以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字に対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第1始動領域とは異なる始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)し難い、又は通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口6Cが設けられている。この場合には、一般入賞口6Cに進入した遊技球が図2に示す一般入賞スイッチ24によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞の発生等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞の発生等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。有利状態は大当り遊技状態に限定されず(特定遊技状態に限定されず)、時短状態や確変状態といった特別遊技状態が含まれてもよい。その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば16.2秒間や1.8秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数の入賞球(例えば9個)が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞せず時間が経過したことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば16.2秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば1.8秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば16.2秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば1.8秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間は第2期間(1.8秒間など)であって、通常開放大当り状態と比較すると非常に短い。しかし、当該第2期間は、大入賞口に少なくとも遊技球が1球入賞することが可能な程度の期間となっている。具体的に、第2期間は、大入賞口が開放状態となったことを遊技者が認識した直後に当該大入賞口に向けて遊技球を発射しても、当該発射した遊技球が大入賞口に入賞することが可能な期間となっている。したがって、短期開放大当り状態であっても、遊技者は少なくとも所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
本実施形態では、一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、詳しくは後述するが、この実施の形態では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった種類のスーパーリーチ演出が予め用意されている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御が行われればよい。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、一般入賞スイッチ24、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、一般入賞スイッチ24、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図3は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった態様のリーチ演出がある。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、始動入賞判定処理として、図4のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図6(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図6(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図5に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「16.2秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1.8秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図7は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図8に示す特図表示結果決定テーブル130Aをセットする(ステップS239)。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。なお、この実施の形態では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに関わらず共通の特図表示結果決定テーブル130Aをセットするが、例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合と変動特図指定バッファ値が「2」である場合とで異なる特図表示結果決定テーブルを使用テーブルにセットしてもよい。
特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図または第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
特図表示結果決定テーブル130Aにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。特図表示結果決定テーブル130Aでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130Aにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130Aにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;YES)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図9に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図7に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合(ステップS241;NO)、またはステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図10は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;YES)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPB4−3、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図11(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB4−2の方が、変動パターンPB4−2よりも、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB4−3の方が、すなわち、変動時間が長くなるにつれて(図3の変動時間参照)多くの決定値が割り当てられている。
図10に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;NO)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS264)。例えばRAM102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS265)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Bでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Bとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Bでは、図11(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Bでは、図11(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB2−2の方が、変動パターンPB2ー2よりも、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB2−3の方が、すなわち、変動時間が長くなるにつれて(図3の変動時間参照)少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、変動時間の長いスーパーリーチのリーチ演出が実行されるほど、大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図10に示すステップS263、S265の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図12は、図4のステップ113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、ステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;NO)、CPU103は、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。続いて、CPU103は、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。続いて、CPU103は、確定特別図柄の停止表示時間である特図確定表示時間を設定する(ステップS294)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている特図確定表示時間タイマの格納値である特図確定表示時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の特図確定表示時間をセットすればよい。なお、本実施形態では、変動パターンに関係する時間が特図変動時間であり、特図確定表示時間は変動パターンに関係しない時間(例えば、一定時間)としているが、特図変動時間に加えて特図確定表示時間も変動パターンに関係する時間としてもよい。例えば、特図変動時間と特図確定表示時間との合計時間が変動パターンに応じた時間とし、変動パターンに応じて特図変動時間タイマのタイマ初期値と特図確定表示時間タイマのタイマ初期値をセットしてもよい。
ステップS294の処理に続いて、CPU103は、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。ステップS296の処理では、例えば、ステップS294にてタイマ初期値がセットされた特図変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(特図変動時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;NO)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;YES)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS299)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り開始時演出待ち時間タイマの格納値である大当り開始時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り開始時演出待ち時間をセットすればよい。
ステップS299の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。続いて、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152等に設けられた大当り開始時フラグをオン状態にセットする(ステップS302)。続いて、CPU103は、時短状態や確変状態を終了するための設定を行う(ステップS303)。ステップS303の処理では、例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた時短回数カウンタをクリアして時短回数カウント値を「0」に初期化する処理や、確変回数カウンタをクリアして確変回数カウント値を「0」に初期化する処理等が実行されればよい。
本実施形態では、時短フラグは、高開放制御及び時短制御が行われる時短状態に制御されるときにオン状態にセットされ、時短状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、時短フラグがオン状態であることは遊技状態が時短状態であることを示し、高開放制御と時短制御が行われる。また、確変フラグは、確変制御が行われる確変状態に制御されるときにオン状態にセットされ、確変状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。即ち、確変フラグがオン状態であることは遊技状態が確変状態であることを示し、確変制御が行われる。また、時短回数カウンタは、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。確変回数カウンタは、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS303の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS304)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)を演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、遊技状態指定コマンドに代えて当り開始指定コマンドを受信したことにより現在の遊技状態を特定してもよい。この場合には、ステップS304の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS305)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;NO)、時短状態や確変状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS306)。例えば、ステップS306の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の時短回数カウント値が時短終了判定値と合致しない場合には時短状態を終了させないと判定し、合致した場合には時短状態を終了させると判定してもよい。また、ステップS306の処理では、確変フラグがオンであるときに、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値を、例えば1減算して更新する。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。更新後の確変回数カウント値が確変終了判定値と合致しない場合には確変状態を終了させないと判定し、合致した場合には確変状態を終了させると判定してもよい。なお、時短状態を終了させると判定した場合には、時短フラグをクリアしてオフ状態とし、時短状態(時短制御、高開放制御)を終了させる。また、確変状態を終了させると判定した場合には、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、確変状態(確変制御)を終了させる。
ステップS306の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS307)。なお、ステップS307の処理では、ステップS304の処理とは異なり、ステップS306にて確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態となった場合に、当該遊技状態指定コマンドとともに、連荘終了通知コマンドを送信する設定を行う。連荘終了通知コマンドは、大当りの連荘が終了したことを示すコマンドである。大当りの連荘(連荘)とは、一旦大当り遊技状態に制御されてから時短状態または確変状態が終了するまで再度大当り遊技状態に制御されることをいい、連荘回数とは、初回の大当りを含む、時短状態または確変状態が終了するまでに大当り遊技状態に制御された数をいう。ステップS307の処理により、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化(遷移)とともに、連荘が終了したことを演出制御基板12の側に通知することができる。なお、本実施形態では遊技状態が変化した場合でも変化しなかった場合でも遊技状態指定コマンドを送信するようにしているが、連荘終了通知コマンドと同様に、遊技状態が変化した場合(例えば、時短状態や確変状態から通常状態に変化した場合等)に限って遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。なお、演出制御基板12の側では、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドの内容から現在の遊技状態を特定(遊技状態が変化したことの特定も含む)するが、これに代えて主基板11の側とは独立して演出制御基板12の側で可変表示の実行回数をカウントすること等により現在の遊技状態を特定できるようにしてもよい。この場合には、ステップS307の処理等により遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS308)、特別図柄停止処理を終了する。
図13は、図4のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS131)。ここで、大当り開始時フラグは、図4に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンでなければ(ステップS131;NO)、大入賞口判定処理(図16参照)を実行し(ステップS220)、ステップS138に進む。なお、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS114の大当り開放前処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。例えば、次回開放待機中(ステップS138(YES)である間)においてオーバー入賞を好適に検出することができる。なお、大入賞口判定処理については後述する。
ステップS131にて大当り開始時フラグがオンであれば(ステップS131;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS132)。ステップS132の処理では、例えば、特別図柄停止処理のステップS299にてタイマ初期値がセットされた大当り開始時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り開始時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。
