次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
図1は本発明のパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
本実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の右部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲に配置されたセンター役物49と、センター役物49の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、第1始動口36の下側に配置され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第1大入賞口入球スイッチ44a(図3参照)を有する第1大入賞口44と、第1大入賞口44の下側に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第2大入賞口入球スイッチ50a(図3参照)を有する第2大入賞口50と、遊技領域31の左下部に配置され一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入球口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。また、遊技盤30には、この他に、遊技領域31を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする風車48や図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、左右一対の翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左右に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
第1大入賞口44は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、前述した第1大入賞口入球スイッチ44a(図3参照)と、開閉板44cと、開閉板44cを作動させる第1大入賞口ソレノイド44b(図3参照)と、入球した遊技球の排出を検知する第1大入賞口排出スイッチ44d(図3参照)とを備える。この第1大入賞口44は、通常は開閉板44cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、第1大入賞口ソレノイド44bによって開閉板44cが作動して(下辺を軸に回動して)手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態,入球可能状態)となる。第1大入賞口44は、大当り遊技中に開放され、第1大入賞口入球スイッチ44aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒など)が経過すると、閉鎖される。
第2大入賞口50は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、前述した第2大入賞口入球スイッチ50a(図3参照)と、開閉板50cと、開閉板50cを作動させる第2大入賞口ソレノイド50b(図3参照)と、を備える。この第2大入賞口50の内部を含む構成の概略を図4に示す。この第2大入賞口50は、通常は遊技盤30の収納口30a(図4参照)から前方に突き出た開閉板50cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、第2大入賞口ソレノイド50bによって開閉板50cが収納口30a内に引き込まれることで開放されて遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となる。第2大入賞口50は、大当り遊技中に開放され、第2大入賞口入球スイッチ50aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、長開放時間である29秒や短開放時間である0.1秒などであり、詳細は後述する)が経過すると、閉鎖される。
ここで、大当り遊技は、第1の所定ラウンド目には第1大入賞口44を開放し第2の所定ラウンド目には第2大入賞口50を開放する等のように、第1大入賞口44と第2大入賞口50とを所定の順序に従って開放することによって行われる。本実施例では、第1の所定ラウンド目を奇数ラウンド目または偶数ラウンド目とすると共に第2の所定ラウンド目を偶数ラウンド目または奇数ラウンド目とすることで、第1大入賞口44の開放と第2大入賞口50の開放とを交互に繰り返すものとした。これにより、ラウンド間の繋ぎの時間をできる限り短くして、大当り遊技を素早く消化させることが可能となる。
また、第2大入賞口50内には、図4に示すように、円筒状の流路内に遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ52a(図3参照)を有する特定領域52(いわゆるV領域)と、円筒状の流路内に遊技球の通過を検知する非特定領域通過スイッチ54a(図3参照)を有する非特定領域54(いわゆる外れ領域)と、第2大入賞口50内に入球し第2大入賞口入球スイッチ50aを通過した遊技球を特定領域52か非特定領域54のいずれかに振り分ける振分装置56とが設けられている。振分装置56は、回転可能な円筒部から径方向に突出部が突出して構成された振分部材56aと、振分部材56aを円筒部を中心として作動(回動)させる振分ソレノイド56b(図3参照)とを備える。振分装置56は、振分ソレノイド56bが駆動してない非駆動(オフ)状態では、図4(a)に示すように、振分部材56aが図中右側に傾くことにより遊技球を非特定領域54(V非通過側)に振り分け(第2状態)、振分ソレノイド56bが駆動している駆動(オン)状態では、図4(b)に示すように、振分部材56aが図中左側に傾くことにより遊技球を特定領域52(V通過側)に振り分ける(第1状態)。即ち、第2大入賞口50に入球した遊技球は、振分装置56による機械式振分を経て、特定領域52か非特定領域54のいずれかを通過して排出されることになる。特定領域52を通過したために特定領域通過スイッチ52aで検知された遊技球の数と、非特定領域54を通過したために非特定領域通過スイッチ54aで検知された遊技球の数との合計数は、第2大入賞口50に入球して排出される遊技球の数を示すから、基本的には第2大入賞口50に入球して第2大入賞口入球スイッチ50aで検知される遊技球の球と一致することになる。なお、本実施例では、大当り遊技中に第2大入賞口50が開放される第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(例えば、第2ラウンド)において、振分装置56を所定の動作パターンに基づいて動作させるものとする。このため、第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(第2ラウンド)で第2大入賞口50に入球した遊技球は特定領域52を通過する可能性があり、第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド以外のラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球は特定領域52を通過する可能性がないものとなる。
図柄表示装置40は、図5の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示装置41と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示部43と、を備える。普通図柄表示装置41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図6に、普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示装置41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(図6の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(図6の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(図6の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(図6の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示装置41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、図6の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示装置42は、図5に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第1始動口対応表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第2始動口対応表示部となっている。以下、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図7に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図7(a)に示すように、第1特別図柄の大当り図柄(特図1大当り図柄)には、特図1通常大当りとなる特別図柄(特図1通常大当り図柄)と、特図1確変大当りAとなる特別図柄(特図1確変大当り図柄A)と、特図1確変大当りBとなる特別図柄(特図1確変大当り図柄B)として、それぞれ1種類ずつの表示態様が用意されている。また、図7(b)に示すように、第2特別図柄の大当り図柄(特図2大当り図柄)には、特図2確変大当りAとなる特別図柄(特図2確変大当り図柄A)と、特図2確変大当りBとなる特別図柄(特図2確変大当り図柄B)として、それぞれ1種類ずつの表示態様が用意されている。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、図7の態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、各大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類とするものに限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36および第2始動口38のいずれかに入球したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
ここで、特図1大当り(特図1通常大当りと特図1確変大当りA,B)は、奇数回目のラウンド(第1の所定ラウンド目)での第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンド(第2の所定ラウンド目)での第2大入賞口50の開放動作とを計8回(8ラウンド)に亘って繰り返す大当り遊技(8R大当り遊技)が行われる。また、特図2大当りのうち特図2確変大当りAは、奇数回目のラウンドでの第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンドでの第2大入賞口50の開放動作とを計16回(16ラウンド)に亘って繰り返す大当り遊技(16R大当り遊技)が行われ、特図2確変大当りBは、奇数回目のラウンドでの第1大入賞口44の開放動作と偶数回目のラウンドでの第2大入賞口50の開放動作とを計4回(4ラウンド)に亘って繰り返す大当り遊技(4R大当り遊技)が行われる。各大当り遊技において、奇数回目のラウンドの第1大入賞口44の開放が終了すると、極短時間(例えば、0.2秒など)の間隔で偶数回目のラウンドの第2大入賞口50の開放を開始し、偶数回目のラウンドの第2大入賞口50の開放が終了すると、極短時間(例えば、0.2秒など)の間隔で奇数回目のラウンドの第1大入賞口44の開放を開始するものとなっている。各大当り遊技の終了後には、いずれも、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮(時短状態)されると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高確率に設定(普図高確率状態)し且つ普通図柄が当りで停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長(開放延長状態)される電サポあり状態が設定される。なお、大当り遊技の終了後に所定回数(100回)の特別図柄の変動表示が行われると、電サポあり状態が終了し、電サポなし状態となる。また、本実施例では、電サポあり状態は、普図高確率状態と時短状態と開放延長状態の3つの状態が全て発生した状態としたが、3つの状態のうちいずれか1つまたは2つが発生した状態としてもよい。
また、前述したように、偶数回目のラウンドである第2の所定ラウンド目のうち特定ラウンド(第2ラウンド)では、振分装置56の振り分けにより、第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過する可能性(V通過可能性)がある。この特定ラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過した場合、大当り遊技終了後に所定回数(例えば、120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率(特図当り確率,大当り確率)を高確率(確変,確変状態)に設定して、電サポあり高確率状態を発生させる。一方、特定ラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球が特定領域52を通過しなかった場合、特図当り確率(大当り確率)を低確率(通常確率,所定確率)に設定して、電サポあり低確率状態を発生させる。本実施形態では、大当りの種類によって特定ラウンド(第2ラウンド)での第2大入賞口50の開放パターンが異なっている。具体的には、特図1通常大当りでは、第2大入賞口50を極短時間(例えば、0.1秒)だけ開放させる短開放パターンとし、特図1確変大当りAと特図2確変大当りA,Bでは、第2大入賞口50を長時間(例えば、29秒)開放させる長開放パターンAとし、特図1確変大当りBでは、第2大入賞口50を極短時間(0.1秒)だけ開放させて短開放パターンと見せかけてから第2大入賞口50を長時間(例えば、25秒)開放させる長開放パターンBとする。即ち、長開放パターンBでは、特定ラウンドにおいて、第2大入賞口50の極短時間の開放と長時間の開放との2回の開放が行われることになる。短開放パターンで特定ラウンドが実行される特図1通常大当りでは、特定ラウンド中に遊技球が第2大入賞口50に入球するのは困難であり、遊技球が特定領域52を通過する可能性も低いものとなる。このため、特図1通常大当りは、大当り遊技終了後に低確率(通常確率)が設定される可能性が高いことから、「通常」大当りと称する。また、特図1通常大当り以外の各大当りでは、長開放パターン(長開放パターンAまたは長開放パターンB,長時間パターン)で特定ラウンドが実行されるため、短開放パターン(短時間パターン)よりも遊技球が特定領域52を通過する可能性が高く、大当り遊技終了後に高確率(確変)が設定される(特典が付与される)可能性が高いことから、「確変」大当りと称する。なお、本実施例では、第1大入賞口44および第2大入賞口50の開放回数(ラウンド数)として、16Rと8R,4Rの3種類を用意したが、これに限定されるものではなく、15Rや12R,10Rなど他のラウンド数を用意してもよい。
また、本実施例では、特図1確変大当りAおよび特図2確変大当りA,Bのいずれかに当選すると、特定ラウンドを開始する際に特定ラウンド報知演出を実行することで、第2大入賞口50に遊技球を入球させて特定領域52に遊技球を通過させることを遊技者に促すものとしている。一方、特図1通常大当りおよび特図1確変大当りBのいずれかに当選すると、特定ラウンドを開始する際に特定ラウンド報知演出を実行せずに、特定ラウンド以外の他のラウンドと同じラウンド演出を実行することで、第2大入賞口50への遊技球の入球(特定領域52への遊技球の通過)を遊技者に促さないものとしている。もっとも、特別図柄表示装置42では各大当り図柄をそれぞれ区別して停止表示するから、遊技者は、予め調査された判別表などを参照して特別図柄表示装置42の表示態様を確認することで、大当りが特図1通常大当りであるか特図1確変大当りBであるかを判別することは可能である。また、特図1確変大当りBでは、特定ラウンドにおいて第2大入賞口50が極短時間(0.1秒)だけ開放した後に長時間(25秒)開放するから、遊技者は、第2大入賞口50の長時間の開放を確認し、第2大入賞口50への遊技球の入球や特定領域52への遊技球の通過の様子を見ることも可能である。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図8に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄,第1識別情報)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。演出図柄34L,34M,34R(第1識別情報)は、演出表示装置34の表示領域の中央部付近に表示される。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、演出表示装置34は、図8に示すように、特別図柄の変動表示に合わせて点滅表示(変動表示)し、特別図柄の停止表示に合わせて所定の図柄で点灯表示(停止表示)する判定図柄(第2識別情報)も有している。判定図柄は、第1特別図柄に対応付けられた第1判定図柄34aと、第2特別図柄に対応付けられた第2判定図柄34bとを有し、それぞれ演出表示装置34の表示画面の左隅(表示領域の中央部から離れた位置)に演出図柄34L,34M,34R(第1識別情報)よりも小さく表示される。第1判定図柄34aおよび第2判定図柄34bは、具体的には、対応する特別図柄が大当り図柄で停止表示されることに基づいて第1図柄(例えば「○」の図柄)で停止表示し、外れ図柄で停止表示されることに基づいて第2図柄(例えば「×」の図柄)で停止表示する。
さらに、演出表示装置34は、図8に示すように、現在の遊技状態によって、遊技領域31のうち何れの領域へ遊技球を発射すべきかを示す発射領域報知表示部34cを有する。発射領域報知表示部34cは、現在の遊技状態が後述する左打ち(遊技領域31の第1領域への発射)を必要とする遊技状態(本実施例では大当り遊技中でない通常遊技状態中)である場合と、右打ち(遊技領域31の第2領域への発射)を必要とする遊技状態(本実施例では大当り遊技中または電サポあり状態中)である場合とで、異なる表示態様で表示を行う。具体的には、現在の遊技状態が左打ち(遊技領域31の第1領域への発射)を必要とする遊技状態である場合には、第1態様(「左矢印」の画像)で表示し、右打ち(遊技領域31の第2領域への発射)を必要とする遊技状態である場合には、第2態様(「右矢印」の画像)で表示する。発射領域報知表示部34cは、本実施例では、常時何れかの表示態様で表示を行っており、遊技者は発射領域報知表示部34cをみることによって、非遊技中、遊技中問わずどのような遊技状態であっても発射方向(遊技状態)を確認することができる。なお、発射領域報知表示部34cは、特別図柄が変動表示していないときや、有利状態(大当り遊技、特図高確率状態、普図高確率状態、時短状態、開放延長状態)が発生していないとき、遊技者が遊技球を発射していないとき等の非遊技中には表示を行わないものとしてもよい。また、本実施例では、発射領域報知表示部34cを、サブ制御基板90(副制御部)によって制御される演出表示装置34に設けるものとしたが、主制御基板70(主制御部)によって制御される図柄表示装置40に設けるものとしてもよい。
