では第1始動入賞口13への入賞が生じやすくなるため、第1始動入賞口13側の第1保留記憶として表示してもよい。また、始動入賞指定コマンドを正常に受信できなかったときには、常に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、一方の保留記憶として表示してもよい。また、停電復旧時に、保留記憶数がバックアップ記憶されているときにおいて、保留記憶数の合計値が遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されてくるときには、第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示と色または形状を異ならせることにより区別して表示してもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、保留記憶について、第2特別図柄の変動表示を優先的に実行させる例を示した。しかし、これに限らず、次に示すように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのどちらも優先せずに、始動入賞順による順番を用いるようにしてもよい。
(11) また、前述のように第1特別図柄と第2特別図柄とで始動入賞順に特別図柄の変動表示を開始させる構成については、図41に示した第1保留記憶領域および第2保留記憶領域を用いて、抽出したソフトウェア乱数値を示す情報を記憶させるとともに、これらの記憶領域とは別の保留記憶情報特定領域(保留特定領域)において、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を示す情報と、「第1始動入賞」,「第2始動入賞」のどちらの始動入賞であるかを示す情報を記憶させる構成を用いてもよい。保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保する。このような保留特定領域においては、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)を特定可能に、「第1始動入賞」であることを示すデータ(図中「第1」)と「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)とのどちらかが記憶されていく。保留特定領域のデータは、最も過去に発生した始動入賞のデータから古い順に読出されて第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかが確認される。そして、確認された最も古いデータは削除され、残りのデータは、1つずつ領域がシフトされる。第1始動入賞と第2始動入賞との中で、最も過去に発生した始動入賞(保留特定領域のデータにより確認された方の始動入賞)に対応して、図41に示した第1保留記憶領域および第2保留記憶領域のいずれかの保留記憶バッファから大当り判定用乱数値が読出されて大当り判定が行なわれ、特別図柄の変動表示が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動表示が開始される。
(12) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄の変動表示を停止させる例を示した。このような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼした(正常に受信できなった)ときには、飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止させる必要があるときに、変動表示を停止させることができない。このような場合には、図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときであると判断できるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示の開始を指定する変動パターンコマンドのようなコマンドを受信した時点で変動表示が実行中であれば、実行中の変動表示を停止させ、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御には、第1,第2特別図柄のどちらか一方に対応する変動表示の開始を指定するコマンドを受信した時点で、他方の図柄の変動表示が実行中であるときに、当該他方の図柄に対応する実行中の変動表示を停止させ、受信したコマンドに基づいて、当該一方の図柄に対応する変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御を行なうことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときにも、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させることができるので、図柄確定指定コマンド制御の取りこぼしに起因して変動表示を開始することができなくなる等、演出制御プロセスの移行に関する不具合が生じるのを防ぐことができる。
(13) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄の変動表示を停止させる例を示した。このような場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを取りこぼした(正常に受信できなった)ときには、演出図柄の変動表示を停止させる必要があるときに、変動表示を停止させることができない。このような場合には、図柄確定指定コマンドを取りこぼしたときであると判断できるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示の開始を指定する変動パターンコマンドのようなコマンドを受信した時点で変動表示が実行中であれば、実行中の変動表示を停止させ、新たに受信したコマンドに応じた変動表示を開始させる制御を行なうようにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態に示したパチンコ遊技機1では、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)未満であるときに、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上であるときに用いられる普通図柄の変動表示時間(標準的な変動表示時間)よりも短くなる制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、合算保留記憶数が所定数未満であるときには始動入賞数を増加させることができる。また、合算保留記憶数が所定数(たとえば、4)以上であるときに用いられる普通図柄の変動表示時間(標準的な変動表示時間)よりも長くする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときには無効となる始動入賞数を低減することができる。また、このようにすれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときに、異常にベースが高くなることを防止することができる。
(15) 前述の実施の形態では、変動表示の停止時に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される図柄確定指定コマンドを、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に用いる例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで異なる図柄確定指定コマンド(たとえば、第1特別図柄の変動表示用に第1図柄確定指定コマンドを設け、第2特別図柄の変動表示用に第2図柄確定指定コマンドを設ける)を用いるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、合算保留記憶数が所定値以上であるときに変動時間を短縮する制御を行なう例を示した。変動時間を短縮しないときに用いられる非短縮変動パターンに対して、変動時間を短縮するときに用いられる短縮変動パターンは、具体的に次のようなものであってもよい。一般的に、変動パターンは、変動表示の開始時から変動表示の終了時までの間に、第1低速変動期間、高速変動期間、および、第2低速変動期間を経て変動表示が実行される。ここで、第1低速変動期間は、変動表示の開始時から高速変動期間に至るまでの加速を行なう期間である。高速変動期間は、変動表示中に最高速度で変動表示が行なわれる期間である。第2低速変動期間は、高速変動期間から変動表示の終了時に至るまでの減速を行なう期間である。短縮変動パターンは、非短縮変動パターンに対して、前述の第1低速変動期間、高速変動期間、および、第2低速変動期間のうちいずれの期間を短くした変動パターンであってもよい。また、短縮変動パターンとして、非短縮変動パターンに対して、第2低速変動期間を短くした変動パターンを用いるときには、第2低速変動期間において、変動表示している複数の図柄(たとえば、演出図柄)を一斉に停止させる制御を行なうようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を行なう例を示した。しかし、このような優先制御は、前述の高ベース状態のような特別遊技状態になったときに限り実行するようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっているときに、特別遊技状態になっていないときよりも遊技球の入賞が生じる頻度が高くなる第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示を優先して実行させることができるので、特別遊技状態において第2保留記憶数を効率的に消化することができ、第2始動入賞口14への始動入賞が無効になることを低減することができる。