大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS132;NO)、大当り開放前処理を終了する。大当り開始時演出待ち時間が経過していれば(ステップS132;YES)、CPU103は、大当り開始時フラグをクリアする(ステップS134)。続いて、CPU103は、大入賞口開放回数カウンタをクリアする(ステップS135)。具体的には、大入賞口開放回数カウント値を「1」に初期化する。続いて、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS136)。
ステップS136の処理に続いて、ステップS136にて読み出した大当り種別バッファ値に対応した開放制御パターンを設定する(ステップS137)。このときには、例えば図14(A)に示すように、大当り種別バッファ値が「2」(突確)であれば、開放KP1の開放制御パターンを設定する。これに対して、大当り種別バッファ値が「0」(非確変)または「1」(確変)であれば、開放KP2の開放制御パターンを設定する。
ステップS137の処理又はステップS220の処理に続いて、CPU103は、次回開放待機中であるか否かを判定する(ステップS138)。即ち、次回ラウンドとして大入賞口を開放するまでのインターバル期間中であるか否かを判定する。ステップS138の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS366にてタイマ初期値がセットされたラウンド開始待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(ラウンド開始待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。次回開放待機中であれば(ステップS138;YES)、即ちインターバル期間が終了していない場合には、大当り開放前処理を終了する。
一方、次回開放待機中でなければ(ステップS138;NO)、即ちインターバル期間が終了した場合には、CPU103は、大入賞口の開放の開始を制御する(ステップS139)。例えば、CPU103は、ステップS137にて設定した開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に基づいて大入賞口を開放状態とする開放時間を設定するとともに、大入賞口が開放状態になるように設定する。具体的には、ステップS139の処理では、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられている開放時間タイマの格納値である開放時間タイマ値のタイマ初期値としてステップS137にて設定した開放制御パターンの大入賞口開放時間(開放状態とする上限時間)をセットすればよい。例えば図14(B)に示した開放KP1の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「2」のときにおいてのみ、タイマ初期値として1.8秒をセットし、また例えば図14(B)に示した開放KP2の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタのカウント値が「1」〜「15」のいずれのときにおいても、タイマ初期値として16.2秒をセットすればよい。なお、図14に示す例では、一のラウンド遊技において大入賞口が1回開放することを前提としているが、複数回開放されてもよい。また、ステップS139の処理では、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされること等により、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態に設定すればよい。
ステップS139の処理に続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS140)。続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS141)、大当り開放前処理を終了する。
図15は、図4のステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS121;NO)、大入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。図16は、図13の大当り開放前処理(ステップS114)、図15の大当り開放中処理(ステップS115)、図17の大当り開放後処理(ステップS116)、図18の大当り終了処理(ステップS117)にて実行される大入賞口判定処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す大入賞口判定処理において、CPU103は、まず、カウントスイッチ23から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS221)。
カウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS221;YES)、演出制御基板12に対して大入賞口への遊技球の入賞を通知するための大入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS222)。続いて、特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であるか否かを判定する(ステップS223)。特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であれば(ステップS223;YES)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた入賞個数カウンタの格納値である入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS224)。
ステップS224の処理を実行した後、ステップS221にてカウントスイッチ23がオンでない場合(ステップS221;NO)、または、ステップS223にて特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”でないと判定した場合(ステップS223;NO)、一般入賞スイッチ24から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS225)。一般入賞スイッチ24がオンである場合には(ステップS225;YES)、特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であるか否かを判定する(ステップS226)。特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”であれば(ステップS226;YES)、演出制御基板12に対して一般入賞口6Cへの遊技球の入賞を通知するための一般入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS227)。なお、この実施の形態では、大当り開放中処理が実行中である場合に一般入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われる例を示しているが、これとは別に特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」のいずれかである場合に一般入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われてもよい。また、一般入賞スイッチ24がオン状態であると判定した場合に、特図プロセスフラグの値に関わらず一般入賞口入賞通知コマンドの送信設定が行われてもよい。
ステップS227の処理を実行した後、ステップS225にて一般入賞スイッチ24がオンでない場合(ステップS225;NO)、またはステップS226にて特図プロセスフラグの値が大当り開放中処理に対応した値である“5”でないと判定した場合(ステップS226;NO)、大入賞口判定処理を終了する。なお、入賞個数カウント値は、1回のラウンド遊技が実行される間にカウントスイッチ23により検出された遊技球の個数を示すものであればよい。
図15に戻り、ステップS220の処理を実行した後は、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(本実施形態では「9」)に達したか否かを判定する(ステップS126)。入賞上限判定値に達していなければ(ステップS126;NO)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS121にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS121;YES)、ステップS126にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS126;YES)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS127)。このときには、ソレノイド82に対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS127の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアして入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップ128)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した“6”に更新してから(ステップS129)、大当り開放中処理を終了する。
図17は、図4のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、図16に示した大入賞口判定処理を実行する(ステップS220)。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS116の大当り開放後処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)を好適に検出することができる。
図16に示した大入賞口判定処理を実行した後に、CPU103は、大入賞口開放回数カウント値が1加算されるように更新する(ステップS364)。続いて、更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値となったか否かを判定する(ステップS365)。
なお、ステップS365の上記「最大値」は更新後の大入賞口開放回数カウント値と比較されるものであり、また大入賞口開放回数カウント値の初期値は「1」であるため、上記「最大値」は、ラウンドの上限回数に1を加算した数である。例えば、ラウンドの上限回数が15回である通常開放大当り状態に制御される場合には上記「最大値」は「16」、ラウンドの上限回数が2回である短期開放大当り状態に制御される場合には上記「最大値」は「3」である。なお、更新後の大入賞口開放回数カウント値ではなく更新前の大入賞口開放回数カウント値と「最大値」とを比較してもよく、更新前の大入賞口開放回数カウント値と比較する場合には「最大値」をラウンドの上限回数とすればよい。
大入賞口開放回数カウント値が最大値以外であれば(ステップS365;NO)、ラウンド開始待ち時間(インターバル時間)を設定する(ステップS366)。具体的には、CPU103は、遊技制御タイマ設定部153に設けられているラウンド開始待ち時間タイマの格納値であるラウンド開始待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定のラウンド開始待ち時間をセットすればよい。続いて、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放後通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS367)。ステップS367の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS368)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS365の処理により更新後の大入賞口開放回数カウント値が最大値であると判定されるまでは、図4に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。また、ステップS366の処理にてラウンド開始待ち時間を設定することにより、当該ラウンド開始待ち時間が経過するまで図13に示すステップS114の処理にて次回開放待機中となるため(ステップS138;YES)、所望のインターバル期間を置いて次のラウンドを開始させることができる。
ステップS365にて大入賞口開放回数カウント値が最大値であるときには(ステップS365;YES)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS369)。具体的には、遊技制御タイマ設定部153に設けられている大当り終了時演出待ち時間タイマの格納値である大当り終了時演出待ち時間タイマ値のタイマ初期値として、所定の大当り終了時演出待ち時間をセットすればよい。続いて、演出制御基板12に対して当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS370)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS371)、大当り開放後処理を終了する。このように、ステップS369の処理にて大当り終了時演出待ち時間を設定することにより、図4に示すステップS117の処理にて、演出制御基板12の側において実行されるエンディング演出の終了に応じて、図4に示すステップS110の特別図柄通常処理を実行させることができる。
図18は、図4のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S321)。ステップS321の処理では、例えば、大当り開放後処理のステップS369にてタイマ初期値がセットされた大当り終了時演出待ち時間タイマがタイムアウトしたか否か(大当り終了時演出待ち時間タイマ値が0となったか否か)を判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;NO)、図16に示した大入賞口判定処理を実行し(ステップS220)、大当り終了処理を終了する。このように、ステップS115の大当り開放中処理に加え、ステップS117の大当り終了処理においても大入賞口判定処理を実行することにより、入賞上限判定値を超える入賞(オーバー入賞)について好適に検出することができる。
ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;YES)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。具体的には、ステップS322の処理では、確変フラグをオン状態にセットし、確変制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御や高開放制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。具体的には、ステップS323の処理では、時短フラグをオン状態にセットし、時短制御や高開放制御を実行可能な特図ゲームの上限値に相当する初期値(例えば、100回)を時短回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS324)。これにより、パチンコ遊技機1において大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を、演出制御基板12の側に対して通知することができる。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS325)、大当り終了処理の実行を終了する。
なお、大当り終了処理により高開放制御を開始するための設定が行われた場合、普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。一例として、時短フラグがオンである場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の数が、時短フラグがオンでない場合に参照する「普図当り」に割り当てられている決定値(普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データと比較される値)の個数よりも多い、普図表示結果決定テーブルを用いることにより、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるようにしてもよい。また例えば、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも普通図柄の可変表示時間が短くなるようにしてもよい。また、時短フラグがオンである場合には時短フラグがオンでない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図19のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図19に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図20及び図21は、図19のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドを確認することにより、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。大入賞口入賞通知コマンドであるときには(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、大当り中であるか否かを、演出プロセスフラグの値を確認することにより判定する(ステップS502a)。具体的に、ステップS502aの処理では、演出プロセスフラグの値が「4」〜「7」のいずれかである場合に大当り中であると判定すればよい。なお、演出プロセスフラグの値が「5」であるか否かにより判定してもよい。ステップS502にて大当り中でないと判定した場合(ステップS502a;NO)、演出制御用CPU120は、不正な入賞であると認定してエラー報知を行い(ステップS502b)、コマンド解析処理を終了する。ステップS502bの処理では、例えば、警告音を出力したり、エラーメッセージを表示したり、ランプを表示したりすればよい。
ステップS502aにて大当り中であると判定した場合(ステップS502a;YES)、演出制御用CPU120は、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられているオーバー判定用カウンタのカウント値であるオーバー判定用カウント値を1加算するように更新する(ステップS503)。オーバー判定用カウント値は、オーバー入賞であるか否かを判定するために用いられる値である。当該オーバー判定用カウンタはラウンド毎に、後述するステップS510aの処理にてクリアされる。