また、演出表示装置34の表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された本実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物49)の下側に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側領域(第1領域)に流下させるように発射ハンドル18の回転操作(所謂左打ち)を行うことにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32が演出表示装置34の右側に配置されると共に第2始動口38が第1始動口36の下側に配置されており、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちを行うことにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は右打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、第1大入賞口44および第2大入賞口50は遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は右打ちを行うことにより、遊技球を遊技領域31の右側領域(第2領域)に流下させて、開状態となった第1大入賞口44または第2大入賞口50に入球させることができる。なお、短開放パターンで特定ラウンド(第2ラウンド)が実行される特図1通常大当りでは、特定ラウンドにおいて第2大入賞口50が開状態となるものの、その時間は極短時間(0.1秒)であるから、第2大入賞口50に遊技球を入球させるのは困難である。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70(主制御部)と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90(副制御部)と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100と、パチンコ機10の電源制御を司る電源基板105と、パチンコ機10が設置されたホールに設けられているホールコンピュータ115との通信に関する制御を司る外部端子板110などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図9に示す。なお、本実施例ではサブ制御基板90を副制御部としたが、主制御部を除く制御部、例えば払出制御基板80や発射制御基板100等の他の制御部を副制御部ということもできる。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号,主制御基板70のRAM70cやサブ制御基板90のRAM90c(図9参照)などの各制御基板のRAMのクリア(初期化)を指示するRAMクリアスイッチ71からの操作信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や第1大入賞口入球スイッチ44aからの入球信号,第1大入賞口排出スイッチ44dからの排出信号,第2大入賞口入球スイッチ50aからの入球信号,特定領域通過スイッチ52aからの検知信号,非特定領域通過スイッチ54aからの検知信号,一般入賞口スイッチ45aからの入球信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,第1大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号,第2大入賞口ソレノイド50bへの駆動信号,振分ソレノイド56bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。また、主制御基板70には、パチンコ機10の電源のオンオフを切り替えるオンオフスイッチ107からの操作信号などが電源基板105を介して入力される。主制御基板70は、オンオフスイッチ107が操作されて電源のオフからオンへの切替を指示する操作信号が入力されると、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行し、オンオフスイッチ107が操作されて電源のオンからオフへの切替を指示する操作信号が入力されると、各種情報のバックアップなどの電源遮断に必要な電源遮断処理を実行する。また、主制御基板70は、ホールコンピュータ115と外部制御基板110を介して通信可能となっており、パチンコ機10の稼働状況を送信したり、異常発生時にエラー信号を送信したりする。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。なお、本実施例では、第1大入賞口入球スイッチ44aや第2大入賞口入球スイッチ50aが遊技球を1個検知する毎、すなわち第1大入賞口44や第2大入賞口50に遊技球が1個入球する毎に、15個の賞球を払い出すものとなっている。1ラウンド中に第1大入賞口44や第2大入賞口50に入球可能な遊技球の最大数(規定数)は10個であるから、1ラウンドにおける最大の払い出し可能な賞球数は150個となる。このため、実行されるラウンド数が8ラウンドの特図1通常大当りと特図1確変大当りA,Bでは、最大の払い出し可能な賞球数(上限賞球数)が1200個となり、実行されるラウンド数が16ラウンドの特図2確変大当りAでは、上限賞球数が2400個となり、実行されるラウンド数が4ラウンドの特図2確変大当りBでは、上限賞球数が600個となる。
サブ制御基板90は、図9に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90には、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動役物を作動させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26に設けられ演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図10は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S10)、遊技開始処理(S12)と、普通図柄遊技処理(S14)と、普通図柄当り遊技処理(S16)と、特別図柄遊技処理(S18)と、大当り遊技処理(S20)と、第1大入賞口開放遊技監視処理(S22)と、第2大入賞口開放遊技監視処理(S24)と、有効期間監視処理(S26)と、振分装置駆動処理(S28)と、特定領域通過有無監視処理(S30)と、賞球払出関連処理(S32)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S12〜S32の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[電源投入処理]
S10の電源投入処理は、図11に示すフローチャートに従って実行される。電源投入処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、初期設定を行う(S100)。初期設定は、具体的には、スタックポインタを所定値に設定したり、RAM90cのライトを許可したりすることにより行う。次に、RAMクリアスイッチ71がオフされているか否か(S102)、バックアップが存在するか否か(バックアップフラグがオンであるか否か)を判定する(S104)。S102でRAMクリアスイッチ71がオフされていない、即ちオンであると判定したり、RAMクリアスイッチ71がオフであってもS104でバックアップが存在しないと判定すると、RAM70cに格納されている各種情報を初期状態とするRAMクリア処理を行って(S106)、電源投入処理を終了する。なお、S106では、チェックサムが正常であるか否かを判定することにより、バックアップに異常が生じているか否かの判定も行われ、チェックサムが正常でない場合(バックアップに異常がある場合)には、S106に進んでRAM70cの初期化処理を行う。S102でRAMクリアスイッチ71がオフされていると判定し、S104で正常なバックアップが存在すると判定すると、遊技状態を電源遮断時の状態に復帰させるために図12に示す復帰処理を実行し(S108)、復帰コマンドを払出制御基板80やサブ制御基板90に送信して(S110)、電源投入処理を終了する。
図12の復帰処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、払い出すべき賞球数に関する賞球情報や大当り遊技中であるか否かを示す大当り遊技フラグの設定状況に関する情報,大当りの残りラウンド数に関する情報,各種エラーに関するエラー情報などのバックアップ対象データを読み出して(S120)、読み出したバックアップ対象データに賞球情報があるか否かを判定する(S122)。賞球情報があれば、賞球数指定コマンドを生成し(S124)、賞球情報がなければS124の処理をスキップして、次のS126の処理に進む。次に、大当り遊技フラグがオンであるか否かを判定し(S126)、大当り遊技フラグがオンであれば、電源断前の大当り遊技の進行状況(残りラウンド数)に応じた大当り遊技指定コマンド(大当り遊技開始指定コマンド,ラウンド開始指定コマンド,大当り遊技終了指定コマンド)を生成し(S128)、大当り遊技フラグがオンでなくオフであれば、S128の処理をスキップして、次のS130の処理に進む。続いて、エラー情報があるか否かを判定し(S130)、エラー情報があれば後述するようにエラー発生フラグがオンとなっているため、そのエラー発生フラグをオフとし(S132)、エラー情報がなければ、S132の処理をスキップして、次のS134の処理に進む。このように、エラー情報は、リセットされるため結果としてバックアップされないものとなる。そして、その他の情報、例えば、確変フラグや変動短縮フラグ(開放延長フラグ)の設定状況に関する情報や確変カウンタや変動短縮カウンタのカウンタ値に関する情報などがあるか否かを判定し(S134)、その他の情報があれば、その情報に対応する遊技コマンドを生成し(S136)、その他の情報がなければ、S136の処理をスキップする。こうして生成した各コマンドに基づいて、復帰コマンドを生成して(S138)、復帰処理を終了する。これらのことから、遊技中に電源遮断されて再度電源投入された場合、賞球情報や大当り遊技に関する情報、各種遊技状態の設定状況に関する情報などについては、バックアップされた内容に基づいて遊技コマンドを生成するから、バックアップされた内容に基づいて遊技が再開されることになる。一方、エラー情報については、リセットするから、バックアップされたエラー内容に拘わらず、エラーが解除された状態で遊技が再開されることになる。なお、復帰処理では、この他に、スタックポインタを電源遮断時の値に復帰させたり、バックアップフラグをクリアしたり、CTCの周期を設定したり、使用レジスタをRAM90cのバックアップエリアから復帰したりすることなども行われる。
[遊技開始処理]
S12の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口入球スイッチ44a,第1大入賞口排出スイッチ44d,第2大入賞口入球スイッチ50a,特定領域通過スイッチ52a,非特定領域通過スイッチ54aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,変動パターン決定用乱数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のS14の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S14の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図6参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左右に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS16の普通図柄当り遊技処理に進む。このように、電サポあり状態においては、普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮機能を作動させると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高くする確率変動機能を作動させ、且つ、第2始動口38の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の電サポあり状態を、開放延長機能作動状態、時短状態または普図確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。
[普通図柄当り遊技処理]
S16の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS18の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S18の特別図柄遊技処理は、図13〜図15に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、特図1の判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。ここで、S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第2特別図柄表示部42bに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS20の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S228)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S234)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226〜S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図16のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図17に示す。なお、図17(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図17(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60〜79のときに大当りとする(1/39.85の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定したときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図18に例示する第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図19に例示する第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図18に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜399のうち値0〜159のときに特図1通常大当り図柄が選択されて「特図1通常大当り」となり(40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値160〜359のときに特図1確変大当り図柄Aが選択されて「特図1確変大当りA」となり(50%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値360〜399のときに特図1確変大当り図柄Bが選択されて「特図1確変大当りB」となる(10%の出現確率)。ここで、特図1通常大当りと特図1確変大当りA,Bは、本実施例では、何れも8R大当り遊技が実行され、特定ラウンド(第2ラウンド)で開放される第2大入賞口50の開放パターンが異なる。即ち、特図1通常大当りは、特定ラウンドでの第2大入賞口50の開放パターンが短開放パターンとなり、特定領域52への遊技球の通過可能性が低く、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が低い大当り態様である。一方、特図1確変大当りA,Bは、特定ラウンドでの第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンA,Bとなり、特定領域52への遊技球の通過可能性が高く、大当り遊技終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が高い大当り態様である。
また、第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図19に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜399のうち値0〜239のときに特図2確変大当り図柄Aが選択されて「特図2確変大当りA」となり(60%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値240〜399のときに特図2確変大当り図柄Bが選択されて「特図2確変大当りB」となる(40%の出現確率)。ここで、特図2確変大当りAは、16R大当り遊技が実行され、特図2確変大当りBは、4R大当り遊技が実行される。特図2確変大当りA,Bは、何れも、特定ラウンド(第2ラウンド)で開放される第2大入賞口50の開放パターンが長開放パターンAであり、特定領域52への遊技球の通過可能性が高く、大当り遊技の終了後に高確率電サポあり状態となる可能性が高い大当り態様である。電サポあり状態中は、第2特別図柄の変動を主体とした遊技が行われることから、高確率電サポあり状態が終了するまでに大当りを引くと、高確率電サポあり状態が継続することとなり、一度に大量の出玉(賞球)を獲得できるチャンスとなる。
また、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を決定すると、変動パターンテーブルを設定するための変動パターンテーブル設定処理を実行する(S314)。この変動パターンテーブル設定処理は、変動表示関連処理のS302,S304における大当り判定の結果が大当りのときには図20に示す大当り変動パターンテーブルを設定し、大当りではなく外れのときには、変動短縮フラグがオフであれば、図21(a)に示す電サポなし状態用外れ変動パターンテーブルを設定し、変動短縮フラグがオフでなくオンであれば、図21(b)に示す電サポあり状態用外れ変動パターンテーブルを設定することにより行われる。
図20に示すように、大当り変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数の値0〜255に対応付けて各種の変動パターン(変動時間)が設けられ、図21に示すように、外れ変動パターンテーブルには、保留数および変動パターン決定用乱数の値0〜255に対応付けて各種の変動パターン(変動時間)が設けられている。特別図柄を変動表示させる際には、これらの変動パターンテーブルを用いて一の変動パターンが選択される。各変動パターンのうち、変動パターンP01,P02,P06,P07にはリーチ演出を伴わずに演出図柄を変動表示させる通常変動A〜Dがそれぞれ対応付けられ、変動パターンP03にはリーチ演出を伴って演出図柄を変動表示させるノーマルリーチが対応付けられ、変動パターンP04にはノーマルリーチよりも当りの期待感が高まるような演出(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対決するバトル演出)を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチが対応付けられ、変動パターンP05にはノーマルリーチやスーパーリーチよりも当りの期待感が高まるような演出(例えば、味方キャラクタを用いてストーリーを展開させる演出)を伴って演出図柄を変動表示させるストーリーリーチが対応付けられている。大当り変動パターンテーブルでは、外れ時よりも遊技者の当りの期待感を高めることができるように、リーチ演出を伴わない通常変動には変動パターン決定用乱数が対応付けられておらず、また、リーチ演出を伴う変動のうち、変動パターンP04(スーパーリーチ)と変動パターンP05(ストーリーリーチ)とに多くの変動パターン決定用乱数が対応付けられている。また、外れ変動パターンテーブルでは、図21(b)の電サポあり状態用が図21(a)の電サポなし状態用に比べて平均変動時間が短くなり、且つ、保留数が多い場合(値3〜8)の方が保留数が少ない場合(値1or2)に比べて平均変動時間が短くなるように、通常変動の変動パターンP01,P02,P06,P07の変動時間の設定や、各変動パターンへの変動パターン決定用乱数の対応付けがなされている。なお、各変動パターンテーブルは、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。