(18) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を、特別遊技状態になったときに限り実行する場合には、特別遊技状態以外のときにおいて、第1保留記憶を優先して、第1別図柄の方を優先的に変動表示させる制御を行なうようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっていないときに遊技球の入賞が生じる頻度が低い第2始動入賞口14よりも遊技球の入賞が生じる頻度が高い第1始動入賞口13への入賞に基づく変動表示を優先して実行させることができるので、第1保留記憶数を効率的に消化することができ、第1始動入賞口13への入賞が無効になることを低減することができる。
(19) 前述した実施の形態では、常に第2保留記憶を優先して、第2特別図柄の方を優先的に変動表示させる優先制御を、特別遊技状態になったときに限り実行する場合には、特別遊技状態以外のときにおいて、前述のような入賞順番に基づいて変動表示を実行するようにしてもよい。このような制御を行なえば、特別遊技状態になっていないときに遊技球の入賞が生じる頻度が高い第1始動入賞口13への入賞に基づく変動表示を効率的に実行させることができるので、第1保留記憶数を効率的に消化することができ、第1始動入賞口13への入賞が無効になることを低減することができる。
(20) 前述した実施の形態では、図50の普通図柄通常処理において、S225での当り判定が、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとなるようにする例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、高ベース状態で、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間が多くなるように制御される等、高ベース状態と低ベース状態とで普通図柄の当り確率を変化させなくても高ベース状態と低ベース状態との切替え制御を行なうことが確保できるのであれば、S225での当り判定当りと判定する確率を、高ベース状態と低ベース状態とで同じとなるようにしてもよい。
(21) 図50の普通図柄通常処理においては、S225での当り判定において当り判定をすることなく、普通図柄の変動表示のすべてを当りとし、その変動表示の終了後に、前述したような普通図柄の当りに基づいて可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、当り判定用のプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(22) 図50の普通図柄通常処理においては、S225での当り判定をするが、判定結果をすべて当りとする処理を行ない、その変動表示の終了後に、前述したような普通図柄の当りに基づいて可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、普通図柄の変動表示結果をはずれとするときに用いるプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(23) 普通図柄の変動表示については、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄当り判定値の抽出等の乱数に関する処理および当り判定の処理を行ない、当り判定の判定結果に基づいて、可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄当り判定値の抽出等の処理および当り判定の処理を行なわずに変動表示を実行させ、変動表示終了後に、必ず可変入賞球装置15を開放状態にする制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、普通図柄当り判定値の抽出等の乱数に関する処理および当り判定の処理に用いるプログラムが不要になるので、プログラム量を削減することができる。このような制御は、前述した高ベース状態においてのみ実行するようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、状態報知がなされているときにおける左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの過度の発熱を抑制することを目的として、状態報知が行なわれる確変状態において、確変状態の開始後の所定期間(変動表示の1回目〜10回目)と、確変状態の終了前の所定期間(変動表示の91回目〜100回目)とを除く時間(変動表示の11回目〜90回目)において、確変状態の開始後の所定期間および確変状態の終了前の所定期間よりも、大当り予告演出の実行確率を減少させる例を示した。しかし、これに限らず、状態報知が行なわれる確変状態においては、確変状態において、変動表示の回数が増加するにしたがって、大当り予告演出の実行確率を減少させるように制御してもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、状態報知がなされているときにおける左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの過度の発熱を抑制することを目的として、状態報知が行なわれる確変状態において、大当り予告演出の実行確率を減少させる例を示した。しかし、これに限らず、大当り予告演出の実行確率は減少させず、その代わりに、大当り予告演出の状態報知が行なわれる確変状態においては、大当り予告演出時における左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの駆動信号のパルスの周期を、非確変状態と比べて、長くするようにしてもよい。
(26) 前述した実施の形態においては、状態報知が行なわれるときには、パトランプ61,62,63を点灯状態にし、大当り予告演出が行なわれるときには、パトランプ61,62,63を点滅状態にする例を示した。しかし、これに限らず、状態報知が行なわれるときには、大当り予告演出が行なわれるときと同様にパトランプ61,62,63を点滅状態にしてもよい。このようにすれば、状態報知が行なわれるときにおいて、左モータ76L、中モータ76C、および、右モータ76Rの駆動信号のパルスの周期を長くしたことによるパトランプの回転速度の低下が目立たないようにすることができる。
(27) 前述した実施の形態においては、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63の3つのパトランプを、状態報知および大当り予告を行なうときに、すべて同時に用いる例を示した。しかし、これに限らず、中パトランプ62を大当り予告専用として用い、左パトランプ61および右パトランプ63を状態報知および大当り予告の両方に用いるようにしてもよい。また、左パトランプ61および右パトランプ63を大当り予告専用として用い、中パトランプ62を状態報知および大当り予告の両方に用いるようにしてもよい。
(28) 前述した実施形態では、図62等に示したように、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63により状態報知(状態報知)が行なわれているときにおいて、大当り予告(予告報知)を実行する条件が成立すると、左パトランプ61、中パトランプ62、および、右パトランプ63により大当り予告が重ねて行なわれる。
(29) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、61 左パトランプ、62 中パトランプ、63 右パトランプ、100 演出制御用マイクロコンピュータ、701〜712,727,728,740,741 装飾LED、658 左パト基板、651 中パト基板、662 右パト基板、6132,6232,6332 回転反射部、761,762 巻線、76L 左モータ、76C 中モータ、76R 右モータ、660 左モータ基板、653 中モータ基板、664 右モータ基板、13 第1始動入賞口、8a 第1特別図柄表示器、14 第2始動入賞口、8b 第2特別図柄表示器、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、9 演出表示装置。