ステップS503の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、オーバー入賞であるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、例えば、更新後のオーバー判定用カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(図15に示した大当り開放中処理のステップS123の処理にて用いる入賞上限判定値よりも1大きい値。本実施形態では入賞上限判定値は「9」であるためオーバー入賞判定値は「10」)となったか否かを判定すればよい。オーバー入賞でなければ(ステップS504;NO)、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられている大入賞口入賞回数カウンタのカウント値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS504a)。大入賞口入賞回数カウント値は、大当り遊技状態に制御されてから終了するまでの間(1回の大当り)に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。
一方、オーバー入賞であれば(ステップS504;YES)、演出制御用CPU120は、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられているオーバー入賞球数カウンタのカウント値であるオーバー入賞球数カウント値を1加算するように更新する(ステップS504b)。オーバー入賞球数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間(すなわち一のラウンド遊技中)におけるオーバー入賞の数を示すものである。このように、オーバー入賞である場合には、ステップS504aの処理が行われず、大入賞口入賞回数カウント値は加算されない。ステップS504bの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、更新後のオーバー入賞球数カウント値が「3」未満であるか否かを判定する(ステップS505)。オーバー入賞球数カウント値が「3」以上であると判定した場合(ステップS505;NO)、演出制御用CPU120は、不正の入賞の可能性があると認定してエラー報知を行う(ステップS507)。ステップS507の処理では、例えば、警告音を出力したり、エラーメッセージを表示したり、ランプを表示したりすればよい。この実施の形態では、一のラウンド遊技の間に3つ以上のオーバー入賞が発生したことを条件としてエラー報知を行っているが、2つ以上であってもよい。ステップS505にて更新後のオーバー入賞球数カウント値と比較する値は任意に設定可能である。ステップS507の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS504aの処理を実行した後、またはステップS505にてオーバー入賞球数カウント値が「3」未満であると判定した場合(ステップS505;YES)、演出制御用CPU120は、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられている累積入賞球数カウンタのカウント値である累積入賞球数カウント値を1加算するように更新する(ステップS506)。累積入賞球数カウント値は、一旦大当り(初当り)となってから連荘が終了するまで(確変状態および時短状態が終了するまで)に大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである(すなわち、連荘中の入賞回数である)。ステップS506の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。なお、ステップS506の処理では、当該入賞がオーバー入賞であった場合(ステップS505にてYESと判定された場合)に、オーバー入賞したことを報知する演出(例えば音声やメッセージ、ランプ表示など)を行ってもよい。また、累積入賞球数カウント値は、連荘中におけるオーバー入賞も含む連荘中における大入賞口に遊技球が入賞した数を示しているが、これとは別に、有効なオーバー入賞の数のみを累積的にカウントするカウンタを設け、後述する賞球表示処理にて表示してもよい。
ステップS502にて受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでないときには(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。大入賞口開放中通知コマンドであるときには(ステップS508;YES)、大入賞口開放中フラグをセットし(ステップS509)、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられているラウンド回数カウンタのカウント値であるラウンド回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS510)。ラウンド回数カウント値は、ラウンドの実行回数を示すものである。ステップS510の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、オーバー入賞球数カウンタおよびオーバー判定用カウンタをクリアしてオーバー入賞球数カウント値およびオーバー判定用カウント値を「0」に初期化する(ステップS510a)。ステップS510aの実行後、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS508にて受信コマンドが大入賞口開放中通知コマンドでないときには(ステップS508;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS511)。大入賞口開放後通知コマンドであるときには(ステップS511;YES)、大入賞口開放後フラグをセットし(ステップS512)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS511にて受信コマンドが大入賞口開放後通知コマンドでないときには(ステップS511;NO)、図21に示すように、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS515)。当り開始指定コマンドであるときには(ステップS515;YES)、当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS516)。そして、ラウンド回数カウンタおよび大入賞口入賞回数カウンタをクリアして、ラウンド回数カウント値および大入賞口入賞回数カウント値を「0」に初期化し(ステップS516a)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS515にて受信コマンドが当り開始指定コマンドでないときには(ステップS515;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが当り終了指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS517)。当り終了指定コマンドであるときには(ステップS517;YES)、当り終了指定コマンド受信フラグをセットし(ステップS518)、コマンド解析処理を終了する。なお、図示する例では、ステップS516aの処理をステップS516の処理の後に実行する例を示しているが、ステップS518の処理の後に実行するようにしてもよい。
ステップS517にて受信コマンドが当り終了指定コマンドでないときには(ステップS517;NO)、演出制御用CPU120は、その受信コマンドが遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS519)。遊技状態指定コマンドであるときには(ステップS519;YES)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS520)。高確フラグは、例えばRAM122の演出制御フラグ設定部191に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えばRAM122の演出制御フラグ設定部191に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。具体的には、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグを共にオフ状態にする。
ステップS520の処理に続いて、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドに合わせて連荘終了通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS521)。連荘終了通知コマンドは、上述したように、大当りの連荘が終了したことを示すコマンドであり、図12のステップS306の処理にて確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態となったと判定された場合にのみ、ステップS307の処理にて主基板11から送信されるコマンドである。図21に戻り、連荘終了通知コマンドを受信していない場合(ステップS521;NO)、コマンド解析処理を終了する。一方、連荘終了通知コマンドを受信した場合(ステップS521;YES)、演出制御用CPU120は、累積入賞球数カウンタおよび一般入賞口入賞回数カウンタをクリアして、累積入賞球数カウント値および一般入賞口入賞回数カウント値を「0」に初期化する(ステップS522)。このように、ステップS522の処理が行われるまでの期間、すなわち連荘中の期間、累積入賞球数カウント値および一般入賞口入賞回数カウント値はカウントされ続け、連荘が終了すると、当該ステップS522の処理により累積入賞球数カウント値および一般入賞口入賞回数カウント値が初期化される。ステップS522の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS519にて受信コマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS519;NO)、その受信コマンドが一般入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS523)。一般入賞口入賞通知コマンドは、上述したように、大当り中に一般入賞口6Cへ遊技球が入賞したことを示すコマンドであり、図16のステップS227の処理にて主基板11から送信されるコマンドである。一般入賞口入賞通知コマンドであるときには(ステップS523;YES)、RAM122の演出制御カウンタ設定部193に設けられている一般入賞口入賞回数カウンタのカウント値である一般入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(ステップS524)。一般入賞口入賞回数カウント値は、一旦大当り(初当り)となってから連荘が終了するまで(確変状態および時短状態が終了するまで)に一般入賞口6Cに遊技球が入賞した回数を示すものである(すなわち、連荘中の一般入賞口への入賞回数である)。ステップS524の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS523にて受信コマンドが一般入賞口入賞通知コマンドでないときには(ステップS523;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS525)、コマンド解析処理を終了する。
図22は、図19のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。例えば、可変表示開始待ち処理においては、所定の演出制御コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、第1変動開始コマンド、又は、第2変動開始コマンド)を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。例えば、可変表示開始設定処理においては、特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンに応じた演出制御パターン等を決定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、可変表示中演出処理においては、ステップS171の可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて飾り図柄の可変表示等の各種の演出を実行する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。例えば、特図当り待ち処理においては、確定飾り図柄を停止する処理が行われる。大当りとなるときには、ファンファーレ演出を設定する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。ハズレとなるときには、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。例えば、大当り開始処理においては、ファンファーレ演出を実行する処理や、大入賞口が開放状態であるときに実行される開放中演出を設定する処理を行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。例えば、ラウンド中処理においては、開放中演出を実行する処理や、大入賞口が閉鎖状態であるときに実行される閉鎖中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。例えば、ラウンド後処理においては、閉鎖中演出を実行する処理や、最終ラウンドでないときは、開放中演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。最終ラウンドであるときには、エンディング演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。例えば、大当り終了後処理においては、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図23は、図22のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS701)。続いて、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて演出制御パターンを設定する(ステップS702)。即ち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。続いて、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS703)。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた飾り図柄変動時間タイマの格納値である飾り図柄変動時間タイマ値の初期値として、上記変動パターンに応じた飾り図柄変動時間をセットし(ステップS704)、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応する“2”に更新し(ステップS705)、可変表示開始設定処理を終了する。
図24は、図22のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄変動時間タイマ値を1減算し(ステップS710)、飾り図柄変動時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS711)。即ち、飾り図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(飾り図柄変動時間が経過したか否か)を判定する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS711;NO)、可変表示開始設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに応じて可変表示の実行を制御し(ステップS712)、可変表示中演出処理を終了する。飾り図柄変動時間タイマ値が0になったときは(ステップS711;YES)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS173)に対応する“3”に更新し(ステップS713)、可変表示中演出処理を終了する。
図25は、図22のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS720)。図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS720;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS720;YES)、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS721)、確定飾り図柄を停止表示する(ステップS722)。続いて、演出制御用CPU120は、確定飾り図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS723)。確定飾り図柄が大当り図柄でないときは(ステップS723:NO)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS726)、特図当り待ち処理を終了する。
確定飾り図柄が大当り図柄であるときは(ステップS723:YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS730)。即ち、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS730;NO)、特図当り待ち処理を終了する。
当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS730;YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグをクリアする(ステップS731)。続いて、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出を設定し(ステップS733)、演出プロセスフラグの値を大当り開始処理(ステップS174)に対応する“4”に更新し(ステップS734)、特図当り待ち処理を終了する。
図26は、図22のステップS174にて実行される大当り開始処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS741)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS741;NO)、特図当り待ち処理において設定したファンファーレ演出の実行を制御し(ステップS742)、大当り開始処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS741;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS743)、開放中演出の設定を行う(ステップS744)。ステップS744では、例えば、通常開放大当り状態に制御される大当りである場合(すなわち「非確変」または「確変」である場合)には、実行中のラウンドの回数(「1」〜「15」のいずれか)の表示態様を、遊技者にとって容易に認識可能な態様である通常態様(例えばラウンド数を数字にて表示するなど)で表示する(図32参照)設定を行う。一方、短期開放大当り状態に制御される大当りである場合(すなわち「突確」である場合)、ラウンドの実行回数の表示態様を、遊技者にとって容易に認識可能ではない態様である(例えば特殊画像にて表示するなど)特殊態様で表示する(図33参照)設定を行う。すなわち、ステップS744の処理では、通常開放大当り状態に制御される大当りである場合には、実行中のラウンドの回数を通常態様にて表示する設定を行う一方で、短期開放大当り状態に制御される大当りである場合には、通常態様にて表示することを制限する設定を行う。