図16の変動表示関連処理に戻って、こうして変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、変動表示を開始した特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。また、S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれる。また、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれる。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。
図13〜図15の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S248)。
S248で停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S250)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S252)。これにより、後述する大当り遊技処理によって大当り遊技が開始されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S254,S256)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S258〜S262)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS20の大当り遊技処理に進む。
一方、S248で大当り図柄でない、即ち外れ図柄であると判定すると、確変フラグがオンか否かを判定し(S264)、確変フラグがオンでないと判定すると、次のS274の処理に進む。確変フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S266)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S268)。ここで、確変カウンタは、高確率状態(特図高確率状態)を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。確変カウンタが値0でないと判定すると、高確率状態を維持したまま次のS274の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変フラグをオフとすると共に(S270)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S272)、次のS274の処理に進む。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態から低確率状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す確変フラグの設定状況などが含まれる。
次に、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S274)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S276)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S278)。ここで、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能(特別図柄および普通図柄の変動短縮)の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S280)、開放延長フラグをオフとし(S282)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S284)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、電サポあり状態から電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。
[大当り遊技処理]
S20の大当り遊技処理は、図22に示すフローチャートに従って実行される。図22の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大当り遊技を開始するタイミングか否かを判定し(S402)、大当り遊技の開始タイミングである場合には、大当りの種類に応じたラウンド数に残りラウンド数を設定すると共に(S404)、実行ラウンドRを値1に初期化する(S406)。残りラウンド数は、特図1通常大当りや特図1確変大当りA,Bであれば値8に設定され、特図2確変大当りAであれば値16に設定され、特図2確変大当りBであれば値4に設定される。これらの残りラウンド数や実行ラウンドRの情報は、RAM70cの所定の大当り遊技情報記憶領域に記憶され、この大当り遊技情報記憶領域に記憶された情報は、バックアップ対象データとなる。なお、大当り遊技の開始タイミングでない場合には、残りラウンド数と実行ラウンドRは設定済みであるから、S404,S406の処理をスキップして次のS408の処理に進む。
次に、残りラウンド数が値0であるか否かを判定する(S407)。残りラウンド数が値0でない、即ち値1以上であると判定すると、実行ラウンドRが特定ラウンド(本実施例では第2R)であるか否か(S408)、奇数ラウンド(第1R,第3R,第5R,第7R,第9R,第11R,第13R,第15R)であるか否か(S410)、をそれぞれ判定する。実行ラウンドRが特定ラウンドでなく奇数ラウンドであると判定すると、第1大入賞口44を開放して大当り遊技を行う第1大入賞口開放遊技処理を実行して(S412)、大当り遊技処理を終了する。また、実行ラウンドRが特定ラウンドでなく奇数ラウンドでもない、即ち特定ラウンド以外の偶数ラウンド(第4R,第6R,第8R,第10R,第12R,第14R,第16Rの何れか)であると判定すると、第2大入賞口50を開放して大当り遊技を行う第2大入賞口開放遊技処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。さらに、実行ラウンドRが特定ラウンドであると判定すると、特定ラウンド用の開放パターンに従って第2大入賞口50を開放して大当り遊技を行う特定領域入球遊技処理を実行して(S416)、大当り遊技処理を終了する。
一方、S407で残りラウンド数が値0であると判定すると、後述する大当り遊技終了時処理を実行して(S418)、大当り遊技処理を終了する。なお、大当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS22の第1大入賞口開放遊技監視処理に進む。
S412の第1大入賞口開放遊技処理は、図23に示すフローチャートに従って実行される。図23の第1大入賞口開放遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S500)、第1大入賞口44が開放中でないと判定すると、エラー発生フラグがオフであるかを判定する(S502)。エラー発生フラグは、S22の第1大入賞口開放遊技監視処理やS24の第2大入賞口開放遊技監視処理において、大当り遊技中に不正や故障等のエラーを検知した場合にオンとされるものである。エラー発生フラグがオフでなくオンであると判定すると、そのまま第1大入賞口開放遊技処理を終了する。このため、エラー発生フラグがオンの場合には、第1大入賞口44を開放して新たなラウンドが実行されることはない。一方、エラー発生フラグがオフであると判定すると、第1大入賞口44を開放する準備中であるか否かを判定する(S504)。準備中であると判定すると、通常ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第1大入賞口44の開放準備に必要な処理を行って(S506)、第1大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。
S506で開放準備に必要な処理を行うと、次に第1大入賞口開放遊技処理を実行したときには既に開放準備が完了しているため、S504で準備中でないと判定し、第1大入賞口44が開放されるよう第1大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S508)、第1大入賞口開放遊技処理を終了する。
また、S500で第1大入賞口44が開放中であると判定すると、第1大入賞口44の規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか否か(S512)、第1大入賞口44に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S514)、をそれぞれ判定する。第1大入賞口44の規定の開放時間が経過しておらず、且つ、第1大入賞口44に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第1大入賞口44の開放を維持したまま第1大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、第1大入賞口44の規定の開放時間が経過したと判定したり、第1大入賞口44に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第1大入賞口44が閉鎖されるよう第1大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S516)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S518)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S520)、第1大入賞口開放遊技処理を終了する。
[第1大入賞口開放遊技監視処理]
ここで、S22の第1大入賞口開放遊技監視処理について説明する。この第1大入賞口開放遊技監視処理は、図24に示すフローチャートに従って実行される。図24の第1大入賞口開放遊技監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1大入賞口入球スイッチ44aにより第1大入賞口44への遊技球の入球を検知したか否かを判定し(S550)、第1大入賞口44への遊技球の入球を検知したと判定すると、残球カウンタを値1だけインクリメントし(S552)、第1大入賞口44への遊技球の入球を検知してないと判定すると、S552の処理をスキップする。次に、第1大入賞口排出スイッチ44dにより第1大入賞口44からの遊技球の排出を検知したか否かを判定し(S554)、第1大入賞口44からの遊技球の排出を検知したと判定すると、残球カウンタを値1だけデクリメントし(S556)、第1大入賞口44からの遊技球の排出を検知してないと判定すると、S556の処理をスキップする。
そして、主制御基板70のCPU70aは、第1大入賞口44の閉鎖後所定時間(例えば、1秒や2秒など)が経過したか否かを判定し(S558)、所定時間が経過していないと判定すると、第1大入賞口開放遊技監視処理を終了する。なお、第1大入賞口開放遊技監視処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS24の第2大入賞口開放遊技監視処理に進む。S558で第1大入賞口44の閉鎖後所定時間が経過したと判定すると、残球カウンタが値0であるか否か、即ち第1大入賞口44に入球した遊技球の数と排出される遊技球の数とが一致するか(入排出数が一致するか)否かを判定し(S560)、残球カウンタが値0であると判定すると、エラーは発生していないと判断し、そのまま第1大入賞口開放遊技監視処理を終了する。一方、残球カウンタが値0でないと判定すると、エラーが発生したと判断し、エラー発生フラグをオンとすると共に(S562)、エラー情報を出力して(S564)、第1大入賞口開放遊技監視処理を終了する。なお、エラー発生フラグがオンとされたことは、RAM70cの所定のエラー発生情報記憶領域に記憶され、このエラー発生情報記憶領域に記憶された情報はバックアップ対象データとなる。このように、第1大入賞口開放遊技監視処理では、第1大入賞口44を閉鎖してから所定時間が経過しても残球カウンタが値0とならない場合に、第1大入賞口44への遊技球の入排出数が不一致となるエラーが発生したと判定して、エラー発生フラグをオンとするのである。前述したように、エラー発生フラグがオンであると、第1大入賞口44は開放されないから、新たに第1大入賞口44を開放するラウンドが実行されることはない。なお、第1大入賞口44への遊技球の入排出数が不一致となるエラーの原因としては、遊技者の不正行為やセンサ(第1大入賞口入球スイッチ44aや第1大入賞口排出スイッチ44d)の故障、第1大入賞口44内での球詰まりなどが挙げられる。遊技者の不正行為は、例えば、釣り糸などを巻き付けて遊技者が手元で操作可能とした遊技球を第1大入賞口44内に位置(待機)させておき、その遊技球を第1大入賞口入球スイッチ44aに何度も検知させることなどにより行われる。あるいは、広く知られているように、磁気や電波などによって、第1大入賞口入球スイッチ44aが遊技球を検知したと誤作動させることなどにより行われる。また、S564のエラー情報の出力は、例えば、ホールコンピュータ115とサブ制御基板90に対して、第1大入賞口44において遊技球の入排出数が一致しないことを示すエラーコマンドを送信することにより行われる。このエラーコマンドを受信したホールコンピュータ115は、ホールの管理者にエラーの発生を報知する。また、エラーコマンドを受信したサブ制御基板90は、所定の報知態様でエラー報知処理を実行する。例えば、演出表示装置34にエラーメッセージを表示するよう演出表示制御基板91に制御信号を出力したり、警告音などが各種スピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力したり、LEDランプ93aが通常の演出とは異なる態様で発光するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力したりする。
次に、図22の大当り遊技処理で実行ラウンドRが特定ラウンド以外の偶数ラウンドの場合に行われるS414の第2大入賞口開放遊技処理について説明する。第2大入賞口開放遊技処理は、図25に示すフローチャートに従って実行される。図25の第2大入賞口開放遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口50が開放中であるか否かを判定し(S600)、第2大入賞口50が開放中でないと判定すると、エラー発生フラグがオフであるか否かを判定する(S602)。エラー発生フラグは、前述したS22の第1大入賞口開放遊技監視処理や後述するS24の第2大入賞口開放遊技監視処理において、エラーが発生した場合にオンとされるものである。エラー発生フラグがオフでなくオンであると判定すると、そのまま第2大入賞口開放遊技処理を終了する。このため、エラー発生フラグがオンの場合には、第2大入賞口50を開放して新たなラウンドが実行されることはない。一方、エラー発生フラグがオフであると判定すると、第2大入賞口50を開放する準備中であるか否かを判定する(S604)。準備中であると判定すると、通常ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第2大入賞口50の開放準備に必要な処理を行って(S606)、第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。
S606の開放準備に必要な処理を行うことにより開放準備が完了すると、S604で準備中でないと判定し、第2大入賞口50が開放されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御して(S608)、第2大入賞口開放遊技処理を終了する。なお、第2大入賞口開放遊技処理を終了すると、大当り遊技処理を終了し、主制御処理に戻って、次のS22の第1大入賞口開放遊技監視処理を経てから、S24の第2大入賞口開放遊技監視処理に進む。
また、S600で第2大入賞口50が開放中であると判定すると、第2大入賞口50の規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか否か(S612)、第2大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S614)、をそれぞれ判定する。第2大入賞口50の規定の開放時間が経過しておらず、且つ、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第2大入賞口50の開放を維持したまま第2大入賞口開放遊技処理を一旦終了する。一方、第2大入賞口50の規定の開放時間が経過したと判定したり、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S616)、残りラウンドを値1だけデクリメントすると共に(S618)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S620)、第2大入賞口開放遊技処理を終了する。
[第2大入賞口開放遊技監視処理]
ここで、S24の第2大入賞口開放遊技監視処理について説明する。この第2大入賞口開放遊技監視処理は、図26に示すフローチャートに従って実行される。図26の第2大入賞口開放遊技監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口入球スイッチ50aにより第2大入賞口50への遊技球の入球を検知したか否かを判定し(S650)、第2大入賞口50への遊技球の入球を検知したと判定すると、残球カウンタを値1だけインクリメントし(S652)、第2大入賞口50への遊技球の入球を検知してないと判定すると、S652の処理をスキップする。次に、特定領域通過スイッチ52aおよび非特定領域通過スイッチ54aのいずれかにより第2大入賞口50からの遊技球の排出を検知したか否かを判定し(S654)、第2大入賞口50からの遊技球の排出を検知したと判定すると、残球カウンタを値1だけデクリメントし(S656)、第2大入賞口50からの遊技球の排出を検知してないと判定すると、S656の処理をスキップする。
そして、主制御基板70のCPU70aは、第2大入賞口50の閉鎖後所定時間(例えば、2秒や3秒など)が経過したか否かを判定し(S658)、所定時間が経過していないと判定すると、第2大入賞口開放遊技監視処理を終了する。なお、第2大入賞口開放遊技監視処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS26の有効期間監視処理に進む。S658で第2大入賞口50の閉鎖後所定時間が経過したと判定すると、残球カウンタが値0であるか否か、即ち第2大入賞口50に入球した遊技球の数と排出される遊技球の数とが一致するか(入排出数が一致するか)否かを判定し(S660)、残球カウンタが値0であると判定すると、エラーは発生していないと判断し、そのまま第2大入賞口開放遊技監視処理を終了する。一方、残球カウンタが値0でないと判定すると、今回行われたラウンドが特定ラウンドであったか否かを判定し(S662)、特定ラウンドであればリトライ処理を行う(S664)。後述するように、特定ラウンドが終了し第2大入賞口50の閉鎖後所定時間が経過したときには、振分装置56の振分部材56aは、図4中の右側に傾いて遊技球を非特定領域54(V非通過側)に振り分ける状態となっている。このため、リトライ処理では、振分部材56aを一旦図4中の左側に傾けて遊技球を特定領域52(V通過側)に振り分ける状態とした後、再度、図4中の右側に傾けて遊技球を非特定領域54(V非通過側)に振り分ける状態となるように、振分部材56が動作(特定動作)するよう振分ソレノイド56bを駆動制御することにより行われる。このリトライ処理により、例えば、振分部材56aに遊技球が引っ掛かったために入排出数が一致しない不具合などを解消することができる。
そして、リトライ処理を行ってから所定時間(例えば、1秒や2秒など)内に特定領域通過スイッチ52aおよび非特定領域通過スイッチ54aのいずれかにより第2大入賞口50からの排出球を検知したか否かを判定する(S666,S668)。S666で排出球を検知したと判定すると、残球カウンタを値1だけデクリメントし(S670)、残球カウンタが値0となったか否かを判定する(S672)。残球カウンタが値0となってなければ、S666に戻ってS666,S668の処理を繰り返し、残球カウンタが値0となっていれば、リトライ処理により不具合が解消されたとして、第2大入賞口開放遊技監視処理を終了する。一方、リトライ処理後所定時間が経過しても残球カウンタが値0とならなかった場合、エラー発生フラグをオンとすると共に(S674)、エラー情報を出力して(S676)、第2大入賞口開放遊技監視処理を終了する。また、S662で特定ラウンドでないと判定したときには、S664〜S672の処理を省略し、リトライ処理を行うことなく、エラー発生フラグをオンとすると共に(S674)、エラー情報を出力して(S676)、第2大入賞口開放遊技監視処理を終了する。