ステップS744の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、獲得した賞球の数を表示する賞球表示処理の実行を開始する(ステップS745)。なお、この実施の形態では、一旦ステップS745の処理にて賞球表示処理が行われた後は、当該大当り遊技状態が終了するまでの間、獲得した賞球の数が随時更新され表示される(後述する図30のステップS774の処理にて終了する)こととなる。
図27は、図26のステップS745にて行われる賞球表示処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す賞球表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、今回の大当りが「突確」の大当りであるか否かを、例えば主基板11から受信した可変表示結果通知コマンドなどを参照することにより判定する(ステップS747)。今回の大当りが「突確」ではないと判定した場合、すなわち、「非確変」または「確変」の大当りである場合には(ステップS747;NO)、大入賞口入賞回数カウント値に対応した第1情報を更新表示する(ステップS748)。第1情報は、1回の大当りにて獲得可能な賞球(獲得予定賞球)と、当該大当りにて既に獲得済みの賞球(獲得済賞球)を遊技者が認識可能となる情報である。なお、この実施の形態では、遊技球が大入賞口に1つ進入し、カウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、15個の遊技球が賞球として払い出されるため、この実施の形態におけるステップS748の処理では、大入賞口入賞回数カウント値に15を乗じた数字が獲得済賞球として表示される。また、「非確変」または「確変」の大当りでは、ラウンドの上限回数が15回であり、入賞個数カウント値の上限が「9」であることから、この実施の形態におけるステップS748の処理では、入賞個数カウント値の上限である9に15を乗じ、さらにラウンドの上限回数である15を乗じた数字が獲得予定賞球として表示される。なお、この実施の形態では第1情報に獲得予定賞球が含まれる例を示しているが、獲得予定賞球は含まれていなくてもよい。また、第1情報として獲得済賞球および獲得予定賞球を数字で表示する例を示しているが、例えば、メーターで表示したり、キャラクタの数や態様が変化していくよう表示したり、双六のように獲得数が増加する度にスタートからゴールへ進んでいくような表示をしたり、メモリが増加していくような表示をしたりなど、数字を表示することに限られない。獲得済みの賞球および獲得予定の賞球がどの程度であるかを遊技者が認識できる態様で表示されれば任意の態様であってよい。なお、例えば、獲得予定賞球に対して何割の賞球を獲得済みであるかといったように、割合を表示してもよい。
ステップS748の処理を実行した後、または、ステップS747にて「突確」の大当りであると判定した場合(ステップS747;YES)、演出制御用CPU120は、累積入賞球数カウント値、および一般入賞口入賞回数カウント値に対応した第2情報を更新表示する(ステップS749)。第2情報は、連荘中に獲得した賞球を遊技者が認識可能となる情報である。この実施の形態では、上述したように、遊技球が大入賞口に1つ進入し、カウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、15個の遊技球が賞球として払い出され、一般入賞口6Cに進入した1つの遊技球が一般入賞スイッチ24によって検出されたことに基づき、10個の遊技球が賞球として払い出されるため、ステップS749の処理では、累積入賞球数カウント値に15を乗じた値と、一般入賞口入賞回数カウント値に10を乗じた値とを合計した数字が第2情報として表示される。なお、この実施の形態では、第2情報を数字で表示する例を示しているが、数字を表示することに限られない点は第1情報と同様である。連荘中に獲得した賞球がどの程度であるかを遊技者が認識できる態様で表示されれば任意の態様であってよい。
なお、この実施の形態におけるステップS749の処理では、累積入賞球数カウント値に15を乗じた値と、一般入賞口入賞回数カウント値に10を乗じた値との合計を表示する例を示しているが、累積入賞球数カウント値に15を乗じた値と、一般入賞口入賞回数カウント値に10を乗じた値とをそれぞれ別個に第2情報として表示してもよい。これによれば、大入賞口に入賞したことにより獲得した賞球数と一般入賞口6Cに入賞したことにより獲得した賞球数とをそれぞれ認識することができ、遊技状況を把握しやすくすることができる。ステップS749の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、賞球表示処理を終了する。このように、「突確」の大当りである場合には、第1情報は表示されず、第2情報のみ更新表示されることとなる。「突確」の大当りは、上述したように、獲得できる賞球数が少ないため、第1情報を表示することによりかえって遊技興趣を低下させてしまうことを防止することができる。また、「突確」であっても第2情報については更新表示されるため、トータルの獲得賞球数(連荘中に獲得した賞球数)が増加していることを遊技者に認識させることができる。また、上述したように、この実施の形態では、一旦賞球表示処理が実行されると、後述する図30のステップS774の処理が行われるまでの間、継続して当該賞球表示処理が実行される。したがって、各種カウント値が更新される度にステップS748およびステップS749の処理により第1情報や第2情報が更新表示されることとなる。なお、大当り毎に第1情報や第2情報の表示態様が異なっていてもよい。また、第1情報や第2情報は、更新表示される度に表示態様が変化してもよい。この場合、ステップS748やステップS749の処理にて複数の表示態様のうちからいずれの表示態様で表示するかを決定すればよい。
図26に戻り、ステップS745の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS745)、大当り開始処理を終了する。
図28は、図22のステップS175にて実行されるラウンド中処理の一例を示すフローチャートである。図28に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS751)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する。
大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後フラグをクリアし(ステップS753)、閉鎖中演出を設定し(ステップS754)、演出プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS176)に対応する“6”に更新し(ステップS755)、ラウンド中処理を終了する。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS751;NO)、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられているラウンド回数カウンタの格納値であるラウンド回数カウント値が最終ラウンドを示す15であるか否かを判定する(ステップS751a)。
ラウンド回数カウント値が15のときは(ステップS751a;YES)、演出制御用CPU120は、最終ラウンドであることを報知するための演出である最終ラウンド報知演出の実行を制御する(ステップS751b)。例えば、演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対して、最終ラウンド報知音の出力指令を出力する。音声制御基板13は、この指令に応じて、スピーカ8L、8Rから最終ラウンド報知音を出力させるための音声信号処理を実行する。
ステップS751bにおける最終ラウンド報知演出の実行制御の後、又は、ラウンド回数カウント値が16でないときは(ステップS751a;NO)、演出制御用CPU120は、大当り開始処理において設定した開放中演出の実行を制御し(ステップS752)、ラウンド中処理を終了する。
図29は、図22のステップS176にて実行されるラウンド後処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS760)。即ち、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS760;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS761)。即ち、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS761;NO)、ラウンド中処理において設定した閉鎖中演出の実行を制御し(ステップS762)、ラウンド後処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS761;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS763)、図26のステップS744と同様に開放中演出を設定し(ステップS764)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS765)、ラウンド後処理を終了する。
一方、当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS760;YES)、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS766)、エンディング演出を設定する(ステップS767)。ステップS767の処理では、例えば、当該大当りにて獲得した賞球数を目立たせるように、第1情報をラウンド中よりも大きく表示したり、第1情報に対しエフェクト表示を行ったりした後、これまで(連荘中)に獲得した賞球数を目立たせるように、第2情報をラウンド中よりも大きく表示したり、第2情報に対しエフェクト表示を行ったりする獲得情報注目表示演出の設定を行う。続いて、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられたエンディング演出時間タイマの格納値であるエンディング演出時間タイマ値の初期値として、所定のエンディング演出時間をセットし(ステップS768)、演出プロセスフラグの値を大当り終了後処理(ステップS177)に対応する“7”に更新し(ステップS769)、ラウンド後処理を終了する。
図30は、図22のステップS177にて実行される大当り終了後処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り終了後処理において、演出制御用CPU120は、まず、エンディング演出時間タイマ値を1減算し(ステップS770)、エンディング演出時間タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS771)。即ち、エンディング演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(エンディング演出時間が経過したか否か)を判定する。エンディング演出時間タイマ値が0になっていないときは(ステップS771;NO)、ラウンド中処理において設定したエンディング演出の実行を制御し(ステップS772)、大当り終了後処理を終了する。ステップS772の処理では、図29のステップS767にて設定された獲得情報注目表示演出が実行され、第1情報が目立たつような態様で表示された後、第2情報が目立つような態様で表示されることとなる。したがって、遊技者の獲得賞球数の確認漏れを防止することができる。
エンディング演出時間タイマ値が0になったときは(ステップS771;YES)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS773)、図26のステップS745の処理にて開始した賞球表示処理の実行を終了してから(ステップS774)、大当り終了後処理を終了する。すなわち、大当りの終了に合わせて、第1情報と第2情報の表示は消去される。
図31は、オーバー入賞を説明するための説明図である。図31(A)、図31(B)では左側から右側へと時間が流れている。図31(A)は、10回目のラウンド(ラウンド10)及び11回目のラウンド(11ラウンド)における、大当り遊技状態における大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を表している。10ラウンドと11ラウンドの期間においては、大入賞口が開放状態となり、10ラウンドと11ラウンドとの間の期間(インターバル期間)においては、大入賞口が閉鎖状態となる。なお、インターバル期間は、連続する2つのラウンド遊技の間の中断期間であるが、アタッカー入賞及びオーバー入賞については、先のラウンド遊技の期間とともに、一の開放遊技に含まれる。即ち、10ラウンドにおけるアタッカー入賞及びオーバー入賞は、10ラウンドの後のインターバル期間におけるアタッカー入賞及びオーバー入賞が含まれる。
図31(B)は、図31(A)の場面における、カウントスイッチ23のオン状態(遊技球の検出)/オフ(遊技球の非検出)を表している。つまり、図31(B)は、図31(A)の場面における大入賞口への遊技球の入賞の様子を表している。それぞれのオン状態に付した数字は、大入賞口入賞回数カウント値(当該ラウンドの何個目の入賞であるか)を表している。すなわち、図示する例では、入賞上限判定値である9個目の入賞がカウントスイッチ23で検出されると大入賞口が閉鎖状態となるが、9個目の入賞時に10個目も続けて入賞し、閉鎖状態となった以後にカウントスイッチ23で10個目の入賞(オーバー入賞)が検出された例を示している。そして、11ラウンドが開示され、再びカウントスイッチ23で遊技球が検出されると、当該入賞を1個目の入賞とする。
図32は、図31に示す場面における演出動作例を示している。具体的には、2連荘目の大当り(通常開放大当り状態)である場合の演出動作例である。図32(a)に示すように、通常開放大当り状態では、図27の賞球表示処理にて、第1情報および第2情報が表示される。そして、大入賞口への9個目の入賞が発生すると、図27の賞球表示処理にて、図32(b)に示すように、第1情報および第2情報が更新表示される。ここで、9個目の入賞球は入賞上限判定値であることから、大入賞口は閉鎖状態となる(図31参照)が、上述したように、9個目の入賞時に10個目も続けて入賞し、閉鎖状態となった以後にカウントスイッチ23で10個目の入賞(オーバー入賞)が検出されると(オーバー入賞が発生すると)、図20のステップS504aの処理が行われず、大入賞口入賞回数カウント値が加算されないため(ステップS506にて累積入賞球数カウント値のみ加算されるため)、図32(c)に示すように、第2情報のみ更新表示されることとなる。このように、オーバー入賞に基づいて付与された賞球に関する情報が第1情報には反映されないため、表示のずれを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。また、例えば、第2情報が特定の数値(例えば5000、10000など)に到達したタイミングでその旨を報知する演出を行ってもよい(ランプ表示や音声出力、メッセージ表示など)。また、当該報知をエンディング演出にて行ってもよい。また、オーバー入賞が発生した場合の第2情報の更新表示を、オーバー入賞が発生していない場合と異なる態様により行ってもよい(例えば更新の際に表示を点滅させるなど)。
図33は、「突確」である場合における演出動作例を示している。図27の賞球表示処理により、「突確」の大当りである場合には、第1情報は表示されず、第2情報のみ表示されることとなる。そのため、図33に示す例では、第2情報のみ更新表示される。図33(a)に示すように、「突確」の大当り遊技状態に制御されると、図26のステップS744にて設定された特殊態様にてラウンドの実行回数を表示する。すなわち、図32に示すように「ROUND 10」といった通常態様による表示が制限され、特殊態様としての特殊画像(図33に示す例では星形の画像)が表示される。そして、上述したように、「突確」のような短期開放大当り状態では、大入賞口を開放状態とする期間が大入賞口に少なくとも遊技球が1球入賞することが可能な程度の期間であって、この実施の形態では1.8秒間となっている。そのため、遊技球が大入賞口に1個入賞するのみで当該ラウンドが終了することとなり、図33(b)に示すように特殊態様にて表示されているラウンドの実行回数が更新表示される。また、第2情報が更新表示される。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)演出制御用CPU120は、図20のステップS504の処理によりオーバー入賞であるか否かを判定し、オーバー入賞でない場合には第1情報として表示される情報となる大入賞口入賞回数カウント値および第2情報として表示される情報となる累積入賞球数カウント値を加算する一方で(ステップS504aおよびステップS506)、オーバー入賞である場合には、大入賞口入賞回数カウント値を加算せずに累積入賞球数カウント値のみ加算する(ステップS506)。したがって、オーバー入賞に基づいて付与された賞球に関する情報が第1情報には反映されないため、表示のずれを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。
(2)演出制御用CPU120は、図27のステップS747にて「突確」の大当りであると判定した場合、ステップS748の処理を行わず、ステップS749の処理を行うことで、第1情報の表示を行わない。したがって、賞球の期待値の少ない第2有利状態(「突確」の大当り)において第1情報を表示することによりかえって興趣を低下させてしまう、といったことを防止できる。
(3)また、演出制御用CPU120は、図27のステップS747にて「突確」の大当りであると判定した場合、ステップS748の処理を行わず、ステップS749の処理を行うことで、第1情報の表示を行わない一方で第2情報の更新表示を行う。したがって、連荘中におけるトータルの賞球数が増加していることを遊技者に認識させることができる。
(4)演出制御用CPU120は、一般入賞口6Cへの入賞に基づいて、図21のステップS524により一般入賞口入賞回数カウント値が加算され、図27のステップS749の処理にて第2情報として表示される。したがって、第1情報として更新表示されない(すなわち当該一般入賞回数カウント値は第1情報へ反映されない)ことから、一の大当りに対する賞球について正確に表示することができる。
(5)演出制御用CPU120は、例えば図26のステップS744の処理において、通常開放大当り状態に制御される大当りである場合には、実行中のラウンドの回数を通常態様にて表示する設定を行う一方で、短期開放大当り状態に制御される大当りである場合には、通常態様にて表示することを制限する設定を行う。短期開放のラウンドにおいて賞球として少量の出玉は獲得可能ではあるが、長期開放のラウンドと同じ表示を行うと、1ラウンド当たりの賞球の少なさが顕著になり遊技者に損した感情を与えてしまうおそれがあった。そこで、短期開放大当り状態に制御される大当りである場合には、通常態様にて表示することを制限することにより、遊技者に損した感情を与えることを抑制することができる。
(6)演出制御用CPU120は、図20のステップS505にてオーバー入賞球数カウント値が「3」以上であると判定した場合、累積入賞球数カウント値に加算せずに、ステップS507の処理により演出制御用CPU120は、不正の入賞の可能性があると認定してエラー報知を行う。したがって、不正の可能性がある入賞に対する表示を行うことを防止することができる。
(7)また、演出制御用CPU120は、図27のステップS748の処理により、当該大当りにて既に獲得済みの賞球(獲得済賞球)に加え、1回の大当りにて獲得可能な賞球(獲得予定賞球)を遊技者が認識可能となる態様で表示する。したがって、一の大当りに対する賞球について正確に表示することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、大当り種別として、通常開放大当り状態となる「非確変」の大当りと「確変」の大当り、短期開放大当り状態となる「突確」の大当りが設定された例を示したが、これは一例である。例えば、「1」〜「15」のラウンドのうち、「1」〜「10」のラウンドを通常開放大当り状態とし、「11」〜「15」のラウンドを短期開放大当り状態となる大当り種別があってもよい。このような大当り種別では、「11」〜「15」のラウンドでは短期開放大当り状態となるため、獲得賞球が減少する(短期開放大当り状態では上述したように1球しか入賞しないため)。したがって、実質10ラウンドの大当りということができる。
図34は、このような実質10ラウンド大当りとなった場合における演出動作例を示している。実質10ラウンド大当りとなると、図34(a)に示すように、通常開放大当り状態である場合と同様に、第1情報および第2情報が更新表示される。また、ラウンドの実行回数の表示態様についても、通常開放大当り状態である場合と同様に通常態様で表示される。そして、図34(b)に示すように、通常開放大当り状態としての最終ラウンドである10ラウンドまで、ラウンドの実行回数の表示態様が通常態様で表示される。そして、短期開放大当り状態である11ラウンドとなると、図34(c)に示すようにラウンドの実行回数の表示態様が特殊態様となり、通常態様での表示が制限される。その後、当該大当りが終了するまで通常態様での表示は制限され、特殊態様で更新表示される。なお、図示する例では、短期開放大当り状態である11ラウンド目以降においても第1情報および第2情報が更新表示される例を示しているが、第2情報のみ更新表示し、第1情報を消去してもよい。また、短期開放大当り状態である11ラウンド目に突入したタイミングで第1情報を他の態様で表示するよう表示態様を変更してもよい。また、実質10ラウンド大当りの場合、1ラウンド目から第2情報のみを更新表示してもよい。
また、上記実施の形態では、短期開放大当り状態では第2情報のみ表示し、第1情報の表示は行わない例を示したが、例えば、第1情報を第2情報に比べて小さく表示したり、背景と同色で表示するなど、遊技者にとって認識し難い態様で表示してもよい。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間において第1情報および第2情報が表示される例を示したが、第2情報については、時短状態または確変状態に制御されている期間中は大当り遊技状態が終了しても表示されてよい。この場合、図20のステップS502aの処理において、大当り中ではないと判定した場合にはステップS506の処理を実行することがないため、時短状態または確変状態において表示されている第2情報は、例え大入賞口に遊技球が入賞しても更新表示されない。また、ステップS502bの処理において、エラー報知が行われる。したがって、不正の可能性がある入賞に対する表示を行うことを防止することができる。なお、時短状態または確変状態に制御されている期間中における第2情報の表示については、大当り遊技状態に制御されている期間よりも小さく表示するなど、異なる態様により表示してもよい(大当り中か否かで態様を変化させてもよい)。上記実施の形態では、大当り中における一般入賞口6Cへの入賞をカウントする例を示したが、時短状態または確変状態における一般入賞口6Cへの入賞もカウントし、第2情報として更新表示してもよい。さらに、上記実施の形態では、大当り中における一般入賞口6Cへの入賞をカウントしたが、この他にも、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞についてもカウントしてもよいし、時短状態または確変状態における第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞についてもカウントしてもよい。例えば、大当り中は、一般入賞口6Cへの入賞と第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞をカウントする一方で、時短状態または確変状態では、一般入賞口6Cへの入賞のみをカウントしてもよい。これによれば、賞球の増加をより精度よく認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、通常開放大当り状態に制御されるか短期開放大当り状態に制御されるかに関わらず、入賞上限判定値が「9」であり、10個目の入賞からオーバー入賞となる例を示したが、これは一例である。例えば、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を、第1特別可変入賞球装置、第2特別可変入賞球装置、といったように2つ設け、通常開放大当り状態に制御される場合には、入賞上限判定値を「9」として第1特別可変入賞球装置を開放状態に制御し、短期開放大当り状態に制御される場合には、入賞上限判定値を「1」として第2特別可変入賞球装置を開放状態に制御するなど、通常開放大当り状態に制御されるか短期開放大当り状態に制御されるかによって、開放状態となる大入賞口および入賞上限判定値が異なるようにしてもよい。この場合、短期開放大当り状態に制御される場合には、第2情報のみ更新表示されるが、入賞上限判定値が「1」であるため、2個目の入賞からオーバー入賞となる。したがって、このような構成によれば、短期開放大当り状態におけるオーバー入賞についても第2情報として更新表示することができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。また、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機であって、前記有利状態の終了後に特別状態(例えば時短状態や確変状態など)に制御可能な状態制御手段と、遊技媒体が入賞可能な第1状態(例えば開放状態など)と、遊技媒体が入賞困難または不可能な第2状態(例えば閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(例えば特別可変入賞球装置7など)と、前記有利状態において、所定期間(例えば図14(B)に示した16.2秒など)が経過すること、または遊技媒体が上限数(例えば9個など)入賞することの少なくともいずれかが成立するまで前記可変入賞手段を前記第1状態に変化させることが可能な開放遊技(例えば、大当り遊技状態におけるラウンド遊技など)を所定回実行する可変入賞制御手段(例えばステップS139の処理やステップS127の処理を行う演出制御用CPU120など)と、前記有利状態において前記可変入賞手段に遊技媒体が入賞したことに基づいて賞球を付与する賞球付与手段(例えば所定個数(例えば15個)の遊技球を賞球として払い出すCPU103など)と、一の有利状態において付与された賞球に関する第1情報と、一旦前記有利状態に制御されてから前記特別状態が終了するまでに制御された前記有利状態にて付与された賞球に関する第2情報と、を、前記有利状態中に表示可能な表示制御手段(例えばステップS745の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、前記表示制御手段は、一の前記開放遊技において遊技媒体が前記上限数を超えて前記可変入賞手段に入賞したこと(例えばオーバー入賞したこと)に基づいて付与された賞球に関する情報を前記第2情報へ反映させる一方で、前記第1情報へ反映させることを制限し(例えばステップS504にてオーバー入賞であると判定された場合にはステップS504aの処理を行わずステップS506の処理を実行するなど)、さらに、前記有利状態に制御されることを報知する報知演出(バトル演出等)を実行する報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)と、遊技者が操作可能な操作手段(プッシュボタン90120等)と、前記操作手段の態様を第1態様(通常状態等)と第2態様(振動状態等)とに制御可能な態様制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、前記態様制御手段は、前記操作手段の態様を前記報知演出が開始された後の第1タイミング(図39に示すライフゲージ0となる第1タイミング等)において前記第1態様(通常状態等)から前記第2態様(振動状態等)に制御し、特定期間経過後(図39に示す連打有効期間および必須振動期間の経過後等)に前記第2態様(振動状態等)から前記第1態様(通常状態等)に制御し、前記第1態様(通常状態等)となった後の第2タイミング(図39に示す敵にヒットする第2タイミング等)において前記第2態様(振動状態等)に制御可能である遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、オーバー入賞に基づいて付与された賞球に関する情報が反映されないため、表示のずれを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。また、遊技者にとって有利な有利状態を報知する報知演出の際に、操作手段の態様を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、報知演出と操作手段を第2態様にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
また、上記遊技機において、第2情報を報知演出中にも表示可能としてもよい。このような構成によれば、報知演出によって有利状態に制御されることが報知され、さらに賞球が付与されることに対する意欲を高めることができる。
さらに、表示のずれを防止して遊技興趣の低下を防止することができ、また、有利状態を報知する報知演出の際に、操作手段の態様を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、前記有利状態に制御されることを報知する報知演出(バトル演出等)を実行する報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)と、遊技者が操作可能な操作手段(プッシュボタン90120等)と、前記操作手段の態様を第1態様(通常状態等)と第2態様(振動状態等)とに制御可能な態様制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、前記態様制御手段は、前記操作手段の態様を前記報知演出が開始された後の第1タイミング(図47に示すライフゲージ0となる第1タイミング等)において前記第1態様(通常状態等)から前記第2態様(振動状態等)に制御し、特定期間経過後(図47に示す連打有効期間および必須振動期間の経過後等)に前記第2態様(振動状態等)から前記第1態様(通常状態等)に制御し、前記第1態様(通常状態等)となった後の第2タイミング(図47に示す敵にヒットする第2タイミング等)において前記第2態様(振動状態等)に制御可能である遊技機が挙げられる。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図35はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図38参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図38参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図38参照)が設けられていればよい。図35に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図38参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図38参照)が内蔵されている。ここで、後述する報知演出等が実行されるときには、バイブレータ用モータ90126によりプッシュボタン90120やスティックコントローラ90122が振動する演出が実行される。また、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122の振動は、打球操作ハンドル905まで伝わる構造となっている。このようにすれば、報知演出と打球操作ハンドル905まで伝わる振動との組合せにより演出効果を一層高めることができる。なお、打球操作ハンドル905までより振動が伝わるように、打球操作ハンドル905の近傍(あるいは打球操作ハンドル905内部)にバイブレータ用モータ90126等の振動を発生させるための機構を設けるようにしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図35に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、遊技枠の上部には、遊技枠に設けられた軸90290(図36参照)に対して回転することで当該遊技枠から突出可能な可動体としての第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rが設けられている。遊技者から向かって左側の第1上部役物9029Lは、第1上部役物モータ9030L(図38参照)によって回転動作することが可能であり、遊技者から向かって右側の第2上部役物9029Rは、第2上部役物モータ9030R(図38参照)によって回転動作することが可能である。以下では、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとを上部役物と総称することがある。
第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、回転角度を段階的に調整可能である。また、第1上部役物9029Lの内部には第1上部LED9029Aが設けられており、第1上部役物9029Lの回転角度によらず同一の輝度で発光する。また、第2上部役物9029Rの内部には第2上部LED9029Bが設けられており、第2上部役物9029Rの回転角度によらず同一の輝度で発光する。このように、発光手段としての第1上部LED9029A,第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するので、発光手段の制御の複雑化を防止することができる。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図36は上部役物の動作を説明するための図である。図36においては、遊技者から向かって右側面におけるパチンコ遊技機901の様子を示している。第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転角度を段階的に調整可能である。たとえば、図36(a)〜(d)に示すように、上部役物の回転角度は、0度、45度、60度、90度の4段階に調整可能である。上部役物の動作は、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。たとえば、回転角度が45度に設定されている場合には、後述する上部役物演出の実行時に、0度から45度に向けて上部役物が動作し、上部役物演出が終了すると上部役物が最初の0度の位置に戻る。また、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するように、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。
図36(a)は、遊技枠に対して上部役物が全く突出しない回転角度である0度に設定されているときの様子を示している。図36(a)では、上部役物の回転角度が0度に設定されているため、上部役物が動作することはなく、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者へ届くこともない。なお、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技枠の隙間から漏れるような演出を実行してもよい。また、上部役物の回転角度がある0度の場合には、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bが発光しないように制御してもよい。
図36(b)は、遊技枠に対して上部役物が45度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者に届くが、輝度が同じであっても発光面が少ないので遊技者に届く光は、60度や90度の場合と比べて少ない。図36(c)は、遊技枠に対して上部役物が60度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bから遊技者に届く光は、45度の場合と比べて多い。
図36(d)は、上部役物が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度に設定されているときの様子を示している。このとき、発光面が最も大きくなるので、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからは最も多くの光が届く。
図36に示すように、上部役物の回転角度を段階的に調整可能であるので、上部役物の回転角度を無段階で調整することによる制御の複雑化を防止することができる。
ここで、図36(b)〜(d)において、上部役物の回転角度によって上部役物の動作速度は異なるように制御される。具体的には、上部役物の回転動作は、45度<60度<90度の順に回転速度が速くなる。このように、上部役物の回転角度によって回転速度を異ならせることにより上部役物が動作されるときに実行される演出の演出時間を共通化することができる。
図37は当り種別表である。図37の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図37に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図38は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図38には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第1上部役物モータ9030Lを駆動して第1上部役物9029Lを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第2上部役物モータ9030Rを駆動して第2上部役物9029Rを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、ランプドライバ基板9035を介して遊技枠の上部に設けられた第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bの表示制御を行なう。なお、演出制御用CPU90101は、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとについて同じ制御をするのではなく、別々の制御をするようにしてもよい。たとえば、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとの回転角度や光量を別々に変更できるようにしてもよい。また、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとを交互に動作させたり、交互に光らせたりする演出を実行してもよい。