このように、第2大入賞口開放遊技監視処理では、特定ラウンド以外の通常ラウンドであれば、第1大入賞口開放遊技監視処理と同様に、第2大入賞口50を閉鎖してから所定時間が経過しても残球カウンタが値0とならない場合に、第2大入賞口50への遊技球の入排出数が不一致となるエラーが発生したと判定して、エラー発生フラグをオンとするのである。また、特定ラウンドであれば、特定ラウンド中に振分部材56aに遊技球が引っ掛かったなどの不具合を解消するため、リトライ処理を行い、それでも入排出数が一致しない場合に、第2大入賞口50への遊技球の入排出数が不一致となるエラーが発生したと判定して、エラー発生フラグをオンとするのである。前述したように、エラー発生フラグがオンであると、第1大入賞口44も第2大入賞口50も開放されないから、第1大入賞口44を開放する新たなラウンドや第2大入賞口50を開放する新たなラウンドが実行(開始)されることはない。なお、第2大入賞口50への遊技球の入排出数が不一致となるエラーの原因としては、振分部材56aへの遊技球の引っ掛かり以外に、前述したような遊技者の不正行為などが挙げられる。例えば、釣り糸などを巻き付けて遊技者が手元で操作可能とした遊技球を第2大入賞口50内(特定領域52近傍)に位置(待機)させておき、その遊技球を有効期間発生に合わせて特定領域通過スイッチ52aに検知させることなどにより行われる。このように、遊技者の操作により第2大入賞口50に入球させて第2入賞口50内に待機させた遊技球を、特定領域通過スイッチ52a及び非特定領域通過スイッチ54aの何れにも検知させなかった場合や、特定領域通過スイッチ52aに複数回検知させる等した場合には、入排出数が不一致となるため、エラー発生フラグがオンとなる。特に、特定領域通過スイッチ52aに遊技球が検知されると(特定領域52への遊技球の通過が検知されると)、大当り遊技終了後に高確率状態が設定されることから、第2大入賞口50は不正行為のターゲットとされ易いものといえる。また、S676のエラー情報の出力は、例えば、ホールコンピュータ115とサブ制御基板90に対して、第2大入賞口50において遊技球の入排出数が一致しないことを示すエラーコマンドを送信することにより行われる。このエラーコマンドを受信したホールコンピュータ115は、ホールの管理者にエラーの発生を報知する。また、エラーコマンドを受信したサブ制御基板90は、所定の報知態様でエラー報知処理を実行する。例えば、演出表示装置34にエラーメッセージを表示するよう演出表示制御基板91に制御信号を出力したり、警告音などが各種スピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力したり、LEDランプ93aが通常の演出とは異なる態様で発光するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力したりする。
次に、図22の大当り遊技処理で実行ラウンドRが特定ラウンド(第2R)の場合に行われるS416の特定領域入球遊技処理について説明する。特定領域入球遊技処理は、図27に示すフローチャートに従って実行される。図27の特定領域入球遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口50が一時閉鎖中であるか否かを判定する(S700)。前述したように、特図1確変大当りBの特定ラウンドは、第2大入賞口50を極短時間(0.1秒)だけ開放させて短開放パターンと見せかけてから第2大入賞口50を長時間(例えば、25秒)開放させる長開放パターンBで実行される。このため、極短時間の「先の開放」を終了してから、長時間の「後の開放」を行うまでの間は、後述するように第2大入賞口50を一時閉鎖するため、S700で第2大入賞口50を一時閉鎖中であると判定することになる。第2大入賞口50を一時閉鎖中でないと判定すると、第2大入賞口50を開放中であるか否かを判定し(S702)、第2大入賞口50を開放中でないと判定すると、エラー発生フラグがオフであるか否かを判定する(S704)。エラー発生フラグがオフでなくオンであると判定すると、そのまま特定領域入球遊技処理を終了する。このため、エラー発生フラグがオンの場合には、第2大入賞口50を開放して特定ラウンドが実行されることはない。一方、エラー発生フラグがオフであると判定すると、第2大入賞口50を開放する準備中であるか否かを判定する(S706)。準備中であると判定すると、特定ラウンド開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信するなど第2大入賞口50の開放準備に必要な処理を行って(S707)、特定領域入球遊技処理を一旦終了する。
S707で開放準備に必要な処理を行うことにより開放準備が完了すると、S706で準備中でないと判定して、第2大入賞口50が開放されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S708)、特定領域52への遊技球の通過の検知を有効とする有効期間を発生させる(開始する)と共に(S710)、振分装置56の駆動を実行するための振分装置駆動実行フラグをオンとしてから(S712)、振分ソレノイド56bをオンとして(S714)、特定領域入球遊技処理を終了する。なお、発生させた有効期間はS26の有効期間監視処理によって監視され、振分装置56(振分ソレノイド56b)の駆動状態はS28の振分装置駆動処理によって制御される。
こうして第2大入賞口50を開放すると(第2大入賞口50の開放に伴って、有効期間を発生させると共に振分装置56(振分ソレノイド56b)の駆動を開始すると)、S702で第2大入賞口50が開放中であると判定し、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間(TC)以上であるか否か(S716)、第2大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(S718)、をそれぞれ判定する。経過時間がC時間以上でなく、且つ、第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球していないと判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間が、B時間(TB)以上であるか否か(S720)、A時間(TA)以上であるか否か(S722)、をそれぞれ判定する。ここで、A時間(TA)は、短開放パターンで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の開放を開始してからその開放を終了するまでの時間であり、例えば、0.1秒となる。このA時間は、長開放パターンBで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の先の開放(1回目の開放)を開始してからその開放を終了するまでの時間と同じである。また、B時間(TB)は、長開放パターンBで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の後の開放(2回目の開放,一時閉鎖後の再開放)を開始するまでの時間であり、本実施例では、4.0秒となる。また、C時間(TC)は、長開放パターンAで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の開放を開始してからその開放を終了するまでの時間であり、例えば、29秒となる。このC時間は、長開放パターンBで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の後の開放を終了するまでの時間と同じである。なお、長開放パターンAで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の開放を終了するまでの時間と、長開放パターンBで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の後の開放を終了するまでの時間とを、異ならせてもよい。
S722で第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間以上でないと判定すると、第2大入賞口50の開放を維持したまま、特定領域入球遊技処理を終了する。また、S716〜S722で第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間およびB時間以上でなく且つA時間以上であると判定した場合には、開放パターンが短開放パターンであるか否かを判定する(S724)。短開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S726)、残りラウンド数を値1だけデクリメントすると共に(S728)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S730)、特定領域入球遊技処理を終了する。これにより、短開放パターンで第2大入賞口50を開放する特定ラウンドが終了する。
また、S724で開放パターンが短開放パターンでないと判定すると、開放パターンが長開放パターンBであるか否かを判定する(S732)。長開放パターンBであると判定すると、第2大入賞口50が一時閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御して(S734)、特定領域入球遊技処理を一旦終了する。こうして第2大入賞口50を一時閉鎖すると、次に特定領域入球遊技処理を実行した場合に、S700で第2大入賞口50が一時閉鎖中であると判定して、特定ラウンド開始時に第2大入賞口50の開放(先の開放)を開始してからの経過時間がB時間以上であるか否かを判定する(S736)。経過時間がB時間以上でないと判定すると、第2大入賞口50を一時閉鎖したまま特定領域入球遊技処理を終了し、経過時間がB時間以上であると判定すると、第2大入賞口50が再開放されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御して(S738)、特定領域入球遊技処理を一旦終了する。これにより、長開放パターンBの特定ラウンドにおける第2大入賞口50の後の開放(長開放)が行われる。
長開放パターンA,Bのいずれかで特定ラウンドが実行されている場合、第2大入賞口50を開放してからの経過時間がB時間以上となった以降は、S700で第2大入賞口50が一時閉鎖中でなく、S702で第2大入賞口が開放中であると判定するから、S716で経過時間がC時間以上であると判定するか、S718で第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定するまで、S720で経過時間がB時間以上であると判定され、第2大入賞口50を長開放したまま特定領域入球遊技処理を終了する。なお、S720で経過時間がB時間以上であると判定すると、S722,S724,S732,S734(第2大入賞口50の一時閉鎖処理)に進むことなく、特定領域入球遊技処理を終了するのであるから、長開放パターンBにおいてB時間が経過したタイミングで第2大入賞口50の後の開放(2回目の開放)がなされると、以降、S716で経過時間がC時間以上と判定されるか、S718で第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定されるまで、第2大入賞口50の開放状態が維持されることとなる。そして、S716で経過時間がC時間以上であると判定したり、S718で第2大入賞口50に規定数の遊技球が入球したと判定したりすると、第2大入賞口50が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド50bを駆動制御し(S726)、残りラウンド数を値1だけデクリメントすると共に(S728)、実行ラウンドRを値1だけインクリメントして(S730)、特定領域入球遊技処理を終了する。これにより、長開放パターンA,Bでの第2大入賞口50の開放が終了する(長開放パターンBの場合には後の長開放が終了する)。
[有効期間監視処理]
次に、S26の有効期間監視処理について説明する。この有効期間監視処理は、図28に示すフローチャートに従って実行される。図28の有効期間監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、図27の特定領域入球遊技処理のS710で発生(開始)させた有効期間内であるか否かを判定し(S740)、有効期間内でないと判定すると、そのまま有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間監視処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS28の振分装置駆動処理に進む。S740で有効期間内であると判定すると、特定ラウンドの開放パターンが長開放パターン(長開放パターンA,Bのいずれか)であるか否かを判定する(S742)。今回の大当りが特図1確変大当りAや特図2確変大当りA,Bのいずれかであれば長開放パターンAであるため長開放パターンであると判定し、今回の大当りが特図1確変大当りBであれば長開放パターンBであるため長開放パターンであると判定し、今回の大当りが特図1通常大当りであれば短開放パターンであるため長開放パターンでないと判定する。S742で長開放パターンでなく短開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がB時間以上であるか否かを判定する(S744)。なお、前述したように、B時間は、長開放パターンBで特定ラウンドを実行する場合の第2大入賞口50の後の開放を開始する時間である。S744で経過時間がB時間以上でないと判定すると、有効期間を維持したまま有効期間監視処理を終了し、S744で第2大入賞口50を開放してからの経過時間がB時間以上であると判定すると、有効期間を終了させると共に(S748)、有効期間終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S750)、有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間終了指定コマンドを受信したサブ制御基板90の処理については後述する。一方、S742で長開放パターンであると判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がD時間(TD)以上であるか否かを判定する(S746)。ここで、D時間(TD)は、長開放パターンで第2大入賞口50が開放を終了するまでのC時間(例えば29秒)よりも長い時間であり、例えば32秒とすることができる。S746で経過時間がD時間以上でないと判定すると、有効期間を維持したまま有効期間監視処理を終了し、S746で経過時間がD時間以上であると判定すると、有効期間を終了させると共に(S748)、有効期間終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S750)、有効期間監視処理を終了する。なお、有効期間以外の期間において、特定領域52を遊技球が通過した場合、特定領域通過スイッチ52aにより遊技球の通過は検知されるが、有効なものとはされず、S30の特定領域通過有無監視処理で特定領域通過フラグがオンとされることはない。
[振分装置駆動処理]
S28の振分装置駆動処理は、図29に示すフローチャートに従って実行される。図29の振分装置駆動処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、振分装置駆動実行フラグがオンであるか否かを判定する(S760)。この振分装置駆動実行フラグは、前述した図27の特定領域入球遊技処理のS712でオンとされるから、特定領域入球遊技処理が行われる特定ラウンド開始時にオンされるものとなる。振分装置駆動実行フラグがオンでなくオフであると判定すると、そのまま振分装置駆動処理を終了する。なお、振分装置駆動処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS30の特定領域通過有無監視処理に進む。S760で振分装置駆動実行フラグがオンであると判定すると、振分ソレノイド56bがオンであるか否かを判定する(S762)。特定領域入球遊技処理では、S712で振分装置駆動実行フラグをオンとした後に振分ソレノイド56bをオンとするから、特定ラウンド中に振分ソレノイド56bがオフとされない限り、S762で振分ソレノイド56bがオンであると判定して、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間が、D時間以上であるか否か(S764)、B時間以上であるか否か(S766)、A時間以上であるか否か(S768)、をそれぞれ判定する。ここで、前述したように、例えばA時間は0.1秒であり、B時間は4.0秒であり、D時間は32秒である。このため、第2大入賞口50を開放してからA時間が経過するまでは、S764,S766でそれぞれ経過時間がD時間以上,B時間以上でなく、S768で経過時間がA時間以上でもないと判定して、そのまま振分装置駆動処理を終了する。この場合、振分ソレノイド56bはオンのままとするから、振分装置56が遊技球を特定領域52に振り分ける状態のままとなる。
S768で第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間以上であると判定すると、特定ラウンドの開放パターンが長開放パターンであるか否かを判定する(S770)。開放パターンが長開放パターンでなく短開放パターンであると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S772)、振分装置駆動実行フラグをオフとして(S774)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。なお、A時間は、前述したように、短開放パターンで特定ラウンドを実行する場合に第2大入賞口50の開放を開始してからその開放を終了する時間である。このため、短開放パターンでは、第2大入賞口50の短開放を終了するときに振分ソレノイド56bをオフとして、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とされることになる。一方、S770で長開放パターンであると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S776)、振分装置駆動実行フラグをオフとすることなく、振分装置駆動処理を終了する。これにより、長開放パターン中も経過時間がA時間以上となると、振分装置56が一旦遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。なお、長開放パターンであれば、振分ソレノイド56bをオフとするだけで振分装置駆動実行フラグをオフとしない(オンのままとする)から、次に振分装置駆動処理が実行された場合、S760で振分装置駆動実行フラグがオンで且つS762で振分ソレノイド56bがオフと判定することになる。
S762で振分ソレノイド56bがオフと判定すると、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がB時間以上であるか否かを判定し(S778)、経過時間がB時間以上でないと判定すると、振分ソレノイド56bをオフとしたまま振分装置駆動処理を終了する。一方、S778で経過時間がB時間以上であると判定すると、振分ソレノイド56bを再度オンとして(S780)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が再び遊技球を特定領域52に振り分ける状態となる。S780で振分ソレノイド56bをオンとした以降に振分装置駆動処理が実行されると、S762で振分ソレノイド56bがオンであると判定し、S764で第2大入賞口50を開放してからの経過時間がD時間以上と判定するまで、S766で経過時間がB時間以上であると判定し、振分装置駆動処理を終了する。なお、S766で経過時間がB時間以上であると判定すると、S768,S770,S776(振分ソレノイド56bのオフ動作)に進むことなく、振分駆動処理を終了するのであるから、S780においてB時間が経過したタイミングで振分ソレノイド56bを再びオンとすると、以降、S764で経過時間がD時間以上と判定されるまで、振分ソレノイド56bがオンのまま維持されることとなる。そして、S764で経過時間がD時間以上であると判定すると、振分ソレノイド56bをオフとし(S772)、振分装置駆動実行フラグをオフとして(S774)、振分装置駆動処理を終了する。これにより、振分装置56が遊技球を非特定領域54に振り分ける状態となる。前述したように、長開放パターンでは、第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がC時間以上となると第2大入賞口50を閉鎖し、経過時間がC時間よりも長いD時間以上となったときに振分装置56を遊技球を特定領域52に振り分ける状態から非特定領域54に振り分ける状態へ変化させるのである。