図39は、各乱数を示す説明図である。図39においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図40は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図40(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図40(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図40(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図40(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図40(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図40(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図40(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図40(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図40(B)、および、図40(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図40(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図40(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図40(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図40(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図40(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図40(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図40(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図40(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図40(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図41を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図41は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図41には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図41(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図41に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図41の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図41の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図41(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図41のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図41(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図41(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図41のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図41(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図41(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図41(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図41(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図41(a),図41(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図41(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図41(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図41(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図41(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図41(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図41(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図41(a)および図41(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図41(c)および図41(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図41(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図41(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図42は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図42に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図42のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図41に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(RAMクリアによる初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(RAMクリアではない停電等による再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理時(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図43は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図43に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図44は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図45は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。その後、遊技枠の上部に取り付けられた上部役物の動作態様を設定する上部役物設定処理を実行する(S90708)。そして、S90702の処理へリターンする。上部役物設定処理は、電源投入後、S90701からS90707の処理後に、演出制御用CPU90101によって実行される処理であり、遊技枠上部に取り付けられた第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度(開閉角度)を設定する処理である。上部役物の回転角度は複数段階(たとえば、0度、45度、60度、90度など)設けられており、その中から任意に選択した一つの角度を設定できるようになっている。
ここで、初期状態(最初に電源投入した場合やRAMクリアによる電源投入の場合)においては、上部役物の回転角度が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度よりも突出しない角度(たとえば、45度)になるように制御される。このようにすれば、調整をしていない場合であっても上部役物が他の物体と当接することを防ぐことができる。
上部役物の角度を設定する設定画面は、RAM9055をクリアしたときの電源投入が実行され、動作確認のための初期動作として各役物のイニシャル動作が実行された後に表示される。演出制御用CPU90101は、イニシャル動作を実行する際に、各役物の近くに設けられた検出手段としての役物用センサからの検出信号に各役物が初期位置に存在するか否かを判定する。一方、RAM9055をクリアせずに電源を投入した場合には、上部役物の設定はなされない。したがって、演出制御用CPU90101は、図42に示された初期化指定コマンドを受信した場合には、上部役物設定期間であると判定し、初期化指定コマンドを受信していない場合(停電復旧指定コマンドを受信した場合)には、上部役物設定期間ではないと判定する。
上部役物設定処理においては、設定された角度に応じて、第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度・回転速度が設定されるので、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転する上部役物を動作させつつ、上部役物が遊技機に隣接する別の遊技機の遊技枠や上部に配置されるデータランプ等の他の物体と当接することを防ぐことができる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、第1上部役物9029L,第2上部役物9029R、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図46は、図45に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[報知演出について]
次に、この実施の形態で実行される各種の演出について説明する。この実施の形態では、演出制御用CPU90101によって遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御されることを報知する報知演出が実行される。報知演出には、キャラクタ同士が戦って味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると大当りとなることが報知されるバトル演出、所定のストーリーが継続して最終段階まで到達すると大当りとなることが報知されるストーリー演出、所定のキャラクタにより大当りとなることが報知されるキャラクタ演出がある。なお、報知演出にはこれら以外の演出が設けられていてもよく、各演出が複数種類設けられていてもよい。
以下では、報知演出の中でも特にバトル演出について具体的に説明する。また、バトル演出において、味方キャラクタが勝利することで大当り表示結果となることが確定し、味方キャラクタが敗北(敵キャラクタが勝利)することではずれ表示結果となることが確定する。以下、図47,図48においては、味方キャラクタが勝利する大当りとなる場合について説明する。また、このようなバトル演出等の報知演出は、確変状態中において実行される。なお、報知演出が確変状態中ではなく通常の遊技状態中に実行されるようにしてもよい。
[ボタンの態様について]
バトル演出が実行される際に、演出制御用CPU90101によって遊技者が操作可能な操作手段としてのプッシュボタン90120(以下、単にボタンとも称する)の態様が変化する。演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120は、バイブレータ用モータ90126を制御することにより、プッシュボタン90120の態様を第1態様と第2態様とに変化させる。第1態様はプッシュボタン90120が停止している通常状態を示し、第2態様はプッシュボタン90120が振動している振動状態を示している。バトル演出中には、プッシュボタン90120の態様が通常状態と振動状態とに変化する。たとえば、バトル演出では、プッシュボタン90120が通常状態から振動状態に変化するタイミングとして、第1タイミング、第2タイミング、第3タイミングの3つのタイミングが設けられている。
[報知演出とボタンの態様との関係について]
図47は、報知演出とボタンの態様との関係を示すタイミングチャートである。報知演出としてのバトル演出は、変動表示が開始されリーチとなった後のタイミングで実行される。図47では、バトル演出における各演出の実行タイミングおよびボタンの態様が示されている。バトル演出の開始タイミングである時刻t1では、ボタンの態様は通常態様である。時刻t1からプッシュボタン90120への連打操作が有効に検出される連打有効期間が最大で10秒設定されている。
遊技者が連打有効期間内に連打操作を実行した回数が所定回数に到達すると、時刻t2において敵キャラクタのライフゲージが0となる。このライフゲージが0となる第1タイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態に制御される。振動状態は、敵キャラクタに最後の一撃を与える最後の一撃演出が実行される時刻t3まで継続する。連打有効期間内に連打操作の回数が所定回数に到達しなかった場合や連打操作を実行しなかった場合であっても、最後の一撃演出の3秒前からは必須振動期間として3秒間プッシュボタン90120が通常状態から振動状態に制御される。
振動状態となっていたプッシュボタン90120は、時刻t3となった後に、2秒間通常状態に制御される。その後、時刻t4となる敵に攻撃がヒットする第2タイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態に制御される。ここで、最後の一撃演出の時刻t3から敵に攻撃がヒットするまでの時刻t4の間は、遊技者のプッシュボタン90120への操作が検出される操作有効期間である。この操作有効期間中に遊技者の動作が検出されたとしても、プッシュボタン90120の態様は振動状態とはならず、演出画面上で敵に攻撃がヒットする第2タイミングにおいて振動状態となる。また、操作有効期間中にプッシュボタン90120が操作されなかった場合には、時刻t4において図48(d)から図48(e)へと画面が切り替わるとともにプッシュボタン90120が振動状態となる。このようなプッシュボタン90120の振動状態は、時刻t4から5秒間継続する。その後、時刻t5となる敵が倒れるタイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が振動状態から通常状態に制御される。プッシュボタン90120の通常状態は時刻t5から3秒間継続する。
その後、時刻t6となる勝利表示がされる第3タイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態に制御される。プッシュボタン90120の振動状態は時刻t6から5秒間継続する。時刻t6となる勝利表示のタイミングでプッシュボタン90120の態様を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることが再度報知される。そして、時刻t7となる変動表示の停止タイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態から通常状態に制御される(図示省略)。また、時刻t7の後に遊技状態が大当り遊技状態へと制御される。
このように、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態を報知する報知演出の1つであるバトル演出の際に、プッシュボタン90120の態様が多様なタイミングで変化することで、プッシュボタン90120を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、バトル演出とプッシュボタン90120を振動状態にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
また、第1タイミング経過後と第2タイミング経過後とでは、振動状態に制御される期間が異なる。よって、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
また、図47に示す連打有効期間および必須振動期間のうち連打有効期間は、最大10秒間の間で可変する期間である。また、図47に示すように、敵にヒットするタイミングの第2タイミングにおいて振動状態に制御された後の期間は、5秒の不可変の期間である。このように、バトル演出において、可変する期間と不可変の期間とを備えることで、演出の幅を広げることができる。
また、図47に示すように、第1タイミング経過後の振動期間と必須振動期間3秒とを合わせた期間振動状態に制御され、第2タイミング経過後の5秒の期間振動状態に制御される。また、第2タイミングから5秒の振動期間経過後にプッシュボタン90120の態様を通常状態に制御し、通常状態となった後の勝利表示の第3タイミングにおいて振動状態に制御する。また、第3タイミングにおいてプッシュボタン90120の態様を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることを報知する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間およびタイミングとの組合せにより、好適に演出を実行させることができる。また、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知することができる。
次に、図47において説明した報知演出とボタンの態様との関係について、報知演出であるバトル演出が実行されるときの演出表示装置909の表示画面により説明する。図48は、報知演出とボタンの態様との関係を示す演出図面である。図48(a)〜(h)に示すように、バトル演出はこの順番に実行され、時刻t1〜t7は、図47の時刻t1〜t7に対応するタイミングにおける演出画面を示している。また、図48(a)〜(h)の各図面の右側の表示は、各演出画面でのプッシュボタン90120の態様を示す図である。
演出表示装置909において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄9091〜9093は、画面中央部で変動表示が開始される。変動表示においてバトル演出が実行されるときには、図48(a)に示すように、演出図柄がリーチ表示態様(左,右演出図柄が同じ図柄で揃い、中演出図柄が変動中である表示態様)となったタイミングで、演出図柄9091〜9093が画面隅部に移動して縮小表示され、バトル演出が開始される。
図48(a)に示すように、時刻t1においてバトル演出が開始されるときには、味方キャラクタ9094と敵キャラクタ9095とが登場し、「バトル」というような、バトル演出を特定する文字が表示される。また、画面の右側に敵キャラクタ9095のライフ(耐久力)をレベル表示するライフゲージ9099が表示される。また、遊技者によるプッシュボタン90120の操作を促進する操作促進演出として、プッシュボタン90120を模したボタン画像9098が表示されるとともに、ボタン画像9098に対応して「連打」という文字により連打操作を実行することが示唆される。バトル演出が開始されるときのプッシュボタン90120の態様は通常状態である。
図48(b)に示すように、操作有効期間内(10秒間)に遊技者によるプッシュボタン90120の連打操作がプッシュセンサにより検出されると、味方キャラクタ9094が敵キャラクタ9095に対して攻撃する演出が実行される。そして、味方キャラクタ9094の攻撃に伴って敵キャラクタ9095のライフゲージ9099が減少する。連打有効期間中のプッシュボタン90120の態様は通常状態である。なお、有効期間の始めは少ない回数(たとえば2回)の連打操作によりライフが減少するが、有効期間が後になるに連れて多い回数(たとえば3回)を連打操作しなければライフが減少しないようにすればよい。このようにすれば、連打操作によりすぐにライフゲージ9099が0となってしまうことを防ぐことができる。
次いで、図48(c)に示すように、連打操作が規定回数(たとえば30回)に到達した時刻t2においてライフゲージ9099が0となる。また、ライフゲージ9099が0となるときに敵キャラクタ9095が味方キャラクタ9094の攻撃により飛び上がる演出が実行される。そして、ライフゲージ9099が0となるときにプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。このような図48(c)に示すライフゲージ9099が0となる態様となる第1タイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることによって、大当りが確定したことが報知される。プッシュボタン90120は、連打有効期間の残りの期間および必須振動期間である3秒の間、継続して振動状態となる。なお、図48(b)に示す有効期間内に連打操作が実行されなかった場合や連打操作が有効期間内に規定回数まで到達しなかった場合には、有効期間の経過後に図48(c)の画面となる。そして、図48(c)の画面となったタイミングにおいて、必須振動期間である3秒間の間、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。
必須振動期間3秒が経過後の時刻t3において図48(d)に示す、最後の一撃演出が実行される。最後の一撃演出では、「一撃で決めろ」の文字とともにボタン画像9098に対応して「一撃」という文字によりプッシュボタン90120を1回押す操作を実行することが示唆される。一撃演出中のプッシュボタン90120の態様は通常状態である。一撃演出中にプッシュボタン90120を押すと味方キャラクタ9094が最後の一撃を敵キャラクタ9095に浴びせる演出が実行される(図示省略)。最後の一撃演出が実行される2秒間は、プッシュボタン90120の態様が通常状態に保たれる。
最後の一撃が敵にヒットする図48(e)に示す時刻t4のタイミングにおいて画面が激しく光る演出が実行されるとともにプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。このとき画面上ではボタン画像9098が表示されていないがプッシュボタン90120は振動状態に制御される。プッシュボタン90120の振動状態は、5秒間継続する。その後、振動状態が5秒間経過後の時刻t5において、敵キャラクタ9095が倒れる演出が実行される。このとき、プッシュボタン90120の態様が振動状態から通常状態へと変化する。プッシュボタン90120の通常状態は、3秒間継続する。なお、時刻t4のタイミングにおいてボタン画像9098が表示されているようにしてもよい。
時刻t5においてプッシュボタン90120が3秒間通常状態に制御された後は、図48(g)に示すように、味方キャラクタがピースをして敵キャラクタに勝利したことを示す勝利表示の画面が表示される。このとき画面上ではボタン画像9098が表示されていないが、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化する。プッシュボタン90120の振動状態は、5秒間継続する。このような勝利表示と振動状態とにより大当りとなることが再度報知される。そして、振動状態が5秒間継続した後、図48(h)に示すように、左,中,右の演出図柄9091〜9093が、画面中央部で大当り表示結果の組合せで変動表示を停止する。変動表示を停止するタイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が振動状態から通常状態へと変化する。その後、遊技状態が大当り遊技状態へと移行する。
図48(c)に示すように、敵のライフゲージ9099が0となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることで大当りとなることが報知される。また、図48(e)に示す敵にヒットする態様となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となる。このようにすれば、大当り遊技状態となることを報知した後に、さらにバトル演出の演出展開に合わせてプッシュボタン90120を振動状態となる。よって、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知し、バトル演出の演出効果を一層高めることができる。
また、図48(c)に示すように、第1タイミングにおいては、ボタン画像9098の表示中にプッシュボタン90120を連打することにより、プッシュボタン90120を振動状態に制御する。また、図48(e)に示すように、第2タイミングにおいては、ボタン画像9098が表示されることなくプッシュボタン90120を振動状態に制御する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することとボタン画像9098との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
また、図48(c),(e),(g)に示すように、画面上で実行される演出に対応してプッシュボタン90120の態様が振動状態に変化するため、演出の実行タイミングと振動状態へ変化するタイミングとにより、遊技を実行したときの気持ち良さを向上させることができる。また、演出の実行タイミングと振動状態へ変化するタイミングとによりメリハリのついた演出とすることができる。
なお、操作手段としてのプッシュボタン90120の内部に発光手段としてのLEDを設けてもよい。そして、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120を振動状態に制御することともに、LEDの発光の制御を行なってもよい。たとえば、図48(a),(b),(d)の通常状態では、LEDを白色や赤色(白色は通常の色、赤色はボタン操作を促す色等)に発光させる制御を行ない、図48(c),(e),(g)の振動状態では、振動に合わせてLEDを虹色に発光させる制御を行なうことで、大当り遊技状態に制御されることを報知するようにしてもよい。このように、操作手段の振動状態によって発光手段の発光態様が異なるようにすることで興趣を向上させることができる。なお、振動と発光の態様のタイミングは必ずしも同じでなくともよく、大当り期待度により振動と発光とのタイミングが異なるようにしてもよい。
次に、報知演出の内容を決定するためのテーブルおよびバトル演出が実行されるときのフローチャートについて説明する。
図49は、報知演出決定テーブルを示す図である。報知演出決定テーブルでは、報知演出の内容を、バトル演出、ストーリー演出、キャラクタ演出のいずれにするかが決定される。報知演出決定テーブルには、図49(A)の大当り時報知演出決定テーブルと、図49(B)のはずれ時報知演出決定テーブルとが含まれている。これら報知演出決定テーブルは、ROM90102に記憶されている。
図49(A)の大当り時報知演出決定テーブルは、現在の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすることが決定されたときに用いられる。一方、図49(B)のはずれ時報知演出決定テーブルは、現在の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすることが決定されたときに用いられる。
図49(A),(B)の報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、バトル演出の決定と、ストーリー演出の決定と、キャラクタ演出の決定とに割り振られている。そして、図49では、各演出に割り振られた乱数値の個数がSR2´に示されている。
図49(A)の大当り時報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´の値によって、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図49(B)のはずれ時報知演出決定テーブルでは、報知演出決定用の乱数SR2´の値によって、「キャラクタ演出>ストーリー演出>バトル演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図49に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という大小関係の選択割合となるように演出内容が決定される。よって、「キャラクタ演出<ストーリー演出<バトル演出」という順で大当り期待度が高くなる。
図50は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理とは、演出制御用CPU90101が演出図柄変動開始処理(S90801)の処理の中で実行する一処理である。
演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中であるか否かを判定する(S90901)。S90901において、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内に確変状態指定コマンドがあるか否かに基づいて、現在の遊技状態が確変状態中であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中である場合には(S90901でY)、S90902へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が確変状態中でない場合には(S90901でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90902では、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチである場合には(S90902でY)、抽出したSR2´の抽出値と表示結果に基づく報知演出決定テーブルとにより実行する報知演出を決定し(S90903)、S90904へ移行する。S90903において、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内の表示結果指定コマンドに基づいて、今回実行される変動の表示結果を判定する。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチでない場合には(S90902でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90904において、演出制御用CPU90101は、S90903で決定された内容によりバトル演出が実行されるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、バトル演出が実行される場合には、(S90904でY)、S90905へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、バトル演出が実行されない場合には(S90904でN)、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
S90905では、演出制御用CPU90101は、受信コマンドバッファ内に大当りに関する表示結果指定コマンドがあるか否かに基づいて、今回実行される変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りである場合には(S90905でY)、勝利用の演出およびボタン態様に決定する(S90906)。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りでない場合(はずれの場合)には(S90905でN)、敗北用の演出およびボタン態様に決定する(S90907)。S90906またはS90907の後は、今回の変動で実行されるその他の演出を決定し(S90908)、処理を終了する。
図50においては、現在の遊技状態が確変状態中においてバトル演出が実行される場合を示したが、バトル演出は通常の遊技状態中に実行されるようにしてもよい。また、図47,図48では、大当り表示結果となる場合について説明したが、S90907においてはずれ表示結果となる場合の敗北用の演出について説明する。味方キャラクタが敗北するときには、バトル演出開始後、連打有効期間内にいくら連打を実行してもライフゲージ9099が0となることはない。また、プッシュボタン90120は、通常状態のままで振動状態となることはない。そして、連打有効期間経過後に「敗北」の文字が表示されるとともにその後、左,中,右の演出図柄9091〜9093が、画面中央部ではずれ表示結果の組合せで変動表示を停止する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態として、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合の各種構成を説明する。オート連打機能とは、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ90100の機能として、プッシュボタン90120の長押し操作が、たとえば4秒間のような第1期間に亘り継続されたことにもとづいてオート連打の機能による操作の検出が開始され、1.0秒のような第2期間が経過するごとに操作回数を1つずつカウントして、あたかもプッシュボタン90120の連打が行なわれているものとして検出が行なわれる機能である。このようなオート連打機能が図48(b)に示す連打有効期間に実行可能であってもよい。
[遊技者動作の検出に関する第1変形例]
第1変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、検出有効期間よりも前から動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段をさらに備える例を説明する。
第1変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を設けた場合において、検出有効期間よりも前から動作検出手段が遊技者のプッシュボタン90120の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする制御を実行する無効化処理を実行する。このような制御を行なえば、適切に遊技者の所定演出への参加を促すことができる。
[遊技者動作の検出に関する第2変形例]
第2変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての検出を行なうか否かを設定可能(設定メニュー画面での設定等)な設定手段をさらに備える例を説明する。
第2変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を設けた場合において、たとえば、客待ちデモンストレーション表示中である期間のような演出図柄の変動表示中でない期間に、オート連打の機能を有効とするか無効とするかの設定を可能とする設定処理を実行可能とする。このような設定を可能とすれば、意図しないタイミングで連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての検出が行なわれてしまうことを防止し、遊技に対する興趣が低下することを抑止することができる。
[遊技者動作の検出に関する第3変形例]
第3変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合に、状況に応じて異なる間隔により連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとする例を説明する。
第3変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を用いる場合において、たとえば、演出内容が異なる動作演出Aと動作演出Bとが選択的に実行可能なときに、動作演出Aの実行中に、オート連打による検出中は1.0秒が経過するごとにプッシュボタン90120による操作回数が1回ずつ増加したものとして扱い、動作演出Bの実行中に、オート連打による検出中は0.5秒が経過するごとにプッシュボタン90120による操作回数が1回ずつ増加したものとして扱う処理を実行する。このような処理を行なえば、状況に合せた動作演出を行なうことができる。
[遊技者動作の検出に関する第4変形例]
第4変形例としては、オート連打機能(自動連打機能)を設けた場合に、変動表示中でないときに、動作検出手段によって遊技者の動作が検出されたか否かを判定する判定手段をさらに備え、判定手段が、遊技者の一の動作が継続して行なわれているときであっても、連続して複数回の遊技者の動作が行なわれているものとしての判定を行なわない例を説明する。
第4変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100において、オート連打機能を用いる場合に、オート連打の機能の有効または無効の設定が可能な構成において、たとえば、オート連打の機能の有効または無効の再度の設定を行なう際に、プッシュボタン90120を一旦操作してオート連打の機能の有効または無効を切り替えた後、プッシュボタン90120の操作を一旦止めて、改めてプッシュボタン90120を操作しなければ、再度オート連打の機能の有効または無効の切り替えを行なえないように制限する制御を実行する。このような制御を行なえば、意図しない動作の検出が行なわれてしまうことを防止することができる。
[オート連打演出の演出制御タイミング例]
次に、連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングの一例を説明する。図51は、連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。
図51に示すように、連打演出においては、連打操作の有効期間が、たとえばリーチ状態の開始時のような第1タイミングから、変動表示終了直前時のような第2タイミングまでのような所定期間(たとえば、10秒間等)に設定されている。このような所定期間は、図48(b)に示す連打有効期間として設定されていてもよい。
自力連打開始可能期間は、連打操作の有効期間の全期間に対応して設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から予め定められた期間(たとえば、0.5秒間)経過時から開始され、特定期間(たとえば、連打操作の有効期間における前半期間)経過時までの期間が設定されている。なお、オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から開始されてもよい。オート連打開始不可能期間としては、連打操作の有効期間中におけるオート連打開始可能期間の経過後の期間が設定されている。