[特定領域通過有無監視処理]
S30の特定領域通過有無監視処理は、図30に示すフローチャートに従って実行される。図30の特定領域通過有無監視処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、図27の特定領域入球遊技処理のS710で発生(開始)させた有効期間内であるか否かを判定し(S790)、有効期間内であると判定すると、特定領域通過スイッチ52aにより特定領域52への遊技球の通過を検知したか否かを判定する(S792)。有効期間内に特定領域52への遊技球の通過を検知したと判定すると、特定領域通過フラグをオンとし(S794)、特定領域通過指定コマンドをサブ制御基板90へ送信して(S796)、特定領域通過有無監視処理を終了する。ここで、サブ制御基板90に送信する特定領域通過指定コマンドは、特定領域通過フラグがオンに設定されたことを示すものである。一方、S790で有効期間内ではないと判定したり、有効期間内であってもS792で特定領域52への遊技球の通過を検知してないと判定すると、そのまま特定領域通過有無監視処理を終了する。このため、特定領域52への遊技球の通過を検知することなく有効期間が終了すると、特定領域通過フラグはオンとされず、特定領域通過指定コマンドはサブ制御基板90に送信されないことになる。
[大当り遊技終了時処理]
次に、図22の大当り遊技処理のS418で実行される大当り遊技終了時処理を説明する。この大当り遊技終了時処理は、図31に示すフローチャートに従って実行される。図31の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、エラー発生フラグがオフであるか否かを判定し(S800)、エラー発生フラグがオフでなくオンであると判定すると、そのまま大当り遊技終了時処理を終了する。前述したように、大当り遊技中にエラーが発生すると、それ以降、新たなラウンドが実行されることはないが、未実行のラウンドが残っていない場合、S800の処理により大当り遊技が終了しないため、特別図柄の変動表示が開始されることはない。一方、エラー発生フラグがオフであると判定すると、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S802)、特定領域通過フラグがオンであるか否かを判定する(S804)。特定領域通過フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを120回に設定し(S806)、確変フラグをオンとして(S808)、特定領域通過フラグをオフとする(S809)。これにより、特定ラウンドの有効期間内に遊技球が特定領域52を通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に高確率状態が設定されることになる。一方、特定領域通過フラグがオフであると判定すると、S806,S808の処理をスキップする。続いて、変動短縮カウンタを100回に設定し(S810)、変動短縮フラグをオンとすると共に(S812)、開放延長フラグをオンとし(S814)、大当り遊技終了指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S816)、大当り遊技終了時処理を終了する。以上の確変フラグや変動短縮フラグ、開放延長フラグの設定状況によって、特別図柄の変動表示が行われる際、換言すると特別図柄の当否判定(大当り判定)が行われる際の遊技条件が定まることとなる。なお、大当り遊技時を除いて、確変フラグと変動短縮フラグと開放延長フラグのすべてがオフとなっている状態が通常の遊技状態であり、それらフラグの何れかがオンとなっている状態が特別状態となる。ここで、大当り遊技終了指定コマンドには、確変フラグや変動短縮フラグ、開放延長フラグの各設定状況の他、今回の大当り遊技の発生契機となった大当り図柄などが含まれる。そして、大当り遊技終了指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、大当り遊技終了演出などを実行する。
ここで、各開放パターンでの特定ラウンドの実行前と実行中と実行後とにおける第1大入賞口44および第2大入賞口50の開放制御に関する時間変化の様子について説明する。図32は、長開放パターンAで特定ラウンドが実行される場合の説明図であり、図33は、長開放パターンBで特定ラウンドが実行される場合の説明図であり、図34は、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合の説明図であり、図35は、長開放パターンAで特定ラウンドが実行されてリトライ処理が実行される場合の説明図である。図32〜図35には、特定ラウンド実行前の第1ラウンドの終了間際から、特定ラウンド(第2ラウンド)を経て、特定ラウンド終了後の第3ラウンドの開始後までの時間変化の様子を示す。
図32に示すように、長開放パターンAで特定ラウンドが実行されると、時間0の時点から第2大入賞口50の開放を開始して、第2大入賞口50への遊技球の入排出数を監視する監視期間を開始し(有効とし)、振分装置56の振分ソレノイド56bをオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態として、特定領域通過検知を有効とする(有効期間を発生させる)。第2大入賞口50の開放を開始してからA時間(TA)が経過すると、振分装置56の振分ソレノイド56bをオフとして第2大入賞口50に入球した遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とする。なお、振分ソレノイド56bをオフとしても、第2大入賞口50の監視期間および特定領域通過検知は、有効のままとする。そして、第2大入賞口50の開放を開始してからB時間(TB)が経過すると、振分ソレノイド56bを再びオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態とする。第2大入賞口50の監視期間は有効のままであるから、第2大入賞口50の残球カウンタは、第2大入賞口50への遊技球の入球に伴って値1だけインクリメントされたり、特定領域52や非特定領域54への遊技球の通過(第2大入賞口50からの排出)に伴って値1だけデクリメントされたりする。第2大入賞口50の開放を開始してからC時間(TC)が経過すると、第2大入賞口50を閉鎖する。ただし、振分ソレノイド56bはオンのままであり、第2大入賞口50の監視期間や特定領域通過検知も有効のままである。このように、長開放パターンA(長開放パターン)は、第2大入賞口50を閉鎖するときに、第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態(振分ソレノイド56bがオン)のままとなるパターンである。ここで、C時間は、十分な時間(例えば29秒)が確保されているから、特定ラウンドの開放パターンとして長開放パターンAが選択されると、通常、第2大入賞口50が開放している間に遊技球が入球し、入球した遊技球が特定領域52を通過することとなる。また、第2大入賞口50の開放時間が終了する直前(閉鎖直前)に遊技球が入球し、入球した遊技球が振分装置56に到達する前に第2大入賞口50の開放時間が終了(第2大入賞口50が閉鎖)しても、その遊技球は特定領域52を通過可能である。そして、第2大入賞口50の開放からD時間(TD)が経過すると、振分ソレノイド50bをオフとして、第2大入賞口50の監視期間を無効とすると共に特定領域通過検知を無効とする(有効期間を終了する)。C時間(TC)からD時間(TD)までの時間(TD−TC)が図26の第2大入賞口開放遊技監視処理のS658における第2大入賞口閉鎖後所定時間となる。なお、第1ラウンドで開放された第1大入賞口44は、時間T11で閉鎖され、その時間T11から所定時間(第1大入賞口閉鎖後所定時間)が経過するまで第1大入賞口44の監視期間が有効とされている。また、第1大入賞口44は、C時間(TC)で第2大入賞口50の閉鎖が開始され、その約0.15秒後の時間T12で第3ラウンドの開放準備が開始された後、約0.5秒が経過すると(時間T13)、再び開放が開始される。この第1大入賞口44の開放の開始に伴い、第1大入賞口44の監視期間も有効とされる。図示するように、D時間(TD)は、時間T13以降の時間となっている。即ち、本実施例の長開放パターンAでは、特定ラウンド(第2ラウンド)が終了し第2大入賞口50を閉鎖してから、次ラウンド(第3ラウンド)で第1大入賞口44を開放した後も、振分ソレノイド56bをオンのままとして遊技球を特定領域52に振り分ける状態としつつ、特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることになる。このように、次ラウンド中も特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることで、特定ラウンドと次ラウンドとの間の繋ぎの時間をできる限り短くしつつ(ラウンドの消化を速めつつ)、特定領域の通過の検知や第2大入賞口の入排出数の監視を適切に行うことが可能となるのである。
図33に示すように、長開放パターンBで特定ラウンドが実行されると、長開放パターンAと同様に、時間0の時点から第2大入賞口50の開放(先の開放)を開始して、第2大入賞口50への遊技球の入排出数を監視する監視期間を開始し(有効とし)、振分装置56の振分ソレノイド56bをオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態として、特定領域通過検知を有効とする(有効期間を発生させる)。第2大入賞口50の開放を開始してからA時間(TA)が経過すると、振分装置56の振分ソレノイド56bをオフとして第2大入賞口50に入球した遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とし、また、長開放パターンAと異なり第2大入賞口50を一時閉鎖する。この閉鎖のタイミングは、短開放パターンと同じタイミングであるため、遊技者に短開放パターンと見せかけることができる。ここで、A時間は極短時間(例えば0.1秒)に定められているから、この時間内に第2大入賞口50に遊技球が入球することはほとんどなく、仮に第2大入賞口50に遊技球が入球しても入球しても、その遊技球が特定領域52を通過することはほとんど不可能である。そして、第2大入賞口50の先の開放(1回目の開放)を開始してからB時間(TB)が経過すると、一時閉鎖していた第2大入賞口50を再び開放すると共に、振分ソレノイド56bを再びオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態とする。以降のC時間(TC)経過時とD時間(TD)経過時は長開放パターンAと同様であり、第1大入賞口44の開放制御も図32と同様であるため、説明は省略する。このため、本実施例の長開放パターンBでは、長開放パターンAと同様に、特定ラウンド(第2ラウンド)が終了し第2大入賞口50を閉鎖してから、次ラウンド(第3ラウンド)で第1大入賞口44を開放した後も、振分ソレノイド56bをオンとして遊技球を特定領域52に振り分ける状態としつつ、特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることになる。
図34に示すように、短開放パターンで特定ラウンドが実行されると、長開放パターンA,Bと同様に、時間0の時点から第2大入賞口50の開放を開始して、第2大入賞口50への遊技球の入排出数を監視する監視期間を開始し(有効とし)、振分装置56の振分ソレノイド56bをオンとして第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分ける状態として、特定領域通過検知を有効とする(有効期間を発生させる)。第2大入賞口50の開放を開始してからの経過時間がA時間(TA)になると、振分装置56の振分ソレノイド56bをオフとして第2大入賞口50に入球した遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とし、第2大入賞口50を閉鎖する。このように、短開放パターンは、第2大入賞口50を閉鎖するときに、第2大入賞口50に入球した遊技球を特定領域52に振り分けない状態となる(振分ソレノイド56bがオフとされる)パターンである。短開放パターンでは、第2大入賞口50を極短時間だけ開放すると共に第2大入賞口50を開放している間だけ遊技球を特定領域52に振り分けるよう振分装置56を駆動するから、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合に、第2大入賞口50に遊技球が入球することはほとんどなく、仮に第2大入賞口50に遊技球が入球してもその遊技球が振分装置56の振り分けを経て特定領域52を通過するのはほとんど不可能である。そして、第2大入賞口50の開放からB時間(TB)が経過すると、第2大入賞口50の監視期間を無効とすると共に特定領域通過検知を無効とする(有効期間を終了させる)。なお、第1大入賞口44は、B時間(TB)で第2大入賞口50の閉鎖が開始され、その約0.15秒後の時間T21で第3ラウンドの開放準備が行われた後、約0.5秒が経過すると(時間T22)、開放される。この開放に伴い、第1大入賞口44の監視期間も有効とされる。図示するように、B時間(TB)は、時間T22以降の時間となっている。即ち、本実施例の短開放パターンでは、特定ラウンド(第2ラウンド)が終了し第2大入賞口50を閉鎖してから、次ラウンド(第3ラウンド)で第1大入賞口44を開放した後は、振分ソレノイド56bをオフとして遊技球を非特定領域54に振り分ける状態としつつ、特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることになる。前述したように、短開放パターンで特定ラウンドが実行される場合に、遊技球が特定領域52を通過するのはほとんど不可能であるが、次ラウンド中も特定領域通過検知と第2大入賞口監視期間とを有効とすることで、特定ラウンドと次ラウンドとの間の繋ぎの時間をできる限り短くしつつ(ラウンドの消化を速めつつ)、特定領域の通過の検知や第2大入賞口の入排出数の監視を適切に行うことが可能となるのである。
図35は、前述したように、長開放パターンAで特定ラウンドが実行されてリトライ処理が実行される場合の説明図であり、D時間(TD)までは図32と同様であるため、説明を省略する。この図35では、C時間(TC)の直前で値1となった第2大入賞口50の残球カウンタがD時間(TD)においても値0とならない(入排出数が一致しない)状態を示す。このため、D時間(TD)の後の時間TE〜TFにおいて、振分ソレノイド56bを一時的にオンとするリトライ処理を実行する。これにより、例えば、振分部材56aに遊技球が引っ掛かっていた場合には、その遊技球を特定領域52または非特定領域54に通過させることができる。図示するように、このリトライ処理を実行するときには、特定領域通過検知は無効のままである(有効期間を発生させない)。このため、リトライ処理によって振分部材56aに引っ掛かっていた遊技球が特定領域52を通過したとしても、それによって特定領域通過フラグがオンとされることはなく、大当り遊技後に高確率状態(確変状態)が設定されることもない。また、図35では、リトライ処理後の所定時間が経過した時間TGにおいても第2大入賞口50の残球カウンタが値0とならない場合を例示している。このため、時間TGに、エラー発生フラグがオンとされることになる。時間TGでは、既に第3ラウンドは開始されているため、第3ラウンドはそのまま継続して実行されるが、エラー発生フラグがオンとされたために、第4ラウンド以降が行われないことになる。このように、リトライ処理によっても入排出数不一致のエラーが解消されない場合には、未実行のラウンドを実行しないものとすることができる。
[賞球払出関連処理]
S32の賞球払出関連処理は、図36に示すフローチャートに従って実行される。賞球払出関連処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、賞球の払い出しに関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口入球スイッチ44a,第2大入賞口入球スイッチ50a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定する(S900)。遊技球が検知されてないと判定すると、そのまま賞球払出関連処理を終了する。一方、遊技球が検知されたと判定すると、遊技球を検知したスイッチに応じて払い出すべき賞球数Sを算出して(S902)、算出した賞球数Sを賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に記憶する(S904)。この賞球情報記憶領域に記憶された賞球情報は、バックアップ対象データとなる。次に、遊技球を検知したスイッチが大入賞口入球スイッチ(第1大入賞口入球スイッチ44a,第2大入賞口入球スイッチ50a)であるか否かを判定する(S906)。遊技球を検知したスイッチが大入賞口入球スイッチでないと判定すると、大入賞口入球スイッチ以外のスイッチによる遊技球の検知に基づき算出した賞球数Sの情報を含む賞球数指定コマンドを払出制御基板80に送信して(S908)、賞球払出関連処理を終了する。一方、遊技球を検知したスイッチが大入賞口入球スイッチであると判定すると、大入賞口入球スイッチによる遊技球の検知に基づき算出した賞球数Sの情報を含む賞球数指定コマンドを払出制御基板80とサブ制御基板90に送信して(S910)、賞球払出関連処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行される。また、サブ制御基板90は、賞球数指定コマンドを受信すると、後述する獲得賞球数表示処理を実行中の場合には、演出表示装置34に表示する獲得賞球数を更新するよう賞球数Sに応じた制御信号を演出表示制御基板91に出力する。なお、本実施例では、前述したように大入賞口44への遊技球の入球1個につき15個の賞球を払い出すものとなっている。また、第1始動口36および第2始動口38については、遊技球の入球1個につき3個の賞球を払い出すものとなっており、一般入賞口45については、遊技球の入球1個につき10個の賞球を払い出すものとなっている。
[演出制御処理]
次に、サブ制御基板90により実行される動作について説明する。図37は、サブ制御基板90のCPU90により実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、初期設定処理(S1000)を実行した後、演出モード設定処理(S1010)、図柄変動演出処理(S1020)、大当り遊技演出処理(S1030)、獲得賞球数表示処理(S1040)、エラー発生時処理(S1050)等の各種処理を繰り返し実行することにより行われる。なお、サブ制御基板90は、保留発生時コマンドを受信したときに対応する保留図柄35a,35bを1つ表示し、保留消化時コマンドを受信すると対応する保留図柄35a,35bを1つ消去する所定の保留図柄表示処理等の他の演出処理も行うが、本発明の要旨をなさないからその説明については省略する。以下、初期設定処理と演出モード設定処理と図柄変動演出処理と大当り遊技演出処理と獲得賞球数表示処理とエラー発生時処理のそれぞれの詳細について順に説明する。
[初期設定処理]
S1000の初期設定処理は、図38のフローチャートに従って実行される。初期設定処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、演出表示制御基板91やアンプ基板92,装飾駆動基板93等がサブ制御基板90からのコマンドを処理可能な状態とするための準備設定である初期設定を行い(S1100)、演出表示装置34に所定の準備画面を表示する(S1102)。なお、S1102の処理は、準備画面の表示を指示するコマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行われる。サブ制御基板90からコマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34に所定の準備画面(例えば、「復旧中 しばらくお待ち下さい」等のメッセージ)が表示されるよう表示制御する。続いて、図11の電源投入処理のS110で主制御基板70により送信される復帰コマンドを受信したか否かを判定する(S1104)。復帰コマンドを受信していないと判定すると、演出モードを通常モードに設定して(S1106)、初期設定処理を終了する。一方、復帰コマンドを受信していると判定すると、復帰コマンドに含まれる大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S1108)。大当り遊技中でないと判定すると、演出モードを電源遮断前のモードに設定して(S1110)、初期設定処理を終了する。ここで、演出モードは、現在の遊技状態(低確率電サポなし状態,低確率電サポあり状態,高確率電サポあり状態,高確率電サポなし状態)を示唆するためのものであり、本実施例では、現在の遊技状態が低確率電サポなし状態であることを示唆する「通常モード」と、現在の遊技状態が高確率電サポあり状態であることを示唆する「確変時短モード」と、現在の遊技状態が低確率電サポあり状態および高確率電サポあり状態の何れかであることを示唆する「時短モード」と、現在の遊技状態が高確率電サポなし状態であることを示唆する「確変非時短モード」とがある。S1108で大当り遊技中であると判定すると、大当り遊技の進行状況(残りラウンド数)に応じた大当り遊技指定コマンド(大当り遊技開始指定コマンド,ラウンド開始指定コマンド,大当り遊技終了指定コマンド)を読み出して(S1112)、初期設定処理を終了する。
[演出モード設定処理]
S1010の演出モード設定処理は、図39のフローチャートに従って実行される。演出モード設定処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図31の大当り遊技終了時処理のS816で送信される大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。なお、前述したように、大当り遊技終了指定コマンドには、今回の大当り遊技の発生契機となった大当り図柄や確変フラグの設定状況が含まれている。大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定すると、S1210の処理に進む。一方、大当り遊技終了指定コマンドを受信したと判定すると、そのコマンドに含まれる確変フラグがオンであるか否かを判定する(S1202)。確変フラグがオンでない、即ちオフであると判定すると、現在の遊技状態が低確率電サポあり状態であると判断し、演出モードを「時短モード」に設定する(S1204)。一方、確変フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態が高確率電サポあり状態であると判断し、さらに、今回の大当りに係る大当り図柄が特図1確変大当り図柄Bであるか否かを判定し(S1206)、大当り図柄が特図1確変大当り図柄Bでない、即ち特図1確変大当り図柄Aおよび特図2確変大当り図柄A,Bの何れかであると判定すると、演出モードを「確変時短モード」に設定し(S1208)、大当り図柄が特図1確変大当り図柄Bであると判定すると、現在の遊技状態が高確率電サポあり状態の場合であっても、演出モードを「時短モード」に設定する(S1204)。このように、「時短モード」は現在の遊技状態が低確率電サポあり状態の場合と高確率電サポあり状態の場合の何れも設定され得ることから、特図当り確率が低確率(所定確率)であるか高確率であるかを遊技者が認識困難なモードとなる。
次に、実行中の演出モードが「時短モード」および「確変時短モード」の何れかであるかを判定し(S1210)、実行中の演出モードが「時短モード」および「確変時短モード」の何れかであると判定すると、図15の特別図柄遊技処理のS272,S284で主制御基板70により送信される遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1212)。なお、前述したように、遊技状態指定コマンドには、確変フラグや変動短縮フラグの設定状況が含まれている。実行中の演出モードが「時短モード」および「確変時短モード」の何れでもない、即ち「通常モード」や「確変非時短モード」であると判定したり、遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、S1224の処理に進む。一方、実行中の演出モードが「時短モード」および「確変時短モード」の何れかであり、且つ、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、そのコマンドに含まれる確変フラグがオンであるか否か(S1214)、変動短縮フラグがオフであるか否か(S1216,S1218)、をそれぞれ判定する。S1214で確変フラグがオンであると判定し、且つ、続くS1216で変動短縮フラグがオフであると判定すると、現在の遊技状態が高確率電サポなし状態であると判断して、演出モードを「時短モード」または「確変時短モード」から「確変非時短モード」へ移行し(S1220)、S1214で確変フラグがオンであると判定し、且つ、続くS1216で変動短縮フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態が高確率電サポあり状態であると判断して、演出モードを「確変時短モード」のまま維持し、S1214で確変フラグがオフであると判定し、且つ、続くS1218で変動短縮フラグがオンであると判定すると、現在の遊技状態が低確率電サポあり状態であると判断して、演出モードを「時短モード」のまま維持し、S1214で確変フラグがオフであると判定し、且つ、続くS1218で変動短縮フラグがオフであると判定すると、現在の遊技状態が低確率電サポなし状態であると判断して、演出モードを「時短モード」から「通常モード」へ移行する(S1222)。
次に、実行中の演出モードが「確変非時短モード」であるか否かを判定し(S1224)、実行中の演出モードが「確変非時短モード」であると判定すると、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1226)。実行中の演出モードが「確変非時短モード」でないと判定したり、遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、演出モード設定処理を終了する。一方、実行中の演出モードが「確変非時短モード」であり、且つ、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、そのコマンドに含まれる確変フラグがオフであるか否かを判定し(S1228)、確変フラグがオフであると判定すると、現在の遊技状態が低確率電サポなし状態であると判断して、演出モードを「確変非時短モード」から「通常モード」へ移行して(S1230)、演出モード設定処理を終了する。
図40は、演出モードの遷移の様子を示す遷移図である。「通常モード」から他の演出モード(「時短モード」,「確変時短モード」,「確変非時短モード」)への移行は、初当りの発生を契機に行われる。なお、「初当り」は、本実施例では、遊技状態が低確率電サポなし状態にあるときに発生した大当りを意味する。勿論、遊技状態が低確率状態での当りであれば、電サポあり状態および電サポなし状態の何れの状態であっても、「初当り」としてもよい。前述したように、初当りが発生すると、これに伴い実行される大当り遊技の特定ラウンドにおいて、有効期間内に遊技球が特定領域52を通過した場合には、大当り遊技後の遊技状態として高確率電サポあり状態が設定され、有効期間内に遊技球が特定領域52を通過しなかった場合には、大当り遊技後の遊技状態として低確率電サポあり状態が設定される。また、初当りの発生契機となった特図当り図柄が確変大当り図柄(特図1確変大当り図柄A,B)である場合には、特定ラウンドで遊技球が特定領域52を通過する可能性が高いため、高確率電サポあり状態が設定され易く、特図当り図柄が通常大当り図柄(特図1通常大当り図柄)である場合には、特定ラウンドで遊技球が特定領域54を通過する可能性が低いため、低確率電サポなし状態が設定され易い。特定ラウンドが終了した後、遊技状態が高確率状態となるか低確率状態となるかを遊技者に報知する確変報知演出が実行され、確変報知演出が成功態様で実行されると、高確率状態を示唆する「確変時短モード」に移行し、確変報知演出が失敗態様で実行されると、「時短モード」に移行する。また、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる場合であっても、大当りの発生契機となった特図当り図柄が特図1確変大当り図柄Bである場合には、「確変時短モード」ではなく、「時短モード」に移行する。したがって、「時短モード」は、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかを遊技者に報知しないモードであるといえる。
「時短モード」は、遊技状態が高確率電サポあり状態および低確率電サポあり状態の何れかであることを示唆する演出モードであり、大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(例えば100回)となるまで継続される。前述したように、電サポあり状態は、電サポなし状態に比して、第2始動口38への遊技球の入球頻度が高いため、第2特別図柄の変動を主体とした遊技となる。また、第2特別図柄は確変大当り図柄(特図2確変大当り図柄A,B)しか存在しない。このため、時短モード中に大当りを引くと(引き戻し)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確率電サポあり状態となり、「確変時短モード」へ移行する。時短モード中に大当りを引くことなく大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)に達すると、遊技状態が低確率電サポあり状態から低確率電サポなし状態となるため、「時短モード」が終了し、「通常モード」へ戻る。
「確変時短モード」は、遊技状態が高確率電サポあり状態であることを示唆する演出モードであり、大当り遊技終了後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)となるまで継続される。本実施例では、大当り遊技後の特別図柄(第2特別図柄)の変動回数が第1所定回数(100回)に達すると、電サポあり状態(時短状態)は終了するが、高確率状態(確変状態)は大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が第2所定回数(例えば120回)となるまで継続される。確変時短モード中に大当りを引くと、確変時短モードが繰り返される。確変時短モード中に大当りを引くことなく大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に達すると、遊技状態が高確率電サポあり状態から高確率電サポなし状態となるため、「確変時短モード」が終了し、「確変非時短モード」へ移行する。
「確変非時短モード」は、遊技状態が高確率電サポなし状態であることを示唆する演出モードであり、「確変時短モード」または「時短モード(高確率状態)」の終了後に開始され、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が第2所定回数(120回)に達すると、終了する。即ち、「確変非時短モード」は、大当り遊技終了後からの特別図柄の変動回数が第1所定回数(100回)に達した後、第2所定回数(120回)に達するまでの残り回数(20回)分だけ継続される。電サポなし状態は、電サポあり状態に比して、第2始動口38への遊技球の入球頻度が低いため、第1特別図柄の変動を主体とした遊技となる。また、第1特別図柄は確変大当り図柄と通常大当り図柄とが混在するため、確変非時短モード中に大当りを引くと(引き戻し)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確率電サポあり状態か低確率電サポあり状態の何れかとなり、確変報知演出を経て「確変時短モード」または「時短モード」へ移行する。
[図柄変動演出処理]
S1020の図柄変動演出処理は、図41のフローチャートに従って実行される。図41の図柄変動演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図16の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S1300)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、その受信したコマンドに基づき今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判定し(S1302)、大当り判定の結果が大当りの場合には演出図柄の停止図柄に大当り図柄を設定し(S1304)、外れの場合には演出図柄の停止図柄に外れ図柄を設定する(S1306)。前述したように、図柄変動開始時コマンドには、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)と特別図柄の停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれているから、演出図柄の停止図柄の選択は、ROM90bに予め記憶されている演出図柄の停止図柄のうち受信した特別図柄停止情報指定コマンドに対応する停止図柄を読み出すことにより行うことができる。本実施例では、遊技者が、演出図柄の停止図柄から特図当り図柄が通常大当り図柄であるか確変大当り図柄であるかを判別することはできないように、共通のテーブルを用いて停止図柄を設定するものとした。演出図柄の停止図柄を設定すると、図柄変動開始時コマンドに含まれる変動パターンに基づいて演出パターンを設定する(S1308)。なお、演出パターンの設定は、ROM90bに予め記憶されている演出パターンのうち受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを読み出すことにより行うことができる。
こうして演出図柄の停止図柄と演出パターンとを設定すると、図柄変動演出を開始する(S1310)。S1310の処理は、演出図柄の停止図柄と演出パターンとに基づく図柄変動演出の開始を指示する演出コマンド(図柄変動演出開始コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行われる。演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34の表示画面上で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始されるよう表示制御する。また、図柄変動演出に合わせて、判定図柄34a,34bの変動表示(点滅表示)も開始する。即ち、今回の図柄変動遊技の対象が第1特別図柄の場合には第1判定図柄34aの変動表示(点滅表示)を開始し、今回の変動対象が第2特別図柄の場合には第2判定図柄34bの変動表示(点滅表示)を開始する。なお、第1判定図柄34aおよび第2判定図柄34bのうち今回の変動表示の対象とならない判定図柄は、前回の表示を維持したままとする。
S1300で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定した場合またはS1310で演出図柄の変動表示を開始した後には、図14の特別図柄遊技処理のS242の処理で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1312)。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、図柄変動演出を終了して(S1314)、図柄変動演出処理を終了する。S1314の処理は、図柄変動演出の終了を指示する演出コマンド(図柄変動演出終了コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行う。演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34では図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が終了して、S1304あるいはS1306で設定された演出図柄の停止図柄が停止表示されるよう表示制御する。また、演出図柄の停止に合わせて判定図柄34a,34bも停止する。即ち、今回の図柄変動遊技の対象が第1特別図柄の場合には第1判定図柄34aを停止表示し、今回の変動対象が第2特別図柄の場合には第2判定図柄34bを停止表示する。
[大当り遊技演出処理]
S1030の大当り遊技演出処理は、図42および図43に例示するフローチャートに従って実行される。図42および図43の大当り遊技演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1400)。ここで、大当り遊技開始指定コマンドは、前述したように、図15の特別図柄遊技処理のS252で主制御基板70により送信される。大当り遊技開始指定コマンドを受信したと判定されると、大当り遊技開始演出を実行し(S1402)、大当り遊技開始指定コマンドを受信していないと判定されると、S1402の処理をスキップして次のS1404の処理に進む。大当り遊技開始演出は、大当りの発生を示す大当りファンファーレ画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に演出コマンドを出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。
次に、通常ラウンド開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。ここで、通常ラウンド開始指定コマンドは、図23の第1大入賞口開放遊技処理のS506または図25の第2大入賞口開放遊技処理のS606で主制御基板70により送信される。通常ラウンド開始指定コマンドを受信したと判定すると、通常ラウンド演出を実行し(S1406)、通常ラウンド開始指定コマンドを受信していないと判定すると、S1406をスキップして次のS1408の処理に進む。通常ラウンド演出は、所定のキャラクタなどの演出画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。
次に、特定ラウンド開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。ここで、特定ラウンド開始指定コマンドは、図27の特定領域入球遊技処理のS707で主制御基板70により送信される。特定ラウンド開始指定コマンドを受信したと判定すると、今回の大当り遊技の発生契機となった大当り図柄(特図当り図柄)が確変大当り図柄(特図1確変大当り図柄A,Bまたは特図2確変大当り図柄A,B)であるか否かを判定し(S1410)、確変大当り図柄であると判定すると、その図柄が特図1確変大当り図柄Bであるか否かを判定する(S1412)。大当り遊技の発生契機となった大当り図柄が確変大当り図柄であるが、その図柄が特図1確変大当り図柄Bでないと判定、即ち、特図1確変大当り図柄Aおよび特図2確変大当り図柄A,Bの何れかであると判定すると、特定ラウンド報知演出を実行し(S1414)、大当り遊技の発生契機となった大当り図柄が通常大当り図柄(特図1通常大当り図柄)と判定したり、特図1確変大当り図柄Bであると判定すると、特定ラウンド演出を行うことなく、S1406と同様の通常ラウンド演出を実行する(S1416)。ここで、特定ラウンド報知演出は、例えば、「Vを狙え」などのメッセージを演出表示装置34に表示することで、特定ラウンドの実行を遊技者に報知する演出である。具体的には、報知用の演出画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。本実施例では、大当り図柄(特図当り図柄)が確変大当り図柄であっても、その図柄が特図1確変大当り図柄Bである場合には、通常ラウンド演出を実行するものとし、特定ラウンド(特定入球遊技処理)が実行されることを遊技者に報知しないものとしている。ここで、前述したように、大当り図柄(特図当り図柄)が特図1通常大当り図柄の場合、特定ラウンドの第2大入賞口50の開放パターンとして短開放パターンが設定され、特図1確変大当り図柄Bの場合、特定ラウンドの第2大入賞口50の開放パターンとして長開放パターンBが設定される。長開放パターンBは、第2大入賞口50の開放開始からB時間TBが経過するまでは、開放パターンが短開放パターンと同じであり、この間に、第2大入賞口50に遊技球が入球することはほとんどなく、仮に入球しても特定領域52を通過することはほとんど不可能である。そして、長開放パターンBは、B時間TBが経過した後、C時間TCが経過するまで、第2大入賞口50を再開放すると共に振分装置56が遊技球を特定領域52へ振り分ける状態とするため、この間に、遊技球が第2大入賞口50に入球し、入球した遊技球が特定領域52を通過する可能性が高い。このため、大当り図柄(特図当り図柄)が特図1確変大当り図柄Bの場合、演出表示装置34の表示画面(通常ラウンド演出)とB時間TBまでの第2大入賞口50の開放パターンを見た遊技者は、通常大当りと認識し、遊技球が特定領域52を通過して大当り遊技終了後に遊技状態が高確率状態となることに気付かない場合がある。