自力連打開始可能期間中においては、自力連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合以下の度合に制御される自力連打低作用設定期間と、自力連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合よりも高い度合に制御される自力連打高作用設定期間とが含まれている。これにより、同じ自力連打開始可能期間中でも、自力連打低作用設定期間と、自力連打高作用設定期間とで、自力連打に対応して実行される作用演出の作用態様(作用度合)が異なる。このように、自力連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間に応じて、作用演出の作用態様が異なるように設定されている。
自力連打開始可能期間と連打操作有効期間とが同じであるので、連打操作有効期間中は、基本的にいつでも自力連打操作をすることが可能であり、その自力連打操作に応じて、前述した作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打低作用設定期間には、自力連打に基づいて低作用の作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打高作用設定期間には、自力連打に基づいて高作用の作用演出が実行可能である。
このように自力連打開始可能期間が、前半部を自力連打低作用設定期間とし、後半部を自力連打高作用設定期間とすることにより、自力連打に応じた作用演出が変動表示結果の導出表示タイミングに対応するように、演出を連携させることができる。たとえば、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打低作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打に応じて、自力連打低作用設定によるゆっくりとした作用演出が進行し、その後、期間経過により自力連打高作用設定期間となったときは、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。たとえば、大当り表示結果を導出表示するときはライフゲージ9099のライフ表示のレベルを導出表示前に「0」にし、はずれ表示結果を導出表示するときはライフゲージ9099のライフ表示のレベルを導出表示直前に「1」以上の特定のレベルにする演出が行なわれる。
また、自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打高作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打高作用設定により、自力連打開始当初から、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出をすることが可能とされている。
連打操作有効期間中におけるオート連打開始可能期間中では、オート連打の実行に応じたライフゲージ9099への作用演出の作用態様(ライフ減少)の度合が、一定の度合に制御される。これにより、オート連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間によらず、作用演出の作用態様が一定となるように設定されている。
オート連打開始可能期間には、プッシュボタン90120の予め定められた時間(たとえば、1秒間)以上の長押し操作に基づいて連打操作が実行されたとみなされてオート連打が開始可能であり、そのオート連打操作に応じて、作用演出が実行可能である。連打操作有効期間中におけるオート連打開始不可能期間には、プッシュボタン90120の予め定められた時間以上の長押し操作が開始されても連打操作が実行されたとみなされず、オート連打が開始不可能である。オート連打開始可能期間中においては、オート連打に基づいて、自力連打開始可能期間中とは異なり、一定の作用態様での作用演出が実行可能である。
このようにオート連打開始可能期間に開始可能なオート連打が実行されるときには、オート連打の開始当初から終了までの間において一定の作用態様での作用演出が実行可能であることにより、オート連打に応じて、オート連打作用設定による一定の作用演出が進行し、変動表示結果の導出表示前のタイミングで、ライフゲージ9099のライフ表示のレベルを変動表示結果に応じた値にする演出が行なわれる。
なお、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とが同一期間として設定され、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが同一期間として設定されてもよい。また、図51のように、オート連打開始可能期間と自力連打低作用設定期間とを異なる期間に設定する場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。また、オート連打開始不可能期間と自力連打高作用設定期間とが異なる期間に設定されてもよく、その場合には、たとえば、期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。
なお、以下のような構成を備えるようにしてもよい。
(1) 所定の遊技を行なう遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、
遊技者による動作(プッシュボタン90120の操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124等)と、
前記動作検出手段により検出有効期間において遊技者が複数回の動作を行なう連続動作(プッシュボタン90120の連打操作)が実行されたことに応じて特定演出(連打操作演出)を実行可能な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)とを備え、
前記特定演出実行手段は、
遊技者による前記連続動作とは異なる所定動作(プッシュボタン90120の長押し操作)に基づいて、前記連続動作が検出されたとしてみなして前記特定演出を実行可能であり、
前記検出有効期間において、所定期間(図51のオート連打開始可能期間)が経過するまでは前記所定動作に基づいて前記連続動作が実行されたとみなし、当該所定期間が経過した後(図51のオート連打開始不可能期間)に前記所定動作が開始されても前記連続動作が実行されたとみなさない。
このような構成によれば、検出有効期間において所定期間が経過するか否かに基づいて、連続動作が実行されたとみなすか、みなさないかとすることにより、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記特定演出実行手段が実行可能な前記特定演出は、
所定の表示について前記連続動作の実行に応じた作用演出がなされる第1作用演出(自力連打時のライフゲージ9099でのライフ表示のレベルが減少する作用演出)と、
前記所定の表示について前記連続動作の実行とみなされた前記所定動作に応じた作用演出がなされる第2作用演出(オート連打時のライフゲージ9099でのライフ表示のレベルが減少する作用演出)とを含み、
前記第1作用演出と、前記第2作用演出とで、作用演出の作用態様が異なる(ライフ表示のレベルが減少する作用演出態様が自力連打とオート連打とで異なる)。
このような構成によれば、第1作用演出と第2作用演出とで作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(3) 前記(2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なる(連打操作有効期間の残り時間が短い方の自力連打高作用設定期間中は、連打操作有効期間の残り時間が長い方の自力連打低作用設定期間中と比べて、作用演出の演出態様(ライフ表示のレベルの減少態様)が異なる)。
このような構成によれば、検出有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(4) 前記(3)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなる(連打操作有効期間の残り時間が短い方の自力連打高作用設定期間が、連打操作有効期間の残り時間が長い方の自力連打低作用設定期間と比べて、作用演出でのライフ表示のレベルの減少量が大きくなる)。
このような構成によれば、検出有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(5) 前記(2)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第2作用演出を実行するときに、前記検出有効期間の残り時間にかかわらず、作用演出の作用態様が一定である(オート連打については作用演出でのライフ表示のレベルの減少量が一定)。
このような構成によれば、特定演出のバリエーションが豊富化されて、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態として、第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rが動作する上部役物演出が実行される場合について説明する。上部役物演出では、遊技者にとって有利な状態と制御されることを示唆する演出として、図36に示す上部役物の回転動作および上部役物の発光による演出が実行される。また、上部役物演出では、上部役物が動作するとともに演出表示装置909の表示画面上で上部役物が動作することを報知する第1パターンによる演出と、上部役物は動作するが演出表示装置909の表示画面には上部役物が動作することが報知されない第2パターンによる演出が設けられている。
たとえば、上部役物演出は、図47においてライフゲージ9099が0となる第1タイミングにおいて設定された回転角度により回転動作を実行する。また、このとき上部役物に設けられているLEDが発光する。なお、上部役物演出では、演出表示装置909の画面上でバトル演出が実行されているため、第2パターンによる演出が実行されることが望ましい。
また、上部役物演出は、図47に示すように、プッシュボタン90120が振動状態となるときに突出位置となり、通常状態となるときに収納位置となるようにしてもよい。このようにすれば、プッシュボタン90120の態様に合わせた上部役物の演出を実行することができる。なお、プッシュボタン90120の振動状態に関わらず、期待度の高い演出が実行される場合においては、所定タイミングから期待度の高い演出が終了するまで上部役物が突出位置となるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図47,図48に示すように、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態を報知する報知演出の1つであるバトル演出の際に、プッシュボタン90120の態様が多様なタイミングで変化することで、プッシュボタン90120を変化させるタイミングの興趣を向上させることができる。具体的には、バトル演出とプッシュボタン90120を振動状態にするタイミングとの組合せにより演出効果を一層高めることができる。
(2) 図47に示すように、第1タイミング経過後と第2タイミング経過後とでは、振動状態に制御される期間が異なる。よって、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
(3) 図48(c)に示すように、第1タイミングにおいては、ボタン画像9098の表示中にプッシュボタン90120を連打することにより、プッシュボタン90120を振動状態に制御する。また、図48(e)に示すように、第2タイミングにおいては、ボタン画像9098が表示されることなくプッシュボタン90120を振動状態に制御する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することとボタン画像9098との組合せにより、好適に演出を実行させることができる。
(4) プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122の振動は、打球操作ハンドル905まで伝わる構造となっている。このようにすれば、報知演出と打球操作ハンドル905まで伝わる振動との組合せにより演出効果を一層高めることができる。
(5) 図48(c)に示すように、敵のライフゲージ9099が0となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となることで大当りとなることが報知される。また、図48(e)に示す敵にヒットする態様となるタイミングにおいてプッシュボタン90120が振動状態となる。このようにすれば、大当り遊技状態となることを報知した後に、さらにバトル演出の演出展開に合わせてプッシュボタン90120を振動状態となる。よって、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知し、バトル演出の演出効果を一層高めることができる。
(6) 図47に示す連打有効期間および必須振動期間のうち連打有効期間は、最大10秒間の間で可変する期間である。また、図47に示すように、敵にヒットするタイミングの第2タイミングにおいて振動状態に制御された後の期間は、5秒の不可変の期間である。このように、バトル演出において、可変する期間と不可変の期間とを備えることで、演出の幅を広げることができる。
(7) 図47に示すように、第1タイミング経過後の振動期間と必須振動期間3秒とを合わせた期間振動状態に制御され、第2タイミング経過後の5秒の期間振動状態に制御される。また、第2タイミングから5秒の振動期間経過後にプッシュボタン90120の態様を通常状態に制御し、通常状態となった後の勝利表示の第3タイミングにおいて振動状態に制御する。また、第3タイミングにおいてプッシュボタン90120の態様を振動状態に制御することで、大当り遊技状態に制御されることを報知する。このようにすれば、プッシュボタン90120を振動状態に制御することと振動状態に制御する期間およびタイミングとの組合せにより、好適に演出を実行させることができる。また、大当り遊技状態に制御されることを好適に報知することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段としてプッシュボタン90120を例に説明した。しかしながら、操作手段は、プッシュボタン90120以外のものであってもよい。たとえば、時間の経過とともに通常位置から突出位置に飛出すボタン、時間の経過とともに形状が変化するボタン等であってもよい。そして、所定のタイミングにおいて、通常位置から突出位置に変化したり、通常の態様から形状が変化するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、第1〜第3の各タイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が振動をしていない通常状態から振動している振動状態へと変化していた。しかしながら、第1〜第3の各タイミングにおいて、プッシュボタン90120の振動状態の強弱を切替えるようにしてもよい。たとえば、第1〜第3の各タイミングにおいて、振動状態を弱から強へと変化させるようにしてもよい。また、ボタンが発光するもの、ボタンが発熱するもの、ボタンの周囲から風が吹くもの等であってもよく、各タイミングにおいて状態が変化するようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り表示結果となる場合にのみプッシュボタン90120が振動状態となっていた。しかしながら、はずれ表示結果となる場合に複数のタイミングでプッシュボタン90120が振動状態となるようにしてもよい。たとえば、期待度の高い演出が実行される場合には、はずれ表示結果となる場合であっても振動状態となるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、報知演出のうちのバトル演出中にプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと複数のタイミングで変化していた。このような通常状態から振動状態への変化は、大当り表示結果となることを報知する報知演出以外で実行されてもよい。たとえば、単なる変動表示中の演出において、プッシュボタン90120が第1態様である通常状態と第2態様である振動状態とに複数のタイミングで変化するようにしてもよい。また、大当り遊技中にプッシュボタン90120の態様が変化するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと必ず変化するものではなく、所定の割合で振動状態へと変化するものでもよい。たとえば、所定の抽選により大当り表示結果となる場合には、はずれ表示結果となる場合よりも高い割合で振動状態となるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、ライフゲージ9099が0となるタイミングにおいて、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化するものについて説明した。しかしながら、プッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化するタイミングは必ずしもライフゲージ9099が0となるタイミングでなくともよい。たとえば、ライフゲージ9099が0となるよりも前のタイミングから振動状態へと変化してもよいし、ライフゲージ9099が0となった後のタイミングで振動状態へと変化してもよい。また、一回の押下げ操作によりプッシュボタン90120が振動状態となるようにしてもよい。このような場合には、押下げと同時のタイミング、押下げの後のタイミングで振動状態となるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、上部役物や上部役物以外の役物9012等が動作するタイミングに合わせてプッシュボタン90120の態様が通常状態から振動状態へと変化するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、バトル演出のうち第1タイミングから振動状態が継続する期間が可変期間であり、第2タイミングから振動状態が継続する期間が不可変期間であった。しかしながら、両方の期間を可変期間あるいは不可変期間としてもよく、可変期間と不可変期間とを入れ替えてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、バトル演出に複数の種類を設けてもよい。たとえば、勝利期待度が高い味方キャラクタを複数設定して、大当り期待度に応じていずれかのキャラクタに決定されるようにしてもよい。また、大当り期待度の異なる敵キャラクタを複数設定し、大当り期待度に応じていずれかの敵キャラクタに決定されるようにしてもよい。このような場合に、味方キャラクタや敵キャラクタの態様に応じてプッシュボタンが振動状態となるタイミングや期間が異なるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態に示した各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述したバトル演出を実行するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(12) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(13) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(14) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(15) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(16) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。