また、今回の大当りが初当り(低確率電サポなし状態で引いた大当り)であるか否かを判定し(S1418)、初当りでないと判定すると、S1430の処理に進み、初当りであると判定すると、図30の特定領域通過有無監視処理のS796で主制御基板70により送信される特定領域通過指定コマンドを受信したか否か(S1420)、図28の有効期間監視処理のS750で主制御基板70により送信される有効期間終了指定コマンドを受信したか否か(S1422)、をそれぞれ判定する。特定領域通過指定コマンドと有効期間終了指定コマンドをいずれも受信していないと判定すると、S1430の処理に進む。また、S1420で特定領域通過指定コマンドを受信したと判定する前にS1422で有効期間終了指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技中の有効期間内に遊技球が特定領域52を通過せず、大当り遊技終了後の遊技状態は低確率電サポあり状態となるから、演出モードを「時短モード」へ移行させるために、失敗態様で確変報知演出を実行する(S1426)。一方、S1420で特定領域通過指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技中の有効期間内に遊技球が特定領域52を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率電サポあり状態となるから、今回の大当りの発生契機となった大当り図柄(特図当り図柄)は確変大当り図柄ということになる。そこで、今回の大当りの発生契機となった大当り図柄(特図当り図柄)が、確変大当り図柄のうち特図1確変大当り図柄Bか否かを判定する(S1424)。特図1確変大当り図柄Bでない、即ち特図1確変大当り図柄Aおよび特図2確変大当り図柄A,Bの何れかであると判定すると、演出モードを「確変時短モード」へ移行させるために、成功態様で確変報知演出を実行する(S1428)。一方、特図1確変大当り図柄Bであると判定すると、特定領域通過指定コマンドを受信したとしても、特定領域通過指定コマンドを受信していない場合と同様に演出モードを「時短モード」へ移行させるために、失敗態様で確変報知演出を実行する(S1426)。
そして、大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1430)。ここで、大当り遊技終了指定コマンドは、図31の大当り遊技終了時処理のS816で主制御基板70により送信される。大当り遊技終了指定コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技終了演出を実行して(S1432)、大当り遊技演出処理を終了し、大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定すると、S1432の処理をスキップして大当り遊技演出処理を終了する。大当り遊技終了演出は、大当り遊技の終了を示す大当りエンディング画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、画面表示に対応する音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。
[獲得賞球数表示処理]
S1040の獲得賞球数表示処理は、図44に例示するフローチャートに従って実行される。図44の獲得賞球数表示処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。大当り遊技開始指定コマンドを受信していないと判定すると、S1508の処理に進み、大当り遊技開始指定コマンドを受信したと判定すると、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)を値0に初期化し(S1502)、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S1504)。ここで、今回大当り獲得賞球数S1は、今回の大当り遊技において第1大入賞口44および第2大入賞口50への遊技球の入球に基づいて獲得した賞球の数をカウントしたものである。S1504で初当りであると判定すると、累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)を値0に初期化し(S1506)、初当りでない、即ち大当りの連荘中(高確率状態中,電サポあり状態中)であると判定すると、S1506の処理をスキップする。ここで、累積大当り獲得賞球数S2は、大当りの連荘中に実行済みの大当り遊技において第1大入賞口44および第2大入賞口50への遊技球の入球に基づいて獲得した賞球の数と今回の大当り遊技において第1大入賞口44および第2大入賞口50への遊技球の入球に基づいて獲得した賞球の数とをカウントしたものである。
次に、図36の賞球払出関連処理のS910で主制御基板70により送信される賞球数指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1508)。賞球数指定コマンドを受信していないと判定すると、S1534の処理に進み、賞球数指定コマンドを受信したと判定すると、そのコマンドに含まれる賞球数Sを読み出し(S1510)、今回大当り獲得賞球数S1に読み出した賞球数Sを積算することにより、今回大当り獲得賞球数S1を更新すると共に(S1512)、累積大当り獲得賞球数S2に読み出した賞球数Sを積算することにより、累積大当り獲得賞球数S2を更新する(S1514)。
そして、今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref以上であるか否かを判定する(S1516)。ここで、規定数S1refは、ラウンド数が最も多い大当り遊技(16R大当り遊技)が実行され、且つ、各ラウンドにて第1大入賞口44および第2大入賞口50に規定数(10個)一杯まで遊技球が入球した場合に獲得可能な賞球数の理論的な上限値であり、例えば、2400個とすることができる。本実施例では、第1大入賞口44または第2大入賞口50が開放しているときに、対応する大入賞口入球スイッチ(第1大入賞口入球スイッチ44a,第2大入賞口入球スイッチ50a)が遊技球を検知すると、入球数をカウントし、カウントした入球数が規定数に達すると、対応する大入賞口ソレノイド(第1大入賞口ソレノイド44b,第2大入賞口ソレノイド50b)を駆動して第1大入賞口44または第2大入賞口50を閉鎖する。このため、大入賞口入球スイッチが規定数の遊技球の入球を検知してから、大入賞口が閉鎖されるまでの間に、規定数を超える遊技球の入球が発生する場合があり(所謂オーバー入賞)、この場合、今回大当り獲得賞球数S1が最終的に規定数S1refを超えることがある。S1516で今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref未満であると判定すると、今回大当り獲得賞球数S1を演出表示装置34に表示し(S1518)、今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref以上であると判定すると、さらに、前周回の処理ルーチンのS1512で更新した今回大当り獲得球数(前回S1)が規定数S1ref未満であるか否かを判定する(S1520)。今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref以上であり、且つ、前回S1が規定数S1ref未満であると判定すると、規定数到達演出を実行する(S1522)。ここで、規定数到達演出は、今回大当り獲得賞球数S1の規定数S1ref到達を遊技者に報知するためのものであり、例えば、「2400」の数字を大きく強調表示する演出とすることができる。このように、規定数到達演出を行うことで、出玉性能(利益量性能)を遊技者にアピールすることができ、遊技興趣を高めることができる。また、今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref以上であり、且つ、前回S1も規定数S1ref以上であると判定すると、規定数到達演出を実行済みであり、今回大当り獲得賞球数S1に代えて規定数S1refを演出表示装置34に表示する(S1524)。このように、今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1refを超えると、以降は規定数S1refを表示することで、遊技機10のスペック(最大出玉)に従った表示とすることでき、表示の適正化を図っているのである。なお、規定数S1refは、ラウンド数が最も多い大当り遊技(16R大当り遊技)が実行された場合に獲得可能な賞球数の上限値を示すから、これよりも少ないラウンド数の大当り遊技(8R大当り遊技,4R大当り遊技)が実行された場合に、今回賞球数が、それらの大当り遊技で獲得可能な賞球数の上限値(1200発,600発)に達しても、規定数到達演出や規定数S1refの表示が行われることはない。勿論、ラウンド数が異なる大当り遊技毎に規定数S1refを定め、大当り遊技中に、今回賞球数が当該大当り遊技のラウンド数に対応する規定数S1refに達すると、規定数到達演出や規定数S1refの表示を行うものとしてもよい。
次に、累積大当り獲得賞球数S2が規定数S2ref以上であるか否か(S1526)、前周回の処理ルーチンのS1514で算出された累積大当り獲得球数(前回S2)が規定数S2ref未満であるか否か(S1528)、をそれぞれ判定する。ここで、規定数S2refは、例えば、5,000個や10,000個,20,000個などのように、所定の区切りの出玉数を定めたものである。累積大当り獲得賞球数S2が規定数S2ref未満であると判定したり、累積大当り獲得賞球数S2が規定数S2ref以上で且つ前回S2も規定数S2ref以上であると判定すると、累積大当り獲得賞球数S2を演出表示装置34に表示し(S1530)、累積大当り獲得賞球数S2が規定数S2ref以上であり且つ前回S2が規定数S2ref未満であると判定すると、規定数到達演出を実行する(S1532)。ここで、規定数到達演出は、累積大当り獲得賞球数S2の規定数S2ref到達を遊技者に報知するためのものであり、例えば、「5,000」や「10,000」などの数字を大きく強調表示する演出とすることができる。これにより、累積大当り獲得賞球数S2が規定数S2refに到達する度に、規定数到達を祝う演出を行うことで、遊技興趣を一層高めることができる。
そして、大当り遊技終了指定コマンドを受信したか否かを判定し(S1534)、大当り遊技終了指定コマンドを受信したと判定すると、今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1refを超えているか否かを判定する(S1536)。今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1refを超えていると判定すると、その規定数S1refを超える今回大当り獲得賞球数S1を演出表示装置34に表示することにより、オーバー入賞を祝う演出を行って(S1538)、大当り遊技演出を終了する。なお、S1534で大当り遊技終了指定コマンドを受信していないと判定したり、S1536で今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1ref以下であると判定すると、これで大当り遊技演出処理を終了する。なお、本実施例では、全ラウンドの終了時に今回大当り獲得賞球数S1が規定数S1refを超えたか否かを判定してオーバー入賞を報知する演出を行うものとしたが、各ラウンド毎に第1大入賞口44または第2大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(10個)を超えたか否かを判定してオーバー入賞を報知する演出を行うものとしてもよい。
図46は、獲得賞球数表示処理での今回賞球数と累積賞球数の表示内容を説明する説明図である。なお、図46は、初当りで特図1確変大当り図柄AまたはBを引いて1200発の出玉(賞球)を獲得した後、高確率状態(確変)中に、特図2確変大当りAを引いた場合の例である。前述したように、特図2確変大当りAを引くと、ラウンド数が最大の16R大当り遊技が実行されるため、大当り遊技で獲得可能な賞球数は、スペック上の最大個数である2400発である。図示するように、大当りファンファーレ演出の実行後(図46(a)参照)、ラウンド演出を開始すると、演出表示装置34の表示画面の隅部(右上)に、今回賞球数と累積賞球数とを表示する。なお、大当り遊技の開始直後は、今回賞球数は0発であることを示す「0P」であり、累積賞球数は1200発であることを示す「1200P」である。そして、第1大入賞口44または第2大入賞口50への遊技球の入球が第1大入賞口入球スイッチ44aまたは第2大入賞口入球スイッチ50bに検知される度に、今回賞球数と累積賞球数の表示を更新(カウントアップ)していく(図46(b)〜(g)参照)。そして、今回賞球数がその規定数(規定数S1ref)に到達すると、「2400P」を強調表示して規定数到達を祝う規定数到達演出を実行し(図46(h)参照)、以降は、大当り遊技が終了するまで、累積賞球数の表示の更新を継続して行う一方で、今回賞球数の表示の更新は行わない、即ち今回賞球数に代えて規定数S1refを表示する(図46(i)参照)。そして、全ラウンドが終了し、大当りエンディング演出が実行された後、今回賞球数が規定数S1ref(2400発)を超えていることを報知する演出を実行し(図46(k)参照)、規定数S1refを超える今回賞球数(実際の獲得賞球数)の表示を行う(図46(l)参照)。
[エラー発生時処理]
S1050のエラー発生時処理は、図47のフローチャートに従って実行される。図47のエラー発生時処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、エラー情報を受信したか否かを判定する(S1600)。ここで、エラー情報は、図24の第1大入賞口開放遊技監視処理のS564や図26の第2大入賞口開放監視処理のS676で主制御基板70により送信される。エラー情報を受信していないと判定すると、そのままエラー発生時処理を終了し、エラー情報を受信したと判定すると、エラーを報知するエラー報知演出を行って(S1602)、エラー発生時処理を終了する。ここで、エラー報知演出は、例えば、画面中央に大きく「エラー発生!」の文字を表示させる等のエラー画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、音量の大きな警告音がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力し、警告画面表示に対応する点灯態様によりLEDランプ93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力することにより行われる。
ここで、前述したように、大当り遊技中にエラーが発生すると、エラー発生を報知する画面を演出表示装置34に表示し、以降の大当り遊技の進行(ラウンドの実行)を停止させる。大当り遊技中に発生したエラーは、ホールの従業員がオンオフスイッチ107を操作して電源を一旦オフとしてから再度オンとすることで解除することができ、エラーの解除にRAMクリアスイッチ71の操作を必要としない。このため、エラー解除のために電源を一旦落としても、残りラウンド数などの大当り遊技に関する情報はバックアップされており、電源の復帰後、残りラウンドの実行を再開させることができる。したがって、大当り遊技中のエラーの発生原因が遊技者の不正行為によるものではなく、センサの故障や球詰まりによるものである場合などに、遊技者に対して、不測の不利益を与えないようにすることができる。
以上説明した実施例のパチンコ機10は、第1大入賞口44と、内部に特定領域52とその特定領域52への遊技球の通過可能性を変化させる振分装置56とを有する第2大入賞口50とを備え、開放間隔を極短時間として第1大入賞口44と第2大入賞口50とを交互に開放状態とする大当り遊技を実行し、大当り遊技の特定ラウンドで第2大入賞口50に入球した遊技球が有効期間内に特定領域52を通過すると、大当り遊技後に遊技者に特典を付与(特図高確率状態を設定)する。特定ラウンドでは、第2大入賞口50を極短時間だけ開放する短開放パターンと、第2大入賞口50を比較的長時間開放する長開放パターンとを有する。短開放パターンで特定ラウンドを実行する場合、第2大入賞口50の開放に伴って、振分装置56を遊技球を特定領域に振り分ける状態とすると共に特定領域52への遊技球の通過の検知を有効とする有効期間を発生させ、第2大入賞口50を閉鎖するときには振分装置56を遊技球を特定領域52に振り分けない状態とすると共に有効期間を維持し、特定ラウンド後の次ラウンドで第1大入賞口44を開放した以降に有効期間を終了させる。また、長開放パターンで特定ラウンドを実行する場合、第2大入賞口50の開放に伴って、振分装置56を遊技球を特定領域に振り分ける状態とすると共に特定領域52への遊技球の通過の検知を有効とする有効期間を発生させ、第2大入賞口50を閉鎖するときには振分装置56を遊技球を特定領域52に振り分ける状態で維持するとすると共に有効期間を維持し、特定ラウンド後の次ラウンドで第1大入賞口44を開放した以降に、振分装置56を遊技球を特定領域52に振り分けない状態とすると共に有効期間を終了させる。したがって、特定ラウンド中に第2大入賞口50に入球した遊技球が、次ラウンド中に特定領域52を通過したとしても、有効期間内であればその通過の検知を有効なものとして、特定領域52への遊技球の通過に基づく特典を遊技者に付与することができる。このように、開放間隔を極短時間として第1大入賞口44と第2大入賞口50とを交互に開放状態としラウンド間の繋ぎの時間をできる限り短くすることで大当り遊技中に大入賞口に入球しない遊技球を少なくしつつ(いわゆるこぼしを少なくしつつ)、有効期間を次ラウンドまで跨がるものとして特定領域52への遊技球の通過に基づく特典付与機会を十分に確保することにより、遊技興趣を向上させることができる。
ここで、第2大入賞口50を開閉した後、次に第1大入賞口44を開放する場合、第2大入賞口50の閉鎖から第1大入賞口44の開放までの時間間隔(ラウンド間の繋ぎの時間)を短くするほど、大入賞口に入球されない遊技球(こぼし球)を少なくし、大当り遊技(特定遊技)の消化を速めることができる。しかしながら、この場合、閉鎖する直前の第2大入賞口50に入球した遊技球が、第2大入賞口50を閉鎖し次に第1大入賞口44を開放した後に、第2大入賞口50内の特定領域52を通過することがある。そうなると、第1大入賞口44の開放中に行われる遊技球の検知や賞球の払い出しなどの処理に加え、第2大入賞口50内の特定領域52への遊技球の通過有無に関する処理を行う必要がある。これらの処理は、いずれも遊技利益に関するものであり、特に特定領域52への遊技球の通過有無によって遊技者に特典が付与されるか否かが変わることになるから、遊技者に不測の不利益を与えることのないように、適切に処理が行われることが求められる。本実施例では、上述したように、特定ラウンド中に第2大入賞口50に入球した遊技球が、次ラウンド中に特定領域52を通過したとしても、有効期間内であればその通過の検知を有効なものとするから、遊技者に不測の不利益を与えないようにすることができる。
また、実施例のパチンコ機10は、第2大入賞口50の遊技球の入球数と遊技球の排出数とを監視し、有効期間を終了する際に入排出数が不一致の場合には、有効期間を発生させることなく振分装置56を駆動させるリトライ処理を行う。これにより、遊技球が特定領域52を通過しても特定領域52への遊技球の通過に基づく特典を遊技者に付与することなく、遊技球の引っ掛かりなどを解消して、入排出数が不一致となるエラーを適切に解除することができる。また、入排出数が不一致となるエラーが生じている場合(リトライ処理でも解除できない場合)には、未実行のラウンドを実行しない(大当り遊技の進行を停止する)から、エラーに適切に対処することができる。
また、実施例のパチンコ機10において、振分装置56(振分部材56a,可動部)が第2状態にあるときに第2可変入球口50内の振分部材56a付近で球詰まりしてしまう場合がある。この様な場合、振分装置56(可動部)を特定動作(リトライ動作)させることで、球詰まりの解消は可能であるが、リトライ動作によって、振分装置56(可動部)を一時的に第1状態(遊技球が特定領域52を通過可能な状態)にしてしまうため、本来非特定領域54側に誘導されるべき球詰まりに係る遊技球が、特定領域52側に誘導されてしまう可能性もある。この様な場合に、特定領域通過、即ち特典付与と判断されることがないように、特定領域52を非有効期間とした状態で(有効期間を終了した状態で)、振分装置56(可動部)に特定動作(第1状態と第2状態とに変化させる動作)を実行させるものとしている。
また、実施例のパチンコ機10は、電源投入時の復帰処理において賞球情報や大当り遊技の進行に関する情報については、バックアップされた内容に基づいて遊技コマンドを生成し、エラー情報については内容をリセットするため、賞球情報や大当り遊技の進行に関する情報のバックアップ内容に基づき、エラーが解除された状態で大当り遊技を途中から再開することができる。したがって、各ラウンドで入排出数を監視して、入排出数の不一致のエラーが発生した場合に(リトライ処理で解除できない場合を含む)、未実行のラウンドを開始しないものとしても、一旦電源をオフ(遮断)してからオン(投入)することにより、電源オフ時の大当り遊技の進行状態(即ち未実行のラウンド)から、大当り遊技を再開することができる。また、残りラウンド数が値0の場合(既に大当り遊技の全ラウンドを実行済みの場合)にエラー発生フラグがオンであれば、大当り遊技終了時処理において大当り遊技を終了せず、特別図柄の変動表示を開始しない(特別図柄変動遊技に移行しない)ものとすることができる。このため、入排出数が不一致となるエラーが発生した大当り遊技中に、そのエラーへの対処を行わせることができる。
また、実施例のパチンコ機10において、「第2可変入球口が入球可能状態となることに基づいて所定の有効期間を発生する」とは、第2可変入球口(第2大入賞口50)が入球可能状態となることに基づいて有効期間を発生するのであるから、入球可能状態となるのと同時に有効期間を開始する態様に限られない。例えば、入球した遊技球を確実に有効なものとして検知するため、入球可能状態となる少し前(例えば0.5S前)の時期から有効期間を開始してもよいし、遊技球が入球したとしても特定領域への到達までに時間がかかることを考慮して、入球可能状態となった少し後(例えば0.5S後)の時期から有効期間を開始してもよい。
また、振分装置56(可動部)の動作態様として、「第2可変入球口が入球可能状態となることに基づいて第1状態とされ、第1可変入球口が入球可能状態となるまでに第2状態とされ、第1可変入球口が入球可能状態となっている間は第2状態とされる」態様を例示したが、他に、特定領域52への入球可能性(通過可能性)が変化する態様で、予め定められた動作態様を実行する態様(例えば、一部に特定領域への入球可能領域を有する回転体が所定速度で回転する態様)や、当該予め定められた動作態様を繰り返す態様を例示することができる。また、有効期間は、第1可変入球口が入球可能状態となった後も継続されるが、可動制御手段は、振分装置56(可動部)の動作を終了する(停止する)ものとしてもよい。終了する際は、振分装置56(可動部)を第2状態で終了するものとする。また、「第1状態」は特定領域52への遊技球の通過可能性が高く、「第2状態」は特定領域52への遊技球の通過可能性が低いものとしたが、更に「第1状態」は特定領域52への遊技球の通過可能性がある状態(開状態)、「第2状態」は特定領域52への遊技球の通過可能性がない状態(閉状態)としてもよい。
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技中の各ラウンドにて、第1大入賞口44または第2大入賞口50への遊技球の入球が第1大入賞口入球スイッチ44aまたは第2大入賞口入球スイッチ50bに検知される度に、今回の大当り遊技で獲得された賞球の数である今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示内容を更新していき、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1refに到達すると、大当り遊技が終了するまで以降の表示内容の更新を行わない。これにより、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示内容を、遊技機10のスペック(最大出玉)に従った内容とすることでき、表示内容の適正化を図ることができる。しかも、全てラウンドの実行が終了したときに、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1refを超えている場合、規定数S1refを超える今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)を表示するから、出玉感(お得感)を遊技者にアピールして、遊技興趣をより向上させることができる。
また、実施例のパチンコ機10は、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)と同時に、大当りの連荘中に獲得された賞球の合計値である累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)を表示するものとし、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1refに到達すると、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示内容を更新しないものとしつつ、累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)の表示内容は更新するから、大当りの連荘中の出玉感を遊技者にアピールして、遊技興趣をさらに向上させることができる。
実施例のパチンコ機10では、特定ラウンドの実行パターンとして、第2大入賞口50を比較的長時間開放する長開放パターンAと、第2大入賞口50を極短時間だけ開放して一時閉鎖してから比較的長時間開放する長開放パターンBと、第2大入賞口50を極短時間だけ開放する短開放パターンとの3つのパターンを有するものとしたが、これに限られず、4以上のパターンを有してもよいし、長開放パターンAと短開放パターンとの2つのパターンとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第2大入賞口開放遊技監視処理において残球カウンタが値0とならない(入排出数が一致しない)場合に行うリトライ処理として、リトライ処理では、振分部材56aを一旦図4中の左側に傾けて遊技球を特定領域52(V通過側)に振り分ける状態とした後、再度、図4中の右側に傾けて遊技球を非特定領域54(V非通過側)に振り分ける状態となるようにする動作を一度だけ行ったが、これに限られず、その動作を複数回行うものとしてもよい。あるいは、振分部材56aが通常の振り分け時とは異なる動作(例えば、振動したりするなど)を行うことができるよう振分装置56を構成しておき、リトライ処理では通常とは異なる動作を行うものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第2大入賞口開放遊技監視処理において残球カウンタが値0とならない(入排出数が一致しない)場合にリトライ処理を行うものとしたが、これに限られず、リトライ処理を行わないものとしてもよい。この場合、第2大入賞口開放遊技監視処理のS662〜S672の処理を省略し、残球カウンタが値0とならないことに基づいてエラーを発生させるものとすればよい。
実施例のパチンコ機10では、特定ラウンドの短開放パターンや長開放パターンBで第2大入賞口50の開放からA時間が経過すると、第2大入賞口50の閉鎖と共に振分装置56の駆動を終了し(可動部を第1状態から第2状態へ変化させ)、第2大入賞口50の先の開放からB時間が経過すると、一時閉鎖した第2大入賞口50の開放と共に振分装置56の駆動を再開する(可動部を第2状態から第1状態へ変化させる)ものとしたが、これに限られず、振分装置56の駆動の終了や駆動の再開を第2大入賞口50の閉鎖や開放に連動させないものとしてもよい。例えば、第2大入賞口50の開放からA時間が経過して第2大入賞口50を閉鎖した後に振分装置56の駆動を終了してもよいし、第2大入賞口50の開放からB時間が経過して第2大入賞口50を再開放した後に振分装置56の駆動を再開してもよい。
実施例のパチンコ機10では、回転可能な円筒部から径方向に突出部が突出して構成された振分部材56aと、振分部材56aを円筒部を中心として作動(回動)させる振分ソレノイド56bとにより振分装置56を構成し、遊技球を特定領域52に振り分ける状態と、遊技球を非特定領域54に振り分ける状態とを切り替えるものとしたが、これに限られず、遊技球を特定領域と非特定領域とに振り分けるよう作動するものであれば、如何なる構成としてもよい。例えば、遊技球を非特定領域側に振り分ける状態から遊技球を特定領域側に振り分ける状態に徐々に変化するもの(遊技球が特定領域を通過する可能性が徐々に高くなるもの)などとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第1大入賞口開放遊技処理において第1大入賞口開放遊技監視処理(第1大入賞口44の監視)を行い、第2大入賞口開放遊技処理において第2大入賞口開放遊技監視処理(第2大入賞口50の監視)を行うことで全てのラウンドを監視するものとしたが、これに限られず、第2大入賞口開放遊技監視処理のみ(偶数ラウンド目のみ監視、第2大入賞口50のみ監視)を行うものとしてもよい。また、第2大入賞口開放遊技監視処理において特定ラウンドだけ監視するものとし、特定ラウンド以外のラウンド(他の偶数ラウンド目)の監視を行わないものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技終了時処理においてエラー発生フラグがオンの場合(大当り遊技の残りラウンド数が値0でエラー発生フラグがオンの場合)には、大当り遊技フラグをオフしない(大当り遊技を終了しない)ものとしたが、これに限られず、エラー発生フラグがオンの場合には、大当り遊技は終了するものの、特別図柄の変動遊技(識別情報の変動表示)を実行(開始)しないものとしてもよい。この場合、図31の大当り遊技終了時処理のS800のエラー発生フラグがオフであるか否かの判定処理を省略し、エラー発生フラグがオンであるか否かの判定処理を図14の特別図柄遊技処理中に追加すればよい。例えば、エラー発生フラグがオンであるか否かの判定処理を、S220の大当り遊技中であるか否かの判定処理と、S222の特図1および特図2のいずれかが変動表示中であるか否かの判定処理との間で行うものとし、エラー発生フラグがオンであれば特別図柄遊技処理を終了し、エラー発生フラグがオンでなくオフであればS222の処理に進むものなどとすればよい。
実施例のパチンコ機10では、入排出数が不一致となるエラーの情報(エラー発生フラグの状態)をバックアップ対象データとしておき、復帰処理においてエラー発生フラグをオフとする(リセットする)ことで結果的にバックアップされないものとしたが、これに限られず、エラー発生フラグの状態をバックアップ対象データとしないものとしてもよい。この場合、エラー発生フラグは、電源オフ(遮断)により消去(リセット)されて、電源オン(投入)時には、オフとされているものとすればよい。この場合も、オンオフスイッチ107の操作(オンオフ切替操作)により、入排出数が不一致となるエラーの情報(エラー発生フラグ)がリセットされることになる。また、エラー発生フラグをリセットするための専用のエラーリセットボタンを設けておき、復帰処理においてエラーリセットボタンが押下されているか否かを判定し、エラーリセットボタンが押下されていることに基づいて(例えば、エラーリセットボタンを押しながら電源が投入されるなど)、エラー発生フラグをリセットするものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第1大入賞口入球スイッチ44aや第2大入賞口入球スイッチ50aによる遊技球の検知に基づいて賞球を払い出すものとしたが、これに限られず、第1大入賞口排出スイッチ44dや第2大入賞口の排出を検知するスイッチ(特定領域通過スイッチ52aや非特定領域通過スイッチ54a)による遊技球の検知に基づいて賞球を払い出すものとしてもよい。この場合、図26の第2大入賞口開放遊技監視処理のS664のリトライ処理によって遊技球の詰まりが解消されると、特定領域通過スイッチ52aや非特定領域通過スイッチ54aのいずれかで遊技球が検知されることになるから、その検知に基づいて賞球を払い出すものとしてもよいし、払い出さないものとしてもよい。前者の場合、リトライ処理によって遊技球が特定領域52を通過したことを検知すると、賞球は付与する(払い出す)ものの、賞球以外の特典(高確率状態の設定)は付与しないものとなり、後者の場合、リトライ処理によって遊技球が特定領域52を通過したことを検知しても、賞球および賞球以外の特典(高確率状態の設定)のいずれも付与しないものとなる。なお、実施例では、リトライ処理によって遊技球が特定領域52を通過したことを検知しても、賞球以外の特典(高確率状態の設定)は付与しないものとしたが、例えば賞球を付与する場合には、賞球以外の特典も付与するものなどとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、今回賞球数が規定数S1refに達すると、大当り遊技が終了するまで今回賞球数の表示内容の更新を行わないものとし、累積賞球数の表示内容の更新は行うものとしたが、これに限定されるものではなく、今回賞球数および累積賞球数の両方の表示内容を更新しないものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、今回賞球数がその規定数(規定数S1ref)を超えると、今回賞球数に代えて規定数S1refを表示する(以降の今回賞球数の表示内容の更新を行わない)ものとしたが、これに限定されるものではなく、今回賞球数についての表示内容を消去するもの、即ち、今回賞球数の表示を行わないものとしてもよい。図48は、図45に代えて実行される変形例の獲得賞球数表示処理を示すフローチャートであり、図49は、変形例の獲得賞球数表示処理で表示される今回賞球数および累積賞球数の表示内容を説明する説明図である。図48に示すように、S1516で今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1ref以上であると判定し、且つ、S1520で前回S1も規定数S1ref以上であると判定すると、今回賞球数の表示を消去する(S1524B)。即ち、図49に示すように、今回賞球数が規定数S1に達すると、規定数到達演出を実行した後(図49(h)参照)、今回賞球数の表示を消去して、大当り遊技が終了するまで今回賞球数の表示を行わないようにする(図49(i),(j)参照)。これにより、今回賞球数の表示内容を、遊技機10のスペック(最大出玉)に従った内容とすることでき、表示内容の適正化を図ることができる。なお、この変形例では、今回賞球数が規定数(規定数S1ref)を超えると、今回賞球数の表示だけを消去し、累積賞球数の表示は続けて行うものとしたが、今回賞球数および累積賞球数の両方の表示内容を消去するもの、即ち、今回賞球数の表示および累積賞球数の表示を行わないものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数(規定数S1ref)を超えると、サブ制御基板90は今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)に代えて規定数S1refの表示を指示するコマンドを液晶表示制御基板91へ送信するものとしたが、これに限定されるものではなく、サブ制御基板90は今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示を指示するコマンドを液晶表示制御基板91に送信するものとし、これを受信した液晶表示制御基板91が今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1refを超えるか否かを判定し、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)が規定数S1refを超えないと判定すると、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)を演出表示装置34に表示し、規定数S1refを超えると判定すると、規定数S1refを演出表示装置34に表示するよう表示制御を行うものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中の各ラウンドにて、第1大入賞口44または第2大入賞口50への遊技球の入球が第1大入賞口入球スイッチ44aまたは第2大入賞口入球スイッチ50bに検知される度に、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)や累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)を更新するものとしたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技中に、第1始動口36や第2始動口38、一般入賞口45など、賞球が払い出される他の入球口への遊技球の入球が検知された場合も、今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)や累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)を更新するものとしてもよい。この場合、大当り遊技中(各ラウンドの実行中)に第1大入賞口44または第2大入賞口50への遊技球の入球に基づき払い出された賞球の数と他の入球口への遊技球の入球に基づき払い出された賞球の数とを加えた合計値を表示するものとしてもよいし、大当り遊技中(各ラウンドの実行中)は第1大入賞口44または第2大入賞口50への遊技球の入球に基づき払い出された賞球の数のみを表示すると共に他の入球口への遊技球の入球に基づき払い出された賞球の数を別途算出しておき、大当り遊技が終了する際(全てのラウンドの実行が終了した後)に両者を加えた合計値を表示するものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中に今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示と累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)の表示とを行うものとしたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技中に今回大当り獲得賞球数S1(今回賞球数)の表示を行い、大当り遊技が終了するとき(大当り終了時演出時)や大当り遊技が終了した後の特別図柄の変動表示中、大当りの連荘が終了するとき、大当りの連荘が終了した後の特別図柄の変動表示中等に、累積大当り獲得賞球数S2(累積賞球数)の表示を行うものとしてもよい。
また、本実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
本実施例では、本発明をパチンコ機10(弾球式の遊技機)に適用するものとしたが、スロットマシン等の回胴式の遊技機に適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、図44および図45の獲得賞球数表示処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aと液晶表示制御基板91と液晶表示装置34とが「利益量表示手段」および「規定利益量報知手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。